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地域広報誌の重要性 「伝える」から「動かす」へ

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地域広報誌の重要性

「伝える」から「動かす」へ

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1 地域広報誌の重要性 ~「伝える」から「動かす」へ~

0 はじめに 中山間地域のみならず、日本社会全体を通して少子高齢化が進み、

大量生産によって利益が生ずる規模の経済が存在したかつてとは

明らかに異なっている現在、地域が持続する条件として何が必要な

のかが問われている。

社会情勢の変化は、行政に深刻な財政難を促し、地方分権が進め

られ、地域の独自性を活かした住民主体の地域づくりが求められ、

進められるようになっている。

「時代にふさわしい新しい価値を地域から内発的につくり出し、

地域に上乗せしていく作業 1)」(宮口、2002)が必要になるわけだ

が、主体は地域住民である。

住民主体の地域づくりにおいて、住民一人ひとりが地域の重要な

顔であり、主役である。一人ひとりが持つ能力をどう十分に発揮さ

せるか等、住民同士のチーム力や、住民が組織としてあるべく一体

感が発揮されなければならないであろう。

このような社会情勢に対応した住民主体の地域づくりに対応す

るには、地域内コミュニケーションのあり方が問われるようになっ

ている。どのような地域内コミュニケーション、いわゆるインナ

ー・コミュニケーションⅰを行えばいいのか、地域の自主性に任せ

ているとはいえ、地域内コミュニケーションを促進するために、行

政はどのような役割やサポートを果たせばいいのかを考える必要

があり、あえていうならば行政側のサポートも地域内で地域づくり

に携わる制作者も、戦略的に地域内コミュニケーションを実践しな

ければならない。

地域内コミュニケーションの中で期待が持てるツールの一つに

は公民館や交流センター、コミュニティセンター、地域自主組織、

各自治会、町内会(以下、地域運営組織ⅱ)等が発行している地域

住民向け広報誌(以下、広報誌)があるが、地域の行事等の報告や

➤ⅰ

広報・PR 用語であるイン

ナーコミュニケーショ

ンは社内報や社員公聴

会等で行う社内のコミ

ュニケーションのこと

を指す。職場の連帯感と

相互信頼、社員への企業

理念の浸透、共通認識と

価値観の醸成、社員の活

性化、新しい体質と文化

の創造、社員の声が経営

トップに届くボトムア

ップ経営等の成果が生

まれるというメリット

がある 2)。本研究では、

「社内、社員」を、「地

域、地域住民」に置き換

えて援用し、地域への関

心や愛着、帰属意識を高

めていくことを地域内

コミュニケーションと

する。

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行政からの連絡を伝える

内容が多くみられる。地域で従来から発行されている広報誌を使

い、地域内の問題をどう解決するか、住民のモチベーションを上げ

るにはどのような伝え方をすればいいか。これらの問題を解決する

方法として広報誌のあり方を再度考察する必要が出てきている。

つまり、広報誌は地域を持続させる一つの重要な要素として不可

欠なツールとなり得るわけだが、ここで重要なのは広報誌制作の制

作者(以下、制作者)のみで広報誌のあり方を考えるのではなく、

複数地区の制作者が接点を持ち、協働することである。連携と協働

により、資源の共同活用のみならず、情報やアイデアの共有が進む。

これにより、制作者間で地域の問題意識や地域の誇り等の共有価値

が高まるため、連携と協働がさらに醸成されていくからである。

以上をふまえ本報告では、地域づくりに役立つ広報誌をつくるた

めに必要な条件を提案する。

➤ⅱ

集落を単位として掘り

下げた場合、そこに普遍

的な組織やメカニズム

は見出しにくい。ただし

市町村ごとに地域運営

組織をとらえた場合、大

まかに単層型と複層型

の2つの地域運営組織が

存在する。単層型は、市

町村からすぐ集落や自

治会、振興区などが位置

づけられる。複層型は、

市町村から集落自治会、

ムラ、振興協議会、連絡

協議会、行政区、コミュ

ニティブロックなどが

位置づけられ、その先に

集落や自治会、振興区な

どが位置づけられる 3)。

一方、公民館に関しては

社会教育の場である。地

域の拠点やまちづくり

の場で地域振興組織と

共通している部分もあ

るが、公民館は学びや人

のつながりを通しての

人づくりを目指す。しか

し、最近では行政的な要

素も公民館に取り入れ

られるようになり、地域

振興組織の事務局が公

民館に置かれるように

なっている。このような

ことから公民館や交流

センター、地域自主組

織、自治会、町内会等を

本研究では地域運営組

織とする。

はじめに 2

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3 地域広報誌の重要性 ~「伝える」から「動かす」へ~

0 はじめに 1

1 地域内コミュニケーションツールとしての地域広報誌の重要性

2 地域内コミュニケーション力をあげるには

3 地域内コミュニケーションの構造

4 地域内コミュニケーションの基本的な種類

5 地域内コミュニケーションの実際と傾向

6 手にとって読まれる広報誌 7つのポイント

Ⅰ 地域広報誌と

地域内コミュニケーション力

1 新しい経験の提供に不可欠な共感を生み出す知・情・意のアプローチ

2 連鎖型 IMC を援用して「伝える」から「動かす」へ

3 新しい経験に触れる効果的な機会「研修」について

4 効果的な「研修」の提供について

Ⅱ 伝えるから動かすための

地域における戦略的広報

1 地域における戦略的広報

Ⅲ 戦略的広報の提案

事例コラム① 金城自治区公民館(浜田市) 8

事例コラム② 頓原公民館(飯南町) 10

事例コラム③ 波多コミュニティ協議会(雲南市) 13

事例コラム④ 奥田原交流センター(安来市) 16

事例コラム⑤ 鳥取県 17

事例コラム⑥ 山口県 17

事例コラム⑦ 奥出雲町公民館主事会(奥出雲町) 20

事例コラム⑧ 地域の宝箱~みんなで伝える広報誌づくり~ 23

謝辞 31

参考・引用文献 32

目次

4

5

6

9

11

12

14

18

19

21

22

24

26

27

8

10

13

16

17

17

20

23

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地域広報誌と

Ⅰ 地域内コミュニケーション力

地域広報誌と地域内コミュニケ―ション力 4

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5 地域広報誌の重要性 ~「伝える」から「動かす」へ~

1

地域内コミュニケーションのツールとして地域広報誌ⅲの必要性

は以下の3点が考えられる。

1)地域運営組織の事業について理解と協力の促進

地域運営組織等、地域コミュニティ全般の維持や形成を目的とし

た組織や団体の取り組みは、住民に理解され、協力されないと、円

滑な活動展開はできない。広報誌はその促進に効果を発揮する。

2)地域における誇りの醸成

地域の魅力を発信するためには、住民自らが地域の魅力を認識し、

堂々と自慢できることが大切である。「“地域の魅力の発信”は、そ

の地域に“愛着と誇り”を持つ人たちが主体的に取り組んでこそ、

魅力が真実味を持って伝わっていく 5)」(山下、2013)のであり、

広報誌は住民自らの地域の魅力の再確認の有効なツールとなり得

る。

3)地域の魅力を地域外への発信手段

少子高齢化や賑わいの衰退等、地域を取り巻く環境の変化は、程

度の差はあるものの地域の存立基盤を脅かす危機として深刻に受

け止められている。各地域は交流人口の増加を意識しながら、地域

の魅力を発信する必要性に迫られている。広報誌は地域内だけでは

なく、地域外にも発信することが可能であるため、交流人口の増加

にも効果を発揮することが見込まれる。

地域内コミュニケーションツールとしての 地域広報誌の重要性

➤ⅲ

本誌では広報誌を、地域

運営組織等で地域住民

のために広報活動の一

環として刊行する出版

物とする。また広報誌、

広報紙というように2つ

の表記が見られるが、公

益社団法人日本広報協

会では、「新聞紙が「紙」、

雑誌が「誌」と使い分け

られているように、タブ

ロイド判等新聞紙型の

場合は「広報紙」、A4 判

等の雑誌型の場合は「広

報誌」と表記するのが、

一般的な考え方と言え

る 4)」とあるが、本誌で

は広報誌に統一する。

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2

地域づくりを進める中で重要なツールである広報誌だが、制作者

からは「広報誌が読まれない」という声をよく聞く。

広報誌が読まれない要因はいろいろあると考えられるが、昨今の

情報量の多さも理由に挙げられる。総務省 6)によると、10 年前に

比べ日本国内の情報量は 530 倍になったというだけに、日本の社会

情報環境や情報行動が大きく変化した。

情報量の増加とともに、受け手側も変化が見られるようになる。

不確かな情報や曖昧な情報も増えたため、情報をうのみにはしなく

なった。さらに携帯電話やパソコン、スマートフォン等を駆使し、

好きな時に好きな情報を簡単に入手できるようにもなり、いわゆる

必要な情報を必要な時だけに取捨選択できる権利を持つようにな

った(図1)。

地域内コミュニケーション力を あげるには

図 1 情報流通量等の推移(平成 13 年度=100)

出典:総務省「平成 23 年度情報流通センサス報告書」

220

200

180

160

140

120

100

平成13 14 15 16 17 18 19 20 21年度

199

109

105

100

流通情報量 消費情報量

実質国内総生産 総人口

地域広報誌と地域内コミュニケ―ション力 6

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7 地域広報誌の重要性 ~「伝える」から「動かす」へ~

これは情報伝達の主導権が伝える側から受け取る側に大きくシ

フトしたことでもある。行動プロセスの考え方として従来示されて

いたものが AIDMA(注意→関心→欲求→記憶→行動)と呼ばれるも

のだが、現在は AISAS(注意→関心→検索→行動→情報共有)とい

う行動プロセスに示されている。宮田(2007)は、このような関係

の変化は、消費行動だけに限らず、行政情報を得るときも同じだと

している 7)と指摘しているように、情報を得る際の人々の行動に変

化が見られている(図2)。

二つの行動プロセスの大きな違いは、インターネットの普及・拡

大により成立している。検索と共有に示されているように、何かを

知りたい、買いたいと思った時に、インターネットで検索し、自分

がほしいものを購入する。そしてその結果や感想をブログやメール

で知らせたりするというように、自分に関心がある、興味がある情

報にしか目や耳を傾けなくなっているのが特徴だ。さらに AISAS に

おいて特徴的なのが、記憶というプロセスがなくなったことである。

このことは何度も同じメッセージを繰り返し、受け手側に刷り込

ませる、一方通行型のコミュニケーションができなくなったことを

意味している。

メディアの発達に伴い、受け手側も変化が見られるようになった

現在、広報のあり方もその時代に合わせた広報を行う必要があるこ

とは言うまでもなく、地域運営組織が時代に合わせた地域広報を行

うためには、行政側が前述した AISAS のような行動プロセスを丁寧

図2 情報量の増加と受け手側の変化

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に追いかける、洞察→説得→拡声→連鎖という「連鎖・対話型コミ

ュニケーション(以下、連鎖型 IMC)8)」(図3)を踏まえた取り組

みを行わなければならない。手間がかかる面倒なやり方にみえるか

もしれないが、このプロセスが必要である。

図3 連鎖・対話コミュニケーション(連鎖型 IMC)

洞察 説得 拡声 連鎖

情報収集をして

問題解決の

糸口を探る。

提案を具体化させ

るために、参加者

や協力者を集う。

話題を喚起する。情報の連鎖の

仕組みを作る。

浜田市は市町村合併により、「浜田那賀

方式自治区」制度を採用した。浜田市ホー

ムページよると、同自治区制度とは地域の

ことは地域で解決し、安心を提供するととも

に、地域住民の声を反映した「地域の個性

を活かしたまちづくり」により、きめ細かなま

ちづくりを推進し、地域の不安を払拭しつ

つ、「一体的なまちづくり」によって連帯感を

深めていくという新しいまちづくりであると説

明している。自治区は浜田、金城、旭、弥

栄、三隅の5自治区に分けられている。そ

れぞれ地区公民館を設置し、地域住民の

生涯学習の拠点施設となっている。ここで

は金城自治区公民館を紹介する。

金城自治区公民館は、雲城、今福、波

佐、小国、久佐、美又の6つの公民館が平

成 18 年度から連携している。連携強化を

図るために、館長・主事会議の開催、連携

事業の実施、公民館活動の発信を行って

いる。公民館活動の発信として各館それぞ

れ公民館だよりを発行しているが、それぞ

れの主事の持ち味を活かした広報誌の内

容となっている。また連携の良さを活かし、

主事同士で勉強会や意見交換などをし、

お互いが情報共有をしながら、切削琢磨し

ている。

地元の話題を豊富にし、親しみやすい文

章や作った人の顔が見える工夫をしなが

ら、広報誌を発行し、地域づくりにつなげて

いるのも特徴である。

6公民館が連携しながら、広報誌を地域づくりに役立てる。

金城自治区公民館(浜田市)

事例コラム① Column

地域広報誌と地域内コミュニケ―ション力 8

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9 地域広報誌の重要性 ~「伝える」から「動かす」へ~

情報の発信を地域内コミュニケーションと地域外コミュニケー

ションの2つの方向に設定する。地域内コミュニケーション内にお

いて良好な広報活動ができてはじめて、地域外コミュニケーション

の関係がつくられる(図4)。

つまり地域内コミュニケーションにおける広報誌を含む情報発

信の役割は、公民館や交流センター、コミュニティセンター、地域

図4 地域内コミュニケーションの構造

地域

住民

地域運

営組織

地域内

組織等

地域内コミュニケーション

県市

町村

地域

ファン

元地域

住民

マス

コミ

企業教育

機関

UIター

ン希望他地域

地域外コミュニケーションと

ステークホルダー

地域内コミュニケーションの構造

3

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自主組織、各自治会、町内会などの地域運営組織がもつ情報や考え

を住民に共有してもらうだけでなく、住民一人ひとりのモチベーシ

ョンアップを図り、地域を動かす力に変えることにつながると考え

られる。 つまり地域内コミュニケーションは、地域運営の施策として認識

されなければならないということでもあるだろう。

頓原公民館(飯南町)と地域が連携し、

豊かな自然を活用した「プレーパーク」の創

設と「森の恵み講座」を開講したことをきっ

かけに、地域住民主導で、周辺施設や行

政も加わった「とんばらの里山で遊ぶ会」。

町民の憩いの場としての活用とともに町外

からの来訪者増加につながっているが、こ

の背景には、「公民館単独事業」から「目的

や価値を共有する団体との連携事業」とし

たことがある。日ごろから①地域の課題や

ニーズにアンテナを張る、②出前講座やフ

レックスタイム講座などを開講し公民館の

敷居を低くする、③積極的な情報提供・PR

活動、の3点を心がけていた。また、企画の

目的と戦略を明確にし、ぶれないということ

も大切にしていたという。このように地域内

において徹底的に情報を共有し、地域住

民一人ひとりのモチベーションをアップにつ

なげるようにしたことが、「プレーパーク」の

創設と「森の恵み講座」の発展につながっ

たことは否めない。

積極的な情報提供と PR で情報を共有する。 企画の目的と戦略を明確にし、地域内において

頓原公民館(飯南町)

事例コラム② Column

地域広報誌と地域内コミュニケ―ション力 10

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11 地域広報誌の重要性 ~「伝える」から「動かす」へ~

地域内コミュニケーションを行うための基本的な種類を見てみ

ると対面コミュニケーションと非対面コミュニケーションの2種

類に分類される。 対面コミュニケーションには、口コミ、祭りや防災訓練、福祉系

のサロン活動など、地域内行事などが挙げられる。一方、非対面コ

ミュニケーションには、印刷メディア、映像・音声メディア、ネッ

トメディアなど3つに分類されるが、地域内コミュニケーションの

2種類の中に、広報ツールはこのようにいろいろ種類がある(図5)。

地域内コミュニケーションの

基本的な種類

図5 地域内コミュニケーションの種類

対面コミュニケーション

非対面コミュニケーション

口コミ、祭りや防災訓練、サロン活動など

の地域内行事

印刷メディア(紙媒体)

映像・音声メディア(CATV、ページング放送等)

ネットメディア(ブログ、facebook等)

4

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公民館を例に挙げると、2009 年のデータではあるが、日本全国

に公民館は約 1万 7000 館あり、そのうち約 8700 館で地域住民向け

の広報誌が発行されている 9)。島根県では中山間地域に対し、公民

館区を範域とする地域運営単位を中心に 227 地区を設定しており、

広報部会では 227 地区において広報誌の発行有無を調査をしたと

ころ、227 地区の内 100 地区以上で広報誌が発行されていることが

わかった。

また各市町村では、地域運営組織の情報発信の重要性を認識して

おり、発行された広報誌を市町村のホームページに掲載したり、各

地域運営組織のブログの作成、さらには facebook 等、自主的な情

報発信を推進している。中には地域外向けに広報誌を作成する地域

運営組織がある。

地域運営組織で広報誌制作に携わる担当人数は、一人の場合が多

い。複数のメンバーを募り、編集体制を編成している地域運営組織

は少なく、発行回数は月 1回が最も多い。

前述したように、一人で制作を担当するという体制が多いため、

「時間に追われ、大変」という意見も聞かれる。制作者が抱える課

題に対して、一人ではなく、複数人で広報誌制作が協働できるよう

なつながりができる仕組みが必要だと考える。 これまでの地域広報は、地域運営組織の行事や取り組み、取り扱

うサービス等に関することを「伝える(=伝達)」ことが主眼であ

った。

地域の主体性が問われ、住民が直接の当事者となる地域づくりへ

の移行が進む現在、これからは「自分たちが言いたいこと」や「伝

えたいこと」ではなく、受け手である地域の人が「どう受け止める

か」「どう動いてくれるか」という動機づけを含めた地域広報誌の

制作が求められる。

地域内コミュニケーションの

実際と傾向

5

地域広報誌と地域内コミュニケ―ション力 12

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13 地域広報誌の重要性 ~「伝える」から「動かす」へ~

つまりこれまで地域広報誌の制作において主眼とされていた「伝

える」の観点から、読み手を「動かす」という観点からの作成が必

要となる。山田(2012)は、「情報の送り手、つまり広報誌を制作

する側が、「伝える」から「動かす」へと意識を変化させることで、

読み手の気持ちや考えを重視するようになり、動機づけのために何

が必要か、逆に動かない理由、障害は何かを考えるようになる」10)

と指摘している。

しかし、「伝える」から「動かす」へとするためには、地域広報

誌を作成している各地域のそれぞれの地域運営組織の制作者だけ

が独自に考えるだけでは無理が生じる。情報の共有や人的交流等横

の連携をとりながら、皆で一緒に「動かす」ために必要なことを考

えることが重要となってくる。

波多コミュニティ協議会(雲南市掛合町)

では、波多出身者に、生まれ育った波多地

区の「今」を知ってもらおうと「ふるさと通信」

の発行を 2013 年 12 月から始めた。

一口 2000 円で送付希望者を募り、地域

の広報誌「はただより」などを毎月郵送して

います。評判は上々で、希望者は増えてい

る。現在の波多地区を知ることで、つながり

が復活したり、強まったりと、さまざまな効果

が見られている。

このような地区外に送付をする場合、ま

ず問題となるのが、地区外へ出ている方の

住所の把握だが、波多地区の場合は、旧

波多小学校閉校の際に閉校記念アルバム

を送付する際の住所を基にしている。

最近では、他市のコミュニティセンターか

らも取り組みについて相談があり、他地域で

も地域外への発信の高さが伺える。

つながりの復活や強化に効果。 外に出ている地区出身者に地域情報を送付。

波多コミュニティ協議会(雲南市)

事例コラム③ Column

送付内容例

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読んでもらう工夫をしている県内の地域の広報誌を分析し、手に

とって読まれる効果的な広報発信の7つのポイントを説明する。

事例2 『中野の里づくりだより』(中野里づくり委員会<雲南市>発行)

7つのポイント

読者である地域の人

に、手にとってみてもら

うことを最大のポイン

トにし、そのために子ど

もを含めた地域の人々

の関心を引く写真を一

面トップに掲載するよ

うにしている。

作り手の満足感と読

者の満足感は同じでな

いことを認識して、読者

の目線で作ることをポ

イントにしている。自分

たちのことが掲載され

ていると、子どもから高

齢者までが発行日を待

つ、『新市いきいき会だ

より』を目指している。

タイトルは新聞のよ

うにして、背景は季節ご

とに変えることで新し

い印象を与える。

また全体で使う色は

基本2色をベースとし

て所々で挿し色を使い、

全体的に締まってみえ

るようにする。書体もい

ろいろ使わず、基本の書

体を決めて、あとは見出

しや記事によって使い

わける。

Point 1 子供を含めた地域の人々の関心をひく写真を一面トップに載せる。

事例1 『新市いきいき会だより』(新市いきいき会<雲南市>発行)

Point 2 タイトルの背景を季節ごとに変えて、新しい印象を与える。

6

地域広報誌と地域内コミュニケ―ション力 14

手にとって読まれる広報誌

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15 地域広報誌の重要性 ~「伝える」から「動かす」へ~

見ていて楽しい誌面にすることで、発行を楽しみにしてもらえる。

結果、手にとって読んでもらえる。

文字の大きさは 12 ポ

イント、難しい漢字を使

用しない、わかりやすい

文章、写真を入れるなど

して、高齢者も読みやす

くする。

毎月、「おばあちゃん

の料理一口メモ」コーナ

ーを設けている。読者が

楽しみにしている企画

ものである。企画の立て

方次第で地域の広報誌

はもっと面白くなる。読

んで面白く、制作する側

も楽しめ、地域づくりに

貢献する企画ものを考

える。例えば、読者参加、

人物クローズアップ、地

域文化の掘りおこし、現

場クローズアップ、生活

お役立ち情報、教養講座

などである。世代間交流

を促す企画なども考え

るとおもしろい。

Point 3 高齢者も読みやすいレイアウト。

事例3 『お元気ですか 三瓶公民館です』(三瓶公民館<大田市>発行)

Point 4 企画ものをいれる。

事例3 『西日登振興会』(西日登振興会<雲南市>発行)

Point 5 指導・教育・啓発にならないようにする。

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facebook やブログと連動させることで、読者の幅を広げること

ができる。地域外読者の獲得や効率よく広報誌を作成することも可

能になる。 さらにプレスリリースなどを作成して、新聞社やケーブルテレビ

などに知らせることで、地域の情報がさらに拡がる。 見出しで記事の内容がわかるようにすること。長すぎず、リズム

よく、遊び心を大切にする。 制作する側との距離を縮めるためにも、編集後記を書く。

Point 6 メディアを使いこなす。

Point 7 魅力的な見出しを立て、編集後記をつける。

高齢化率などの数字に現れない「地域の

良さ」を引き出すために、地元の人を引き

込み、活発な活動をする奥田原交流セン

ター。広報誌制作の担当者は同センターの

主事であるが、「地域の方に活動内容を知

ってほしい、なぜなら自分自身も主事にな

る前は、どんな行事があるかもわからず、ど

んな団体が地域内で活動しているのかもわ

からなかった」と話す。そこで見てもらえるよ

うな広報誌を制作することにする。

制作する際に注意することは、①写真を

大きく、②カラー誌面、③「裏面続く」をいれ

る、④見出しをつける、の4点である。

これにより地域住民のいい相乗効果が生

まれたと、担当者は言う。

さらに、地域内外に向けて情報発信をし

て い る こ と も 特 筆 す べ き こ と で あ る 。

Facebook やブログだけでなく、プレスリリー

スとチラシをイベントごと地元ケーブルテレビ

に送り取材してもらうようにしている。このた

め、地域内外から「よーでちょーね」と言わ

れるようになっている。担当者は、「待って

いるだけではダメだと思った。人口も減り、

危機感があり、I ターンや U ターン者を意識

した情報発信をして奥田原を知ってもらわ

ないといけないと思った」と話す。

定住・移住を意識し、あらゆるツールを使って発信。 奥田原交流センター(安来市)

事例コラム④ Column

地域広報誌と地域内コミュニケ―ション力 16

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17 地域広報誌の重要性 ~「伝える」から「動かす」へ~

鳥取県の広報の取り組みは、県及び市町

村の広報担当と公民館支援の一環として

広報誌にもかかわる県教育委員会公民館

の担当が主に行っている。鳥取県広報課で

は、県及び市町村の広報を担当し、庁内メ

ルマガ「広報のススメ」などを発行している。

鳥取県教育委員会家庭・地域教育課で

は、公民館への支援を行い、鳥取県公民

館振興プランの策定などをしている。同課

では、県内の公民館のホームページにリン

ク、公民館で発行する広報誌も公開してい

る。各市町村にある公民館では、それぞれ

広報誌を発行しているが、読まれる広報誌

の特徴は、毎月、イラストを入れた企画もの

を作成、わかりやすい見出し、住民参加を

促す企画などが掲載されている。例えば岩

倉地区公民館(鳥取市)では、「岩太郎」と

いう亀の観察日記を毎月掲載。人気の記

事となっている。また灘手公民館(倉吉市)

は、各戸配布用に、さまざまなお知らせの

紙に埋もれないように色紙に印刷を施すな

ど工夫をしている。

各公民館の広報誌を県内 HP にリンク。 鳥取県

事例コラム⑤ Column

公民館の相互交流と公民館報のレベルアップのために。

事例コラム⑥ Column

岩倉地区公民館(左)、灘手公民館(右)

~行政のサポート~

山口県では、山口県公民館連合会(事

務局:山口県教育庁社会教育・文化財課)

が実施主体となり、公民館からの地域の情

報発信のために、次のような支援している。

1. 県公民館報コンクール

県内の公民館の広報活動向上を図るこ

とを目的に毎年開催。コンクールに参加す

ること、また上位入賞することは、公民館報

作成者にとって、さらに良い公民館報を作

成したい、という励みになっている。

2.研修会

県公民館職員研修会のテーマとして要

望の高い、公民館報の作成に関する研修

会を開催し、知識の取得及び公民館相互

の交流の場となっている。

3.公民館紹介コーナーを新聞に掲載

地元紙山口新聞に毎週「わがまちの公

民館」コーナーを設けて、公民館紹介の記

事を掲載。記事を作成することは公民館報

の記事の書き方、写真の選定等の参考に

なり、また公民館活動を多くの皆さんに知っ

ていただくこともでき効果的な取組と考えて

いる。

山口県

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伝えるから動かすための

Ⅱ 地域における戦略的広報

伝えるから動かすための地域における戦略的広報 18

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19 地域広報誌の重要性 ~「伝える」から「動かす」へ~

一人で制作を担当するという体制が多いため、「時間に追われ、

大変」という意見も聞かれる。制作者が抱える課題に対して、一人

ではなく、複数人で広報誌制作が協働できる、かつつながりができ

る仕組みが必要だと考える。各地域運営組織の地域広報誌制作に携

わる制作者らの横の連携がとれるようなフレームをつくりながら、

制作者とさらに地域の住民のモチベーションをアップさせるまで

の意識変化による行動を促すようにする。

行政側は研修の開催、広報誌データベースの構築、コンクールや

展示会の開催、facebook の開設など新しい経験を提供できるよう

にする。この経験により、制作制作者側は、紙媒体以外の見せ方を

考えたり、さまざまな広報ツールを使い、ターゲットに合った見せ

新しい経験の提供に不可欠な 共感を生み出す知・情・意のアプローチ

図5 送り手から受け手までの意識変化の状況のモデル

外在的刺激

送り手(行政)

媒介過程感情の転移

メッセージの学習

受け手

制作者

結果

態度変容

外在的刺激

送り手(制作者)

受け手が送り手に

媒介過程感情の転移

メッセージの学習

受け手

地域

共感者、協力者を巻き込みながら制作者の説得力を広げる。

住民から住民へ、共感の連鎖を増やす。

共感を生み出す

知・情・意のアプローチ。

結果

態度変容

共感を生み出す

知・情・意のアプローチ。

新しい経験の提供。

新しい経験の提供。

・紙媒体以外の見せ方。

・さまざまな広報ツールを使い、

ターゲットに合った見せ方の工夫。

・「動かす」ための目的を

もった広報誌の見せ方の工夫。

など

・研修開催

・広報誌データベース

・コンクールや展示会

・facebook など

意識と行動の変化

意識の変化と提案力の増幅

1

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方の工夫など、「動かす」ための目的をもった広報という図5のよ

うな態度の変容が考えられる。

新しい経験の提供の際に重要なのが、共感を生み出す知(知識、

考え)・情(感情、気持ち)・意(意志、意図)をふまえ、対面コミ

ュニケーションを増やすアプローチにより、態度の変容につなげる

ものである。

奥出雲町にある9つの公民館の主事らは

定期的に集まり、主事会を開催している。

2013年12月の主事会では広報誌研修会

が行われた。当日は、9名の主事に加え

て、奥出雲町教育委員会から3名の職員

が同席して、勉強が進んだ。場所は、雲南

市新市交流センターにおいて行われた。内

容は、ブログ、facebook、広報誌の連動を

上手にしている新市いきいき会事務局の広

報誌の取り組みと、広報誌を制作するポイ

ントなどの伝授などである。さらに9つ公民

館で発行している広報誌を研修前に専門

家に見てもらい、当日個別にフィードバック

が行われた。最後には今回の研修の振り返

りを含めて、研修から感じた「これから広報

誌制作に活かしたいこと」を紙に書いてもら

い写真撮影で終了。予定時間の1時間は

あっという間に過ぎ、熱がこもった研修だっ

た。

市町村の枠を越えて広報誌制作担当者

の自主的な横のつながりや勉強ができる場

が広がっていることがうかがえた。

市町村の枠を越えて広報誌研修会を自主開催。 奥出雲町9公民館の主事らが集い

奥出雲町9公民館主事会(奥出雲町)

事例コラム⑦ Column

伝えるから動かすための地域における戦略的広報 20

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21 地域広報誌の重要性 ~「伝える」から「動かす」へ~

マーケティング理論である連鎖型 IMC と地域内コミュニケーシ

ョンを援用し、①制作者らが、地域外の多様な人々との協働やつな

がる関係づくりの構築をする、②広報誌を通して地域の人々の態度

やモチベーションアップにつながるための方策の構築をする、③行

政側としては地域広報誌の制作に対してどのような働きかけが必

要かその条件の整備をする、という3点を意識しながら計画をすす

める(図6)ⅳ。

連鎖型 IMC を援用して

「伝える」から「動かす」へ

図6 連鎖型 IMC と意識変化の状況のモデル

共感者、協力者を巻き込みながら制作者の説得力を広げる。

住民から住民へ、共感の連鎖を増やす。

意識と行動の変化

意識の変化と提案力の増幅

洞察

情報収集をして問題解決の糸口

を探る。

説得

提案を具体化させるために、参加

者や協力者を集う。

拡声

話題を喚起する。

連鎖

情報の連鎖の仕組みを作る。

新しい経験を提供。

共感を生み出す

知と情のアプローチの実践。

➤ ⅳ

提供する研修会等も商

品やサービスそのもの

の価値だけをアピール

しても利用者や参加者

は反応しないというこ

とであり、商品やサービ

スを提供する側と利用

者及び参加者とのコミ

ュニケーションによっ

て築かれる経験価値を

提供する必要があると

いうことである。現代は

モノである物質の時代

から、モノを使う楽し

み、感動体験をするコ

ト、行動や思考、思い出

等のソフト面を重視す

る時代へ移っているの

である。このような価値

観や態度の変化につい

て、イングルハート

(1977)11)は物質主義的

価値観から脱物質主義

的価値観に移行してい

ると主張した。さらに空

閑(2011)12)の調査では

脱物質主義からさらに

先の価値観・態度、新世

界観的価値観へと変化

していると指摘する。

2

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研修は新しい経験に触れるもっとも効果的な機会である。広報誌

を作成する制作者が研修会に参加し、研修会というネットワークの

中で、地域を動かし、広報誌制作と地域づくりを結びつける新たな

モデルをつくると図7のようになる。 このモデルは、共感を生み出しながら、連鎖型 IMC を行った結

果である。研修会を通して、広報誌の内容が充実するだけでなく、

制作者の意識・能力の向上、住民・地域とのつながりの契機も生ま

れる。それらは広報誌の内容が強化されるだけはなく、地域内外、

隣接地域同士のつながりの強化にもつながり、多面的な地域づくり

に役立つことがわかる。さらにこのモデルでは次の3点を明示して

新しい経験に触れる効果的な機会 「研修」について

図7 広報誌強化による地域づくりのモデル〜アンケート分析を基にした,広報誌研修会への期待と役割〜

3

伝えるから動かすための地域における戦略的広報 22

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23 地域広報誌の重要性 ~「伝える」から「動かす」へ~

いる。 ①横の連携、つまりつながりをつくるには、共感性や感動を意識し

た感情を動かす働きかけが必要となること。 ②新しい経験は、制作者と地域住民との相互行為の中でつくりださ

れること。 ③「動かす」ための要素は、多様な人々の間の協働、あるいは協力

し合う関係づくりを通してつくり出されること。

2012 年 12 月から 2014 年3月を通して

行われた作業部会「地域の宝箱~みんな

で伝える広報誌づくり~」では、①交流・研

修活動、② 交流研修 活 動の報告、③

Facebook ページ、④広報誌データベース

の4つのコンテンツを運用して、広報誌づくり

を相互に学ぶ場の構築やデータベースの

設置など幅広い取り組みを実施した。

幅広い取り組みの理由は、どのような新し

い経験を提供できるかを含め、4つのコンテ

ンツを複数活用されることによって単体で

活用されるよりも参加者にとって大きな効

果が期待できるからである。

しかし、各コンテンツのそれぞれカテゴリー

やフィールドが異なっており、同一のコンセ

プトのもとで実施されていることや複数のコ

ンテンツを利用することで、より広報誌を活

用できることを参加者に示す必要があっ

た。その理解促進の仕掛けとしてロゴマーク

の制作と、ウチワや T シャツ、エコバッグ、ス

テッカー、チケット、CD ラベル、消しゴムは

んこなど7種類の PR グッズの制作及び使

用を試みた。

ロゴマークは、同部会だと印象づけ、チラ

シや研修会の資料袋などに押印して活用し

た。

結果、グッズの制作と使用効果として広

報部会の①参加範囲の拡大、②周知、③

効率化、④団結力の向上の4点が整理さ

れた。

さらに8月と 11 月の2度、広報誌研修会

を雲南市と浜田市で、11 月には広報誌展

示会を飯南町で開催をし、交流の場の提

供をした。この時に心がけたことは、空間デ

ザインから提供する資料など細部にわたっ

て情報発信だということである。

また、研修の講師は地域の広報誌制作

担当者から選出、地域の公民館や交流セ

ンターで研修会を開催することで、相互の

啓発を意識する。さらに地域づくりの関係団

体や地域住民にも協力を促し、地域住民

を主役に据え、地域にある資源をいとおし

み、それらを楽しむ心に光をあてるようにし

た。

研修を中心とした広報部会の4つの取り組み。

Column

事例コラム⑧ Column

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22 ページにある図7のモデルは、共感を生み出しながら、連鎖

型 IMC を行った結果である。研修会を通して、広報誌の内容が充

実するだけでなく、制作者の意識・能力の向上、住民・地域とのつ

ながりの契機も生まれる。それらは広報誌の内容が強化されるだけ

ではなく、地域内外、隣接地域同士のつながりの強化にもつながり、

研修は新しい経験に触れるもっとも効果的な機会であることから

研修の体系を構築する必要がある。堀内(2011)ら 13)は、このた

め PDCA マネジメントサイクルを有効・適正に機能させなければな

らないとしている。本研究では、事前・直後アンケートの効果測定

を反映し、さらにアンケート調査の意見や要望に対し、共感と受容

を持ち、研修会を実施したり、改善したりするようにする(図8)。

効果的な「研修」の提供について

図8 研修会のマネジメントサイクル

Plan

研修の設計

Do

研修の実施

Check

研修の評価

Action

研修の改善

事前アンケート

調査の効果測定

受容と共感 受容と共感

直後アンケート

調査の効果測定

4

伝えるから動かすための地域における戦略的広報 24

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25 地域広報誌の重要性 ~「伝える」から「動かす」へ~

表1 広報誌研修会における研修評価と効果測定の枠組み

レベル 各レベルの内容 測定基準

と目標 内容についての効果・評価

①受講者の

研修満足度

研修を構成する各種要素が適切な状態

であり、受講者自身として満足できた

かの度合。

満足基準 研修自体の評価

②受講者の

学習到達度

受講者が、研修が提供した知識や技術

を理解・習得した度合。 学習目標

広報・広報誌制作の役割・意義へ

の向上、広報誌が地域づくりに果

たす役割の認識、地域外への発信

/定住・移住・UI ターンの契機、

他の制作者との連携・交流の契機、

知識やノウハウの習得、マスコミ

の活用

③地域、受講者の行動

変容度・実践活用度

受講者が、研修で提供された望ましい

行動に変容した度合や、地域内で活用

された度合。

行動目標

実践目標

④地域、受講者の

成果向上度

受講者が研修で学んだ行動や取り組み

により、地域住民に与えた成果や、地

域全体への成果の度合。

成果目標 地域、受講者の効果の確認

本研究では参加者が研修をどのように捉えているか等、研修の評

価ⅴと効果を測定する。研修の効果測定を、受講者の満足度(レベ

ル1)、受講者の理解度(レベル2)、受講者が研修内容を活用し行

動が変容したかという行動変容度(レベル3)、受講者が所属場所

に与える影響度(レベル4)で測定することとする(表1)。 研修効果を測定するには、客観的な事実が必要である。平松

(2006)は、測定は「客観的、数値的、定量的な尺度を求めるこ

と」、評価は「ある価値体系(教育目標)に照らして、受講者の状

況や研修の実施状況を判断すること」とし、「研修効果の測定とは、

客観的な数字・事実によって研修効果を表すこと 14)」と定義してい

る。効果測定を行うことで、図2のような研修マネジメントサイク

ルを有効・適正に機能させることができるようになる。

➤ ⅴ

研修評価と効果測定の

先行研究には、ドナル

ド・カークパトリックが

提唱した理論がある 15)。

この理論は、研修評価と

効果測定を4つのレベル

に分類している。また、

浅野(2007)は、教員研

修における研修評価と

効果測定の枠組みにつ

いて著している 16)。本

研究では、直後アンケー

ト調査において、研修全

体についてと各講義・内

容について3段階評価を

行ってきた。これは受講

者のレベル1を評価する

ものである。レベル 2、

レベル3及びレベル4の

測定は、直後アンケート

調査の記述から KJ 法で

分類する方法をとる。記

述から KJ 法で分類する

ことで、レベル 2、レベ

ル 3及びレベル4の測定

を可能にした。

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戦略的広報の提案

戦略的広報の提案 26

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27 地域広報誌の重要性 ~「伝える」から「動かす」へ~

現在、地域が自らの魅力を自覚し、内外に発信する必要が生じて

きている。そこで地域における戦略的広報の提案を本章では行う。 地域運営組織等が行う地域において戦略的広報活動がなぜ必要

なのか。住民が将来にわたり、安心して暮らし、住むことを誇れる

ことができる地域を実現していくために、「この地域いいね」と思

えなければならない。そのためには、住民自らが地域の魅力を認識

し、堂々と自慢でき、地域の魅力を地域内外に発信しなければなら

ない。地域への関心や愛着、帰属意識を高めていく地域内コミュニ

ケーションは重要な取り組みである。なぜなら地域内コミュニケー

ションは、地域としてのイメージや知名度を高めることにもつなが

り、人や企業に「住んでみたい」、「ビジネスをしたい」と思われ、

ひいては地域の活性化が図られることを目指すシティセールスに

つながるからだ。地域が持つ様々な魅力(観光資源、文化、都市基

盤等)を内外に、効果的・戦略的に発信しようとするシティセール

ス 17)は重要な取り組みでもある。 これまで広報活動においては紙媒体が主要であった。しかし総務

省によると、10 年前に比べ日本国内の情報量は 530 倍になったと

いうだけに、日本の社会情報環境や情報行動が大きく変化した。情

報量の増加とともに、受け手側も変化が見られるようになり、従来

の紙媒体と併せて、受け手の状況に合わせて多様なメディアで広報

活動を行う必要が求められている。 地域運営組織の地域における広報戦略は、地域のイメージや知名

度を高め、「この地域いいね」と思える発信を内外に行うというこ

とを射程に入れることである。これまで地域運営組織の行事や取り

組み、取り扱うサービス等に関することを「伝える(=伝達)」こ

とが主眼であった広報活動を、受け手である地域の人が「どう受け

止めるか」「どう動いてくれるか」という動機づけを含めた広報活

動を目的とする。

1 地域における戦略的広報

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1.地域運営組織の地域における広報戦略 3つの基本目標 1)地域イメージの向上

情報発信ツールを地域広報誌の発行に加えてホームページやブ

ログ、facebook 等を駆使し、情報を受け取る住民に情報を需要に

合わせてわかりやすく伝えていることで、地域内外に地域イメージ

が向上される。 2)シビックプライドの醸成

地域住民が紙媒体である広報誌を含めた広報活動に参加するこ

とで、地域への誇りと愛着心が向上され、つまりシビックプライド

ⅵの醸成につながる。 3)広報につながる地域づくり

地域の広報プレスリリース発行やマーケティング等も活用し、広

報につながる地域づくりを行うことで、住民参加による地域ブラン

ドづくりの向上がなされ、地域づくりを戦略的に行うことができる。 以上3点をふまえ、地域に合わせたアプローチ、内容よる広報誌 の類型をまとめると図9のようなことが考えられる。

図9 アプローチ、内容による広報誌の類型〜今後の可能性も含めて〜

情報内容の範囲

情報の発信範囲(読者範囲)

地域外

地域内

地域情報中心 一般情報付加

③地域のPR誌

内容の特徴

地域外の人も意識した地域情

報。移住・定住に関する情報

期待効果

移住・定住希望者の増加。地

域出身者との連携強化

④地域発一般情報誌

内容の特徴

③に加え、より広範囲の読者

を意識した様々な情報

期待効果

③に加え、情報誌発行ビジネ

ス等による地域活性化

①地域の報告書

内容の特徴

自治体からの告知、地域イベ

ントの告知・報告、住民投稿

期待効果

地域の主に公的情報共有に

よる地域連携強化

②地域の小雑誌

内容の特徴

①に加え、一般的な生活情報

や編集部提案の企画記事

期待効果

有用性、娯楽性等の付加によ

る、更なる地域活性化

➤ ⅵ

そこで住んだり、働いた

り、遊びにきたりする人

たちが、その都市に対し

てもつ誇りや愛着を指

す。ノスタルジアではな

く、都市をより良い場所

にするために自分自身

が関わっていくという

当事者意識に基づく自

負心 17)。

戦略的広報の提案 28

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29 地域広報誌の重要性 ~「伝える」から「動かす」へ~

2.基本目標に向けた行政側の行動指針

3つの基本方針に沿って地域運営組織が地域の広報活動を展開

していくにあたり、行政側としてポイントとなる4つの視点と、行

政が主眼とする行動指針、それに対する取り組み内容を提案する。 1)4つの視点

○新しい経験を提供:提供者と参加者等、立場の異なる者同士の対

面を中心としたコミュニケーションを通じて新しい価値を創りだ

す。 ○多様な人々、他地域との連携・協働(以下、連携・協働):地域

づくりは競争でもなく、他地域はライバルでもない。連携・協働に

より、資源の共同活用、情報やアイデアの共有が進む。 ○役割形成ⅶと役割ダイナミズム:一人ひとりが当事者になる場合、

異なる立場や役割の協働作業が不可欠になる。ファシリテイターや

インターミディエイター、トランスレイターとなり、条件を整えて

いくことが必要である。 ○受容と共感:知・情・意へのアプローチをふまえ対面でのコミュ

ニケーションを増やすことが不可欠となる。 2)行動指針

○地域イメージの向上<新しい経験を提供><受容と共感> 情報発信ツールを地域広報誌の発行に加え、ホームページやブロ

グ facebook 等を利用するために、使い方及びブラッシュアップの

研修会の開催の実現を目指す。 ○シビックプライドの醸成<連携・協働><役割形成と役割ダイナ

ミズム><受容と共感> 地域住民の地域への誇りや愛着心を喚起するために、地域の魅力

や強みを、独創性や優位性を示しながら訴求する。 ○広報につながる地域づくり<連携・協働><受容と共感>

地域の活動や内容を積極的に PR するとともに、地域住民と共有

する。 3)取り組み内容

地域運営組織による広報活動の情報発信力を強化するために、下

記の項目に取り組み、効果的な広報活動の展開を図る。 ○既存メディア及びチャネルの拡充 テレビ(ケーブルテレビ含む)、新聞などに向けて、プレスリリ

ースに関するマニュアルの作成 ケーブルテレビとの連携

➤ ⅶ

生活や社会の課題を含

む地域課題の解決には、

役割形成が欠かせない。

役割形成には、P.コトラ

ーと F.ド.ペス(2010)

が提唱した A-F モデル18)参考になる。つまり

行政側や制作者側はフ

ァシリテイターやイン

ターミディエイター、ト

ランスレイターとなり、

条件を整えていくこと

が必要であると考えら

れる。A-F モデルとは、

Activator(アクティベ

イター):変革を推進し、

開始する人(開拓)、

Browser(ブラウザー):

有効情報の探索・収集者

(調査)、Creator(クリ

エイター):アイデアと

イメージ創造者(着想)、

Developer(ディベロッ

パー):実現化計画者(考

案)、Executor(エグゼ

キューター):実行・実

務者、Facilitator(フ

ァシリテイター):推

進・編成者(後押し)で

ある。さらに井関(2014)

は、Intermediater(イ

ンターミディエイタ

ー ): 仲 介 者 と

Translator(トランスレ

イター):翻訳者の役割

が必要と主張する 19)。

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防災行政無線の援用 ○ソーシャルメディアの活用 ブログの開設 Twitter や facebook の公式アカウントの開設 YouTube の公式チャンネルの開設 ソーシャルメディアのガイドラインの策定 ○広報体制の強化 広報ガイドの作成 著作権・肖像権などのガイドラインの策定

戦略的広報の提案 30

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31 地域広報誌の重要性 ~「伝える」から「動かす」へ~

本報告・提案書は、2012 年 12 月から 2014 年3月までに行われた作業部会「地域の

宝箱~みんなで伝える広報誌づくり~」から導き出されたものです。本部会の立ち上げ

から運用に関し、各地域運営組織の制作者、まちづくりを担当される方々、県社会教育

課をはじめ、県市町村などの制作者の方々にご支援、ご協力いただき大変お世話になり

ました。また研修会では、東部地区(波多コミュニティ協議会、波多交流センターの山

中満寿夫センター長、同交流センターの森山緑主事、福田登志美さん、田部和女さん、

板垣睦子さん、加藤千鶴子さん、さえずりの森運営委員会の北尾達夫委員長、同運営委

員会の板垣興之さん、波多温泉「満壽の湯」はなみずき、雲南市役所地域振興課)、西

部地区(久佐公民館の柳樂哲見館長、同公民館の金子さつき主事、金城自治区公民館の

嶧田澄江連携主事、美又公民館の渡辺紀美枝主事、雲城公民館の大﨑寿子主事、小国公

民館の横山さつき主事、今福公民館の岩土みどり主事、波佐公民館の酒井喜代子主事、

久佐地区まちづくり振興会の岡田義徳会長、同振興会事務局の宮本文雄さん、同振興会

の清本政伸総務部長、同振興会の大屋勝重地域振興部長、美又温泉旅館組合の「女将の

会」の皆様、かなぎウエスタンライディングパーク、あづま工房、浜田市教育委員会金

城分室、西部県民センター)、雲南市新市いきいき会の小林和彦会長、同会事務局郷原

剛志さん、雲南市中野の里づくり委員会の石飛真知子さん、雲南市地域おこし協力隊の

浜崎浩さん、安来市奥田原交流センターの糸原ひとみ主事、出雲織結工房の戸谷昌代さ

ん、大田市三瓶公民館の押越幸子主事、鳥取県、山口県、株式会社バイタルリードの各

ご関係者の皆様にご協力をいただきました。あわせまして研修会にご参加いただいた

方々、広報部会の運営に関しましてご支援いただきました方々、深くお礼を申し上げま

す。

※本報告・提案書は、『島根県中山間地域研究センター研究報告第 10 号』に報告した「地

域づくりにおいて地域広報誌制作者をつなぐフレーム作成について」、事例コラム⑧は

「広報誌活用を目的とした多面的取り組みにおけるロゴマークと PR グッズの活用の効

果-島根県中山間地域研究センター「広報部会」の取り組みにおける事例から-」を加

筆・修正したものです。

謝辞

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1) 宮口侗廸(2002)、地域づくり―創造への歩み、古今書院

2) 産業編集センター(2011)組織と人を活性化するインナー・コミュニケーションと

社内報、産業編集センター

3) 中国地方中山間地域振興協議会(2002)、中山間地域における今後の地域運営のあり

方-「中山間地域等直接支払制度」の検証を通して-、中国地方中山間地域振興協議

会:97-104

4) 9) 公益社団法人日本広報協会 http:// www.koho.or.jp/

5) 山下永子(2013)国際化における地域の魅力発信、国際文化研修 2013 夏 vol.80:15-19.

6) 情報通信政策研究所調査研究部(2011) 、我が国の情報通信市場の実態と情報流通量

の計量に関する調査研究結果(平成 21 年度) −情報流通インデックスの計量−、総務省

7) 宮田譲(2007)行政広報における新たな課題 −政府指定都市が求める自治体広報と

は−月刊公民館 1 月号、全国公民館連合会

8)10) 山田まさる(2012)脱広告超 PR、ダイヤモンド社

11) ロナルド・イングルハート(1977)静かなる革命: 政治意識と行動様式の変化、三宅

一郎ほか訳、東洋経済新報社

12) 空閑睦子(2011)変化する価値観におけるコミュニティ創生の研究~グローカルな

次元でみんながつながる、ウエルビーイングを求めてのコミュニケーション・コミュニ

ティの発想-、いなほ書房

13) 堀内秀規・寺嶋 敏・秦 良房・金子博和(2011)研修の効果測定~研修講座の工

夫・改善に向けて~、奈良県立教育研究所

14) 15)平松陽一(2006)教育研修の効果測定と評価の仕方、日興企画

16) 浅野良一(2007)教育の企画・実行と効果測定、教育開発研究所

17) 読売広告社都市生活研究局 (著), 伊藤香織 (監修), 紫牟田伸子 (監修), シビックプ

ライド研究会 (編集) (2008) シビックプライド~都市のコミュニケーションをデザイ

ンする~、宣伝会議

18) Philip Kotler (著)、 Kevin Lane Keller (著)、恩藏 直人 (監修)、 月谷 真紀 (翻

訳)(2014)コトラー&ケラーのマーケティング・マネジメント、丸善出版

19) 井関利明・山田眞次郎(2014)思考~日本企業再生のためのビジネス認識論、学研

参考・引用文献

参考・引用文献 32

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33 地域広報誌の重要性 ~「伝える」から「動かす」へ~

地域広報誌の重要性 「伝える」から「動かす」へ 2014 年 3 月 発行 島根県中山間地域研究センター 空閑睦子・神田直子・吉田 翔・岸本佳美・小村淳二

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あああああ