本音で対話したくなる道徳実践2021/1/17 1 本音で対話したくなる道徳実践...

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2021/1/17 1 本音で対話したくなる道徳実践 琉球大学教育学部附属小学校 道徳科研究部 來山 佳世 道徳の授業って・・・ 分かりきったこと を言って終わり 先生が言ってほしそうなこと を言う 正しいことを言えばいい 教材文に書いてあること を探してばかりいる 上辺の道徳から抜け出したい! 本音とは? 子どものリアルな思考や感情を出発に! あきらめないことが大切ってわかっては いるけど…そうはいっても逃げたくなるよ。 人を傷つけてはいけないことは分かっ てはいるけど…イライラしちゃうこと だってあるよ。 本音が出せる環境 学びをつなぐ教育の創造 本校の研究テーマ 仲間の意見と自分の意見をつなぐ 登場人物と自分の経験をつなぐ 学習内容同士をつなぐ 他教科とつなぐ 学習内容と日常生活とつなぐ 過去と今の自分をつなぐ 今と未来の自分をつなぐ ①本音が出せる環境づくり ②子供が考えたくなる授業展開 道徳授業スタート! 「なくしたかぎ」(日文 5年)~あらすじ~ あきらは家に帰る時間を両親と約束していました。帰る時間に なったとき、友達のかずおが家のカギをなくしてしまったことに 気付いた。 あきらは約束を守って一人で帰るか、かずおと一緒にかぎを探 すか迷ってしまった。

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  • 2021/1/17

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    本音で対話したくなる道徳実践

    琉球大学教育学部附属小学校

    道徳科研究部 來山 佳世

    道徳の授業って・・・

    分かりきったことを言って終わり

    先生が言ってほしそうなことを言う

    正しいことを言えばいい

    教材文に書いてあることを探してばかりいる

    上辺の道徳から抜け出したい!

    本音とは?

    子どものリアルな思考や感情を出発に!

    あきらめないことが大切ってわかってはいるけど…そうはいっても逃げたくなるよ。

    人を傷つけてはいけないことは分かってはいるけど…イライラしちゃうことだってあるよ。

    本音が出せる環境

    学びをつなぐ教育の創造本校の研究テーマ

    仲間の意見と自分の意見をつなぐ

    登場人物と自分の経験をつなぐ

    学習内容同士をつなぐ

    他教科とつなぐ

    学習内容と日常生活とつなぐ

    過去と今の自分をつなぐ

    今と未来の自分をつなぐ

    対話

    ①本音が出せる環境づくり

    ②子供が考えたくなる授業展開

    道徳授業スタート!

    「なくしたかぎ」(日文 5年)~あらすじ~

    あきらは家に帰る時間を両親と約束していました。帰る時間に

    なったとき、友達のかずおが家のカギをなくしてしまったことに

    気付いた。

    あきらは約束を守って一人で帰るか、かずおと一緒にかぎを探

    すか迷ってしまった。

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    ①対話の学び方を身に付ける

    ②道徳の学ぶ面白さを実感

    授業開きで大切にしていること

    授業開き⇒対話で学ぶ面白さを実感

    中心発問道徳で大切にしたいこと 終末

    振り返りノート~授業開き編~

    仲間との対話を通して学ぶ面白さを実感

    さいばんのように、今日の道徳は白熱してとっっっってもおもしろかった。

    友達の理由を聞いて納得した自分が許せない

    振り返りノート~授業開き編~

    仲間の意見を聴くことの大切さを実感

    よく反対意見を聞くとみょうになぜか反対意見の人の心に共かんしてしまいました。仲間の意見をきくことってとても大切ですね。

    週に一時間の道徳だけで…

    道徳を核として他教科・学校生活全体で

    今、迷ってる。だから手を挙げられない。

    正直…今の説明わかんなかったからもう一回教えて。

    やっぱり意見が変わりました!

    英語→毎時間のSmall Talk

    うまく言えなくても自分の言葉で伝えたい

    本音を受け止め、聴いてくれる

    わかり合えた喜び

    他教科でも対話を重ねる

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    他教科でも対話を重ねる

    仲間の考えを知る

    いつでもどこでも誰とでも安心して学び合える

    分からないことは聞く

    分かるまで教える

    教師も子どもの素直な声を受け止める~学活編~

    先生、学級運動会をやりたいです! どうしてやりたいの?

    どんな会にしたい?

    みんなに提案してみてごらん😊

    教師も子どもの本音を受け止める~図工編~

    コマ撮りアニメーションから・・・

    先生、みんなで一つの映画を創りたいです!

    教師も子どもの本音を受け止める~図工編~

    コマ撮りアニメーションのあとに・・・

    みんなはどう思う?

    教師も本音で受け止める

    子供が本音で語る

    一人の考えに寄り添う

    子供に委ねる 対話を重ねる

    安心して学び合える①本音が出せる環境づくり

    ②子供が考えたくなる授業展開

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    導入⇒子供が考えたくなる話題を提示し、全員が参加できる工夫

    展開⇒本音で対話する中で自分と他者の意見と比べ自分の考えを深める

    終末⇒対話の中で仲間の意見から学んだことや自分が感じたことを整理する

    ②子供が考えたくなる授業展開あれ?違うかも…

    みんなはどう考えるかな…

    やっぱり僕は…

    Aの自転車置き場

    →目印にロープがはってあるが関係なく適当に置かれている

    Bの自転車置き場

    →線が引かれ、管理人さんもいる

    Cの自転車置き場

    ロープや線もなく、管理人さんもいないが、どの自転車もきちんと隣に合

    わせて置かれている。

    「この場所の管理人はあなたです。」と看板が目に入った。

    ぼくは、どの自転車置き場がいちばんいいのか考えた。

    「心の管理人」(光文 5年)~あらすじ~

    内容項目A:善悪の判断、自律、自由と責任

    導入⇒子供が考えたくなる話題を提示し、全員が参加できる工夫

    ②子供が考えたくなる授業展開

    T:自由って言われたらどんな感じ?Cn:イェ~イ!T:良いイメージってこと?C1:うん!C2:けど…T:でもっていう人の気持ち分かる?

    違和感

    ②子供が考えたくなる授業展開

    展開⇒本音で対話する中で自分と他者の意見と比べ自分の考えを広げ、深める

    T:3つの自転車置き場のうち、どれが一番自由だと思う?(中心発問)

    もし、看板がなかったら?

    Bだって適当においても管理人さんが整理してくれるのでは?

    隣に合わせて置く時点で自由ではないのでは?

    ②子供が考えたくなる授業展開

    終末⇒対話の中で仲間の意見から学んだことや自分が感じたことを整理する

    Kさんが言ってたように自由にも加減が必要なんだな

    自由すぎるのはだめ、堅苦しいのもだめ、自由のコントロール

    は難しいな

    私はAだったけど、Cの「自主的に並べているから自由」に納得しました。

    最初はAだったけどBになり、最後はやっぱり自分の意思で置いているCと思いました。

    授業前

    授業後

  • 2021/1/17

    5

    ぼくたちのクラスは、昼休みにクラスみんなでサッカーをして

    いた。審判はなしでセルフジャッジ。最初は、お互いにルール

    を守りながらゲームを進めていた。しかし、次第にボールがラ

    インを出ても、知らんぷりしてゲームを続け、お互いにやりた

    い放題になってしまった。

    「セルフジャッジ」(光文 5年)~あらすじ~

    内容項目C:規則の尊重

    前の学習内容とつなげて

    友達の意見をつなげて 日常生活とつなげて

    他教科とつなげて

    前の学習内容とつなげて

    友達の意見をつなげて

    日常生活とつなげて

    他教科とつなげて

    「心の管理人」とつなげて

    特活での話し合いとつなげて

    身近な食べ物やスポーツとつなげて

    仲間の似た意見とつなげて

    例えば

    あのときの私たちの経験と似てない?

    もっと詳しく言うと そもそも

    できない理由を大切にする

    ん~思うことはできてもなかなかできないよ。

    どういうこと?

    だってイラストレーターになるために絵を描くの頑張ろうと思っても自信がなくなることがあるから。

    わかる!俺もおかしづくりがんばろうと思っても途中でめんどくさくなってやめてしまった。

    C1:

    C2:

    T:

    C1:

    内容項目A:真理の追究

    できない自分や弱い自分

    できるようになりたい自分よりよくなりたい自分

    現実的な視点

    理想的な視点

    自分の経験を交えて思考

    「短所も長所」(光文 5年)~あらすじ~

    ゆかさんは、友達から「仕事をきちんとする人」

    だと言われて、たしかに当たっていると感じる。

    しかし、この長所は短所でもあると思った。小さ

    いことに気が付きすぎて、つい人のことまで手

    を出したり口を出したりするので、自分の性格

    を良い方向に伸ばしていきたいと思っている。

    内容項目A:個性の伸長

  • 2021/1/17

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    3人のゆかさんの中でどのゆかさんが自分らしいだろう。(中心発問)

    3つの⇒ではなく、その時の虹色の⇒が自分らしさ

    自分の考えを広げる

    ①本音が出せる環境づくり

    ②子供が考えたくなる授業展開

    本音で仲間と対話したくなる道徳

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    遊びで紡ぐ学び―体育学習を通して学びをつなぐ―

    琉球大学教育学部附属小学校

    5年1組 奥平 勝一

    なぜ学び(体育)に遊びが必要か

    【私のこれまでの体育実践】

    • サッカーはこういう運動

    • 跳び箱はこう跳ぶもの

    • 水泳はこう泳ぐもの

    • ハードル走はこう走るもの

    • リレーはこうやるもの・・・

    面白いコト(遊び)に没頭することで学びがつながる

    面白いコト

    生涯にわたって

    色々な領域他教科

    遊びに没頭

    遊び➡️学びをつないでいく

    未来を生きる力

    学びに向かう力・人間性等

    思考力・判断力・表現力等知識・技能

    知識・技能,思考力・判断力・表現力等を,

    どのような方向性で働かせていくかを決定つける重要な要素

    やりたくさせる価値づける

    やりたいからやる子供発信

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  • 2021/1/17

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    学習材(学習としての活動)

    コト

    モノヒト

    ルール・教具・場学年の実態自己・他者

    本質的な遊びとしてのできゴト 学びの循環

    自分で決めて自分でやる

    指導のねらいと学びの中心は同じ

    放任・自由

    どういうコトが面白い遊びか★単元を貫くテーマ

    自己決定から必要感を伴う学びへ

    攻略本攻略サイト

    説明書を読む 友達に聞く

    自己決定から必要感を伴う学びへ

    攻略本攻略サイト

    説明書を読む 友達に聞く

    とりあえずやってみる

    何度もやる・考える

    行きつまった 少し分かってきた…

    自己決定から必要感を伴う学びへ

    先生から教わる

    練習する調べる

    友達に聞く

    とりあえずやってみる

    何度もやる・考える

    上手くできない勝てない

    少し分かってきた…

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    「単元」のスタート

    「やってみたい」

    「やってごらん」

    「いきなりゲーム(運動)」えっ

    いいの?

    単元を貫くテーマ(オープンエンドな問い)

    発想/創造

    創作

    遊び共有

    想像

    振り返り

    学びを委ねる

    単元を貫くテーマ設定(運動の中心)

    陸上運動

    短距離走 スタートからゴールまでより速く走れるかどうか

    リレー 複数人でバトンをつなぎ、スタートからゴールまでより速く

    ハードル走 ハードルを跳び越えて、スタートからゴールまでより速く走れるかどうか

    幅跳び より遠くにとぶことができるかどうか

    高跳び より髙いバーを落とさずに跳び越えることができるかどうか

    器械運動

    鉄棒 地面に安定して立った状態から鉄棒上で回って、着地できるか

    跳び箱 跳び箱を◯◯な跳び方で跳び越えてピタッと止まれるかどうか

    マット 安定した状態からクルッと回っても止まれるかどうか

    水 泳 ◯◯な泳ぎ方でより速く(または遠く)へ進めるかどうか

    ボール運動

    ゴール型

    サッカー 手を使わずにボールをコントロールして、ゴールにシュート(得点)できるかどうか

    バスケットボール 手でボールをコントロールして、ゴールにシュート(得点)できるかどうか

    タグラグビー 前にパスをせずボールを前に運び、トライできるかどうか

    ネット型

    バレーボール 相手のコートにボールを落とす(攻め)、自分のコートに落とさせない(守り)

    テニス(プレルボール) 相手コートにボールを返す(守り)、自分のコートに返させない(攻め)

    ベースボ

    ール型 ソフトボール 守りが送るボールよりも速く塁に着けるかどうか

    表現

    表現 非日常空間を創り出し、演じられるかどうか

    エイサー いかに力強く(勇壮に)踊れるかどうか

    体つくり運動 検討中

    いかに〜〜できるかどうか

    より〜〜できるかどうか

    空中フォーム?

    踏切!

    インターバルだ!

    単元を貫くテーマ【リズムよくまたぎ越すには

    どうしたらいいか】〇〇の動きができるようになった

    「より速くまたぎ越すために」インターバルや道具を選んで自分に合った場で試した。考えを伝え合ってよりよい跳び方を見つけた。

    場面:歩数が合わない時は?

    体がふわっと上にあがってしまったときは?すばやく降りるには?

    視点:目線は前。手は前。

    踏切の位置。つまさきとひざを伸ばす。頭を下げる。歩数は4歩。インターバルを自分にあわす。

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    遠くにジャンプして跳び越えるために」道具を使ってどんな跳び方がいいのかみんなで考えた。自分に合った視点を見つけ伝え合うことで記録があがった。

    場面:ゴムを跳び越えられる?

    目線はどこかな?空中姿勢は?

    視点:目線は遠く。手は上げる。

    踏切は強く。段ボールを飛び越えるためにつま先は上をむく。

    トライに向かうために言葉を使って話す→出来る→楽しい☆

    場面:ボールを持ったら?タグを取られたら?

    ボールを持ってる人の?

    視点:トライをねらう!どうやって?

    味方にパスをする!タグは取られてもいいの?

    後ろを走る!どうやって?

    ☆「かっこよく踊るために」友達の演舞を見て伝える。分かる。できる。

    どうやったらかっこよくみえる?大きくおどる?表情?

    曲げたり伸ばしたりする?太鼓を強くたたく?

    友達はすごくかっこいいな。

    まねしてみよう。目線も決めて、体のパーツを意識することをし

    たい。

    「かっこよく回るために」道具や補助を使って自分に合った場を選ぶ。自分のやり方考えを伝え合ってシンクロを楽しんだ☆

    場面:クルっと回るには?タイミングを合わすには?シュッとたつには?

    視点:ポインターを使う。坂にする。マットを重ねる。補助をする。どう

    やって補助する?

    運動することが楽しい 思考の変化を実感する

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    言語の動作化 動作の言語化

    やってみたい

    できた!あれ?できないぞ

    おもしろそう

    もう一回やろう

    どうやったら上手くいくの

    運動することが楽しい

    自分なりの課題を

    解決していく過程

    を自分で評価する

    〇〇の動きができるようになった

    遊びで紡ぐ学び

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  • 1

    学びをつなぐ教育の創造〜生活から生まれる民謡の面白さ〜

    音楽科研究部 小底 翔多

    音楽科の学び

    聴き取ったこと

    (知覚)

    強弱、音色、リズムなど、

    音楽的な事実

    感じとったこと

    (感受)

    わくわく、明るい、暗い、楽しい

    心で感じること

    音楽的な見方・考え方を働かせる

    音楽科における「学びをつなぐ教育の創造」

    生活経験や既習とつなぐ

    友達の考えとつなぐ

    他教科の学びとつなぐ

    音楽的な見方・考え方を働かせながら

    この過程で発揮する子供の力を整理表の観点で見とったり、授業デザインに活かす。

    社会や生活の中の音や音楽と豊かに関わる資質・能力

    の育成

    研究の目的(問題意識)

    子供 授業で出会う音や音楽

    ・子供にとって音楽は「与えられる」場合が多い そもそも音楽って

    思いや状況から音楽が生まれる

    音楽が思いを高める

    音楽的な見方・考え方を働かせるには、音楽と子供を相互作用的につなぐことが必要なのでは

    子供と音楽を相互作用的につなぐために

    どんな場面で歌われていたのかな。

    どんな思いで歌っていたのかな。

    民謡の題材が効果的なのでは?

    授業における思考を、その音楽が生みだされた場面とつなげる

    民謡→労働場面や生活から生まれた歌

    5年 拍のちがいを意識して日本の民謡に親しもう(鑑賞→音楽づくり)

    『南部牛追い歌』

    無拍

    鑑賞

    労働歌という点は同じ拍感の有無に違い

    比較聴取 有拍

    『ソーラン節』

    同じ民謡(労働歌)なのに、なぜ拍感に違いがあるんだろう。

    それぞれどんな場面の労働なんだろう。

    授業における思考を、歌われていた場面とつなげる

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  • 2

    音楽づくり

    『南部牛追い歌』と同じ無拍の音楽である物売り歌をつくる。

    前時までの鑑賞で学んだ、拍と歌い手の思いや場面の関係性について、より理解を深めさせたい。

    題材構成の工夫第1時 どんな場面で歌われていたか、音楽の特徴から考える

    音楽の特徴どんな場面か

    『ソーラン節』と比較聴取をして、『南部牛追い歌』の特徴を探る。

    音楽の特徴と写真の情報を結びつけながら、どんな場面なのか、なぜその場面で歌われているのか、比較聴取を進める。

    写真を提示して、場面のイメージを絞る。

    もう一つの写真は『ソーラン節』だと気づく。

    「『ソーラン節』と比べて音楽にのりにくい」という発言から、手拍子をして聴いてみて、拍感の有無

    の気づきへ

    E 比べる力

    なぜ拍を感じにくい音楽が牛追いの場面で使われていたのか?

    「音ていが、山のけわしさなどを表していると思いました。」

    →無拍だからこそだせる声の抑揚を、歌われていた場面と結びつけて考える姿。

    「牛が自由でゆっくりいくから、こんなに拍が感じにくい自由な歌にしたのかな」

    →無拍であることと、牛追いという労働歌を結びつけている。

    第2時 実際に歌われていた場面を動作化して、歌うことのメリットを考える。

    歌いながら漁の動きをすると、一定のリズムで動ける!やる気もでる!

    声を出さないと合わせにくいし、気持ちも盛り上がらない。

    『ソーラン節』

    C 探る力

    『南部牛追い歌』

    あれ?歌っても歌わなくても変わらない?

    『ソーラン節』より分かりにくい。

    ゆっくり歩く牛をつれてるとイライラしちゃうから、歌った方がスッキリするの

    かな?

    ソーラン節と比べて、歌うメリットが分かりにくい!

    「つかれてくたくたしている時にこの歌を歌うとがんばろうという気持ちになれる」

    →歌うことのメリットを自分なりに掴んでいる(かなり少数派)

    「つかれる労働をしている場面やマイナスな感情を表せそう」

    →牛追いの仕事は疲れるから、イライラや疲れなどを発散させるためという理解が多数。

    第2時 ふりかえり

    牛追いの仕事は疲れると思うけど、朗々と声を響かせて山の中で歌うことの気持ちよさについて考えられていない

    →動作化して探る際の環境の不十分が原因

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    第3、4時 拍感のない歌、物売り歌づくり

    石焼き芋の歌などの物売り歌も、『南部牛追い歌』と同じように拍感がない!

    なぜ?

    拍を感じにくいほうが、聴いている人の耳に残りやすいかも!

    歌っている人も、「買って!おいしいよ!」って思いをこめられそう!

    昔はトラックじゃなくて屋台を引きながら歌っていたんだね。重いだろうから、拍にのった歌は歌いにくいのかも

    無拍の音楽を表現する人の気持ちを味わって欲しい!

    第3、4時 拍感のない歌、物売り歌づくり

    声の抑揚の工夫

    おいしさを伝えるために、最初は高くしていく等

    声の伸ばし方の工夫

    より多くの人の耳に残るように、波のようにする等

    ソーキそば天ぷらムーチー

    子供たちの工夫

    「『もちもち』を『も〜ちも〜ち』にして、すごくもちもちそうにした」

    →伸ばし方の工夫

    「『おいしい〜』と上にのばすところは、『おいしい』を強く主張した」→抑揚の工夫

    「具材のおいしさをおしえるために、単語を引き伸ばして歌った。」→伸ばし方の工夫

    声の抑揚や伸ばし方以外の要素を工夫する姿「最初は拍を取りづらい歌で注目させて、その後に音ばかり(オノマトペ)歌って、食べたいと思わせる。」

    「1回目は買う前だから、『おいしいよ!』、2回目は買った後に食べて『おいしいね』」

    「カリカリ感をだすために、『ッ』をいれて、食感を出すようにした」

    最初は拍感がなく、後半で拍感がでてくる

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    1回目「おいしいよ」 2回目「おいしいね」 『南部牛追い歌』を歌うメリットを再び考える。

    「歌う前は気が重かったけど、歌っているとだんだん気が軽くなった」

    →無拍の音楽を表現することの心理的効果を体感している。

    「人はいやになって発狂するとき、『キャッキャッ』と言わず『キャー』だから」

    →人間の感情を表現する時、音楽の要素としての拍をどう活かすか考えている。

    第2時で動作化をした際には、『ソーラン節』と比べるとよくわからなかった

    「拍がない物売り歌を作ろうとしたけど、途中から拍が入ってしまった。やっぱり拍は私にとって大切だと思いました。」

    →拍という要素を自分なりに価値づけている姿

    「学びをつなぐ教育の創造」1年次を終えて

    授業における思考を、その音楽が生まれた場面とつなげる

    音楽の要素(拍など)を思考・判断の拠り所とし、その音楽のよさや面白さを味わったり、それらを生かして表現したりする姿がみられた。

    拍というアンテナが敏感になった

    今後の課題整理表の力(比べる力、探る力など)を発揮するための、事前の環境づくり。

    →今回は歌われていた場面と結びつけた思考であっ

    たため、より綿密な準備が必要であった。

    子供たちがすでに発揮していた「協働性」を音楽の授業でも育てていくには?

    →今回の実践は、子供がもともと持っていた(今の担任の先生や、これまでの担任、専科の先生が育ててくれた)協働性に支えられた実践。それを音楽科として専科として育てていくにはどのような活動や働きかけが効果的か。

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