東日本大震災と居住貧困・日本の未来 - ne · 2012-12-09 · - 1 - 2012...

31
- - 1 - 2012 日本住宅会議総会 記念講演&シンポジウム 2012 年12月1日 早稲田大学7号館 記念講演「東日本大震災から見える日本の未来」 五十嵐敬喜(法政大学教授、前内閣官房参与) シンポジウム「大震災と住まいの貧困」 「原発災害と復興の課題」 鈴木浩(福島大学名誉教授、日本住宅会議理事) 「現代ハウジングプアの諸相」 稲葉剛(NPO 法人自立生活サポートセンター・もやい代表理事) 「住宅復興の課題」 塩崎賢明(立命館大学教授、日本住宅会議理事長) <コーディネーター> 中島明子(和洋女子大学教授、日本住宅会議理事) 児玉善郎(日本福祉大学教授、日本住宅会議副理事長)

Upload: others

Post on 31-Dec-2019

1 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

-

- 1 -

2012 日本住宅会議総会 記念講演&シンポジウム

東東東日日日本本本大大大震震震災災災ととと居居居住住住貧貧貧困困困・・・日日日本本本ののの未未未来来来

2012 年12月1日

早稲田大学7号館

記念講演「東日本大震災から見える日本の未来」

五十嵐敬喜(法政大学教授、前内閣官房参与)

シンポジウム「大震災と住まいの貧困」

「原発災害と復興の課題」

鈴木浩(福島大学名誉教授、日本住宅会議理事)

「現代ハウジングプアの諸相」

稲葉剛(NPO 法人自立生活サポートセンター・もやい代表理事)

「住宅復興の課題」

塩崎賢明(立命館大学教授、日本住宅会議理事長)

<コーディネーター>

中島明子(和洋女子大学教授、日本住宅会議理事)

児玉善郎(日本福祉大学教授、日本住宅会議副理事長)

-

- 2 -

●講師プロフィール

○五十嵐 敬 喜(いがらし・たかよし)

法政大学法学部教授、弁護士

1944 年山形県生まれ。1966 年早稲田大学法学部卒業。1968 年弁護士登録。1995 年から法政大学法学

部教授。専攻は都市政策、公共事業論。日本景観学会副会長。2011 年には東日本大震災復興構想会議検

討部会専門委員および内閣官房参与を歴任。

日照権問題のなかから都市法を研究。神奈川県真鶴町の「美の条例」の制定(1993 年)に関与するな

ど各自治体のまちづくりにアドバイスを行った。

『現代都市法の生成』(三省堂 1980 年)で第7回藤田賞受賞、『都市法』(ぎょうせい 1987 年)など

都市法に関する一連の著作で昭和 62 年度都市計画学会石川賞受賞。そのほかの著書に『美しい都市を

つくる権利』(学芸出版社 2002 年)、『美しい都市と祈り』(学芸出版社 2006 年)など、共著書に『私た

ちの世界遺産1~4』(公人の友社)、『都市計画法改正 「土地総有」の提言』(第一法規 2009 年)な

ど多数。

○鈴木浩(すずきひろし)

福島大学名誉教授・明治大学客員教授・日本女子大客員教授。福島県復興ビジョン検討委員会座長、同

復興計画検討委員会委員長。浪江町復興検討委員会委員長、同復興計画策定委員会幹事長。双葉町復興

まちづくり委員会副委員長。国際共同研究「効果的な除染に関するアクションリサーチ」(FAIRDO)

代表。

○稲葉剛(いなばつよし)

NPO 法人自立生活サポートセンター・もやい代表理事、住まいの貧困に取り組むネットワーク世話人、

埼玉大学非常勤講師。

1969 年広島県生まれ。1994 年より東京・新宿を中心に路上生活者の支援活動に関わる。2001 年、自立

生活サポートセンター・もやいを設立し、幅広い生活困窮者への相談・支援活動に取り組む。

著書に『ハウジングプア』(山吹書店)、共著に『貧困待ったなし!―とっちらかりの 10 年間』(も

やい編、岩波書店)、『命と絆は守れるか?震災・貧困・自殺から DV まで』(三省堂)、『脱原発と

デモ―そして、民主主義』(筑摩書房)など。

○塩崎賢明

1947 年川崎市生まれ、現職 立命館大学政策科学部教授(2012 年 4 月~) 京都大学大学院博士課程修了、工学博士(京都大学) 神戸大学工学部助手、助教授を経て教授(~2012 年 3 月)

日本住宅会議理事長、災害復興学会理事 兵庫県震災復興研究センター共同代表理事、阪神淡路まちづくり支援機構共同代表委員 著書に「住宅復興とコミュニティ」(日本経済評論社、2009 年)他

2007 年日本建築学会賞(論文賞)受賞

-

- 3 -

<記念講演>

東日本大震災から見える日本の未来

五十嵐敬喜(法政大学教授、前内閣官房参与)

第一 東日本大震災は何を教えているか

1 復興の遅れ 住宅、雇用、産業、町づくりなどの観点からの総点検

2 日本社会の未来の投影 分断と差別、高齢者の孤独、若者の故郷離れ 産業育成と雇用の困難

地方の切捨てなど

第二 なぜこのような事態が生じている

1 政府の復興政策 復興庁の設置 19兆円の予算、一括交付金、特区など

2 政治不在、官僚の支配(積極・消極)特に予算のばらまきと執行不全、自治体の能力の限界、住

民の分断

第三 選挙戦(政策実現のための最大・唯一のチャンス)から見える各党の公約

1 自民・公明 消費税の流用と国土強靭化法などによる公共事業の復権

2 民主 ? 復興遅れに対する反省や対策見えず

3 第3極 何も触れず

4 共産・社民 反原発は明快だが?

第四 政策を実現するということ

1 具体的な政策を提言し実効性を確保すること

立法、予算措置、具体的な実践 自治体能力の向上

2 マスコミ、学問、運動の一体化

3 コミュニテイの復権

-

- 4 -

-

- 5 -

-

- 6 -

-

- 7 -

-

- 8 -

-

- 9 -

-

- 10 -

-

- 11 -

-

- 12 -

-

- 13 -

-

- 14 -

-

- 15 -

-

- 16 -

原発災害と復興の課題

鈴木浩(福島大学名誉教授、日本住宅会議理事)

1. 1 年 9 か月が過ぎようとしているが、なお「原発事故の深刻さと放射線汚染の過酷さの実相」を認

識できないでいる。被災者はもちろん、自治体も。政府は?

○「広島-長崎-福島」、「ハリスバーグ-チェルノブイリ-フクシマ」の交点

原子力利用の悲劇-次世代にどうつなげるのか(負の遺産を引き継ぐのか)

(廃炉処理、除染処理、使用済み核燃料問題)

国土の問題・地球の問題-しかし、福島に封じ込めてきた政府とマスメディア

「安全なエネルギーの供給に関する倫理委員会」(ドイツの廃炉方針を勧告)

「チェルノブイリ法」(1991 年、ロシア)

欧州における放射線防護に関するネットワーク(NERIS)との連携

○原発被災地の実情

・初動期の自治体対応の混乱(例えば、自治体首帳の「孤独な政策決定」)

→初動期の政府のガバナンス力

・双葉町は、なお加須市に仮町役場と「避難所」生活(100 数十人)。

-9 月からは 3 回の食事の供給を有料にした。

-ふるさとへの帰還はもちろん、仮設住宅への移動希望すら薄らいでいる。

-このままここで生活を続けてもいいという人たちも。

-復興検討委員会での放射線医学専門家の講演(10 月)

「150 年は戻れない」⇔県のアドバイザー「100mSv/y でも大丈夫」

○避難自治体と復興計画

・復興計画の目的(浪江町の場合);

① 全国各地に避難し、なお今後の見通しが見えない全ての町民に、町の方針を的確かつ機敏に

伝える。

② 町民代表による議論の結果を踏まえた町の方針を町執行部が国・県・東電などに体系的かつ

正確に伝える。

③ もちろん、具体的な復興事業や支援事業などを確実に実施し、町民の暮らしの支援と復興を

進める。

・避難者が孤立化し、倒れていく!寄り添う活動が圧倒的に足りない。

※亡くなる直前まで、ふるさとの住まいの模型を作り続けた 83 歳の女性の思い。

・「3年で帰還」→除染は万能ではない。

・原発立地町の廃炉問題(+中間貯蔵施設)

・除染、賠償、復興計画-新たな地域分断の進行

○平常時の民主主義、居住権保障、QoL、コミュニティ再生、参加型政策・計画決定、などの未成熟

(「正義」、「倫理」)

-

- 17 -

2.復興とは何か

・「公共事業」主導の復興事業の全面展開と地域コミュニティ・地域経済再生の見通し?

・時代背景(経済的衰退、政治的混乱、社会的不安定)を生み出してきた、わが国のこれまでの枠組

みの改善にどう肉薄できるか。

・基礎自治体のマンパワー不足と政策能力形成

・復興における「復興格差」、「支援格差」-研究者・専門家支援のマッピングが必要。

3.「仮の町」、「町外コミュニティ」

・災害公営住宅の建設と木造仮設の再利用(自治体内での災害公営住宅建設と「町外コミュニティ」

での災害公営住宅)

・「町外コミュニティ」受け入れ自治体におけるコミュニティ形成とふるさとの絆・コミュニティ持

続の二つのコミュニティ戦略。

・町外コミュニティを必要とする基礎自治体の広域連携と国・県による広域行政による支援。

・専門家集団の役割。

4.生活・生業再建、地域コミュニティ再生、地域経済再生

・自力建設への道(木造仮設の再活用を含めて)

・長期化する避難生活・高齢社会を支える「コミュニティ・ビジネス」など

・循環型地域経済の構築(都市と農村の有機的連携、地域循環型住まいづくりなど)。

・遊休農地との連携、森林資源の活用、再生可能エネルギーなどのコミュニティ対応型の展開。

-

- 18 -

現代ハウジングプアの諸相

稲葉剛(NPO 法人自立生活サポートセンター・もやい代表理事)

http://www.moyai.net

twitter:@inabatsuyoshi facebook:inatsuyo

◎貧困の現状をどう見るか

1990 年代半ばから路上生活者の支援活動をしてきた者から見ると、2008 年秋以降、「派遣切り」「非

正規切り」により多数の労働者が仕事と同時に住まいを失った状況は、かつての日雇労働者の置かれて

いた状況が急速に中間層にまで拡大してきたと映る。

「ネットカフェ難民」が社会問題になる以前から、寄せ場労働者や野宿者への支援に関わる者の間で

は、「都市全体が寄せ場化している」ということが共通認識となりつつあった。日本最大の寄せ場、大

阪・釜ヶ崎で活動を続けてきた生田武志は、再三、「日雇労働者がリハーサルし、フリーターが本番を

している」と警鐘を鳴らしてきた。

つまり、「日雇い労働(ワーキングプア)-ドヤ、飯場(ハウジングプア)」という、寄せ場特有の状

況が都市全体に拡散し、「派遣などの非正規雇用(ワーキングプア)-会社寮やネットカフェなどの不

安定な居所(ハウジングプア)」という状況に拡大してきたと言える。

路上

労働者派遣法改訂 定期借家制度の導入

非正規労働の拡大 追い出し屋被害

低い最低賃金 高い家賃水準

ワーキングプア ハウジングプア

路上

-

- 19 -

上記のような現状に至った背景には、もちろん派遣可能業種の拡大など労働分野での規制緩和が推し

進められてきたことがあるが、同時に住宅分野でも規制緩和策(定期借家制度の導入など)や公的な領

域の縮小(公営住宅の新規建設停止など)があったことを見逃してはならない。公的規制の不在は、悪

質な「ゼロゼロ物件」業者(敷金礼金をゼロにする一方で入居者の居住権を制限)や家賃保証会社によ

る入居者の追い出しなど、民間賃貸住宅入居者の「ホームレス化」を助長した。

また「最後のセーフティネット」であるはずの生活保護制度においては、長年、「水際作戦」(窓口で

申請をさせずに追い返す)が行われてきた。近年、生活困窮者支援団体や法律家などが生活保護の申請

同行活動を強化してきたことにより「水際作戦」は緩和されてきたものの、厚生労働省は財源不足に悩

む地方自治体の意向を受け、生活保護制度の改悪による受給者の絞り込みを図ろうとしている。扶養義

務の強化、求職者支援制度の強制(利用しない場合に停廃止)や医療費一部自己負担制の導入などの改

悪がなされてしまえば、自死者や餓死者の増加、刑務所という「司法のセーフティネット」に頼らざる

をえない人々の増加という最悪の事態が生まれてしまうだろう。

国の責任で生存権を保障することを明確にするために生活保護の財源を全額国庫負担にし、3割程度

と言われる生活保護の捕捉率を上げていく必要がある。また、生活保護の前の段階のセーフティネット

として、住宅手当制度の拡充・恒久化など、住宅政策の抜本的な見直しが求められている。

◎生活保護制度をめぐる動き

・全国の受給者数:約 213 万人(過去最多)

・社会保障審議会生活保護基準部会が年内にもとりまとめ。

・厚生労働省は総合的な生活困窮者支援体系として「生活支援戦略」のとりまとめ中。扶養義務強化な

どが盛り込まれる見込み。

・自民党が生活保護給付水準の 10%引き下げや食費・被服費の現物化などを提言(2012 年 4 月)

◎参考文献一覧

『ハウジングプア』 稲葉剛 山吹書店・JRC

『生活保護「改革」ここが焦点だ!』 尾藤廣喜、吉永純、小久保哲郎 生活保護問題対策全国会議・監修 あ

けび書房

『「餓死・孤立死」の頻発を見よ!―生活保護バッシングで隠された真実』 全国「餓死」「孤立死」問題調査団・

編 あけび書房

『間違いだらけの生活保護バッシング―Q&A でわかる 生活保護の誤解と利用者の実像』 生活保護問題対

策全国会議・編 明石書店

『わたしたちに必要な 33 のセーフティーネットのつくりかた』 稲葉剛・五石敬路・新藤宗幸・竹信三恵子・編

合同出版

『貧困待ったなし!~とっちらかりの 10 年間』 自立生活サポートセンター・もやい・編 岩波書店

『ルポ 最底辺』 生田武志 ちくま新書

『ルポ 若者ホームレス』 飯島 裕子・ビッグイシュー基金 ちくま新書

-

- 20 -

<資料> *ビッグイシュー基金『被災地の路上から』第3号(2012 年 8 月 15 日発行)より

-

- 21 -

<資料> 朝日新聞東京版(2012.11.15)より

〈チェック 石原都政〉困窮の現実、知ろうともせず

インタビュー:自立生活サポートセンター・もやい代表理事 稲葉剛

Q、石原氏は貧困問題とどう向き合ってきましたか。

住まいに困窮する人が増えても、向き合おうとしなかった。あくまで個人の問題と矮小化してしまう

考え方でした。

2008年にインターネットカフェに寝泊まりする人たちについて「200円、300円で泊まれる

宿はいっぱいあるんだよ。そこへ行かず、ファッションみたいな形で泊まって」と発言しました。

今の時代、そんなに安く泊まれる所はありません。私たちの抗議を受けて事実誤認を認めたが、「フ

ァッション」という認識は撤回しませんでした。まさに象徴的な発言で、不確かな知識をもとに「貧困

は自己責任」と主張する。現実を知らないし知ろうとしない。

Q、政策はどうでしょうか。

低所得者の暮らしを改善することに関心がなく、お金を持つ人のための都市空間をつくることに税金

を費やしたと言えます。その結果、貧困者はさらに暮らしにくくなり、格差を拡大させたのです。

04年には組織再編で、住宅局をなくしてしまった。ネットカフェ難民や、住まいに困窮する高齢者

が増えても、都営住宅は増やさない政策を続けてきました。

Q、住宅の数は世帯数を上回り、足りているという見方もありますが。

確かに民間では空き家が増え、住宅ストックとしては足りています。でも、借りられない人が増えて

いる。特に高齢者の一人暮らしは入居差別が激しい。孤独死を警戒され、なかなか貸してもらえません。

生活保護受給者が入れる「福祉可」の物件は老朽化し、劣悪なものが少なくない。こうした入居差別

をなくすには、行政のサポートが必要だと思います。

Q、ネットカフェに入店する時に本人確認を義務づける都の「ネットカフェ条例」で改善を要望しまし

たね。

身分証を持っていない人も多く、利用できないのは問題です。ネットは就職活動のツールの一つ。使

えないと情報が遮断し、社会から孤立してしまう。

派遣切りが社会問題化した時には支援のためのパンフレットを店内に置いたが、そうしたアプローチ

もできなくなる。ハローワークの登録カードなどでの代用を提案したが、受け入れてくれませんでした。

Q、生活保護のお年寄りが犠牲になった高齢者施設「静養ホームたまゆら」の火事は都民にも衝撃的で

した。

-

- 22 -

都内では特別養護老人ホームなどの受け皿が足りません。墨田区は生活保護受給者に遠くの受け入れ

先を紹介せざるをえず、担当者は苦渋の選択だったと言っていました。

石原都政だけの問題ではないが、住宅政策や高齢者福祉政策の貧困がもたらした部分が大きいのでは

ないでしょうか。

Q、住まいの貧困問題を解決するため、新知事にはどんなことを期待しますか。

何よりも貧困の現実と向き合う姿勢を求めたい。東京では住まいに困窮する人が多く、低所得者向け

の住宅政策の拡充を期待しています。

具体的には民家の空き家を活用した借り上げ型の公営住宅の増設や、入居差別をなくすための公的な

入居保証制度の創設など、住まいの安全網を充実させてほしい。

(聞き手・黒川和久)

■住まいの貧困問題

派遣労働の規制緩和などで非正社員が膨らむ中、2008年のリーマン・ショックによる経済危機で

雇用環境は悪化。「派遣切り」が相次ぎ、ハウジングプア(住まいの貧困)は広がった。

一方、都によると、増え続けてきた都内の住宅は1968年に世帯数を上回り、その差は拡大。08

年は総世帯数598万人に対し、住宅数は678万戸。住宅が世帯を1割強、80万戸上回っている。

こうした状況から石原都政では都営住宅について建て替えはしているが、00年以降、新規の建設は

せず、管理戸数を抑制する政策を進めてきた。

今年3月発行の都住宅マスタープランでは「既存ストックの有効活用を図り、困窮する都民に公平・

的確に供給する」と記す。抽選なしで困窮度の高い人から順に入居を認める仕組みなどを引き続き実施

する。

ただ、都営住宅は主に家族向けに建てられてきた経緯などから、特に単身者向けが不足気味。今年8

月に225戸を募集した単身者向けの抽選は平均47倍の高倍率だった。

群馬県渋川市の高齢者施設「静養ホームたまゆら」で09年3月に起きた火事では、犠牲になった1

0人のうち6人が墨田区の生活保護受給者だった。行き場のないお年寄りが東京を離れ、地方の無届け

施設に集められる実態が浮き彫りになった。

-

- 23 -

-

- 24 -

-

- 25 -

東日本大震災復興の課題

塩崎賢明(立命館大学政策科学部)

[email protected]

1. 東日本大震災の被害と特徴

巨大津波と原発震災

2.仮設居住

(1)応急仮設住宅(プレハブ仮設)

現状と問題点、過去の経験

(2)木造仮設住宅

住田町の経験、福島県の取り組み、

(3)みなし仮設住宅

長所と問題点

(4)仮設住宅システムの抜本的改革

3.恒久住宅の確保

(1)復興公営住宅

重要性と限界

阪神・淡路大震災の経験、孤独死問題(コミュニティの重要性)

(2)自力再建

被災者生活再建支援法の意義、問題点

法改正の課題

4.復興まちづくり

(1)津波被害、原発被害の深刻さ

住宅復興・生活再建の障害

(2)津波被災地域の移転問題

リスク評価、移転計画

合意形成 人・金・時間が必要

5.復興予算の流用問題

(1)復興特別会計

(2)流用の事例

(3)流用のメカニズム

6.東日本大震災から西日本大震災へ

復興の備え 復興の基本法制度

原発震災を絶対に避ける

-

- 26 -

(資料)塩崎賢明「復興予算は被災地のために」(『世界』2012 年 12 月号)

-

- 27 -

-

- 28 -

-

- 29 -

-

- 30 -

-

- 31 -