地下水イオン等調査 - gifu地下水イオン等調査 1. 調査対象...

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地下水イオン等調査 1. 調査対象 平成17年度~21年度にかけて実施された、岐阜市内における消防用井戸を対象とした水質分析デ ータおよび平成21年度~22年度にかけて実施された長良川、伊自良川、新荒田川の河川水質データ を利用し、岐阜市における水質状況を把握した。本調査では提供された761地点のデータおよび3河 川のデータについて作図、解析を行っている。調査項目及び検査方法を表1に示す。 表 1 水 質 の 検 査 方 法 2. 調査地点分布 調査地点である消防用井戸および河川の採水位置を図1に示すとともに、図2に消防用井戸の校区 別分布を示す。図2を見ても分かるように、岐阜市中心部から西部にかけて消防用井戸が集中してお り、北部や東部では相対的にデータが少ない傾向にある。 調査項目 検査方法 分析方法 1 pH 2 EC (電気伝導度) 日本工業規格K010による 3 炭酸水素イオン 衛生試験法による 4 カルシウム 5 マグネシウム 上水試験法による 6 ナトリウム 7 硫酸イオン 8 塩化物イオン 9 カリウム イオンクロマトグラフ法 10 フレーム原子吸光法 11 アンモニウムイオン 12 硝酸イオン 13 亜硝酸イオン イオンクロマトグラフ法 14 マンガン 日本工業規格K010による 15 ヒ素 上水試験法による 16 ICP質量分析法 17 フッ素 岐阜県地下水の水質測定に関 する計画による イオンクロマトグラフ法 18 イオン状シリカ 日本工業規格K010による 分光光度計 19 溶解性有機態炭素 日本工業規格K0102よる 燃焼酸化-赤外線式TOC自動計測法

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Page 1: 地下水イオン等調査 - Gifu地下水イオン等調査 1. 調査対象 平成17年度~21年度にかけて実施された、岐阜市内における消防用井戸を対象とした水質分析デ

地下水イオン等調査

1. 調査対象

平成17年度~21年度にかけて実施された、岐阜市内における消防用井戸を対象とした水質分析デ

ータおよび平成21年度~22年度にかけて実施された長良川、伊自良川、新荒田川の河川水質データ

を利用し、岐阜市における水質状況を把握した。本調査では提供された761地点のデータおよび3河

川のデータについて作図、解析を行っている。調査項目及び検査方法を表1に示す。

表 1 水 質 の 検 査 方 法

2. 調査地点分布

調査地点である消防用井戸および河川の採水位置を図1に示すとともに、図2に消防用井戸の校区

別分布を示す。図2を見ても分かるように、岐阜市中心部から西部にかけて消防用井戸が集中してお

り、北部や東部では相対的にデータが少ない傾向にある。

調査項目 検査方法 分析方法

1 pH

2 EC (電気伝導度) 日本工業規格K010による

3 炭酸水素イオン 衛生試験法による

4 カルシウム

5 マグネシウム 上水試験法による

6 ナトリウム

7 硫酸イオン

8 塩化物イオン

9 カリウム

イオンクロマトグラフ法

10 鉄 フレーム原子吸光法

11 アンモニウムイオン

12 硝酸イオン

13 亜硝酸イオン

イオンクロマトグラフ法

14 マンガン

日本工業規格K010による

15 ヒ素 上水試験法による

16 鉛

ICP質量分析法

17 フッ素

岐阜県地下水の水質測定に関する計画による イオンクロマトグラフ法

18 イオン状シリカ 日本工業規格K010による 分光光度計

19 溶解性有機態炭素 日本工業規格K0102よる 燃焼酸化-赤外線式TOC自動計測法

Page 2: 地下水イオン等調査 - Gifu地下水イオン等調査 1. 調査対象 平成17年度~21年度にかけて実施された、岐阜市内における消防用井戸を対象とした水質分析デ

(出典:国土交通省国土地理院 電子国土WEBシステム)

図 1 調 査 地 点 配 置 図

長良川

伊自良川

新荒田川

長良橋

穂積大橋

竹橋

本郷橋

第一祈年橋

市場橋

・・ ・

:消防用井戸配置 ●:河川採水地点配置

761地点) (6地点) 上流 長良下流 穂上流 本郷下流 竹橋上流 第下流 市場

長良川

伊自良川

新荒田川

橋積大橋

一祈年橋橋

河川採水地点

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図 2 消防用井戸の校区別分布

3. 調査結果

岐阜市内の地下水は金華山の麓付近より南西部へと流下する過程で、カルシウム等のイオン成分

やpHが上昇傾向にあると言われてきたが、今回の結果はそれを裏付ける結果となった。また、岐阜

市の地下水は水質データの図式表現法であるヘキサダイヤグラムおよびトリリニアダイヤグラムか

らも日本の一般的地下水の多くが属する重炭酸カルシウム型であると判断される。以下、調査結果

について記述する。

(1) 地下水および河川水とヘキサダイヤグラム

地下水質の地理的特性を把握するために、平成17年度~平成21年度にかけて調査された761検

体(主要溶存8成分)についてクラスター分析※により類似度を求め、これを代表的な6つのグル

ープに分類したうえで、地形分類図(図3)、土壌分類図(図4)および土地利用現況図(図5)上にプ

ロットした。表2にグループ毎の各溶存成分平均値、図6に地下水質による分類とグループ毎の

各溶存成分平均値のヘキサダイヤグラムを示すとともに、表3に平成21年度~平成22年度にかけ

て調査された各河川の各溶存成分平均値および平成17年度に調査された岐阜市における雨水の

各溶存成分値、図7に各河川の各溶存成分平均値のヘキサダイヤグラムを示す。また、参考に岐

阜市における各溶存成分の等値線図を図8~図11、pHの等値線図を図12にそれぞれ示す。

(※ クラスター分析:データを類似しているいくつかのかたまりにまとめる方法)

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図 3 地下水質によるグループ化(地形分類図) S=1:100,000

(出典:国土交通省国土地理院 5万分の1地形図より引用)

伊自良川

長良川

新荒田川

木曽川

: 扇状地

: 自然堤防

: 氾濫平野

: 山塊

地 形 凡 例

A: ●

B: ●

C: ●

D: ●

E: ●

F:

グループ

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図 4 地下水質によるグループ化(土壌分類図) S=1:100,000

(出典:国土交通省国土地理院 土地分類基本調査閲覧)

長良川

伊自良川

新荒田川

A: ●

B: ●

C: ●

D: ●

E: ●

F:

グループ

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図 5 地下水質によるグループ化(土地利用現況図) S=1:100,000

(出典:国土交通省国土地理院 土地分類基本調査閲覧)

伊自良川

長良川

新荒田川

木曽川

A: ●

B: ●

C: ●

D: ●

E: ●

F:

グループ

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表 2 地下水質による分類とグループ毎の各溶存成分平均値

※ 報告書下限値未満の数値については報告下限値を0として取り扱い、平均値を算出した。 相対的に高い値を赤字で記す。

図 6 地下水質による分類と各グループにおける溶存成分平均値のヘキサダイヤグラム

pHEC

(μS/cm)Na

(mg/L)K

(mg/L)Ca

(mg/L)Mg

(mg/L)Cl

(mg/L)HCO3

(mg/L)

SO4

(mg/L)

NO3

(mg/L)A ● 7.1 94.5 5.0 1.1 10.3 1.9 4.3 38.7 7.3 4.6B ● 6.8 168.0 7.8 1.3 4.1 56.4C ● 7.0 132.7 6.9 1.3 14.5 3.3 5.7 54.6 9.8 5.3D ● 6.6 159.8 14.2 4.3 30.4E ● 7.0 7.9 1.3 7.4F 7.4 175.6 1.6 7.1 8.9 2.6

グループ

19.3 8.8 15.7 11.1

9.1 1.8 8.7 19.9 21.3194.2 24.6 5.2 77.1 17.2 10.3

● 8.5 18.8 5.7 92.1

NH4

(mg/L)Fe

(mg/L)Mn

(mg/L)As

(mg/L)Pb

(mg/L)F

(mg/L)イオン状シリカ

(mg/L)DOC

(mg/L)

A ● 0.001 0.20 0.0089 0.000009 0.000330.40

0.0318

21.69● 0.159 1.36 0.2264 0.000638 0.0314 23.95 0.41

2 0 2(meq/l) 2 0 2(meq/l)

2 0 2(meq/l) 2 0 2(meq/l)

2 0 2(meq/l) 2 0 2(meq/l)

0.0077 12.79 0.22B ● 0.018 0.16 0.0474 0.000008 0.00013 0.0191 19.85C ● 0.075 0.44 0.0867 0.000198 0.00016 19.26 0.17D ● 0.007 0.15 0.0049 0.000000 0.00013 0.0173 19.47 0.18E ● 0.019 0.19 0.0184 0.000000 0.00007 0.0135 0.23F 0.00021

グループ

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表3 河川ごとの各溶存成分平均値および岐阜市における雨水の各溶存成分値

2 0 2(meq/l)

2(meq/l) 2

2 0 2(meq/l) 2 0 2(meq/l)

図 7 各河川における各溶存成分平均値のヘキサダイヤグラム

pHEC

(μS/cm)Na

(mg/L)K

(mg/L)上流(長良橋) 7.6 76.3 4.5下流(穂積大橋) 7.5 94.5 5.8上流(本郷橋) 7.2 64.2 3.3下流(竹橋) 7.2 141.7 9.4上流(第一祈年橋) 7.2 160.0 13.0 1下流(市場橋) 7.3

河川

長良川

伊自良川

新荒田川

2 0 2(meq/l)

2 0 0 2(meq/l)

Ca(mg/L)

Mg(mg/L)

Cl(mg/L)

HCO3

(mg/L)

SO4

(mg/L)

NO3

(mg/L)0.9 8.7 1.3 3.9 33.5 4.6 1.71.2 9.8 1.6 5.5 35.8 6.3 2.71.4 5.2 1.8 2.8 19.5 5.6 4.83.0 12.5 2.5 10.6 43.3 11.1 5.8.3 10.8 13.0

14.2 2.615.0 3.7 54.0 7.7

216.7 23.7 3.3 31.0 53.5 15.3 7.0

NH4

(mg/L)Fe

(mg/L)Mn

(mg/L)上流(長良橋) 0.100 0.04 <0.005下流(穂積大橋) 0.233 0.03 0.007上流(本郷橋) 0.167 0.019 <0.001 <0.001 <0.05 8.65 0.85下流(竹橋) 0.500 0.019 <0.001 <0.001 0.06 10.23 1.45上流(第一祈年橋) 0.200 0.04 <0.001 <0.001 0.07 0.80下流(市場橋) 0.05 0.020 <0.001 <0.001 0.07 17.67

河川

長良川

伊自良川

新荒田川

As(mg/L)

Pb(mg/L)

F(mg/L)

イオン状シリカ(mg/L)

DOC(mg/L)

<0.001 <0.001 0.06 11.17 0.68<0.001 <0.001 0.06 11.17 0.73

0.090.09

0.033 23.001.317 2.32

Na(mg/L)

K(mg/L)

Ca(mg/L)

Mg(mg/L)

Cl(mg/L)

HCO3

(mg/L)

SO4

(mg/L)

NO3

(mg/L)0.2 0.2 0.4 0.1 0.2 3.0 1.6 0.8雨水(岐阜市)

※ 計6回のデータの平均値である。 報告書下限値未満の数値については報告下限値を0として取り扱い、平均値を算出した。

相対的に高い値を赤字で記す。

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Na(meq/L) K

(meq/L)

新荒田川

長良川

伊自良川

新荒田川

長良川

伊自良川

Ca(meq/L)

図 8

図3-7

Mg(meq/L)

・:消防用井戸配置

岐阜市における各溶存成分の等値線図 (1)

各河川の各溶存成分平均値のヘキサダイヤグラム

新荒田川

長良川

伊自良川

新荒田川

長良川

伊自良川

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SO4(meq/L) NO3(meq/L)

・:消防用井戸配置

図 9 岐阜市における各溶存成分の等値線図 (2)

新荒田川

長良川

伊自良川

新荒田川

長良川

伊自良川

Cl(meq/L) HCO3(meq/L)

新荒田川

長良川

伊自良川

新荒田川

長良川

伊自良川

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A

・:消防用井戸配置

図 10 岐阜市における各溶存成分の等値線図 (3)

Fe(mg/L)

新荒田川

長良川

伊自良川

NH4(mg/L)

新荒田川

長良川

伊自良川

Mn(mg/L)

新荒田川

長良川

伊自良川

新荒田川

長良川

伊自良川

s(mg/L)

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Pb(mg/L) F(mg/L)

イオン状シリカ(mg/L) 溶解性有機態炭素(mg/L)

図 11 岐阜市における各溶存成分の等値線図 (4)

新荒田川

長良川

伊自良川

新荒田川

長良川

伊自良川

新荒田川

長良川

伊自良川

新荒田川

長良川

伊自良川

・:消防用井戸配置

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図 12 岐阜市におけるpH等値線図

以上に示したように、これらのグループは地形や土壌、土地利用と整合性を有しており、岐

阜市の地下水が地形・土壌・土地利用の影響を受けていることが裏付けられる。以下に特徴の

見られた6グループについて概要を記述するとともに表4にその特徴をまとめる。

1) A グループ (主に長良川扇状地に位置する採水地点)

・ 本グループは長良川扇状地の扇頂である金華校区より西方では木之本・本荘校区、南方で

は華陽・加納校区に至って分布する。

・ 図6に示したヘキサダイヤグラムを参照すると、全般に成分濃度が低く、図7に示される長

良川の成分濃度とほぼ一致することから、涵養源は長良川の伏流水であると考えられる。

2) B グループ (主に黒野・西郷校区付近に位置する採水地点)

・ 本グループは水田が多い上記校区付近や岩野田・厚見・長森南校区付近に分布する。

・ ヘキサダイヤグラムを参照すると、カルシウムイオン、塩化物イオンや硫酸イオン、硝酸

イオンが高い傾向にあり、その他の溶存成分濃度はCグループに近い。

・ 図8、図9に示した各溶存成分の等値線図を参照しても、上記イオンに関しては当該校区付

新荒田川

長良川

伊自良川

・:消防用井戸配置

Page 14: 地下水イオン等調査 - Gifu地下水イオン等調査 1. 調査対象 平成17年度~21年度にかけて実施された、岐阜市内における消防用井戸を対象とした水質分析デ

近が相対的に高濃度を示す傾向にある。

・ その他の項目では溶解性有機態炭素(DOC)が他グループと比べて高い傾向にある。

・ 以上より水田に由来する施肥(硫安:硫酸アンモニウム)等や、土壌改良剤(苦土石灰:炭

酸カルシウム+炭酸マグネシウム)による影響が示唆される。

3) C グループ (主に扇状地の南縁部から氾濫平野に位置する採水地点)

・ 本グループは主に住宅地が多い三里・市橋校区付近に分布する。

・ ヘキサダイヤグラムを参照すると、Aグループの成分濃度から全体に上昇傾向にあること

から、Aグループの地下水が扇状地から氾濫平野まで南流する過程で各成分を溶かし込んで

いるものと考えられる。

・ その他の項目ではフッ素が他グループと比べて高い傾向にある。

4) D グループ (主に黒野・長森校区付近の一部に位置する採水地点)

・ 本グループは水田が多い上記校区付近に分布する。

・ ヘキサダイヤグラムを参照すると、ナトリウムイオン、カリウムイオン、塩化物イオンや

硫酸イオン、硝酸イオンが高い傾向にある。

・ 図8、図9に示した各溶存成分の等値線図を参照しても上記イオンに関しては当該校区が相

対的に高濃度を示す傾向にあり、特に硫酸イオン、硝酸イオンに関しては水田地帯が高濃

度となる。

・ 以上よりBグループと同じく水田に由来する施肥(硫安:硫酸アンモニウム)や土壌改良剤

(苦土石灰:炭酸カルシウム+炭酸マグネシウム)による影響が示唆される。

5) E グループ (主に河渡・木田・城西校区付近に位置する採水地点)

・ 本グループは畑地が多い上記校区や島・則武・鶉校区付近に分布する。

・ ヘキサダイヤグラムを参照すると、成分濃度が全般に他グループと比較して高い傾向にあ

る。この地区の特徴としてカルシウムイオン、マグネシウムイオンが高い傾向(カルシウム

イオンは最高値)にある。

・ 図8、図9に示した各溶存成分の等値線図を参照しても、上記イオンに関しては当該校区付

近が高濃度を示す傾向にあり、特に畑地帯が高濃度となる。

・ 以上より畑地に由来する土壌改良剤(苦土石灰:炭酸カルシウム+炭酸マグネシウム)によ

る影響が示唆される。

6) F グループ (主に厚見・茜部・日置江校区付近に位置する採水地点)

・ 本グループは水田が多い岐阜市南部に位置する上記校区付近に分布する。

・ ヘキサダイヤグラムを参照すると、炭酸水素イオンが他グループと比較して極端に高い傾

向にあり、カルシウムイオン、マグネシウムイオンも高い傾向にある。

・ 図8、図9に示した各溶存成分の等値線図を参照しても、上記イオンに関しては当該校区付

近が高濃度を示す傾向にある。

・ その他の項目ではアンモニウムイオン、鉄、マンガン、ヒ素、イオン状シリカ、溶解性有

機態炭素が他グループと比べて高い傾向にある。

Page 15: 地下水イオン等調査 - Gifu地下水イオン等調査 1. 調査対象 平成17年度~21年度にかけて実施された、岐阜市内における消防用井戸を対象とした水質分析デ

・ 以上よりカルシウムイオンが高い傾向を示し、さらにアンモニウムイオンの濃度も高値を

示すことから、Bグループと同じく施肥(硫安:硫酸アンモニウム)や土壌改良剤(苦土石

灰:炭酸カルシウム+炭酸マグネシウム)の影響の他、生活排水による影響も示唆される。

表 4 地下水質による分類とその特徴

グループ 主な分布域 主な土壌分類 土地利用 特徴

A ● 長良川扇状地 (扇状地) 市街地 ・各溶存成分濃度が全般に低い。 ・長良川の伏流水がその涵養源と考えられる。

B ● 氾濫原帯

(自然堤防, 氾濫平野)

灰色低地土壌 水田

・Ca、ClやSO4、NO3が高い傾向にあり、その他の各成分濃度はCグループに近い。

・水田に由来する施肥や土壌改良剤による影響が示唆される。

C ● 扇状地南縁部

~氾濫原帯(氾濫平野)

グライ土壌 住宅地

・各成分濃度に主だった特徴はない。 ・Aグループの地下水が扇状地~氾濫平野まで南流する過程で各成分を溶かし込んでいるものと考えられる。

D

氾濫原帯 (氾濫平野)

灰色低地土壌黒ボク土壌

水田 ・Na、K、ClやSO4、NO3が高い傾向にある。 ・水田に由来する施肥や土壌改良剤による影響が示唆される。

E ● 褐色低地土壌灰色低地土壌

畑地

・各成分濃度が全体的に高い傾向にあり、特にCa,Mgが高い傾向を示す。

・畑に由来する土壌改良剤による影響が示唆される。

F ●

氾濫原帯 (自然堤防, 氾濫平野)

灰色低地土壌 水田

・HCO3が極端に高い傾向にあり、Fe、Mn、As、イオン状シリカ、DOCが他グループと比較して高い傾向を示す。

・水田に由来する施肥や土壌改良剤による影響のほか、生活排水による影響も示唆される。

次に採水が行われた長良川、伊自良川、新荒田川の3河川について表5にその特徴をまとめる。

表 5 河 川 水 と そ の 特 徴

河川 特 徴

長良川 ・上流部、下流部ともにECが低値を示すとともに、各溶存成分濃度も低い。 ・下流部においても上流部と比較して成分濃度の変化は殆どない。 ・Aグループの成分濃度とほぼ同等である。

伊自良川

・上流部については長良川と同様にECが低値を示し、各成分濃度も低い。 ・下流部においては上流部と比較してEC、各成分濃度が上昇している。特にNa、Ca、Cl、SO4が上昇傾向にある。

・その他、上流部、下流部ともに鉄イオン濃度が最高値を示す。 ・水田、畑に由来する施肥(硫安)・土壌改良剤(苦土石灰)による影響が示唆される。

新荒田川

・上流部、下流部ともにECが高値を示し、各成分濃度も高い。 ・下流部においてはさらにNa,Kの濃度が2倍程度上昇しており、3河川の中でほぼ全ての成分濃度が最高値を示す。

・その他、アンモニウムイオン、イオン状シリカ、DOC濃度が他河川と比べて最高値を示す。 ・水田、畑に由来する施肥(硫安)・土壌改良剤(苦土石灰)による影響のほか、生活排水による影響が示唆される。

表5によると、長良川は岐阜市市街地部の地下水の水質に影響を与えていることが明白である

が、伊自良川、新荒田川については地下水への影響は少なく、逆に土壌や土地利用からの影響

を受けていると考えられる。なお、地下水一斉観測結果で判明した岐阜市における地下水流向

と本調査結果を照らし合わせたものを図13に示した。本図によると長良川を涵養源とした地下

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水流

図 13 地下水流向と各グループ・河川・雨水のヘキサダイヤグラム S=1:100,000

向(グループA→C→E・F)の順で各成分濃度が上昇傾向にある。先述したように扇頂部付近

り涵養された長良川河川水が氾濫平野まで流下するにつれて各成分を溶かし込んでいるもの

と考えられる。

伊自良川

長良川

新荒田川

グループ A

グループ B

グループ E

グループ D

グループ D

グループ C

グループ F

木曽川

伊自良川上流(本郷橋) 長良川上流(長良橋)

伊自良川下流(竹橋)

長良川下流(穂積大橋)

新荒田川下流(市場橋) 新荒田川下流(第一祈年橋)

雨水(岐阜市)

: 扇状地

: 自然堤防

: 氾濫平野

: 山塊

地 形 凡 例

:地下水流向

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(2) 地下水および河川水とトリリニアダイヤグラム

平成17年度~平成21年度にかけて調査された761検体(主要溶存8成分)および平成17年度に調

査された岐阜市の雨水についてトリリニアダイヤグラムを用いて分類した結果をそれぞれ図14、

図15に示す。また、平成21年度~平成22年度にかけて調査された各河川についてトリリニアダ

イヤグラムを用いて分類した結果を図16に示す。

図 14 トリリニアダイヤグラム (消防署管轄別、雨水)

領域 組成による分類 水の種類

重炭酸カルシウム型

Ca(HCO3)2型

重炭酸ナトリウム型

NaHCO3型

非重炭酸カルシウム型

CaSO4又はCaCl2型

非重炭酸ナトリウム型

Na2SO4又はNaCl型

Iわが国の循環性地下水の大半がこの型に属する。石灰岩地域の地下水は典型的にこの型を示す。 ・浅層地下水、河川水

II停滞的な環境にある地下水がこの型に属する。したがって、地表から比較的深い地下水の型といえる。 ・深層地下水

III温泉水・鉱泉水および化石塩水等がこの型に属し、一般の河川水・地下水では特殊なものであり、温泉水や工業排水等の混入が考えられる。

IV海水および海水が混入した地下水・温泉水等がこの型に属する。・海水、化石塩水、温泉

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図 15

トリリニアダイヤグラム

(グループ別)

平成 21 年 10・11・12 月

平成 22 年 1・2・3月

計 6回採水

図 16

トリリニアダイヤグラム

(河川別)

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以上に示したトリリニアダイヤグラムの結果より、岐阜市街地においては全般に長良川を涵

養源とした地下水の影響を受けており、図13を見ても分かるように地下水流向により長良川の

影響が少ない校区(黒野・長森校区)に関しては土壌や土地利用の影響を受けることが判明した。

以下に調査結果における概要を記述する。

・ 岐阜市の地下水は水質分類において概ね循環性地下水起源型に属するⅠ型(重炭酸カルシ

ウム型)に属する。

・ 図15に示されるようにグループBおよびD(主に黒野・西郷・長森校区)はⅢ型(非重炭酸カ

ルシウム型)に属し、イオン構成をみると塩化物イオンや硫酸イオンが高い濃度を示してい

る。両者とも長良川からやや離れた校区であり、河川水よりも土壌・土地利用の影響が示

唆される。

・ 岐阜市の河川水は水質分類において概ねⅠ型(重炭酸カルシウム型)に属する。

・ 図16に示されるように新荒田川の下流部はⅣ型(非重炭酸ナトリウム型)に属し、イオン構

成をみると塩化物イオンやナトリウムイオン、カリウムイオンが高い濃度を示している。

土壌,土地利用の他、生活排水による影響が示唆される。

・ 長良川の水質は、その伏流水が涵養源と考えられる中消防署管区の地下水質に最も近い。

・ 伊自良川および新荒田川の水質は、いずれのグループの地下水質にも属さないことから、

地下水質との交流は少ないと考えられる。

PH EC Na K Ca Mg Cl HCO3 SO4 NO3 NH4 Fe Mn As PbPH 1EC -0.17 1Na -0.26 0.70 1K -0.16 0.38 0.60 1Ca -0.09 0.84 0.36 0.07 1Mg -0.03 0.85 0.54 0.37 0.74 1Cl -0.32 0.66 0.85 0.47 0.37 0.46 1HCO3 0.24 0.67 0.41 0.23 0.71 0.72 0.26 1SO4 -0.45 0.68 0.51 0.30 0.56 0.53 0.55 0.09 1NO3 -0.46 0.35 0.11 0.06 0.34 0.25 0.20 -0.21 0.66 1NH4 0.00 0.13 0.25 0.15 0.00 0.04 0.16 0.17 -0.03 -0.11 1Fe -0.09 0.14 0.28 0.27 -0.06 0.08 0.12 0.26 -0.09 -0.17 0.31 1Mn -0.05 0.23 0.41 0.44 0.01 0.14 0.28 0.29 0.01 -0.21 0.34 0.42 1As 0.01 0.16 0.24 0.23 -0.01 0.14 0.11 0.27 -0.04 -0.17 0.33 0.71 0.36 1Pb 0.08 -0.04 0.00 -0.03 -0.04 -0.02 0.00 -0.01 -0.04 -0.02 -0.03 0.05 -0.03 0.03 1

(3) 相関係数について

各溶存成分間の関係の強さを表すため、相関係数表を作成した(表6)。以下にその特徴を記述

する。

・ 電気伝導度(EC)は各成分濃度との相関が高い。

・ カルシウムとマグネシウム

・ ナトリウムと塩化物イオン、塩酸イオンと硝酸イオンの相関が高い。これは、黒野,則武

校区といった農用地周辺における採水地点の結果を反映しているものと考えられる。

表 6 相 関 係 数 表

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(4) 相関数を用いた河川水質との相関性評価

岐阜市内を流下する主要な河川(長良川・伊自良川・新荒田川)の水質と各調査地点との水質

成分の濃度比を用いて、濃度相関マトリックス手法による解析を試みた。この手法は、地下水の

流下途中での希釈や採取時期の相違を無視できるため、水質や大気の環境調査で各調査地点間の

類似性を検討する際によく用いられているものである。ここでは、地下水の主要成分である 7 項

目について集計し、河川水質と各調査地点の濃度比をデータとして使用した。

試料採取地点 [ A,B,C,D,・・・・・・・・・ ]における主要成分[ Ca,Mg,Na,K,SO4,Cl,HCO3 ]の濃度に

対して、例えば地点 Aについては、

同様に、地点 B,C,・・・・・についても作表し、次に A と B の 2 点間について求めた成分濃

度比の比を求める。

{Yij(AB)}={Aij}/{Bij}

相関性の有無を判定するために有意な相関があると考えられる範囲を判定基準 M によって決める。

1/ ij(kl)≦M

マトリックスの対角成分を除いた残りの数値について、上記範囲内にある数値の数を全体の数

で除した数を相関数(ZAB)といい、それぞれの測定地点の組み合わせから求め「濃度相関マトリッ

クス」を得る。

相関数=(1/M~M の範囲の要素の数)/(全要素の数)

地点 A~E とすると相関数は、以下のように示される。一般に M=1.3 もしくは 1.5 が使われる。

(Ca/Ca)A

(Ma/Ca)A (Ma/Ma)A

(Na/Ca)A (Na/Ma)A (Na/Na)A

{ Aij }= (K /Ca)A (K /Ma)A (K /Na)A (K / K)A

(SO4/Ca)A (SO4/Ma)A (SO4/na)A (SO4/K)A (SO4/SO4)A

(Cl/Ca)A (Cl/Ma)A (Cl/Na)A (Cl/K)A (Cl/K)A (Cl/Cl)A

(HCO3/Ca)A (HCO3/Ma)A (HCO3/Na)A (HCO3/K)A (HCO3/K)A (HCO3/K)A (HCO3/HCO3)A

(Ca/Ca)A(Ca/Ca)B

(Ma/Ca)A (Ma/Ma)A(Ma/Ca)B (Ma/Ma)B

(Na/Ca)A (Na/Ma)A (Na/Na)A(Na/Ca)B (Na/Ma)B (Na/Na)B

{ Aij } (K /Ca)A (K /Ma)A (K /Na)A (K / K)A

{ Bij } (K /Ca)B (K /Ma)B (K /Na)B (K / K)B

(SO4/Ca)A (SO4/Ma)A (SO4/na)A (SO4/K)A (SO4/SO4)A(SO4/Ca)B (SO4/Ma)B (SO4/na)B (SO4/K)B (SO4/SO4)B

(Cl/Ca)A (Cl/Ma)A (Cl/Na)A (Cl/K)A (Cl/K)A (Cl/Cl)A(Cl/Ca)B (Cl/Ma)B (Cl/Na)B (Cl/K)B (Cl/K)B (Cl/Cl)B

(HCO3/Ca)A CO3/Ma)A (HCO3/Na)A (HCO3/K)A (HCO3/K)A (HCO3/K)A (HCO3/HCO3)A(HC a)B (HCO3/Ma)B (HCO3/Na)B (HCO3/K)B (HCO3/K)B (HCO3/K)B (HCO3/HCO3)B

(H

O3/C

=

M≦Y

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ZAA

ZAB ZBB

{Zkl}= ZAC ZBC ZCC

ZAD ZBD ZCD ZDD

ZAE ZBE ZCE ZDE ZEE

ここで、図 17 には岐阜市内を流れる長良川、伊自

良川、新荒田川での河川水採水地点を示す。また、

各採水箇所の河川水質は、平成 22 年 10 月から平成

23 年 2 月にかけて実施された計 5 回の水質分析結果

より平均値を採用した。

以下には、各河川毎に岐阜市域における地下水質

との相関性をまとめる。

1) 長良川(長良橋・穂積大橋)

図 18 に長良橋及び穂積大橋における長良川河川

水質と地下水質の相関数等値線図を示す。長良川の

場合、両採水地点の濃度分布に大きな相違が無いことから相関数の分布にも顕著な差違はみら

れない。両図より、相関数は長良橋付近を頂点とする長良川扇状地面(クラスター分析による

区分では A グループ)で 0.6 以上の比較的高い値を示しており、長良川河川水質の影響を強く

受けていることが伺われる。これに対し、市街地周辺部では長良川右岸地域を中心に相関数が

0.4 以下の値を示しており、長良川河川水質との相関性はみられない。

長良橋(長良川)

穂積大橋(長良川)

本郷橋(伊自良川)

市場橋(新荒田川)

第一祈念橋(新荒田川)

竹橋(伊自良川)

図 17 河川水採水地点位置図

長良橋

穂積大橋

図 18 相関数等値線図(長良川)

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2) 伊自良川(本郷橋・竹橋)

図 19 に本郷橋と竹橋における伊自良川河川水質と地下水質の相関数等値線図を示す。伊自良

川の場合、本郷橋と比較して下流の竹橋では相対的に溶存成分の濃度が高い状態にあり、これ

は長良川河川水質に対しても高い濃度に相当する。本郷橋の河川水質に対しては、相関数 0.4

以上の値を示す地域が伊自良川沿いに確認されるものの、長良川以南地域にも同様に分布がみ

られ、伊自良川との相関性を明確に判定できない結果となっている。特に、下流域の竹橋の河

川水質に対してはほぼ全域で 0.4 以下の相関数を示し、河川水質との相関性がみられない。

図 19 相関数等値線図(伊自良川)

本郷橋

竹橋

第一祈念橋

市場橋

図 20 相関数等値線図(新荒田川)

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3) 新荒田川(第一祈念橋・市場橋)

図 20 に第一祈念橋と市場橋における新荒田川河川水質と地下水質の相関数等値線図を示す。

新荒田川の河川水質は、各成分とも 3 河川の中で最も濃度が高く、特に Na+K の濃度について

は、下流域で大きく上昇傾向を示すのが特徴的である。このような河川水質と周辺地下水質と

の関係については、上流の第一祈念橋に対して左岸地域で 0.4 以上の相関数を示すものの、明

確な相関性が確認できるとは言えない。特に、下流域の河川水質に対しては 0.4 以下の相関数

を示しており、相関性は認められない。

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ま と め

調査の結果、長良川は岐阜市市街地部の地下水の水質に影響を与えていることが判明し、長

良川を涵養源とした地下水が長良川扇状地から氾濫平野,自然堤防へと流下していく過程で各成

分濃度が上昇傾向にある。また、伊自良川,新荒田川については地下水へ与える影響は少なく、

逆に土壌や土地利用からの影響を受けている可能性が示唆される。