医学教育分野別評価基準日本版 v1.30 に基づく 京都府立医科 …1...

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1 医学教育分野別評価基準日本版 V1.30 に基づく 京都府立医科大学医学部医学科自己点検評価 平成27年度

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医学教育分野別評価基準日本版 V1.30 に基づく

京都府立医科大学医学部医学科自己点検評価

平成27年度

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目 次

略語一覧 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3

1. 使命と教育成果 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4

2. 教育プログラム ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 31

3. 学生評価 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 68

4. 学生 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 81

5. 教員 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 98

6. 教育資源 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 111

7. プログラム評価 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 138

8. 統括および管理運営 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 160

9. 継続的改良 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 176

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略語一覧

・CBT computer-based test

・EBM evidence-based medicine

・EPAs entrustable professional activities

・IR institutional research

・IRT item response theory

・KPUM Kyoto Prefectural University of Medicine

・OJT on-the-job training

・OSCE objective structured clinical examination

・PDCA plan, do,check, action

・PBL problem-based learning

・SP simulated patinets

・TBL team-based learning

・准講会 准教授講師会

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1. 使命と教育成果

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1. 使命と教育成果

1.1 使命

基本的水準:

医科大学・医学部は

自己の使命を定め、大学の構成者ならびに医療と保健に関わる分野の関係者に理

解を得なくてはならない。(B 1.1.1)

その使命のなかで医師を養成する目的と教育指針(Educational strategy)とし

て以下の内容を含めて概略を定めなくてはならない。

学部教育としての専門的実践力(B 1.1.2)

将来さまざまな医療の専門領域に進むための適切な基礎(B 1.1.3)

医師として定められた役割を担う能力(B 1.1.4)

卒後研修への準備(B 1.1.5)

生涯学習への継続(B 1.1.6)

その使命に社会の保健・健康維持に対する要請、医療制度からの要請、およびそ

の他の社会的責任が包含されなくてはならない。(B 1.1.7)

質的向上のための水準:

医科大学・医学部は

その使命に以下の内容が包含されているべきである。

医学研究の達成(Q 1.1.1)

国際保健への貢献(Q 1.1.2)

注 釈:

[使命]は教育機関の全体にまたがる基本構造を示し、教育機関の提供する教育プ

ログラムに関わるものである。使命には、教育機関固有のものから、国内そして

地域、国際的なものまで、関係する方針や期待を含むこともある。

[医科大学・医学部]とは、医学の卒前教育(学部教育)を提供する教育機関を指

す(medical faculty, medical collegeとも言われる)。[医科大学・医学部]

は、単科の教育機関であっても大学の1つの学部であってもよい。一般に研究あ

るいは診療機関を包含することもある。また、卒前教育以降の医学教育および他

の医療者教育を提供する場合もある。[医科大学・医学部]は大学病院および他の

関連医療施設を持つ場合がある。

[大学の構成者]とは、大学の管理運営者、教職員および医学生、さらに他の関係

者を含む。

[保健医療の関係者]とは、公的および私的に医療を提供する機関および医学研究

機関の関係者を含む。

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[学部教育(卒前教育)]とは多くの国で中等教育修了者に対して行なわれる卒前

医学教育を意味する。なお医学ではない学部教育を修了した学士に対して行なわ

れる国あるいは一部の大学もある。

[さまざまな医療の専門領域]とは、あらゆる臨床領域、医学行政および医学研究

を指す。

[卒後研修]とは、医師登録前の研修(日本における必修卒後臨床研修)、専門領

域(後期研修)教育および専門医教育を含む。

[生涯学習]は、評価、審査、自己報告、または認定された継続専門職教育

(continuing professional development:CPD)/医学生涯教育(continuing

medical education:CME)などの活動を通して、知識と技能を最新の状態で維持

する職業上の責務である。継続専門教育には、医師が診療にあたる患者の期待・

要求に合わせて、自己の知識・技能・態度を向上させる専門家としての責務を果

たすための全ての正規および自主的活動が含まれる。

[社会の保健・健康維持に対する要請を包含する]とは、地域社会、特に健康およ

び健康関連機関と協働すること、および地域医療の課題に応じたカリキュラムの

調整を行なうことを含む。

[社会的責任]には、社会、患者、保健や医療に関わる行政およびその他の機関の

期待に応え、医療、医学教育および医学研究の専門的能力を高めることによって、

地域あるいは国際的な医学の発展に貢献する意思と能力を含む。[社会的責任]

とは、医科大学独自の理念に基づき、大学が自律的に定めるものである。

[社会的責任]は、社会的責務や社会的対応と同義に用いられる。個々の医科大学

が果たすことのできる範囲を超える事項に対しても政策や全体的な方針の結果

に対して注意を払い、大学との関連を説明することによって社会的責任を果たす

ことができる。

[医学研究]は、基礎生物医学、臨床医学、行動科学、社会医学などの科学研究を

包含する。6.4にさらに詳しく記述されている。

[国際保健]は、国際的な健康障害の認識、不平等や不正による健康への影響など

の認識を含む。

自己の使命を定め、大学の構成者ならびに医療と保健に関わる分野の関係者に理解を得

なくてはならない。(B 1.1.1)

A. 基本的水準に関する情報

・本学は、医学部に医学科と看護学科、大学院に医学研究科と保健看護研究科を有する

公立単科医科大学であり、その理念は「世界トップレベルの医学を地域の医療へ」とな

っている。

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・明治5年(1872年)に京都東山の山麓、粟田口青蓮院において療病院として診療と医

学教育研究を開始して以来、143年の歴史を誇る我が国で最も古い医科大学のひとつで

ある。京都に西洋医学の教育病院を設立したいという京都府民自らが、寺院や花街、町

衆から寄付を募り病院を建設、運営を京都府が行うという極めてユニークな設立の経緯

を持つ。以来、11,000人を超える卒業生を輩出するなど「世界トップレベルの医学を

地域の医療へ」をスローガンに現在まで教育研究・診療のあらゆる面で全国でも有数の

実績を残している。

・本学は平成20年(2008年)に公立大学法人として新たなスタートを切ったが、京都

府議会の議決を経て作成された法人定款においては、「京都府における知の拠点として、

質の高い教育研究を実施することにより幅広い教養、高度の専門的な知識及び高い倫理

観を備えた人材を育成し、並びに大学や地域の多様な主体と協力・連携した研究成果等

の活用、附属病院における全人医療の提供等を通じて、京都府民の健康増進及び福祉の

向上、京都文化の発信並びに科学・産業の振興に貢献し、もって地域社会はもとより、

国内外の発展に寄与することを目的とする」とされている。これは京都府立の医科大学

である本学のアイデンティティーに深く関わる使命であり、公立大学法人という新たな

器を得て、教育研究と医療を源泉とした地域貢献及び国内外発展への寄与を改めて確認

したものである。また、附属病院の理念として掲げられている「世界トップレベルの医

療を地域へ」も、近代の黎明期において社会に医学・医療の礎を築くべく、多くの府民

から寄附を受けて療病院が設立された意義を、現在及び未来に継承しようとするものに

ほかならない。

・大学及び大学院の学則に定められた目的も、これらと軌を一にするものであり、大学

学則においては大学の目的として「医学及び看護学に関する知識及び技能を授け、有能

な医師、看護師、保健師及び助産師となるのに必要な教育を施すとともに、医学及び看

護学の深奥をきわめて、文化の進展と人類の福祉とに寄与することをもって目的とする」

としている。

・大学の使命として、中期計画に以下の内容を掲げて、取り組んでいる。

① 生命及び人間の尊厳を基盤に、全人的な医療のための豊かな人間性を培うととも

に、医学や看護学の研究と医療技術の向上に常に取り組む課題探求能力とコミュニケー

ション能力を有し、人々の健康と福祉の向上に貢献できる人材を育成する。

② 専門知識はもとより心技体に優れ、国際的視野で物事をとらえ、国際的研究をリ

ードできる人材を育成する。

③ 地域保健・医療の重要性を認識し、地域医療への使命感を持った医療人を育成す

る。

④「世界トップレベルの医学を地域の医療へ」の理念の下、高度先進医療及び先端医

学研究を推進するとともに、基礎研究、臨床研究、保健看護研究等を通じて、地域医療

や地域社会における健康の維持増進に貢献する。

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B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価

・京都府立医科大学は自己の使命を定めており、大学の管理運営者、教職員および医学

生、さらに他の関係者を含む大学の構成者、および公的および私的に医療を提供する機

関および医学研究機関の関係者等の保健医療の関係者に理解を得ている点は評価でき

る。

C. 現状への対応

・本学の基本的な大学の使命は療病院の設立趣旨から一貫しており、現在のカリキュラ

ムのアウトカムに反映されている。

・近年のアウトカム基盤型の教育体制を導入している。

・一方で社会・地域の実情・ニーズに合わせて使命が実現できるようにしている。

D. 改善に向けた計画

・現カリキュラムにおけるアウトカムについては一貫した設定を計画している。

・コアコンピテンスを明示した学習カリキュラムを作成している。

資料

・療病院碑

・公立大学法人定款

・大学及び大学院の学則

・中期計画

・前回カリキュラム改訂

・コンピテンス策定資料

その使命のなかで医師を養成する目的と教育指針(Educational strategy)として以下

の内容を含めて概略を定めなくてはならない。

学部教育としての専門的実践力(B 1.1.2)

A. 基本的水準に関する情報

・医師を養成する目的と教育指針(Educational strategy)に関して、専門的実践力の

基盤としての知識・技能・態度の教育指針を明示している。

・特に臨床能力の実践力としては Tomorrow`s Doctors 2009に準拠したコンピテンシー

を設定している。

B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価

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・本学の使命のなかで医師を養成する目的と教育指針(Educational strategy)として

学部教育としての専門的実践力の内容を含めて概略を定めていることは評価できる。

C. 現状への対応

・知識・技能・態度にわたる専門的実践能力については、特に臨床実習のアウトカムと

して Tomorrow`s Doctors 2009 に準拠したコンピテンシーを設定し目標としている。

D. 改善に向けた計画

・学部教育のアウトカムと卒後臨床研修のアウトカムとの整合性を付けるシステムの構

築を計画している。

・現在、EPAs (Entrustable Professional Activities)によるアウトカム設定およびコ

ンピテンスのマイルストーンを策定する作業を、卒後臨床研修のプログラムから開始し

ている。

資料

・医学科授業要項(シラバス)

・臨床実習実施要領

・EPAおよびマイルストーン関連資料

その使命のなかで医師を養成する目的と教育指針(Educational strategy)として以下

の内容を含めて概略を定めなくてはならない。

将来さまざまな医療の専門領域に進むための適切な基礎(B 1.1.3)

A. 基本的水準に関する情報

・将来さまざまな医療の専門分野に進むための基盤的リテラシー教育として、倫理学、

現代正義論等の人文社会学、情報リテラシー教育、語学を充実化させている。

・Tomorrow`s Doctors 2009に準拠した、コンピテンスの領域には、知識・技能・態度

が包含されており、将来さまざまな医療の専門領域に進むための適切な基礎となってい

る。

・さらに基礎医学、社会医学、臨床医学への専門領域へ進むための基盤教育を行ってい

る。

B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価

・大学の使命のなかで、医師を養成する目的と教育指針(Educational strategy)とし

て、将来さまざまな医療の専門領域に進むための適切な基礎を涵養することを定めてい

る点は評価できる。

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C. 現状への対応

・リテラシー教育としての教養教育にも重点を置いている。

・現状のアウトカムについては一貫した設定が必要である。

・臨床場面での評価にとどまっており、今後は教養教育、基礎医学教育においても知識

のみならず、技能・態度のアウトカムに即した教育を行う予定である。

D. 改善に向けた計画

・卒業生評価により、臨床医学のみならず、基礎医学者、行政職に進んだ卒業生の評価

を行い、目標設定に組み込むべく調査を行っている。

資料

・医学科授業要項(シラバス)

・臨床実習実施要項

・基礎配属

・卒業生評価

・卒業生アンケート

その使命のなかで医師を養成する目的と教育指針(Educational strategy)として以下

の内容を含めて概略を定めなくてはならない。

医師として定められた役割を担う能力(B 1.1.4)

A. 基本的水準に関する情報

・アウトカムとしての医師として定められた役割については、本学の理念およびシラバ

スに明示されている。

・医師として定められた能力として、Tomorrow`s Doctors 2009に準拠したコンピテン

スの領域が明示されており、将来さまざまな医療の専門領域に進むための適切な基礎と

なっている。

B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価

・大学の使命のなかで、医師を養成する目的と教育指針(Educational strategy)とし

て、医師として定められた役割を担う能力について概略を定めている点は評価できる。

C. 現状への対応

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・Tomorrow`s Doctors 2009に準拠した、コア・コンピテンスの領域には研究者として

の医師、実践者としての医師、プロフェッショナルとしての医師の能力項目があり、将

来さまざまな医療の専門領域に進むための適切な基礎となっている。

・医師として定められる役割は社会情勢、国際情勢に伴い変化してゆくものであり、こ

の変化に対応できるようにカリキュラム構成を構成している。

・態度面の教育の基盤として、人文社会学も充実化させている。

D. 改善に向けた計画

・卒業時評価・卒業生評価を実施することにより、卒後のアウトカムに関するデータの

構築を予定している。

資料

・医学科授業要項(シラバス)

・臨床実習実施要領

・基礎配属資料、報告会資料

・卒業生評価

・卒業生アンケート

その使命のなかで医師を養成する目的と教育指針(Educational strategy)として以下

の内容を含めて概略を定めなくてはならない。

卒後研修への準備(B 1.1.5)

A. 基本的水準に関する情報

・本学では卒前6年間と卒後臨床研修の2年間を、連続した8年間を一貫したカリキュ

ラムとして計画・構成されている。

・卒後臨床研修の準備教育および研修医との合同教育がカリキュラムに盛り込まれてい

る。

B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価

・大学の使命のなかで医師を養成する目的と教育指針(Educational strategy)として

卒後研修への準備の内容を含めて概略を定めている点は評価できる。

C. 現状への対応

・臨床医学教育においては、クラークシップ時期のアウトカム、臨床研修時期のアウト

カムを意識して教育内容を策定・評価している。

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D. 改善に向けた計画

・学部教育のアウトカムと卒後臨床研修のアウトカムとの整合性を付けるシステムの構

築を計画している。

・現在、EPAs (Entrustable Professional Activities)によるアウトカム設定およびコ

ンピテンスのマイルストーンを策定する作業を、卒後臨床研修のプログラムから開始し

ている。

資料

・大学ホームページ、大学紹介

・臨床研修センター募集要項、ホームページ

・EPA資料

その使命のなかで医師を養成する目的と教育指針(Educational strategy)として以下

の内容を含めて概略を定めなくてはならない。

生涯学習への継続(B 1.1.6)

A. 基本的水準に関する情報

・生涯にわたり医師としての知識・技能・態度のリテラシーの自己研鑽を行える体制と

しており、自己学習、課題発見能力の涵養を行う教育方針となっている。

・特に人文科学、情報リテラシー教育、語学は、スパイラル式の教育体制をとっており、

高学年でもアクセスできる体制となっている。

B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価

・大学の使命のなかで、医師を養成する目的と教育指針(Educational strategy)とし

て、生涯学習への継続の内容の概略についてより明確に示されるべきと考える。

C. 現状への対応

・生涯にわたる学習態度を涵養すべく、本学では自己学習、課題発見能力の涵養を行う

教育手法を取り入れている。

・プライマリ・ケア医学領域にてリトリート教育体制を構築している。

・正規活動の隠れたカリキュラム及び自主的活動で行っている部分もある。

D. 改善に向けた計画

・データに基づく生涯教育への教育指針を作成する必要があり、卒業生評価をアンケー

トにより進めている。

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・生涯学習への系統的システムについて、専門医制度との整合を取りながら準備を行っ

ている。

資料

・大学案内

・医学科授業要項(シラバス)

・在宅チーム医療推進学資料

その使命に社会の保健・健康維持に対する要請、医療制度からの要請、およびその他の

社会的責任が包含されなくてはならない。(B 1.1.7)

A. 基本的水準に関する情報

・本学の理念として地域社会の医療の実践があり、地域社会における健康及び健康関連

機関と共同し、地域医療の課題に応じたカリキュラム調整を行っている。

・社会、患者、保健や医療に関わる行政及びその他の地域関連機関の期待に応えること

が本学の理念であり、地方行政等と密接に連携した医学教育を行っている。

・医療・医学教育及び医学研究の専門的能力を高めることにより、地域或いは国際的な

医学の発展に貢献している。

B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価

・本学の設立趣旨及びミッションとして、社会の保健・健康維持に対する要請、医療制

度からの要請、およびその他の社会的責任が包含されている点は評価できる。

C. 現状への対応

・中期計画に社会の保健・健康維持に対する要請、医療制度からの要請、およびその他

の社会的責任は明示されており、計画が実行されている。

D. 改善に向けた計画

・これからも変化する医療・医学の情勢に応じた社会的責任を包含するよう、また、社

会の保健・健康維持に対する要請、医療制度からの要請を反映させるよう、中期計画に

よる定期的な見直しを行ってゆく予定である。

資料

・中期計画

・大学案内

・地域実習報告書

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その使命に以下の内容が包含されているべきである。

医学研究の達成(Q 1.1.1)

A. 質的向上のための水準に関する情報

・本学の使命として世界トップレベルの医学・医療を実践することが謳われており、中

期目標にもそのミッションが明示されている。

・研究配属、海外研究留学の教育活動において医学研究の達成が使命となっている。

B. 質的向上のための水準に関する現状分析と自己評価

・本学の使命に医学研究の達成の内容が包含されていることは評価できる。

C. 現状への対応

・医学研究の達成について新領域の創生、産学連携等を実行している。

・学生においても研究活動に積極的に参加できる環境を整備している。

D. 改善に向けた計画

・医学研究の情勢の変化に応じて達成目標・アウトカムを評価・修正できる議論及び見

直しの場としての教育委員会を充実化する予定である。

・学生が継続的に研究活動を行えるよう環境をさらに整備する予定である。

資料

・中期目標

・基礎医学学生の論文、研究発表一覧

・基礎配属のミッション

・海外研究留学資料

・産学連携資料

その使命に以下の内容が包含されているべきである。

国際保健への貢献(Q 1.1.2)

A. 質的向上のための水準に関する情報

・本学の理念には国際的なグローバルな視点と地域への視点が謳われており、最先端の

医療・医学の国際保健への貢献が包含されている。

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B. 質的向上のための水準に関する現状分析と自己評価

・本学の使命に国際保健への貢献が包含されている点は評価できる。

C. 現状への対応

・海外の複数の大学と協定を締結しており、その内容に国際保健についての内容も含ま

れている。

・提携大学以外でも、社会医学系教室の連携で海外の保険医療施設・大学での実習を行

っている。

D. 改善に向けた計画

・今後も海外の大学と医学研究および医学教育における協定を締結する予定であり、そ

の内容に国際保健についても含まれる予定である。

資料

・国際交流資料

1.2 使命の策定への参画

基本的水準:

医科大学・医学部は

その使命の策定には、教育に関わる主要な構成者が参画しなければならない。

(B 1.2.1)

質的向上のための水準:

医科大学・医学部は

その使命の策定には、広い範囲の教育の関係者からの意見を聴取すべきである。

(Q 1.2.1)

注 釈:

[教育に関わる主要な構成者]には、学長、学部長、教授、理事、評議員、カリキ

ュラム委員、職員および学生代表、大学理事長、管理運営者ならびに関連省庁が

含まれる。

[広い範囲の教育の関係者]には、上記以外の教職員代表、公共ならびに地域医療

の代表者(例:患者団体を含む医療制度の利用者)、教育および医療関連行政組

織、専門職組織、医学学術団体および卒後教育関係者が含まれる。

その使命の策定には、教育に関わる主要な構成者が参画しなければならない。(B 1.2.1)

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A. 基本的水準に関する情報

・本学の使命の策定には、学長、理事、副学長、学生部長、教授、教育研究評議会委員、

教育委員、職員及び学生代表、府庁関連行政組織が参画している。

B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価

・本学の使命の策定には、教育に関わる主要な構成者が参画している点は評価できる。

C. 現状への対応

・本学の使命にかかわる中期計画の内容については、学長、理事、副学長、学生部長、

教授、教育研究評議会委員、教育委員が関与し、その議論の中で職員及び学生代表、府

庁関連行政組織等からの意見を聴取している。

D. 改善に向けた計画

・卒業生のアウトカムの評価を行っており、使命の策定に資する予定である。

・使命の策定については社会の動きによりよく対応できる構成者を考慮できるよう、中

期目標に反映させる予定である。

資料

・教育に関する大学規程

・教育研究評議会資料

・卒業生アンケート

・大学概要

その使命の策定には、広い範囲の教育の関係者からの意見を聴取すべきである。

(Q 1.2.1)

A. 質的向上のための水準に関する情報

・本学の使命は、行政及び地域代表を反映させてその策定をおこなっている。

・海外提携校であるオクラホマ大学、リーズ大学の医学部長、医学教育担当教授からの

意見を聴取し、大学の使命の策定において参考にしている。

・教職員代表、公共ならびに地域医療の代表者、教育および医療関連行政組織、専門職

組織、医学学術団体および卒後教育関係者の意見も参考にしている。

B. 質的向上のための水準に関する現状分析と自己評価

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・本学の使命の策定には、地域住民、行政、他の医学教育関係者、学内外の関係者等、

広い範囲の教育の関係者からの意見を聴取している点は評価できる。

C. 現状への対応

・現在までに大学間協定を結んでいる広い範囲の教育の関係者からの意見を聴取してい

る。

D. 改善に向けた計画

・今後の社会、医療情勢の状況に応じた使命の策定を行えるよう、国内外の提携校から

さらに広い範囲の教育の関係者からの意見を聴取する予定である。

資料

・府行政関連資料

・オクラホマ大学による FD

・リーズ大学による FD

1.3 大学の自律性および学部の自由度

基本的水準:

医科大学・医学部は

教職員および管理運営者が責任を持って教育施策を構築し実施することの組織

自律性を持たなければならない。以下の内容は特に含まれなければならない。

カリキュラムの作成(B 1.3.1)

カリキュラムを実施するために必要とされる配分された資源の活用(B

1.3.2)

質的向上のための水準:

医科大学・医学部は、以下について教員ならびに学生の教育・研究の自由を保障すべき

である。

カリキュラムに対する意見(Q 1.3.1)

カリキュラムを過剰にしない範囲で、特定の教育科目の教育向上のために最新の

研究結果を探索し、利用すること(Q 1.3.2)

注 釈:

[組織自律性]は、教育の重要な分野、例えばカリキュラムの構築(2.1および 2.6

に示す)、評価(3.1に示す)、入学者選抜(4.1および 4.2に示す)、教員採

用・昇格(5.1に示す)および雇用形態、研究(6.4に示す)、そして資源配分

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(8.3に示す)について政府機関、他の機関(地方自治体、宗教団体、私企業、

専門者、他の関連団体)から独立していることを意味する。

[教育・研究の自由]には、教員・学生の適切な表現の自由、質疑と発表の自由が

含まれる。

教員・学生は、現行のカリキュラムのなかで医学的事項の記述と分析について異

なった視点を持つことが許される。

カリキュラム(2.1の注釈を参照)

教職員および管理運営者が責任を持って教育施策を構築し実施することの組織自律性

を持たなければならない。以下の内容は特に含まれなければならない。

カリキュラムの作成(B 1.3.1)

A. 基本的水準に関する情報

・学長、教育担当副学長のもと、教授会と教育委員会(委員長は学生部長)が責任を持

つ組織として設立されており、組織自律性を持ってカリキュラムの作成について教育施

策を構築し実施している。

・カリキュラムの構築(2.1および 2.6参照)、評価(3.1参照)、入学者選抜(4.1

および 4.2参照)、教員採用・昇格(5.1参照)および雇用形態、研究(6.4参照)、

そして資源配分(8.3参照)などの教育の重要な分野について、政府機関、他の機関(地

方自治体、宗教団体、私企業、専門者、他の関連団体)から独立している。

B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価

・カリキュラムの構築、評価、入学者選抜、教員採用・昇格及び雇用形態、研究、資源

配分について、政府機関、他の機関から独立し自律性をもって行われていることは評価

できる。

C. 現状への対応

・学長、教育担当副学長のもと教育委員会(委員長は学生部長)が組織されており、教

育委員会の答申のもと教授会で議論されるという責任体制として組織されている。

・実際に平成26年度より開始された新カリキュラムの作製・執行にあたっては、その

組織自律性および責任体制が明確に示され実施されている。

D. 改善に向けた計画

・今後のカリキュラムの改編に対応できるよう、より機動的で弾力的な組織運営を検討

している。

資料

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19

・教育委員会規則、資料(カリキュラム関連)、議事録

・大学組織図

教職員および管理運営者が責任を持って教育施策を構築し実施することの組織自律性

を持たなければならない。以下の内容は特に含まれなければならない。

カリキュラムを実施するために必要とされる配分された資源の活用(B 1.3.2)

A. 基本的水準に関する情報

・人的資源については、学則及び人事規程に沿って、医学部の収容定員、教授、准教授、

講師、助教等の専任教員が教育を行っている。教職員および管理運営者が責任を持って

教育施策を構築し実施することの組織自律性を持ち、人的資源配分を行っている。

・予算的資源については、大学の教育研究評議会にて決定される。

B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価

カリキュラムを実施するために必要とされる配分された資源の活用について、教職員

および管理運営者が責任を持って教育施策を構築し実施することの組織自律性を持ち

活動していることは評価できる。

C. 現状への対応

・学長、教育担当副学長のもと教育委員会(委員長は学生部長)が組織されており、教

育委員会の答申のもと教授会で議論されるという体制の中でカリキュラムに関する教

育資源の活用も議論される。

・平成26年度より開始された新カリキュラム作製・執行にあたっては、その資源配分

について議論され実施されている。

D. 改善に向けた計画

・今後も予想される不断のカリキュラムの改編に対応できるよう、機動的で弾力的な組

織運営を予定している。

資料

・大学人員配置表

・人事規程

・中期目標

・予算関係資料

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20

医科大学・医学部は、以下について教員ならびに学生の教育・研究の自由を保障すべき

である。

カリキュラムに対する意見(Q 1.3.1)

A. 質的向上のための水準に関する情報

・本学の教育カリキュラムに対して、教育委員会及び医学教育ユニットは、学生、学年

委員からの意見聴取、学年担任による意見聴取、授業アンケートを行っている。

・教員からの意見聴取の場としては、教育委員会、教授会、基礎医学社会医学教授懇談

会、教育担当者会議、准講会などがあり、広く議論をする場が設けられている。

B. 質的向上のための水準に関する現状分析と自己評価

・カリキュラムについて、教員・学生の適切な表現の自由、質疑と発表の自由があり、

教員ならびに学生の意見の自由を保障している点は評価できる。

C. 現状への対応

・学生の学年ごとのアンケート調査を予定している。

・より広い教員からの意見聴取の機会を持つことを計画している。

・IRセンターにてカリキュラムに対する意見を集約している。

D. 改善に向けた計画

・学生から、よりリアルタイムの意見を収集できるシステムを構築予定である。

・学生による意見については、学生自身の成長も加味した縦断的な評価も取り入れる必

要がある。

資料

・学生アンケート

・授業評価

・准講会資料

・IRセンター資料

・基礎医学社会医学教授懇談会資料

・教育担当者会議資料

医科大学・医学部は、以下について教員ならびに学生の教育・研究の自由を保障すべき

である。

カリキュラムを過剰にしない範囲で、特定の教育科目の教育向上のために最新の研

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21

究結果を探索し、利用すること(Q 1.3.2)

A. 質的向上のための水準に関する情報

・教養教育、基礎医学教育、社会医学教育、臨床医学教育のそれぞれの教育内容には最

新の研究結果が反映されている。特に先端研究については、総合講義に予定されている。

・学生全員が参加する基礎医学・社会医学の研究配属期間を 4年次に 6週間設けている。

さらに課外授業として 6年間いつでも研究活動に参画できる体制となっている。

・産学連携および寄付講座設置を積極的に展開しており、特任教員も教育に従事してい

る。

B. 質的向上のための水準に関する現状分析と自己評価

・特定の教育科目の教育向上のために最新の研究結果を探索し、利用する点に関して、

教員ならびに学生の教育・研究の自由を保障している点は評価できる。

C. 現状への対応

・研究配属では海外の研究室への留学も認められており、現在までにその実績も積み重

ねられている。

D. 改善に向けた計画

・リサーチマインドを涵養する環境を整備し、希望者には低学年から高学年及び研修医

も研究に参加できるよう整備中である。

資料

・総合講義シラバス

・研究配属資料結果資料

・産学連携資料

1.4 教育成果

基本的水準:

医科大学・医学部は、

期待する教育の成果を目標として定め、学生は卒業時にその達成を示さなければ

ならない。それらの成果は、以下と関連しなくてはならない。

卒前教育として達成すべき基本的知識・技能・態度(B 1.4.1)

将来の専門として医学のどの領域にも進むことができる適切な基本(B

1.4.2)

保健医療機関での将来的な役割(B 1.4.3)

Page 22: 医学教育分野別評価基準日本版 V1.30 に基づく 京都府立医科 …1 医学教育分野別評価基準日本版v1.30 に基づく 京都府立医科大学医学部医学科自己点検評価

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卒後研修(B 1.4.4)

生涯学習への意識と学習技能(B 1.4.5)

地域の保健への要請、医療制度から求められる要請、そして社会的責任(B

1.4.6)

学生が学生同士、教員、医療従事者、患者、そして家族を尊重し適切な行動をと

ることを確実に習得させなければならない。(B 1.4.7)

質的向上のための水準:

医科大学・医学部は、

卒業時の教育成果と卒後研修終了時の教育成果をそれぞれ明確にするとともに

両者を関連づけるべきである。(Q 1.4.1)

医学研究に関わる卒業時の教育成果を定めるべきである。(Q 1.4.2)

国際保健に関わる教育成果について注目すべきである。(Q 1.4.3)

注 釈:

[教育成果、学習成果、または知識・技能・態度を包含した実践力としてのコン

ピテンシー]は、教育期間の終了時に実証されることが求められ、しばしば教育/

学習目標として表現される。

医科大学・医学部で規定される医学および医療の教育成果は、(a)基礎医学、(b)

公衆衛生・疫学、行動科学および社会医学、(c)医療倫理、人権および医療関連

法規、(d)診断、診察、面接、技能、疾病の治療、予防、健康促進、リハビリテ

ーション、臨床推論および問題解決を含む臨床医学、(e)生涯学習を行なう能力、

および医師の様々な役割と関連した専門職としての意識(プロフェッショナリズ

ム)を含む。

卒業時に学生が示す特性や達成度は、例えば(a) 研究者および科学者、(b)臨床

医、 (c)対話者、 (d)教師、(e)管理者、そして(f)専門職のように分類すること

ができる。

[適切な行動]は、学則・行動規範等に書かれているべきである。

日本版注釈:

成果あるいは教育成果は Outcomeアウトカムのことである。概念の共有のためあ

えて成果あるいは教育成果としている。

期待する教育の成果を目標として定め、学生は卒業時にその達成を示さなければならな

い。それらの成果は、以下と関連しなくてはならない。

卒前教育として達成すべき基本的知識・技能・態度(B 1.4.1)

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A. 基本的水準に関する情報

・包括的なアウトカムとしては、本学の理念に示されている(B.1.1.1)。

・より具体的には、卒前教育として達成すべき基本的知識・技能・態度については、英

国の Tomorrow`s Doctors 2009 を基準としたアウトカムを設定している。

・コンピテンス、アウトカムについては、臨床実習でローテーションごとに評価を行っ

ている。

B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価

・卒前教育として達成すべき基本知識・技能・態度について、アウトカムを基盤として

その達成を示していることは評価できる。

C. 現状への対応

・知識・技能・態度にわたる専門的実践能力については、特に臨床実習のアウトカムと

して Tomorrow`s Doctors 2009 に準拠したコンピテンシーを設定し、目標としている。

D. 改善に向けた計画

・学部教育のアウトカムと卒後臨床研修のアウトカムとの整合性を付けるシステムの構

築を計画している。

・現在、EPAs (Entrustable Professional Activities)によるアウトカム設定およびコ

ンピテンスのマイルストーンを策定する作業を、卒後臨床研修のプログラムから開始し

ている。

・履修要項

・臨床実習実施要領、評価票

・オリエンテーション資料

・卒後研修 EPA資料

期待する教育の成果を目標として定め、学生は卒業時にその達成を示さなければならな

い。それらの成果は、以下と関連しなくてはならない。

将来の専門として医学のどの領域にも進むことができる適切な基本(B 1.4.2)

A. 基本的水準に関する情報

・本学の理念とアウトカムは、基礎研究、社会医学、臨床医学のいずれの領域でも必要

なものであり、将来の専門として進むことができるよう構成されている。

・生涯にわたり必要で基本的なリテラシー教育として、哲学、現代正義論、情報リテラ

シー、語学について、カリキュラムに盛り込まれており、到達目標が明示されている。

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B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価

・基礎研究、社会医学、臨床のどの領域にも進むことができ、また基本的なリテラシー

としての到達目標も示されていることは評価できる。

C. 現状への対応

・社会情勢、学問情勢のニーズに対応して、現代正義論、情報リテラシー、医療統計学

などの講座が新設され、教育を行っている。

・現在までの卒業生の調査を行っている。

D. 改善に向けた計画

・今後の社会情勢、学問情勢の変化に対応できるよう、将来の専門としての領域への準

備教育体制については、臨床研修制度・専門医制度との整合を取りながら構築する予定

である。

資料

・卒業生調査

・医学科授業要項(シラバス)

・新講座設立、シラバス

期待する教育の成果を目標として定め、学生は卒業時にその達成を示さなければならな

い。それらの成果は、以下と関連しなくてはならない。

保健医療機関での将来的な役割(B 1.4.3)

A. 基本的水準に関する情報

・保健医療機関で、都道府県知事が登録した保険医が、健康保険法や国民健康保険法な

どで規定された保険診療を行うことができるように、医療の実際についても授業を行っ

ている。

・特に卒前教育に関連する保健医療機関は、卒後研修教育、専門医研修教育にも関連す

る協力施設となっており、継続的医学教育を行うのに適している。

・本学の設立背景および歴史的背景から、保健医療機関との連携は深く、卒前および卒

後教育において密接な連携を取っている。

B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価

・府内外での保健医療機関との臨床および教育体制が整っており、学生の将来的な役割、

達成を明示されていることは評価できる。

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C. 現状への対応

・卒業生調査を行っており、地域保健医療機関での役割について、長期的なフォローア

ップ、分析を行っている。

D. 改善に向けた計画

・卒業生の医療人としての能力(コンピテンス)についての調査を行う予定であり、そ

の分析結果より更なる目標設定を行う予定である。

資料

・関連病院協議会資料

・卒後研修プログラム

・専門医プログラム

・臨床実習実施要領

期待する教育の成果を目標として定め、学生は卒業時にその達成を示さなければならな

い。それらの成果は、以下と関連しなくてはならない。

卒後研修(B 1.4.4)

A. 基本的水準に関する情報

・卒前教育・卒後教育のアウトカムを整理し、マイルストーンを意識してシームレスな

教育体制を構築している。

・卒前OSCEと研修医OSCEの連結評価を行っており、卒業時点での達成と予後予

測を計測している。

B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価

・期待する教育の成果について、卒後研修目標と医学部卒業時の目標の整合性を取って

おり評価できる。

C. 現状への対応

・卒前OSCEと研修医OSCEの連結評価を行っており、卒業時点での達成と予後予

測を計測している。

D. 改善に向けた計画

・学部教育のアウトカムと卒後臨床研修のアウトカムとの整合性を付けるシステムの構

築を計画している。

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・現在、EPAs (Entrustable Professional Activities)によるアウトカム設定およびコ

ンピテンスのマイルストーンを策定する作業を、卒後臨床研修のプログラムから開始し

ている。

資料

・指導医講習会資料

・臨床研修プログラム

・研修医 OSCE資料

・EPA資料

期待する教育の成果を目標として定め、学生は卒業時にその達成を示さなければならな

い。それらの成果は、以下と関連しなくてはならない。

生涯学習への意識と学習技能(B 1.4.5)

A. 基本的水準に関する情報

・生涯学習への意識と学習技能については、英国の Tomorrow`s Doctors 2009 を基準と

したアウトカムを設定している。

・生涯にわたり医師としての知識・技能・態度のリテラシーの自己研鑽を行える体制と

しており、自己学習、課題発見能力の涵養を行う教育方針となっている。

・特に人文科学、情報リテラシー教育、語学は、スパイラル式の教育体制をとっており、

高学年でもアクセスできる体制となっている。

B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価

・生涯学習への意識と学習技能について、卒業時の達成項目に含まれていることは評価

できる。

C. 現状への対応

・自学自習の達成度評価はアンケート調査票を使用している。

・学生・研修医のためのセミナーで、課外授業として生涯教育リテラシーの教育をスパ

イラル的に行っている。

D. 改善に向けた計画

・卒業生アンケート等で生涯学習への状況、態度を調査する予定である。

・生涯教育への意識と学習技能について、その達成を計測する尺度を開発する予定であ

る。

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資料

・授業アンケート

・TBLアンケート

・卒業生調査

・イブニングセミナー資料

期待する教育の成果を目標として定め、学生は卒業時にその達成を示さなければならな

い。それらの成果は、以下と関連しなくてはならない。

地域の保健への要請、医療制度から求められる要請、そして社会的責任(B 1.4.6)

A. 基本的水準に関する情報

・生涯学習への意識と学習技能については、英国の Tomorrow`s Doctors 2009 を基準と

したアウトカムを設定している。

・地方行政機関と連携を密にしており、保健所など地域保健実習も卒業要件となってい

る。

B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価

・地域の保健への要請、医療制度から求められる要請、そして社会的責任について、卒

業時までの達成が示されている。

C. 現状への対応

・地域の保健への要請、医療制度から求められる要請、そして社会的責任についての達

成は、社会学実習および地域実習にて評価される。

D. 改善に向けた計画

・地域保健の理解度については、地域実習の到達度調査でも達成率の課題があるため、

今後達成率を高める教育システムを計画している。

資料

・社会医学実習シラバス、報告書

・地域医療実習シラバス、報告書

・在宅実習シラバス

学生が学生同士、教員、医療従事者、患者、そして家族を尊重し適切な行動をとること

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を確実に習得させなければならない。(B 1.4.7)

A. 基本的水準に関する情報

・態度面の教育においては、入学時オリエンテーションおよび総合講義(医学概論)、

総合講義(人権教育)を 1年次より施行している。

・コミュニケーション、行動科学の領域として、倫理学、現代正義論、哲学および選択

かとして教養科目が設定されている。

・また、高学年においては、臨床実習での OJT のみならず、態度・コミュニケーション

領域の授業をスパイラル型カリキュラムにより設定しており、評価を行っている。

B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価

・学生が学生同士、教員、医療従事者、患者、そして家族を尊重し適切な行動をとるこ

とを確実に習得させるプログラムとなっている点は評価できる。

C. 現状への対応

・学生が学生同士、教員、医療従事者、患者、そして家族を尊重し適切な行動をとるこ

とについては、英国の Tomorrow`s Doctors 2009を基準としたアウトカムのプロフェッ

ショナル領域が設定されている。

・一部の授業では、同僚評価、360°評価、患者評価を行っている。

D. 改善に向けた計画

・実際のコミュニケーション能力、態度面の評価について客観的なデータを集積する予

定であり、これに基づいて教育目標を設定することを計画している。

・より多くの実習・授業で同僚評価、360°評価、患者評価等の導入を進める予定であ

る。

資料

・態度教育資料(高野聖関連資料)

・入学生オリエンテーション資料(2015)、報告書

・コミュニケーション授業シラバス

・研修医 360°評価資料

・TBLアンケート

卒業時の教育成果と卒後研修終了時の教育成果をそれぞれ明確にするとともに両者を

関連づけるべきである。(Q 1.4.1)

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A. 質的向上のための水準に関する情報

・本学では卒前6年間と卒後臨床研修の2年間を、連続した8年間を一貫したカリキュ

ラムとして計画・構成されている。

・本学卒業学生の 1/3 は追跡可能となっており、研修医OSCEを実施しパフォーマン

ス評価を行っている。

B. 質的向上のための水準に関する現状分析と自己評価

・卒業時の教育成果と卒後研修終了時の教育成果をそれぞれ明確にし、両者を関連づけ

ている点は評価できる。

C. 現状への対応

・臨床医学教育においては、クラークシップ時期のアウトカム、臨床研修時期のアウト

カムを意識して教育内容を策定・評価している。

・研修医OSCEによる本学卒業生のパフォーマンス評価を行っている。

D. 改善に向けた計画

・学部教育のアウトカムと卒後臨床研修のアウトカムとの整合性を付けるシステムの構

築を計画している。

・現在、EPAs (Entrustable Professional Activities)によるアウトカム設定およびコ

ンピテンスのマイルストーンを策定する作業を、卒後臨床研修のプログラムから開始し

ている。

・後期研修以降の追跡調査も計画している。

資料

・大学案内

・研修医 OSCE資料、結果

・EPA資料

医学研究に関わる卒業時の教育成果を定めるべきである。(Q 1.4.2)

A. 質的向上のための水準に関する情報

・本学のカリキュラム・ポリシーとして、リサーチマインドを持つ医師の育成が明示さ

れている。

・卒前教育として達成すべき「研究者としての医師」の能力については、本学のアウト

カムの 1つであり、臨床実習でも評価されている。

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B. 質的向上のための水準に関する現状分析と自己評価

・医学研究に関わる卒業時の教育成果については明示されている。

C. 現状への対応

・臨床統計学の講座を新設し、医学研究のリテラシー教育についての授業を開始してい

る。

・課外活動として基礎配属で継続して研究している。

D. 改善に向けた計画

・医学研究の技能面、態度面に関するアウトカムの明示についても検討を行っている。

資料

・基礎配属資料

・臨床統計学シラバス

国際保健に関わる教育成果について注目すべきである。(Q 1.4.3)

A. 質的向上のための水準に関する情報

・本学の理念には国際的なグローバルな視点と地域への視点が謳われており、最先端の

医療・医学の国際保健への貢献が包含されている。

B. 質的向上のための水準に関する現状分析と自己評価

・本学の使命に国際保健への貢献及び教育成果への目標が包含されている点は評価でき

る。

C. 現状への対応

・海外の複数の大学と協定を締結しており、その内容に国際保健についても含まれてい

る。

D. 改善に向けた計画

・今後も海外の大学と医学研究および医学教育における協定を締結する予定であり、そ

の内容に国際保健についても含まれる予定である。

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資料

・海外実習資料

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2. 教育プログラム

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33

2. 教育プログラム

2.1 カリキュラムモデルと教育方法

基本的水準:

医科大学・医学部は

カリキュラムモデルを定めなくてはならない。(B 2.1.1)

採用する教育法ならびに学習法を定めなくてはならない。(B 2.1.2)

学生の生涯学習への準備を整えるカリキュラムを持たなくてはならない。(B

2.1.3)

平等の原則に従い学生にカリキュラムが提供されるようにしなくてはならない。

(B 2.1.4)

質的向上のための水準:

医科大学・医学部は

学生が自分の学習に責任を持つことを促し、準備させ、そして支援するカリキュ

ラムと教育/学習方法を採用すべきである。(Q 2.1.1)

注 釈:

[カリキュラム]とは目標とする教育成果、教育内容/シラバス、経験および課程

を指し、計画される教育と学習方法の構造、および評価法を含む。

カリキュラムでは、学生が達成すべき知識・技能・態度が明示されるべきである。

[カリキュラムモデル]には、学体系を基盤とするもの、臓器器官系を基盤とする

もの、臨床課題や疾患特性を基盤とするもののほか、学習内容によって構築され

た教育単位またはらせん型(繰り返しながら発展する)が含まれる。

[教育ならびに学習方法]は、講義、少人数グループ教育、問題基盤型あるいは症

例基盤型学習、相互学習(peer assisted learning)、体験実習、実験、臨床実

習、臨床見学、臨床技能教育(シミュレーション教育)、地域実地経験、および

webを通じた学習を含む。

[カリキュラムと教育の方法]は最新の学習理論に基づくべきである。

[平等の原則]は、教員および学生を性、人種、宗教、性的嗜好、社会的経済的地

位に関わりなく、身体能力に配慮して等しく扱うことを意味する。

カリキュラムモデルを定めなくてはならない。(B 2.1.1)

A. 基本的水準に関する情報

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・本学のカリキュラムモデルは、統合講義方式の形態であるモデル・コア・カリキュラ

ムを基本として、教養、基礎・臨床医学との教育連携のとれた系統的カリキュラムを編

成している。

・平成26年度より新カリキュラムを導入しており、本学の教育理念や特質、特徴を活

かした独自の新統合カリキュラムの作成を行っており、特に基礎医学においては学体系

を基盤とする、教養教育はスパイラル型(繰り返しながら発展する)を含んでいる。

B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価

・カリキュラムモデルに沿って作成されており評価できる。

C. 現状への対応

・将来的な教育内容の変化に応じられるカリキュラムモデルを用いており、将来の変化

に対応できるよう整備されている。

D. 改善に向けた計画

・カリキュラムに関して学生・教員にアンケート調査を行い、現行のカリキュラムモデ

ルの評価を行う予定である。

資料

・履修案内

・医学科授業要項(シラバス)

・新カリキュラム作成関連資料(FD、教育委員会)

採用する教育法ならびに学習法を定めなくてはならない。(B 2.1.2)

A. 基本的水準に関する情報

・本学で採用する教育法としては、講義、少人数グループ教育、問題基盤型あるいは症

例基盤型学習、相互学習(peer assisted learning)、体験実習、実験、臨床実習、臨

床見学、臨床技能教育(シミュレーション教育)、地域実地経験、を含んでいる。

B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価

・講義、少人数グループ教育、問題基盤型あるいは症例基盤型学習、相互学習(peer

assisted learning)、体験実習、実験、臨床実習、臨床見学、臨床技能教育(シミュ

レーション教育)、地域実地経験、および webを通じた学習、等の教育法および学習法

を採用している点は評価できる。

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C. 現状への対応

・教育者側が意図する学習内容により、最良の教育法および学習法が異なることを考慮

して、様々な教育方法が採用されている。

・本学では教室スペースの関係から、少人数グループ教育として、PBL よりは TBLによ

る教育を主として行っている。

D. 改善に向けた計画

・教育方法についての情報共有が必要であり、FD等を計画している。

・小人数グループ学習について TBLの導入科目を増加させることも検討している。

・IRセンターにて、現状の教育方法についての評価を分析する計画である。

資料

・医学科授業要項(シラバス)

・TBL資料

学生の生涯学習への準備を整えるカリキュラムを持たなくてはならない。(B 2.1.3)

A. 基本的水準に関する情報

・生涯にわたり医師としての知識・技能・態度のリテラシーの自己研鑽を行える体制と

しており、自己学習、課題発見能力の涵養を行う教育方針となっている。

・特に人文科学、情報リテラシー教育、語学は、スパイラル式の教育体制をとっており、

高学年でもアクセスできる体制となっている。

・学生研修医のためのセミナーで、課外授業として生涯教育リテラシーの教育を行って

いる

B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価

・学生の生涯学習への準備を整えるカリキュラムを持っており評価できる。

C. 現状への対応

・自学自習の達成度評価はアンケート調査票を使用している。

・学生・研修医のためのセミナーで、課外授業として生涯教育リテラシーの教育をスパ

イラル的に行っている。

D. 改善に向けた計画

・実際のアウトカムを評価することにより、カリキュラムを見直す予定である。

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36

・卒業生アンケートで生涯学習への状況、態度を調査することを検討している。

・生涯教育への意識と学習技能について評価方法を検討している。

資料

・医学科授業要項(シラバス)

・イブニングセミナー資料

・授業アンケート

・TBLアンケート

・卒業生調査

・イブニングセミナー資料

平等の原則に従い学生にカリキュラムが提供されるようにしなくてはならない。

(B 2.1.4)

A. 基本的水準に関する情報

・教員および学生を性、人種、宗教、ジェンダー(性的嗜好)、社会的経済的地位に関

わりなく、身体能力に配慮して等しく扱うことは原則として記載されている。

・カリキュラムに医学総論(人権教育)が組まれている。

・さらに、人権教育について課外授業も行っている。

B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価

・教員および学生を性、人種、宗教、ジェンダー(性的嗜好)、社会的経済的地位に関

わりなく、身体能力に配慮して等しく扱うことはカリキュラムに盛り込まれており評価

できる。

C. 現状への対応

・平等および人権に関する授業での対応のほか、学生生活上の課題が出たときに個別指

導も行っている。

D. 改善に向けた計画

・人権教育について態度面も含めた教育およびその評価方法の確立を計画している。

資料

・態度教育資料(高野聖)

・人権教育シラバス

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37

学生が自分の学習に責任を持つことを促し、準備させ、そして支援するカリキュラムと

教育/学習方法を採用すべきである。(Q 2.1.1)

A. 質的向上のための水準に関する情報

・自己学習リテラシーについて低学年からスパイラル式カリキュラムを作成している。

・臨床実習および研修医の時期にも自己学習について課外授業を行っている。

・臨床実習時期には隠れたカリキュラムとして学習している

B. 質的向上のための水準に関する現状分析と自己評価

・学生が自分の学習に責任を持つことを促し、準備させ、そして支援するカリキュラム

と教育/学習方法を採用していることは評価できる。

C. 現状への対応

・隠れたカリキュラムの部分は各個人により濃淡があることから、その評価方法につい

て量的に分析できるよう検討してる。

・学生・研修医のためのセミナーで、課外授業として生涯教育リテラシーの教育をスパ

イラル的に行っている。

D. 改善に向けた計画

・自己学習リテラシーに関する教育とその評価については、データ収集の方法を検討し

ている。

・隠れたカリキュラムの部分は各個人により濃淡があることから、その評価方法を検討

している。

資料

・リテラシー教育資料

・イブニングセミナー資料

2.2 科学的方法

基本的水準:

医科大学・医学部は

カリキュラムを通して以下を教育しなくてはならない。

分析および批判的思考を含む、科学的方法の原則(B 2.2.1)

医学研究法(B 2.2.2)

EBM(科学的根拠に基づく医学)(B 2.2.3)

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38

質的向上のための水準:

医科大学・医学部は

カリキュラムに大学独自の、あるいは先端的な研究の要素を含むべきである。(Q

2.2.1)

注 釈:

[科学的方法]、[医学研究法]、[EBM(科学的根拠に基づく医学)]の教育のため

には、研究力のある教員が必要である。この教育は、必修として医学生が適当な

範囲で研究プロジェクトを実践または参画することが含まれる。

[大学独自の、あるいは先端的な研究]は、研究者あるいは共同研究者として医学

の科学的進歩に参画する能力を高めるための必修もしくは選択の調査的あるい

は実験的研究を含む。

カリキュラムを通して以下を教育しなくてはならない。

分析および批判的思考を含む、科学的方法の原則(B 2.2.1)

A. 基本的水準に関する情報

・分析および批判的思考を含む、科学的方法の原則については、自然科学および基礎医

学・社会医学(疫学を含む)・臨床医学での授業で行うだけでなく、情報リテラシー、

生物統計学、医療統計学、をスパイラル方式で教育している。

B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価

・分析および批判的思考を含む、科学的方法の原則について、カリキュラムに明示され

実施されていることは評価できる。

C. 現状への対応

・分析・批判的思考を含む科学的方法の原則の実際についてはより深い学習ができるよ

う、臨床実習で取り組んでいる。

D. 改善に向けた計画

・科学的方法の原則は、教育アウトカムに則り分析力・批判的思考力を実際に使用・応

用できているか、について評価を行う予定である。

資料

・研究倫理、医学倫理関連資料

・医療倫理授業シラバス

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・総合診療スライド

カリキュラムを通して以下を教育しなくてはならない。

医学研究法(B 2.2.2)

A. 基本的水準に関する情報

・分析および批判的思考を含む、科学的方法の原則については、自然科学および基礎医

学・臨床医学での授業で行うだけでなく、1年次の情報リテラシー、生物統計学、医療

統計学、をスパイラル方式で教育している。

・また、基礎配属をおこなうにあたりその前段階としての授業を行うとともに、実際の

医学研究法について学習している。

B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価

・医学研究法についてスパイラル式の学習カリキュラムが組まれている点は評価できる。

C. 現状への対応

・医学研究法の系統的な集中授業も行われている。

D. 改善に向けた計画

・医学研究法を実際に活用・使用できる能力を評価する手法を開発中である。

資料

・研究配属オリエンテーション資料

・情報リテラシー、医学研究法関係資料

・総合診療部資料

カリキュラムを通して以下を教育しなくてはならない。

EBM(科学的根拠に基づく医学)(B 2.2.3)

A. 基本的水準に関する情報

・医療統計学において、EBMについての講義を系統的に行っている。

・社会医学の講義・実習で EBMの実践能力の涵養を行っている。

・5年生の臨床実習前の総合診断学授業において図書館と連携し、コンピュータ室にて

実際にデータベースを使用しながら授業を行っている。

・各臨床のクラークシップにおいて OJTで行っている。

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B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価

・EBM(科学的根拠に基づく医学)についてスパイラル式にカリキュラムが組まれ教育

を行っている点は評価できる。

C. 現状への対応

・EBMについての集中授業が必要であり、平成26年11月に課外ワークショップを行

った。

D. 改善に向けた計画

・クラークシップにて、EBMを実際に使用でき、実地に応用できる能力身に着けるよう

OJT教育を行うことを予定している。

資料

・医療統計学授業資料

・総合診療EBM授業資料

・EBMアンケート資料

・多職種学生ワークショップ資料

カリキュラムに大学独自の、あるいは先端的な研究の要素を含むべきである。(Q 2.2.1)

A. 質的向上のための水準に関する情報

・教養教育、基礎医学教育、社会医学教育、臨床医学教育のそれぞれの教育内容には、

それぞれの分野の最新の研究結果が反映されている。特に先端研究については、総合講

義に予定されている。

・学生全員が参加する基礎医学・社会医学の研究配属期間を 4年次に 8週間設けている。

さらに課外授業として 6年間いつでも研究活動に参画できる体制となっている。

・産学連携および寄付講座を積極的に展開しており、特任教員も教育に従事している。

B. 質的向上のための水準に関する現状分析と自己評価

・カリキュラムに大学独自の、および先端的な研究の要素を含んでいる点は評価できる。

C. 現状への対応

・研究配属では海外の研究室への留学も認められている。

D. 改善に向けた計画

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41

・今後もリサーチマインドを涵養する環境を量的および質的に充実させてゆく予定であ

る。

資料

・総合講義シラバス

・研究配属資料結果資料

・産学連携資料

2.3 基礎医学

基本的水準:

医科大学・医学部は

カリキュラムに以下を明示し実践しなければならない。

科学的知見を理解する力を涵養するための基礎医学の適応(B 2.3.1)

臨床医学を修得し応用するために必要な基本的概念と方法(B 2.3.2)

質的向上のための水準:

医科大学・医学部は

カリキュラムに以下の項目を反映させるべきである。

科学的、技術的そして臨床的進歩(Q 2.3.1)

現在と将来に社会および医療で必要となること(Q 2.3.2)

注 釈:

[基礎医学]は、地域での必要性、関心および伝統によって異なるが、解剖学、生

化学、生物物理学、細胞生物学、遺伝学、免疫学、微生物学(細菌学、寄生虫学

およびウイルス学を含む)、分子生物学、病理学、薬理学および生理学を含む。

カリキュラムに以下を明示し実践しなければならない。

科学的知見を理解する力を涵養するための基礎医学の適応(B 2.3.1)

A. 基本的水準に関する情報

・基礎医学カリキュラムとして解剖学、生理学、分子医科学、感染病態学(微生物・医

動物学)、免疫学、薬理学、病理学があり、有機的にスパイラル形式の授業を行ってい

る。

・基礎医学教育においては各科目の系統性・体系を重視した教育プログラムを採用して

いる。

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42

・基礎医学教育の方針策定・運営については、基礎医学社会医学教授懇談会で毎月討議

を行っており、改善につなげている。

・基礎配属も行っており、国内外での研究室での学習も行っている。

B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価

・科学的知見を理解する力を涵養するための基礎医学の適応については、本学ではカリ

キュラムに明示されており評価できる。

C. 現状への対応

・学習の順次性について配慮したプログラムを作成している。

D. 改善に向けた計画

・今後の教育内容、学習内容の変化に伴い、必要な基礎医学知識を教育プログラムの内

容に反映させるよう検討する予定である。

資料

・基礎医学シラバス

・基礎医学社会医学教授懇談会資料(教育関係)

カリキュラムに以下を明示し実践しなければならない。

臨床医学を修得し応用するために必要な基本的概念と方法(B 2.3.2)

A. 基本的水準に関する情報

・社会医学カリキュラムとして保健・予防医学、法医学があり、臨床医学カリキュラム

として内科学、外科学(小児外科学を含む)、脳神経外科学、整形外科学、産婦人科学、

小児科学(小児内科学を含む)、眼科学、皮膚科学、泌尿器科学、耳鼻咽喉科科・頭頸

部外科学、精神医学、放射線医学、麻酔科学、疼痛・緩和医療学、臨床検査医学(人体

病理学を含む)、救急医学、総合医学(総合診断学を含む)、リハビリテーション医学、

生物統計学があり、授業・実習を行っている。

・上記の社会医学・臨床医学教育においては各科目の基本的概念と方法を重視した教育

プログラムを採用している。

B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価

・臨床医学を修得し応用するために必要な基本的概念と方法についてはカリキュラムに

明示されている点は評価できる。

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43

C. 現状への対応

・社会情勢、医療情勢の変化に応じて、今年度よりリハビリテーション医学、生物統計

学など新規の教育項目が追加された。

D. 改善に向けた計画

・今後の教育内容、学習内容の変化にともない、柔軟性のある教育プログラムを策定で

きる体制を予定している。

資料

・医学科授業要項(シラバス)

・臨床実習実施要項

・履修案内

カリキュラムに以下の項目を反映させるべきである。

科学的、技術的そして臨床的進歩(Q 2.3.1)

A. 質的向上のための水準に関する情報

・教養教育、基礎医学教育、社会医学教育、臨床医学教育のそれぞれの教育内容には各

分野の最新の研究結果が反映されている。特に先端研究については、総合講義に予定さ

れている。

・学生全員が参加する基礎医学・社会医学の研究配属期間を 4年次に 6週間設けている。

さらに課外授業として 6年間いつでも研究活動に参画できる体制となっている。

・産学連携および寄付講座を積極的に展開しており、特任教員も教育に従事している。

B. 質的向上のための水準に関する現状分析と自己評価

・リキュラムに科学的、技術的そして臨床的進歩の項目を反映させている点は評価でき

る。

C. 現状への対応

・研究配属及び課外研究では海外の研究室への留学も認められている。

D. 改善に向けた計画

・高学年であっても課外研究を行えるよう、リサーチマインドを涵養する環境を整備す

る予定である。

資料

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44

・総合講義シラバス

・研究配属資料結果資料

・産学連携資料

カリキュラムに以下の項目を反映させるべきである。

現在と将来に社会および医療で必要となること(Q 2.3.2)

A. 質的向上のための水準に関する情報

・総合講義の中に、現在と将来に社会および医療で必要となる先端医療分野のトピック

を組み入れているカリキュラムを作成している。

・教養教育、基礎医学教育、社会医学教育、臨床医学教育のそれぞれの教育内容には最

新の研究結果が反映されている。

・地域実習は本学において特に重点的に実施されている教育部分であり、社会医学の「地

域保健実習」では毎年 4年生20人が北部保健所と地域中核病院のセットで表裏一体の

地域医療と地域保健の実習をしている。また、5年生の地域医療クラークシップは全員

必修であり、地域医療機関のほか行政機関、介護施設、地域住民との懇談会等に参画し

て、社会及び医療で必要となることの知識と経験を学習する。

B. 質的向上のための水準に関する現状分析と自己評価

・カリキュラムに現在と将来に社会および医療で必要となる項目を反映している点は評

価できる。

C. 現状への対応

・平成26年度のクリニカル・クラークシップより、在宅医療クラークシップも開始さ

れている。

D. 改善に向けた計画

・教育委員会及びIRセンターにて、今後の社会及び医療情勢の変化に応じて、カリキ

ュラムの評価と改善を計画している。

資料

・総合講義シラバス

・地域実習授業、報告書

・在宅クラークシップ資料

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2.4 行動科学と社会医学および医療倫理学

基本的水準:

医科大学・医学部は

カリキュラムに以下を明示し、実践しなければならない。

行動科学(B 2.4.1)

社会医学(B 2.4.2)

医療倫理学(B 2.4.3)

医療関連法規(B 2.4.4)

質的向上のための水準:

医科大学・医学部は

行動科学、社会医学および医療倫理学を、以下に従って調整、修正すべきである。

科学的、技術的そして臨床的進歩(Q 2.4.1)

現在と将来に社会および医療で必要となること(Q 2.4.2)

人口動態および文化の変化(Q 2.4.3)

注 釈:

[行動科学]、[社会医学]は、地域の必要性、関心および歴史的経緯により生物統

計、地域医療、疫学、国際保健、衛生学、医療医学人類学、医療心理学、医療社

会学、公衆衛生および狭義の社会医学を含む。

[医療倫理学]は、医師の行為ならびに判断に関わる価値観、権利および責務など

で、医療実践に必要な規範や道徳観を扱う。

[医療関連法規]は、医療制度、医療専門職および医療実践に関わる法規およびそ

の他の規則を扱う。規則には、医薬品ならびに医療技術(機器や器具など)の開

発と使用に関するものを含む。

行動科学、社会医学、医療倫理学および医療関連法規をカリキュラムに明示し実

践することは、健康問題の原因・分布・帰結の要因として考えられる社会経済的・

人口統計的・文化的な規定因子、さらにその国の医療制度および患者の権利を理

解するのに必要な学識、概念、方法、技能そして態度を提供し教育することを意

味する。この教育を通じて地域・社会の医療で必要とされることの分析力、効果

的な情報交換、臨床判断、そして倫理の実践を学ぶ。

日本版注釈:

[社会医学]は、法医学を含む。

カリキュラムに以下を明示し、実践しなければならない。

行動科学(B 2.4.1)

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A. 基本的水準に関する情報

・教養教育において、倫理学、現代正義論、哲学、法学、現代生命科学、生物統計学、

心理学及び、三大学教養教育共同化による人文系学科を充実化させている。

・2年次以降の教育にも、コミュニケーション、患者対応学、医療判断学等の授業を行

っている。

・臨床実習以降も態度について学習目標としてアウトカムに記載されている。

B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価

・行動科学領域の学習内容が低学年から高学年にわたり反復型の教育カリキュラムとな

っていることは評価できる。

C. 現状への対応

・行動科学について反復型にカリキュラムを作成している。

・行動科学のアウトカムについての評価方法を検討している。

D. 改善に向けた計画

・行動科学教育がより系統的なカリキュラムとなるよう評価・検討を行う予定である。

・今後行動科学のアウトカム評価により、不十分な部分を改善する予定である。

資料

・人文系シラバス資料

・心理系シラバス資料

・臨床系シラバス資料

カリキュラムに以下を明示し、実践しなければならない。

社会医学(B 2.4.2)

A. 基本的水準に関する情報

・社会医学カリキュラムとして保健・予防医学、法医学があり、社会医学系 3教室によ

り授業および実習が組まれている。

・地域医療実習においては、社会医学項目も学習目標となっている。

B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価

・社会医学についてカリキュラムに明示されており実践されている点は評価できる。

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C. 現状への対応

・地域実習においては、京都府北部の医療過疎地域における社会医学的見地からの学習

も行われている。

D. 改善に向けた計画

・平成27年度カリキュラムから法医学がクラークシップでの必修科目となった。

・今後の社会及び医療情勢の変化に応じて、社会医学教育カリキュラムの充実化を計画

している。

資料

・社会医学系資料

・地域実習資料

カリキュラムに以下を明示し、実践しなければならない。

医療倫理学(B 2.4.3)

A. 基本的水準に関する情報

・医師の行為ならびに判断に関わる価値観、権利および責務などで、医療実践に必要な

規範や道徳観を扱う講義・実習については、診療科横断的に展開されている。

・哲学、医療倫理学、現代正義論が新たな項目としてカリキュラムに追加された。

B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価

・医療倫理学についてはカリキュラムに明示され実践されている点は評価できる。

C. 現状への対応

・臨床実習などの高学年において医療倫理学の実践は隠れたカリキュラムとなっており、

ポートフォリオなどで評価を行っている。

D. 改善に向けた計画

・医療倫理学についてより系統的なカリキュラムとなるよう評価・検討を行う予定であ

る。

資料

・医療倫理資料

・現代正義論資料

・臨床実習評価票、臨床実習実施要領

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カリキュラムに以下を明示し、実践しなければならない。

医療関連法規(B 2.4.4)

A. 基本的水準に関する情報

・医療制度、医療専門職および医療実践に関わる法規およびその他の規則については、

法医学での授業を中心に扱っている。

・医薬品ならびに医療技術(機器や器具など)の開発と使用に関するものについては、

総合講義、生物統計学で行っている。

・臨床実習では評価項目に記載されている。

B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価

・医療関連法規についてカリキュラムに明示され実践されている点は評価できる。

C. 現状への対応

・OJT教育で医療関連法規について効果的に学習する機会を提供している。

D. 改善に向けた計画

・医療関連法規について、より系統的教育と OJT教育を効果的にバランスよく提供する

システムを検討している。

資料

・法医学シラバス

・総合講義シラバス

行動科学、社会医学および医療倫理学を、以下に従って調整、修正すべきである。

科学的、技術的そして臨床的進歩(Q 2.4.1)

A. 質的向上のための水準に関する情報

・科学的、技術的そして臨床的進歩に応じて、行動科学、社会医学および医療倫理学領

域について、平成27年度カリキュラムから充実させた。

B. 質的向上のための水準に関する現状分析と自己評価

・行動科学、社会医学および医療倫理学を、科学的、技術的そして臨床的進歩従ってカ

リキュラムに盛り込んでいる点は評価できる。

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C. 現状への対応

・現代正義論、生物統計学などの新設を行った。

・三大学教養教育共同化による教養教育の充実化を行った。

D. 改善に向けた計画

・今後の社会及び医療情勢の変化に応じて、カリキュラムを充実化に向けた議論を今後

も教育委員会で行う予定である。

資料

・三大学教養教育共同化資料

行動科学、社会医学および医療倫理学を、以下に従って調整、修正すべきである。

現在と将来に社会および医療で必要となること(Q 2.4.2)

A. 質的向上のための水準に関する情報

・現在と将来に社会および医療で必要となることから、行動科学、社会医学および医療

倫理学について、より高学年での評価を開始した。

B. 質的向上のための水準に関する現状分析と自己評価

・現在と将来に社会および医療で必要となる視点から、行動科学、社会医学および医療

倫理学について、調整・修正している点は評価できる。

C. 現状への対応

・平成26年度開始の新カリキュラムより、法医学がクラークシップで予定されている。

D. 改善に向けた計画

・地域実習等を通して地域の住民や医療プロフェッショナルの意見を分析することによ

り、今後の社会及び医療情勢の変化に応じたカリキュラム改善を計画している。

資料

・法医学新カリキュラム

行動科学、社会医学および医療倫理学を、以下に従って調整、修正すべきである。

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人口動態および文化の変化(Q 2.4.3)

A. 質的向上のための水準に関する情報

・人口動態および文化の変化に応じた、行動科学、社会医学および医療倫理学の調整・

修正については、社会学実習、地域実習で主として行われている。

・教養科目において人口地理学を選択科として提供している。

B. 質的向上のための水準に関する現状分析と自己評価

・人口動態および文化の変化に応じた、行動科学、社会医学および医療倫理学の調整・

修正について行っている点は評価できる。

C. 現状への対応

・平成26年度から三大学教養教育共同化により人口動態及び文化の変化に関する授業

が開始された。

D. 改善に向けた計画

・地域実習等を通して地域の住民や医療プロフェッショナルの意見を分析することによ

り、今後の人口動態・構成及び文化の変化に応じたカリキュラム改善を計画している。

資料

・地域実習資料

・三大学教養教育共同化資料

・行動科学関係資料

2.5 臨床医学と技能

基本的水準:

医科大学・医学部は

臨床医学について、学生が以下を確実に実践できるようにカリキュラムを明示し

実践しなければならない。

卒業後に適切な医療的責務を果たせるように十分な知識、臨床および専門的

技能の修得(B 2.5.1)

卒後の研修・診療に準じた環境で、計画的に患者と接する教育プログラムを

教育期間中に十分持つこと(B 2.5.2)

健康増進と予防医学体験(B 2.5.3)

重要な診療科で学習する時間を定めなくてはならない。(B 2.5.4)

患者安全に配慮した臨床実習を構築しなくてはならない。(B 2.5.5)

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51

質的向上のための水準:

医科大学・医学部は

臨床医学教育のカリキュラムを以下に従って調整、修正すべきである。

科学的、技術的そして臨床的進歩(Q 2.5.1)

現在と将来に社会および医療で必要となること(Q 2.5.2)

全ての学生が早期に患者との接触機会を持ち、徐々に実際の患者診療への参画を

深めていくべきである。(Q 2.5.3)

教育プログラムの進行に合わせて、異なった臨床技能教育が行なわれるように教

育計画を構築すべきである。(Q 2.5.4)

注 釈:

[臨床医学]は、地域の必要性、関心および歴史的経緯により、麻酔学、皮膚科学、

放射線診断学、救急医学、総合診療/家庭医学、老年医学、産婦人科学、内科学

(各専門領域を含む)、臨床検査学、医用工学、神経科学、脳神経外科学、腫瘍

学ならびに放射線治療学、眼科学、整形外科学、耳鼻咽喉科学、小児科学、緩和

医療学、理学療法学、リハビリテーション医学、精神医学、外科学(各専門領域

を含む)および性病学(性感染症)が含まれる。臨床医学にはまた、卒後研修・

専門研修をする準備段階の教育を含む。

[臨床技能]には、病歴聴取、身体診察、医療面接の技能、手技・検査、救急診療、

薬物処方および治療実践が含まれる。

[専門的技能]には、患者管理技能、協働とリーダーシップの技能、職種間連携が

含まれる。

[適切な医療的責務]は、健康促進、疾病予防および患者ケアに関わる医療活動を

含む。

[教育期間中に十分]とは、教育期間の約 3分の 1を指す。

[計画的に患者と接する]とは、学生が診療の状況の中で十分に学ぶことができる

頻度と目的を考慮することを意味する。

[臨床領域で学習する時間]には、臨床体験(ローテーション)とクラークシップ

が含まれる。

[重要な診療科]には、内科(各専門科を含む)、外科(各専門科を含む)、精神

科、総合診療科/家庭医療科、産婦人科および小児科を含む。

[患者安全]では、学生の医行為に対する監督指導が求められる。

[早期に患者との接触機会]とは、その一部をプライマリ・ケア診療のなかで行な

い、患者からの病歴聴取や身体診察および医療コミュニケーションを含む。

[実際の患者診療への参画]は、地域医療環境で患者への検査および治療の一部を

監督指導下に責任を果たすことを含む。

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52

日本版注釈:

臨床技能教育は、低学年での患者との接触を伴う臨床現場での実習から高学年で

の参加型臨床実習を含み、全体で 6年教育の 1/3で、概ね 2年間を指す。

臨床医学について、学生が以下を確実に実践できるようにカリキュラムを明示し実践し

なければならない。

卒業後に適切な医療的責務を果たせるように十分な知識、臨床および専門的技能の

修得(B 2.5.1)

A. 基本的水準に関する情報

・本学のカリキュラムには、地域の必要性、関心および歴史的経緯により、内科学、外

科学(小児外科学を含む)、脳神経外科学、整形外科学、産婦人科学、小児科学(小児

内科学を含む)、眼科学、皮膚科学、泌尿器科学、耳鼻咽喉科科・頭頸部外科学、精神

医学、放射線医学、麻酔科学、疼痛・緩和医療学、臨床検査医学(人体病理学を含む)、

救急医学、総合医学(総合診断学を含む)、リハビリテーション医学、生物統計学、が

含まれる。臨床医学にはまた、卒後研修・専門研修をする準備段階の教育を含んでいる。

・病歴聴取、身体診察、医療面接の技能、手技・検査、救急診療、薬物処方および治療

実践を含む、臨床技能について明示し実践されている。

・教育内容には、患者管理技能、協働とリーダーシップの技能、職種間連携などの専門

的技能が含まれ、健康促進、疾病予防および患者ケアに関わる医療活動等適切な医療的

責務が含まれている。

B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価

・卒業後に適切な医療的責務を果たせるように十分な知識、臨床および専門的技能の修

得についてはカリキュラムに明示されており、評価できる。

C. 現状への対応

・卒業後の継続性を重視するために、卒前教育から卒後研修時期も含めた学習目標を作

成している。

D. 改善に向けた計画

・卒業後の継続性については、EPAsおよびマイルストーンとして学習目標を作成する

予定である。

資料

・医学科授業要項(シラバス)

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53

・臨床実習実施要領

臨床医学について、学生が以下を確実に実践できるようにカリキュラムを明示し実践し

なければならない。

卒後の研修・診療に準じた環境で、計画的に患者と接する教育プログラムを教育期

間中に十分持つこと(B 2.5.2)

A. 基本的水準に関する情報

・卒後の研修・診療に準じた環境で、計画的に患者と接する教育プログラムを教育期間

中に十分持つことを意図して、段階的にカリキュラムが組まれている。

・初年時には、early exposure として患者エスコートなどが行われており。また、臨

床前実習として、患者コミュニケーション教育として SPとの実習などが組まれている。

・クラークシップ時期には、診療に参加しスチューデント・ドクターとして行動するこ

とが示されている。

B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価

・卒後の研修・診療に準じた環境で、計画的に患者と接する教育プログラムを教育期間

中に持つことがカリキュラムに明示されている点は評価できる。

C. 現状への対応

・新カリキュラムにおいて、臨床実習前の患者あるいは SPとの接触の機会を増やすプ

ログラムを予定している。

D. 改善に向けた計画

・臨床実習前の患者あるいは SPとの接触の機会を、現在よりも質・量ともにプログラ

ムを策定する予定である。

資料

・医学科授業要項(シラバス)

・臨床実習実施要領

臨床医学について、学生が以下を確実に実践できるようにカリキュラムを明示し実践し

なければならない。

健康増進と予防医学体験(B 2.5.3)

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A. 基本的水準に関する情報

・健康増進と予防医学体験については、社会医学講義・実習および地域医療実習にて実

践できるプログラムとなっている。

・地域実習において、実際の地域住民、行政との討論の機会を作っている。

B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価

・健康増進と予防医学体験については社会医学講義・実習および地域医療実習にて実践

できるプログラムとなっている点は評価できる。

C. 現状への対応

・クラークシップ時期の地域医療実習では、健康増進と予防医学体験がプログラムに組

み込まれている。

・平成26年度開始の新カリキュラムより法医学がクラークシップに参加する予定であ

る。

D. 改善に向けた計画

・毎年、地域医療実習での到達度をより充実化させる方法を協力病院と議論している。

・初期臨床研修の到達目標の分野でもあり、EPAによる長期的なアウトカムに基づくプ

ログラムを作成するよう計画している。

資料

・社会医学実習資料

・医学科授業要項(シラバス)

・地域実習シラバス、報告書

重要な診療科で学習する時間を定めなくてはならない。(B 2.5.4)

A. 基本的水準に関する情報

・診療科の学習時間数および各診療科の学習内容の分量については、シラバスに定めら

れ明示してある。

・平成26年度開始の新カリキュラムの策定・実施に当たり、各診療科の時間数の再設

定を行った。

B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価

・各診療科において学習する時間を定めてあり評価できる。

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C. 現状への対応

・平成26年度より新カリキュラムを導入し、臨床系診療科の学習及び実習時間数の見

直しを行った。

D. 改善に向けた計画

・平成26年度の新カリキュラムでの具体的な教育時間数については、現在教育委員会

にて検討している。

資料

・医学科授業要項(シラバス)

・臨床実習実施要領

患者安全に配慮した臨床実習を構築しなくてはならない。(B 2.5.5)

A. 基本的水準に関する情報

・本学では医療安全について、学生の医行為、感染対策についてシラバス、臨床実習実

施要領に明記されている。

・患者安全に配慮した教育について、学外実習においても徹底されている。

B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価

・患者安全に配慮した臨床実習を構築してある点は評価できる。

C. 現状への対応

・一部の診療科の実習では、全国医学部長病院長会議の新たな答申に基づく医行為のガ

イドラインを使用している。

D. 改善に向けた計画

・平成26年度開始の新カリキュラムの臨床実習充実化に伴い、患者安全への配慮につ

いてより徹底するよう計画している。

・平成28年度実習より、全国医学部長病院長会議の新たな答申に基づく医行為のガイ

ドラインを全体的に使用する予定である。

資料

・医学科授業要項(シラバス)

・臨床実習実施要領

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臨床医学教育のカリキュラムを以下に従って調整、修正すべきである。

科学的、技術的そして臨床的進歩(Q 2.5.1)

A. 質的向上のための水準に関する情報

・科学的、技術的そして臨床的進歩に対応できるよう、基礎配属、総合医学の部分に盛

り込むようカリキュラムが構成されている。

・科学的、技術的そして臨床的進歩に対応できるよう、課外授業として学生・研修医の

ためのイブニングセミナーにてトピックを選択できるプログラムとしている。

B. 質的向上のための水準に関する現状分析と自己評価

・科学的、技術的そして臨床的進歩に対応できるよう、カリキュラムに時間を作成して

あることは評価できる。

C. 現状への対応

・教員は各領域の最先端の研究に参画しており、基礎医学実習および臨床実習において

最先端の情報を教育に盛り込んでカリキュラムを構成している。

D. 改善に向けた計画

・医学・医療の進歩に応じて最先端の科学的、技術的、臨床的進歩を取り入れる教育手

法を今後も充実化させてゆく予定である。

資料

・医学科授業要項(シラバス)

・イブニングセミナー資料

臨床医学教育のカリキュラムを以下に従って調整、修正すべきである。

現在と将来に社会および医療で必要となること(Q 2.5.2)

A. 質的向上のための水準に関する情報

・現在と将来に社会および医療で必要となることに対応できるよう、基礎配属、総合医

療の部分に盛り込むようカリキュラムが構成されている。

・現在と将来に社会および医療で必要となることに対応できるよう、課外授業として学

生・研修医のためのイブニングセミナーにてトピックを選択できるプログラムとしてい

る。

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57

B. 質的向上のための水準に関する現状分析と自己評価

・現在と将来に社会および医療で必要となることに対応できるよう、カリキュラムに時

間を作成してあることは評価できる。

C. 現状への対応

・教員は各領域の最先端の医学・医療に参画しており、基礎医学実習および臨床実習に

おいて最先端の社会及び医療のニーズを教育に盛り込んでカリキュラムを構成してい

る。

D. 改善に向けた計画

・社会及び医療のニーズの変化については中期計画にも反映されており、今後もカリキ

ュラムに反映させる予定である。

資料

・医学科授業要項(シラバス)

・中期計画

全ての学生が早期に患者との接触機会を持ち、徐々に実際の患者診療への参画を深めて

いくべきである。(Q 2.5.3)

A. 質的向上のための水準に関する情報

・1年生の時期よりエスコート実習などを通じて患者と接触機会を持つようカリキュラ

ムが制定されている。

B. 質的向上のための水準に関する現状分析と自己評価

・学生が早期に患者との接触機会を持ち、徐々に実際の患者診療への参画を深めていく

点については、全ての学生に行われてはおらず、機会を設定すべきである。

C. 現状への対応

・エスコート実習については必須でなく選択となっている。

D. 改善に向けた計画

・早期体験実習の内容については充実化する方向で、現在教育委員会にて議論を行って

いる。

資料

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・エスコート実習報告書

教育プログラムの進行に合わせて、異なった臨床技能教育が行なわれるように教育計画

を構築すべきである。(Q 2.5.4)

A. 質的向上のための水準に関する情報

・臨床実習においては教育プログラムの進行に合わせて 2段階となっており、異なった

臨床技能教育が行なわれるように教育計画を構築されている。

B. 質的向上のための水準に関する現状分析と自己評価

・教育プログラムの進行に合わせて、異なった臨床技能教育が行なわれるように教育計

画を構築されている点は評価できる。

C. 現状への対応

・教育プログラムの進行に合わせた臨床技能教育については、新カリキュラムでの臨床

実習の充実化に伴い段階的に行ってゆく予定である。

D. 改善に向けた計画

・EPAsを用いたマイルストーンにより臨床技能教育について段階的に習得できるプロ

グラムを作成中である。

資料

・臨床実習実施要領

2.6 カリキュラム構造、構成と教育期間

基本的水準:

医科大学・医学部は

基礎医学、行動科学、社会医学および臨床医学を適切な関連と配分で教育範囲、

教育内容、教育科目の実施順序、その他のカリキュラム構成要素を明示しなくて

はならない。(B 2.6.1)

質的向上のための水準:

医科大学・医学部は、カリキュラムで以下のことを確実に実施すべきである。

関連する科学・学問領域および課題の水平的統合(Q 2.6.1)

基礎医学、行動科学および社会医学と臨床医学の縦断的(連続的)統合(Q 2.6.2)

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教育プログラムの一部として中核となる必修教育内容だけでなく、選択的な教育

内容を決め、必修との配分を考慮して設定すること(Q 2.6.3)

補完医療との接点(Q 2.6.4)

注 釈:

[水平的統合]の例には、解剖学、生化学および生理学などの基礎医学の統合、消

化器系として内科、外科のそれぞれの専門分野の統合、腎臓病学と泌尿器科学の

統合などが挙げられる。

[縦断的(連続的)統合]の例には、代謝異常症と生化学の統合、心臓病学と心血

管生理学の統合などが挙げられる。

[必修教育内容と選択的な教育内容]とは、全学生が学ぶ必修科目と選択必修科目

および任意選択科目を意味する。

[補完医療]には、非正統的、伝統的、代替医療を含む。

基礎医学、行動科学、社会医学および臨床医学を適切な関連と配分で教育範囲、教育内

容、教育科目の実施順序、その他のカリキュラム構成要素を明示しなくてはならない。

(B 2.6.1)

A. 基本的水準に関する情報

・基礎医学、行動科学、社会医学および臨床医学の配分で教育範囲、教育内容、教育科

目の実施順序、カリキュラム構成要素を明示している。

B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価

・基礎医学、行動科学、社会医学および臨床医学を適切な関連と配分で教育範囲、教育

内容、教育科目の実施順序、その他のカリキュラム構成要素を明示していることは評価

できる。

C. 現状への対応

・平成26年度からの新カリキュラム開始にあたり、医学科教育委員会の下部組織のカ

リキュラム検討ワーキング・グループにて、基礎医学、行動科学、社会医学および臨床

医学を適切な関連と配分で教育範囲、教育内容、教育科目の実施順序、その他のカリキ

ュラム構成要素を検討し、現在も継続している。

D. 改善に向けた計画

・新カリキュラムに伴う改定について、現在臨床医学領域の具体的な議論を進めている。

資料

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・カリキュラム検討ワーキング資料

医科大学・医学部は、カリキュラムで以下のことを確実に実施すべきである。

関連する科学・学問領域および課題の水平的統合(Q 2.6.1)

A. 質的向上のための水準に関する情報

・カリキュラムにおける関連する科学・学問領域および課題の水平的統合については、

教育委員会及びカリキュラム検討ワーキング・グループでの討議、教養会議、基礎医学

社会医学教授懇談会、臨床部長会議などで議論されている。

B. 質的向上のための水準に関する現状分析と自己評価

・関連する科学・学問領域および課題の水平的統合についてカリキュラムで実施されて

いる点は評価できる。

C. 現状への対応

・より効率的にカリキュラムの水平的統合の評価について、カリキュラム内容の分析を

IRセンターで行っている。

D. 改善に向けた計画

・より効率的にカリキュラムの水平的統合を行うよう、カリキュラム内容の分析結果を

教育委員会で議論する予定である。

資料

・医学科授業要項(シラバス)

・IRセンター資料

医科大学・医学部は、カリキュラムで以下のことを確実に実施すべきである。

基礎医学、行動科学および社会医学と臨床医学の縦断的(連続的)統合(Q 2.6.2)

A. 質的向上のための水準に関する情報

・基礎医学、行動科学および社会医学と臨床医学の縦断的(連続的)統合については、平

成26年度より開始の新カリキュラムで特徴的であり、教養科目の医学英語、医療統計

が縦断的に構成されたスパイラル型のプログラムとなっている。

B. 質的向上のための水準に関する現状分析と自己評価

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・基礎医学、行動科学および社会医学と臨床医学の縦断的(連続的)統合が実施されてい

る点は評価できる。

C. 現状への対応

・新カリキュラムにおいて、臨床実習時期に縦断的に、教養科目、基礎医学、行動科学

等の授業を組み込むことが決定された。

D. 改善に向けた計画

・新カリキュラムにおいて、臨床実習時期に縦断的に組み込む科目として、具体的な内

容を平成28年に決定する予定である。

・縦断的に組み込む科目については今後の社会情勢により柔軟に対応できるよう構築予

定である。

資料

・医学科授業要項(シラバス)

・カリキュラム

医科大学・医学部は、カリキュラムで以下のことを確実に実施すべきである。

教育プログラムの一部として中核となる必修教育内容だけでなく、選択的な教育内

容を決め、必修との配分を考慮して設定すること(Q 2.6.3)

A. 質的向上のための水準に関する情報

・選択的教育内容として、教養教育においては三大学教養教育共同化により多種の選択

科目が準備されている。2年次以降の講義としては自由科目として、歯科口腔科学、臨

床病理セミナー、医療統計学がある。

B. 質的向上のための水準に関する現状分析と自己評価

・教育プログラムの一部として中核となる必修教育内容だけでなく、選択的な教育内容

を決め、必修との配分を考慮して設定してある点は評価できる。

C. 現状への対応

・学生の学習ニーズ、知的好奇心に応じて、最新医学および医学境界領域分野の学習が

できるよう配慮されている。

D. 改善に向けた計画

・今後の医療・医学の発展に応じて、選択科目を充実化させることが計画されている。

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資料

・医学科授業要項(シラバス)

医科大学・医学部は、カリキュラムで以下のことを確実に実施すべきである。

補完医療との接点(Q 2.6.4)

A. 質的向上のための水準に関する情報

・補完医療に関しては、総合医療に TBLを含めた 10コマの授業が予定されている。更

に、選択として、総合診療のクラークシップでは、鍼灸代替医療、漢方外来のクラーク

シップも行われている。

・更なる学習を望むものには、漢方医療セミナーを開催している。

B. 質的向上のための水準に関する現状分析と自己評価

・補完医療について座学、TBL、臨床実習と多彩なカリキュラムが実施されている点は

評価できる。

C. 現状への対応

・基礎医学配置において、補完医療の基礎医学的な研究も行えるよう整備している。

・漢方外来のクラークシップについて、総合診療部を選択した学生については行える体

制にある。

D. 改善に向けた計画

・今後の補完医療の進歩及びEBMの最新のデータに応じて、最新の内容を学習可能な

カリキュラムをするよう整備している。

資料

・総合診療部資料(補完医療)

2.7 プログラム管理

基本的水準:

医科大学・医学部は

学長・医学部長などの教育の責任者の下で、教育成果を達成するための教育立案

とその実施に責任と権限を持ったカリキュラム委員会を設置しなくてはならな

い。(B 2.7.1)

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カリキュラム委員会の構成委員として、教員と学生の代表を含まなくてはならな

い。(B 2.7.2)

質的向上のための水準:

医科大学・医学部は

カリキュラム委員会を中心に教育改良の計画と実施を行なうべきである。(Q

2.7.1)

カリキュラム委員会に他の教育の関係者の代表を含むべきである。(Q 2.7.2)

注 釈:

[権限を持ったカリキュラム委員会]は、特定の部門や講座の個別利権よりも優

位であるべきであり、教育機関の管理運営機構や行政当局の管轄権などで定めら

れている規約の範囲内でのカリキュラムに関する裁量権を含む。カリキュラム委

員会は、教育方法、学習方法、学生評価およびカリキュラム評価の立案と実施の

ために裁量を任された資源について配分を決定できるべきである。(領域 8.3参

照)

[他の教育の関係者]には、教育課程の参画者として、研修病院および他の臨床施

設の代表、医学部卒業生代表、教育に関わる医療専門職代表、他学部の教員など

を含む。他の関係者として、さらに地域や一般市民(例:患者組織を含む医療提

供システムの利用者)の代表者を含む場合がある。

学長・医学部長などの教育の責任者の下で、教育成果を達成するための教育立案とその

実施に責任と権限を持ったカリキュラム委員会を設置しなくてはならない。(B 2.7.1)

A. 基本的水準に関する情報

・本学でのカリキュラムの教育立案とその実施に責任と権限を持つ組織として、教育委

員会が設置されている。教育委員会は、特定の部門や講座の個別利権にかかわりなく、

教育機関の管理運営機構や行政当局の管轄権などで定められている規約の範囲内での

カリキュラムに関する裁量が認められている。

・教育委員会は、教育方法、学習方法、学生評価およびカリキュラム評価の立案と実施

のために裁量を任された資源について配分を決定し、教授会に答申する。

B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価

・学長・医学部長などの教育の責任者の下で、教育成果を達成するための教育立案とそ

の実施に責任と権限を持った教育委員会を設置している点は評価できる。

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C. 現状への対応

・IRセンターのデータに基づき、教育委員会にて教育に関する実質的な PDCAを評価・

立案している。教育委員会は評価・立案について、教授会に諮り、教育研究評議会の決

定を経て教育機関の管理運営に反映される。

D. 改善に向けた計画

・カリキュラムの評価データに基づく評価・立案について、今後の医学教育の変化によ

り対応できる体制を整える予定である。

資料

・大学規約

カリキュラム委員会の構成委員として、教員と学生の代表を含まなくてはならない。

(B 2.7.2)

A. 基本的水準に関する情報

・教育委員会の構成委員として、教員の代表が含まれている。

・教育委員会の構成委員として、学生の代表は正式メンバーとしては含んでいない。教

育委員がヒアリングを行い、その結果を反映させている。

B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価

・教育委員会の構成委員として、教員の代表は含まれているが、学生の代表を含んでい

ない点で不十分である。

C. 現状への対応

・教育委員会の構成委員として、学生の代表を含むよう現在組織を設計している。

D. 改善に向けた計画

・学生の教育委員会での役割、参加範囲について規定を作成予定であり、現在準備を整

えている。

資料

・教育委員会資料

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カリキュラム委員会を中心に教育改良の計画と実施を行なうべきである。(Q 2.7.1)

A. 質的向上のための水準に関する情報

・IRセンターのデータに基づき、教育委員会にて教育に関する実質的な PDCAを評価・

立案している。教育委員会は評価・立案について、教授会に諮り、教育研究評議会の決

定を経て教育機関の管理運営に反映される。

B. 質的向上のための水準に関する現状分析と自己評価

・教育委員会を中心に教育改良の計画と実施を行なっている点は評価できる。

C. 現状への対応

・データに基づくカリキュラム改良を行うようデータ収集及び体制を整えている。

D. 改善に向けた計画

・教育委員会と IRセンターの役割の明確化、教育の変化に伴う対応について議論を進

めている。

資料

・教育委員会

・IRセンター規約

カリキュラム委員会に他の教育の関係者の代表を含むべきである。(Q 2.7.2)

A. 質的向上のための水準に関する情報

・教育委員会の常任委員としては他の教育の関係者の代表は設置されていない。

・教育研究評議会では外部委員も参加している。

・教育委員会が必要と認めた場合は、研修病院および他の臨床施設の代表、医学部卒業

生代表、教育に関わる医療専門職代表、他学部の教員などからヒアリングを実施してお

り、教育委員会で報告・討議される。

B. 質的向上のための水準に関する現状分析と自己評価

・教育委員会の常任委員としては他の教育の関係者の代表は設置されていないので、外

部関係者の意見を取り入れやすくする工夫が必要である。

C. 現状への対応

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・教育委員会が必要と認めた場合は、研修病院および他の臨床施設の代表、医学部卒業

生代表、教育に関わる医療専門職代表、他学部の教員などからヒアリングを実施してお

り、教育委員会で報告・討議される。

D. 改善に向けた計画

・教育委員会の常任委員として他の教育の関係者の代表は設置されていないので、外部

関係者の意見を取り入れてゆく方法については、教育委員会等で議論をしている。

資料

・教育委員会規約

2.8 臨床実践と医療制度の連携

基本的水準:

医科大学・医学部は

卒前教育と卒後の訓練または臨床実践の段階との間に適切な運営連携を確実に

行なわなければならない。(B 2.8.1)

質的向上のための水準:

医科大学・医学部は

カリキュラム委員会を通じて以下のことを確実に行なうべきである。

卒業生が働くと考えられる環境からの情報を得て、教育プログラムを適切に

改良すること。(Q 2.8.1)

地域や社会の意見を取り入れ、教育プログラムの改良を検討すること。(Q

2.8.2)

注 釈:

[運営連携]とは、保健医療上の問題点を特定し、それに対して必要な教育成果を

明らかにすることを意味する。このためには、地域、全国、地域の国家間、そし

て全世界の視点に立って、教育プログラムの要素および卒前・卒後・生涯教育の

連携について明確にし、定める必要がある。運営連携には、保健医療機関との意

見交換および保健医療チーム活動への教員および学生の参画を含むことができ

る。さらに卒業生の雇用者からのキャリア情報提供などの建設的意見交換も含ま

れる。

[卒後の訓練または臨床実践の段階]には、卒後教育(卒後研修、認定医教育、専

門医教育)および生涯教育(continuing professional development, CPD;

continuing medical education, CME)を含む。

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卒前教育と卒後の訓練または臨床実践の段階との間に適切な運営連携を確実に行なわ

なければならない。(B 2.8.1)

A. 基本的水準に関する情報

・本学の医学教育の方針として、卒前 6年間と臨床研修 2年間の、計 8年間の連携カリ

キュラムが作成されている。

・卒前教育に携わる教育委員会と卒後教育に関わる卒後臨床研修センターは、事務組織

が異なっているが、共通の教員メンバーが多く存在している。

・学生課及び卒後臨床研修センターの事務部門は、連携して活動している。

B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価

・卒前教育と卒後の訓練または臨床実践の段階との間に適切な運営連携が行なわなわれ

ていることは評価できる。

C. 現状への対応

・現在、卒前教育と卒後教育の連携を行うべく、卒前医学教育の責任者である学生部長

と卒後臨床研修センターのセンター長が兼務となっている。

D. 改善に向けた計画

・卒業生の雇用者からのキャリア情報提供などの建設的意見交換も行えるよう整備を進

める予定である。

・卒前教育、卒後臨床研修教育、生涯教育の長期アウトカムデータを収集する体制を構

築予定である。

資料

・卒後臨床研修センター資料

・卒前・卒後連携カリキュラム資料

カリキュラム委員会を通じて以下のことを確実に行なうべきである。

卒業生が働くと考えられる環境からの情報を得て、教育プログラムを適切に改良す

ること。(Q 2.8.1)

A. 質的向上のための水準に関する情報

・アラムナイ評価として卒業生アンケートを行っている。

・IRセンターで卒前・卒後のアウトカムデータを集積している。

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68

B. 質的向上のための水準に関する現状分析と自己評価

・卒業生が働くと考えられる環境からの情報を得て、教育プログラムを適切に改良する

体制が整えられており評価できる。

C. 現状への対応

・臨床研修時期のデータについて、卒業前の成績データと研修医 OSCE のデータを収集

し、両者をリンクした分析を開始している。

D. 改善に向けた計画

・より広い範囲の卒業生データの収集を行うべく、評価システムを構築予定である。

資料

・卒業生アンケート

・研修医 OSCE

カリキュラム委員会を通じて以下のことを確実に行なうべきである。

地域や社会の意見を取り入れ、教育プログラムの改良を検討すること。(Q 2.8.2)

A. 質的向上のための水準に関する情報

・地域、社会、行政の医学教育に関する意見は、教育研究評議会及び教育委員会で議論

されている。

・地域実習等で出された地域や社会の意見について、IRセンターで評価・分析を行い、

教育委員会にて議論され教育プログラムの改良が議論される。

・その結果は教授会および全学に報告されている。

B. 質的向上のための水準に関する現状分析と自己評価

・地域や社会の意見を取り入れ、教育プログラムの改良を検討している点は評価できる。

C. 現状への対応

・地域実習では住民との懇談会が設置されており、この場には学生のみならず、教員、

指導医も参加している。

D. 改善に向けた計画

・医学教育に関して、より地域住民に近い立場で様々な意見を集計できるよう体制をさ

らに整える予定である。

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資料

・地域実習レポート

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3. 学生評価

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71

3. 学生評価

3.1 評価方法

基本的水準:

医科大学・医学部は

学生の評価について、原理、方法および実施を定め開示しなくてはならない。開

示すべき内容には、合格基準、進級基準、および追再試の回数が含まれる。(B

3.1.1)

知識、技能および態度を含む評価を確実に実施しなくてはならない。(B 3.1.2)

様々な方法と形式の評価をそれぞれの評価有用性に合わせて活用しなくてはな

らない。(B 3.1.3)

評価方法および結果に利益相反が生じないようにしなくてはならない。(B

3.1.4)

評価が外部の専門家によって精密に吟味されなくてはならない。(B 3.1.5)

質的向上のための水準:

医科大学・医学部は

評価法の信頼性と妥当性を評価し、明示すべきである。(Q 3.1.1)

必要に合わせて新しい評価法を導入すべきである。(Q 3.1.2)

評価に対して疑義の申し立てができる制度を構築すべきである。(Q 3.1.3)

注 釈:

[原理、方法および実施]は、試験および他の評価の回数、筆記と口述試験の配分、

集団に対する相対評価と能力を基準とした絶対評価、そして特殊な目的を持った試

験(例 objective structured clinical examinations(OSCE)もしくは mini

clinical evaluation exercise(MiniCEX))を含む。

[方法と形式の評価]には、外部評価者を採用し、評価の公平性、質および透明性

を高めることを含む。

[評価有用性]は、評価法および評価実施の妥当性、信頼性、教育上の影響力、学

生の受容、効率を合わせて決められる。

評価法の信頼性と妥当性の評価のために、評価実施過程に関わる適切な質保証が

なされなくてはならない。

学生の評価について、原理、方法および実施を定め開示しなくてはならない。開示すべ

き内容には、合格基準、進級基準、および追再試の回数が含まれる。(B 3.1.1)

A. 基本的水準に関する情報

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・学生の習得度評価については、総括的評価と形成的評価を明示している。共用試験、

卒業試験などの全学的な評価と教科ごとの評価とに分類される。共用試験については合

格基準として IRT値 43を用いている。教科ごとの試験については、合格基準、進級基

準、追試・再試の条件はシラバスに記載されている。

B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価

・学生の評価について、原理、方法、、実施を定め、合格基準、進級基準、追再試の回

数などの情報を含め、開示している。

C. 現状への対応

・各教科ごとの試験の詳細については、合格基準、進級基準、追試・再試の条件につい

てシラバスに記載、明示され、実施されている。

D. 改善に向けた計画

・今後の教科の変更に応じ、各教科ごとの試験の詳細について、わかりやすくシラバス

に記載、実施する予定である。

資料

・医学科授業要項(シラバス)

・試験規程

知識、技能および態度を含む評価を確実に実施しなくてはならない。(B 3.1.2)

A. 基本的水準に関する情報

・1~4年次の臨床前の時期においては、講義および実習について知識および態度を含

む評価を行っている。

・4年次後半の臨床実習前に総合診療において、実技実習を行い、さらに共用試験 CBT

および OSCEにて、知識、技能および態度を含む評価を実施している。

・5~6年次臨床時期においては、OJTとして知識、技能および態度を含む評価を行っ

ている。

B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価

・1年次から卒業時まで、知識、技能および態度を含む評価を実施していることは評価

できる。

C. 現状への対応

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・低学年での態度に関する評価については機会が少ないが、1年次より早期体験実習な

どに関して行っている。

D. 改善に向けた計画

・知識、技能、態度について継続的な評価方法を確立を検討している。

・基礎医学、社会医学に関する技能、態度の評価についても議論を行っている。

資料

・TBL資料

・診療科資料

・miniCEX関連資料

・早期体験実習

様々な方法と形式の評価をそれぞれの評価有用性に合わせて活用しなくてはならない。

(B 3.1.3)

A. 基本的水準に関する情報

・様々な方法と形式の評価については、それぞれの評価有用性に合わせて活用し、評価

の妥当性・信頼性を IRセンターにて検証している。

・実習においては、外部評価者として、病院指導医から評価を得ている。また地域実習

においては、患者、医療従事者から評価を行う

・共用試験 OSCE, CBTにおいては、外部評価者を採用し、評価の公平性、質および透

明性を高めている。

B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価

・様々な方法と形式の評価をそれぞれの評価有用性に合わせて活用していることは評価

できる。

C. 現状への対応

・様々な方法と形式の評価については、それぞれの評価有用性に合わせて活用し、評価

の妥当性・信頼性を IRセンターにて検証している。

・地域住民、社会の評価を取り入れ活用できるよう整備をしている。

D. 改善に向けた計画

・様々な方法と形式の評価については、それぞれの評価有用性に合わせて活用し、長期

的な評価の妥当性・信頼性を IRセンターにて検証する予定である。

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・外部評価者の個別評価をマイルストーンに反映できるよう整備をしている。

資料

・地域実習資料

・臨床実習資料

・在宅チーム医療資料

評価方法および結果に利益相反が生じないようにしなくてはならない。(B 3.1.4)

A. 基本的水準に関する情報

・評価方法はあらかじめシラバスに記載されており、評価結果は厳正である旨を含めて

公開されており、評価方法および結果について透明性が確保されている。

・評価方法および結果は厳正に行い、教育委員会の議決を通して進級が決定され、利益

相反の恐れがある場合には会議の参加を見合わせることとなっている。

B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価

・評価方法および結果に利益相反が生じないよう体制を整えている点は評価できる。

C. 現状への対応

・不正行為に対しては厳正に対応し、罰則規定を制定している。

・教育委員会のメンバーについて、利益相反がないよう透明性を担保して選択している。

D. 改善に向けた計画

・評価方法および結果の利益相反については、現在研究申請で行われているものに類似

した COI申請書を提出することも考えられる。

資料

・不正にかかる規則

・態度教育資料(カラマーゾフ関連資料、アランの幸福論資料)

評価が外部の専門家によって精密に吟味されなくてはならない。(B 3.1.5)

A. 基本的水準に関する情報

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・4年次に実施する共用試験 CBT,OSCEについて外部評価者および外部モニターにより

吟味されている。

・学外施設の指導医からの評価および地域実習においては学外指導医、医療スタッフか

らの評価が行われている。

・中期計画、中期評価により外部専門家により厳密に吟味されている。

・オクラホマ大学医学部教員による医学教育に関する吟味を行っている。

B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価

・評価が外部の専門家によって精密に吟味されている点は評価される。

C. 現状への対応

・教育評価に対して外部専門家に吟味を行う場面を増やすよう計画している。

D. 改善に向けた計画

・外部の専門家による評価の妥当性と信頼性の検討を行う予定である。

資料

・CBT,OSCEマニュアル

・オクラホマ大学教員 FDの資料

・地域実習報告書

評価法の信頼性と妥当性を評価し、明示すべきである。(Q 3.1.1)

A. 質的向上のための水準に関する情報

・共用試験機構の解析については、教育委員会、教育 FDで公開されている。

・評価法の信頼性・妥当性については IRセンターで分析を行っており、その結果は教

育委員会、教育 FDで公開されている。

B. 質的向上のための水準に関する現状分析と自己評価

・評価法の信頼性と妥当性を評価し、明示している点は評価できる。

C. 現状への対応

・各講座、診療科で行っている種々の評価法について、信頼性と妥当性を吟味し目的に

則った分析をする点について、IRセンターの情報を教員に公開している。

D. 改善に向けた計画

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・今後も新たな評価法が開発される可能性があり、時宜に応じた教員 FDの充実化を計

画している。

資料

・IRセンター資料

・EPA資料

必要に合わせて新しい評価法を導入すべきである。(Q 3.1.2)

A. 質的向上のための水準に関する情報

・EPAsなどの最新の評価法の導入を図っている。

・ポートフォリオ、学生カルテなどの文書データについて、半定量的分析、テキスト分

析を行っている。

B. 質的向上のための水準に関する現状分析と自己評価

・必要に合わせて新しい評価法を導入している点は評価できる。

C. 現状への対応

・知識、技能、態度を統合した評価尺度のデータを収集している。

D. 改善に向けた計画

・長期アウトカムの結果から、それをゴールとする評価方法を導入する予定である。

資料

・EPA資料

・医学教育学会資料

評価に対して疑義の申し立てができる制度を構築すべきである。(Q 3.1.3)

A. 質的向上のための水準に関する情報

・評価に対して疑義の申し立てについては現時点で明文化されたものはない。

B. 質的向上のための水準に関する現状分析と自己評価

・評価に対して疑義の申し立てができる制度を構築する必要がある。

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C. 現状への対応

・評価に対して疑義の申し立てについては、現状では個別の対応となっている。

D. 改善に向けた計画

・評価に対して疑義の申し立てシステムについては、現在の個別対応とするか、新たな

システムが必要であるかを検討している。

資料

・異議申し立て資料

3.2 評価と学習との関連

基本的水準:

医科大学・医学部は

評価の原理、方法を用いて以下を実現する評価を実践しなくてはならない。

目標とする教育成果と教育方法との整合(B 3.2.1)

目標とする教育成果を学生が達成(B 3.2.2)

学生の学習を促進(B 3.2.3)

学生の教育進度の認識と判断を助ける形成的評価および総括的評価の適切

な配分(B 3.2.4)

質的向上のための水準:

医科大学・医学部は

基本的知識と統合的学習の両方の修得を促進するためにカリキュラム(教育)単

位ごとの試験の回数と方法(特性)を適切に定めるべきである。(Q 3.2.1)

学生に評価結果に基づいた時機を得た、具体的、建設的、そして公正なフィード

バックを行なうべきである。(Q 3.2.2)

注 釈:

[評価に関わる原理、方法および実践]は、学生の達成度評価に関して知識・技能・

態度の全ての側面を評価することを意味する。

[学生の教育進度の認識と判断]では、進級の要件と評価との関連に関わる規程が

必要となる。

[試験の回数と方法(特性)の調節]は、学習の負の効果を避けるように配慮され

るべきである。さらに膨大な量の情報を暗記する学習や過密なカリキュラムは避け

るような配慮も含まれる。

[統合的学習の修得]には、個々の学問領域や主題ごとの知識を適切に評価しなが

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ら統合的に評価をすることを含む。

評価の原理、方法を用いて以下を実現する評価を実践しなくてはならない。

目標とする教育成果と教育方法との整合(B 3.2.1)

A. 基本的水準に関する情報

・本学の理念である「世界トップレベルの医学を地域の医療へ」として、地域の医療・

医学への貢献が謳われているが、卒業生を含めてその評価を行っている。

・実習評価票のアウトカムに従って、すべてが習得できるよう知識、技能、態度を統合

した教育方法を組み合わせている。

B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価

・評価の原理、方法を用いて、目標とする教育成果と教育方法との整合を実現する評価

を実践している点は評価できる。

C. 現状への対応

・平成26年度より新カリキュラムが開始され、アウトカムのマイルストーンが達成で

きるよう教育方法との整合を付ける整備をしている。

D. 改善に向けた計画

・現在研修医で整備を行っている EPAsについて、卒前教育にも導入予定である。

資料

・京都府就職率

・新評価票関連資料(データ)

・新カリキュラム

評価の原理、方法を用いて以下を実現する評価を実践しなくてはならない。

目標とする教育成果を学生が達成(B 3.2.2)

A. 基本的水準に関する情報

・本学のアウトカムに従って、すべてが習得できるよう知識、技能、態度を統合した教

育方法を組み合わせている。

・目標とする教育成果を学生が達成しているかについては、下記のマイルストーンにて

評価を行っている。1)臨床実習前教育においては授業・実習態度および試験により評

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価される。2)共用試験により知識、技能、態度に関する総括評価を行う。3)臨床実

習教育においては OJTにて知識、技能、態度に関する形成評価を行う。

B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価

・評価の原理、方法を用いて、学生が目標とする教育成果を達成しているか評価を実践

している点は評価できる。

C. 現状への対応

・本学卒業生の約 30%が本学附属病院研修プログラムに所属しており、研修医 OSCEを

実施することにより、本学卒業生の卒前評価との関連を分析している。

D. 改善に向けた計画

・卒前・卒後にわたるアウトカム評価の体制の整備を計画している。

資料

・医学科授業要項(シラバス)

・EPA関連資料

評価の原理、方法を用いて以下を実現する評価を実践しなくてはならない。

学生の学習を促進(B 3.2.3)

A. 基本的水準に関する情報

・ほぼすべての教員の授業で授業評価を行っており、学生の学習の促進について評価・

分析を行っている。

・一部の授業では、学習に関するアンケートを行っており、態度面、コミュニケーショ

ン面も含めた評価を行っている。

B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価

・評価の原理、方法を用いて学生の学習を促進を実現する評価を実践している点は評価

できる。

C. 現状への対応

・自学自習の態度教育については、新カリキュラムで強化されており、学習促進に関す

るアウトカムを評価する予定である。

D. 改善に向けた計画

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・自学自習の評価については診療科によってはポートフォリオによる評価を実施してい

るが、今後はこのような方法を拡大してゆく予定である。

資料

・授業評価

・TBLアンケート

・総合診療部ポートフォリオ

評価の原理、方法を用いて以下を実現する評価を実践しなくてはならない。

学生の教育進度の認識と判断を助ける形成的評価および総括的評価の適切な配分

(B 3.2.4)

A. 基本的水準に関する情報

・進級にかかわる総括的評価については、各年ごとに予定されており、定期試験及び共

用試験は進級試験と位置付けられている。

・臨床前教育の形成的評価については、各授業で行っている。

・臨床教育の形成的評価については、各診療科のローテーションで行っている。

B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価

・学生の教育進度の認識と判断を助ける形成的評価および総括的評価の適切な配分につ

いては実践されていることは評価できる。

C. 現状への対応

・IRセンターにて上記評価の長期データを分析しており、学生の教育進度の認識と判

断を助ける形成的評価および総括的評価の適切な配分について方略を立案する予定で

ある。

D. 改善に向けた計画

・IRセンターにて上記評価の長期データを分析しており、学生の教育進度の認識と判

断を助ける形成的評価および総括的評価の適切な配分を検討する予定である。

資料

・医学科授業要項(シラバス)

・IRセンター資料

・ポートフォリオ関連資料

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基本的知識と統合的学習の両方の修得を促進するためにカリキュラム(教育)単位ごと

の試験の回数と方法(特性)を適切に定めるべきである。(Q 3.2.1)

A. 質的向上のための水準に関する情報

・基本的知識と統合的学習の両方の修得を促進するためにカリキュラム(教育)単位ご

との試験の回数と方法については、IRセンターのデータをもとに教育委員会で議論さ

れている。

B. 質的向上のための水準に関する現状分析と自己評価

・基本的知識と統合的学習の両方の修得を促進するためにカリキュラム(教育)単位ご

との試験の回数と方法(特性)を適切に定めている点は評価できる。

C. 現状への対応

・基本的知識についての試験は各科目の修了時に行われ、統合的学習についてはより高

学年で行われている。特に統合的学習については、TBL, OSCEなどのパフォーマンスも

評価した方法を用いている。

D. 改善に向けた計画

・統合的学習の評価については新たな評価法の開発を計画している。

資料

・医学科授業要項(シラバス)

・カリキュラム改善委員会資料

・TBL資料

学生に評価結果に基づいた時機を得た、具体的、建設的、そして公正なフィードバック

を行なうべきである。(Q 3.2.2)

A. 質的向上のための水準に関する情報

・学生に評価結果に基づいた時機を得た、具体的、建設的、そして公正なフィードバッ

ク。

・臨床実習においては OJTでリアルタイムのフィードバックを行っている。

・診療科によりポートフォリオ評価を行っている。

B. 質的向上のための水準に関する現状分析と自己評価

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・学生に評価結果に基づいた時機を得た、具体的、建設的、そして公正なフィードバッ

クを実践されている点は評価できる。

C. 現状への対応

・講座、診療科によりフィードバックの量・質にばらつきがあるが、FDにてその基本

原理の共通認識を持てるようにしている。

D. 改善に向けた計画

・フィードバックに関する FDをより頻回に行うことを計画してる。

資料

・ポートフォリオ関連資料

・miniCEX資料

・指導医講習会資料

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4. 学生

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4. 学生

4.1 入学方針と入学選抜

基本的水準:

医科大学・医学部は

学生の選抜プロセスについて、明確な記載を含め、客観性の原則に基づき入学方

針を策定して履行しなければならない。(B 4.1.1)

身体に不自由がある学生の入学について、方針を定めて対応しなければならな

い。(B 4.1.2)

他の学部や機関から転入した学生については、方針を定めて対応しなければなら

ない。(B 4.1.3)

質的向上のための水準:

医科大学・医学部は

選抜プロセスと、医科大学・医学部の使命、教育プログラムならびに卒業時に期

待される能力との関係性を述べるべきである。(Q 4.1.1)

地域や社会の健康上の要請に対応するように、社会的および専門的情報に基づ

き、定期的に入学方針をチェックすべきである。(Q 4.1.2)

入学許可の決定への疑義に対応するシステムを採用すべきである。(Q 4.1.3)

注 釈:

[入学方針]は、国の規制を厳守するとともに、地域の状況に合わせて適切なもの

にする。医科大学・医学部が入学方針を統制しない場合は統制する組織との関係

性を説明し、結果(例:採用数と教育の能力とのバランス)に注目することで責

任を示すことになる。

[学生の選抜プロセスの記載]には、高等学校の成績、その他の学術的または教育

的経験、医師になる動機の評価を含む入学試験と面接など、理論的根拠と選抜方

法の双方が含まれる。実践医療の多様性に応じた選抜法を選択することも考えら

れて良い。

[身体に不自由がある学生の入学の方針と対応]は、国の法規に準じる必要があ

る。

[学生の転入]には、他の医科大学・医学部からの医学生や、他の学部からの学生

が含まれる。

[地域や社会の健康上の要請]には、経済的・社会的に恵まれない学生やマイノリ

ティのための特別な募集枠や入学に向けた指導対策などの潜在的必要性など、性

別、民族性、およびその他の社会的要件(その人種の社会文化的および言語的特

性)に応じて、採用数を検討することが含まれる。

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日本版注釈:

一般選抜枠以外の入学枠(推薦枠、指定校枠、付属校枠、地域枠、学士入学枠な

ど)についても、その選抜枠が必要とされる理由とともに入学者選抜過程の開示

を含む。

学生の選抜プロセスについて、明確な記載を含め、客観性の原則に基づき入学方針を策

定して履行しなければならない。(B 4.1.1)

A. 基本的水準に関する情報

・本学医学部アドミッションポリシーおよび理念に準じて医学部入学者選抜の基本方針

を作成しており、その記載を公表している。

・平成20年度より推薦枠(地域枠)学生の入学を行っており、その選抜プロセスにつ

いて、明確な記載を含め、客観性の原則に基づき入学方針を策定して履行している。

B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価

・学生の選抜プロセスについて、明確な記載を含め、客観性の原則に基づき入学方針を

策定して履行している点は評価できる。

C. 現状への対応

・学生の選抜プロセスについては客観性が担保されるよう、入試委員会で規定されてい

る。

・入試委員会は年に定期的に開催されており客観性が担保されるよう議論されている。

D. 改善に向けた計画

・今後の学生のアウトカムデータから、選抜プロセスの変化についても対応できるシス

テムが議論されている。

・社会情勢、医療情勢の変化による選抜プロセスの変化に応じて、客観性が担保できる

システムを入試委員会で議論している。

資料

・募集要項

・推薦枠学生募集要項

・試験委員会規約

・入試委員会

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身体に不自由がある学生の入学について、方針を定めて対応しなければならない。

(B 4.1.2)

A. 基本的水準に関する情報

・身体に不自由がある学生の入学については、個別の対応を行っている。

・現在までの事例では、他の学生と同様に進級・卒業を行っている。

B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価

・身体に不自由がある学生の入学については、明文化された方針がなく、明記されるべ

きである。

C. 現状への対応

・現在までに身体の不自由がある学生の入学について、例えばホルムアルデヒド・アレ

ルギーのある学生について、個別に実習を配慮するなどしている。

・原則として、本学の規定に沿って個別に対応している。

D. 改善に向けた計画

・現在までの事例およびあらかじめ想定される事例について、対応マニュアルを作成す

る予定である。

資料

・身体不自由学生への対応事例

他の学部や機関から転入した学生については、方針を定めて対応しなければならない。

(B 4.1.3)

A. 基本的水準に関する情報

・本学では他の学部や機関からの編入学制度を取っておらず、他の学生と同様に、入学

試験の判定および教育を行っている。

B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価

・他の学部や機関から転入しようとする学生については、方針を定めて対応しているこ

とは評価できる。

C. 現状への対応

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・本学では他の学部や機関からの編入学制度を取っておらず、他の学生と同様に、入学

試験の判定および教育を行っている。

・キャリアガイダンスではきめ細かく個別指導を行っている。

・必要に応じて転入学生の補習を行っている。

D. 改善に向けた計画

・今後も本学では他の学部や機関からの編入学制度を取らず、他の学生と同様に入学試

験の判定および教育を行う予定である。

・キャリアガイダンスをよりきめ細かく個別指導を行う予定である。

資料

・募集要項

・担任制度資料

選抜プロセスと、医科大学・医学部の使命、教育プログラムならびに卒業時に期待され

る能力との関係性を述べるべきである。(Q 4.1.1)

A. 質的向上のための水準に関する情報

・選抜プロセスと、医科大学・医学部の使命、教育プログラムならびに卒業時に期待さ

れる能力との関係性については、IRセンターにてデータ収集を行っている。

B. 質的向上のための水準に関する現状分析と自己評価

・選抜プロセスと、医科大学・医学部の使命、教育プログラムならびに卒業時に期待さ

れる能力との関係性についてはデータ収集を行っており、評価を行う予定である点は評

価できる。

C. 現状への対応

・選抜プロセスと、卒業時のアウトカム達成状況および研修修了時のアウトカムの達成

状況との整合を図るプロジェクトを開始している。

D. 改善に向けた計画

・卒業時のアウトカム達成状況および研修修了時のアウトカムの達成状況により、選抜

プロセスの見直しを検討するシステムを計画している。

・選抜プロセスおよびアウトカム評価について、個人情報保護のシステムの整備を計画

している。

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88

資料

・IRセンター資料

・大学学生に関する個人情報保護についての規程

地域や社会の健康上の要請に対応するように、社会的および専門的情報に基づき、定期

的に入学方針をチェックすべきである。(Q 4.1.2)

A. 質的向上のための水準に関する情報

・経済的・社会的に恵まれない学生やマイノリティのための特別な募集枠などは特に設

定しておらず、性別、民族性、およびその他の社会的要件も含めてすべて平等な入学方

針としている。

・経済的・社会的に恵まれない学生やマイノリティ、性別、民族性、およびその他の社

会的要件については、入学後に対応できる体制となっている。

B. 質的向上のための水準に関する現状分析と自己評価

・地域や社会の健康上の要請に対応するように、社会的および専門的情報に基づき、定

期的に入学方針をチェックしている点は評価できる。

C. 現状への対応

・入学方針については、入試委員会、入学者選抜委員会にて検討されている。

・経済的・社会的に恵まれない学生やマイノリティ、性別、民族性、およびその他の社

会的要件については、入学後に対応できる体制となっている。

D. 改善に向けた計画

・入学方針については、今後の社会情勢等により策定される中期計画に対応して、見直

しが行われる予定である。

資料

・募集要項

・入試委員会資料

・入学者選抜委員会資料

入学許可の決定への疑義に対応するシステムを採用すべきである。(Q 4.1.3)

A. 質的向上のための水準に関する情報

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89

・入学許可の決定への疑義に対応するシステムとしては、学長および学生部長が入試委

員会を臨時に招集して議論される。

・現在までに、事例に応じて別に検討されている。入学許可の決定への疑義に対応する

システムを採用している。

B. 質的向上のための水準に関する現状分析と自己評価

・入学許可の決定への疑義に対応するシステムを採用している点は評価できる。

C. 現状への対応

・現在までに、入学試験問題の不備など、個別の事例に応じて検討されている。

・入学許可の決定への疑義に対応する個別対応システムを採用している。

D. 改善に向けた計画

・想定される事例についてより迅速に対応できるよう計画している。

資料

・疑義への対応例

・入試委員会規程

・入学試験危機対応マニュアル

4.2 学生の受け入れ

基本的水準:

医科大学・医学部は

学生の受け入れ数を確定し、プログラムの全段階でその教育能力と関連づけなけ

ればならない。(B 4.2.1)

質的向上のための水準:

医科大学・医学部は

学生の受け入れ数と特性については定期的に見直して他の関連教育の協働者と

の協議し、地域や社会の健康上の要請を満たすように調整すべきである。(Q

4.2.1)

注 釈:

[学生の受け入れ数]に関する決定は、医療の労働人口についての国の要件に応じ

て調整する必要がある。医科大学・医学部が学生の受け入れ数を統制しない場合

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は関係性を説明し、結果(例:受け入れ数と教育能力とのバランス)に注目する

ことで責任を示すことになる。

[他の関連教育の協働者]には、医師不足、医師の偏在、新たな医科大学・医学部

の設立、医師の移動といった、保健関連の人材のグローバルな局面と関連のある

専門家や団体のほか、国内の保健医療機関の人材についてのプランニングと人材

開発の責任を負う当局が含まれる。

学生の受け入れ数を確定し、プログラムの全段階でその教育能力と関連づけなければな

らない。(B 4.2.1)

A. 基本的水準に関する情報

・学生の受入数については本学の理念に沿った定員として、一般枠 100名、推薦枠(地

域枠)7名の合計 107名としている。

・特に平成20年より開始された推薦枠学生数については、京都府医師不足地域におけ

る本学の使命と、質の高い学生に入学を許可するという本学の理念およびアドミッショ

ン・ポリシーから 7 名としている。

B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価

・学生の受け入れ数を確定し、プログラムの全段階でその教育能力と関連づけている点

は評価できる。

C. 現状への対応

・推薦枠学生も含めすべての学生に対してプログラムの全段階で本学のアウトカムに沿

った教育をなされている。

・推薦枠学生の成績については不断のモニタリングを行っている。

D. 改善に向けた計画

・適性な学生数については、医学部卒業時アウトカムおよび研修修了時アウトカムのデ

ータを考慮して検討する予定である。

資料

・入学定員についての資料

・推薦枠学生資料

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学生の受け入れ数と特性については定期的に見直して他の関連教育の協働者との協議

し、地域や社会の健康上の要請を満たすように調整すべきである。(Q 4.2.1)

A. 質的向上のための水準に関する情報

・入試委員会、入学者選抜委員会にて学生の受け入れ数と特性については定期的に議論

し、見直しを行っている。

・学生のアウトカムが地域や社会のにニーズを満たしているかについて、中期計画で評

価されている。

B. 質的向上のための水準に関する現状分析と自己評価

・学生の受け入れ数と特性については定期的に見直して他の関連教育の協働者との協議

し、地域や社会の健康上の要請を満たすように調整している点は評価できる。

C. 現状への対応

・昨年度から卒業となった推薦枠学生について、地域病院との協議を行い地域や社会の

健康上の要請を満たすように調整している。

D. 改善に向けた計画

・今後、卒業生のアウトカム評価により、学生の受け入れ数と特性について定期的に評

価する体制を構築する予定である。

資料

・学生数の記載資料

・学生定員に関する資料

4.3 学生のカウンセリングと支援

基本的水準:

医科大学・医学部および大学は

学生を対象とした学習上の問題に対するカウンセリングの制度を設けなければ

ならない。(B 4.3.1)

社会的、経済的、および個人的な要請に対応し、学生を支援するプログラムを提

供しなければならない。(B 4.3.2)

学生の支援に資源を配分しなければならない。(B 4.3.3)

カウンセリングと支援に関する守秘を保証しなければならない。(B 4.3.4)

質的向上のための水準:

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医科大学・医学部は

学習上のカウンセリングを提供すべきである。

学生の進歩のモニタリングに基づくカウンセリングが提供されている。(Q

4.3.1)

キャリアガイダンスとプランニングを含んだカウンセリングが提供されて

いる。(Q 4.3.2)

注 釈:

[学習上のカウンセリング]には、選択科目、住居の準備、キャリアガイダンスに

関連した問題が含まれる。

[カウンセリングの組織]には、個別の学生または少人数グループの学生に対する

学習上のメンタが含まれる。

[社会的、経済的、および個人的な要請への対応]とは、社会的および個人的な問

題や出来事、健康問題、経済的問題などに関連した支援を意味するもので、奨学

金、給付金、ローンなど財政支援サービスや健康クリニック、予防接種プログラ

ム、健康/身体障害保険を受ける機会などが含まれる。

学生を対象とした学習上の問題に対するカウンセリングの制度を設けなければならな

い。(B 4.3.1)

A. 基本的水準に関する情報

・学習上のカウンセリングについては、選択科目、住居の準備、キャリアガイダンスに

関連した問題について、学生課、教育委員会委員、医学教育ユニットが窓口となり、個

人的な相談にも応じている。

・カウンセリングの組織としては、学年の担任制度を組織している。更に 6年生に対し

てはきめ細かいメンターとして、少人数グループの学生に対する学習上の指導を行って

いる。

・成績不振者への面談等特に必要のある場合には、個別の学生については学生部長、教

養部長によるカウンセリングを行っている。

・6年生のキャリアガイダンス(マッチング指導など)については、医学教育ユニット

のほか、臨床研修センター専任教員が個別に相談に乗る制度を行っている。

B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価

・選択科目、住居の準備、キャリアガイダンスに関連した問題を含め、学生を対象とし

た学習上の問題に対するカウンセリングの制度を設けている点は評価できる。

C. 現状への対応

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・学生全体に対するガイダンスと個別のカウンセリングを状況に応じて対応できるよう

制度設計を行っている。

・平成27年度より保健管理センターが開設され、精神的・心理的に関連した学習の問

題についても迅速にプライバシーに配慮した対応が可能になった。

D. 改善に向けた計画

・プライバシーの面からカウンセリング内容については、アウトカム評価にどのように

反映させてゆくかを検討している。

資料

・担任制度資料

・学生部長、教養部長によるカウンセリングの実例

・保健管理センター関連資料

・成績不振者への対応事例

・マッチング説明会資料

社会的、経済的、および個人的な要請に対応し、学生を支援するプログラムを提供しな

ければならない。(B 4.3.2)

A. 基本的水準に関する情報

・社会的、経済的、精神的、個人的要請のカウンセリングについては、学生課、教育委

員会委員、医学教育ユニットが窓口となり、個人的な相談にも応じている。

・カウンセリングの組織としては、学年の担任制度を組織している。更に 6年生に対し

てはきめ細かいメンターとして、少人数グループの学生に対する学習上の指導を行って

いる。

・特に必要のある場合には、個別の学生について学生部長、教養部長によるカウンセリ

ングを行っている。

・経済的、社会的問題については、各種の奨学金制度を整備している。

・特に精神的、心理的問題については、平成27年より保健管理センターが開設され対

応している。

B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価

・社会的、経済的、および個人的な要請に対応し、学生を支援するプログラムを提供し

ていることは評価できる。

C. 現状への対応

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・学生全体に対するガイダンスと個別のカウンセリングを状況に応じて対応できるよう

制度設計を行っている。

・平成27年度より保健管理センターが開設され、精神的・心理的の問題についても迅

速にかつ、プライバシーに配慮した対応が可能になった。

D. 改善に向けた計画

・プライバシーの面からカウンセリング内容について、アウトカム評価にどのように反

映させてゆくかを検討している。

資料

・奨学金制度資料

・担任制度資料

・学生部長、教養部長の面談資料

・保健管理センター規約

学生の支援に資源を配分しなければならない。(B 4.3.3)

A. 基本的水準に関する情報

・学生の支援について、学生課、教育委員会委員、医学教育ユニットが窓口となり、相

談にも応じている。

・支援組織としては、学年の担任制度を組織している。更に 6年生に対してはきめ細か

いメンターとして、少人数グループの学生に対する学習上の指導を行っている。

・特に必要のある場合には、個別の学生については学生部長、教養部長による支援を行

っている。

・6年生のキャリアガイダンス(マッチング指導など)については、医学教育ユニット

のほか、臨床研修センター専任教員が個別に相談に乗る制度を行っている。

B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価

・学生の支援に人的・経済的資源を適切に配分しており評価できる。

C. 現状への対応

・学生支援の多様化が進んでおり、これらに対応するため、保健管理センターなどの整

備が行われた。

・よりきめ細かいメンタリングについては、個別対応としている。

・特に国師浪人の卒業生については、本人の希望によりメンターを個別につける制度を

採用している。

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D. 改善に向けた計画

・学生支援の多様化が進んでおり、これらに対応するためより多くの教員に参画を計画

している。

・卒業生の研修医がメンタリングに参画できる制度も計画している。

資料

・奨学金制度資料

・担任制度資料

・学生部長、教養部長の面談資料

カウンセリングと支援に関する守秘を保証しなければならない。(B 4.3.4)

A. 基本的水準に関する情報

・学生部長、教養部長、担任、職員等が行ったカウンセリングと支援に関する守秘、プ

ライバシーについては十分に保証されている。

・特に保健管理センターでのカウンセリング、支援については医師患者関係に準じた守

秘が保証されている。場合によっては学外での治療施設への紹介を行っている。

B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価

・カウンセリングと支援に関する守秘を保証されており評価できる。

C. 現状への対応

・保健管理センターによる心理的問題、精神的問題に対応でき、かつプライバシーが保

障されるように整備している。

・カウンセリングおよび支援については、教育委員会・教授会においても、プライバシ

ーに配慮され運用されている。

D. 改善に向けた計画

・カウンセリング及び支援に関する個人情報保護については、情報管理の範囲を議論す

る予定である。

資料

・担任制度資料

・学生部長、教養部長によるカウンセリングの実例

・保健管理センター関連書類

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・成績不振者への対応事例

・マッチング説明会資料

学習上のカウンセリングを提供すべきである。

学生の進歩のモニタリングに基づくカウンセリングが提供されている。(Q 4.3.1)

A. 質的向上のための水準に関する情報

・学生の進歩のモニタリングに基づくカウンセリングについては、留年者や成績不審者

に対するカウンセリング個別事例で提供している。

・本人と相談のうえ継続的にカウンセリングを行っている。

B. 質的向上のための水準に関する現状分析と自己評価

・学生の進歩のモニタリングに基づくカウンセリングが提供されていることは評価でき

る。

C. 現状への対応

・一部の学生についての進歩のモニタリングに基づく継続的カウンセリングが行われて

いる。

・医学教育ユニットの指導の下、同僚によるカウンセリングを行う事例もある。

D. 改善に向けた計画

・同僚によるカウンセリング、上級生によるカウンセリングも提供できるシステムを計

画している。

資料

・継続的カウンセリングの例(留年者)

・6年生の同僚によるカウンセリングの例

学習上のカウンセリングを提供すべきである。

キャリアガイダンスとプランニングを含んだカウンセリングが提供されている。

(Q 4.3.2)

A. 質的向上のための水準に関する情報

・キャリアガイダンスとプランニングを含んだカウンセリングについては、各診療科の

学生担当教員および臨床研修センターにて行っている。

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・臨床研修センターでは学生全体に対するキャリアガイダンスとプランニングを含んだ

説明を行い、希望者には個別カウンセリングを行っている。

・海外での就職、女性医師の就職についてもセミナーを行っている。

B. 質的向上のための水準に関する現状分析と自己評価

・キャリアガイダンスとプランニングを含んだカウンセリングについては診療科教員お

よび臨床研修センターが個別対応も含めて提供されている点は評価できる。

C. 現状への対応

・卒前から卒後にわたるキャリアガイダンスとプランニングを含んだカウンセリングに

ついては、医学教育ユニット教員を中心として行われている。

・臨床研修センターでは、学生に対して定期的にキャリアガイダンスとプランニングを

行っている。

・上記のキャリアガイダンス、プランニング、カウンセリングについては中立的な立場

で行っている。

D. 改善に向けた計画

・今後の多様な医療情勢に応じたキャリアガイダンスとプランニングを含んだカウンセ

リングが提供できるよう、外部カウンセラーについても検討している。

資料

・マッチング説明資料

・イブニングセミナー資料(男女共学、オクラホマ大学生)

4.4 学生の教育への参画

基本的水準:

医科大学・医学部は

カリキュラムの設計、運営、評価や、学生に関連するその他の事項への学生の教

育への関与と適切な参画を保証するための方針を策定して履行しなければなら

ない。(B 4.4.1)

質的向上のための水準:

医科大学・医学部は

学生の活動と学生組織を奨励するべきである。(Q 4.4.1)

注 釈:

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[学生の教育への参画の関与]には、学生自治、カリキュラム委員会や関連教育委

員会への参加および社会的活動や地域での医療活動への参加が含まれる。(B

2.7.2を参照)

[学生の活動の奨励]には、学生組織への技術的および経済的支援の提供を検討す

ることも含まれる。

カリキュラムの設計、運営、評価や、学生に関連するその他の事項への学生の教育への

関与と適切な参画を保証するための方針を策定して履行しなければならない。(B 4.4.1)

A. 基本的水準に関する情報

・カリキュラムに関する学生の意見は、授業アンケート、授業評価、個別ヒアリングに

より収集され、学生の教育への参画が保障されている。

・学年委員がカリキュラムに関するヒアリングに参加し、教育への関与・参画を行って

いる。

・オクラホマ大学等へ臨床実習留学、研究留学をおこなった学生が、大学・教員・学生

に対して提言を行う FDを毎年行っている。

B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価

・カリキュラムの設計、運営、評価や、学生に関連するその他の事項への学生の教育へ

の関与と適切な参画を保証するための方針を策定して履行している点は評価できる。

・教育委員会、カリキュラム検討ワーキングのメンバーとして、学生が参画すべきであ

る。

C. 現状への対応

・学生がカリキュラムの設計、運営、評価や、学生に関連するその他の事項へより参画

できるよう検討中である。

D. 改善に向けた計画

・学生が教育委員会へどのように関与するかについての方法・体制を検討している。

資料

・オクラホマ大学学生による FD

・教育委員会規程

学生の活動と学生組織を奨励するべきである。(Q 4.4.1)

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A. 質的向上のための水準に関する情報

・学生活動および学生組織に対して、著明な活動成果をあげたものについては、教授会

で表彰を行い広く学内に広報している。

・学生のクラブ活動については規程により奨励している。

・学生のクラブ活動には必ず教員が部長や顧問として関与し、支援している。

B. 質的向上のための水準に関する現状分析と自己評価

・学生の活動と学生組織を奨励している点は評価できる。

C. 現状への対応

・学生のクラブ活動に関して、クラブハウスの充実化を行っている。

・学生顕彰として橘賞が規程されており、教育委員会及び教授会の議論を経て決定され

る。

D. 改善に向けた計画

・本学の敷地および施設範囲は決して広いものではないが、三大学教養教育共同化など

を利用して、学生にたいするより一層の福利厚生施設の充実化を議論している。

資料

・学生顕彰(橘賞)

・クラブ活動規則

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5. 教員

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101

5. 教員

5.1 募集と選抜方針

基本的水準:

医科大学・医学部は

教員の募集と選抜方針を策定して履行しなければならない。

医学と医学以外の教員間のバランス、常勤および非常勤の教員間のバラン

ス、教員と一般職員間のバランスを含め、適切にカリキュラムを実施するた

めに求められる基礎医学、行動科学、社会医学、臨床医学の教員のタイプ、

責任、バランスを概説しなければならない。(B 5.1.1)

教育、研究、診療の資格間のバランスを含め、学術的、教育的、および臨床

的な業績の判定水準を明示しなければならない。(B 5.1.2)

基礎医学、行動科学、社会医学、臨床医学の教員の責任を明示してモニタリ

ングしなければならない。(B 5.1.3)

質的向上のための水準:

医科大学・医学部は

教員の募集および選抜の方針には、以下の水準を考慮すべきである。

その地域に固有の重大な問題を含め、使命との関連性(Q 5.1.1)

経済的配慮(Q 5.1.2)

注 釈:

[教員の募集と選抜方針]には、カリキュラムと関連した学科または科目におい

て、高い能力を備えた基礎医学者、行動科学者、社会医学者、臨床医を十分な人

数で確保し、高い能力を備えた研究者をも十分な人数で配備できる考慮が含まれ

る。

[教員のバランス]には、大学や病院の基礎医学、行動科学、社会医学、臨床医学

において連帯責任を伴う教員と、大学と病院の二重の任命を受けた教員が含まれ

る。

[医学と医学以外の教員間のバランス]とは、医学以外の学識のある教員の資格に

ついて十分に医学的な方面から検討することを意味する。

[業績]は、専門資格、専門の経験、研究発表、教育業績、同僚評価により測定す

る。

[診療の職務]には、医療提供システムにおける臨床的使命のほか、統轄や運営へ

の参画が含まれる。

[その地域に固有の重大な問題]には、学校やカリキュラムに関連した性別、民族

性、宗教、言語、およびその他の項目が含まれる。

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[経済的配慮]とは、教員採用に対する大学の経済的状況や経済的資源の効率的利

用を考慮することを含む。

教員の募集と選抜方針を策定して履行しなければならない。

医学と医学以外の教員間のバランス、常勤および非常勤の教員間のバランス、教員

と一般職員間のバランスを含め、適切にカリキュラムを実施するために求められる

基礎医学、行動科学、社会医学、臨床医学の教員のタイプ、責任、バランスを概説

しなければならない。(B 5.1.1)

A. 基本的水準に関する情報

・教員の募集と選抜方法については、本学の医学教育カリキュラムが十分に遂行できる

よう、医学と医学以外の教員間のバランス、常勤および非常勤の教員間のバランス、教

員と一般職員間のバランスを含め、基礎医学、社会医学、臨床医学の教員のタイプ、責

任、バランスを考慮して行われている。

B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価

・医学と医学以外の教員間のバランス、常勤および非常勤の教員間のバランス、教員と

一般職員間のバランスを含め、適切にカリキュラムを実施するために求められる基礎医

学、行動科学、社会医学、臨床医学の教員のタイプ、責任、バランスを概説して、教員

の募集と選抜を行っている点は評価できる。

C. 現状への対応

・医学・医療の新たな動向に対応し、医療統計学、情報リテラシー、医療倫理学など新

たな科目の設立に対応して、教室新設あるいは教員募集を行っている。

・医学・医療の新たな動向に対応し、在宅チーム医療学などの教育に関する寄附講座も

設立している。

D. 改善に向けた計画

・今後の社会・医学・医療の新たな動向に対応し、教員のバランスを考慮して、教員の

募集と選抜方針を策定して、教員の募集と選抜を行う予定である。

・新たな分野の教員については、学長および執行部のリーダーシップのもと、より機動

的に募集・選抜される予定である。

資料

・教員数資料

・医学科授業要項(シラバス)

・医療倫理学、医療統計学 教授公募資料

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教員の募集と選抜方針を策定して履行しなければならない。

教育、研究、診療の資格間のバランスを含め、学術的、教育的、および臨床的な業

績の判定水準を明示しなければならない。(B 5.1.2)

A. 基本的水準に関する情報

・教員採用においては、規程に従い募集と選抜方針、業績の判定基準を策定して履行し

ている。教授採用においては学長のもと選考委員会が組織され、教授会での議論を経て、

教育、研究、診療の資格間のバランスおよび業績の判定水準が決定され明示される。

・採用された教員については、教員業績評価にて昇進も含めて、教育、研究、診療の資

格間のバランス、学術的、教育的、および臨床的な業績の判定水準について、募集と選

抜方針を策定し、これを明示して履行している。

B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価

・教育、研究、診療の資格間のバランスを含め、学術的、教育的、および臨床的な業績

の判定水準を明示して、教員の募集と選抜方針を策定して履行している点は評価できる。

C. 現状への対応

・教室新設あるいは新規教員募集、昇進においては、教育、研究、診療の資格間のバラ

ンスを決定し、これに応じて業績の判定水準を決定している。

・個々の教員の採用については学術的、教育的、および臨床的な業績の判定水準を明示

している。

D. 改善に向けた計画

・今後の医療・医学の変化に応じて、教員の採用については学術的、教育的、および臨

床的な業績の判定水準を適用してゆくよう制度設計を行っている。

・新たな分野の教員については、学長および執行部のリーダーシップのもと、より機動

的に募集・選抜される予定である。

資料

・教員採用資料

・教員業績評価関連書類

教員の募集と選抜方針を策定して履行しなければならない。

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基礎医学、行動科学、社会医学、臨床医学の教員の責任を明示してモニタリングし

なければならない。(B 5.1.3)

A. 基本的水準に関する情報

・教員採用においては、規程に従い教員の責任を明示して募集と選抜方針、業績の判定

基準を策定して履行している。教授採用においては学長のもと選考委員会が組織され、

教授会での議論を経て、教員の責任範囲が決定され明示される。

・採用された教員については、その責任と業績が教員業績評価にてモニタリングされる。

B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価

・基礎医学、行動科学、社会医学、臨床医学の教員の責任を明示してモニタリングし、

教員の募集と選抜方針を策定して履行している点は評価できる。

C. 現状への対応

・教員評価については、教育、研究、臨床、管理のそれぞれの領域について評価・モニ

タリングを行っている。

D. 改善に向けた計画

・今後の医療・医学の変化に応じて、教員の採用については学術的、教育的、および臨

床的な業績の判定水準を適応してゆくよう制度設計を行っている。

・今後、基礎医学、行動科学、社会医学、臨床医学の境界領域の分野についてもニーズ

が出現すると考えられ、対応する必要がある。

・新たな分野の教員については、学長および執行部のリーダーシップのもと、より機動

的に募集・選抜される予定である。

資料

・教員選考規定

・教授募集要項(臨床、基礎、教養)

・教員評価資料

教員の募集および選抜の方針には、以下の水準を考慮すべきである。

その地域に固有の重大な問題を含め、使命との関連性(Q 5.1.1)

A. 質的向上のための水準に関する情報

・本学の附属病院化された北部医療センター、および寄附講座である在宅チーム医療推

進学講座などで、教員の募集選抜の方針において、本学の理念である世界トップレベル

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105

の医学を地域の医療へ還元することを目的に、医療および医学教育に資する人材の水準

が考慮されている。

B. 質的向上のための水準に関する現状分析と自己評価

・本学の使命である、地域医療の実践・教育のための教員募集および選抜方針が考慮さ

れている点は評価できる。

C. 現状への対応

・地域医療へのミッションと関連し、平成25年度より大学附属病院北部医療センター

が開設され、地域医療教育の拠点として機能している。

・寄附講座として在宅チーム医療講座が平成26年度より開設され、家庭医療、在宅医

療教育、チーム医療教育に携わる教員を採用している。

D. 改善に向けた計画

・今後も本学の理念に応じて、教員の募集および選抜の方針を決定してゆく予定である。

・新たな分野の教員については、学長および執行部のリーダーシップのもと、より機動

的に募集・選抜される予定である。

資料

・北部医療センター教員資料

・在宅チーム医療推進学講座資料

教員の募集および選抜の方針には、以下の水準を考慮すべきである。

経済的配慮(Q 5.1.2)

A. 質的向上のための水準に関する情報

・教員の募集及び選抜にあたっては、教員の給与等経済的項目について規程に従って明

示されている。

B. 質的向上のための水準に関する現状分析と自己評価

・教員の募集及び選抜の方針について、経済的項目およびその水準については規程に従

って考慮されている点は評価できる。

C. 現状への対応

・経済的配慮については、へき地手当等の各種手当も考慮されている。

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106

・教員の昇進にあたっても、教員業績評価による経済的配慮についても水準を明示して

いる。

D. 改善に向けた計画

・教員の募集および選抜においては、経済的配慮についてもよりわかりやすい形で考慮

するよう計画している。

資料

・給与体系

・教員業績評価による経済的配慮資料

5.2 教員の活動と能力開発に関する方針

基本的水準:

医科大学・医学部は

教員の活動と教育に関する方針を策定して履行しなければならない。

教育、研究、臨床の職務間のバランスを考慮に入れなければならない。(B

5.2.1)

教育、研究、診療を中心とした活動実績を認知しなければならない。(B 5.2.2)

臨床と研究の活動が教育と学習に確実に活用されなければならない。(B

5.2.3)

個々の教員はカリキュラム全体を十分に理解しなければならない。(B 5.2.4)

教員の研修、教育、支援、評価を含む。(B 5.2.5)

質的向上のための水準:

医科大学・医学部は

カリキュラムの構成に関連して教員と学生の比率を考慮すべきである。(Q

5.2.1)

教員の昇進の方針を策定して履行する。(Q 5.2.2)

注 釈:

[教育、研究、臨床の職務間のバランス]には、各職務に専念する期間の提供が含

まれており、医科大学・医学部の要請と教員の専門性を考慮するものである。

[学問上の活動の功績の認定]は、昇進や報酬を通して行われる。

[全体的なカリキュラムの十分な知識を確保する]には、協力と統合を促進する目

的で、他学科および他科目の領域の教育/学習方法や全体的なカリキュラム内容

についての知識を含める。

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107

[教員の研修、支援、教育]は、全教員が対象とされ、新規採用教員だけではなく、

病院やクリニックに勤務する教員も含まれる。

教員の活動と教育に関する方針を策定して履行しなければならない。

教育、研究、臨床の職務間のバランスを考慮に入れなければならない。(B 5.2.1)

A. 基本的水準に関する情報

・各職務に専念する期間の提供が含まれており、医科大学の理念と教員の専門性を考慮

する教育、研究、臨床の職務間のバランスを考慮に入れ、教員の活動と教育に関する方

針を策定して履行している。

・教員評価において、教育、研究、臨床の職務間のバランスおよびそれぞれの領域の評

価を行っている。

B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価

・各職務に専念する期間の提供が含まれており、医科大学の要請と教員の専門性を考慮

する教育、研究、臨床の職務間のバランスを考慮に入れ、教員の活動と教育に関する方

針を策定して履行している点は評価できる。

C. 現状への対応

・教育、研究、臨床の職務間のバランスを考慮・評価して、半年ごとに大学教員の業務

の多様化に対応できる体制を整えている。

・教員評価にあたっては、教育、研究、臨床、管理の領域で検討される。

D. 改善に向けた計画

・今後も、更なる教員業務の多様化に対応できるように、教育、研究、臨床のバランス

を考慮し反映できるよう計画する予定である。

資料

・教員評価資料

教員の活動と教育に関する方針を策定して履行しなければならない。

教育、研究、診療を中心とした活動実績を認知しなければならない。(B 5.2.2)

A. 基本的水準に関する情報

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108

・教員の活動実績については、各職務に専念する期間およびエフォートが含まれており、

医科大学の要請と教員の専門性を考慮する教育、研究、臨床の職務間のバランスを考慮

に入れている。

・教員活動実績について、上記を考慮して教員評価を行っている。

B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価

・教育、研究、診療を中心とした活動実績を認知し、教員の活動と教育に関する方針を

策定して履行・評価している点は評価できる。

C. 現状への対応

・教育、研究、臨床の職務間のバランスを考慮・評価して、半年ごとに大学教員の業務

の多様化に対応できる体制を整えている。

・教員評価にあたっては、教育、研究、臨床、管理の領域で検討される。

・教員評価については昇給など経済的な配慮にも関連している。

D. 改善に向けた計画

・今後も、更なる教員業務の多様化に対応できるように、教育、研究、臨床のバランス

を考慮し反映できるよう計画する予定である。

・教員評価の教育、研究、臨床のバランスについて、個別の割合についての妥当性を評

価する方法を検討している。

資料

・教員評価資料

・教員評価のインセンティブ資料

教員の活動と教育に関する方針を策定して履行しなければならない。

臨床と研究の活動が教育と学習に確実に活用されなければならない。(B 5.2.3)

A. 基本的水準に関する情報

・各教員は自身の分野・領域の臨床・研究のトップランナーであり、自身の分野・領域

の最先端の内容について、教養課程も含め教育に反映させている。

・特に最先端の新領域および先端医学に関する授業については、総合講義の授業を行な

っている。

B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価

・臨床と研究の活動が教育と学習に確実に活用されている点は評価できる。

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109

C. 現状への対応

・研究配属においては、各研究室の教員が OJTで最先端の研究・基礎医学的内容につい

て教育を行っている。

・臨床実習においては、各教室の教員が OJTで最先端の臨床的内容について教育を行っ

ている。

・学外活動においても、教員の専門領域の活動が教育に活用されている。

D. 改善に向けた計画

・臨床と研究の活動が教育と学習に確実に活用されているかについて、教員業績評価を

分析することを検討している。

・今後の医学・医療の変化に応じた対応を検討している。

資料

・医学科授業要項(シラバス)

・臨床実習実施要領

教員の活動と教育に関する方針を策定して履行しなければならない。

個々の教員はカリキュラム全体を十分に理解しなければならない。(B 5.2.4)

A. 基本的水準に関する情報

・個々の教員がカリキュラム全体を十分に理解できるよう教員対象の FD、セミナーの

学習機会を作成している。

・教授会、教養教授会、基礎医学社会医学教授懇談会、臨床部長会等においてカリキュ

ラム全体を十分に理解できるよう、情報共有を行う機会を設定している。

B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価

・個々の教員はカリキュラム全体を十分に理解している点は評価できる。

C. 現状への対応

・カリキュラム全体の理解を十分にするために医学教育 FD、学長セミナー等を開催し

ている。

・准教授、講師、助教等教員が集合する准講会にて、臨床教育カリキュラムについての

討論の機会を設けている。

D. 改善に向けた計画

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110

・今後もカリキュラムの変更に対応して、その詳細について FD,説明会を開催する予定

である。

・カリキュラム全体の理解度を評価する方法を検討している。

資料

・FD、学長セミナー資料

・准講会資料

教員の活動と教育に関する方針を策定して履行しなければならない。

教員の研修、教育、支援、評価を含む。(B 5.2.5)

A. 基本的水準に関する情報

・教員の研修、教育、支援については FD、教授会、准講会などあらゆる機会を通じて

行っている。

・教員の評価については、教員業績評価を行っている。

・教員の教育支援については、教育委員会、図書館、臨床研修センター、平成23年に

開設された医学教育ユニットである総合医療・医学教育学などで、医学教育に関する情

報共有ができる体制を整えている。

・臨床研修センターでは卒後のみならず卒前教育についてもセッションを設けている。

B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価

・教員の研修、教育、支援、評価について方針を策定している点は評価できる。

C. 現状への対応

・臨床研修指導医は卒前教育指導医も兼ねているため、臨床研修指導医講習会において、

卒前医学教育カリキュラムおよび卒前教育手法について学習できる場としても活用し

ている。

D. 改善に向けた計画

・教員の研修、教育、支援については今後、IRセンターでも情報提供を行う予定であ

る。

資料

・FD、教授会、准講会資料

・授業評価資料

・教員評価資料

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・卒後臨床研修指導医講習会資料

カリキュラムの構成に関連して教員と学生の比率を考慮すべきである。(Q 5.2.1)

A. 質的向上のための水準に関する情報

・カリキュラムの構成に関連して教員と学生の比率については、カリキュラムの運用に

おいて適性な数字となっている。

B. 質的向上のための水準に関する現状分析と自己評価

・カリキュラムの構成に関連して教員と学生の比率については評価できる。

C. 現状への対応

・学生一人当たりの教員数は現状で決まっているので、効率の良い教育、かかわりとし

て対応している。

D. 改善に向けた計画

・今後の更なる教育の充実化のためには、教員数を増員することも議論している。

資料

・大学概要

教員の昇進の方針を策定して履行する。(Q 5.2.2)

A. 質的向上のための水準に関する情報

・教員については、教員業績評価にて昇進も含めて、募集と選抜方針を策定して履行し

ている。

B. 質的向上のための水準に関する現状分析と自己評価

・教員の昇進の方針を策定して履行している点は評価できる。

C. 現状への対応

・教員昇進の方針としては、学内教授、特任教授などの規程も実行されている。

D. 改善に向けた計画

・今後の医学・医療情勢によりフレキシブルな対応を検討している。

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資料

・教員評価資料

・学内教授、病院教授、特任教員についての規程

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6. 教育資源

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6. 教育資源

6.1 施設・設備

基本的水準:

医科大学・医学部は

教職員と学生のために十分な施設・設備を整えて、カリキュラムが適切に実施さ

れることを保証しなければならない。(B 6.1.1)

教職員、学生、患者とその介護者にとって安全な学習環境を確保しなければなら

ない。(B 6.1.2)

質的向上のための水準:

医科大学・医学部は

教育実践の発展に合わせて施設・設備を定期的に更新、修繕または拡張すること

で、学習環境を改善すべきである。(Q 6.1.1)

注 釈:

[施設・設備]には、講堂、教室、グループ学習およびチュートリアル室、教育お

よび研究用実習室、臨床技能訓練室、事務室、図書室、IT施設のほか、十分な

学習スペース、ラウンジ、交通機関、ケータリング、学生住宅、臨時宿泊所、個

人用ロッカー、スポーツ施設、レクリエーション施設などの学生用施設が含まれ

る。

[安全な学習環境]には、必要な情報の提供と有害物質、試料、有機物質からの保

護、検査室の安全規則と安全設備が含まれる。

教職員と学生のために十分な施設・設備を整えて、カリキュラムが適切に実施されるこ

とを保証しなければならない。(B 6.1.1)

A. 基本的水準に関する情報

・学生用施設としてのキャンパスは、平成26年より新設された下鴨キャンパス及び従

来からの河原町キャンパスがある。

・学内の学生用施設については、講堂、教室、グループ学習およびチュートリアル室、

教育および研究用実習室、臨床技能訓練室、事務室、図書室、IT施設のほか、個人用

ロッカーが整備されている。

・教員用教育施設として、研究室、居室、会議室、ラウンジなどが整備されている。

B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価

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115

・教職員と学生のために必要な施設・設備を整えて、カリキュラムが適切に実施される

点は評価できる。

C. 現状への対応

・現在病院施設に関して増改築計画を実施中であり、今後学生用施設・教職員用施設が

充実化される予定である。

D. 改善に向けた計画

・十分な学習スペース、ラウンジ、レクリエーション施設などの学生用施設については、

今後検討が必要である。

資料

・学生スペースについての資料

・教養キャンパス資料

・スキルスラボ資料

教職員、学生、患者とその介護者にとって安全な学習環境を確保しなければならない。

(B 6.1.2)

A. 基本的水準に関する情報

・実習等に用いるホルムアルデヒド等有害物質、試料、有機物質からの保護、検査室の

安全規則と安全設備、安全にかかわる必要な情報の提供については、適切なガイドライ

ンのもとで管理している。

・臨床実習における感染対策、医療安全に関しては、ガイドラインを作成しており、学

生、教員、学外指導医が安全な学習環境とリスクマネジメントが実行できるように管理

している。

・患者とその介護者にとって安全な環境を確保するため、指導医から学生実習について

説明を十分に行うと共に、インフォームドコンセントを取得している。学生には名札の

着用を義務づけている。

・スキルスラボで学生が安全に学習できるよう体制を整えている。

・学生の医行為の基準に関してガイドラインを作成し実行している。

B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価

・教職員、学生、患者とその介護者にとって安全な学習環境が確保されていることは評

価できる。

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C. 現状への対応

・現在の学生の医行為の水準について、平成27年の全国医学部長病院長会議からの答

申に則して改訂予定である。

D. 改善に向けた計画

・患者とその介護者にわかり易いように、スチューデント・ドクター制度を導入予定で

ある。

資料

・実習における有害物質取扱い

・臨床実習における感染対策、医療安全の記載、臨床実習実施要領

・スキルスラボ資料

・スチューデント・ドクター資料

・全国病院長会議資料「診療参加型臨床実習のための医学生の医行為水準策定」

教育実践の発展に合わせて施設・設備を定期的に更新、修繕または拡張することで、学

習環境を改善すべきである。(Q 6.1.1)

A. 質的向上のための水準に関する情報

・現在の大学及び附属病院の拡張計画を実施しており、学習環境を改善として教育実践

の発展に合わせて施設・設備を整備している。

B. 質的向上のための水準に関する現状分析と自己評価

・教育実践の発展に合わせて施設・設備を更新、修繕することで、学習環境を改善して

いる点は評価できる。一方で教育施設・設備の拡張については未だに十分とは言えない。

C. 現状への対応

・病院の改築を進めており、教育スペースについても議論されている。

・推薦枠学生の増員による、教育スペースの相対的減少への対応が議論されている。

D. 改善に向けた計画

・教育スペースを十分に確保するよう要望を行っている。

資料

・建築計画資料

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6.2 臨床トレーニングの資源

基本的水準:

医科大学・医学部は

学生に十分な臨床的経験を与えるため、以下について必要な資源を確保しなけれ

ばならない。

患者の数とカテゴリー(B 6.2.1)

臨床トレーニング施設(B 6.2.2)

学生の臨床実習の監督(B 6.2.3)

質的向上のための水準:

医科大学・医学部は

学習者の要請を満たすため、臨床トレーニング用施設を評価、整備、改善すべき

である。(Q 6.2.1)

注 釈:

[臨床トレーニング施設]には、臨床技能研修室に加えて病院(第一次、第二次、

第三次医療が適切に経験できる)、外来(プライマリケアを含む)、クリニック、

初期診療施設、健康管理センター、およびその他の地域保健に関わる施設などが

含まれ、これらの施設での実習と全ての主要な診療科のローテーション実習とを

組合せることで系統的な臨床トレーニングが可能になる。

[臨床トレーニング施設の評価]には、診療現場、設備、患者の人数および疾患の

種類のほか、保健業務、監督、管理などの点からみた臨床実習プログラムの適切

性ならびに質が含まれる。

日本版注釈:

[患者のカテゴリー]は経験すべき疾患・症候・病態(医学教育モデル・コア・カ

リキュラム-教育内容ガイドライン-、平成 22年度改訂版に収載されている)に

ついての性差、年齢分布、急性・慢性、臓器別頻度等が相当する。

学生に十分な臨床的経験を与えるため、以下について必要な資源を確保しなければなら

ない。

患者の数とカテゴリー(B 6.2.1)

A. 基本的水準に関する情報

・臨床実習はすべての診療科をローテートする部分と、選択科をローテートする部分か

ら構成されており、両実習において診療参加型となっている。

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118

・臨床実習において、医学教育モデル・コア・カリキュラムによる教育内容ガイドライ

ンに沿って、経験すべき疾患・症候・病態についての性差、年齢分布、急性・慢性、臓

器別頻度等について、各学生が経験できるよう配慮されている。

B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価

・学生に十分な臨床的経験を与えるため、患者の数とカテゴリーについて必要な資源を

確保していることは評価できる。

C. 現状への対応

・一部の診療科で臨床実習における患者の数とカテゴリーに関しては、IRセンターに

て学生カルテ調査を行っている。

D. 改善に向けた計画

・臨床実習実態調査を実施する予定である。

・学生の経験する患者の数とカテゴリーについては、より詳細な調査を予定している。

資料

・臨床実習実施要領

・学生カルテ実例

・救急症例実例

・学生カルテ調査

・総合診療部ポートフォリオ

学生に十分な臨床的経験を与えるため、以下について必要な資源を確保しなければなら

ない。

臨床トレーニング施設(B 6.2.2)

A. 基本的水準に関する情報

・本学のスキルスラボにて、基本的手技に関するシミュレータ及びシミュレーション環

境が整備され、学生が必要な時に使用できるよう運営されている。

・スキルスラボに加えて、麻酔科、産婦人科、中央検査部等で、各診療科に特徴のある

シミュレータが整備されている。

・臨床技能研修室に加えて病院(第一次、第二次、第三次医療が適切に経験できる)、

外来(プライマリケアを含む)、クリニック、初期診療施設、およびその他の地域保健

に関わる施設などが含まれ、これらの施設での実習と全ての主要な診療科のローテーシ

ョン実習が行われている。

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B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価

・学生に十分な臨床的経験を与えるため、臨床トレーニング施設について必要な資源を

確保していることは評価できる。

C. 現状への対応

・医師会のトレーニングセンターなど学外の施設を共同利用させていただいている。

D. 改善に向けた計画

・スキルスラボの設備は十分とは言えないので、今後充実化を予定している。

資料

・スキルスラボ関連資料

・医師会トレーニングセンター資料

学生に十分な臨床的経験を与えるため、以下について必要な資源を確保しなければなら

ない。

学生の臨床実習の監督(B 6.2.3)

A. 基本的水準に関する情報

・臨床実習については、各診療科に臨床実習責任者及び教育担当者を配置している。

・附属病院研修医も学生教育に参画することを業務として明示しており、指導方法を教

授するFDを行っている。

・大学教員の臨床指導医は臨床研修指導医と重複しており十分な量を確保している。ま

た、臨床研修指導医講習会に定期的に各診療科から参加しており、この場で卒前臨床研

修のトピックについてもFDを行っている。

・地域医療実習及び在宅実習においては、大学からの教員が監督をするとともに、各病

院及び関連施設の医師、医療スタッフが指導者、監督者となっている。

B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価

・学生に十分な臨床的経験を与えるため、学生の臨床実習の監督について必要な資源が

確保されている点は評価できる。

C. 現状への対応

・学外実習担当者については、主として本学附属病院の臨床研修協力病院となっており、

指導医及び研修医(本学からのたすきがけ研修医)が臨床実習に携わっている。学外の

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教育病院の指導についても、臨床研修指導医講習会に定期的に参加しており、この場で

卒前臨床研修のトピックについてもFDを行っている。

D. 改善に向けた計画

・指導医の教育能力の向上を目指して、学外指導医を含めたFD、講習会を計画してい

る。

資料

・卒後研修管理委員会資料

・臨床研修指導医講習会資料、医師会指導医講習会資料

・在宅チーム医療推進学指導体制

学習者の要請を満たすため、臨床トレーニング用施設を評価、整備、改善すべきである。

(Q 6.2.1)

A. 質的向上のための水準に関する情報

臨床トレーニング施設の評価については、診療現場、設備、患者の人数および疾患の

種類、管理などの点からみた臨床実習プログラムの適切性ならびに質を考慮して行われ

ている。

B. 質的向上のための水準に関する現状分析と自己評価

・臨床トレーニング用施設を評価、整備、改善については今後検討する必要がある。

C. 現状への対応

・学外の臨床トレーニング施設については、ヒアリングおよび学生アンケートを行って

いる。

・学外実習施設は同時に卒後臨床研修施設でもあり、たすき掛け研修医から教育状況の

ヒアリング、アンケートも行っている。

D. 改善に向けた計画

・学外実習を行った学生のアンケートを行い、教育の質も含めた臨床トレーニング施設

の評価を実施予定である。

資料

・スキルスラボ使用アンケート

・学外実習に関するアンケート

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121

・研修医による研修施設調査

6.3 情報通信技術

基本的水準:

医科大学・医学部は

教育プログラムで適切な情報通信技術の有効利用と評価に取組む方針を策定し

履行しなければならない。(B 6.3.1)

質的向上のための水準:

医科大学・医学部は

教員や学生が以下の目的で新しい情報通信技術を活用できるようにすべきであ

る。

自己学習(Q 6.3.1)

情報へのアクセス(Q 6.3.2)

症例に関する情報(Q 6.3.3)

医療提供システム(Q 6.3.4)

担当患者のデータと医療提供システムへの学生アクセスを最適化すべきである。

(Q 6.3.5)

注 釈:

[情報通信技術の有効利用に関する方針]には、コンピュータ、内外のネットワー

ク、およびその他の手段の利用の検討も含まれる。これには、図書館の蔵書や機

関の ITサービスへのアクセスも含まれる。また、この方針には、学習管理シス

テムを介するすべての教育アイテムへの共通アクセスも含まれる。情報通信技術

は、専門職生涯学習(continuing professional development:CPD)/生涯医学

教育(continuing medical education:CME)を通して、EBM(科学的根拠に基づ

く医学)と生涯学習の準備を学生にさせるのに役立つ。

日本版注釈:

[医療提供システム]とは、地域包括ケアシステムなど地域での疾病管理、健康管

理を意味する。

教育プログラムで適切な情報通信技術の有効利用と評価に取組む方針を策定し履行し

なければならない。(B 6.3.1)

A. 基本的水準に関する情報

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122

・情報通信技術の有効利用については、情報統合センター及び図書館情報にて行われて

いる。

・コンピュータ、内外のネットワーク、図書館の蔵書や機関の ITサービスへのアクセ

スも含め、利用できる環境にある。学習管理システムを介するすべての教育アイテムへ

の共通アクセスも含まれる。情報通信技術は、専門職生涯学習、生涯医学教育を通して、

EBMと生涯学習の準備ができるよう構築されている。

B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価

・教育プログラムで適切な情報通信技術の有効利用と評価に取組む方針を策定し履行し

ている点は評価できる。

C. 現状への対応

・学生の情報通信技術の使用に関するリテラシーを涵養するプログラムが作成されてい

る。

・電子文献、二次資料の価格の高騰に伴いその採用の見直しを行っているが、学生教育

の視点からも評価が行われている。

D. 改善に向けた計画

・学生の情報通信技術の使用に関しては不十分な例も見られるため、その使用に関する

リテラシーをより一層涵養するプログラムが計画されている。

・電子文献、二次資料の採用にあたっては、大学間での共用化なども検討されている。

資料

・情報統合センター、図書館資料

・電子図書館関連資料

・procedure consultによる e-learning資料

教員や学生が以下の目的で新しい情報通信技術を活用できるようにすべきである。

自己学習(Q 6.3.1)

A. 質的向上のための水準に関する情報

・図書館情報には UpToDate, Dynamed, Procedure Consultなどの自己学習コンテンツ

が含まれており、外部からの接続も可能であり、学生が時間・場所に関わらず学習でき

る体制が整っている。

B. 質的向上のための水準に関する現状分析と自己評価

Page 123: 医学教育分野別評価基準日本版 V1.30 に基づく 京都府立医科 …1 医学教育分野別評価基準日本版v1.30 に基づく 京都府立医科大学医学部医学科自己点検評価

123

・教員や学生が自己学習の目的で新しい情報通信技術を活用できるよう整備されている

点は評価できる。

C. 現状への対応

・学生の情報通信技術の使用に関するリテラシーを涵養するプログラムが作成されてい

る。

・電子文献、二次資料の価格の高騰に伴いその採用の見直しを行っているが、学生教育

の視点からも評価が行われている。

・電子文献の高騰に伴い、一次文献の見直しを行っている。

「学認」システムへの参加によって、同じ「学認」加盟の他大学においても本学図書

館のデータベース閲覧が可能になっている 。

D. 改善に向けた計画

・e-learningシステムの導入を検討している。

・学生の情報通信技術の使用に関しては不十分な例も見られるため、その使用に関する

リテラシーをより一層涵養するプログラムが計画されている。

・電子文献、二次資料の採用にあたっては、大学間での共用化も検討されている。

資料

・図書館からアクセスできる情報源一覧

・電子図書関連資料

教員や学生が以下の目的で新しい情報通信技術を活用できるようにすべきである。

情報へのアクセス(Q 6.3.2)

A. 質的向上のための水準に関する情報

・病院内無線 LAN(KPUM-air)が整備されており、すべての学生・教員が学内・学外で

アクセスできる。

・学外からのアクセスについても可能となっている。

B. 質的向上のための水準に関する現状分析と自己評価

・教員や学生が情報へのアクセス目的で新しい情報通信技術を活用できる点は評価でき

る。

C. 現状への対応

Page 124: 医学教育分野別評価基準日本版 V1.30 に基づく 京都府立医科 …1 医学教育分野別評価基準日本版v1.30 に基づく 京都府立医科大学医学部医学科自己点検評価

124

・一部学内LANへの接続環境が悪い箇所が存在しており、無線 LAN スポットを増設、

改善した。

・学内 LANは病院情報の電子カルテとは独立したものとなっている。

D. 改善に向けた計画

・いまだに一部学内LANへの接続環境が悪いか所が存在しており、設備面で改善中で

ある。

資料

・学内無線LAN

・学外からのアクセス

教員や学生が以下の目的で新しい情報通信技術を活用できるようにすべきである。

症例に関する情報(Q 6.3.3)

A. 質的向上のための水準に関する情報

・本学の患者情報はすべて電子カルテ化されており、学生カルテも電子カルテの一部と

して保存されている。

・学生は教員の許可のもと電子カルテにアクセスされることを許されており、学習目的

で症例に関する情報を得ることができる。

B. 質的向上のための水準に関する現状分析と自己評価

・教員や学生が症例に関する情報を得るために情報通信技術(電子カルテ)を活用でき

ている点は評価できる。

C. 現状への対応

・電子カルテ端末は病棟・外来・カンファレンス室(医局)に配置されており、学習に

必要な環境で、リアルタイムに使用できるよう整備されている。

D. 改善に向けた計画

・電子カルテの教育への使用について、患者のプライバシーに配慮した学内指針を整備

する予定である。

資料

・電子カルテ関連資料

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125

教員や学生が以下の目的で新しい情報通信技術を活用できるようにすべきである。

医療提供システム(Q 6.3.4)

A. 質的向上のための水準に関する情報

・教員や学生が地域包括ケアシステムなど地域での疾病管理、健康管理に関して情報通

信技術を活用できる。

・河原町キャンパスの附属病院と北部医療センターとの間で、カルテ情報を相互に確認

することができるよう整備されており、教育に使用されている。

B. 質的向上のための水準に関する現状分析と自己評価

・教員や学生が医療提供システムの目的で新しい情報通信技術を活用できる点は評価で

きる。

C. 現状への対応

・学外実習においても学生・指導医は図書館情報システムにアクセスできるよう、整備

されている。

D. 改善に向けた計画

・今後の学外実習の充実化に応じて、学外での情報通信環境をより整えるよう計画して

いる。

資料

・図書館情報システム

担当患者のデータと医療提供システムへの学生アクセスを最適化すべきである。

(Q 6.3.5)

A. 質的向上のための水準に関する情報

・本学の患者情報はすべて電子カルテ化されており、学生カルテも電子カルテの一部と

して保存されている。

・学生は教員の許可のもと電子カルテにアクセスされることを許されており、学習目的

で症例に関する情報を得ることができる。

B. 質的向上のための水準に関する現状分析と自己評価

Page 126: 医学教育分野別評価基準日本版 V1.30 に基づく 京都府立医科 …1 医学教育分野別評価基準日本版v1.30 に基づく 京都府立医科大学医学部医学科自己点検評価

126

・担当患者のデータと医療提供システムへの学生アクセスを最適化できている点は評価

できる。

C. 現状への対応

・患者情報管理の面からは、現状では担当患者のデータと医療提供システムへの学生ア

クセスは制限の下で行われている。

D. 改善に向けた計画

・電子カルテの教育への使用について、患者のプライバシーに配慮した学内指針を整備

する予定である。

・学生カルテに関する全国的な法的整備が必要と考えられる。

資料

・電子カルテ関連資料

6.4 医学研究と学識

基本的水準:

医科大学・医学部は

教育カリキュラムの基盤として医学の研究と学識を利用しなければならない。(B

6.4.1)

医学の研究と教育との関係性を育む方針を策定し履行しなければならない。(B

6.4.2)

施設での研究設備と優先権を記載しなければならない。(B 6.4.3)

質的向上のための水準:

医科大学・医学部は

医学の研究と教育との相互の関連を確保すべきである。

現行の教育に反映されるべきである。(Q 6.4.1)

医学研究開発に学生が携わるように奨励し準備させるべきである。(Q 6.4.2)

注 釈:

[医学研究と学識]は、基礎医学、臨床医学、行動科学、社会医学の学術研究を網

羅するものである。[医学の学識]とは、高度な医学知識と探究の学究的成果を意

味する。カリキュラムの医学研究の部分は、医科大学・医学部内またはその提携

機関における研究活動および指導者の学識や研究能力によって担保される。

[現行の教育への反映]は、科学的手法や EBM(科学的根拠に基づく医学)の教育

Page 127: 医学教育分野別評価基準日本版 V1.30 に基づく 京都府立医科 …1 医学教育分野別評価基準日本版v1.30 に基づく 京都府立医科大学医学部医学科自己点検評価

127

に有効である(B 2.2を参照)。

教育カリキュラムの基盤として医学の研究と学識を利用しなければならない。(B 6.4.1)

A. 基本的水準に関する情報

・本学教員は各学術分野において、高度な医学知識と探究の学究的成果を達成し進めて

おり、基礎医学、臨床医学、行動科学、社会医学の学術研究を網羅している。

・カリキュラムの医学研究の部分は、医科大学・医学部内またはその提携機関における

研究活動および指導者の学識や研究能力によって担保されている。

・各教員は自身の分野・領域の臨床・研究のトップランナーであり、自身の分野・領域

の最先端の内容について、教養課程も含め教育に反映させている。

・特に最先端の新領域および先端医学に関する授業については、総合講義の授業を行な

っている。

B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価

・教育カリキュラムの基盤として医学の研究と学識を利用している点は評価できる。

C. 現状への対応

・研究配属においては、各研究室の教員が OJTで最先端の研究・基礎医学的内容につい

て教育を行っている。

・臨床実習においては、各教室の教員が OJTで最先端の臨床的内容について教育を行っ

ている。

・学外活動においても、教員の専門領域の活動が教育に活用されている。

D. 改善に向けた計画

・臨床と研究の活動が教育と学習に確実に活用されているかについて、教員業績評価を

用いることも検討している。

・今後の医学・医療の変化に応じ、研究活動をカリキュラムに反映するべく進めてゆく

必要がある。

資料

・医学科授業要領(シラバス)

・基礎配属一覧

医学の研究と教育との関係性を育む方針を策定し履行しなければならない。(B 6.4.2)

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128

A. 基本的水準に関する情報

・各授業において研究活動が反映されている点、基礎配属では最新の研究に学生が携わ

る点で、医学の研究と教育との関係性を育むようカリキュラムが構成されている。

・社会医学、臨床医学の分野では実習で最新の医学研究に携われるよう整備している。

B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価

・医学の研究と教育との関係性を育む方針を策定し履行している点は評価できる。

C. 現状への対応

・特に最先端の分野については、総合医学の授業単元に組み込めるようカリキュラムが

構成されている。

・研究配属においては、各研究室の教員が OJTで最先端の研究・基礎医学的内容につい

て教育を行っている。

・臨床実習においては、各教室の教員が OJTで最先端の臨床的内容について教育を行っ

ている。

・学外活動においても、教員の専門領域の活動が教育に活用されている。

D. 改善に向けた計画

・臨床と研究の活動が教育と学習に確実に活用されているかについて、教員業績評価に

反映させている。

・今後の医学・医療の変化に応じ、研究活動をカリキュラムに反映するべく進めてゆく

必要がある。

資料

・医学科授業要項(シラバス)

・総合講義授業資料

施設での研究設備と優先権を記載しなければならない。(B 6.4.3)

A. 基本的水準に関する情報

・基礎実習設備、予算については、優先順位をつけて各年度予算で申請を行っている。

・共同利用目的の研究施設、教育目的の研究施設については、より優先度を高くして対

応している。

B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価

・施設での研究設備と優先権を記載している点は評価できる。

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129

C. 現状への対応

・共同利用目的の研究施設、教育目的の研究施設については、より優先度を高くして対

応している。

D. 改善に向けた計画

・研究成果および業績評価にて不断に評価を行い、研究設備および優先権については定

期的に見直しを行う計画である。

資料

・予算関連資料

・教育費分配資料

医学の研究と教育との相互の関連を確保すべきである。

現行の教育に反映されるべきである。(Q 6.4.1)

A. 質的向上のための水準に関する情報

・各授業において研究活動が反映されている点、基礎配属では最新の研究に学生が携わ

る点で、医学の研究と教育との関係性を育むようカリキュラムが構成されている。

・社会医学、臨床医学の分野では実習で最新の医学研究に携われるよう整備している。

・課外にも研究を継続できるようカリキュラムが組まれている。

B. 質的向上のための水準に関する現状分析と自己評価

・現行の教育に反映されるよう、医学の研究と教育との相互の関連を確保している点は

評価できる。

C. 現状への対応

・最新の研究概念、手法、成果について、できるだけ早く教育の現場に反映できるよう

体制を整えている。

・基礎医学分野では各学問体系を重視しており、今後のパラダイムシフトにも対応でき

る体制となっている。

D. 改善に向けた計画

・基礎配属及び課外研究において、学内での研究のみならず海外を含めた学外研究機関

での研究活動の拡大を予定している。

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資料

・医学科授業要項(シラバス)

・基礎配属資料

・海外研究成果

医学の研究と教育との相互の関連を確保すべきである。

医学研究開発に学生が携わるように奨励し準備させるべきである。(Q 6.4.2)

A. 質的向上のための水準に関する情報

・各授業において研究活動が反映されている点、基礎配属では最新の研究に学生が携わ

る点で、医学の研究と教育との関係性を育むようカリキュラムが構成されている。

・社会医学、臨床医学の分野では実習で最新の医学研究に携われるよう整備している。

・学生が医学研究発表を積極的に行っている。

B. 質的向上のための水準に関する現状分析と自己評価

医学研究開発に学生が携わるように奨励し準備している点は評価できる。

C. 現状への対応

・最新の研究概念、手法、成果について、学生が積極的にかかわれるよう、基礎配属及

び課外研究ができる体制を整えている。

・基礎医学分野では各学問体系を重視しており、学生も今後のパラダイムシフトにも対

応できる体制となっている。

D. 改善に向けた計画

・基礎配属及び課外研究において、学内での研究のみならず海外を含めた学外研究機関

での研究活動の拡大を予定している。

資料

・医学科授業要項(シラバス)

・基礎配属資料

・海外研究成果

6.5 教育の専門的立場

基本的水準:

医科大学・医学部は

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必要な時に教育専門家へアクセスできなければならない。(B 6.5.1)

以下の事項について教育専門家の利用に関する方針を策定し履行しなければな

らない。

カリキュラム開発(B 6.5.2)

指導および評価方法の開発(B 6.5.3)

質的向上のための水準:

医科大学・医学部は

教職員の教育能力向上において学内外の教育専門家が実際に活用されているこ

と示すべきである。(Q 6.5.1)

教育専門家の教育評価や医学教育分野の研究における最新の知見に注意を払う

べきである。(Q 6.5.2)

教職員は教育的な研究を遂行すべきである。(Q 6.5.3)

注 釈:

[教育専門家]とは、医学教育の導入、実践、問題に取り組み、医学教育の研究経

験のある医師、教育心理学者、社会学者を含む。このような専門家は教育開発ユ

ニットや教育機関で教育に関心、経験のある教員チームや、外国施設或いは国際

的な組織から提供される。

[医学教育分野の研究]では、医学教育の理論的、実践的、社会的問題を探究する。

必要な時に教育専門家へアクセスできなければならない。(B 6.5.1)

A. 基本的水準に関する情報

・医学教育の導入、実践、問題に取り組み、医学教育の研究経験のある医師、医療プロ

フェッショナルを含む部門として、教育委員会、卒後臨床研修センターがあり、平成2

3年より医学教育ユニットとして総合医療・医学教育学教室が設立され、平成25年よ

り IRセンターが設立された。

・医学教育ユニットは臨床医学教員のみならず、医療プロフェッショナル、基礎医学教

員から構成されており、卒前・卒業教育に関与し、各種FDにてタスクフォースとして

参画している。

B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価

・必要な時に教育専門家へアクセスできる点は評価できる。

C. 現状への対応

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132

・医学教育ユニット教員は最新の医学教育理念・方法を取得するため、国内外の各種ワ

ークショップに参加している。

・医学教育学会認定の医学教育専門家資格取得を進めている。

D. 改善に向けた計画

・教育専門家の質向上を目指し、医学教育専門資格、医学教育業績の向上を予定してい

る。

資料

・総合医療・医学教育学教室関連資料

・FD資料

以下の事項について教育専門家の利用に関する方針を策定し履行しなければならない。

カリキュラム開発(B 6.5.2)

A. 基本的水準に関する情報

・カリキュラム開発については、教育委員会及びその下部組織のカリキュラム検討ワー

キングで策定を行っている。

・カリキュラム開発においては、IRセンター及び医学教育ユニットのデータ及び分析

が用いられている。

B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価

・カリキュラム開発について教育専門家の利用に関する方針を策定し履行している点は

評価できる。

C. 現状への対応

・カリキュラム開発においては、教養教育、基礎医学教育、社会医学教育、臨床医学教

育のメンバーで構成されており、カリキュラム全体を俯瞰した議論ができる体制となっ

ている。

・カリキュラム開発においては、海外提携校との連携により最先端の情報・手法を導入

し進めている。

D. 改善に向けた計画

・医学教育の最新の情報をより素早く反映できる体制を整える予定である。

・カリキュラム評価を充実させ、医学教育に関する PDCAサイクルを適切に運用する体

制を構築予定である。

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133

資料

・カリキュラム検討ワーキング資料

以下の事項について教育専門家の利用に関する方針を策定し履行しなければならない。

指導および評価方法の開発(B 6.5.3)

A. 基本的水準に関する情報

・指導および評価方法の開発については、医学教育ユニットである総合医療・医学教育

学を中心として、各診療科の教育担当者と連携しながら行っている。

・その評価については臨床 IRセンターで収集・分析している。

B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価

・指導および評価方法の開発について教育専門家の利用に関する方針を策定し履行して

いる点は評価できる。

C. 現状への対応

・各診療科と連携して指導及び評価方法の開発を行っている。

・指導及び評価については、知識・技能・態度について包含できる方法の開発と、各種

指導方法、評価方法の横断的な統合に着手している。

D. 改善に向けた計画

・教養教育、基礎医学教育、社会医学教育、臨床医学教育、学外教員、医療プロフェッ

ショナル教育のメンバーと連携して指導及び評価方法の開発を行うことを予定してい

る。

資料

・救急蘇生シミュレータ教育資料

・医学教育研究業績

教職員の教育能力向上において学内外の教育専門家が実際に活用されていること示す

べきである。(Q 6.5.1)

A. 質的向上のための水準に関する情報

・国内外を問わず学外の教育専門家によるセミナーを開催している。

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・慈恵医科大学との懇談会を年に 1回行っている。

・オクラホマ大学、リーズ大学の医学教育ユニット教員との連携を行っている。

B. 質的向上のための水準に関する現状分析と自己評価

・教職員の教育能力向上において学内外の教育専門家が実際に活用されていることは評

価できる。

C. 現状への対応

・医学教育について、オクラホマ大学およびリーズ大学の医学教育ユニット教員との連

携を行っている。

D. 改善に向けた計画

・提携校の医学教育専門家によるサイトビジットなどの評価を、本学内外の教育施設も

含めて実施し、全体的な評価を行ってゆく予定である。

資料

・医学教育セミナー資料

・慈恵大学との懇談会資料

・オクラホマ、リーズ等資料

教育専門家の教育評価や医学教育分野の研究における最新の知見に注意を払うべきで

ある。(Q 6.5.2)

A. 質的向上のための水準に関する情報

・国内外を問わず学外の教育専門家によるセミナーを開催している。

・慈恵医科大学との医学教育に関する懇談会を年に 1回行っている。

・オクラホマ大学、リーズ大学の医学教育ユニット教員との連携を行っている。

・医学教育に関する研究発表、論文を発信している。

B. 質的向上のための水準に関する現状分析と自己評価

・教育専門家の教育評価や医学教育分野の研究における最新の知見に注意を払っている

点は評価できる。

C. 現状への対応

・国際医学教育学会、米国医学校会議などに研究成果を発表、教育ワークショップへの

参加を通じて、最新の医学教育知見を得ている。

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D. 改善に向けた計画

・本学ならではの医学教育研究を進め、学術論文として今後も海外に情報を発信する予

定である。

資料

・医学教育研究業績

教職員は教育的な研究を遂行すべきである。(Q 6.5.3)

A. 質的向上のための水準に関する情報

・すべての教職員を対象とした教員業績評価では、研究の中に教育研究の項目も評価さ

れている。

・医学教育ユニットと各教室との連携により、医学教育に関する研究を積極的に進めて

いる。

B. 質的向上のための水準に関する現状分析と自己評価

・教職員の教育的な研究を推奨している点は評価できる。

C. 現状への対応

・新たな臨床教育技法、臨床能力評価方法などについて、各教室との連携により医学教

育研究を進めている。

D. 改善に向けた計画

・各教員における、医学教育研究についての位置づけとエフォート率について、その業

務内での立場を明確にするよう議論されている。

資料

・教員業績評価資料

・共同研究関連資料

6.6 教育の交流

基本的水準:

医科大学・医学部は

以下の方針を策定して履行しなければならない。

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他教育機関との国内・国際的な協力(B 6.6.1)

履修単位の互換(B 6.6.2)

質的向上のための水準:

医科大学・医学部は

適切な資源を提供することによって、教員と学生の国内・国際的な教職員と学生

の交流を促進すべきである。(Q 6.6.1)

教職員と学生のニーズを考慮し、倫理原則を尊重して、交流が合目的に組織され

ることを保証すべきである。(Q 6.6.2)

注 釈:

[他教育機関]には、公衆衛生学、歯科医学、薬学、獣医学の学校等の医療教育に

携わる教員や施設と同様に他医科大学も含まれる。

[履修単位の互換の方針]とは、他の機関から互換できる学習プログラムの比率の

制約について考慮することを意味する。履修単位の互換は、教育分野の相互理解

に関する合意形成や医科大学間の積極的なプログラム調整により促進される。ま

た、履修単位が誰からも分かるシステムの採用や課程の修了要件の柔軟な解釈に

よっても容易になる。

[教職員]には、教育、管理、技術系の職員が含まれる。

以下の方針を策定して履行しなければならない。

他教育機関との国内・国際的な協力(B 6.6.1)

A. 基本的水準に関する情報

・国内協力として、公衆衛生学、薬学学校等の医療教育に携わる教員や施設、および国

内外の他の医科大学・医学部と協力体制を構築している。

・国際協力として、は基礎研究実習としてオックスフォード大学、トロント大学と連携

している。

・臨床実習においてはオクラホマ大学、リーズ大学と相互にクラークシップの交換留学

を行っている。

・在宅実習は京都薬科大学及び岐阜薬科大学と連携して行っている。

B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価

他教育機関との国内・国際的な協力を行っている点は評価できる。

C. 現状への対応

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・海外実習においては国際交流センターと連携して、特に学習環境・生活環境の安全管

理に重点を置いている。

D. 改善に向けた計画

・今後海外実習先の拡大を予定しており、教育分野においてもより一層充実した協力体

制を構築する予定である。

資料

・国内教育提携資料

・国際交流センター

・在宅チーム医療実習資料

以下の方針を策定して履行しなければならない。

履修単位の互換(B 6.6.2)

A. 基本的水準に関する情報

・単位互換については学則に規定されている。

・本学学生の海外実習の単位互換については、教育委員会で確認の後認められている。

・海外からの受入れ学生に対する単位互換については、大学間協定により規定されてい

る。

B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価

・履修単位の互換の方針が策定され履行されている点は評価できる。

C. 現状への対応

・単位互換については規定があるが、実習評価についての規程を明確化するよう進めて

いる。

D. 改善に向けた計画

・今後の学外実習の長期化、多様化に応じて、単位互換のより詳細な規程が必要となり

対応を検討している。

・海外研究留学、臨床実習留学においても、EU諸国との単位互換を含めて検討してい

る。

資料

・単位互換規程

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138

・海外実習関連資料

・オクラホマ大学との留学に関する提携文書

適切な資源を提供することによって、教員と学生の国内・国際的な教職員と学生の交流

を促進すべきである。(Q 6.6.1)

A. 質的向上のための水準に関する情報

・戦前より毎年、運動クラブ活動として慈恵戦を行っており、この際に大学の運営、教

学、活動についての意見交換がなされ、相互の教員の交流が図られている。

・オクラホマ大学との学生留学の相互交流は 10年来の歴史があり、交換留学学生が参

加するFDを毎年企画している。さらに教員レベルでの交流も開始されている。

B. 質的向上のための水準に関する現状分析と自己評価

・適切な資源を提供することによって、教員と学生の国内・国際的な教職員と学生の交

流を促進

C. 現状への対応

・オクラホマ大学及びリーズ大学への教員派遣を定期的に行っており、現地での教育シ

ステム、教育方法について現地で FDを行っている。

D. 改善に向けた計画

・今後の本学の医学教育に資するため、国内国外の医育施設・医療施設の学生・教職員

の、より一層の交流機会を計画している。

資料

・慈恵戦資料

・オクラホマ大学学生によるFD、交流会資料

・オクラホマ訪問報告書、リーズ大学報告書

教職員と学生のニーズを考慮し、倫理原則を尊重して、交流が合目的に組織されること

を保証すべきである。(Q 6.6.2)

A. 質的向上のための水準に関する情報

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・学外施設・大学との交流については教育あるいは研究を目的としたものとして開始さ

れたものが多いが、その後の歴史的経緯で大学院教育、学部学生教育として発展させて

いる。

・社会医学系教授は全国の社会医学系教授で組織する全国組織である衛生学公衆衛生学

教育協議会が、春の日本衛生学会総会前日と秋の日本公衆衛生学会総会前日に開催する

協議会に参加して社会学系教育の情報交換を行っている。

・医学教育学会において、情報を積極的に発信し、学生から教員のすべてのレベルでの

情報交換を行っている。

B. 質的向上のための水準に関する現状分析と自己評価

・教職員と学生のニーズを考慮し、倫理原則を尊重して、交流が合目的に組織されるこ

とを保証されている点は評価できる。

C. 現状への対応

・学外施設・大学との交流については研究を目的としたものとして開始されたものにつ

いても、大学院教育、学部学生教育として計画している。

D. 改善に向けた計画

・今後の本学の医学教育に資するため、国内国外の医育施設・医療施設の学生・教職員

の相互の、より一層の交流機会を計画している。

資料

・オクラホマ大学資料

・リーズ大学資料

・国際交流資料

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140

7. プログラム評価

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141

7. プログラム評価

7.1 プログラムのモニタと評価

基本的水準:

医科大学・医学部は

カリキュラムの教育プロセスと教育成果を定期的にモニタするプログラムを設

けなければならない。(B 7.1.1)

以下の事項についてプログラム評価する仕組みを確立し、実施しなければならな

い。

カリキュラムとその主な構成要素(B 7.1.2)

学生の進歩(B 7.1.3)

課題の特定と対応(B 7.1.4)

評価の結果がカリキュラムに反映されていることを確実にしなければならない。

(B 7.1.5)

質的向上のための水準:

医科大学・医学部は

以下の事項について随時、プログラムを包括的に評価するべきである。

教育プロセスの背景(Q 7.1.1)

カリキュラムの特定の構成要素(Q 7.1.2)

全体的な成果(Q 7.1.3)

社会的責任(Q 7.1.4)

注 釈:

[プログラムのモニタリング]とは、カリキュラムの重要な側面について、デー

タを定期的に集めることを意味する。その目的は、確実に教育プロセスが軌道に

乗っていることを確認し、介入が必要な領域を特定することにある。データの収

集は多くの場合、学生の入学時、評価時、卒業時に事務的に行われる。

[プログラム評価]とは、教育機関と教育プログラムの効果と適切性を判断する

情報について系統的に収集するプロセスである。データの収集には信頼性と妥当

性のある方法が用いられ、教育プログラムの質や、大学の使命、カリキュラム、

教育の学習成果など中心的な部分を明らかにする目的がある。

医学教育の専門家が参加することにより、各機関における医学教育の質的向上を

経験できる基礎をさらに拡げることができる。

[カリキュラムの主な構成要素]には、カリキュラムモデル(B 2.1.1を参照)、

カリキュラムの構造、構成と教育期間(2.6を参照)、および中核となる必修教

育内容と選択的な教育内容(Q 2.6.3 を参照)が含まれる。

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142

[特定される課題]としては、目的とした医学教育の成果が思うほどには達成さ

れていないことが含まれる。教育の成果の弱点や問題点などについての評価並び

に情報は、介入、是正、プログラム開発、カリキュラム改善などへのフィードバ

ックに用いられる。

[教育プロセスの背景]には、医科大学の学習環境や文化のほか、組織や資源が

含まれる。

[カリキュラムの特定構成要素]には、課程の記載、教育法、学習法、臨床実習、

および評価方法が含まれる。

[全体的な学習成果]は、医師国家試験の成績、ベンチマークの評価、国際的試

験、職業選択、大学卒業後の業績などから測られる。これらの情報は、教育プロ

グラムの画一化を防ぐと同時に、カリキュラム改善の基盤を提供する。

[社会的責任](1.1の注釈の定義を参照)。

日本版注釈:

医学教育モデル・コア・カリキュラムの導入状況と、成果(共用試験の結果を含

む)を評価してもよい。

カリキュラムの教育プロセスと教育成果を定期的にモニタするプログラムを設けなけ

ればならない。(B 7.1.1)

A. 基本的水準に関する情報

・学生の教育成果のモニタリングは、入学時、進級時、共用試験、卒業時に総括的に行

われている。

・I Rセンターによるデータ分析により、教育プロセスが進捗を医学科教育委員会に報

告し、変更・介入が必要であるかを討議するシステムとなっている。

B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価

・カリキュラムの教育プロセスと教育成果を定期的にモニタするプログラムを設けてい

る点は評価できる。

C. 現状への対応

・経時的な教育成果のモニタリングについて、IRセンターによるデータ分析を行うた

めの整備を行っている。

D. 改善に向けた計画

・学生の教育成果のモニタリングで用いる、入学時、進級時、共用試験、国家試験など

のデータについては、個人情報保護との整合を取る整備を行う予定である。

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143

資料

・医学科授業要項(シラバス)

・IRセンター分析事例

・教育委員会資料

・教授会資料

以下の事項についてプログラム評価する仕組みを確立し、実施しなければならない。

カリキュラムとその主な構成要素(B 7.1.2)

A. 基本的水準に関する情報

・IRセンターにて、教育機関と教育プログラムの効果と適切性を判断する情報につい

て系統的に収集・分析するシステムを構築している。

・データの収集には信頼性と妥当性のある方法が用いられ、教育プログラムの質や、大

学の使命、カリキュラム、教育の学習成果など中心的な部分を明らかにする目的がある。

・カリキュラムモデル、カリキュラムの構造、構成と教育期間、および中核となる必修

教育内容と選択的な教育内容については、IRセンターの分析結果をもとに主として教

育委員会で議論される。

B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価

・カリキュラムとその主な構成要素ついてプログラム評価する仕組みを確立し、実施し

ている点は評価できる。

C. 現状への対応

・医学教育ユニットである総合医療・医学教育学の教員も参加することにより、医学教

育の質的向上と拡充に努めている。

D. 改善に向けた計画

・IRセンターにて、教育機関と教育プログラムの効果と適切性を判断する情報につい

て、より系統的に収集・分析するシステムを計画している。

資料

・IRセンター資料

・教育委員会、カリキュラム検討作業部会

・教授会資料

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144

以下の事項についてプログラム評価する仕組みを確立し、実施しなければならない。

学生の進歩(B 7.1.3)

A. 基本的水準に関する情報

・IRセンターにて、学生の進歩を判断する情報について系統的に収集・分析するシス

テムを構築している。特に、横断的総括評価、各教科のデータについて一元的に分析し

ている。

・データの収集には信頼性と妥当性のある方法が用いられている。

・学生の進歩についてのIRセンターの分析結果をもとに、プログラム評価について主

として教育委員会で議論される。

B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価

・学生の進歩についてプログラム評価する仕組みを確立し、実施している点は評価でき

る。

C. 現状への対応

・研修期間も含めた臨床医学教育においては、アウトカムとしてEPAを制定し、学生

の知識・技能・態度に関するマイルストーンの確立を進めている。

D. 改善に向けた計画

・実習後 OSCEを導入予定としている。

・教養教育、基礎医学教育も含めた医学教育において、アウトカムとしてEPAを制定

し、学生の知識・技能・態度に関するマイルストーンの確立を計画している。

資料

・共用試験の評価利用の資料

・臨床実習評価票

・EPAプロジェクト資料

以下の事項についてプログラム評価する仕組みを確立し、実施しなければならない。

課題の特定と対応(B 7.1.4)

A. 基本的水準に関する情報

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145

・IRセンターにて、教育機関と教育プログラムの効果と適切性を判断する情報につい

て系統的に収集・分析するシステムを構築している。特に、横断的総括評価、各教科の

データについて一元的な分析を目指している。

・データの収集には信頼性と妥当性のある方法で、教育プログラムの質、大学の使命、

教育の学習成果などのアウトカムの評価に関するデータ収集を行っている。

・目的とした医学教育の成果が思うほどには達成されていないプログラム部分について

は、教育委員会へのフィードバックが行われている。

B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価

・課題の特定と対応プログラム評価する仕組みを確立し、実施している点は評価できる。

C. 現状への対応

・プログラム評価に関して、IRセンターがデータ分析を行い、評価を行う部門として

教育委員会が役割分担を行っている。

D. 改善に向けた計画

・課題発見と対応については、プログラム評価を迅速に行い、教育効率を向上させるよ

う計画している。

資料

・教育委員会資料

・IRセンター分析例資料

・プログラム評価例資料

評価の結果がカリキュラムに反映されていることを確実にしなければならない。

(B 7.1.5)

A. 基本的水準に関する情報

・IRセンターにて、教育機関と教育プログラムの評価結果がカリキュラムに反映され

ていることを評価するシステムを構築している。

・データの収集は信頼性と妥当性を検討し、教育委員会その評価が報告されている。

・目的とした成果が思うほどには達成されていないこと特定される課題については、教

育委員会・カリキュラム検討ワーキングでその評価・対応が議論されている。

B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価

・評価の結果がカリキュラムに反映されている点は評価できる。

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146

C. 現状への対応

・プログラム評価に関して、IRセンターがデータ分析を行い、評価を行う部門として

教育委員会が役割分担を行っている。

・臨床実習のアウトカム評価票の導入を行っており、学生および教員にわかりやすい評

価システムを導入している。

D. 改善に向けた計画

・評価結果がカリキュラムに反映されるまでには、ある程度の期間が必要であるが、カ

リキュラム評価については迅速に行う体制を計画している。

資料

・IRセンター機構図

・評価票導入の経緯

以下の事項について随時、プログラムを包括的に評価するべきである。

教育プロセスの背景(Q 7.1.1)

A. 質的向上のための水準に関する情報

・本学のミッションである「世界トップレベルの医学を地域の医療へ」は、医学の進歩、

医療の変化、地域の変容に応じて変容するものであることから、教育プロセスの背景に

ついては普段の見直しを行っている。

・中期目標に応じて教育プロセスの背景を評価している。

B. 質的向上のための水準に関する現状分析と自己評価

・教育プロセスの背景について随時、プログラムを包括的に評価している点は評価でき

る。

C. 現状への対応

・医学の進歩、医療の変化、地域の変容については、教授会、教育委員会で定期的に情

報共有を行っている。

・上記に加え時宜に応じて、学長セミナーをはじめとする各種勉強会により、医学の進

歩、医療の変化、地域の変容について情報共有を行っている。

D. 改善に向けた計画

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147

・教育プロセスの背景について、外部評価者からの意見をより反映できるシステムを予

定している。

資料

・学長セミナー資料

・中期目標

以下の事項について随時、プログラムを包括的に評価するべきである。

カリキュラムの特定の構成要素(Q 7.1.2)

A. 質的向上のための水準に関する情報

・課程の記載、教育法、学習法、臨床実習、および評価方法については、教育委員会で

評価される。

・課程の記載、教育法、学習法、臨床実習、および評価方法についての評価データにつ

いては、IRセンターにて収集、分析を行っている。

B. 質的向上のための水準に関する現状分析と自己評価

・教育プロセスの背景についてプログラムを包括的に評価している点は評価できる。

C. 現状への対応

・課程の記載、教育法、学習法、臨床実習、および評価方法についての評価(メタ評価)

については、統合的な記載方法が必要であり、その整理を行っている。

D. 改善に向けた計画

・カリキュラムについては、卒前教育のみならず、卒後研修も含めた評価を行う計画で

ある。

資料

・IRセンター資料(医学教育学会講演資料)

以下の事項について随時、プログラムを包括的に評価するべきである。

全体的な成果(Q 7.1.3)

A. 質的向上のための水準に関する情報

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・医師国家試験の成績、ベンチマークの評価、国際的試験、職業選択、大学卒業後の業

績などを統合するため、全体的な成果を評価できるデータ収集を開始している。これら

の情報は、教育プログラムの画一化を防ぐと同時に、カリキュラム改善の基盤を提供し

ている。

・IRセンターにて、教育機関と教育プログラムの効果と適切性を判断する情報につい

て系統的に収集・分析するためのデータ収集を開始している。特に、全体的な評価につ

いて一元的に分析する。

・IRセンターから答申された内容をもとに、教育委員会にてカリキュラムを包括的に

評価している。

B. 質的向上のための水準に関する現状分析と自己評価

・全体的な成果について随時、プログラムを包括的に評価している点は評価できる。

C. 現状への対応

・ベンチマーク評価として、本学のミッションに則した重み付けをしており、その結果

は中期計画に反映されている。

・卒業後のベンチマーク評価も分析している。

D. 改善に向けた計画

・卒業生進路の外形的な評価のみならず、より長期の卒業生調査、パフォーマンス評価

も計画している。

資料

・ベンチマーク評価

・マッチングデータ

・研修修了時データ(後期研修進路)

以下の事項について随時、プログラムを包括的に評価するべきである。

社会的責任(Q 7.1.4)

A. 質的向上のための水準に関する情報

・本学のミッションである「世界トップレベルの医学を地域の医療へ」は、医学の進歩、

医療の変化、地域の変容に応じて変容するものであることから、本学の社会的責任につ

いては普段の見直しを行っている。

・中期目標に応じて社会のニーズへの対応、社会的責任について評価している。

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B. 質的向上のための水準に関する現状分析と自己評価

・本学の社会的責任について随時、プログラムを包括的に評価している点は評価できる。

C. 現状への対応

・本学の特徴である地域実習の評価は、地域住民及び地域医療スタッフからの直接の評

価であり、その内容も重視している。

D. 改善に向けた計画

・地域の第三者(外部評価者)による教育への評価も議論されている。

・今後の社会・医療の変化とこれに対応したプログラムの評価方法について、新たな指

標を計画している。

資料

・中期目標

・地域実習報告書

7.2 教員と学生からのフィードバック

基本的水準:

医科大学・医学部は

教員と学生からのフィードバックを系統的に求め、分析し、対応しなければなら

ない。(B 7.2.1)

質的向上のための水準:

医科大学・医学部は

プログラムの開発にフィードバックの結果を利用すべきである。(Q 7.2.1)

注 釈:

[フィードバック]には、教育プログラムの過程や成果についての情報が含まれ

る。また、法的措置の有無に関わらず、教員または学生による医療過誤または不

適切な対応に関する情報も含まれる。

教員と学生からのフィードバックを系統的に求め、分析し、対応しなければならない。

(B 7.2.1)

A. 基本的水準に関する情報

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・すべての教員について、学生による授業評価が行われており、その結果はIRセンタ

ーでの分析を経て教育委員会に報告される。

・教育に関する学生アンケート、ヒアリングを行っており、IRセンターでの分析及び

教育委員会でのカリキュラム評価に用いられている。

・地域実習では外部教員からのフィードバックが行われている。

B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価

・教員と学生からのフィードバックを系統的に求め、分析し、対応している点は評価で

きる。

C. 現状への対応

・医学教育に関して、教員からのフィードバックとして、アンケート調査、ヒアリング

調査を予定している。

D. 改善に向けた計画

・学生及び教員に対する系統的で、妥当性と信頼性のあるなフィードバックシステムの

構築を予定している。

資料

・学生アンケート

・授業評価

・教員アンケート

・地域実習資料

プログラムの開発にフィードバックの結果を利用すべきである。(Q 7.2.1)

A. 質的向上のための水準に関する情報

・フィードバックの結果については、IRセンターで分析される。その結果は教育委員

会に答申され評価され、プログラム開発に利用されている。

・プログラム開発にあたっては、医学教育ユニットである総合医療・医学教育学も参画

している。

B. 質的向上のための水準に関する現状分析と自己評価

・プログラムの開発にフィードバックの結果を利用している点は評価できる。

C. 現状への対応

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・教育に関する学生アンケート、ヒアリングを行っており、IRセンターでの分析及び

教育委員会でのカリキュラム評価に用いられている。

・地域実習では外部教員からのフィードバックが行われている。

D. 改善に向けた計画

・卒前教育と卒後臨床研修教育との継続性、整合性を見据えて、カリキュラム開発につ

なげられるよう計画している。

資料

・教育委員会資料

7.3 学生と卒業生の実績・成績

基本的水準:

医科大学・医学部は

次の項目に関して、学生と卒業生の業績を分析しなければならない。

使命と期待される教育成果(B 7.3.1)

カリキュラム(B 7.3.2)

資源の提供(B 7.3.3)

質的向上のための水準:

医科大学・医学部は

以下の項目に関して、学生と卒業生の業績を分析するべきである。

背景と状況(Q 7.3.1)

入学時成績(Q 7.3.2)

学生の業績の分析を使用し、以下の項目について責任がある委員会へフィードバ

ックを提供すべきである。

学生の選抜(Q 7.3.3)

カリキュラム立案(Q 7.3.4)

学生カウンセリング(Q 7.3.5)

注 釈:

[学生の業績]の測定と分析には、教育期間、試験成績、合格率および不合格率、

進級率と落第率および理由、各課程におけるレポートなどの情報のほか、学生が

興味を示している領域や選択科目の履修期間なども含まれる。留年を繰り返して

いる学生に対する面接、プログラムから離脱する学生の最終面接を含む。

[卒業生の実績]の測定には、職業選択に関する情報、卒業後や昇進後の臨床診

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療における実績などが含まれる。

[背景と状況]には、学生を取り巻く社会的、経済的、文化的環境が含まれる。

次の項目に関して、学生と卒業生の業績を分析しなければならない。

使命と期待される教育成果(B 7.3.1)

A. 基本的水準に関する情報

・アウトカム評価については臨床実習において統一化された評価表の分析を行い、教育

成果を評価している。

・留年を繰り返している学生に対する面接、プログラムから離脱する学生の最終面談に

ついては学生部長があたり、最終判断を行っている。

・職業選択に関する進路情報、卒業後の臨床診療における実績については、マッチング

成績、後期研修進路の調査を行っている。

・研修医のパフォーマンス評価については、研修医OSCEを行っており、卒前成績と

統合した評価を行っている。

B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価

・使命と期待される教育成果に関して、学生と卒業生の業績を分析している点は評価で

きる。

C. 現状への対応

・卒業前評価のパフォーマンス評価として、臨床実習終了後OSCEの導入を予定して

いる。

D. 改善に向けた計画

・卒前・卒後の教育成果を分析し、より長期にわたる縦断的な評価システムの確立を計

画している。

資料

・卒業後進路調査

・研修医 OSCE資料

・臨床実習評価表データ

次の項目に関して、学生と卒業生の業績を分析しなければならない。

カリキュラム(B 7.3.2)

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A. 基本的水準に関する情報

・IRセンターにて、教育機関と教育プログラムの効果と適切性を判断する情報につい

て系統的に収集・分析するシステムを構築している。特に、横断的総括評価、各教科の

データについて一元的に分析している。

・データの収集においては、大学の使命とカリキュラムの関連性について評価している。

・目的とした成果が達成されていない課題については、介入、是正、プログラム開発、

カリキュラム改善などへのフィードバックが行われている。

・カリキュラムモデル、カリキュラムの構造、構成と教育期間、および中核となる必修

教育内容と選択的な教育内容については、IRセンターの分析結果をもとに主として教

育委員会で議論される。

B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価

・カリキュラムに関して、学生と卒業生の業績を分析している点は評価できる。

C. 現状への対応

・研修医OSCEによるパフォーマンス評価の結果からカリキュラムの評価を行ってい

る。

・卒業前評価のパフォーマンス評価として、臨床実習終了後OSCEの導入を予定して

いる。

D. 改善に向けた計画

・卒前・卒後の教育成果を分析し、より長期にわたる縦断的な評価システムの確立を計

画している。

資料

・進路調査

・卒業生調査

・研修医OSCE

次の項目に関して、学生と卒業生の業績を分析しなければならない。

資源の提供(B 7.3.3)

A. 基本的水準に関する情報

・資源の提供については教員の業績評価で検討されている。

・資源の提供の評価分析については、学生、卒業生のアンケート調査が行われている。

・社会・行政からの評価は、教育研究評議会を通して行われている。

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B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価

・資源の提供に関して、学生と卒業生の業績の分析をより詳細に行う必要がある。

C. 現状への対応

・資源の提供に資する分析の結果、新講座の設立など新たな教育資源の配分が行われて

いる。

D. 改善に向けた計画

・卒前・卒後の教育成果を資源の配分という側面から分析し、より長期にわたる縦断的

な評価システムの確立を計画している。

資料

・新講座設立関連資料

・スキルスラボ資料

以下の項目に関して、学生と卒業生の業績を分析するべきである。

背景と状況(Q 7.3.1)

A. 質的向上のための水準に関する情報

・社会的、経済的、文化的環境の変化に応じた、学生と卒業生の業績・進路について分

析を行っている。

・本学卒業生の研修医評価を行っている。

B. 質的向上のための水準に関する現状分析と自己評価

・背景と状況に関して、学生と卒業生の業績を分析している点は評価できる。

C. 現状への対応

・卒業生アンケートにて評価を行っている。

・中期計画により、卒業生の進路についての評価を行っている。

D. 改善に向けた計画

・卒業生調査をより詳細に行うことを計画しているが、個人情報保護との整合を考慮す

る必要がある。

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資料

・卒業生進路調査

・研修医調査

以下の項目に関して、学生と卒業生の業績を分析するべきである。

入学時成績(Q 7.3.2)

A. 質的向上のための水準に関する情報

・入学時成績と学生と卒業生の業績分析については一部 IRセンターにて行っている。

B. 質的向上のための水準に関する現状分析と自己評価

・入学時成績に関して、学生と卒業生の業績を分析している点は評価できる。

C. 現状への対応

・入学時成績と共用試験、卒業試験の成績の相関について分析を行っている。

D. 改善に向けた計画

・入学時成績と共用試験 OSCE、研修医 OSCE などのパフォーマンス評価との成績の相関

について分析を行う予定である。

資料

・成績関連資料

学生の業績の分析を使用し、以下の項目について責任がある委員会へフィードバックを

提供すべきである。

学生の選抜(Q 7.3.3)

A. 質的向上のための水準に関する情報

・学生の成績の分析については教育委員会及び教授会で検討され、学生の選抜方法につ

いての資料となっている。

B. 質的向上のための水準に関する現状分析と自己評価

・学生の入学後の業績の分析を使用し、学生の選抜について入試委員会、入学者選抜委

員会へフィードバックを行えるシステムを構築する必要がある。

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156

C. 現状への対応

・学生の業績の分析を使用し、学生の選抜について入試委員会へフィードバックを提供

する予定である。

D. 改善に向けた計画

・学生の業績の分析を使用し、学生の選抜方法について入試委員会、入学者選抜委員会

および教授会で検討する方法を議論している。

資料

・学生アウトカム評価

学生の業績の分析を使用し、以下の項目について責任がある委員会へフィードバックを

提供すべきである。

カリキュラム立案(Q 7.3.4)

A. 質的向上のための水準に関する情報

・学生の成績の分析については教育委員会及び教授会で検討され、カリキュラム立案に

ついての資料となっている。

B. 質的向上のための水準に関する現状分析と自己評価

・学生の業績の分析を使用し、カリキュラム立案について教育委員会へフィードバック

を提供している点は評価できる。

C. 現状への対応

・IRセンターにて学生の業績の分析を使用し、カリキュラム立案について教育委員会

へフィードバックを行っている。

D. 改善に向けた計画

・リアルタイムに学生の業績の分析を使用し、カリキュラムについて教育委員会および

教授会で検討するシステムを検討している。

資料

・学生アウトカム評価

・教育委員会資料

・カリキュラム改善委員会資料

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157

学生の業績の分析を使用し、以下の項目について責任がある委員会へフィードバックを

提供すべきである。

学生カウンセリング(Q 7.3.5)

A. 質的向上のための水準に関する情報

・学生の成績の分析については教育委員会及び教授会で検討され、学生カウンセリング

についての資料となっている。

B. 質的向上のための水準に関する現状分析と自己評価

・学生の業績の分析を使用し、学生カウンセリングについて教育委員会へフィードバッ

クを提供している点は評価できる。

C. 現状への対応

・学生カウンセリングについては、学生の業績の分析結果を使用し、教育委員会へフィ

ードバックする体制は構築されている。

D. 改善に向けた計画

・学生カウンセリングの教育委員会へのフィードバックについては、個人情報保護と学

生の成績評価との整合を検討している。

資料

・学生カウンセリング資料

・教育委員会資料

・カリキュラム改善委員会資料

7.4 教育の協働者の関与

基本的水準:

医科大学・医学部は

プログラムのモニタと評価に次の評価者を含まなければならない。

教員と学生(B 7.4.1)

統轄と管理に関与するもの(B 7.4.2)

質的向上のための水準:

医科大学・医学部は、

他の関連する教育の協働者に以下の項目をできるようにすべきである。

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158

課程およびプログラムの評価の結果を閲覧することを許す。(Q 7.4.1)

卒業生の業績に対する他のフィードバックを協働者に求める。(Q 7.4.2)

カリキュラムに対する他のフィードバックを協働者に求める。(Q 7.4.3)

注 釈:

[他の関連する教育の協働者]には、教育には関わっていない大学教員や経営上

の教員の代表者のほか、地域社会や一般市民の代表者(例:患者とその家族など

医療提供システムの利用者)、教育および健康管理の当局、専門家組織、医療分

野の学術団体、大学卒業後の教育者などの代表者が含まれる。

日本版注釈:

日本の大学教員はすべてが学生の教育に関わるのが基本ではあるが、付設研究所

などの教員で教育には直接関与していない者が参加しても良い。

プログラムのモニタと評価に次の評価者を含まなければならない。

教員と学生(B 7.4.1)

A. 基本的水準に関する情報

・プログラムのモニタおよび評価として、教員側は教育委員会、プログラム作業部会、

教授会、教育担当者、全学 FDがある。

・学生については学年委員が教育委員との定期的な意見交換会の開催、教育 FDでの学

生からの提言という形で、プログラムのモニタおよび評価を行っている。

B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価

・プログラムのモニタと評価に教員と学生の評価者を含んでいる点は評価できる。

C. 現状への対応

・教員 FDにオクラホマ大学で臨床実習を行った学生による報告で、本学のカリキュラ

ムに対する提言を行っている。

D. 改善に向けた計画

・プログラムのモニタおよび評価に関して、特定の学生集団のみならず、より多くの学

生の参画を計画している。

資料

・プログラム評価資料

・海外実習学生報告会

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159

プログラムのモニタと評価に次の評価者を含まなければならない。

統轄と管理に関与するもの(B 7.4.2)

A. 基本的水準に関する情報

・プログラムのモニタと評価については、学長および教育担当副学長、教育研究評議会

が評価者として含まれている。

B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価

・プログラムのモニタと評価に統轄と管理に関与する評価者を含んでいる点は評価でき

る。

C. 現状への対応

・プログラムのモニタと評価については、学長および教育担当副学長、教育研究評議会

が行っている。

D. 改善に向けた計画

・プログラムのモニタと評価に関して、意思決定に資する情報が、学長・副学長により

素早く到達するシステムについても議論されている。

資料

・プログラム評価の組織図

・教育研究評議会資料

他の関連する教育の協働者に以下の項目をできるようにすべきである。

課程およびプログラムの評価の結果を閲覧することを許す。(Q 7.4.1)

A. 質的向上のための水準に関する情報

・大学のミッションに係る課程およびプログラムの評価の結果については、中期計画に

盛り込まれており透明性を持って公表されている。

・府議会で課程およびプログラムの評価の結果については報告義務があり実行されてい

る。

B. 質的向上のための水準に関する現状分析と自己評価

Page 160: 医学教育分野別評価基準日本版 V1.30 に基づく 京都府立医科 …1 医学教育分野別評価基準日本版v1.30 に基づく 京都府立医科大学医学部医学科自己点検評価

160

・他の関連する教育の協働者に課程およびプログラムの評価の結果を閲覧できる体制に

あることは評価できる。

C. 現状への対応

・臨床実習の充実化に伴い、課程およびプログラムの評価の結果を閲覧できる範囲の拡

大に向けて議論を行っている。

D. 改善に向けた計画

・課程およびプログラムの評価の結果については、プライバシーにかかわる点、大学の

戦略にかかわる点があるため、どの程度まで閲覧・公開できるかの範囲について検討を

行っている。

資料

・中期計画

・府議会資料

他の関連する教育の協働者に以下の項目をできるようにすべきである。

卒業生の業績に対する他のフィードバックを協働者に求める。(Q 7.4.2)

A. 質的向上のための水準に関する情報

・卒業生アンケートを実施する際に、卒業生の業績に対するフィードバックを他学およ

び他病院の協働者にも求めている。

B. 質的向上のための水準に関する現状分析と自己評価

・卒業生の業績に対する他のフィードバックを協働者に求める体制を構築すべきである。

C. 現状への対応

・アンケートなどによる卒業生の業績については、大学及び関連した協力病院の協働者

から行っている。

D. 改善に向けた計画

・今後の臨床実習充実化に伴い、現在の研修たすきがけ病院の協働者も含めて、卒業生

の業績に対するフィードバックを求める予定である。

資料

・卒業生アンケート

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161

他の関連する教育の協働者に以下の項目をできるようにすべきである。

カリキュラムに対する他のフィードバックを協働者に求める。(Q 7.4.3)

A. 質的向上のための水準に関する情報

・卒業生アンケートを実施する際に、カリキュラムに対する協働者からのフィードバッ

クについては十分な調査ができていない。

B. 質的向上のための水準に関する現状分析と自己評価

・卒業生の業績に対する他のフィードバックを協働者に求める体制を構築すべきである。

C. 現状への対応

・今後の臨床実習充実化にむけて、学外の協働者が増えることが予想されており、カリ

キュラムに対するフィードバック情報を得られる体制を検討している。

・現在の研修たすきがけ病院の協働者を中心に、卒業生の業績に対するフィードバック

を求める予定である。

D. 改善に向けた計画

・卒業生に関するパフォーマンス評価について、フィードバックが得られる体制も検討

している。

資料

・卒業生アンケート

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8. 統括および管理運営

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163

8. 統轄および管理運営

8.1 統轄

基本的水準:

医科大学・医学部は

その統轄する組織と機能が、大学内での位置づけを含み規定されていなければな

らない。(B 8.1.1)

質的向上のための水準:

医科大学・医学部は

統轄する組織として、委員会組織を設置し、下記の意見を反映させるべきである。

教員(Q 8.1.1)

学生(Q 8.1.2)

その他教育に関わる関係者(Q 8.1.3)

統轄業務とその決定事項の透明性を確保するべきである。(Q 8.1.4)

注 釈:

[統轄]とは、医科大学・医学部を統治する活動および組織を意味する。統轄には、

主に方針決定、全般的な組織や教育プログラムの方針(ポリシー)を確立する過

程およびその方針を実行・管理することが含まれる。組織と教育プログラムの方

針(ポリシー)には通常、医科大学・医学部の使命、カリキュラム、入学者選抜

方針、教員の募集および選抜方針、実践されている医療や保健医療機関との交流

や連携も含まれる。

医学部が大学の一部である場合、または大学と連携している場合、統轄組織にお

ける[大学内での位置づけ]が明確に規定される。

[委員会組織]はその委員会、特にカリキュラム委員会の責任範囲を明確にする。

(B 2.7.1を参照)。

[その他教育に関わる関係者]には、文部科学省や厚生労働省、保健医療機関、医

療提供システム、一般市民(例:医療の受給者)の代表者が含まれる。

[透明性]の確保は、公報、web情報、議事録の開示などで行う。

その統轄する組織と機能が、大学内での位置づけを含み規定されていなければならな

い。(B 8.1.1)

A. 基本的水準に関する情報

・方針決定、全般的な組織や教育プログラムの方針を確立する過程およびその方針を実

行・管理する統轄システムついては、学則に規定されている。

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164

・本学の使命、カリキュラム、入学者選抜方針、教員の募集及び選抜方針、実践されて

いる医療や保健医療機関との交流・連携などの、組織と教育プログラムの方針(ポリシ

ー)についても大学案内およびシラバスに記載されている。

B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価

・教育を統轄する組織と機能が、大学内での位置づけを含み規定されていることは評価

できる。

C. 現状への対応

・教育を統轄する組織と機能が、大学内での位置づけを含み規定されている一方で、近

年の大学マネジメント組織の変革の中で、学長を中心としたトップダウンの意思決定も

行われている。

D. 改善に向けた計画

・教育を統轄する組織と機能が、大学内での位置づけを含み規定されている一方で、社

会情勢の変化および大学の変革の中で、トップダウンによるより迅速な意思決定も検討

されている。

資料

・大学規程

・大学案内

・医学科授業要項(シラバス)

統轄する組織として、委員会組織を設置し、下記の意見を反映させるべきである。

教員(Q 8.1.1)

A. 質的向上のための水準に関する情報

・教学に関して統括する部門として教育委員会が設置されており、教員からの意見聴取

の機会として、教授会、基礎医学社会医学教授懇談会、教育担当者会議、准講会などが

あり、広く教員の意見を聴取する場が設けられている。

B. 質的向上のための水準に関する現状分析と自己評価

・統轄する組織として、委員会組織を設置し、教員の意見を反映させている点は評価で

きる。

C. 現状への対応

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165

・教員からの意見聴取・議論の機会として、教授会、基礎医学社会医学教授懇談会、教

育担当者会議、准講会など、あらゆる構成メンバーが参加できる場が設けられている。

・教育委員会では教員代表の意見を反映させて運営されている。

D. 改善に向けた計画

・医学教育に関する PDCAサイクルをよりよく機能させるため、教員の意見がよりリア

ルタイムに反映されるシステムを検討中である。

資料

・教育委員会規約

・基礎医学社会医学教授懇談会、教育担当者会議、准講会

統轄する組織として、委員会組織を設置し、下記の意見を反映させるべきである。

学生(Q 8.1.2)

A. 質的向上のための水準に関する情報

・教育委員会の責任範囲としては学則、大学案内に記載され実行されている。

・カリキュラムに関する学生の参画については、学年委員がカリキュラムに関する参画

を行っている。

・オクラホマ大学学生が医学教育について大学へ提言を行う FDを毎年行っている。

B. 質的向上のための水準に関する現状分析と自己評価

・教育に関して学生の意見を反映させている点は評価できる。一方で教学を統轄する組

織としての教育委員会組織に現時点で学生がメンバーでなく、より十分に学生の意見を

反映させる点については改善を要する。

C. 現状への対応

・学生がカリキュラムの設計、運営、評価や、学生に関連するその他の事項へより参画

できるよう、ヒアリング機会の増加、教育委員会への参画の程度について検討中である。

D. 改善に向けた計画

・学生の意見が教育委員会に反映させるシステムを構築中である。

・学生の意見が、教育カリキュラムおよび社会的活動や地域での医療活動に反映できる

体制を検討している。

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166

資料

・オクラホマ大学学生による FD

統轄する組織として、委員会組織を設置し、下記の意見を反映させるべきである。

その他教育に関わる関係者(Q 8.1.3)

A. 質的向上のための水準に関する情報

・慈恵会医科大学の教員と教育委員を含めた教育にかかわる教員との懇談会を定期的に

開催している。

・米国オクラホマ大学の医学教育教員と定期的に教育委員会にて懇談会を開催している。

B. 質的向上のための水準に関する現状分析と自己評価

・統轄する組織として、委員会組織を設置し、その他教育に関わる関係者の意見を反映

している点は評価できる。

C. 現状への対応

・オクラホマ大学のほか、英国リーズ大学など種々の教育にかかわる関係者の意見を集

約するシステムを構築中である。

・大学本院以外の教員(北部医療センターおよび協力病院の教員)からの意見を反映さ

せるシステムを構築中である。

D. 改善に向けた計画

・国内の提携校および国外の提携校からの関係者の意見を集約し、カリキュラムの評

価・改善に反映させる検証システム構築を予定している。

・特に臨床実習については、教育協力病院の種々の教育にかかわる関係者の意見を集約

するシステムの構築を予定している。

資料

・慈恵大学との懇談会資料

・オクラホマ大学との連携資料

統轄業務とその決定事項の透明性を確保するべきである。(Q 8.1.4)

A. 質的向上のための水準に関する情報

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167

・教育委員会での決定事項については、教授会および教育研究評議会に報告され議論さ

れている。

・教育委員会での決定事項について、その概要を教員および学生に周知して、透明性を

確保している。

B. 質的向上のための水準に関する現状分析と自己評価

・統轄業務とその決定事項の透明性を確保している点は評価できる。

C. 現状への対応

・教育委員会での決定事項については、個人情報に関する部分には配慮を行いながら、

個々の事例に応じてその公表については対応している。

D. 改善に向けた計画

・教育委員会での決定事項の透明性を確保する一方で、同会議で議論される個人情報の

保護に関する判断とのバランスについて、法的な解釈も含めてその整備を行う予定であ

る。

資料

・教授会資料

8.2 教学のリーダーシップ

基本的水準:

医科大学・医学部は

医学教育プログラムの定義と運営に向けた教学のリーダーシップの責務を明確

に示さなければならない。(B 8.2.1)

質的向上のための水準:

医科大学・医学部は

教学におけるリーダーシップの評価を、医科大学・医学部の使命と教育成果につ

いて定期的に行うべきである。(Q 8.2.1)

注 釈:

[教学のリーダーシップ]とは、教育、研究、臨床における教学の事項の決定に責

任を担うポジションにある人を指し、学長、学部長、学部長代理、副学部長、講

座の主宰者、コース責任者、機構および研究センターの責任者のほか、常置委員

会の委員長(例:学生の選抜、カリキュラム立案、学生のカウンセリング)など

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168

が含まれる。

医学教育プログラムの定義と運営に向けた教学のリーダーシップの責務を明確に示さ

なければならない。(B 8.2.1)

A. 基本的水準に関する情報

・教育、研究、臨床における教学の事項の決定に責任を担う役職としては、学長、教育

担当副学長、学生部長、研究部長、教養部長、講座の主宰者、コース責任者、常置委員

会(教育委員会、入試委員会)の委員長があげられる。

B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価

・医学教育プログラムの定義と運営に向けた教学のリーダーシップの責務を明確に示さ

れている点は評価できる。

C. 現状への対応

・学長、教育担当副学長、学生部長のリーダーシップの責務が明示され、より迅速な意

思決定システムが行える体制となっている。

D. 改善に向けた計画

・医学教育に関する PDCAサイクルをより効果的に機能させるため、リアルタイムにリ

ーダーシップを発揮できる意思決定システムについて議論されている。

資料

・副学長規程

・教育委員会規程

・入試委員会規程

・IRセンター規程

教学におけるリーダーシップの評価を、医科大学・医学部の使命と教育成果について定

期的に行うべきである。(Q 8.2.1)

A. 質的向上のための水準に関する情報

・教学におけるリーダーシップの評価については、策定されている中期計画にて評価さ

れている。

B. 質的向上のための水準に関する現状分析と自己評価

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・教学におけるリーダーシップの評価を、医科大学・医学部の使命と教育成果について

定期的に行っている点は評価できる。

C. 現状への対応

・教学におけるリーダーシップについては、中期計画に対する評価のみならず、IRセ

ンターによる内部質評価および外部評価者による評価を行う予定である。

D. 改善に向けた計画

・教学におけるリーダーシップについて、客観的な評価項目および評価方法の策定を計

画している。

資料

・中期計画およびその評価

8.3 教育予算と資源配分

基本的水準:

医科大学・医学部は

カリキュラムを遂行するための教育関係予算を含む責任と権限のある範囲を明

示しなければならない。(B 8.3.1)

カリキュラムの実施に必要な資源を配分し、教育上のニーズに沿って教育資源を

分配しなければならない。(B 8.3.2)

質的向上のための水準:

医科大学・医学部は

意図した教育成果を達成するために、教員の報酬を含む教育資源配分の決定につ

いて適切な自己決定権をもつべきである。(Q 8.3.1)

資源の配分においては、医学の発展と社会の健康上のニーズを考慮すべきであ

る。(Q 8.3.2)

注 釈:

[教育予算]はそれぞれの機関と国の予算の執行に依存し、医科大学・医学部での

透明性のある予算計画にも関連する。

[資源配分]は組織の自律性を前提とする(1.3の注釈を参照)。

[教育予算と資源配分]は学生と学生組織への支援をも含む(B 4.3.3 および 4.4

の注釈を参照)。

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カリキュラムを遂行するための教育関係予算を含む責任と権限のある範囲を明示しな

ければならない。(B 8.3.1)

A. 基本的水準に関する情報

・カリキュラムを遂行するための教育関係予算およびその責任と権限について、大学規

程で規定されている。

・予算内配分の責任と権限については、教育委員会及び教授会の答申に基づき学長のリ

ーダーシップのもと決定されている。

B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価

・カリキュラムを遂行するための教育関係予算を含む責任と権限のある範囲を明示して

いる点は評価できる。

C. 現状への対応

・教育関係予算に関する費用対効果(教育効果に関する経済的効率性)について評価方

法を開発中である。

D. 改善に向けた計画

・絶えず変化する PDCAに則った、教育関係予算の迅速な意思決定および、年度内にお

いても弾力的に運用できる予算配分システムを計画している。

資料

・大学の予算決定方法に関する資料

・予算配分および予算に関する大学の責任・権限に関する資料

カリキュラムの実施に必要な資源を配分し、教育上のニーズに沿って教育資源を分配し

なければならない。(B 8.3.2)

A. 基本的水準に関する情報

・カリキュラムの実施に必要な経済的および人的資源の配分については、教育委員会及

び教授会の答申に基づき学長のリーダーシップのもと決定されている。

・教育上のニーズに沿って教育資源を分配する組織としては、教育委員会が自律性を持

った組織として機能している。

B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価

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・カリキュラムの実施に必要な資源を配分し、教育上のニーズに沿って教育資源を分配

している点は評価できる。

C. 現状への対応

・教育評価の結果を教育資源の配分に反映させるシステムを構築中である。

・教育関係予算に関する費用対効果(教育効果に関する経済的効率性)について評価方

法を開発中である。

D. 改善に向けた計画

・今後も変化する教学環境に応じて、その資源分配についてより迅速で弾力的な運用が

できる体制を計画している。

資料

・教員配置に関する資料

・教育予算分配に関する資料

意図した教育成果を達成するために、教員の報酬を含む教育資源配分の決定について適

切な自己決定権をもつべきである。(Q 8.3.1)

A. 質的向上のための水準に関する情報

・意図した教育成果を達成するために、教員の配置、予算を含む教育資源配分の決定に

ついては、教員の業績評価、行政・社会からのニーズに応じて決定されている。

B. 質的向上のための水準に関する現状分析と自己評価

・意図した教育成果を達成するために、教員の報酬を含む教育資源配分の決定について

適切な自己決定権を持っている点は評価できる。

C. 現状への対応

・本学の教員および学生のニーズに応じて、大学の意思として新規講座の開設など必要

な教育資源配分を行っている。

・上記の近年の例として、平成26年に医療統計学講座が新設された。

D. 改善に向けた計画

・より社会ニーズに応じた時宜に応じた資源配分が必要であり、そのためのリーダーシ

ップおよび迅速な意思決定システムを計画している。

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172

資料

・新講座に関する資料

資源の配分においては、医学の発展と社会の健康上のニーズを考慮すべきである。

(Q 8.3.2)

A. 質的向上のための水準に関する情報

・教員の報酬を含む教育資源配分の決定については、本学の理念である「世界トップレ

ベルの医学を地域の医療へ」に基づき、医学の発展と社会ニーズおよび行政からのニー

ズに応じて決定されている。

B. 質的向上のための水準に関する現状分析と自己評価

・意図した教育成果を達成するために、教員の報酬を含む教育資源配分の決定について、

医学の発展と社会の健康上のニーズを考慮されている点は評価できる。

C. 現状への対応

・平成25年度に地域医療の教育研究診療の拠点としての、北部医療センターが開設さ

れた。

・平成26年度以降、新規講座として、医療統計学、医療倫理学等が設置された。

D. 改善に向けた計画

・今後も本学の教員および学生のニーズに応じて、大学の意思として新規講座の開設な

ど必要な教育資源配分を行う予定である。

・学長及び執行部のリーダーシップにより、社会ニーズに対応して時宜に応じた資源配

分を行う予定である。

資料

・新講座に関する資料

8.4 事務組織と運営

基本的水準:

医科大学・医学部は

以下のことを行うのに適した事務組織および専門組織を設置しなければならな

い。

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173

教育プログラムと関連の活動を支援する(B 8.4.1)

適切な運営と資源の配分を確実に実施する(B 8.4.2)

質的向上のための水準:

医科大学・医学部は

定期的な点検を含む管理運営の質保証のための制度を作成し履行すべきである。

(Q 8.4.1)

注 釈:

[事務組織]とは、方針決定と方針ならびに計画の履行を支援する管理運営組織の

職位と人材を意味し、運営上の組織的構造によって異なるが―学部長室・事務局

の責任者、スタッフ、財務の責任者、予算および財務局のスタッフ、入試事務局

の責任者およびスタッフ、プランニング、人事、ITの各部門の責任者およびス

タッフが含まれる。

[運営]とは、組織と教育プログラムの方針(ポリシー)に基づく執行に主に関わ

る規則および体制を意味し、これには経済的、組織的な活動、すなわち医科大学

内の資源の実際の配分と使用が含まれる。組織と教育プログラムの方針(ポリシ

ー)に基づく執行は、使命、カリキュラム、入学許可、教員募集、および外部と

の関係に関する方針と計画を実行に移すことを含む。

[事務組織の適切性]とは、必要な能力を備えた事務職の人員体制を意味する。

[管理運営の質保証のための制度]には、改善の必要性の検討と運営の検証が含ま

れる。

以下のことを行うのに適した事務組織および専門組織を設置しなければならない。

教育プログラムと関連の活動を支援する(B 8.4.1)

A. 基本的水準に関する情報

・方針決定と方針ならびに計画の履行を支援する管理運営組織として学生課が整備され

ている。学生課の業務範囲としては、入試関連から教育プログラム関連活動にわたって

いる。

・学生課の大学内における位置づけおよびその組織については、大学規程に記載されて

いる。

・IT部門については総合情報センターおよび図書館が機能している。

B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価

・教育プログラムと関連の活動を支援する事務組織および専門組織が設置されている点

は評価できる。

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174

C. 現状への対応

・学生課の業務については、近年その分量の増大と複雑化が課題となってきており、事

務部門としての組織の拡大が必要で、非常勤職員を増員している。

D. 改善に向けた計画

・本学の教育の特徴である卒前教育と卒後教育の一貫性をより機能的に行うために、卒

後研修部門との事務的業務について連携及び、横断的組織としての一体化も議論してい

る。

・医学教育に係る業務は近年増大しているため、事務部門の組織・人員の充実化を計画

している。

資料

・学生課および事務組織関連資料

以下のことを行うのに適した事務組織および専門組織を設置しなければならない。

適切な運営と資源の配分を確実に実施する(B 8.4.2)

A. 基本的水準に関する情報

・使命、カリキュラム、入学許可、教員募集、および外部との関係に関する方針と計画

を実行に移すことを含む業務を行う事務組織として学生課が組織されている。

・学生課の業務範囲としては、入試関連から教育プログラム関連活動にわたっている。

・学生課の組織は、学則で規定されている。

・IT部門については総合情報センターおよび図書館が機能している。

B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価

・適切な運営と資源の配分を確実に実施するのに適した事務組織および専門組織を設置

している点は評価できる。

C. 現状への対応

・教育委員会の管理のもと、組織と教育プログラムの方針に基づく執行は、使命、カリ

キュラム、入学許可、教員募集、および外部との関係に関する方針と計画を実行に移し

ている。

D. 改善に向けた計画

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175

・本学の教育の特徴である卒前教育と卒後教育の一貫性をより機能的に行うために、卒

後研修部門との連携・一体化も必要である。

・医学教育に係る業務は近年増大しているため、組織・人員の充実化が望まれる。

資料

・大学事務組織資料

定期的な点検を含む管理運営の質保証のための制度を作成し履行すべきである。

(Q 8.4.1)

A. 質的向上のための水準に関する情報

・平成23年度より文部科学省の「基礎・臨床を両輪とした医学教育改革によるグロー

バルな医師養成」事業に選定され、内部質評価および外部質評価システムを構築し、定

期的な点検を含む管理運営の質保証のための制度を作成し履行している。

B. 質的向上のための水準に関する現状分析と自己評価

・定期的な点検を含む管理運営の質保証のための制度を作成し履行している点は評価で

きる。

C. 現状への対応

・内部質評価システムとして IRセンター、外部質評価システムとしてオクラホマ大学

を含む教員・学生交流システムを構築している。

D. 改善に向けた計画

・今後管理運営の質保証に関する PDCAサイクルを、効果的に運用する体制を計画して

いる。

資料

・グローバル医師育成資料、中間評価

8.5 保健医療部門との交流

基本的水準:

医科大学・医学部は

地域社会や行政の保健医療部門や保健医療関連部門と建設的な交流を持たなけ

ればならない。(B 8.5.1)

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176

質的向上のための水準:

医科大学・医学部は

スタッフと学生を含め、保健医療関連部門のパートナーとの協働を構築すべきで

ある。(Q 8.5.1)

注 釈:

[建設的な交流]とは、情報交換、協働、組織的な決断を含む。これにより、社会

が求めている能力を持った医師の供給が行える。

[保健医療部門]には、公立、私立を問わず、医療提供システムや、医学研究機関

が含まれる。

[保健医療関連部門]には、―問題や地域組織に依存するが― 健康増進と疾病予

防(例:環境、栄養ならびに社会的責任)を行う機関が含まれる。

[協働を構築する]とは、正式な合意、協働の内容と形式の記載、および協働のた

めの連絡委員会や協働事業のための調整委員会の設立を意味する。

地域社会や行政の保健医療部門や保健医療関連部門と建設的な交流を持たなければな

らない。(B 8.5.1)

A. 基本的水準に関する情報

・地域社会、行政の保健医療部門や保健医療関連部門として、学内に医療センターを設

置し、教員が京都府の行政官を併任するようにして有機的に連携している。

・カリキュラムを執行するうえでも、社会医学実習、地域実習を行っている。

B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価

・地域社会や行政の保健医療部門や保健医療関連部門と建設的な交流を持っている点は

評価できる。

C. 現状への対応

・保健医療部門および保健医療関連部門については卒後臨床研修教育、専門医教育でも

連携機関となっており、生涯教育にも関与している。

・地域社会および行政部門についても卒後臨床研修教育、専門医教育でも連携機関とな

っており、生涯教育にも関与している。

D. 改善に向けた計画

・専門医制度の変革に対応して、より建設的で縦断的な交流を構築する予定である。

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177

資料

・医療センター資料

・保健所一覧

・卒後研修センター資料

・社会医学実習

・地域医療実習

スタッフと学生を含め、保健医療関連部門のパートナーとの協働を構築すべきである。

(Q 8.5.1)

A. 質的向上のための水準に関する情報

・地域社会、行政の保健医療部門や保健医療関連部門とは学生を含め有機的に連携して

おり、カリキュラム内およびカリキュラム外の活動において協同関係を構築している。

・社会医学実習、地域実習では、隠れたプログラム、課外活動を含めた交流・協働関係

を構築している。

B. 質的向上のための水準に関する現状分析と自己評価

・スタッフと学生を含め、保健医療関連部門のパートナーとの協働を構築している点は

評価できる。

C. 現状への対応

・保健医療部門および保健医療関連部門については、学生のキャリアガイダンスにも参

画している。医療プロフェッショナルのレベルでも協働関係を構築しており、卒後臨床

研修教育、専門医教育でも連携機関となっており、生涯教育にも関与している。

D. 改善に向けた計画

・保健医療部門および保健医療関連部門と、学生のキャリア構築により資する関係を築

くことを計画している。

資料

・医療センター資料

・保健所一覧

・卒後研修センター資料

・社会医学実習

・地域医療実習

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179

9. 継続的改良

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180

9. 継続的改良

基本的水準:

医科大学・医学部は、活力を持ち社会的責任を果たす機関として

機関の組織と機能を定期的に自己点検し改善しなくてはならない。(B 9.0.1)

明らかになった課題を修正しなくてはならない。(B 9.0.2)

継続的改良のための資源を配分しなくてはならない。(B 9.0.3)

質的向上のための水準:

医科大学・医学部は

教育改善を前向きの調査と分析、自己点検の結果、および医学教育に関する文献

に基づいて行なうべきである。(Q 9.0.1)

教育改善と再構築は過去の実績、現状、そして将来の予測に基づく方針と実践の

改定となることを保証するべきである。(Q 9.0.2)

改良のなかで以下の点について取り組むべきである。

学是や教育成果を社会の科学的、社会経済的、文化的発展に適応させる。(Q

9.0.3)(1.1参照)

卒後の環境に必要とされる要件に従って目標とする卒業生の教育成果を修

正する。修正には卒後研修で必要とされる臨床技能、公衆衛生上の訓練、患

者ケアへの参画を含む。(Q 9.0.4)(1.4参照)

カリキュラムモデルと教育方法が適切であり互いに関連付けられているよ

うに調整する。(Q 9.0.5)(2.1参照)

基礎医学、臨床医学、行動および社会医学の進歩、人口動態や集団の健康/

疾患特性、社会経済および文化的環境の変化に応じてカリキュラムの要素と

要素間の関連を調整する。最新で適切な知識、概念そして方法を用いて改訂

し、陳旧化したものは排除されるべきである。(Q 9.0.6)(2.2から 2.6

参照)

目標とする教育成果や教育方法に合わせた評価の方針や試験回数を調整し、

評価方法を開発する。(Q 9.0.7)(3.1と 3.2参照)

社会環境や社会からの期待、求められる人材、初等中等教育制度および高等

教育を受ける要件の変化に合わせて学生選抜の方針、選抜方法そして入学者

数を調整する。(Q 9.0.8)(4.1と 4.2参照)

必要に応じた教員の採用と教育能力開発の方針を調整する。(Q 9.0.9)(5.1

と 5.2参照)

必要に応じた(例えば入学者数、教員数や特性、そして教育プログラム)教

育資源の更新を行なう。(Q 9.0.10)(6.1から 6.3参照)

教育プログラムの監視ならびに評価過程を改良する。(Q 9.0.11)(7.1か

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181

ら 7.3参照)

社会環境および社会からの期待の変化、時間経過、そして教育に関わる多方面の

関係者の関心に対応するために、組織や管理・運営制度を開発・改良する。(Q

9.0.12)(8.1から 8.5参照)

医科大学・医学部は、活力を持ち社会的責任を果たす機関として

機関の組織と機能を定期的に自己点検し改善しなくてはならない。(B 9.0.1)

A. 基本的水準に関する情報

・機関の組織と機能を定期的に自己点検し改善するために、中期計画を策定して実行し、

評価を受け改善につなげている。

・大学機関別認証を定期的に受審し、評価を受け改善につなげている。

B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価

・医科大学・医学部は、活力を持ち社会的責任を果たす機関として、機関の組織と機能

を定期的に自己点検し改善している点は評価できる。

C. 現状への対応

・平成26年度に第 2期中期計画が策定され実施している。

・大学機関別認証は平成22年に受審している。

D. 改善に向けた計画

・機関の組織と機能を定期的な自己点検および改善については、短期・中期・長期のそ

れぞれの時間的区切りで今後も検討を続けてゆく予定である。

資料

・中期計画

・大学機関別認証資料

医科大学・医学部は、活力を持ち社会的責任を果たす機関として

明らかになった課題を修正しなくてはならない。(B 9.0.2)

A. 基本的水準に関する情報

・中期計画の実施状況から明らかになった課題について、改善できるものであれば速や

かに改善を行っている。

・中期計画の評価を次期計画にもりこんで改善につなげている。

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182

・大学機関別認証を定期的に受審し、評価を受け改善につなげている。

B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価

・医科大学・医学部は、活力を持ち社会的責任を果たす機関として、明らかになった課

題を修正している点は評価できる。

C. 現状への対応

・平成26年度に第 2期中期計画が策定され実施している。

・大学機関別認証は平成22年に受審している。

D. 改善に向けた計画

・社会的責任についての定期的な自己点検および改善については、今後も社会・行政の

ニーズを取り入れながらの検討を予定している。

資料

・中期計画

・大学機関別認証

医科大学・医学部は、活力を持ち社会的責任を果たす機関として

継続的改良のための資源を配分しなくてはならない。(B 9.0.3)

A. 基本的水準に関する情報

・社会的責任を果たす機関として、継続的改良のための資源を配分するよう、中期計画

に記載されている。

・継続的改良のための資源を配分については大学機関別認証にても評価されている。

B. 基本的水準に関する現状分析と自己評価

・医科大学・医学部は、活力を持ち社会的責任を果たす機関として、継続的改良のため

の資源を配分している点は評価できる。

C. 現状への対応

・短期的な資源配分については、教育研究評議会で年度計画を立てて実行している

・平成26年度に第 2期中期計画が策定され実施している。

D. 改善に向けた計画

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183

・資源配分については、長期の計画に沿って行う部分と、速やかに対応しなければなら

ない部分があるので、そのバランスを考慮して実行することも議論されている。

資料

・中期計画

・大学機関別認証

教育改善を前向きの調査と分析、自己点検の結果、および医学教育に関する文献に基づ

いて行なうべきである。(Q 9.0.1)

A. 質的向上のための水準に関する情報

・教育改善に関する議論は、教育委員会、教授会等を含め、最新の医学教育理論・文献

に基づいて行われている。

・IRセンターではカリキュラムの信頼性と妥当性について、最新の医学教育理論・文

献に基づいて行われている。

・EPAなどの最新の医学教育理論・文献に基づいて行われている。

B. 質的向上のための水準に関する現状分析と自己評価

・教育改善を前向きの調査と分析、自己点検の結果、および医学教育に関する文献に基

づいて行なわれている点は評価できる。

C. 現状への対応

・カリキュラム改善、教育改善に関して、改変前後の教育アウトカムについて、前向き

の調査と分析を行っている。

・教育改善等により得られたデータについては、積極的に論文・学会発表などで積極的

に発信している。

D. 改善に向けた計画

・本学の特性を考慮して、前向きの調査と分析データによる内部評価から、教学に関す

る PDCAにつなげるシステムを構築中である。

資料

・FD資料

・IRセンター分析資料

・EPA資料

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184

教育改善と再構築は過去の実績、現状、そして将来の予測に基づく方針と実践の改定と

なることを保証するべきである。(Q 9.0.2)

A. 質的向上のための水準に関する情報

・カリキュラムの信頼性と妥当性について、最新の医学教育理論・文献に基づいて行わ

れている。

・IRセンターから得られた分析結果をもとに、教育委員会、教授会にて、最新の社会

状況、医療状況、将来予測を加味して、教育改善及び新たなカリキュラムの構築を行っ

ている。

B. 質的向上のための水準に関する現状分析と自己評価

・教育改善と再構築は過去の実績、現状、そして将来の予測に基づく方針と実践の改定

となることを保証されている点は評価できる。

C. 現状への対応

・教学およびカリキュラム改善については、内部質評価および外部質評価システムを構

築している。

D. 改善に向けた計画

・IRセンターおよび教育委員会によるより効率的な PDCAサイクルを構築することを計

画している。

資料

・IRセンター資料

改良のなかで以下の点について取り組むべきである。

学是や教育成果を社会の科学的、社会経済的、文化的発展に適応させる。(Q 9.0.3)

(1.1参照)

A. 質的向上のための水準に関する情報

・本学のミッションの基本は揺るがないものであるが、社会の科学的、社会経済的、文

化的発展により、その実現への方略は変容するものである。改良については、社会・行

政からの声を反映させつつ、不断の改善・改良を行ってゆくシステムが整備されている。

・上記のシステムとして 6年ごとに中期目標を制定している。

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185

B. 質的向上のための水準に関する現状分析と自己評価

本学の伝統に基づく理念や教育成果を、社会の科学的、社会経済的、文化的発展に適

応させている点は評価できる。

C. 現状への対応

・現状のアウトカムについては社会の科学的、社会経済的、文化的発展に適応させ変容

するものであるが、各学年カリキュラムについては 8年間の一貫教育し視点から検討さ

れている。

D. 改善に向けた計画

・社会の科学的、社会経済的、文化的発展に応じて、コアコンピテンスの改変の必要性

が生じたときに、これに対応できる組織・システムを構築中である。

資料

(1.1参照)

・ミッション

・中期目標

改良のなかで以下の点について取り組むべきである。

卒後の環境に必要とされる要件に従って目標とする卒業生の教育成果を修正する。

修正には卒後研修で必要とされる臨床技能、公衆衛生上の訓練、患者ケアへの参画

を含む。(Q 9.0.4)(1.4参照)

A. 質的向上のための水準に関する情報

・本学学生の 1/2~2/3は卒後のフォローアップが可能であり、IRセンターにてその

データ分析を行っている。

・上記のデータから卒後研修で必要とされる臨床技能、公衆衛生上の訓練、患者ケアへ

の参画について、教育成果を修正できる体制が整っている。

B. 質的向上のための水準に関する現状分析と自己評価

卒後の環境に必要とされる要件に従って目標とする卒業生の教育成果を修正する。修

正には卒後研修で必要とされる臨床技能、公衆衛生上の訓練、患者ケアへの参画ができ

ている点は評価できる。

C. 現状への対応

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186

・本学学生の 1/2~2/3は卒後のフォローアップが可能であり、IRセンターにてその

データ分析を行っている。

D. 改善に向けた計画

・他学出身の卒後アウトカム評価についても調査できる体制を計画している。

・より正確にアウトカムを評価できるような卒業生評価方法・アラムナイ評価方法を検

討している。

資料

(1.4参照)

改良のなかで以下の点について取り組むべきである。

カリキュラムモデルと教育方法が適切であり互いに関連付けられているように調

整する。(Q 9.0.5)(2.1参照)

A. 質的向上のための水準に関する情報

アウトカム基盤型カリキュラムとしてのカリキュラムモデルと、将来すべての領域に

進むことのできるコンピテンシーを涵養する教育方法が、適切であり互いに関連付けら

れているように調整している。

・長期のアウトカムデータを集積することにより、カリキュラムモデルと教育方法が適

切であり互いに関連付けられているように調整している。

B. 質的向上のための水準に関する現状分析と自己評価

カリキュラムモデルと教育方法が適切であり互いに関連付けられているように調整

できている点は評価できる。

C. 現状への対応

・カリキュラムモデルと教育方法に関して PDCAサイクルを効果的に回転させるために、

IRセンターのデータ分析をもとに教育委員会で評価を行う体制が構築されている。

D. 改善に向けた計画

・卒前教育においてもEPAおよびマイルストーンによるアウトカム基盤型の評価シス

テムを導入すべく、調査を行っている。

資料

(2.1参照)

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改良のなかで以下の点について取り組むべきである。

基礎医学、臨床医学、行動および社会医学の進歩、人口動態や集団の健康/疾患特

性、社会経済および文化的環境の変化に応じてカリキュラムの要素と要素間の関連

を調整する。最新で適切な知識、概念そして方法を用いて改訂し、陳旧化したもの

は排除されるべきである。(Q 9.0.6)(2.2から 2.6参照)

A. 質的向上のための水準に関する情報

基礎医学、臨床医学、行動および社会医学の進歩、人口動態や集団の健康/疾患特性、

社会経済および文化的環境の変化に応じて、カリキュラムの要素と要素間の関連を調整

する場として、教育委員会、教育研究評議会があり、適切な知識、概念、方法を用いて

改訂し、陳旧化したものは排除されるように調整している。

・長期のアウトカムデータを集積することにより、カリキュラムモデルと教育方法が適

切であり互いに関連付けられているように調整している。

B. 質的向上のための水準に関する現状分析と自己評価

基礎医学、臨床医学、行動および社会医学の進歩、人口動態や集団の健康/疾患特性、

社会経済および文化的環境の変化に応じてカリキュラムの要素と要素間の関連を調整

できている点は評価できる。

C. 現状への対応

・基礎医学、臨床医学、行動および社会医学の進歩、人口動態や集団の健康/疾患特性、

社会経済および文化的環境の変化に応じてカリキュラムの要素と要素間の関連を調整

し、PDCAサイクルを効果的に回転させるために、IRセンターのデータ分析をもとに教

育委員会で評価を行う体制が構築されている。

D. 改善に向けた計画

・各分野のトップランナーである教員全員が、最先端の基礎医学、社会医学、臨床医学

の情報を教育に取り入れ、卒前及び卒後教育を含めた教育能力を涵養するための教育F

D,セミナーを充実化させてゆく予定である。

資料

(2.2から 2.6参照)

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改良のなかで以下の点について取り組むべきである。

目標とする教育成果や教育方法に合わせた評価の方針や試験回数を調整し、評価方

法を開発する。(Q 9.0.7)(3.1 と 3.2参照)

A. 質的向上のための水準に関する情報

目標とする教育成果や教育方法に合わせた評価の方針や試験回数を調整し、評価方法

を開発できるように調整できている。

・長期のアウトカムデータを集積することにより、カリキュラムモデルと教育方法が適

切であり互いに関連付けられているように調整している。

B. 質的向上のための水準に関する現状分析と自己評価

改良のなかで目標とする教育成果や教育方法に合わせた評価の方針や試験回数を調

整し、評価方法を開発している点は評価できる。

C. 現状への対応

・カリキュラムモデルと教育方法に関して PDCAサイクルを効果的に回転させるために、

IRセンターのデータ分析をもとに教育委員会で評価を行う体制が構築されている。

D. 改善に向けた計画

・現在、臨床実習終了時 OSCE、卒業試験などについて、試験の方針・回数について議

論がなされている。

資料

(3.1 と 3.2参照)

改良のなかで以下の点について取り組むべきである。

社会環境や社会からの期待、求められる人材、初等中等教育制度および高等教育を

受ける要件の変化に合わせて学生選抜の方針、選抜方法そして入学者数を調整す

る。(Q 9.0.8)(4.1 と 4.2参照)

A. 質的向上のための水準に関する情報

社会環境や社会からの期待、求められる人材、初等中等教育制度および高等教育を受

ける要件の変化に合わせて学生選抜の方針、選抜方法そして入学者数を調整できている。

・長期のアウトカムデータを集積することにより、カリキュラムモデルと教育方法が適

切であり互いに関連付けられているように調整している。

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B. 質的向上のための水準に関する現状分析と自己評価

改良のなかで、社会環境や社会からの期待、求められる人材、初等中等教育制度およ

び高等教育を受ける要件の変化に合わせて学生選抜の方針、選抜方法そして入学者数を

調整に取り組んでいる点は評価できる。

C. 現状への対応

・カリキュラムモデルと教育方法に関して PDCAサイクルを効果的に回転させるために、

IRセンターのデータ分析をもとに教育委員会で評価を行う体制が構築されている。

・入口管理としての入学選抜におけるデータを卒業時データとリンクさせ、現行の選抜

方法の妥当性検証作業の準備を開始できる体制を整えている。

D. 改善に向けた計画

・教育アウトカムとしてのEPAおよびマイルストーンを、どのように入学選抜方法に

反映するかについては慎重に議論を行ってゆく予定である。

資料

(4.1 と 4.2参照)

改良のなかで以下の点について取り組むべきである。

必要に応じた教員の採用と教育能力開発の方針を調整する。(Q 9.0.9)(5.1 と 5.2参

照)

A. 質的向上のための水準に関する情報

教員の採用と教育能力開発の方針については、教育研究評議会及び教育員会にて調整

されている。

・業績評価で長期のアウトカムデータを集積することにより、教員の実績・教育能力の

評価を行っている。

B. 質的向上のための水準に関する現状分析と自己評価

改良のなかで、必要に応じた教員の採用と教育能力開発の方針を調整に取り組んでい

る点は評価できる。

C. 現状への対応

・カリキュラムモデルと教育方法に関して PDCAサイクルを効果的に回転させるために、

IRセンターのデータ分析をもとに教育委員会で評価を行う体制が構築されている。

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・教育リソースの確保及び質の保証と、教育効果との関係を評価する指標を開発する予

定である。

D. 改善に向けた計画

・本学の理念とする教育アウトカムに沿った教員の採用と能力開発について、リアルタ

イムの評価を行う計画である。

資料

(5.1と 5.2参照)

改良のなかで以下の点について取り組むべきである。

必要に応じた(例えば入学者数、教員数や特性、そして教育プログラム)教育資源

の更新を行なう。(Q 9.0.10)(6.1から 6.3参照)

A. 質的向上のための水準に関する情報

教育研究評議会では教育委員会からの答申をうけて、必要に応じて、入学者数、教員

数や特性、そして教育プログラム等の教育資源の更新と調整ができる体制にある。

・教員業績評価などを利用して、長期のアウトカムデータを集積することにより、教育

資源が適切であり互いに関連付けられているように調整している。

B. 質的向上のための水準に関する現状分析と自己評価

改良のなかで、入学者数、教員数や特性、そして教育プログラムなどの教育資源を必

要に応じて更新できている点は評価できる。

C. 現状への対応

・カリキュラムモデルと教育方法に関して PDCAサイクルを効果的に回転させるために、

IRセンターのデータ分析をもとに教育委員会で評価を行う体制が構築されている。

D. 改善に向けた計画

・教育アウトカムに応じて、入学者数、教員数や特性、そして教育プログラムなどの教

育資源を必要に応じて更新できるための、リーダーシップ体制を計画している。

資料

(6.1から 6.3参照)

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改良のなかで以下の点について取り組むべきである。

教育プログラムの監視ならびに評価過程を改良する。(Q 9.0.11)(7.1から 7.3参照)

A. 質的向上のための水準に関する情報

教育委員会及び IR センターにて、教育プログラムの監視ならびに評価過程を評価し

改良するシステムが調整できている。

・長期のアウトカムデータを集積することにより、教育プログラムが適切に運営されて

いるか及び、その評価方法が妥当であるかについて議論される場として、教育委員会及

び教育研究評議会が設定されている。

B. 質的向上のための水準に関する現状分析と自己評価

教育プログラムの監視ならびに評価過程を改良できている点は評価できる。

C. 現状への対応

・カリキュラムモデルと教育方法に関して PDCAサイクルを効果的に回転させるために、

データ分析をもとに教育委員会、教授会、教育研究評議会で評価を行う体制が構築され

ている。

D. 改善に向けた計画

・EPAおよびマイルストーンによる評価を行う計画である。

資料

(7.1から 7.3参照)

改良のなかで以下の点について取り組むべきである。

社会環境および社会からの期待の変化、時間経過、そして教育に関わる多方面の関

係者の関心に対応するために、組織や管理・運営制度を開発・改良する。(Q 9.0.12)

(8.1から 8.5参照)

A. 質的向上のための水準に関する情報

社会環境および社会からの期待の変化、時間経過、そして教育に関わる多方面の関係

者の関心に対応するために、学長のリーダーシップのもと、教育研究評議会、教授会お

よび教育委員会が組織され、管理・運営制度を開発・改良できるように調整している。

B. 質的向上のための水準に関する現状分析と自己評価

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社会環境および社会からの期待の変化、時間経過、そして教育に関わる多方面の関係

者の関心に対応するために、組織や管理・運営制度を開発・改良できている点は評価で

きる。

C. 現状への対応

・教学体制に関して PDCAサイクルを効果的に回転させるために、データ分析をもとに

教育委員会、教授会、教育研究評議会で評価を行う体制が構築されている。

D. 改善に向けた計画

・今後の社会情勢、教育情勢に応じて、より迅速で弾力的な組織とリーダーシップにつ

いて議論されている。

資料

(8.1から 8.5参照)