木質構造材における断面欠損が 及ぼす力学的影響に...
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木質構造材における断面欠損が及ぼす力学的影響に関する研究
1010920044 清水拓也
背景 • 近年、大断面集成材が学校建築物などの大型公共施設の梁などに用いられるようになっている。
• 木質構造では従来困難とされていた曲線部材・大スパン架構などが表現可能となり、木質ドームなどが作られるようになってきた。
研究の目的
• 日本建築学会における木質構造設計基準では、切欠きの有無に応じた有効断面係数が示されているが圧縮側と引張側の切欠きでどのような危険性があるかを調査することを目的とする。
大断面部材に用いる木質材料 • LVLの製造方法
• 集成材の製造方法
切欠きの有無による有効断面係数 • 切欠きのない場合:Ze=全断面係数Z • 圧縮側に切欠きのある場合:Ze=正味断面係数Z0
• 引張側に切欠きのある場合:Ze=0.60×正味断面係数Z0 • ただし0.60という低減係数は、集成材など割裂きの影響が小
さい材料の場合である。なお、切欠きは材せいの1/4以下とする。
圧縮側の切欠き 引張側の切欠き
実験の概要
実験風景 曲げ試験体
使用材料 構造用LVL E100―F320/V55-H47
試験体 No.1
試験体 No.2
試験体 No.3
試験体 No.4
試験体 No.5
試験体 No.6
試験体 No.7
荷重とたわみの関係
実験後
試験体1(断面欠損率0モデル) 試験体2 (断面欠損率1/2モデル)
試験体3(断面欠損率1/3モデル) 試験体4(断面欠損率1/4モデル)
使用材料
荷重とたわみの関係
実験後
LVLと集成材の最大荷重
LVL 集成材
実験値と設計式の比較
0
10
20
30
40
50
60
70
試験体2 試験体3 試験体4
最大
耐力
(kN
)
実験値
設計式
0
10
20
30
40
50
60
70
試験体2 試験体3 試験体4
最大
耐力
(kN
)
実験値
設計式
LVL 集成材
まとめ ・LVLと集成材の下側切欠きに対する耐力特性はLVLの方が設計式の評価値よりもより大きくなる傾向であった。 ・日本建築学会における木質構造設計基準に示されている、切欠きの有無に応じた有効断面係数は妥当だった。