医薬品インタビューフォームkosugi/zemi2011/iform/...if 利用の手引きの概要...
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2007 年 4 月(第 4 版)
医薬品インタビューフォーム 日本病院薬剤師会の IF 記載要領(1998 年 9 月)に準拠して作成
処方せん医薬品
日本薬局方 インジゴカルミン注射液
腎機能検査用薬
剤 形 注射剤
規 格 ・ 含 量 1mL 中 日局インジゴカルミン 4mg 含有
一 般 名 和名:インジゴカルミン 洋名:indigocarmine
製造・輸入承認年月日
薬価基準収載・発売年月日
製 造 承 認 年 月 日:1986 年 2 月 25 日 薬価基準収載年月日:1950 年 9 月 1 日 発 売 年 月 日:1951 年 9 月 1 日
開発・製造・輸入・発売・
提 携 ・ 販 売 会 社 名 製造販売元:第一三共株式会社
担 当 者 の 連 絡 先 ・
電 話 番 号 ・ F A X 番 号
本 IF は 2005 年 4 月改訂(第 3 版)の添付文書の記載に基づき改訂した。
日本標準商品分類番号 877225
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IF 利用の手引きの概要 -日本病院薬剤師会-
1. 医薬品インタビューフォーム作成の経緯
当該医薬品について製薬企業の医薬情報担当者(以下,MR と略す)等にインタビューし,当該医薬品の評価を行うのに必要な医薬品情報源として使われていたインタビューフォームを,昭和 63 年日本病院薬剤師会(以下,日病薬と略す)学術第 2 小委員会が「医薬品インタビューフォーム」(以下, IF と略す)として位置付けを明確化し,その記載様式を策定した。そして,平成 10 年日病薬学術第 3 小委員会によって新たな位置付けと IF 記載要領が策定された。
2. IF とは
IF は「医療用医薬品添付文書等の情報を補完し,薬剤師等の医療従事者にとって日常業務に必要な医薬品の適正
使用や評価のための情報あるいは薬剤情報提供の裏付けとなる情報等が集約された総合的な医薬品解説書として,
日病薬が記載要領を策定し,薬剤師等のために当該医薬品の製薬企業に作成および提供を依頼している学術資料」
と位置付けられる。
しかし,薬事法の規制や製薬企業の機密等に関わる情報,製薬企業の製剤意図に反した情報および薬剤師自らが評
価・判断・提供すべき事項等は IF の記載事項とはならない。
3. IF の様式・作成・発行
規格は A4 版,横書きとし,原則として 9 ポイント以上の字体で記載し,印刷は一色刷りとする。表紙の記載項目
は統一し,原則として製剤の投与経路別に作成する。IF は日病薬が策定した「IF 記載要領」にしたがって記載す
るが,本 IF 記載要領は,平成 11 年 1 月以降に承認された新医薬品から適用となり,既発売品については「IF 記
載要領」による作成・提供が強制されるものではない。また,再審査および再評価(臨床試験実施による)がなさ
れた時点ならびに適応症の拡大等がなされ,記載内容が大きく異なる場合には IF が改訂・発行される。
4. IF の利用にあたって
IF 策定の原点を踏まえ,MR へのインタビュー,自己調査のデータを加えて IF の内容を充実させ,IF の利用性を
高めておく必要がある。
MR へのインタビューで調査・補足する項目として,開発の経緯,製剤的特徴,薬理作用,臨床成績,非臨床試験
等の項目が挙げられる。また,随時改訂される使用上の注意等に関する事項に関しては,当該医薬品の製薬企業の
協力のもと,医療用医薬品添付文書,お知らせ文書,緊急安全性情報,Drug Safety Update(医薬品安全対策情
報)等により薬剤師等自らが加筆,整備する。そのための参考として,表紙の下段に IF 作成の基となった添付文
書の作成または改訂年月を記載している。なお適正使用や安全確保の点から記載されている「臨床成績」や「主な
外国での発売状況」に関する項目等には承認外の用法・用量,効能・効果が記載されている場合があり,その取扱
いには慎重を要する。
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目 次 I. 概要に関する項目 .............................................. 1
1. 開発の経緯 ................................................................1 2. 製品の特徴および有用性 ..........................................1
II. 名称に関する項目 .............................................. 2 1. 販売名 .......................................................................2 2. 一般名 .......................................................................2 3. 構造式または示性式..................................................2 4. 分子式および分子量..................................................2 5. 化学名 .......................................................................2 6. 慣用名,別名,略号,記号番号................................2 7. CAS登録番号 ............................................................2
III. 有効成分に関する項目....................................... 3 1. 有効成分の規制区分..................................................3 2. 物理化学的性質.........................................................3 3. 有効成分の各種条件下における安定性 .....................3 4. 有効成分の確認試験法 ..............................................3 5. 有効成分の定量法 .....................................................3
IV. 製剤に関する項目 .............................................. 4 1. 剤 形 .......................................................................4 2. 製剤の組成 ................................................................4 3. 製剤の各種条件下における安定性 ............................4 4. 他剤との配合変化(物理化学的変化) .....................4 5. 電解質の濃度 ............................................................4 6. 混入する可能性のある夾雑物 ...................................4 7. 製剤中の有効成分の確認試験法................................4 8. 製剤中の有効成分の定量法 .......................................4 9. 容器の材質 ................................................................5
10. その他 .......................................................................5
V. 治療に関する項目 .............................................. 6 1. 効能または効果.........................................................6 2. 用法および用量.........................................................6 3. 臨床成績 ...................................................................6
VI. 薬効薬理に関する項目....................................... 7 1. 薬理学的に関連ある化合物または化合物群 ..............7 2. 薬理作用 ...................................................................7
VII.薬物動態に関する項目........................................ 8 1. 血中濃度の推移・測定法 ..........................................8 2. 薬物速度論的パラメータ ..........................................8 3. 吸 収 .......................................................................8 4. 分 布 .......................................................................8 5. 代 謝 .......................................................................9 6. 排 泄 .......................................................................9 7. 透析等による除去率................................................10
VIII.安全性(使用上の注意等)に関する項目 .........11 1. 警告内容とその理由 ............................................... 11 2. 禁忌内容とその理由(原則禁忌を含む) ............... 11 3. 効能・効果に関連する使用上の注意とその理由 .... 11 4. 用法・用量に関連する使用上の注意とその理由 .... 11 5. 慎重投与内容とその理由 ........................................ 11 6. 重要な基本的注意とその理由および処置方法 ........ 11 7. 相互作用 ................................................................. 12 8. 副作用(再審査対象外) ........................................ 12 9. 高齢者への投与 ...................................................... 13
10. 妊婦,産婦,授乳婦等への投与 ............................. 13 11. 小児等への投与 ...................................................... 13 12. 臨床検査結果に及ぼす影響 .................................... 13 13. 過量投与 ................................................................. 13 14. 適用上および薬剤交付時の注意(患者等に留意
すべき必須事項等) ............................................... 13 15. その他の注意 .......................................................... 13 16. その他..................................................................... 15
IX. 非臨床試験に関する項目..................................16 1. 一般薬理 ................................................................. 16 2. 毒 性..................................................................... 16
X. 取扱い上の注意等に関する項目 .......................17 1. 有効期間または使用期限 ........................................ 17 2. 貯法・保存条件 ...................................................... 17 3. 薬剤取扱い上の注意点............................................ 17 4. 承認条件 ................................................................. 17 5. 包 装..................................................................... 17 6. 同一成分・同効薬................................................... 17 7. 国際誕生年月日 ...................................................... 17 8. 製造・輸入承認年月日および承認番号................... 17 9. 薬価基準収載年月日 ............................................... 17
10. 効能・効果追加,用法・用量変更追加等の年月日 およびその内容 ...................................................... 17
11. 再審査結果,再評価結果公表年月日およびその内容 ..... 17 12. 再審査期間 ............................................................. 17 13. 厚生労働省薬価基準収載医薬品コード................... 17 14. 保険給付上の注意................................................... 17
XI. 文 献 ...........................................................18 1. 引用文献 ................................................................. 18 2. その他の参考文献................................................... 18
XII.参考資料 ............................................................19
XIII.備 考 ............................................................20
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Ⅰ.概要に関する項目
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I. 概要に関する項目
1. 開発の経緯
インジゴカルミンはインジゴをスルホン化した disodium indigotindisulfonate であり,Heidenhain(1874 年), Volcker(1903 年)らが,本剤による腎機能検査法を創案して以来,臨床診断薬として用いられている。
2. 製品の特徴および有用性
健常成人 20mg 静注時,血漿中濃度は注射直後にピークを示し,その後,急速に降下して静注 2~3 時間後には,ほとんど認められなくなる。尿中排泄は静注後 3~5 分にみられ, 5~7 分後に最高濃度を示す。本薬は腎臓から極めてよく排泄される。 腎機能障害時には本色素排泄が遅延するため,腎機能検査に用いられる。 膀胱鏡で検査しながら色素初発時間,最高濃度に達する時間,排泄持続時間を測る。片側の腎臓の病変を知る
のに好適な方法である。0.4%液 5mL を静注すれば色素初発時間は 3~5 分で遅くても 10 分以内,最高濃度に達する時間が 5~7 分であれば正常と考えられる。正常腎臓は静脈から入れた本色素の 10%を 1 時間以内に排泄するが,多くの場合 1 時間 30 分程度で大部分が排泄される。
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Ⅱ.名称に関する項目
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II. 名称に関する項目
1. 販売名
1) 和 名
インジゴカルミン注第一 2) 洋 名
indigocarmine injection 3) 名称の由来
本剤の成分インジゴカルミンに由来する。
2. 一般名
1) 和 名(命名法)
インジゴカルミン(JAN) 2) 洋 名(命名法)
indigocarmine(JAN) indigotindisulfonate sodium(米国薬局方)
3. 構造式または示性式
4. 分子式および分子量
分子式:C16H8N2Na2O8S2 分子量:466.35
5. 化学名
Disodium 3,3’-dioxo-[Δ2,2’-biindoline]-5,5’-disulfonate
6. 慣用名,別名,略号,記号番号
略名:IND 別名:indigotine
7. CAS 登録番号
860-22-0
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Ⅲ.有効成分に関する項目
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III. 有効成分に関する項目
1. 有効成分の規制区分
該当しない
2. 物理化学的性質
1) 外観・性状
外観:圧縮するとき,銅に似た色沢を呈する。 性状:青色~暗青色の粉末または粒で,においはない。
2) 溶解性
水にやや溶けにくく,エタノール(95)またはジエチルエーテルにほとんど溶けない。 3) 吸湿性
吸湿性である。 4) 融点(分解点),沸点,凝固点
該当資料なし 5) 酸塩基解離定数
該当資料なし 6) 分配係数
該当資料なし 7) その他の主な示性値
本品 0.1g を水 20mL に溶かした液の pH は 5.0~6.0 である。
3. 有効成分の各種条件下における安定性
該当資料なし
4. 有効成分の確認試験法
日局「インジゴカルミン」の確認試験に準拠する。
5. 有効成分の定量法
日局「インジゴカルミン」の定量法に準拠する。
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Ⅳ.製剤に関する項目
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IV. 製剤に関する項目
1. 剤 形
1) 剤形の区分,規格および性状 1 管中
インジゴカルミン含量
pH (日本薬局方)
浸透圧比 (生理食塩液に対する比)
外 観
20mg/5mL (0.4W/V%) 3.0~5.0 約 0.1 暗青色の液
2) 溶液および溶解時の pH,浸透圧比,粘度,比重,安定な pH 域等
上記の表を参照。 3) 注射剤の容器中の特殊な気体の有無および種類
なし
2. 製剤の組成
1) 有効成分(活性成分)の含量
上記の表を参照。 2) 添加物
pH 調節剤を含有する。
3. 製剤の各種条件下における安定性 保存条件 保存期間 保存状態 結 果 室温 4 年 最終包装 変化なし
40℃,75%RH 6 か月 最終包装 変化なし 2500lux 10 日 褐色ガラスアンプル 変化なし
60℃ 10 日 褐色ガラスアンプル 変化なし
4. 他剤との配合変化(物理化学的変化)
該当資料なし
5. 電解質の濃度
Na+:0.4mg/mL
6. 混入する可能性のある夾雑物
該当資料なし
7. 製剤中の有効成分の確認試験法
日局「インジゴカルミン注射液」の確認試験に準拠する。
8. 製剤中の有効成分の定量法
日局「インジゴカルミン注射液」の定量法に準拠する。
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Ⅳ.製剤に関する項目
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9. 容器の材質
アンプル:ガラス(茶色)
ラ ベ ル:紙
10. その他
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Ⅴ.治療に関する項目
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V. 治療に関する項目
1. 効能または効果
腎機能検査(分腎機能測定による)
2. 用法および用量
通常インジゴカルミンとして 20~40mg(5~10mL)を静注した後,膀胱鏡で初排泄時間を調べる。 <参 考> 健康成人の初排泄時間は 3~5 分で,遅くとも 10 分以内であれば機能異常ではない。腎機能障害がある場合,初排泄時間は遅延する 1)。 (注)色素初排泄時間の他に,色素が尿中排泄最高濃度に達する時間(正常 5~7 分),排泄持続時間(正常
90 分)を調べる場合もある。
3. 臨床成績
1) 臨床効果
該当資料なし 2) 臨床薬理試験:忍容性試験
該当資料なし 3) 探索的試験:用量反応探索試験
該当資料なし 4) 検証的試験
(1) 無作為化並行用量反応試験
該当資料なし (2) 比較試験
該当資料なし (3) 安全性試験
該当資料なし (4) 患者・病態別試験
該当資料なし 5) 治療的使用
(1) 使用成績調査・特別調査・市販後臨床試験
該当資料なし (2) 承認条件として実施予定の内容または実施した試験の概要
該当しない
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Ⅵ.薬効薬理に関する項目
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VI. 薬効薬理に関する項目
1. 薬理学的に関連ある化合物または化合物群
フェノールスルホンフタレイン,パラアミノ馬尿酸ナトリウム
2. 薬理作用
1) 作用部位・作用機序
該当しない 2) 薬効を裏付ける試験成績
インジゴカルミンはインジゴをスルホン化した disodium indigotindisulfonate である。 インジゴカルミンによる腎機能検査は膀胱鏡で見ながら両側尿管からのインジゴカルミンの排泄状態を見て,
病側腎の判定を行う。 本剤を体内に注入すると,速やかに腎臓から尿中に排泄される。腎機能障害がある場合には,本剤の排泄が
遅れるので,注入後膀胱鏡で初排泄時間を調べ腎機能を推定することができる。本法は左右両側の腎臓の機
能を別々に診断でき,片側の病変を知るのに適した方法である 1) 2)。
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Ⅶ.薬物動態に関する項目
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VII. 薬物動態に関する項目
1. 血中濃度の推移・測定法
1) 治療上有効な血中濃度
該当しない 2) 最高血中濃度到達時間
静注直後 3) 通常用量での血中濃度
健康成人に本剤 20mg を静注した場合,血漿中濃度は注射直後にピークを示し,その後急速に低下して静注2~3 時間後にはほとんど認められなかった 3)。
4) 中毒症状を発現する血中濃度
該当資料なし
2. 薬物速度論的パラメータ
1) 吸収速度定数
該当しない 2) バイオアベイラビリティ
該当しない 3) 消失速度定数
該当資料なし 4) クリアランス
該当資料なし 5) 分布容積
該当資料なし 6) 血漿蛋白結合率
該当資料なし
3. 吸 収
該当しない
4. 分 布
1) 血液-脳関門通過性
該当資料なし
2) 胎児への移行性
該当資料なし 3) 乳汁中への移行性
該当資料なし
4) 髄液への移行性
該当資料なし
5) その他の組織への移行性
該当資料なし
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Ⅶ.薬物動態に関する項目
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5. 代 謝
1) 代謝部位および代謝経路
ヒト該当資料なし <参考:動物実験>4)
ラットにおけるインジゴカルミンの代謝経路
2) 代謝に関与する酵素(CYP450 等)の分子種
該当資料なし 3) 初回通過効果の有無およびその割合
該当資料なし 4) 代謝物の活性の有無および比率
該当資料なし <参考:動物実験> 下記「6.排泄 3)排泄速度」の項参照 ラットでの代謝物:Isatin-5-sulfonic acid,5-sulfoanthranilic acid 4)
5) 活性代謝物の速度論的パラメータ
該当資料なし
6. 排 泄
1) 排泄部位
腎臓 2) 排泄率
下記「3)排泄速度」の項参照 3) 排泄速度
健康成人の尿中初排泄時間は静注後 3~5 分であり,5~7 分で尿中排泄最高濃度を示した 5)。
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Ⅶ.薬物動態に関する項目
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<参考:動物実験>4) ラットに 35S-インジゴカルミンを 1.4mg/kg(ヒトで腎機能検査に使用される相当量)静注した場合,6 時間後までに投与量の 63%が尿中に排泄され,そのうち 12%が Isatin-5-sulfonic acid として,6%が 5- sulfoanthranilic acid として代謝物が占め,残りの 45%は未変化体であった。また胆汁中には静注 30 分後に投与量の約 10%が未変化体として認められ,以後減少する傾向にあった。
7. 透析等による除去率
1) 腹膜透析
該当資料なし 2) 血液透析
該当資料なし 3) 直接血液灌流
該当資料なし
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Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目
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VIII. 安全性(使用上の注意等)に関する項目
1. 警告内容とその理由
該当しない
2. 禁忌内容とその理由(原則禁忌を含む)
次の患者には投与しないこと
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者 解説:過敏症の副作用がある薬に共通の注意事項である。
3. 効能・効果に関連する使用上の注意とその理由
該当しない
4. 用法・用量に関連する使用上の注意とその理由
該当しない
5. 慎重投与内容とその理由
慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)
1) アレルギー素因のある患者 解説:アレルギー素因のある患者あるいは本剤に対し過敏症の既往歴のある患者では,アレルギー症状,ショ
ック症状があらわれる危険性が,他の患者に比べて高いため,投与に際しては慎重に行う必要がある。
2) 高齢者(「高齢者への投与」の項参照) 解説:高血圧性心疾患の患者に対し本剤を用いた検査を行い,本剤の心臓血管および呼吸に対する作用を検討
した結果,高齢者の患者では特に顕著に血圧上昇が認められ,さらに反射的徐脈をひき起こし,心拍出
量を低下させたとの報告 6)がある。
3) 高血圧の患者 〔症状が悪化するおそれがある。〕
解説:高血圧性心疾患の患者に対し本剤を用いた検査を行い,本剤の心臓血管および呼吸に対する作用を検討
した結果,本剤投与後に血圧上昇が認められ,さらに反射的徐脈をひき起こし,心拍出量を低下させたと
の報告 6)がある。 また,インジゴカルミンの 0.8%溶液 5mL(40mg)を点滴静注し,本剤の血圧および脈拍に対する影響を検討した結果,血圧上昇,徐脈等が認められたとの報告7)がある。よって,高血圧患者に対して本剤を
用いる時は,注意が必要である。 6. 重要な基本的注意とその理由および処置方法
注入から検査終了まで,被検者に横臥または坐位をとらせるなど安静にさせ観察を十分に行うこと。 解説:腎機能検査用薬に共通の一般的注意事項であり,本検査は常に一定の状態で行われる必要がある。
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Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目
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7. 相互作用
1) 併用禁忌とその理由
該当資料なし 2) 併用注意とその理由
該当資料なし
8. 副作用(再審査対象外)
1) 副作用の概要
該当資料なし 2) 重大な副作用と初期症状
ショック注)
ショックを起こすことがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には必要に応じ適切な処置
を行うこと。 注)自発報告または海外において認められている副作用のため頻度不明。 <初期症状>a) 顔が赤く熱くなる,皮膚がかゆい,蕁麻疹がでる,唇や舌・手足がしびれる,くしゃみ・咳がでる,気分が
悪い,心臓がドキドキする,尿意や便意を生じる,喉がつまる,息が苦しい,目の前が暗くなるなどの症状。 <原 因>a) ・アナフィラキシーショック:Ⅰ型アレルギー反応であり,ある薬による事前の感作があることが前提であ
る。 ・アナフィラキシー様反応:アナフィラキシーショックと全く同じ症状を呈するが,その成因が特異的 IgE
抗体の関与するⅠ型アレルギー反応によらないものをいい,ある薬の初回投与でも起こりうる。 3) その他の副作用注)
下記の副作用があらわれることがあるので,異常が認められた場合には必要に応じ適切な処置を行うこと。 (1) 過敏症 発疹等 (2) 循環器 血圧上昇,徐脈 (3) 消化器 悪心・嘔吐 注)自発報告または海外において認められている副作用のため頻度不明。
4) 項目別副作用発現頻度および臨床検査値異常一覧
該当資料なし 5) 基礎疾患,合併症,重症度および手術の有無等背景別の副作用発現頻度
該当資料なし 6) 薬物アレルギーに対する注意および試験法
禁 忌: 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者には投与しないこと。 慎重投与: アレルギー素因のある患者には慎重に投与すること。 重大な副作用: ショックを起すことがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には必要に応じ
適切な処置を行うこと。 その他の副作用:過敏症(頻度不明)
発疹等があらわれることがあるので,異常が認められた場合には必要に応じ適切な処置を
行うこと。
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Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目
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試 験 法: 特別な方法は定められていない。
9. 高齢者への投与
高齢者では,血圧上昇,徐脈等が起こりやすいので,患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。 解説:「Ⅷ.5.慎重投与とその理由 2)高齢者」の項(p.11)参照
10. 妊婦,産婦,授乳婦等への投与
1) 妊婦または妊娠している可能性のある婦人には診断上の有益性が危険性を上まわると判断される場合にのみ投与すること。
〔妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。〕 2) 授乳婦への投与は避けさせることが望ましいが,やむを得ず投与する場合は授乳を避けさせること。 〔授乳中の投与に関する安全性は確立していない。〕
11. 小児等への投与
該当資料なし
12. 臨床検査結果に及ぼす影響
該当しない
13. 過量投与
該当資料なし
14. 適用上および薬剤交付時の注意(患者等に留意すべき必須事項等)
開封時:アンプルカット時の異物混入を避けるため,エタノール消毒綿等で清拭しカットすること。
15. その他の注意
海外において気管支喘息の既往歴のある高齢者で致死的な心停止を起こしたとの報告がある。 解説:海外において報告された 2 例の要約を示す 8)。いずれも高齢者(76 歳,73 歳)で,気管支喘息を有して
おり,ともに心疾患を合併していた。手術中麻酔下でインジゴカルミン 80mg を静脈内投与後,致死的な心停止を発現している。
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Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目
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<症例報告>8) <症例 1:国外症例>
年齢 疾患名 (合併症)
本剤投与量 (使用理由) 副作用・経過
76 歳 腫瘍による膀胱出血 (慢性気管
支炎,喘息,
心不全)
80mg (膀胱摘出術,麻
酔下,輸尿管の位
置確認のため,切
開から 1 時間後に静注)
副作用:気管支攣縮,心停止 経 過:肥満,慢性気管支炎,喘息,心不全を有し,4 年前から
心臓ペースメーカーを装着していた。慢性収縮期性低血
圧症を呈し,腫瘍による膀胱出血のため貧血が著しく,
膀胱摘出術が必要と判断された。 麻酔下,輸尿管の位置確認のため,切開から 1 時間後,インジゴカルミン 80mg を静脈内投与した。吸入圧を高めるに伴い,気管支攣縮が次第に出現した後,末梢血圧
が急激に低下する一方で,末梢性チアノーゼ,散瞳がみ
られた。心臓マッサージにより末梢動脈圧が再び出現し,
酸素吸入下で十分な血色となったが,気管支攣縮は止ま
らず,急激に完全な心臓停止に至った。
<症例 2:国外症例>
年齢 疾患名 (合併症)
本剤投与量 (使用理由) 副作用・経過
73 歳 腎盂結石 (気管支炎,
喘息)
80mg
(麻酔下膀胱瘻設
置術後,輸尿管口
部の位置確認のた
め,術後 1 時間後に静注)
副作用:心停止 経 過:気管支炎,喘息を有し,3 週間前に,腎盂結石のため左
輸尿管の手術を受け,術後の尿漏れのため再手術が決定
されたが,重症の感染症(末梢性チアノーゼを伴う重篤
なショック,虚脱,気管支攣縮,多型性心室性期外収縮
を伴う不整脈)のため手術は困難であった。その後高用
量の抗生物質により退行した。 麻酔下膀胱瘻設置術後,膀胱浮腫のため,輸尿管口部の
定位が困難だったので,1 時間後,インジゴカルミン80mg を静脈内投与した。 注射終了後,脈拍がコントロール不能となり,コルチコ
イドや蘇生薬の投与と共に酸素療法,心臓マッサージを
行ったにも関わらず,散瞳と同時に末梢性チアノーゼが
みられた。心電図は全くの無秩序状態で,振幅も弱く,
急速に消失していった。
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Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目
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16. その他
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Ⅸ.非臨床試験に関する項目
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IX. 非臨床試験に関する項目
1. 一般薬理
該当資料なし
2. 毒 性
1) 単回投与毒性試験 9)
動物種 投与経路 LD50(mg/kg)マウス 経口 >2,500 マウス 皮下 405 ラット 経口 2,000 ラット 静脈内 93
2) 反復投与毒性試験
該当資料なし 3) 生殖発生毒性試験
該当資料なし 4) その他の特殊毒性
(1) 癌原性試験 10)
動物種 投与経路 投与用量 投与期間 結 果
マウス 皮下 2.5mg (1%溶液)
104 週 (週 1 回) 癌原性認めず
ラット 皮下 20mg (2%溶液)
104 週 (週 1 回) 投与局所での線維肉腫の発生増加
ラット 混餌 0.5,1.0,2.0,5.0% 混餌 104 週 癌原性認めず
イ ヌ 混餌 1.0,2.0% 混餌 104 週 癌原性認めず
(2) 感作原性試験 11)
インジゴカルミン溶液と馬血清との混合液を 10 日間皮内投与することでモルモットを感作した。 その結果,インジゴカルミンの誘発により, ①感作モルモットは軽度の皮膚反応を示した。 ②感作モルモットは明らかなショック症状は示さなかった。 ③感作モルモットの摘出腸管は明確な収縮を示さなかった。 ④感作モルモットの血清には,インジゴカルミンに対する抗体が認められた。これらの血清は補体結合
反応では陰性であったが,沈降反応では軽度の反応性を示した。
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Ⅹ.取扱い上の注意等に関する項目
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X. 取扱い上の注意等に関する項目
1. 有効期間または使用期限
使用期限:3 年間(長期保存試験結果に基づく) 2. 貯法・保存条件
室温・しゃ光保存 3. 薬剤取扱い上の注意点
処方せん医薬品:注意-医師等の処方せんにより使用すること
本品は,「ワンポイントカットアンプル」を使用しているので,アンプル枝部のマークを上にして,反対方向
に折りとること。
4. 承認条件
なし 5. 包 装
インジゴカルミン注第一(1mL 中 4mg 含有) 5mL 10 管 (日本薬局方インジゴカルミン注射液)
6. 同一成分・同効薬
同一成分薬:なし 同 効 薬:フェノールスルホンフタレイン,パラアミノ馬尿酸ナトリウム
7. 国際誕生年月日
不明 8. 製造・輸入承認年月日および承認番号
製造承認年月日:1986 年 2 月 25 日(許可年月日:1949 年 9 月 13 日) 承 認 番 号:(61AM)1068
9. 薬価基準収載年月日
1950 年 9 月 1 日 10. 効能・効果追加,用法・用量変更追加等の年月日およびその内容
該当しない 11. 再審査結果,再評価結果公表年月日およびその内容
再評価結果公表年月日:1983 年 4 月 22 日 12. 再審査期間
該当しない 13. 厚生労働省薬価基準収載医薬品コード
7225400A1015 14. 保険給付上の注意
該当しない
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ⅩⅠ.文 献
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XI. 文 献
1. 引用文献
1) 稲田 務 他:新製インジゴカルミン及びフェノールズルフォフタレインの使用成績 総合医学 7 (18) 879 (1950)
2) Thomas, B.A. et al.:Comparative results of various functional kidney tests Based on a series of cases JAMA 69 (21) 1747 (1917)
3) 上羽 隆夫:有機色素の唾液中への排泄について(その 1)Evans’s blue,indigocarmine および azorubinsについて 歯科医学 23 (4) 802 (1960)
4) Lethco, E.J. et al.:The fate of FD&C blue no.2 in rats J.Pharmac.Exp.Ther.154 (2) 384 (1966)
5) 小酒井 望 他:インジゴ青排泄試験 負荷試験(医学書院)80 (1972)
6) Gerbershagen, H.U. et al.:Indigocarmin. Kardiovasculaere und Respiratorische Wirkungen Anaesthesist 21 (1) 25 (1972)
7) Erickson, J.C. et al.:The vasopressor effect of indigo carmine Anesthesiology 29 (1) 188 (1968)
8) Voiry, A.M. et al.:Deux accidents mortels lors d'une injection peroperatoire de carmin d'indigo Ann. Med. Nancy 15 413 (1976)
9) 宮沢 香 他:食用色素の安全性 日本薬剤師会誌 29 (9) 39 (1977)
10) Hansen, W.H. et al.:Chronic toxicity of two food colors, Brilliant Blue FCF and Indigotine Toxicol. Appl. Pharmacol. 8 29 (1966)
11) 本田 親秀 他: に対するインジゴカルミンの感作原性について 東京慈恵会医科大学雑誌 72 (3) 425 (1957)
2. その他の参考文献
a) 日本病院薬剤師会編集:重大な副作用回避のための服薬指導情報集 1(薬業時報社 1998 年) b) 第十四改正日本薬局方解説書(廣川書店 2001 年)
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ⅩⅡ.参考資料
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XII. 参考資料
主な外国での発売状況 該当資料なし
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ⅩⅢ.備 考
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XIII. 備 考
その他の関連資料 該当資料なし
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〔文献請求先・製品情報お問い合わせ先〕
第一三共株式会社 製品情報部
〒103-8426 東京都中央区日本橋本町 3-5-1
TEL:0120-189-132
目 次I. 概要に関する項目II. 名称に関する項目III. 有効成分に関する項目IV. 製剤に関する項目V. 治療に関する項目VI. 薬効薬理に関する項目VII. 薬物動態に関する項目VIII. 安全性(使用上の注意等)に関する項目IX. 非臨床試験に関する項目X. 取扱い上の注意等に関する項目XI. 文 献XII. 参考資料XIII. 備 考お問い合わせ先
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