東日本大震災からの復旧・復興の現状と 東北経済産業局の取組 ·...

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東日本大震災からの復旧・復興の現状と 東北経済産業局の取組 平成24年 4月19日 1

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Page 1: 東日本大震災からの復旧・復興の現状と 東北経済産業局の取組 · ・東北新幹線は、平成23年4月29日に全線で運転再開、年 9月23日に通常ダイヤに戻る。

東日本大震災からの復旧・復興の現状と

東北経済産業局の取組

平成24年 4月19日 東 北 経 済 産 業 局

1

Page 2: 東日本大震災からの復旧・復興の現状と 東北経済産業局の取組 · ・東北新幹線は、平成23年4月29日に全線で運転再開、年 9月23日に通常ダイヤに戻る。

目 次 Ⅰ.東日本大震災による東北地域の被災状況 ・・・ 4

1.東北地域の被害状況 2.電力 3.石油製品

4.都市ガス 5.工業用水 6.交通インフラ

Ⅱ.東北経済産業局管内の経済の動向 ・・・11 1.東北地域の鉱工業生産指数の推移 2.被災県(岩手・宮城・福島)の鉱工業生産指数の推移

3.東北地域の大型小売店販売額の推移

4.東北各県の鉱工業生産指数、有効求人倍率の推移

5.平成24年3月新規高等学校卒業者就職内定状況 Ⅲ.被災地域の商工業者の事業再開状況 ・・・17 1.管内製造業の生産再開状況

2.沿岸部津波浸水地域の事業所数・人口

3.岩手県・宮城県沿岸部の浸水地域に係る商工業者の事業再開状況

4.福島県内の警戒区域等に係る商工業者の事業再開状況

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Ⅳ.「震災復興アクションプラン東北」の着実な実施 ・・・34

・産業復興アクションプラン東北

・復旧・復興支援 特別相談窓口の状況、金融支援策の活用状況、グループ施設等復旧整備補助事業(ア

ンケート概要含む)、中小企業基盤整備機構の仮設施設の整備状況、二重ローン対策

・次世代を見据えた国際競争力のある地域産業の再生

自動車産業集積の将来像、企業立地の促進、取引拡大

・地域資源を活用した東北らしい社会の再生 農商工連携の推進、地域活性化の推進、国際展開の推進

・未来につながる新しい産業基盤の再生 電力需給対策、スマート・コミュニティ構築

・体制の整備

東北経済産業局の体制、施策の確実な浸透、その他の主な取組

Ⅴ.復興に向けた今後の取り組み ・・・62 (参考)被災自治体の復興計画の策定状況、復興特区の認定状況 ・・・66

1.地方自治体の復興計画策定状況

2.東日本大震災復興特別区域法に基づく復興推進計画の認定状況

3

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Ⅰ.東日本大震災による東北地域の被災状況 1.東北地域の被害状況 2.電力 3.石油製品 4.都市ガス 5.工業用水 6.交通インフラ

4

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1.東北地域の被害状況

2011年3月11日、宮城県沖で我が国の観測史上最大の規模となる地震が発生。太

平洋沿岸部は高い津波を観測。東京電力福島第一原子力発電所は全電源を喪失し、

原発事故に発展。

地震

日時 平成23年3月11日(金) 14:46

規模 マグニチュード 9.0

大津波警報 青森県、岩手県、宮城県、福島県

(4県43自治体で521km2が浸水 【国土地理院】)

被害

死者 15,854人 行方不明者 3,089人 【H24.3.28警察庁】

避難者 468,635人(3月14日ピーク) 【内閣府】

被害総額 16兆9千億円(ストックのみ推計) 【内閣府】

地域経済の中核拠点(市街地、工業団地、港湾・空港、発

電・ガス設備、製油所等)が同時被災。

原発事故に伴う避難、除染、風評等の被害

東北のみならず、全国の経済活動に波及。

4県130市町村に災害救助法適用 (岩手県、宮城県、福島県は全域。全国では8県237市町村。)

宮城県 栗原市

最大震度

度重なる余震活動(震度4以上は231回(H24.3.8まで) 【気象庁】)

東日本大震災の震度分布 (気象庁) 5

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2.電力 電力需給逼迫も、計画停電を回避

主な発電所が被災し、電力供給力が大幅に減尐。 H23FY夏期、需要面は15%節電目標を設定。大口需要家に対しては、電気事業法第27条に基づく使用制限令を発動。供給面は電力の広域融通、自家発電設備の供給力組み入れ等を実施。懸念された計画停電を回避。

H23FY冬期は、数値目標を設定することなく、強制的な需要抑制措置を回避。現在は、H24FY夏期に向けた供給力回復の努力が続けられているところ。

女川(217) 東通(110)

△ 福島1(469)

△ 福島2(440)

△ 柏崎刈羽(821)

八戸(25)

能代(120)

秋田(130)

酒田(70)

東新潟(460)

新潟(25)

△ 広野(380)

勿来(162)

仙台(45)

新仙台(95)

新地(200)

原町(200)

運転中の原子力発電所

停止中の原子力発電所

運転中の火力発電所

停止中の火力発電所

青森

岩手 秋田

山形

宮城

福島 新潟

復旧済

復旧済

復旧済

復旧済

復旧済

H25夏までに 復旧見込

(参考) △ 東京電力の発電設備

復旧状況 平成23年3月20日時点の運転状況 ()内は出力(万kw)

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H24.3.26

全機停止

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3.石油製品 石油製品の供給が滞るが、4月初旬以降に沈静化

仙台製油所等の石油基地が操業停止。 東北のガソリンスタンドで約4割が営業できない状態。

早期の供給回復に向けて、西日本のガソリン転送、仮設ミニSSの開設等のあらゆる手段を実施。

<震災直後の石油供給体制>

JX鹿島製油所

コスモ 千葉製油所

H23.3.16 出荷再開

H23.5出荷再開(仮設設備) H24.3 生産再開

H23.3.18出荷再開 H23.6 生産再開

H23.3.23 出荷再開

日立

操業停止

宇都宮

高崎

郡山

新潟

酒田

塩竃油槽所

JX 仙台製油所

操業停止

八戸

盛岡

青森

秋田

JX 根岸製油所

東燃川崎工場 東亜京浜製油所

極東千葉製油所

出光千葉製油所

富士袖ヶ浦製油所

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八戸ガス㈱(1,306) 3/16

釜石ガス㈱(6,342) 4/11

仙台市(311,144) 4/16

塩釜ガス㈱(9,665) 4/12

石巻ガス㈱(6,738) 5/3

常磐都市ガス㈱(649)4/12

東北ガス㈱(514) 4/2

常磐共同ガス㈱(14,572)4/15

気仙沼市(1,187) 4/14

福島ガス㈱ (2,920 ) 3/23

凡例:(復旧対象戸数) 復旧完了日

東北4県10事業者の供給が停止。

全国のガス会社の応援隊派遣などにより、早期供給再開が実現(平成23年5月上旬)。

石巻ガス

4.都市ガス

※製造設備は平成24年5月に復旧予定

約35万戸のガス供給が停止も、5月上旬に供給再開

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※製造設備は平成24年3月に復旧

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5.工業用水

□被害状況 東北管内29事業中21事業が、管路、付帯設備(弁類等)、水管橋、設備(構築物等)の損傷、停電等の被害を受けた。被害の大きかった宮城県、福島県の被害総額は約18.7億円に及んだ。

□復旧状況(平成24年3月時点) ・完全復旧済み:13事業(右図○箇所) ・応急復旧により給水再開:7事業(右図■箇所) ・一部給水停止中:1事業(双葉地方工業用水道) ・全面給水停止中:なし

□工業用水道施設災害復旧事業費(平成23年度一次補正予算)活用状況

・東北管内では13事業が活用見込み ・12事業に1,397,827千円を交付決定

・1事業(双葉地方工業用水道)については明許繰越により平成24年度交付決定見込み

予算額 :60.8億円

交付対象 :事業費500万円以上のもの 補助率 :8/10~9/10

(秋田県) ○秋田工業用水道

(青森県) ○六カ所工業用水道

(岩手県) ■第一北上中部工業用水道 ○第二北上中部工業用水道

(青森県) ■八戸工業用水道

(山形県) ■酒田工業用水道

(村田町) ○村田町工業用水道

(宮城県) ■ 仙塩工業用水道 ■ 仙台圏工業用水道 ○仙台北部工業用水道

(南相馬市) ■南相馬市工業用水道

(福島県) ○相馬工業用水道

(双葉地方水道企業団) ▲双葉地方工業用水道

(白河市) ○白河市工業用水道

(福島県) ○磐城工業用水道 ■勿来工業用水道

○小名浜工業用水道 ○好間工業用水道

(西郷村) ○大平工業用水道 ○椙山工業用水道

○長久保工業用水道

被災工業用水道事業

( )は事業体名

○:完全復旧済み ■:応急復旧給水事業

▲ :一部給水停止中事業

下線事業:災害復旧事業費活用事業

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6.交通インフラ

東北の大動脈は、早期に復旧。

・東北自動車道は、総延長675kmのうち347kmで被害も、平成23年3月24日に交通規制を全面解除。

・東北新幹線は、平成23年4月29日に全線で運転再開、同年9月23日に通常ダイヤに戻る。

・仙台空港は、旅客便は平成23年4月13日、国内定期便は同年7月25日、国際便は同年9月25日に再開。

地域市街地等の道路・鉄道は、家屋流出や原発事故等の区域を除き、復旧。

仙台空港

仙台空港 アクセス鉄道

3月13日の仙台空港の様子 (東北地方整備局)

4月13日旅客便再開

平成23年4月10日までに迂回路利用を含め応急復旧が完了。

直轄 国道

在来幹線は97%復旧。沿岸の地方路線は8路線で不通。

鉄道

太平洋沿岸の10の国際拠点港湾・重要港湾で、応急復旧が完了。

港湾

被災258漁港(岩手、宮城、福島)のうち、241漁港で一部でも水産物の陸揚げが可能。

漁港

(平成24年3月30日。復興庁) 10

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Ⅱ.東北経済産業局管内の経済の動向 1.東北地域の鉱工業生産指数の推移 2.被災県(岩手・宮城・福島)の鉱工業生産指数の推移 3.東北地域の大型小売店販売額の推移 4.東北各県の鉱工業生産指数、有効求人倍率の推移 5.平24年3月新規高等学校卒業者就職内定状況

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71.4

97.9

82.7

94.1

70.6

99.6

64.6

94.8

60.0

70.0

80.0

90.0

100.0

110.0

7月 8月 9月 10月

11月

12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月

11月

12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月

11月

12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月

11月

12月 1月 2月

20年 21年 22年 23年 24年

鉱工業生産指数の推移(季節調整済、平成17年=100)

全国

東北

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

110

120

130

140

150

7月 8月 9月 10月

11月

12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月

11月

12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月

11月

12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月

11月

12月 1月 2月

20年 21年 22年 23年 24年

鉱工業生産指数 主要業種の動向

(季節調整済、平成17年=100)

電子部品・

デバイス工業

輸送機械工業

一般機械工業

鉄鋼業

パルプ・紙・

紙加工品工業

石油製品工業

1.東北地域の鉱工業生産指数の推移

平成23年3月の鉱工業生産(季節調整済)は、東日本大震災で多くの事業所が生産活動を停止したことから、前月比▲35.1 % (全国▲15.5%)と大幅に低下。

その後、工場の再開、サプライチェーンの回復に伴い、回復の動きがみられるものの、 円高やタイの洪水、市況悪化の影響等により、 9月以降は横ばい傾向。24年2月は、前月比+1.2 %と、3か月連続上昇で、持ち直しの動き。

沿岸部では、鉄鋼、製紙等の大手企業の工場が甚大な被害を受けたが、復旧が進み順次生産を再開しており、鉄鋼業、パルプ・紙・紙加工品工業は上昇傾向で推移。

リーマン・ショック

東日本大震災

世界同時不況

円高、タイ洪水、欧州経済

12

全国

東北

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82.7

95.2

64.2

90.6

43.9

73.9

59.5

90.4

40.0

50.0

60.0

70.0

80.0

90.0

100.0

110.0

10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月

22年 23年 24年

(平成17年=100)鉱工業生産指数(季節調整済)の推移

全 国岩手県宮城県福島県

2.被災県(岩手、宮城、福島)の鉱工業生産指数の推移

津波被害が甚大な宮城県及び岩手県の沿岸部、原発避難地域を除けば、工場の損壊やサプライチェーン寸断の問題は概ね解消され、被災企業の生産能力は、ほぼ震災前まで回復している。

その中で、機械工業等では円高やタイの洪水、市況悪化等の影響を受けており、企業の関心も、円高や欧米経済の状況に移っている。

沿岸部においては、鉄鋼、製紙、非鉄金属等の大手企業の工場が甚大な被害を受けたが、復旧が進み順次生産再開し、セメント、ビール工場等も生産再開が始まった。

一方、沿岸部の中小企業は再開に時間がかかっており、グループ補助金の活用等によって、事業の再建・再開が期待される。

宮城県

福島県

岩手県

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500

600

700

800

900

1,000

1,100

1,200

1,300

1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月

22年 23年 24年

(億円) 大型小売店販売額(全店舗)の推移

▲ 25.0

▲ 20.0

▲ 15.0

▲ 10.0

▲ 5.0

0.0

5.0

10.0

1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月

22年 23年 24年

(%) 大型小売店販売額(全店舗)前年同月比の推移東北全国

3. 東北地域の大型小売店販売額の推移

平成23年3月の大型小売店販売額(全店舗)は、東日本大震災による店舗の被災、物流の寸断等から、前年同月比▲25.5 % (全国▲6.5%)と大幅に減尐。

その後、物流が回復、被災店舗の販売が再開し、5月以降は復興需要とともに季節商品が好調で10か月連続の増加。

店舗の被災 物流の寸断

復興需要、季節商品が好調

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4.東北各県の鉱工業生産指数、有効求人倍率の推移

15

40.0

50.0

60.0

70.0

80.0

90.0

100.0

110.0

120.0

1月

2月

3月

4月

5月

6月

7月

8月

9月

10月

11月

12月

1月

2月

3月

4月

5月

6月

7月

8月

9月

10月

11月

12月

1月

22年 23年 24

(平成17年=100)鉱工業生産指数(季節調整済)の推移(県別)

東北

青森

岩手

宮城

秋田

山形

福島

0.25

0.30

0.35

0.40

0.45

0.50

0.55

0.60

0.65

0.70

0.75

0.80

0.85

0.90

1月

2月

3月

4月

5月

6月

7月

8月

9月

10月

11月

12月

1月

2月

3月

4月

5月

6月

7月

8月

9月

10月

11月

12月

1月

2月

22年 23年 24年

(倍) 有効求人倍率(季節調整値)の推移(県別)

東北

青森

岩手

宮城

秋田

山形

福島

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就職内定率の前年同月比は、青森のみがマイナス。他5県はプラス。

要因としては、被災3県を中心に求人数が減尐した夏場までに県外就職への意識が高まったこと、その後、復興需要により求人数が増加したことなどが挙げられる。

被災地採用枠を設けた県外企業の取り組みや復興需要に伴う県内求人の拡大により、建設業、卸売業・小売業が前年同月比で大きく上昇している。

出典:各労働局

5.平成24年3月新規高等学校卒業者就職内定状況(平成24年2月末現在)

16

昨年の内定率

今年の内定率

(人)

3,782 3,326 4,060

2,429 2,616

4,969

3,191 3,210 3,845

2,374 2,517

4,671

84.4%

96.5% 94.7% 97.7% 96.2% 94.0%

85.2% 94.4% 82.5% 94.2% 94.6%

89.3%

0.0%

20.0%

40.0%

60.0%

80.0%

100.0%

120.0%

0

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000

6,000

青森県 岩手県 宮城県 秋田県 山形県 福島県

就職希望者数(人) 就職内定者数(人) 就職内定率(%) 前年同月就職内定率(%)

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Ⅲ.被災地域の商工業者の事業再開状況 1.管内製造業の生産再開状況 2.沿岸部津波浸水地域の事業所数・人口 3.岩手県、宮城県沿岸部の浸水地域に係る商工業者の 事業再開状況 4.福島県内の警戒区域等に係る商工業者の事業再開状況 (参考) 浸水地域市町村別の商工業者の事業再開状況①~⑥ 地域別トピック(石巻市、気仙沼市、南相馬市、大槌町)

17

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30

65 79 82

92 93 95 95 98 99 99 99 100

16

20

17 23

18 18 18 19 18 18 19 19 19

77

38 27

18 13 12 10 9 7 6 5 5 4

37.4

69.1 78.0

85.4 89.4 90.2 91.9 92.7 94.3 95.1

95.9 95.9 96.7

0.0

10.0

20.0

30.0

40.0

50.0

60.0

70.0

80.0

90.0

100.0

0

20

40

60

80

100

120

140

3月末 4月末 5月末 6月末 7月末 8月末 9月末 10月末 11月末 12月末 1月末 2月末 3月末

東北地域の製造業(123社)の生産再開状況

操業停止

一部再開

全再開

生産再開状況

(全再開・一部再開の割合)

(%) (社)

東北経済産業局がヒアリングを行った東北地域の主要製造業(123社)のうち、約70%が3月末

時点で操業を停止した。

翌4月末には70%の企業が操業し、その後も徐々に操業を再開する企業が増加し、平成24年3

月末現在では操業停止状態にある企業は4社となっている。

1.管内製造業の生産再開状況

全再開

操業停止

一部再開

123社

96.7%

18 ※東北経済産業局において、津波被災地域の製造業者等を中心に、サプライチェーンの一端を担うと想定される東北管内の企業等から123社を抽出し調査した。

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2-1.沿岸部津波浸水地域の事業所数・人口(岩手県)

津波被災市町村別 浸水区域内事業所数の割合

岩手県では、陸前高田市、大槌町などで浸水区域内事業所の割合が9割を超えている。また、人口については、沿岸南部の市町村を中心に大幅な減尐。

◎ 浸水区域内事業所の割合の各県グラフは、総務省作成の「平成21年経済センサス-基礎調査」 (平成21年7月1日現在)調査区域別集計結果を東北経済局がまとめたもので( )内は事業所数。

津波被災市町村の震災前と現在の人口の比較

99.8% (1,280)

80.9% (2,211)

57.7% (1,382)

98.0% (777)

88.4% (804)

65.3% (2,011)

13.0% (85)

64.6% (113)

39.7% (73)

90.8% (198)

29.1% (640)

53.4% (416)

64.9% (9,992)

0.0 20.0 40.0 60.0 80.0 100.0

陸前高田市

大船渡市

釜石市

大槌町

山田町

宮古市

岩泉町

田野畑村

普代村

野田村

久慈市

洋野町

合 計

岩手県

19

市町村名 23.3.1人口 24.3.1人口 人口減尐数 減尐率

浸水区域内市町村合計

272,937 258,859 -14,078 -5.16%

洋 野 町 17,775 17,481 -294 -1.65%

久 慈 市 36,789 36,427 -362 -0.98%

野 田 村 4,606 4,440 -166 -3.60%

普 代 村 3,065 3,007 -58 -1.89%

田 野 畑 村 3,838 3,714 -124 -3.23%

岩 泉 町 10,708 10,483 -225 -2.10%

宮 古 市 59,229 57,880 -1,349 -2.28%

山 田 町 18,506 16,726 -1,780 -9.62%

大 槌 町 15,222 12,445 -2,777 -18.24%

釜 石 市 39,399 37,211 -2,188 -5.55%

大 船 渡 市 40,579 39,047 -1,532 -3.78%

陸前高田市 23,221 19,998 -3,223 -13.88%

全 県 合 計 1,326,643 1,309,614 -17,029 -1.28%

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2-2.沿岸部津波浸水地域の事業所数・人口(宮城県)

津波被災市町村別 浸水区域内事業所数の割合

宮城県では、女川町、南三陸町などで浸水区域内事業所の割合が9割を超えているほか、県の北部と南部の市町村で高い割合となっている。人口は、石巻市で1万人を超える減尐のほか、

沿岸市町村で減尐傾向があるのに対し、仙台市は7千人を超える大幅な増加。

◎ 浸水区域内事業所の割合の各県グラフは、総務省作成の「平成21年経済センサス-基礎調査」 (平成21年7月1日現在)調査区域別集計結果を東北経済局がまとめたもので( )内は事業所数。

津波被災市町村の震災前と現在の人口の比較

79.3% (455)

49.7% (577)

31.1% (628)

30.2% (846)

14.6% (3,126)

56.0% (1,413)

89.4% (532)

75.5% (2,481)

3.1% (32)

65.5% (451)

89.2% (1,513)

99.2% (651)

86.7% (7,865)

98.3% (887)

79.9% (3,672)

46.3% (25,129)

0.0 20.0 40.0 60.0 80.0 100.0

山元町

亘理町

岩沼市

名取市

仙台市

多賀城市

七ヶ浜町

塩竈市

利府町

松島町

東松島市

女川町

石巻市

南三陸町

気仙沼市

合 計

宮城県

20

市町村名 23.3.1人口 24.3.1人口 人口減尐数 減尐率

浸水区域内市町村合計

1,708,458 1,686,152 -22,306 -1.31%

気 仙 沼 市 73,154 68,693 -4,461 -6.10%

南 三 陸 町 17,378 15,072 -2,306 -13.27%

石 巻 市 160,394 149,886 -10,508 -6.55%

女 川 町 9,932 8,138 -1,794 -18.06%

東 松 島 市 42,840 40,346 -2,494 -5.82%

松 島 町 15,014 14,938 -76 -0.51%

利 府 町 34,279 34,735 456 1.33%

塩 竃 市 56,221 55,564 -657 -1.17%

七 ヶ 浜 町 20,353 19,701 -652 -3.20%

多 賀 城 市 62,990 61,609 -1,381 -2.19%

仙 台 市 1,046,737 1,053,813 7,076 0.68%

名 取 市 73,603 72,261 -1,342 -1.82%

岩 沼 市 44,160 43,729 -431 -0.98%

亘 理 町 34,795 33,426 -1,369 -3.93%

山 元 町 16,608 14,241 -2,367 -14.25%

全 県 合 計 2,346,853 2,323,874 -22,979 -0.98%

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2-3.沿岸部津波浸水地域の事業所数・人口(福島県)

津波被災市町村別 浸水区域内事業所数の割合

福島県では、新地町、広野町などで浸水区域内事業所が7割を超えている。また、人口は、津波により被災した各市町村で大きく減尐し、県全体でも4万人を超える。

◎ 浸水区域内事業所の割合の各県グラフは、総務省作成の「平成21年経済センサス-基礎調査」 (平成21年7月1日現在)調査区域別集計結果を東北経済局がまとめたもので( )内は事業所数。

津波被災市町村の震災前と現在の人口の比較

19.7% (3,109)

73.4% (212)

67.7% (252)

28.1% (257)

37.3% (217)

21.2% (73)

22.0% (250)

18.7% (682)

34.2% (678)

85.9% (317)

23.8% (6,047)

0.0 20.0 40.0 60.0 80.0 100.0

いわき市

広野町

楢葉町

富岡町

大熊町

双葉町

浪江町

南相馬市

相馬市

新地町

合 計

福島県

21

市町村名 23.3.1人口 24.3.1人口 人口減尐数 減尐率

浸水区域内市町村合計

526,450 506,837 -19,613 -3.73%

新 地 町 8,178 7,855 -323 -3.95%

相 馬 市 37,721 36,400 -1,321 -3.50%

南 相 馬 市 70,752 65,916 -4,836 -6.84%

浪 江 町 20,854 19,305 -1,549 -7.43%

双 葉 町 6,891 6,379 -512 -7.43%

大 熊 町 11,570 11,019 -551 -4.76%

富 岡 町 15,959 14,751 -1,208 -7.57%

楢 葉 町 7,676 7,339 -337 -4.39%

広 野 町 5,386 5,155 -231 -4.29%

い わ き 市 341,463 332,718 -8,745 -2.56%

全 県 合 計 2,024,401 1,978,924 -45,477 -2.25%

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被災地域にある商工会議所・商工会の会員事業者の復旧・復興状況を聴取したところ、岩手県では、約7割が事業を再開している一方、既に廃業した事業者も1割程度存在する。宮城県では、約9割が事業を再開しており、廃業した事業者は1割弱ほど存在する。

岩手県では、久慈市、宮古市などで事業再開が進んでいるのに対し、陸前高田市、大槌町、山田町などで遅れている。宮城県では、多くの地域で8割以上が事業を再開しているが、石巻市は約7割、南三陸町は約5割、女川町は3割程度の再開にとどまるなど、地域により復旧・復興の状況に差異がみられる。

復旧が遅れている地域に共通した要因は、被害が甚大であること、堤防や土地の嵩上げの計画が未確定であること、地域の土地利用計画が確定していないことなどが挙げられている。事業者サイドの要因としては、高齢化・後継者不足、機械装置・工場施設の整備業者の手当が付かないことなどが挙げられている。

3.岩手県・宮城県沿岸部の浸水地域に係る商工業者の事業再開状況

※岩手県の調査は、被災地商工会議所・商工会▲から会員事業者の状況を聞き取り調査し東北経済産業局がまとめたもの

▲久慈市、釜石市、宮古市、大船渡市、陸前高田市、大槌町、山田町、岩泉町、田野畑村、普代村、洋野町、野田村

※宮城県の調査は、宮城県が実施した東日本大震災被災商工業者営業状況調査

※調査時点は商工会議所・商工会ごとに異なる

事業再開 2,787 (66.8%)

休業 682 (16.3%)

廃業 438 (10.5%)

不明 266 (6.4%)

0.0% 10.0% 20.0% 30.0% 40.0% 50.0% 60.0% 70.0% 80.0% 90.0% 100.0%

被災事業者数

4,173

【岩手県被災地商工会議所・商工会被災事業者】

事業再開 16,044 (85.7%)

中止・廃業 1,213 (6.5%)

不明 1,460 (7.8%)

0.0% 10.0% 20.0% 30.0% 40.0% 50.0% 60.0% 70.0% 80.0% 90.0% 100.0%

被災事業者数

18,717

【宮城県被災地商工会議所・商工会被災事業者】

22

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4.福島県内の警戒区域等に係る商工業者の事業再開状況-平成24年1月20日現在

警戒区域等*を含む14地区の商工会(※) の会員事業所を対象に操業等の状況を調査した。 *警戒区域等:警戒区域、計画的避難区域及びその周辺地域

企業の状況は、2,744社のうち、1,112社(うち、64社が県外で再開。)が事業を再開し、再開事業割合は40.6%となっている。

事業再開した企業(1,112社)の建設業が約4割(420社)を占め、事業再開していない企業(1,632社)の内、小売業が約3割(562社)を占める。

業種別にみると、建設業、製造業では事業再開の割合が高く、小売業では事業再開の割合が低い。

23 ※広野町、楢葉町、富岡町、川内村、葛尾村、大熊町、双葉町、浪江町、飯舘村、川俣町、いわき市久ノ浜町、南相馬市小高、南相馬市鹿島、田村市都路町の商工会

事業再開 40.6% 事業非再開 59.4% 全体

2744社

事業再開 45.8% 事業非再開 54.2% 製造業

330社

小売業

735社 事業再開 23.5% 事業非再開 76.5%

建設業

673社 事業再開 62.4% 事業非再開 37.6%

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(参考) 浸水地域市町村別の商工業者の事業再開状況 ①岩手県沿岸北部

24 (96%)

1 (4%)

0.0% 10.0% 20.0% 30.0% 40.0% 50.0% 60.0% 70.0% 80.0% 90.0% 100.0%

1月4日現在

【洋野町】 事業再開

休業

廃業

不明

137 (94%)

5 (3%)

3 (2%)

1 (1%)

0.0% 10.0% 20.0% 30.0% 40.0% 50.0% 60.0% 70.0% 80.0% 90.0% 100.0%

11月30日

時点

【久慈市】 事業再開

休業

廃業

不明

82 (81.1%)

4 (4%)

15 (14.9%)

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

1月4日現在

【野田村】 事業再開

休業

廃業

不明

16 (84.2%)

3 (15.8%)

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

1月4日現在

【普代村】 事業再開

休業

廃業

不明

24

岩手県

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(参考) 浸水地域市町村別の商工業者の事業再開状況 ②岩手県沿岸中部

20 (62.5%)

5 (15.6%)

7 (21.9%)

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

1月4日現在

【田野畑村】 事業再開

休業

廃業

不明

75 (96.1%)

2 (2.6%)

1(1.3%)

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

1月4日現在

【岩泉町】 事業再開

休業

廃業

不明

672 (84.3%)

48 (6%)

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

12月6日時点

【宮古市】 事業再開

休業

廃業

不明

77 (9.7%)

166 (49.3%)

61 (18.1%)

62 (18.4%)

48 (14.2%)

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

1月4日現在

【山田町】 事業再開

休業

廃業

不明

25

岩手県

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(参考) 浸水地域市町村別の商工業者の事業再開状況 ③岩手県沿岸南部

223 (57.6%)

14

(3.6%) 117

(30.3%) 33

(8.5%)

0.0% 10.0% 20.0% 30.0% 40.0% 50.0% 60.0% 70.0% 80.0% 90.0% 100.0%

1月4日現在

【大槌町】 事業再開

休業

廃業

不明

328 (69.8%)

71 (15.1%)

51 (10.9%)

20 (4.3%)

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

11月1日

時点

【釜石市】 事業再開

休業

廃業

不明

834 (70.9%)

227 (19.3%)

96 (8.2%)

20

(1.7%)

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

10月30日

時点

【大船渡市】 事業再開

休業

廃業

不明

210 (35%)

243 (40%)

8 (1%)

143 (24%)

0.0% 10.0% 20.0% 30.0% 40.0% 50.0% 60.0% 70.0% 80.0% 90.0% 100.0%

1月4日現在

【陸前高田市】 事業再開

休業

廃業

不明

26

岩手県

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(参考) 浸水地域市町村別の商工業者の事業再開状況 ④宮城県沿岸北部

1,284 (86.8%) 187 (12.7%)

7 (0.5%)

0.0% 10.0% 20.0% 30.0% 40.0% 50.0% 60.0% 70.0% 80.0% 90.0% 100.0%

11月30日現在

【気仙沼市】 事業再開

中止、廃業

不明

258 (54.6%) 88 (18.6%) 127 (26.8%)

0.0% 20.0% 40.0% 60.0% 80.0% 100.0%

11月30日現在

【南三陸】 事業再開 中止、廃業 不明

2,215 (70.6%) 209 (6.7%) 711 (22.7%)

0.0% 10.0% 20.0% 30.0% 40.0% 50.0% 60.0% 70.0% 80.0% 90.0% 100.0%

11月30日現在

【石巻市】 事業再開 中止、廃業 不明

97 (22.0%) 100 (22.7%) 244 (55.3%)

0.0% 20.0% 40.0% 60.0% 80.0% 100.0%

11月30日現在

【女川町】 事業再開

中止、廃業

不明

27

宮城県

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(参考) 浸水地域市町村別の商工業者の事業再開状況 ⑤宮城県沿岸東部・中部

604 (79.6%) 155 (20.4%)

0.0% 20.0% 40.0% 60.0% 80.0% 100.0%

11月30日現在

【東松島市】

事業再開 中止、廃業 不明

342 (96.1%) 14 (3.9%)

0.0% 20.0% 40.0% 60.0% 80.0% 100.0%

11月30日現在

【利府町・松島町】 営業継続

中止、廃業

不明

1,157 (93.5%)

29 (2.3%)

52 (4.2%)

0.0% 20.0% 40.0% 60.0% 80.0% 100.0%

11月30日現在

【塩釜市】 事業再開 中止、廃業 不明

1,069 (97.4%) 29 (2.6%)

0.0% 20.0% 40.0% 60.0% 80.0% 100.0%

11月30日現在

【多賀城市・七ヶ浜町】 営業継続

中止、廃業

不明

28

宮城県

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(参考) 浸水地域市町村別の商工業者の事業再開状況 ⑥宮城県沿岸中部・南部

7,786 (93.8%)

237 (2.9%)

278 (3.3%)

0.0% 20.0% 40.0% 60.0% 80.0% 100.0%

11月30日

現在

【仙台市】 事業再開 中止、廃業

不明

552 (85.2%) 92 (14.2%)

4 (0.6%)

0.0% 20.0% 40.0% 60.0% 80.0% 100.0%

11月30日

現在

【名取市】 営業継続

中止、廃業

不明

164 (82.0%) 8 (4.0%) 28 (14.0%)

0.0% 20.0% 40.0% 60.0% 80.0% 100.0%

11月30日

現在

【岩沼市】 営業継続 中止、廃業 不明

516 (87.5%) 65 (11.0%)

9 (1.5%)

0.0% 20.0% 40.0% 60.0% 80.0% 100.0%

11月30日

現在

【亘理町・山元町】 営業継続

中止、廃業

不明

29

宮城県

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宮城県石巻市は、震度6強の地震と津波により、死者3,182名、行方不明者557名(平成24年2月29日現在)

に上り、人口は震災前に比べ10,355名減と6.5%減尐 (平成24年2月1日現在)。

平野部の約30%にあたる73㎢が浸水し、津波浸水区域内に86.7%の事業所が所在すると推計される(総務

省平成21年経済センサスより)。

沿岸部では、港湾施設、漁港などのインフラや、多くの工場や事業所が被災し、基幹産業である紙パルプ

製造業、飼肥料製造業、合板製造業、水産加工業などが大きな被害を受けた。

また、市内の広範囲で最大120㎝の地盤沈下が発生し、復興が遅れる要因の1つとなっている。

(参考)地域別トピック(石巻市)

グループ補助金 14グループ(505事業者)に対し、約571億円の交付を決定済み。 ・仮設施設整備 事業開始9箇所(66区画)のうち、8箇所(60区画)が既に完成。

・内立地推進事業費補助金 日本製紙(株)石巻工場 等

被害状況

支援状況

事業再開

課題

同市は、農林漁業に占める漁業・水産養殖業従業者の割合が37%、製造業に占める食品製造業従業者の

割合が43%と高く、これらに関連する産業の担い手である中小事業者早期の復旧・復興が課題。 30

事業再開 2,215 (70.6%) 209

(6.7%) 不明 711 (22.7%)

0.0% 10.0% 20.0% 30.0% 40.0% 50.0% 60.0% 70.0% 80.0% 90.0% 100.0%

被災事業所数 3,135

【石巻市の商工会議所・商工会会員事業者の事業再開状況】 中止・廃業

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宮城県気仙沼市は、震度6弱の地震と津波により、死者1,030名、行方不明者338名(平成24年2月29日現

在)に上り、人口は震災前に比べ4,389名減と6.0%減尐 (平成24年2月1日現在)。

市域面積の約5.6%にあたる18.65㎢が浸水し、津波浸水区域内に80.8%の事業所が所在すると推計され

る(総務省平成21年経済センサスより)。

沿岸部においては、市魚市場、漁港・道路などのインフラや、多くの工場や事業所が被災し、基幹産業であ

る水産関連の産業が大きな被害を受けた。

また、市内の広範囲で最大74㎝の地盤沈下が発生し、復興が遅れる要因の1つとなっている。

グループ補助金 5グループ(178事業者)に対し、約252億円の交付を決定済み。 仮設施設整備 事業開始39箇所(275区画) のうち、 39箇所(227区画) が既に完成。

スマートコミュニティ導入促進等事業費補助 住宅の高台移転を契機としたスマートコミュニティ可能性調査の実施。 等

被害状況

支援状況

事業再開

課題

同市は、農林漁業に占める漁業・水産養殖業従業者の割合が95%、製造業に占める食品製造業従業者の

割合が72%と非常に高く、これらに関連する産業の担い手である中小事業者の早期の復旧・復興が課題。

(参考)地域別トピック(気仙沼市)

31

事業再開 1,284 (86.8%) 中止・廃業

187 (12.7%)

不明 7 (0.5%)

0.0% 10.0% 20.0% 30.0% 40.0% 50.0% 60.0% 70.0% 80.0% 90.0% 100.0%

被災事業所数 1,478

【気仙沼市の商工会議所・商工会会員事業者の事業再開状況】

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福島県南相馬市は、震度6弱の地震と津波により、死者631名、行方不明者7名(平成24年2月29日現在)に

上り、人口は震災前に比べ4,700名減と6.6%減尐 (平成24年2月1日現在)。

40.8㎢が浸水し、津波浸水区域内に18.7%の事業所が所在すると推計される(総務省平成21年経済セン

サスより)。

福島第一原子力発電所の事故により、警戒区域に指定されている地域(小高区全域・原町の一部区域)等

では、多くの住民が避難を続けている(人口:震災前約71000名→現在約45000名)ほか、市外に移転する企

業もみられる。

グループ補助金 7グループ(59事業者)に対し、約12億円の交付を決定済み。 仮設施設整備 事業開始12箇所(78区画) のうち、10箇所(55区画)が既に完成。 スマートコミュニティ導入促進等事業費補助

大規模再生可能エネルギー導入と中心市街地のスマートコミュニティ化マスタープラン構築調査の実施 等

被害状況

支援状況

事業再開

課題

南相馬市は、電気、電子、食品等の製造業が比較的盛んな地域であるが、原発事故の影響もあり、市外に

移転する企業もみられる。

復旧、復興に向けて、雇用確保のための企業誘致、再生エネルギー等の新産業の創出が望まれる。

(参考)地域別トピック(南相馬市)

341 96 16 10 50

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

合計

再開

部分再開

移転再開

移転部分再開

未再開

【原町商工会議所会員事業者の事業再開状況】(アンケートを実施した1297事業者のうち、回答のあった513事業者の集計結果)

32

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岩手県大槌町は、震度6弱の地震と津波により、死者803名、行方不明者479名(平成24年2月29日現在)に上り、人口は震災前に比べ2759名減と18.1%減尐(平成24年2月1日現在) 。

住宅地・市街地面積の約52%にあたる4㎢が浸水し、 津波浸水区域内に18.7%の事業所が所在すると推計される(総務省平成21年経済センサスより)。

基幹産業である水産業は、漁港、漁業施設、水産加工施設等が大きな被害を受けた。 被災した事業者が同じ場所での再建するためには、沈下した土地の嵩上げや防潮堤の設置などが必要。

大槌町商工会会員の69件が死亡により廃業したほか、高齢等を理由に廃業する者もあり、事業の後継者不足も深刻。

被害状況

支援状況

事業再開

課題

223 (58%)

14

(4%)

117 (30%)

33 (8%)

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

1月4日現在

【大槌町】 事業再開

休業

廃業

不明

(参考)地域別トピック(大槌町)

グループ補助金 4グループ(31事業者)に対し、約37億円の交付を決定済み。 仮設施設整備 事業開始7箇所(89区画)全てが既に完成。

スマートコミュニティ導入促進等事業費補助 スマートエネルギータウン計画策定調査の実施。

移転事業再開に適した土地が尐ないため、津波浸水地域での事業再開も視野に入れる必要があるが、沈

下した土地の嵩上げ、防潮堤の整備等の課題がある。

町の基幹産業である水産業や観光業に関連する産業の担い手である中小企業の早期の復旧・復興が望ま

れるが、担い手となる事業者の多くが被災し、担い手不足も深刻である。 33

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Ⅳ.『産業復興アクションプラン東北』の着実な実施

産業復興アクションプラン

【共通事項】復旧・復興支援

1.中小企業特別相談窓口

2.金融支援策の活用

3.グループ補助金

4.仮設施設(店舗・工場)の整備

5.二重ローン対策

次世代を見据えた国際競争力のある

「地域産業」の再生

6.自動車産業集積の将来像

7.企業立地の促進

8.取引拡大

地域資源を活用した「東北らしい」社

会の再生

9.農商工連携の推進

10.地域活性化の推進

11.国際展開の推進

未来につながる新しい「産業基盤」の

再生

12.電力需給対策

13.スマート・コミュニティ構築

「東北の発信」と体制の整備

14.東北経済産業局の体制

15.施策の確実な浸透

16.その他の主な取組

34

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産業復興アクションプラン東北

□ 東日本大震災からの早期の復旧を図り、将来に向けて強い競争力を備えた地域として、復興と

再生を成し遂げるため、東北経済産業局としての方向性と取り組みを示すもの。

□ 策定にあっては、国内投資促進東北地域本部(2011年7月22日)において、地域関係機関との

協議を行うとともに、実施にあっても、一層の連携を強化する等、地域力を結集して取り組む。

次世代を見据えた国際競争力のある

「地域産業」の再生

製造業の早期復旧とともに、地域を牽引するリーディング産業育成を強化し、地域の再生を目指す。

地域資源を活かした 「東北らしい」社会の再生

商店街等のほか、大きな打撃を受けた農林水産業、観光業の早期復旧と更なる高付加価値化の取組を行う。

未来につながる新しい「産業基盤」の再生

クローズアップされた産業インフラの課題について、短中期の取組を検討し、強靱な基盤として再生を目指す。

「東北の発信」と体制の整備

地域の早期復興と、地域内外の支援に応えるため、情報発信力を強化する。併せて、適時適切に体制を整備する。

産業復興アクションプラン東北の概要

1 2

35

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平成23年3月13日(日)に「東日本大震災に関する特別相談窓口」を設置。平成24年3月30日(金)までに、延べ1224件の相談に対応。

相談内容別では、国・関係機関の支援制度の照会(48%)や、資金繰り(33%)に係る相談が、業種別では、サービス業(16%)、製造業(12%)、小売業(12%)からの相談が多い状況。

震災直後は、資金繰りに関する相談が大勢を占めていたが、第一次補正予算成立以後は、その内容に関する問い合わせ(利子補給制度、仮設工場・店舗設置事業、中小企業グループ施設復旧事業)が多く寄せられたところ。また、第二次補正予算成立以後は、二重ローンに関する照会も寄せられるようになった。第三次補正予算成立以後は、復興支援リース補助事業に関する照会も寄せられるようになった。

相談のピークは平成23年4月で、週80件以上であった。足下は、同4件程度。

【相談事例】 ・津波で工場が流失したが、再起を考えている。 どのような融資制度があるか。 ・建物に被害はなかったが、地震発生以降、売上が減尐し資金繰りに困っている。 ・二重ローン問題の相談は、どこにどう相談すればよいのか。 ・津波の影響で工場が流失してしまった。仮設工場を利用して事業再開したい。 ・グループ補助金に応募したいが、事業の概要を聞きたい。

1.東日本大震災に関する特別相談窓口の状況

復旧・復興支援

36

<相談件数> (件)

国・関係機関の 支援制度の照会

資金繰り相談 経営相談 情報収集 その他 計

製造業 74 52 10 13 149 卸売業 12 10 2 24 小売業 68 52 2 9 12 143 飲食業 30 30 1 1 62

サービス業 84 94 2 6 13 199 建設業 33 34 1 4 14 86 運輸業 13 17 5 35 その他 276 120 4 52 74 526 計 590 409 9 82 134 1224 ※分類不明のものは 「その他」に分類

平成23年3月11日~平成24年3月30日

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東日本大震災復興緊急保証の活用実績

本制度の導入以降、被災県における利用実績が増加傾向。特に、福島県では、県が創設した制度融資で、融資後3年間利子補給が行われる「ふくしま復興特別資金」(6/1から取扱開始)の利用がとりわけ進んでいる。他県でも岩手県(6/15取扱開始)、宮城県(6/27から取扱開始)等において、順次制度融資が創設されており、円滑な資金供給が行われている。

復旧・復興支援

2.金融支援策の活用状況

37

承諾件数(件数)

(単位:件、百万円)

承諾件数 承諾金額

青森県 348 10,614

岩手県 2,878 58,254

宮城県 5,424 130,913

秋田県 4 125

山形県 914 20,820

福島県 10,209 181,164

東北計 19,777 401,890

全国計 77,245 1,786,356 23.5.23~24.3.23

承諾額(百万円)

0

200

400

600

800

1000

1200

0

5,000

10,000

15,000

20,000

25,000

30,000

5/2

3~

27

5/3

0~

6/3

6/6~

10

6/1

3~

17

6/2

0~

24

6/2

7~

7/1

7/4~

8

7/1

1~

15

7/1

9~

22

7/2

5~

29

8/1~

8/5

8/8~

8/1

2

8/1

5~

8/1

9

8/2

2~

8/2

6

8/2

9~

9/2

9/5~

9/9

9/1

2~

9/1

6

9/2

0~

9/2

2

9/2

6~

9/3

0

10

/3~

10

/7

10

/11~

10

/14

10

/17~

10

/21

10

/24~

10

/28

10

/31~

11

/4

11

/7~

11

/11

11

/14~

11

/18

11

/21~

11

/25

11

/28~

12

/2

12

/5~

12

/9

12

/12~

12

/16

12

/19~

12

/22

12

/26~

12

/30

1/4~

1/6

1/1

0~

1/1

3

1/1

6~

1/2

0

1/2

3~

1/2

7

1/3

0~

2/3

2/6~

2/1

0

2/1

3~

2/1

7

2/2

0~

2/2

4

2/2

7~

3/2

3/5~

3/9

3/1

2~

3/1

6

3/1

9~

3/2

3

福島 承諾額

山形 承諾額

秋田 承諾額

宮城 承諾額

岩手 承諾額

青森 承諾額

東北 承諾件数

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3.中小企業等グループ施設等復旧整備補助事業に係る申請・採択状況

復旧・復興支援

38

4回の公募により東北4県全体として185グループ(2,766者)へ総額約2,107億円(国+県)を補助。

さらに、平成24年度予算として500億円計上。

○復興のリード役となり得る「地域経済の中核」を形成する中小企業等グループが復興事業計画を作成し、県の認定を受けた場合に、施設・設備の復旧・整備を支援。

※ 補助率:中小企業対象・・・3/4(国1/2, 県1/4)、大企業対象・・・1/2(国1/3, 県1/6) ※ 復興事業計画認定要件 ① 経済取引の広がりから、地域の基幹産業・クラスター

② 雇用・経済の規模の大きさから重要な企業群

③ 我が国経済のサプライチェーン上、重要な企業群 ④ 地域コミュニティに不可欠な商店街 等

採 択

グループ数 補助金

(国+県) 億円

青森県 10 86

岩手県 30 436

宮城県 65 1,196

福島県 80 389

計 185 2,107

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石巻漁港 水産加工団地

宮城県石巻市

石巻水産業復興グループ(構成員数:210者 代表企業:大江冷蔵株式会社)

漁業・養殖業から鮮魚等卸売業、水産加工品製造・販売業までの水産加工グループと、造船修理業、製氷業、加工設備設置・修理業等のサポート産業関連グループで構成。平成22年の石巻の水揚は数量ベースで約13万トン(全国3位)であり、水産関連業は、地域の基幹産業となっている。

《被災状況》 水産加工場、冷凍・冷蔵庫等施設は全壊。製造設備、製品在庫が流失した事業所がほとんどであり、供給機能喪失、雇用喪失といった機能不全に陥った。

《グループの声》大江冷蔵株式会社 代表取締役 大江 康博氏

グループ補助金が採択されなければ、自己破産に陥る事業者も出たと思われる。

グループ補助金が復興に向けた希望の光となった。

復興に向けた動きは、地域産業の展望を話し合う契機となっており、震災前の状態へ

復旧するためだけでなく、将来を見据えた投資が可能となればよいと期待している。

高徳海産株式会社(復旧整備後) 《事業概要》

事業所、工場や、冷凍営業倉庫、凍結設備の復旧・共同利用化を推進し、経費削減等経営の合理化、競争力強化を支援。

また、復旧にあわせて、水揚げする魚市場→冷凍保管業→水産加工業といった一連の流れにおいて、HACCPに対応した高度衛生管理機能の構築を支援。

グループ施設等復旧整備補助事業の事例

復旧・復興支援

39

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平成23年度グループ補助金の交付先2273者(1~3次採択分)に対しアンケートを実施し、 1,828者(80.4%)から回答があった。

回答者の業種は、製造業が最も多く27%、次いで卸小売・サービス業23%、水産・食品加工22%となっており、3業種で約7割を占める。

回答者の資本金区分は、1,000万円から5,000万円の事業者が最も多く約4割、残りは300万円未満を除きほぼ1割程度となっている。

【参考】 平成23年度交付決定額は、1969億4千万円で、うち国費は1312億9千万円となっている。

一事業者への平均交付決定額は、8,700万円となっている。

アンケート送付数と補助金交付決定額

青森県 208 8,569 5,712

岩手県 295 43,680 29,117

宮城県 1,134 116,356 77,571

福島県 636 28,335 18,890

計 2,273 196,940 131,290

業種別回答数

製造業水産・食品加工業

卸小売・サービス業

旅館・ホテル業

建設業 運送業 その他

青森県 144 39 37 20 3 9 15 21

岩手県 261 65 100 24 19 10 18 25

宮城県 940 250 234 226 16 53 76 85

福島県 483 139 32 141 91 13 25 42

計 1828 493 403 411 129 85 134 173

資本金別回答数

個人事業主 300万円未満300万円~500万円

500万円~1000万円

1000万円~5000万円

5000万円~1億円

1億円以上

青森県 144 7 5 20 18 45 21 28

岩手県 261 24 9 33 29 118 31 17

宮城県 940 123 23 118 118 414 68 76

福島県 483 77 18 43 57 177 43 68

計 1828 231 55 214 222 754 163 189

回答数

回答数

事業者数

(アンケート

送付数)

交付決定額(百万円)

うち国費(百万円)

製造業

27%

水産・食品

加工業22%

卸小売・

サービス業23%

旅館・ホテ

ル業

7%

建設業

5%

運送業7%

その他9%

個人事業

主13% 300万円未

3%300万円~

500万円12%

500万円~

1000万円12%

1000万円

5000万円41%

5000万円

1億円9%

1億円以上

10%

【アンケート】グループ補助金交付先アンケートの概要

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グループ補助金交付対象者において、補助事業に係る工事の進捗状況は、概ね全体の1/4が終了している一方、約15%は未着手となっている。

県別にみると、青森県は7割以上(終了含む)の進捗状況が約9割と進んでいる一方、岩手県では3割強、宮城県では約4割、福島県では約5割となっている。

業種別にみると、製造業、運送業及び旅館・ホテル業の約5割が、7割以上(終了含む)の進捗状況と回答しており、比較的工事が進んでいることがうかがえる。一方、水産・食品加工業では約半数で3割未満(未着手を含む)と回答し、工事の遅れがうかがえる。

15.3

8.6

24.5

20.5

13.5

7.3

6.8

13.1

18.7

16.7

22.2

15.8

20.6

24.4

22.7

16.1

9.9

10.7

12.4

7.7

8.7

14.6

7.6

7.7

10.4

11.5

9.3

9.4

9.5

15.9

13.6

7.1

19.5

23.3

17.1

14.8

21.4

23.2

25.0

17.9

26.2

29.2

14.5

31.9

26.2

14.6

24.2

38.1

0% 20% 40% 60% 80% 100%

合計

製造業

水産・食品加工業

卸小売・サービス業

旅館・ホテル業

建設業

運送業

その他

業種別 工事の進捗状況割合

未着手 3割未満 3~5割

5~7割 7割以上 終了

未着手 終了

【グループ補助金交付先】

15.3

1.4

14.9

17.7

15.1

18.7

2.8

23.2

20.4

17.8

9.9

2.8

11.8

10.1

10.8

10.4

3.5

15.8

11.1

8.3

19.5

25.4

20.6

20.0

16.2

26.2

64.1

13.6

20.7

31.7

0% 20% 40% 60% 80% 100%

合計

青森県

岩手県

宮城県

福島県

県別 工事の進捗状況割合

未着手 3割未満 3~5割

5~7割 7割以上 終了

未着手 終了

【アンケート集計①】補助事業に係る工事の進捗状況

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工事の進捗状況で「終了していない」と回答した事業者1270者に対し、補助事業に係る工事の完了見込みについて聞いたところ、23年度中が約25%、24年度中に約93%が完了すると回答している。

県別に見ると、工事の進捗が早い青森県は約5割が23年度以内に復旧する一方、岩手県では約2割となっている。同様に、青森県では約98%、福島県では約97%、岩手県・宮城県では約91%の事業者が24年度中に補助事業に係る工事が完了する見込みとなっている。

業種別に見ると、工事の進捗が遅れている水産・食品加工業では、23年度中に工事が完了すると回答した割合は約14%に止まり、約4割が24年度後半以降となっている。

また、24年度前半までには、旅館・ホテル業、建設業で約8割、製造業、卸小売・サービス業で7割強、運送業で約7割程度の事業者が、補助事業に係る工事を完了する見込みとなっている。

24.6

48.0

19.1

23.7

26.3

46.6

44.0

48.9

45.5

48.1

22.0

6.0

23.9

22.5

22.5

6.7

2.0

8.0

8.2

3.2

0% 20% 40% 60% 80% 100%

合計

青森県

岩手県

宮城県

福島県

県別 完全復旧の見込み

23年度以内 24年度前半 24年度後半 25年度以降

H25FY~ H24FY H23FY

【グループ補助金交付先】

24.6

29.4

14.3

23.7

27.0

33.8

28.4

31.7

46.6

46.2

46.3

51.5

51.7

45.6

40.0

38.6

22.0

19.1

28.9

21.0

16.9

17.6

17.9

24.8

6.7

5.3

10.5

3.8

4.5

2.9

13.7

5.0

0% 20% 40% 60% 80% 100%

合計

製造業

水産・食品加工業

卸小売・サービス業

旅館・ホテル業

建設業

運送業

その他

業種別 完全復旧の見込み

23年度以内 24年度前半 24年度後半 25年度以降

【アンケート集計②】補助事業に係る工事完了見込み

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43

グループ補助金交付先事業者において、震災前と現在の雇用を比較すると、約半数で雇用が減尐している一方、約3割は震災前と変わらず、約15%は雇用が増加している。

県別にみると、岩手県・宮城県は雇用が減尐している割合が高く、青森県・福島県は低い。

業種別にみると、水産・食品加工業、旅館・ホテル業、運送業で雇用が減尐している割合が高い一方、製造業、建設業では雇用を増加させている割合が高くなっている。

アンケートに回答があった事業者の雇用人数の単純合計によると、現在の雇用は震災前に比べ約13%減尐している。業種別には、水産・食品加工業が約4割減尐と最も多く、次いで旅館・ホテル業が約34%減尐となっている。一方、復興需要から建設業は概ね震災前の雇用水準となっている。

6.6

2.1

12.4

6.7

4.8

11.7

5.0

12.4

14.6

7.6

10.0

5.7

15.9

10.9

6.3

24.8

20.6

25.9

25.3

24.6

31.5

42.6

18.3

28.9

40.4

11.3

19.9

9.2

10.9

10.5

4.1

4.3

6.0

2.7

5.7

0% 50% 100%

合計

青森県

岩手県

宮城県

福島県

県別 雇用の動き

30人以上減尐 10~30人減尐

5~10人減尐 5人未満減尐

変わらず 5人未満増加

5人以上増加

減尐 増加

【グループ補助金交付先】

6.6

4.7

14.2

2.0

13.5

1.2

9.1

1.2

11.7

10.1

23.4

4.0

16.7

1.2

16.7

4.7

10.0

8.8

15.7

6.8

15.9

6.0

10.6

4.7

24.8

21.8

22.3

30.6

23.8

32.1

25.8

22.4

31.5

31.8

16.5

45.1

21.4

32.1

20.5

49.4

11.3

15.8

6.3

9.8

6.3

16.7

10.6

14.7

4.1

7.0

1.5

1.8

2.4

10.7

6.8

2.9

0% 20% 40% 60% 80% 100%

合計

製造業

水産・食品加工業

卸小売・サービス業

旅館・ホテル業

建設業

運送業

その他

業種別 雇用の動き

30人以上減尐 10~30人減尐 5~10人減尐 5人未満減尐 変わらず 5人未満増加 5人以上増加

【参考】業種別、震災前と現在の雇用人数の比較

業種震災前

現在

②②/①

製造業 41,912 39,625 94.5

水産・食品加工業 15,560 9,409 60.5

卸小売・サービス業 11,088 10,069 90.8

旅館・ホテル業 5,969 3,981 66.7

建設業 6,235 6,142 98.5

運送業 9,609 8,635 89.9

その他 4,116 3,883 94.3

合計 94,489 81,744 86.5

注:震災前及び現在の両方に人数の記載があった

  事業者1793者の単純合計による。

【アンケート集計③】補助事業者の雇用の状況

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21.7

22.1

20.9

23.4

21.2

18.0

21.5

22.0

9.9

10.0

9.3

9.1

13.1

12.0

10.7

8.5

20.7

20.2

22.0

18.2

20.2

29.0

22.0

18.6

12.9

11.9

14.3

12.7

7.6

14.0

15.4

13.0

20.0

22.4

19.2

20.6

21.2

12.0

18.7

18.1

14.8

13.4

14.3

16.0

16.7

15.0

11.7

19.8

0% 20% 40% 60% 80% 100%

合計

製造業

水産・食品加工業

卸小売・サービス業

旅館・ホテル業

建設業

運送業

その他

資金繰り 資材・部品調達

雇用関係 移転・土地利用

取引・販路開拓 その他

21.7

31.0

22.9

20.5

21.5

9.9

11.7

9.3

9.9

9.8

20.7

18.6

22.6

21.6

18.0

12.9

6.2

15.6

15.2

7.4

20.0

16.6

17.1

18.8

25.3

14.8

15.9

12.6

13.8

18.0

0% 20% 40% 60% 80% 100%

合計

青森県

岩手県

宮城県

福島県

資金繰り 資材・部品調達

雇用関係 移転・土地利用

取引・販路開拓 その他 44

グループ補助金交付対象者に復旧に関する今後の課題(複数回答)を聞いたところ、資金繰り、雇用関係及び取引・販路開拓が500件を超え、いづれもアンケートに回答した1,828者の約3割が課題としている。

県別には、復旧が進んでいる青森県では資金繰りを課題とする割合が高く、岩手県・宮城県では移転・土地利用を課題とする割合が他県に比べて比較的高く、福島県は取引・販路開拓を課題とする割合が高くなっている。

業種別には、復興需要が高い建設業で雇用関係の割合が高く、運送業、水産・食品加工業で移転・土地利用を課題とする割合が他業種に比べ比較的高くなっている。

資金繰りについては、復旧工事費の高騰から自己負担金の増加、売り上げ減尐による資金繰りの悪化を挙げる回答が多かった。

雇用については、求人を出すが応募が尐なく従業員確保、経験者・技術者の確保に困窮している回答が多かった。

取引・販路開拓では、原発事故による風評被害と事故収束の見通しがたたないことによる先行き不安、取引の縮小を挙げる回答が多かった。

【グループ補助金交付先】

559

255

533

331

515

380

0

100

200

300

400

500

600

資金繰り

資材・部品調達

雇用関係

移転・土地利用

取引・販路開拓

その他

復旧に関する今後の課題(全2573件)

業種別 今後の課題の回答割合 県別 今後の課題の回答割合

【アンケート集計④】復旧に関する今後の課題

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「ネットワーク復興サポーター」を被災地域の商工会議所・商工会等に配置し、概算払い、繰越し、精算、計画

作成等に関して、グループ補助金交付企業を巡回し、きめ細かく支援。

【事業名】 中小企業支援ネットワーク強化事業

また交付企業からのニーズに応じて会計、法務、マーケティング、建築等の専門家を派遣。

グループ補助金の円滑な執行に関する取り組み

グループ補助金の交付企業における概算払い等の事務手続きを円滑に進めるとともに、年度内に事業完了が

困難な事業者の繰り越し承認手続きを実施。

また、金融機関によるつなぎ融資等の金融支援を促進するため、金融機関、県、商工団体、関係省庁等による

標記連絡会議を東北財務局との共催により被災4県において実施。

【開催日程】 青森県:平成24年2月9日 岩手県:平成24年2月14日 宮城県:平成24年2月15日 福島県:平成24年2月10日

【会議出席者】

(1)金融機関 : 政府系金融機関、地方銀行、信用金庫、信用組合

(2)商工団体 : 県商工会議所連合会、被災地商工会議所・商工会、県中小企業団体中央会、他

(3)県 関 係 : 県グループ補助金担当課、金融担当課、県産業支援機関

(4)国 関 係 : 復興局、水産庁、東北地方整備局、東北運輸局、東北財務局、東北経済産業局、中小機構

1.「グループ補助金の円滑な執行に関する連絡会議」の開催

2.グループ補助金交付企業等に対するアドバイス支援

グループ補助金交付企業に対して、復旧の進捗状況、売上や雇用の震災後の状況等を把握するため簡便なア

ンケート調査を実施。

【調査項目】 ①会社概要(業種、資本金) ②工事の進捗状況 ③雇用状況 ④売上状況 ⑤今後の課題等

3.グループ補助金交付企業の復旧状況等の調査・把握

復旧・復興支援

45

H24.3.27時点 サポーター150名 訪問企業2,076社

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市町村の要請に基づき、中小企業基盤整備機構が、市町村が手当した土地に、仮設の店舗・事務所・工場等を整備して市町村に無償で貸与したうえで、複数の事業者の方々に対し貸与する事業。 平成23年度補正予算で、1次10億円、2次215億円、3次49億円を措置。平成24年度は50億円を計上。 4月6日現在、東北地域において、要望箇所534箇所のうち、市町村との基本契約締結済みが398箇所・75% 。着工済みが359箇所・67%、完成済みが283箇所・53%となっている。

4.中小企業基盤整備機構の仮設施設の整備状況

県名 要望箇所数 市町村との基本契約

締結箇所数 工事着工箇所数 竣工箇所数

青森県 18 18 18 16

岩手県 331 241 209 152

宮城県 139 99 94 82

福島県 46 40 38 33

合 計 534 398 359 283

復旧・復興支援

46

(平成24年4月6日現在)

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仮設施設事業の事例~福島県いわき四倉中核工業団地内の仮設工場

いわき四倉中核工業団地は、(独)中小企業基盤整備機構(中小機構)、福島県の共同事業で整

備(第一期分として33.6ha)。

中小機構は、このうち、未分譲地の一部において、仮設工場・事業所を第1~4次計画で大規模に

整備中(全66棟、延床面積約1万5千㎡)。最終的には72社が入居予定。

第1~3次計画の31棟が、2月16日までに、いわき市、楢葉町、大熊町、富岡町に引渡され、原発

事故による警戒区域内の企業や津波被害企業37社が、順次、操業を開始する。

C区画(3.3ha) <1,2次計画>

F区画(1.8ha) <2,3次計画>

A区画(0.9ha) <3,4次計画>

K区画(1.7ha) <4次計画>

J区画(1.5ha) <4次計画>

広野町仮設住宅

第2期分-未造成(N-Z)

復旧・復興支援

47

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概要

・本事業は、速やかな事業再開を支援するための復旧対策。被災市町村には多数活用され、現在までに整備費で200億円を上回ると想定される仮設施設整備の要望。

・本格復興を目的とした平成23年度第3次補正予算が成立し各種補助制度等が創設されたことに伴い、12月9日以降は、本格復興事業の対象となりにくい特定案件に限定。

具体的には、

(1)本格復興整備事業による施設構築が適切でないと認められる以下の案件。

① 原子力事故の影響により、本来の事業地以外で時限的に整備する場合

② 復興計画等により恒久的な建築物の建設が制限されている地域において整備する場合

③ その他復興計画の策定が遅延しているなど、本格復興事業が実施できない正当な理由があると認められる場合

(2)就業者が直接活動する場であり、雇用創出や集約化・効率化につながる施設。

(3)施設・設備に係る他の補助金制度を併用しない施設。 等

仮設施設整備事業に係る今後の取り扱いについて

中小企業庁・中小企業基盤整備機構は、平成23年12月8日付けで、関係市町村に対して「仮設施設整備事業の今後の取扱いについて」を通達。

平成24年1月1日以降は、要望に当たって仮設施設の概要や建築を予定する土地の状況を予め整理して『要望調書』を提出。

<参考>: 1次・2次・3次補正にて274億円を措置。 24年度予算として50億円を計上。

復旧・復興支援

48

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5.二重ローン対策の取り組み状況(支援体制)

産業復興相談センター

中小・小規模企業

【設置】

商工会議所 ・商工会等

復興相談

センター 地域 事務所

商工会連合会・中小企業団体中央会・県内商工会議所・商工会

認定支援機関

援 チ

債権買取

支援チーム

再生計画 策定支援チーム

相談

取次・紹介

定期巡回相談実施

買取要請

通常の 再生支援

相談

助言・支援

産業復興相談センターの体制

産業復興機構

再生支援機構

引継ぎ

復旧・復興支援

49

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産業復興相談センターの概要と取組状況

復旧・復興支援

50

青森県産業復興相談センター 岩手県産業復興相談センター 宮城県産業復興相談センター 福島県産業復興相談センター

(八戸事務所)八戸市大字番地9-5共栄八戸番長ビル5階(青森事務所)青森市新町2丁目8-26青森県火災共済会館 4階

平成23年12月19日 平成23年10月7日 平成23年11月16日 平成23年11月30日

相談延べ件数73件実企業数15件

相談延べ件数980件実企業数255件

債権買取決定(6件)

相談延べ件数1,206件実企業数400件

債権買取決定(5件)

相談延べ企業数370件実企業数136件

①地域:沿岸部8件、内陸部6件②業種:運輸業3件、農業1件、卸売業(鮮魚加工)2件、小売業2件、製造業(鉄骨加工、食料品加工業)3件③規模:小規模企業7件、中小企業6件、個人1件④相談内容:新規借入等資金繰り相談が中心

①地域:沿岸部、特に大船渡市の相談が多数。(全体の35%)②業種:食料品製造業(水産加工業、水産食料品製造業)が47件、小売業40件、飲食店23件、の順③規模:小規模事業者が5割弱。④相談内容:債権買取、新規借入等資金繰りの相談が中心

①地域:沿岸部の被災事業者が多い。石巻市(全体比23.3%)、仙台市(18.7%)、気仙沼市(16.4%)、南三陸町(7.2%)の順②業種:食料品製造(水産食料品製造等)が78件と全体の20%を占め、次いで小売業61件、宿泊・飲食サービス34件、建設26件、運輸23件、不動産・物品賃貸23件の順③規模:小規模事業者は249件(63.8%)、うち個人事業主は85件(21.8%)④相談内容:債権買取り(30.8%)、新規借入等金融相談(22.3%)が中心。

①相双・いわき地区(福島県浜通り)で全相談数の56.8%。②製造業が29件(うち食料品製造業13件)、卸売業・小売業26件、宿泊業・飲食サ-ビス業18件の順。③規模:小規模事業者が80件(60.6%)。うち個人事業主は32件(24.2%)④相談内容:津波、原発事故に伴う事業所移転や風評被害に伴う経営不振に関する照会・相談が多い。

プロジェクトマネージャー1名サブマネージャー5名

プロジェクトマネージャー1名サブマネージャー36名

プロジェクトマネージャー1名サブマネージャー41名

プロジェクトマネージャー1名サブマネージャー19名

受託法人 (公財)21あおもり産業総合支援センター 盛岡商工会議所 (公財)みやぎ産業振興機構 (公財)福島県産業振興センター

所在地 青森市新町二丁目4番1号 盛岡市清水町14-17 仙台市青葉区上杉1-14-2 福島市三河南町1番20号

- 岩手産業復興機構投資事業有限責任組合 宮城産業復興機構投資事業有限責任組合 福島産業復興機構投資事業有限責任組合

- 500億円を念頭に当面100億円 100億円 100億円

- 東北みらいキャピタル㈱(ルネッサンスキャピタル) 東北みらいキャピタル㈱(ルネッサンスキャピタル) 福島リカバリ㈱(あおぞら銀行)

契約日 - 平成23年11月11日 平成23年12月27日 平成23年12月28日

相談受付状況等(相談受付開始~3月30日)

常住専門家

GP名

所在地盛岡市清水町14-17中圭ビル104

仙台市青葉区二日町12-30日本生命勾当台西ビル8階

福島市置賜町1-29佐平ビル9階

相談受付開始日

産業復興機構名称

出資総額

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6.自動車産業集積の将来像

次世代を見据えた国際競争力のある地域産業の再生

トヨタ自動車グループは、東北を国内第3の拠点とする取組を強化。東北地域としては、こうした

動きを大きな機会と捉え、更なる関連産業の集積を進め、地域の復興・発展とともに、我が国に

おける自動車産業の国内立地を維持する試金石になることを目指す。

このため東北地域が目指すべき自動車産業集積の将来像を策定、官民を挙げた取組を推進。

我が国の自動車産業の針路となり、東北の復興を牽引する集積(東北モデル)づくり

■策定 東北地域産業創造戦略会議(2011年11月

10日)で「自動車産業集積の将来像」をとりまとめ、東北経済連合会と東北経済産業局の連名で公表。

■概要

短期(2020年) 完成車生産ポテンシャルの最大限の実現

-地元企業の競争力向上、現地調達率向上(8割)

次世代自動車の布石となる国際競争力のある集積づくり

-基幹製品の生産拠点等の立地進展

中長期(2030年) 次世代自動車の開発・製造拠点化の推進

次世代型集積への発展

-産学官連携の拠点整備を進め、次世代自動車向

け部品・部材イノベーションを持続的に創出

■地域別生産規模

東北32万台

関東383万台

中部397万台

近畿 74万台

中国 156万台

九州 113万台

51 出所:2007年度実績等から推計(東北経済産業局)

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7.企業立地の促進

次世代を見据えた国際競争力のある地域産業の再生

平成23年度第三次補正で拡充された立地補助金に、東北地域から21件を採択。

企業立地の支援にあっては、福島県で「ふくしま産業復興企業立地補助事業」が実施のほか、

平成24年度予算で宮城県等に「産業復興企業立地補助金」。

国内立地推進事業費補助金 予算額:2,950億円

1次採択:東北で21件。2次公募平成24年4月以降予定

ふくしま産業復興企業立地補助事業 予算額:1,601.4億円

第1回受付:平成24年1月30日~同年3月30日

平成24年度予算:140億円

除染特別区域の隣接県のうち、宮城県、茨城

県、栃木県の3県を対象とした事業を想定。

エプソンアトミックス(株) 電子部品

三菱製紙(株)・八戸紙業(株) 紙製品

多摩川精機(株) G/E

(株)ANOVA G/E

並木精密宝石(株) G/E

(株)阿部製作所 G/E

曙ブレーキ工業(株) 自動車部品

(株)ウエノ G/E

パイオニア(株) G/E

(株)双進機工 金型

信越半導体(株) 電子部品

東北リコー(株) 電子部品

古川エヌ・デー・ケー(株) 電子部品

トヨタ紡織東北(株) 自動車部品

日本製紙(株) 紙製品

JFE条鋼(株) 自動車部品

アルプス電気(株) 電子部品

日鐵住金建材(株) 金属加工

(株)金沢村田製作所 電子部品

ソーラーフロンティア(株) G/E

(株)コイワイ 金型

G/E:グリーンイノベーション/エネルギー産業

イノベーション拠点立地推進事業 予算額: 265億円(先端技術実証・評価設備整備)

第1回受付:平成23年12月26日~平成24年2月6日

産業復興企業立地補助金

52

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8.取引拡大

次世代を見据えた国際競争力のある地域産業の再生

2011年度においては、中部経済産業局の協力により、自動車産業の集積で先行する中部地

域と東北地域の連携事業を実施。

また、東北地域では、工業製品等における風評被害の払拭と新たな取引拡大のため、ビジネス

マッチングや部品開発等に取り組む新規プロジェクト11件を採択。

東北と中部の連携事業(自動車分野)

モノづくりのしくみを改善する基本を学び、参加企業が自動車産業へ参入する契機となること、中部地域企業との交流促進となることを目的。 (社)日本プラントメンテナンス協会

両地域の交流を通じて、クルマ単体のみならず周辺技術・サービスも含めた次世代モビリティシステムやビジネスの創出を目指す。

(社)中部産業連盟

ビジネスマッチ・商品開発支援事業 地域のネットワークを活用した11の支援機関の取組

(株)八戸インテリジェントプラザ (株)岩手銀行

(地独)岩手県工業技術センター

(株)北上オフィスプラザ

(社)東北地区信用金庫協会

(財)みやぎ産業振興機構

(財)仙台市産業振興事業団

東北イノベーションキャピタル(株)

(財)福島県産業振興センター

NPO法人教育・雇用研究機構

(社)いわき産学官ネットワーク協会

53

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9.農商工連携の推進

地域資源を活用した東北らしい社会の再生

太平洋沿岸部では、水産業が大きな被害を受けた他、約2万haの農地も冠水。さらに原発事故

により、福島県を中心に農林水産業に大きな影響が出ているが、こうした地域においても、農商

工が連携し、産業復興を図る新しい取組が始まっているところ。

農業生産法人グランパファーム 岩手県陸前高田市

被災地における再生可能エネルギー利用大規模 施設園芸団地

㈱ベジ・ドリーム栗原 宮城県大衡村

工業と農業の融合による超省エネ温室を活用した 環境負荷低減型農業の取組み

㈱川仙食品・東冷機工業㈱ 福島県西郷村

新冷凍技術を応用した業務用農産物収集ビジネス モデルと最適冷凍・保存システムの実用化

(有)イーストファームみやぎ・大正紡績㈱・㈱クルック 宮城県仙台市

東北コットンプロジェクト-被災農家からアパレル企業までがチームになり、コットンの栽培から製品販売を行い 消費者に届ける復興プロジェクト

共和コンクリート工業㈱ 岩手県宮古市等

LEDの最適波長光照射による省スース型 海藻種苗生産システムを開発。

㈱ぐるなび 福島県会津若松市・郡山市・いわき市 宮城県気仙沼市・塩釜市他

放射能問題を背景とした東北地域農水産品の競 争力強化のための新たなサプライチェーンを構築

㈱NTTデータ 岩手県釜石市等

水産物を需要者が直接取引する電子商取引 システムの開発・実証。

仙台東部地域6次産業研究会 仙台市沿岸部

津波・塩害の農地数10㌶で、野菜の養液栽培施設や、

販売加工施設を整備し、競争力を備えた都市近郊型の農業プロジェクトを推進。「農と食の特区」として

復興特区に申請。カゴメ、日本IBM等が参画。

サイゼリア仙台トマト農場 宮城県仙台市

津波・塩害被害の約1.2haの農地で、地元農家の 協力を得てハウス6棟でトマトの水耕栽培を開始。

南相馬市 植物工場や花卉工場などを大規模かつ生産・加工・販売、エネルギー供給などを一体的に行う複合経営で、 農林水産業の再興を目指す復興計画の事業

農商工連携の事業例(太枠は第三次補正先端農商工連携実用化研究事業の採択。波線は各地の事例) 54

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10.地域活性化の推進

地域資源を活用した東北らしい社会の再生

被災地における地域需要や観光客の落ち込み、さらには風評被害等に対応するため、商店街

等が実施する復興イベント等を支援し、地域商業の活性化を図る。

また、全国的に被災地を応援する動きが進む中、経済産業省や全国経済産業局でも、支援機

関と連携した取り組みを全国各地で進めているところ。

近畿

霞ヶ関

商店街の復興支援

被災商店街の復興イベントや被災地域以外の商店街が被災地域を支援する事業等をソフト・ハード両面で支援。東北地域で225件の事業を採択。

物産展による復興支援

札幌(北海道局ほか)、霞ヶ関(地域G)、名古屋、金沢(中部局ほか)、大阪(近畿局ほか)等で、関係機関と連携した復興支援の物産展を随時開催。

気仙沼復興商店街

宮古市末広町商店街

9

42 3

6 95

70

55

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11.国際展開の推進

地域資源を活用した東北らしい社会の再生

各国の放射線規制の状況を把握し、JETROや地元自治体とともに、海外展開企業を訪問(ご

用聞き、支援策の説明)し、情報の提供と集約を実施。

「東北地域貿易促進協議会」の連携を通じて、海外メディアやバイヤー等の招聘や国内外展示

会への出展等を集中的に実施。正しい情報の発信と販路開拓に取り組む。

JETRO、中小機構、東北経産局が幹事。東北各

県、仙台市、産業・金融機関、国出先等で構成。 風評の払拭と販路開拓

□ 豚肉の輸出が昨年の1/3。理由は放射能汚染への不安。 (2011年9月 事業者)

□ 水産品は韓国が主要な輸出先だが、通関が厳しく輸出激減(2011年10月 支援機関)

□ 牛肉には、藁からセシウムが検出されてから取引価格が30%下落。最近は回復傾向(2011年10月 支援機関)

東北地域貿易促進協議会

商談件数 165社2,000件以上(平成23年度途中)

開 拓

解 東北の正しい姿と情報を伝えるため、中国、韓国、EU、ロシア、米国等の海外メディアを被災地に招聘。

松島をリポートする香港TV局

国内では、海外バイヤーを招聘した商談会。海外では、中国「広州交易会」をはじめ、かつてない規模で、多

くの展示会に出展。これまでの関係企業は、1,200社にのぼる。

会津若松で開催したバイヤー招聘商談会

56

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12.電力需給対策

未来につながる新しい産業基盤の再生

2011年夏期の電力使用制限令の発動に伴い、東北経済産業局に「電力使用制限班」を設置。

併せて、節電サポート事業、節電説明会を実施する一方、自家発電設備導入補助により、供給

力の強化を図るなど、包括的な取組を展開。

懸念された計画停電を回避も、引き続き、震災及び水害で被災した発電所の復旧状況を注視す

るとともに、自家発電設備導入補助の対策等を実施。

57 2010夏 (実績)

1,658 万kW

H22.8.5

1,303 万kW

H23.8.9

供給力 需要

2011夏 (実績)

1,246 万kW

H23.8.9

気温32.8℃

2011夏 (実績)

融通170万kWを含む供給力

東北経済産業局 大口需要家に電気事業法第

27条に基づく、使用制限(7月1日~9月9日の550時間)

小口需要家等に節電サポート事業、節電説明会の実施

自家発電新増設の支援 東北29件を採択

前年比の気温低下 震災による需要減尐

節電の協力

豪雤被災で水力の供給も減尐

震災で設備停止

1,557万kW

2010夏最大

(H22.8.5)

2011夏最大

(H23.8.9)

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13.スマート・コミュニティ構築

未来につながる新しい産業基盤の再生

東北地域は再生可能エネルギーの高いポテンシャルを有するほか、復興の柱として、スマート・

コミュニティの注目が高まっている。東北経済産業局では、関係機関との連携を密にして、同分

野において、地域を牽引するプロジェクトと産業の創出に取り組んでいるところ。

多様な再生可能エネルギーの

高いポテンシャルを持つ東北。

岩手県葛巻町、山形県最上町 などの先行自治体のほか、青 森県八戸市のメガソーラー等 の新しいプロジェクトも始動。

東北経済産業局では、スマートグリッド関連産業の集積を推進。報道によると、太陽光発電装置製造のソーラーフロンティアやカナディアンソーラー等の工場新設等が検討されているとのこと。

各自治体が策定

する復興計画では、再生可能エネルギーの導入、スマート・グリッドの構築等が柱の1つ。こうした中、東北地域の自治体とスマートコミュニティ関係で実証段階の自治体間では、連携も生まれている。

福島県で再生エネ研究開発拠点の整備・洋上ウインドファームの実証が予定。岩手県でも海洋エネルギー拠点構想が検討中。

環境未来都市で被災6地域、スマート・コミュニティF/Sで12地域が取組中のほか、仙台市沿岸で、日立、NTTグループ等によるスマートシティー構想が立ち上がるなど、具体的な動きが活発化。

再生可能エネルギー

再生エネプロジェクト

再生エネ関連産業

自治体

スマート・コミュニティ

研究開発拠点

東北の各地で

産学官を挙げた取組が加速

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14.東北経済産業局の体制

体制の整備

経済産業省 全国の経済産業局

3月11日に災害対策本部を設置。企業相談窓口の開設と情報集約を開始。

東北経済産業局 (職員180名※)

全国の経済産業局応援職員との 合同チーム(2011.3~)

被災地情報の集約 (SS、事業者、団体等)

個別対応チーム編成 復旧・復興施策展開

政府現地本部・復興局連携 支援物資の仲介

職員の地域派遣(復興局・OFC等) (職員派遣124名※)

(うち派遣中17名)

応援職員65名(うち派遣中12名※) 施策支援・展開

施策反映 取組連携

東北地域の公的機関、支援機関、業界団体、事業者等

被災企業の機器貸与、産品応援イベント 補正予算、産品応援イベント

※人数の実績は、平成24年4月1日現在。 ※派遣先は、岩手、宮城、福島各県の政府災害対策現地本部、復興局、福島県オフサイトセンター、自治体 等

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15.施策の確実な浸透

体制の整備

復旧・復興施策の確実な実施のため、メールマガジンやダイレクトメールの他、東北各地で地域

機関と連携した施策説明会を開催。

さらに、セミナーやイベント、自治体・金融機関・団体等からの要請に基づく講演・相談会等の場

においても、情報発信と意見交換を継続しているところ。

2011年3月~6月 7月~9月 10月~12月 2012年1月~3月

3月 ・中小企業電話相談ナビダイヤル

(相談件数1,207件(~2012.2.10))

5月~ ・第1次補正予算の成立

・被災地ワンストップ説明会(東北12会場)

・第1次補正予算説明会(福島県内6会場)

5月 ・電力需給相談窓口の設置

6月 ・大口需要家向け説明会の開催

(東北9会場。2,700名)

・小口需要家向け節電シンポジウム

(東北7会場。680名)

7月 ・第2次補正予算の成立

11月 ・第3次補正予算の成立

11月~ ・第3次補正予算説明会(全体施策)

(東北9会場。1,659名)

・第3次補正予算説明会(研究開発施策)

(東北6会場。1,051名)

1月 ・平成24年度予算案説明会(研究開発施策)

(東北11会場。565名)

2月 ・第4次補正予算の成立

主な施策説明会の実施状況

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16.その他の主な取組

体制の整備

プレス懇談会を随時開催

復旧・復興に資するシンポジウム・セミナー等の開催。出前講座・講演依頼の対応。

雇用対策(「日本はひとつ」仕事協議会、被災新卒者を対象とした合同企業説明会)

研究開発拠点の整備と技術開発の支援

知財相談窓口の開設・対応、個別相談会(知財活動復興支援事業)

震災に便乗した悪質事業者による被害拡大の防止

放射線測定拠点の整備(東北大学との連携、放射線測定事業、広報交付金等)

下請中小特別商談会(中企庁委託事業)

被災地におけるクラウドの利活用方策の検討、及び人材育成事業

法令許認可の迅速な実施

電源立地対策交付金の弾力的運用

災害廃棄物処理に係る省庁連携や地域間連携の支援

冬季における暖房用灯油の安定供給に関する対応

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Ⅴ.復興に向けた今後の取り組み

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復興に向けた今後の取り組み

①事業再開が遅れている被災事業者に対する復旧支援の着実な実施

■中小企業基盤整備機構による仮設施設の整備■

○これまで要望があった箇所について、迅速かつ着実な整備を図る。 ○さらに平成24年度予算として総額50億円を確保。

■中小企業等グループ施設等復旧整備補助金■

○これまでに交付決定した事業者の復旧をきめ細やかに支援するため、次の取組を実施。 ・復旧の進捗状況の継続的フォローアップ(対象4県と連携) ・経営再建に係るアドバイスを行う専門家の派遣事業の展開(中小機構と連携)

・予算繰越手続の円滑化、概算払いの適切な実施、資金需要に対応した金融機関等との連携の促進。

○平成24年度予算として総額500億円を活用し、継続して支援を実施。

■被災事業者への金融支援策の継続実施■

○資金繰り支援

・被災事業者を対象とした震災対応の低利貸付制度、信用保証制度による資金繰り支援について、24年度も継続実施。

○二重ローン対策

・事業再開にあたり二重債務が障害となっている被災事業者について、岩手・宮城・福島の各県に設置された産業復興相談センターをワンストップ窓口として事業再建に係る相談、各県の産業復興機構、産業再生機構による債権買取等を着実に行う。

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②東北の復興に向けた地域経済を牽引する産業の振興

■地域産業の再生■

○集積が進みつつある自動車産業については、岩手県・宮城県において、トヨタ自動車(株)の第3の拠点化の動きが加速化しており、産業集積を高める大きな機会。このため、自動車、エレクトロニクス等の集積産業分野を中心に、イノベーション・産業集積の加速化を図るため、次の取組を実施する。

・次世代自動車等の成長産業分野の国内投資(企業誘致等)への補助金支援

※国内立地推進事業費補助金(23年度3次補正:2950億円) ・福島県においては、がんばろうふくしま産業復興企業立地支援事業(23年度3次補正:1700億円)によ

り、震災及び原子力災害広域的に被害を受けた福島県の復興再生のため、県外からの企業立地県内での新増設を促進する。

・産学連携による研究開発設備投資への補助金支援

※イノベーション拠点立地推進事業(23年度3次補正:265億円、24年度予算:140億円) ・中小企業の技術開発支援

※戦略的基盤技術高度化支援事業(24年度予算:132億円) 等

■地域資源の活用■

○農林水産品、伝統工芸等の被災地域の地域資源を活用し産業復興を図るため、販路開拓・技術開発等の取組を支援する。

・新事業活動促進支援補助金(24年度予算:20億円)

・JAPANブランド育成支援事業(24年度予算:3.9億円)

・買い物環境整備等のための中小企業移動販売支援事業(24年度予算:3億円)

・先端農商工連携実用化研究事業費(23年度3次補正:15億円) ・先端農業産業化システム実証事業費(24年度予算:5億円) 等

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②東北の復興に向けた地域経済を牽引する産業の振興

■産業基盤の再生■

○多くの自治体の復興計画に盛り込まれている再生可能エネルギー、スマートコミュニティ等は、被災地域の地域資源・自然環境を活かして産業復興を図る可能性のあるものであり、自治体と連携しつつ導入を促進する。

・再生可能エネルギー(太陽光、風力等)の導入支援

※再生可能エネルギー発電設備導入支援復興対策事業費補助金(23年度3次補正:326億円)

・スマートコミュニティの導入支援

※スマートコミュニティ導入促進等事業費補助金(23年度3次補正:80.6億円) ・スマートエネルギーシステムの導入支援

※スマートエネルギーシステム導入促進等事業費補助金(23年度3次補正:43.5億円)

○電力の安定供給に向けて、停止中の発電所の早期復旧や企業の自家発電の導入等を支援するほか、節電の呼びかけなど、電力需給対策に取り組む。

・自家発電設備導入促進事業(23年度3次補正:299億円) ・電力需給対策の確実な実施

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(参考)被災自治体の復興計画の策定状況 復興特区の認定状況 1.地方自治体の復興計画策定状況 2.東日本大震災復興特別区域法に基づく復興推進計画の認定状況

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1.地方自治体の復興計画策定状況

東北地域の4県64市町村において「復興計画」を策定。

平成24年3月30日までに策定作業を終えているのは全体の89%にあたる4県57市

町村。 (自治体ホームページ等の公開情報より東北経済産業局において取りまとめ)

2012.3.30

東北経済産業局 調べ

八戸市、三沢市、おいらせ町

洋野町、久慈市、野田村、田野畑村 普代村、岩泉町、宮古市、山田町

釜石市、大船渡市、大槌町、陸前高田市

気仙沼市、南三陸町、石巻市、女川町、東松島市 登米市、大崎市、松島町、利府町、塩竃市

七ヶ浜市、多賀城市、仙台市、名取市、岩沼市 亘理町、山元町、角田市、白石市

浪江町、双葉町、大熊町 富岡町、楢葉町、葛尾村

川内村

青森県

岩手県

福島県

宮城県

新地町、相馬市、南相馬市、広野町 いわき市、伊達市、飯舘村、川俣町

田村市、国見町、福島市、二本松市、本宮市 郡山市、須賀川市、石川町、矢吹町、棚倉町、 鮭川村、白河市、西郷村、猪苗代町、会津若松市

3

12

19

23

7 67

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2.東日本大震災復興特別区域法に係る復興推進計画の認定状況

県別 申請主体 特区の名称 申請の概要 申請日 認定日

青森県 青森県、八戸市、三沢市、おいらせ町、階上町

あおもり生業づくり復興特区

・被災地域において、企業立地や新たな設備投資、生産能力拡充等による産業集積の形成及び活性化を図るとともに雇用機会を創出する。

<申請>2012.1.31 <認定>

2012.3.2

岩手県 岩手県、洋野町、久慈市、野田村、普代村、田野畑村、岩泉町、宮古市、山田町、大槌町、釜石市、大船渡市、陸前高田市

保健・医療・福祉関係特区

・地域医療確保事業、薬局等整備事業、介護老人福祉施設等整備推進事業等の事業を実施し、被災地における医療体制の確保を目指す。

<申請>2012.1.31 <認定> 2012.2.9

岩手県 岩手県 産業再生特区 ・津波により被害を受けた沿岸の12市町村を中心に県内全33市町村を対象とし、「ものづくり」「医療薬品関連」「情報サービス関連」「木材関連」「環境負荷低減エネルギー関連」「観光関連」「食品関連」等の産業集積を促進する。

<申請>2012.2.6 <認定> 2012.330

宮城県 宮城県、 宮城県内34市町村(七ヶ宿町を除く全

市町村)

民間投資促進特区

・当該地域の地域特性や地域資源の活用を考慮し、自動車関連産業、高度電子機械産業、食品関連産業、木材関連産業、医療・健康関連産業、クリーンエネルギー関連産業、航空宇宙関連産業、

船舶関連産業の分野において、ものづくり産業の集積、振興を図る。

<申請>2012.1.27 <認定>

2012.2.9

宮城県 仙台市 農と食のフロンティア推進特区

・仙台市宮城野区、若林区、太白区の津波被害があった農地約3000ヘクタールを対象に、農地の大区画化、6次産業化等を促進し、農業の成長産業化を目指す。

<申請>2012.2.15 <認定>

2012.3.2

認定状況①

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県別 申請主体 特区の名称 申請の概要 申請日 認定日

宮城県 塩釜市 千賀の浦観光推進特区

・塩釜港南側に位置する海岸通、本町、港町等の市中心部36.6ヘクタールを対象に、水族館などの観光施設や飲食店等の関連施設、水運業などの集積をすすめ、市の観光業の再生を図る。 ・区域内に関連する企業等が進出する際に固定資産税や不動産取得税の一部が5年間免除される等の優遇措置を設ける。

<申請>2012.2.21 <認定> 2012.3.23

宮城県 石巻市 石巻まちなか再生特区

・空洞化が進むJR石巻駅前から中瀬地区にかけての中心市街地(56.4ヘクタール)に、商業、観光業、医療・福祉・介護事業、新エネルギー、情報通信技術産業の新規参入や既存企業の再建を促

し活性化を図る。 ・法人税の減免、不動産取得税、固定資産税、事業税の補助。

<申請>2012.3.5 <認定>

2012.3.23

宮城県 石巻市 北上食料供給体制強化特区

・石巻市北上地区・河北地区において、農地の大区画化、農業経営体の法人化や共同化などによる経営の強化・効率化を推進し、企画産業である農業の再興を図る。

<申請>2012.3.5 <認定> 2012.3.23

宮城県 宮城県 保健・医療・福祉復興特区

・被災地における病院などの医療従事者の配置基準の緩和や薬局の面積基準の緩和、医療機器製造販売責任者の資格要件の緩和等により、被災地域の医療環境の整備や高齢者介護の確保を図る。

<申請>2012.3.16 <認定> 2012.4.10

福島県 福島県 ふくしま医療関連産業復興特区

・福島県内全域を対象とし、医療機器の製造販売業者及び製造業者の事業開始の促進に必要な許可基準の緩和を行い、医療福祉機器関連産業分野への県内企業の新規参入と県外からの企業誘致を促進する。

<申請>2012.2.29 <認定> 2012.3.16

認定状況②

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2.東日本大震災復興特別区域法に係る復興推進計画の認定状況

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申請状況

県別 申請主体 特区の名称 申請の概要 申請日

福島県 福島県 福島県内全59市町村

ふくしま産業復興投資促進特区

・県内全(59)市町村の593箇所の工業団地や工業用地などを対象に輸送機器、半導体、医療福祉機器、再生可能エネルギー、コールセンター等の企業集積を促進し、雇用創出を図る。

<申請>2012.2.29

福島県 福島県 福島県保健・医療・福祉復興推進特区

・地域医療と高齢者福祉サービスの再生を目的とし、医師の配置基準等の規制を緩和し、医療や介護施設の新規の開業等を支援する。

<申請>2012.4.6

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2.東日本大震災復興特別区域法に係る復興推進計画の申請状況

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内閣総理大臣に提出 内閣総理大臣の認定

復興特別区域としての計画作成が できる地方公共団体の区域

東日本大震災により一定の被害が生じた区域である財特法の特定被災区域等(222市町村の区域)

特例の追加・充実

復興地域づくりを支援する 新たな交付金(復興交付金)

・40のハード補助事業を一括化 ・使途の緩やかな資金を確保 ・地方負担を全て手当て ・執行の弾力化・手続きの簡素化

国と地方の協議会

・地域からの新たな 特例の提案等につ いて協議 ・県ごとに設置(地域別

等の分科会設置も可能)

・現地で開催 ・復興庁が被災地の 立場に立って運営

復興特別区域基本方針 (閣議決定)

【主な内容】 ・ 復興特別区域における復興の円滑かつ迅速な推進の意義に関する事項 ・ 復興特別区域における復興の円滑かつ迅速な推進のために政府が着実に実施 すべき地方公共団体に対する支援その他の施策に関する基本的な方針 ・ 復興推進計画の認定に関する基本的な事項 ・ 復興特別区域における特別措置 等

復興交付金事業計画の 作成

市町村が単独又は県と共同 して作成 交付金事業(著しい被害を受 けた地域の復興のための事業 )に関する計画

復興整備計画の作成

市町村が単独又は県と共同 して作成 土地利用の再編に係る特例

許可・手続の特例等を受け るための計画

・住宅、産業、まちづくり、医療・ 福祉等の各分野にわたる規制、 手続きの特例 ・雇用の創出等を強力に支援 する税制上の特例措置 ・利子補給

計画の公表

土地利用再編のための 特例

・事業に必要な許可の特例 ・手続のワンストップ処理 ・新しいタイプの事業制度の 創設

・必要に応じ、公聴会、公告、縦覧 ・復興整備協議会で協議・同意

復興推進計画の作成

県、市町村が単独又は共同 して作成 民間事業者等の提案が可能 個別の規制、手続の特例や 税制上の特例等を受けるための計画

東日本大震災復興特別区域法の枠組み

71

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(住宅)

・公営住宅の入居基準の緩和 (産業) ・農林水産物加工・販売施設、バイオマスエネルギー施設等の整備の開発許可特例

・漁業権の免許に関する特例

・医療機器販売業等の参入を円滑にする許可基準の緩和 ・小水力発電に関する関係省庁協議等の簡素化 ・用途規制の緩和 等

制度のポイント

・復興特別区域での規制・手続き等の特例、税・財政・金融上の支援

・地方公共団体の取組みにワンストップで総合的な支援を行う仕組み

震災財特法上の特定被災区域等の地方公共団体が復興特別区域としての計画を作成

・規制、手続き、税制等の特例関連

・土地利用再編特例関連

・交付金関連

①規制・手続き等の特例 ②税制等の支援措置 ③復興交付金

復興特別区域制度のスキーム

特例措置

規制・手続き等の特例

税制上の特例

財政・金融上の特例

国と地方の協議会を通じて特例措置を追加・充実

国と地方の協議会

・既存の土地利用計画(都市、農地、森林等)の枠組みを超えて迅速な土

地利用再編を行う特別措置 ・津波避難建物の容積率緩和 等

民間からの提案

土地利用再編の特例 ・住宅地と農地の一体的な交換・整備 ・住まいの高台移転、公営住宅の整備 ・商店街の再生 ・自動車部品工場の 立地 ・農林水産業の再生 ・水産加工工場等の再建 等

土地利用再編により住まいと雇用の確保を図るまちづくり

再生可能エネルギー導入促進による地域づくり

・メガソーラー、洋上風力発電システムの設置 ・風力発電関連産業の集積 ・小水力発電 ・木質がれき・廃材の有効利用(バイオマス発電) ・スマートコミュニティ ・野菜工場の整備 等

医療関連産業の集積拠点の形成

・医薬品・医療機器産業拠点の形成 ・医薬品・医療機器・臨床等の研究拠点の構築 ・臨床研究・治験の迅速化 ・先端医療拠点の形成 等

各被災地の復興プラン・復興プロジェクト例

・被災地の産業集積のための投資・雇用・研究開発を促進する税制

・地方税減免の減収補填 ・優良賃貸住宅の投資促進税制 ・地域貢献会社への出資に係る所得控除

・復興交付金

・復興特区支援利子補給金

提出、認定等の手続

復興特区制度の概要

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(※1 上記税額控除は、法人税額の20%が限度。但し、4年間の繰り越しが可能。)

特別償却 ~26年3月末 ~28年3月末

機械装置 即時償却 50%

建物・構築物 25%

税額控除 ~26年3月末 ~28年3月末

機械装置 15%

建物・構築物 8% 選択適用

雇用等している被災者に対する給与等支給額の10%を税額控除(※2) (※2 法人税額の20%が限度)

研究開発税制 開発研究用資産について即時償却 開発研究用資産の即時償却した減価償却費の12%を税額控除 (通常8~10%)

法人税特別控除

特別償却/

税額控除

(1)被災地の雇用機会の確保のための税制上の特例措置

復興産業集積区域内において、雇用に大きな被害が生じた地域の雇用機会の確保に寄与する事業を行う法人を対象として、以下の思い切った税制上の特例措置を創設。

(~28年3月末)

1.税制上の特例措置

2.復興特区支援利子補給金制度

復興の中核となる事業実施者による指定金融機関からの資金借入れに対する利子補給(5年間、補給率0.7%以内)

(※1) 選択

適用

住宅に大きな被害が生じた地域の復興居住区域内における被災者向け優良賃貸住宅供給事業者に対し、特別償却(25%)又は

税額控除(※4)(8%)

(3)被災者向け優良賃貸住宅の特別償却等

(2)地方公共団体の地方税に係る課税免除又は不均一課税による減収に対する補填措置

(4)出資に係る所得控除

まちづくり会社や特産品開発等地域の復興に貢献する事業を行う者として指定された中小企業者に対する個人の出資に係る所得控除(指定後5年間)

復興産業集積区域内における(1)の地域の雇用機会の確保に寄与する事業に係る事業税、不動産取得税又は固定資産税の課税免除又は不均一課税を行った場合の地方公共団体の減収に対し、特例的に地方交付税により補填。(事業税・固定資産税は投資から5年)

(~26年3月末)

(~28年3月末指定)

(~28年3月末)

新規立地 促進税制

新設法人の再投資等準備金積立額の損金算入

(指定後5年間、所得金額を限度)

再投資等した場合の即時償却 (再投資等準備金残高を限度)

新規立地新設企業(※3)

を5年間無税に

(※3 雇用に大きな被害が生じた地域を有する地方公共団体が設置する復興産業集積区域内に限る。)

(※4 法人税額の20%が限度。但し、4年間の繰り越しが可能。 )

□ 復興特区における税制上の特例措置・利子補給金制度

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経済的波及効果の高い企業立地等によりA市の雇用創出に寄与

東日本大震災により多数の被災者が離職を余儀なくされ、又は生産活動の基盤に著しい被害を受けた地域

復興推進計画作成地方公共団体が、各種データや調査結果に基づき同計画において特定し、国が認定する。

復興産業集積区域(戦略的に特定の業種の集積を推進する区域)

復興推進計画作成地方公共団体が、 同計画において定める

①新規立地新設企業5年間無税 =

②投資に係る特別償却・税額控除

③雇用している被災者への給与等支給額の10%を税額控除

④研究開発税制の特例

復興産業集積区域

復興産業集積区域 通勤

A市

B市

C町

通勤可能圏への企業立地等によりA市の雇用創出に寄与

日常的取引関係等

※B市又はC町が特例の対象となるのは、

・県がA市とB市又はC町を区域に含む計画を作成する場合

・A市とB市又はC町が共同で計画を作成する場合

□ 産業集積関係の課税の特例対象となる地域のイメージ

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