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「接頭辞J Pe ーの一考察 (pemer ー, pemer an の造語過程〉 K.S. スディアルタ I. はじめに インドネシア語を教えるにあたって困るのは,日本の学生のために良い テキストがないということで、ある。インドネシア語文法に関する参考書も すくないし,日本で出版されたものは,ほんの 2,3 冊しかないのが現状 なのである。 さて,文法問題の中,品詞論に関してとくに問題になるのは,接頭・接 尾辞の意味とその用法であることは衆知の事実であろう。たとえば, me-, ber ,の用法と意味や, me ”と ber の相違や,-kanとー i はどうちがうと か, memper -の意味・用法, pe -の意味,用法,-an の意味, pe/pe-an 意味などがこれまで一般的に説明されてきたのである。諸学者の意見,説 明もまちまちで,その説明をどう解釈したらよいか困る場合が多く,ほと んどの問題が未解決のままで放置されているようにみえる。かかる状態で あっても,教育現場で直接学生に教える立場にあるとこれらを放置してお けないので,ここに,諸学者の意見を参考にし,批判を若干試みつつ筆者 の見解を述べるのが本稿執筆の一つの目的である。 本稿は論文というよりも,メモの域を出ないものであるが,筆者なりの ささやかな努力の一端をここにまとめ,御教示を仰ぎつつ,もって塩谷先 生の還暦の記念に捧げるものである。 II. 問題の所在 S.TakdirAlisjahb a の「新文法」(tatabahasabaru )の29 頁に次のよ うに述べられている。

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Page 1: 「接頭辞J Pe ーの一考察opac.tenri-u.ac.jp/opac/repository/metadata/1140/GKH...接頭辞pe -の一考察 14. pembedaan さらに以上を形態だけで示せば次の3つの型に要約できると考える。

「接頭辞J Pe ー の 一考察

(pemer ー, pemer ~an の造語過程〉

K. S. スディアルタ

I. はじめに

インドネシア語を教えるにあたって困るのは,日本の学生のために良い

テキストがないということで、ある。インドネシア語文法に関する参考書も

すくないし,日本で出版されたものは,ほんの 2, 3冊しかないのが現状

なのである。

さて,文法問題の中,品詞論に関してとくに問題になるのは,接頭・接

尾辞の意味とその用法であることは衆知の事実であろう。たとえば, me-,

ber ,の用法と意味や, me ”と ber の相違や,-kan とーiはどうちがうと

か, memper -の意味・用法, pe -の意味,用法,-an の意味, pe/pe-an の

意味などがこれまで一般的に説明されてきたのである。諸学者の意見,説

明もまちまちで,その説明をどう解釈したらよいか困る場合が多く,ほと

んどの問題が未解決のままで放置されているようにみえる。かかる状態で

あっても,教育現場で直接学生に教える立場にあるとこれらを放置してお

けないので,ここに,諸学者の意見を参考にし,批判を若干試みつつ筆者

の見解を述べるのが本稿執筆の一つの目的である。

本稿は論文というよりも,メモの域を出ないものであるが,筆者なりの

ささやかな努力の一端をここにまとめ,御教示を仰ぎつつ,もって塩谷先

生の還暦の記念に捧げるものである。

II. 問題の所在

S. Takdir Alisjahb 姐 a の「新文法」(tatabahasa baru )の29 頁に次のよ

うに述べられている。

Page 2: 「接頭辞J Pe ーの一考察opac.tenri-u.ac.jp/opac/repository/metadata/1140/GKH...接頭辞pe -の一考察 14. pembedaan さらに以上を形態だけで示せば次の3つの型に要約できると考える。

4 天理大学学報

Awalan pe ・ terdapat dalam bahasa Indonesia dengan awalan atau a凶 iran

yang lain.

Telah kita lihat bahwa dalam bentuk 同 a kerja aw ぬ n pe- dan teru 匂ma

pe ト sering mendapat awalan me (m )・. Kalau mungkin mendapat awalan

me (m )” tentulah mungkin mendapat awalan di ・ dan ter-.

Dalam bentuk kata benda tentulah awalan pe- mungkin mendapat awalan

ber-. Tetapi yang penting bagi kita sekarang ialah kombinasi yang lain,

yaitu kombinasi dengan akhiran ・kan dan dengan akhiran -an.

上の意見を整理すると次のようになる。つまり Pe-/ Per -を一括して説

明している。それは以下のごとくである。

Pe/ Per -の用法として,

a. 動調を形成するものとして,

1. memperbudak

2. 仰 mperadik

3. 仰 mpertinggi

4. mempertimba

そして kombinasi として,接尾辞-kan を取り得る。たとえば

5. 即 mpersatukan

6. 仰 mperlihatkan

7. mempertin ukan

b. 名詞を形成するもの。

1. penjahit

2. pengopi

3. pesuruh

4. (se)pemeluk

5. pelaut

6. penengah

7. pemuda

8. pemanis

9. pelayar

10. pedagang

11. perburu

12. pemburu

さらに~ an との kombinasi は名詞をつくる。

13. perbedaan

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接頭辞 pe -の一考察

14. pembedaan

さらに以上を形態だけで示せば次の 3 つの型に要約できると考える。

第 1型(mem)per ー(kan)

第2 型 pe ”/ per ~.第3型 pe- / per ~an

5

この 3 つの型を中心にして,以下詳細に検討を試みるわけであるが,そ

の前に,ここで問題点を指摘しておく。

さて, Takdir は pe- / per 圃を一括して取扱ったと指摘したがそのことは

pe +トという表記法をとったことからも明らかである。すなわち pe -は pe

+ bu- nyi sengau または pe 十r-という pe -と同じものとみなし,その相

違は単なる機能上の違い,つまり,名詞を作るか,動詞を作るかの差異だ

けで説明している。かかる考え方や説明の仕方は,また一般の文法警にも

見られるのであるが,これで果してよいかというのが一つの疑問点である。

造語法についていうならば,これまでの説明は語根中心,たとえば,

(mem)-per +語根+ (-i / -kan), pe /per +語根, pe /per 十語根+an とい

う過程を経て説明されている。また逆に penerangan ということばを説明

するのに,このことばの形態分析として,接頭辞と接尾辞をとり出し,そ

の残りが語根であると分解していく機械的な操作がとられてきたのであっ

た。この様な機械的形態論,あるいは操作が無反省に一般の文法書で取扱

っているのが実情である。かかる機械的な形態的な面に終始するやり方と

並行して文脈依存,または語根の性格,品詞にもとづく接頭辞,接尾辞の

意味の分析,分類を目的とする方法論がとられてきているのであるが,果

してこれでよいかどうかを検討すべき時期にきていると筆者は考えるので

ある。さらに,これまでの文法から問題点を抽出して示せば次のごとくで

ある。

0 上掲のb. ②.の pengopi の語根の kopi には動作性の語根であると Takdir は説

明しているが,他の文法書では pe+b. s. +名詞としているのはなぜであろうか。

O 上掲のb.R. の pesuruh のような pe -は penyuruh の pe ・と全く反対の意味に

なるのはなぜか。

0 上掲のb.c. の sepemeluk の pe -は se -を前提にして,はじめて「尺度」の意

味になるのはなぜか,さらに,もしこの pe -がorang または alat を意味するな

らば,なぜ「尺度J を意味するようになったか。

0 上掲のh ⑦.@.のような pe +形容詞の造語法を経てで、きたことばの意味がなぜ

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6 天理大学学報

ニ通りに解釈できるのか。たとえば, Pembesar itu kaya と alat pembesar lo ・

bang の場合。

0 もしb..⑫.の pemburu の pe -が,⑬の pemburuan の pe ・と同じものならば,

なぜ, pemburuan には orang, alat の意味がないのか。

0 文脈から離れて penerangan ということばには,「照明」と「報道J というこ通り

の意味があるのをどう説明するか。

Quang pembeli beras のような場合,果して uang untuk membeli beras の意味

であるかどうか,それに「米の買手のお金」と「米の購入費」というこ通りに解

釈されうるのはなぜか。

Qpersatuan ということばは, mempersatukan の語根, persatu に接尾辞却をつ

けたものだと C. A. Mees はいうが, Husain Munaf は bersatu からできたも

のとし、う。なぜ、このような喰いちがいが起ったか。

Qpermersatu とか pemersoalan とかいう新しいことばの造語法を特別扱いせずに,

一般的にどう説明したらよいか。

Qmemper -の per ・と orang を意味する perburu の per -を同一視してしまえば

それで検討の余地はなくなるが果してこれでよいだろうか。

以上において問題点、を大雑色に10 位提出してみた。さて,これだけの疑

問点をそのまま放置して,インドネシア語を教える現場にのぞめば,当然

支障となるものが生じてくると思われる。

以上述べたような諸問題を解決するいと口として,そのおのおのを次の

E の各論で取扱い問題の展開を試みるわけであるが,ここで筒略に筆者の

考え方,もしくは立場について触れておこう。つまり,これまでの伝統的

な立場に立った文法書にみられる弊害,すなわち,ただの機械的な形態の

分析や操作を重要視してしまった結果,ことばの説明に一貫性を欠き,体

系的な見方ができずに終ってしまった点をかんがみて,筆者は,ことばの

外面的なものばかりでなく,内面的なものをも重視するものである。した

がって,ことばの分析にあたっての方法論として次のような考え方を導入

した。

0 接頭辞の変形

O 接頭辞聞の同化(asimilasi)

0 接頭辞接尾辞の省略,脱落(syncope)

0 接頭辞,接尾辞聞の力関係‘相互接触など

かくて,便宜的にの Takdir 見解を整理して要約したところの 3 つの

型を中心にしてこれから試論を展開したく考える。

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接頭辞 pe -の一考察

III. 問題の展開〈各論〉

これから順に説明を試みる。

(第 1型) (mem) per ~(kan) Takdir の説明の中に,

7

Selain dari katakerja ini ada pula segolongan katakerja yang dibentuk ok•h

awalan per ・yang sekarang amat susah menerangkannya atau telah kabur

artinya: memperoleh, memperbuat.

Hal ini mungkin disebabkan oleh karena dalam kata2 beroleh clan berbuat,

awalan b巴r・yang sejajar de 時 an awalan per ・tidak nyata artinya.

とある。 memperoleh と beroleh, memperbuat と berbuat. については,

I. R. Poedjawijatna とDr. P J. Zoetmulder の「インドネシア文法 (I )」

(Tatabahasa Indonesia I. )の41 頁でこう説明している。

Arti kedua bentuk ini tak ada bedanya, hanya pada susunan kalimatlah kedua

bentuk berbeda benar Walaupun kedua bentuk itu dapat mempunyai objek

tindakan, akan tetapi bentuk ber- tak mungkin dipasifkan. Jadi jika orang

terpaksa memkai bentuk-pasif, maka yang dipergunakan ialah bentuk mem-

per-. Bandingkan susunan kalimat dibawah ini:

Sebenamya dengan berbuat demikian itu, ia memasuki lapangan leksikologi.

Segalanya yang diperbuatnya tidak berhasil juga.

と述べており,これはなかなか巧みな説明だと思われる。 M. Zain の説

明だとこの場合の per -.は“ hanyalah jadi perhiasan saja ”となっている。

(J alan Bahasa Indonesia 39 頁参照),しかし,筆者はこの説明よりも Takdir

の“awalan per ~ sejajar dengan awa:lan ber ~.”という発言に注目した

い。ただし“sejajar deng 叩”を“perubahan dari ”と言い変えてみたい。

すなわち,この場合の接頭辞-per ~は接頭辞 ber の変形だと見たいので

ある。-per の意味は概括して言えば, ber の変形である以上 ber -の意味を

保ちつつも,独自の新しい意味あいが加わったのではないかと思われる。

この考えは筆者の直感的なものだったが,これを実証するべく検討してい

る中に次の文章にぶつかった。

Ada golongan yang tak mau menerima bentukan “memberhentikan ぺkarena

dalam bahasa Melayu, juga 由 lam bah 瑚 lndo 附 ia sebelum adanya be 山・

kan ini me 十 berhenti + kan men adi mem-perhenti-kan; /b/ berubah jadi

/p/ karena pengaruh awalan me-. Begitu juga kata2 bentukan lain seperti

itu: me+ b吋uang + kan me 吋adi mem-perjuangkan; me+ bertahan 十

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8 天理大学学報

kan menjadi mem-pertahan-kan, dsb.

とずばりと筆者の考えに一致した見解が述べられていた。(Drs. J. S.

Badudu: Pelik ” pelik Bahasa Indonesia 47 頁),さらに詳細にこれを検討す

れば,(mem) per-henti ・kan の per について, Zain は(上掲書39 頁で)

-awalan per ・ itu sebenarnya 伊 nanya hanyalah akan menjadikan pokok

kata yang baru (悶undaire stam) dari pada kata asal (primaire stam ),ー

と説明する。他方 Drs. J. S. Badudu は memberhentikan のことについ

て,

- Dalam hal ini awalan ber ・berfungsi sebagai pembentuk katadasar baru

(secundaire stam). Awalan m ←pada kata2 itu hanya berkombinasi dengan

akhiran -kan, tidakdeng:m awalan ber-.

と述べている。どちらも“secundaire stam ”を形成すると述べている。こ

の二人の意見は別に矛盾がないと思う。つまり“secundaire stam ”をつく

るということは,新しいとことば2 新しいと意味ヨを創造することになる

のである。ここで言いうるのは, ber -のままだと自立性を保ち, per -の形

をとると自立性がなくなり,加うるに意味も微妙に変化する。たとえば,

angkat - berangkat →memberangkatkan

-perangkat →memperangkat (Zain は mengangkat に近い)

laku - berlaku →memberlakukan (Badudu の例)

-perlaku →memperlakukan,

見られるとおり,意味上の区別のため,うまく ber 形の secundaire stam

とper 形の secundaire stam を使いわけている。

第 1型の(mem) per ~の kombinasi は~ kan とだけでなく,~i と

も kombinasi・ することも忘れてはならない。たとえば,

memperingatkan

mempermgatz

この場合の意味の違いは,~kan と~i の使い分けによるものであるこ

とは言うまでもない。

次に(mem) per ~の~ per ~の意味の一つは Kausatif であると一般

に言われているが,筆者にはこれは認めがたいのである。その理由は kau-

satif の意味が~ per ~にあるのではなしその前の me(m )-又はme ~

kan, me ~ i の kombinasi によるものであると思われるからである。要す

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接頭辞 pe -の一考察 9

るに(mem) per ~(kan / i )の意味は, me-, ber ~,~ kan ,~ i. の意味,

用法さえつかんでいれば,見当がつくはずだと思えるからである。たとえ

ば, mempertinggi と, meninggikan の意味の違いについて Takdir は,

Bedanya ialah, bahwa dalam awalan per ・sifat yang tersebut dalam katada-

sar itu telah ada. Yang dipertinggi ialah suatu yang sudah tinggi. Yang

ditinggikan biasanya yang rendah.

とあるが,この~ per ~の意味もやはり ber ~の意味から判断できると

思う。すなわち,筆者の見解では,接頭辞 her ~は ada (存在から所有

へ,所有から使用へ)が基本的な意味で,それに語根形容調には,形容調

である以上,比較級をもち,したがって mempertinggi の意味は,すでに

ある高さのものをより高くすることを意味するわけである。

加うるに memper -には intensif の意味があるといわれる。それは ber の

持っている複数性という概念からくるものと思われる。したがって mem-

per ・の意味についてはこれだけにとどめることにする。

(第2 型) Pe/ per ~ ここでも Takdir の文法書に例を求めて問題を展開したく考える。同氏

の本の25 頁に次のように書かれている。

Awalan pe- yang terdapat dalam bentuk per ・atau pe・ + bunyi sengau dekat

sekali dengan awalan ber- clan me-. Hal ini tidak mengherankan oleh ka-

rena sesunguhnya bunyi p dekat sekali kepada bunyi b clan m, yaitu ke-tiga ・

2nya bunyi bibir.

とある。ただこの 3 つは,“bunyi bibir ”だという理由だけで,「不思議で

ない」というのであるが実は,筆者に不思議である。しかしもし,第 1型

のところで述べたように, mem 十 berhenti + kan の ber ~が me(m )~

の影響によって~ per ~と変化するという事実を認めれば, ber の/ b/

と me -の/ m /が前の接頭辞の影響で(また接尾辞,an などの影響があ

るがこれは第3 型で扱う)/ p /に変わると考えるならば不思議でなくなる

であろう。 (こう考えれば,後でもわかるように,たいへんに便利でしか

も理論的矛盾がないと思われる。)これらの接頭辞の意味に関して Takdir

は,

- sering sekali menambah pengerti 阻 kita, apabila awalan per ・clan pe + bunyi s回 gau kita hubungkan deng 姐 ber・ ・clan me-.

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10 天理大学学報

と言っている。この発言も第 1型で述べたものと何の矛盾がないo

p←(per ?)の由来に関して, Takdir は次のように述べている。

Kern menghubungkan awalan pe ・dengan perkataan apa. Menurut Blag-

den dalam bahasa Tailling pa sebuah kata yang artinya berbuat. Mung-

kin sekali antara kedua anggapan ini tidak ada pertentangan sedikit juapun.

Malahan apa artinya tidak lain daripada yang berbuat. Sebagai pembentuk

katabe-nda kita telah bersua dalam pembentukan katadasar bahasa Indon 岱 ia:

pagar, paku, payung, pahat. Dalam kata2 ini terang sekali awalan pa itu

membentuk katabendaγang menyatakan alat (paku=alat m 拙 membuat

kukuh).

かくて,筆者には, pe の語源学上は apa 説に従うものである。その理由

は,上記の引用で明らかのように apa は yang berbuat を意味することか

ら接頭辞 pe ~は,いわゆる語根の意味する動作及び状態の「主体なるも

の」であると筆者は理解する。それに pe -の前に,いわゆる kata sandang

si を付ければ, apa の前に si を付けるのと同じく orang を意味するから

である。ここでふたたび Takdir の最初に提示した文に戻る。

先に, E ,問題の所在で示したように, Takdir は第 1,第 2,第 3 の諸

型で示Lた pe /per の形態を一括して何らの区別もせず取扱ったように思

える。それに同氏は pe の機能として,

-awalan pe ・itu nyata benar dipakai sebagai alat pembentuk kata-benda

clan kata yang menyatakan ・suatu kerja. (同書25 頁〉

と述べている。

これまで存在するほとんどすべての文法書は, Takdir の上記の見方にそ

って展開されてきたかに思える。しかし筆者は「主体なるもの」を意味す

る pe -は名調をば作るが動調は作らないという意見をもつのである。形態

の上では同じでも,動詞を作る per ・は,第 1型で述べたとおり, her の

変形であるところの~ per ~の方と考える。

pe ~の音便現象については,いままでは,

Bentukan dengan awalan pe- sejalan dengan bentukan dengan awalan me-,

atau awalan ber-. (pelik-pelik 56 頁)

となっている。しかし卑見では pe -の音便とみなされてきたものは, me

~又は ber ~それ自体の音便である。 pe 十bふ(音便)+語根動詞でな

くて, pe+me 動詞, pe 十her 動詞であって,したがって,この場合 pe ・は

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接頭辞 pe -の一考察 11

音便をとらないわけである。 pe 十形容詞の場合は音便したり,しなかった

りする。これについては後で取扱う。次に pe +語根名詞という造語法は

筆者は容認できないので、ある。このような場合は,いわゆる語根名詞は必

ず。 me 動調か ber 動詞かのどちらかをえて pe と結合するものとみなし

たいのである。したがって pe -の名詞化は pe+me 動調/ ber 動詞と pe

+形容詞の二つしかないということになる。具体的に 1つだけをとりあげ

れば, mewarisi という me 動調で説明しよう。

pe+mewarisi から me -の/ m /が接頭辞 pe ・の影響で IPl に変化し

て, pe+pewarisi になり,接尾辞- i が,音韻形態上省略され, 2 つの pe ・

が同化(asimilasi )して 1つになり, pewaris という語となる。ただここで

断っておくが,この過程(proses )は native speaker であれば,無意識に

観念されており,それは,いわゆる深層的 proses であるということができ

る。ところが遺憾なことに,筆者の管見の及ぶ限り,インドネシア語文法

の研究者の中ではこのような見解に立つ人はまだいないのである。きれば

筆者がこれまでにしばしば指摘したどとし pe もしくは per についての

理解が混乱しており定見が生じてこないのであった。本稿はこの点の説明

を明確にしようとしてきたことが御了解いただけるかと思う。

<第 2型,(1)> pe +語根名詞,

接頭辞 pe ・は,いわゆる語根名調に直接結合しないということについて

これから試論しよう。 これまでの大抵の文法書は pe +(音便)+名詞の考

え方に立っている。先にふれた I. R. Poedjawijatn とDr. P. J. Zoetmulder

両氏は, pe+V. (動詞), pe+A (形容調)に重点をおいてのべているが

pelaut, pelad 如 g, petar 止の所属ははっきりしないのが遺憾である,(同書

65 頁)

ここで,日本にあってインドネシア文法の権威である中西竜雄教授の取

り扱った pe +名詞(同教授,インドネシア語, 178 頁)にふれてみよう。

pelad 担 g ー<berladang の- rーが脱落(S. T. A. 28 頁)>

pelaut ー<melaut から派生(Poedjawiyatna )29 頁>

perokok ー<merokok から>

pengopi ー<m 叩 gopi から(S. T. A. 26 頁)>

pesirih ー<bersirih のーr一脱落(?)>

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12 天理大学学報

penggambar ーくmenggambar>

pengayuh ー<mengayuh>

penyuluh ーくmenyuluh(i) >

pembuluh ー<memb 叫uh>

penghulu ー<mengh 叫u(i)>

pelubang ー<herlubang の- r一脱落>

く上記の左は(中西),右は筆者が付加したもの> 同書で示した例の中

pekasih と pemerah を別にしてあとで取扱うが,ここでは以上の例をみれ

ば,ほとんど全部が動調形から作られることが明らかで、ある。さて,ここ

で,中西教授の記された pemerah の merah は名詞という説明はどうにも

納得しがたいのである。 merah を形容詞と,とらず名詞の赤(あか)とと

りka ・sih を名詞(愛)と取ることもできょうが, Takdir はmerah と kasih

を形容詞として扱っている。(Takdir 27 頁)

<第2型 (2)> pe +語根形容詞

いわゆる普通の形容詞の場合,たとえば,

merah, muda, besar とかいう形容調から接頭辞 pe -を用いて,

名詞を作る場合音便をともなうのが普通であり,しかもできあがった語の

意味が 2通りに解釈される。たとえば,

pembesar itu kaya という場合, pembesar は「高官」の意味だが,

(alat) pembesar lobang とした場合「大きくする(もの)の意味とな

って 2通りの意味がでてくる。これは何故であろうか,それは pembesar

itu ーの場合, pe (主体なるもの,人)十音便十besar の過程をとり, pem-

besar lobang の場合は, pe (主体なるもの) + membesarkan の過程をとっ

たものと判断されよう。だが実は pe +動詞という過程をとるものでも 2

通りの解釈ができて,これについては又後で、<第2 型 (3 )>で扱う。

これまで述べてきたことからすでに了解されたと思うが,筆者は me 動

詞と her 動調を重視する立場をとっている。

pe +形容調に関連して,筆者は, me の脱落した me 動調が形容詞の一

種とみなし,英語でみる,いわば,過去分詞の性格に似ている。たとえば,

menyuruh ーの+ suruh

menaruh - 0 十 taruh

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接頭辞 pe -の一考察 13

menunjuk - 0 + tunjuk

などである。したがってかかる形容調は,接頭辞 pe ーとの結合にあたって,

me 動調と意味上の対立を保つために音便をとらないことになっている。

この様に説明すれば,従来例外として取り扱われてきた pesuruh, petaruh.

petunjuk などはここでもはや例外でなくなるわけである。

さらに guna-guna を意味する pekasih については S. M. Zain は pen-

gasih も pekasih も同じ意味であると見ているが,それは kasih という形

容詞を普通の形容調としてみるか,「me ~」の脱落した me 動詞からの形

容調とみるかのちがいとみることができるのである。

<第 2型(3)> pe +動調

@ 「pe+ber 動調」の過程を経て生じた名調はすくないと思われる。

Takdir は次のようにのべている。 (同氏著書27 ~28 頁)

Membe

ber jauh lebih jarang terjadi dan rupa2nya kata benda berawalan pe +ト

akan lenyap dari bahasa Indon 白 iam 。deren.Sekarang masih kita ketemui kata2 seperti perburu, pertapa, pelajar. Dalam

kata2 p田 awat, peladang, pedagang, pelayar, bunyi r rupanya dilenyapkan.

Takdir 氏はこの例が「すくないJ としていることには同意できるが,そ

の理由が説明されていないのが残念である。筆者には,その理由として,

ber 動詞,すなわち接頭辞 ber のもっている意味によるものであって,接

頭辞 ber -の中心的な意味は“ada ”であり,状態的で形容調に近いから

であると思う。接頭辞 pe -は「主体なるもの,人」を意味することからど

うしても働らきかけのはっきりしていない動調と組みにくくなる。実際,

ber 動詞は動作性の強い語根をもつものがすくない。

berbu_ru, bertapa, belaj 民 bersawat, berladang, berdagang, berlayar

bertani ,などは,いわゆる「職業として常にする」という意味をもつ

ものばかりであることからも了解されよう。

⑥ 「Pe +動詞」という過程を経てできた名調についてはすでに述べ

たように2つに解釈されうる。たとえば pembeli をとりあげると, uang

pembeli beras といういい方は,(i)米の買手のお金,(ii )米の購入費…と 2

つの意味iことれる。この理由は,(i)の場合は uang. ・pe 十membeli. ・・beras

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14 天理大学学報

であって,接頭辞 pe- (主体なるもの)が me 動詞の変化である/ pe /と

同化してできあがった pembeli であると解釈し,(ii )の場合は uang. me-

mbeli. beras. の membeli が前の uang といわゆる kata majemuk を形成

する必要から,あるいはそれによって影響されるがために,単純に pembeli

の形となったまでのことと解釈される。したがってハイフォンをつけて

uang-pembeli beras とでも表記した方がよいかと思われるし,また意味も

「米を買うためのお金」というよりも「米の購入費」か「米を買うお金J

でもよいかと考える。そして,最後の意味にぴったりとした表現は, uang

pembelikan beras であろう。 (ここで接尾辞- kan のあるなし,そして

「の」と「を」の使い分けに注意)。しかしこのような-kan または・i の

使い方は現代インドネシア語にはもうないのである,参考までに S. M.

Zain の書の53 頁以下に例がみられる。

pompa pemadami api

tongkat penaiki gunung

perahu penyeberangi sungai

obat-obatan penjauhkan penyakit

heskran penaikkan muatan

ikhtiar penyingkirkan hama

などである。 Zain の説明によれば,このような接尾辞~i/~kan は,

スマトラの人に好んで使用されているという。そ L て,

- selain dari pada dibelakang kata-kata kerja kedua a凶 iran itu boleh pula

dipakai dibelakang kata-benda dengan tiada mengubah sifat kata yang di-

depannya itu, yaitu dibelakang kata benda yang berawalan pe-, yang berarti

perkakas atau alat.

と述べている。しかしこのような説明は,説明されたとしても混乱を招

くばかりで,有害無益である。

接尾辞四i/ -kan はいわゆる他動調を作るというのが,一般的意見であ

るのだが, pe 形の名詞にも付きうるというのはどうであろうか,この考え

方が生じてきたのは,おそらく pe ~の形といえば,きまって名調だとし,

必ずきまって orang, alat としてきた態度からそうみたのであり,ただた

だ pe ”という自にうつった形態的な面だけに基いた考え方からくるもので

あると思われる。ただ形態を分析し,分類すればすむという考え方は現今

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接頭辞 pe -の一考察 15

では通用していなし、。これはチョムスキーの意見を引用しなくてもわかる

ことである。

筆者の意見によればこのような pe ~i, pe ~kan はいうまでもなく,

memadami menjauhkan

menaiki menaikkan

menyeberangi menyingkirkan

の me 動詞が前の名詞と kata majemuk を形成するためには, pe ~i. pe

~kan の形態をとるだけのことであり,意味の上でも me 動詞の意味の

ままであるはずで、ある。ここで最後に先にふれた, 2 つの uang pembeli

beras と uang pembelian beras とを較べてみれば, uang と pembelian の

むすびつきよりも uang と pembeli とのむすびつきの方がかたしいわば,

kata majemuk を形成しているように思われるのである。

c me 動詞が pe の形態をとる現象はまだ他にもある。たとえば Zain

t土,

Pohon itu sepemeluk besarnya.

Rumah saya sepemanah jauhnya dari rumahnya.

などのような se 十戸ーの形のものも, orang atau alat を意味する接頭

辞 pe ーと同じものであり,これは「尺度」を表わすといわれて来た。だ

が, orang, alat を意味するものが尺度を意味するというのは実に非論理的

でまことに不可解である。筆者の見解としては,この se+pe ーのーpe ーも

me 動詞の変化であり, se -の影響によるものであるとしている。 memeluk

の前にくるものは se ーでなくてもよい,たとえば dua ということばがき

ても me 動調はやはり pe 形をとる。すなわち dua pemeluk となるはず

である。この dua pemeluk と dua peluk 却を較べてみればことは明らか

になる。

結局「単位」を意味するのは se ,の方で,その内容は me 動調の表わす

意味なのである。

@ pemer -という形態

この形態を問題視してとりあげたのは, Drs. J. S. Badudu である。用

例としては, peme ぉatu bangsa と Panca-sila adalah alat pemersatu の中

に出ている pemersa 旬である。その造語過程をめぐ、って次のように述べて

いる。

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16 天理大学学報

Jika diteliti hanya ada dua kemungkinan bentukan kata itu:

1)ぬri h 協 dasar kedua “persatu ”kemudian diberi berawalan pe- (pe + persatu), /p/ pada persatu luluh men adi /m/, sehingga kata itu berubah

menjadi “pemersatu. ” 2) dari kata dasar kedua “bersatu ”kemudian diberi berawalan pe-, men-

dapat bunyi antara /m/, sehingga men adi “pembersatu." Kemudian

/b/ pada bersatu dihilangkan (gejala syncope), sehingga me 吋adi pemersatu.

く Pelik-pelik 1971. 57 頁>

Badudu の結論から言えば, 1)は受け入れられず, 2)の方が正しいとさ

れている。ところでこの問題に関してこれまで試論してきた筆者の立場か

らすれば, 1)もおも容認できがたいのである。これについての筆者の見解

は後述するが,新しく彼は Pelik-pelik cetakan kedua 1974 において自分

の正当とした, 2)を捨てて,逆に先に認めなかった, 1)を容認した。

Sdr. Anton 乱f。eliono menjelaskan bahwa kat 瓦 ini sejalan dengan bentuk

kata kez:

Jadi darikata dasar (kedua )“persatu '’ yang diberi berawalan pe ・terjadilah

bentukan pe(m)ersatu. Konsonan /p/ pada awal kata persatu luluh, diganti

oleh bunyisengau /m/. Bentukan seperti ini memang agak menyimpang dari

kebiasaan dalam bahasa Melayu sebab tak pernah /p/ pada awalan pe ト

luluh. (pelikpelik 1974. 60 頁)

“memang agak menyimpang ”とのべながらも認めざるをえないことに

なった。しかし, Anton Moeliono の意見には J. S. Badudu は不満のよ

うだが,同様に筆者もまだ不満がある。その理由は次の 5点に要約できる。

1) Pemersatu bangsa の pemersatu と alat pemersatu の pemersatu

は同じものとみなされていること。

2) mempersatukan という動詞と sejajar であって,それをもとにし

て{乍られないと考えたこと。

3) pe 十音便+persatu という造語過程に賛成できないこと。

4) J. S. Badudu も“menyimpang dari kebiasaan ”と思っていると

ころの persatu の /pf が luluh の理由が不十分で、あること。

5) -persatu の- per ーの由来を明確にしていないこと。

いま述べた問題は, uang pembeli beras と pembeli beras の問題と同

じであって,いわゆる形容調用法の pe 形と名詞として自立して使用され

る pe 形の区別の問題となる。この点に関しては,既に(第2型,(3)⑤)

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接頭辞 pe ・の一考察 17

において取扱った。 alat pemersatu と alat mempersatukan を比較してみ

よう。 alat pemersatu は kata majemuk で「統一の手段」を意味し,形態

的に短かく簡便である。他方の alat mempersatukan の方が動調の修飾を

受ける,いわゆる名調句であり,「統一する手段」を意味し,形態的にも長

く筒便でないことから敬遠されるようである。 alat mempersatukan は alat

pemersatu の形態になる過程は,卑見では memper 幽の/ m Iが, alat の

影響又は alat と kata majemuk ・になるために /pf に変形し(alat-pem-

persatukan ).この m かからの /pf のために persatukan の /pf が省略

され(gejala syncope), alat pemersatukan から~kan が省略され,(現代イ

ンドネシア語では省略されるのが普通で、<第 2型, 3R >参照,また- i

f・kan の省略は pe / per ~an の型にもあらわれる,これは第3 型で述べ

る予定)そしてはじめて音韻的形態的に alat pemersatu となるのである。

念のためにくり返して述べるがここに試みる操作は言語の深層的過程で,

かっ観念的なものであり,いわゆる発想法にかかわる問題である。それだ

けにこれまでに存在した伝統的な因習になれてしまった考えに立つ人には

了解しがたい点もあろうかと思われる。

自立した,名詞用法の pemersatu bangsa の場は,当然「人,またはも

の」すなわち「主体なるもの」を意味する接頭辞 pe ・が mempersatukan

の前に来て, pe+ mempersatukan から,接頭辞 me -の/ m Iが/ p /に

変化し, pe+pempersatukan ができ,接頭辞 me -が pe になったため,

persa 同 k姐の /pf が省略され, pe+pemersatukan となって,そこから

接尾辞-kan が省略され, pe+pemersatu ができて,最後に2つの/ pe /

が同化して「統一者」を意味する pemersa 胞ができるというわけである。

さてここで J. S. Badudu にもどるが,結論として

Memang belum bany 法 bentukan 抑制ii 凶 kita jumpai dalam pemakaian-

nya, namun ada dasarnya untult dapat diterima. Bergantung kepada para

pemakai bahasa y阻 g merasa 孟an urgensi bentukan semacam itu, untuk mem-

pe 堵unakan bila dir む akan bahwa bentukan seperti itu dapat memberikan

peng ,剖i担 yang Iebih tepat dengan bentultan singkat yang Iebih ekonomis.

(戸lik-pelik 1974. 61 頁)

と結んでいる。その他の例文として以下のものがある。 (動詞形は筆者の

見解による)

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18 天理大学学報

pemerhati →memperhatikan

pemerlain →memperlain

pemersoalan →mempersoalkan (<第 3 型>参照)

上に示されたように,動調形は全部 memper -型である。もう一度卑見を

整理すれば, memper -の-per -は接頭辞 her -の変化であり,意味も大体

her の意味に従っている。また形容調用法の pe 形は me ~の変化である

としてイ意味も me ~の意味のままである。名調用法の pe 形は「主体な

るものJ apa から由来したと思われる接頭辞 pe ・の接尾辞 me ・から変化

した pe ・との同化して成立した pe 形であるのである。

<第3型> pe / per ~ an 型

ここでは,第 1型,第 2型との関連として簡単にふれていくにとどめる。

この問題については,先に第三回日本インドネシア学会京都産大, 1971 で

報告したことがある。

既に述べたように,筆者は me 動調すなわち me+X 十件, me 十X 十i.

me 十X+kan ,それに me-per 十x+ム me-per+X+i, me+ per 十X

+kan と her 動詞,すなわち ber+X とを重視する立場に立っている。

また,これまでの展開からも了解される通りに,あいまいな性質,換言す

れば,二通り以上に解釈されるといった問題を明らかにすることを目標と

して,接頭辞間,または接頭辞と接尾辞を関連させたところの kombinasi

協力関係としてとらえ合接していく見方を部分的に提示しようとしている。

pe / per ~an 型において,接尾辞~an が主たる役割を果していると考

えている。これまでの伝統的な既成文法の考え方であると, pe / per +語根

十an という「語根」を中心とした見方に反対して,ここに筆者の新しい見

方を総括的にのべれば,それは me 動詞+an, her 動詞十an という考え方

に立つものなのである。このことは接尾辞-an のつく影響で,接頭辞 me ・

の/ m I,接頭辞 her の /bf が /pf に変化して, me 動詞に接尾辞 i/kan

があれば必ず省略され, pe / per ~an 形の名詞が出来るという発想法であ

る。かくて, pe /per ・の部分はme /her の変化に過ぎず,-an が中心的で

あるというわけであるope ・に kausatif の意味があるといわれているのは,

me から由来するからであり,- per -にも kausatif の意味があるといわ

れているが,しかし,-per -は her から変化したものであると見た場合

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接頭辞 pe ・の一考察 19

は抵抗感をもつが, her -と ter -とをくらべれば her の方がより aktif で

あるとは言えよう。

pe / per- an 型は,どの文法書を見ても必ず,接尾辞-an と別の形で取

り扱われていて説明がなされている。しかし,筆者はすくなくとも,いわ

ゆる語根動詞+an の形態のものと同じに扱うべきであると考えている。

因みに, pe / per ~an の意味としてとり出されたものと,これまでの語根

動調+an の接尾辞-an の意味としてとり出されたものを, 1. R. Poedj ・

awijatna と Dr. P. J. Zoetmulder 両氏の書から取り上げて比較してみよう

<接尾辞-an の意> くpe / per ~an の意>

a. hasil tindakan a. hal tindakan

b. y釦 g di- b. hasil tindakan

c. tempat tindakan c. yang di-

d. alat tindakan d. tempat tindakan

e. alat tindakan

上に示したように双方が,大変によく似ていることに気づかれるであろう。

しかし,これまでの既成の文法学者の立場は,あたかもまったく関係して

いない形に取り扱ってきたことが筆者には不可解なのである。しかし,こ

のような意味上の類似性に Poedjawijatna や Zoetmulder も気づいている

らしく,

Nyatalah bahwa bentuk pe (per )~ an artinya hampir sama dengan

bentuk - an. Tentu saya harus diketahui bilamana orang harus mema-

kai bentuk - an dan bilamana bentuk pe (per )~ an.

としているだけで,ただ記憶に訴えておくより方法がないといわんばかり

の説明にとどまっている。この上の用例中の唯一の意味のちがいが示され

る“hal tindakan ”の由来も全く説明がつかないありさまである。ところ

でこの点について, C. A. Mees の鋭い考察があることを想起する。その

例を示せば,

perhentikan

perbuat

perbaiki

per 冨atukan

perhentian

perbuatan

perbaikan

persatuan

をあげて次のように言及している。

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20 天理大学学報

Sebenarnya kata ini termasuk 法 hiran -an 吋a; cuma pangkalnya telah

berawalan per ~

と以上のごとく断言している。筆者はこの見方は全くその通りであると考

えるが,まだ説明が不足していると思う。そして彼は, 54 頁において次の

ごとくのべている。

pe + bふ dihubu 時 kan kepada katadasar yang bersifat kata kerja:

pemandian, pe 珂 hidupan, pemberitahuan, pemilihan, peng 司jaran. Adapun

arti pe- ini sifatnya “kausatif," tetapi pengaruh akhiran -an itu sangat b闘 .mya

sebab itu kombinasi akhiran -an dengan awalan pe-, sebenarnya cuma mem-

bawa sedikit perobahan saja dalam sifat arti kata2 kombinasi kata dasar

dengan akhiran -an saja.

この C. A. Mees の発想は素晴しいではないか/ 彼が語感の鋭い学者の

一人であることはまちヵ:いない。しかし,まだ筆者には pe (per )~ an 全

体の説明からみて,何か不統ーで物足りないように思われる。その原因を

考えてみれば,語根中心の考え方,形態的分析のみに終始じている,また

pe + (b. s. )と per (pel, pe ~)を混同している,接頭辞の変形や省略,

同化を考えていない,接頭辞聞の,または接尾辞との力関係ないしは相互

接触を十分に考えていないことなどに要約できるであろう。

Takdir も pe / per ~ an 型を,やはり接頭辞 pe -と接尾辞 an の kom-

binasi として説明し,例として,

persatuan, perselisihan, pengetahuan, pembunuhan, pemburuan, perburuan

をあげてから,さらに,

Dalam ha! ini masih terasa perbedaan antara awalan ber- dan awalan me-.

と述べているが,これは当然のことである。さりとて, pemburu という語

の pe 闘が pemburuan の pe -と同じものなら,なぜ、 pemburuan に「人,

もの」の意味がないかという素朴な疑問に対しての返答がないのである。

さらに,文脈を離れて何故に penerangan という語が「照明」と「報道」

というこ通りに解釈できるのであるかという疑問に対しても説明を欠くの

である。

<第3型@> pemburu と pemburuan

pemburu と perburu, pemburuan と perburuan の意味の相違は接頭辞

me -と ber -の相違であることは明白である。名詞用法の pemburu には

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接頭辞 pe -の一考察 21

「人」の意味があり, pemburu 加にはない。名調用法において pemburu

に「人」の意味があるのは,「主体なるもの」を意味する接頭辞 pe+ membeli

から pe + pembeli →pembeli の過程を辿ったものであり, pemburuan の

方は memburu + an ,であり-an の影響で me の/m /が/p/に変化して

pemburuan となって, memburu することを意味するというわけである。

<第3型 R> penerangan.

penerangan の造語過程について,これまでの既成文法書の説くところ

では pe 十音便+ terang + an であるとして, terang というの容詞を語根

として分析している。 Husain Munaf は次のごとく述べている。

Kata nama benda bersambungan per-an yang kata asalnya nama sifat adalah

berasal dari nama peker-jaan juga yang kata asalnya nama sifat clan me-

ngandung arti ha! atau h出 ii pekerjaan itu. (115 頁)

として, terang-menerangi の例があがっている。これと全く同じ立場に

立つ日本人のインドネシア語学者,中西竜雄がいる。その書の 203 頁に,

per ~m は語根形容詞に付加する場合,語根形容詞に「me 」を接頭にお

いた動調の意味する動作または結果を表わすとして,その例として,

terang-menerangkan-penerangan

をあげている。ところでこれらに意味の喰い違いがあるとすれば,一方は

menerangi ,他方は menerangkan という me 動調を示しているところにあ

る。この喰い違いの原因は語根を中心に考え, me 動詞を中心にして考え

ていないのである 0 penerangan ということばのもつ二つの意味,すなわち,

「照明」「報道」は語根形容調 terang によるものではなく,実は me 動調

の違い,すなわち menerangi であれば「照明」 menerangkan であれば「報

道」となるのである。従って語根だけ知っていても, me 動調がわからな

ければ正確に意味を把握できないことになる。

menerangi I . ~ + an →penerangan.

menerangK 却 j

すなわち, me の/m /が m の力によって /pf に変化し, -i および

・kan が省略され, pener 組 gan ができ,照明と報道を意味したのだと解釈

した方が語学教育上でも使利ではないかと考える。

<第3型 c> pemersoalan

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22 天理大学学報

第 3 型の最初でふれたごとく, C.A. Me 自は mempersatukan の語根

と見なされる-persatu に-an を付ければ per ~an 形の名詞,すなわち

persatuan ができると述べている。他方 Husain Munaf はこの persa 旬阻

は bersatu から作られ mempersatukan から penyatuan ができると同書

119 頁で言っている。 perbuatan については, C.A.

から, Husain Munaf は memperbuat と berbuat に由来するとL、う。ま

た memperhentikan カミら perhentian カ:で、きると C. A. Mees はL、うし,

Husain Munaf は penghentian がで、きるとL、つている。こうしたそれぞれ

のことを説明しておりどれが正しいか判断ができない。実はこれまでの伝

統的な文法論の中にいま述べたところの解決を求めても何の判断の規準と

なるものが成立しないと言っても過言ではない。そこで筆者はこれからそ

のために一つの方法を提示していくのである。

(bersatu ) (persatuan

A. { berbuat >+ an →{perbuatan

lberhenti J lperhentian

(menyatukan 1 (penyatuan

B. {membuat >+ an →{pembuatan

lmenghentikanJ lpenghentian

( 0 + persatukan ) (persatuan

.c. 伊+ perbuat >十 an →{perbuatan

l0 + perhentikan J lperhentian

ここまでの記述からA, B ,には問題がないが, C がここで問題となる。

B とC を比較してみれば,意味から見て対立しており, B は hal tindakan

C の方が hasil tindakan である。それはいわば aktif, pasif の対立で,接

頭辞 me ・の有無により生じてくると考えられる。次にA とC と比較して

みれば,かなりの相似点が見い出されるが,その理由として,おそらく

-per ”が her -からの変化に求められるであろう。しかも her -は per -に

変ったから何にか独自の役割をもつようになることは既に述べた。 A とC

の相違を強いていうならば, A よりも C の方が hasil tindakan を表わし,

A の方はどちらかといえば,場所を示し tempat tindakan であるのである。

従ってここで言いうることは, memper -型の動詞から pe / per-an 形の名

詞を作る時は,意味の解釈による影響とその memper -型動調と平行して,

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接頭辞 pe -の一考察 23

ber 動詞, me 動詞があるかないかによって左右されるということで,語

の意味によっては,必要なれば ber 動詞,または me 動詞を経由して名

詞化することもあるということである。しかし memper 型動詞から pe /

per-an 形態の名詞を作る過程は二つの方法しかないのである。いま mem-

persoalkan を例にしてみれば,

I. mempersoalkan 十 an →pemersoalan (~ an の力で, me ~の

/m /が /pf になり, me ~の/m /が /pf になったため,-per ・

soalkan の /pf が省略され,~ kan も省略されてなったもので

ある)

II. 0 ・persoalkan + an →persoalan

かくて mempersoalkan と平行する me 動調がないし menyoalkan があっ

ても意味がちがう。また ber 動調として,たとえば bersoal があっても意

味がまたちがうということが見られる。ここにおいてすでに気づかれたか

と思うが,これを-an に重点おく考え方をしていくと,

I. membeli + an →pembelian

II. 0 + beli + an →belian

と全く一致してくることが考えられる。 したがって hal tindakan という

意味は接頭辞 me /ber の意味が加わったからだと言えよう。

<第 1. 2, 3型のいわゆる音便>

ここで扱ういわゆる音便は厄介で難物ではあるが,これを整理して例示

して見ょう。

1. ないものに音便の入ったもの。

melihat + an →penglihatan

melucuti + an →perlucutan

2. あるものを省略する。

bergunung 十 an →pegunungan

berkubur 十 m →pekuburan

berdalam + an →pedalaman

3. 意味を区別するために入れない。

pe + 0 + tunjuk →petunjuk

(pe + menunjuk →penunjuk との対立)

4. あってもなくても同じ意味で、ある。 (S. M. Zain から引用)

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24 天理大学学報

pe 十e十kasih →pek ぉ ih

pe 十 bふ+ kasih →pengasih

5. 規則的なものの他に意味を区別するため(?)別の音便の付加

mengatur + an →pengaturan, peraturan

menolong + an →penolongan, pertolongan

mencoba(kan) + an →pencobaan, percobaan

6. 意味を残し,接頭辞の本体が同化・省略し音便の部分を残す。

pe + mempersatukan →pemersatu

mempersoalkan 十 an →pemersoalan

この点につき Husain お1unaf は次の如く理由を説明している。(同119 頁)

1. Pengaruh kebiasaan orang Indonesia yang mempergunakan

atau membunyikan kata2 itu, sehingga kebiassan telah men-

galahkan syarat.

2. Pengaruh lidah yang selalu hendak memudahkan pengeluaran

atau pembunyian kata itu.

と述べているだけで,結局一つづっ覚えねばならぬもので法則性の発見

のできないものとしている。

百.結論

終りに当って,本稿の論点を以下のように整理しておこう。インドネシ

ア語文法の権威者 Takdir とは全く異って筆者は,いわゆる接頭辞 pe を

次のように結論づけたく思う。箇条書きしてみれば次の 6 つになる。

a. memper -の-per -は接頭辞 me -の影響による接頭辞 her の変化

であり,意味も大体それに通じている。(member -形も考えられ

る) berhenti →mem + berhenti ート kan →memperhentikan (me-

mberhentikan もまた別にある)

b. per ~an の per -も接尾辞-an の影響による接頭辞 ber の変化

である。意味も her -の性格を保ったままである。この場合 per ・

は pel -または pe 鞠の形をとることもある。

berburu 十 an →perburuan

。+ -perhatikan + an →perhatian

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接頭辞 pe -の一考察 25

c. pe 十 bunyi sengau ~an の pe は,接尾辞-an の影響による me

接頭辞の変化したものである。

memburu+ an →pemburuan

mempersoalkan + an →pemersoalan

d. uang pembeli beras という場合の,いわゆる形容調用法の場合の

接頭辞 pe -は, kata majemuk を形成する必要上接頭辞 m かま

たは接頭辞 her -が変化したものである。

uang + membeli beras →uang-pembeli beras

e. 人を意味する perburu と pemburu の場合の接頭辞pe /per -.即ち

名調用法の場合の pe / per は apa からきたと考えられる「主体

なるもの」を意味する接頭辞 pe -と接頭辞 me からの pe ,接頭

辞 her -からの per のどちらかとの同化(asimilasi )であると理

解する。逆に言えば「主体なるもの」を意味する接頭辞 pe ・と同

化していないとみなされる pe / per -は単なる接頭辞 me または

her -の変化に過ぎずしたがって「人,もの」を意味しないという

ことを意味している。

pe 十 berburu →pe + perburu →perburu (Husain Munaf は pe-

buru という)

pe + memburu →pe + pemburu →pemburu

f. pe +語根名調はく第 2型,(1)>, pe +語根形容調は<第 2 型

(2)> sepe -および dua pe -,についてはく第 2 型(3)c >, pemer-

形はく第 2型(3)@>を参照していただきたい。

pe + mengopi →pe 十 pengop1 →pengop1

pe + b. s. + kasih →pengasih

pe + 0 + kasih →pekasih

pe + 0 十 suruh →pesuruh

se + memeluk →sepemeluk

dua÷memeluk →dua pemeluk

alat + mempersatl. 止an →alat peme 凶 atu

pe + mempersatukan →pe + pempersatukan →pe + pemersatu-

kan →pe 十 pemersaru →pemersa 同

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26 天理大学学報

現在の段階においては以上のごとく考えている。既成の文法論で,ただ

接頭,接尾辞とし,語根に重点をおくということばのとらえ方に対して,

実は,接頭,接尾辞が,相互に有機的に関連していてことばの性質を変え

ているという見方から, 町、わゆるヨということばで意味をもたせてきた。

本稿は 1つの仮説でもあり今後さらに一層の検討を試みたく考えて筆をお

く。

(197 4. 9. 15)

(この小稿のために,イ γ ドネシア学科研究室の諸先生方に,筆者の

問題提出をめぐ、つての討論をえた。ここに記して謝意をのベる次第で

ある)

参考文献

Takdir Ali 事hbana, St. Tatabahasa Indonesia baru, Pustak 且 Rakyat 1950

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Badudu, Drs. J. S. Pelik-Pelik Bahasa Indonesia, Pustaka Prima 1971 dan

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中西龍雄インドネシア語アジア出版社 1967

Zain, S. M. Jalan Bahasa Indonesia, Grafica 1958