板橋区人口ビジョン -...

19
板橋区人口ビジョン (2020 年~2045 年) 平成 31(2019)年1月

Upload: others

Post on 14-Aug-2020

0 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

Page 1: 板橋区人口ビジョン - Itabashi...平成25(2013)年にかけては、一時的に東京都・区部の水準を上回っていたものの、近年は いずれも下回り、1.20前後で推移しています(図5)。

板橋区人口ビジョン

(2020年~2045年)

平成 31(2019)年1月

Page 2: 板橋区人口ビジョン - Itabashi...平成25(2013)年にかけては、一時的に東京都・区部の水準を上回っていたものの、近年は いずれも下回り、1.20前後で推移しています(図5)。

1

1 人口ビジョンの改定

人口ビジョンは、板橋区の人口の現状を分析し、人口に関する地域住民の認識を共有し、

今後めざすべき将来の方向と人口の将来展望を提示するものです。

平成 28 年1月策定の人口ビジョン(以下「前人口ビジョン」という。)は、直近で公表

されていた平成 22年国勢調査人口を基準人口とし、平成 25年に国立社会保障・人口問題

研究所が公表した将来人口推計(以下「社人研推計」という。)を踏まえつつ、策定時の住

民基本台帳人口の傾向を反映して推計を行ったところ、区の総人口は平成 32(2020)年に

約 55万人でピークを迎えると見込んでいました。しかしながら、平成 27年国勢調査では

既に区の人口は 56 万人を超えており、推計を上回る勢いで増加しています。加えて、平

成 30 年に公表された社人研推計では、人口のピークは平成 52(2040)年に約 61 万人に達

すると見込まれており、前人口ビジョン策定時とは異なる人口トレンドが明らかとなりま

した(図1)。

こうした背景から、平成 27年国勢調査人口を基準人口としつつ、平成 30年公表の社人

研推計や、人口の現状を踏まえて推計を行い、人口ビジョンを改定することとしました。

なお、人口ビジョンは、区の施策の効果が表れた場合の目標とすべき人口であり、長期

的推計として、各行政分野の個別計画等において活用を図るものとします。

図1 社人研推計及び前人口ビジョン

2 人口ビジョンの期間

人口ビジョンは、推計で必要となる仮定値を参照している社人研推計の推計期間に合わ

せ、平成 32(2020)年~平成 57(2045)年とします。

523,083

561,916

582,467

596,384 605,525

610,865 612,523 610,486

540,772 538,278 531,244

520,742

507,500

492,036

535,824 549,080

554,133 553,795 549,952 544,250

536,182 525,235

400,000

450,000

500,000

550,000

600,000

650,000

2005年

(平成17年)

2010年

(22年)

2015年

(27年)

2020年

(32年)

2025年

(37年)

2030年

(42年)

2035年

(47年)

2040年

(52年)

2045年

(57年)

社人研推計(平成 25年公表)

前人口ビジョン

社人研推計(平成 30年公表)

国勢調査

Page 3: 板橋区人口ビジョン - Itabashi...平成25(2013)年にかけては、一時的に東京都・区部の水準を上回っていたものの、近年は いずれも下回り、1.20前後で推移しています(図5)。

2

3 人口の現状分析

(1)総人口及び年齢3区分別人口の推移

国勢調査人口における総人口は、1970年代から 1990年代初頭まで緩やかに増加し、平

成2(1990)年から平成7(1995)年の期間に一旦減少に転じましたが、その後は全体として

緩やかな増加傾向となり、特に平成 22(2010)年から平成 27(2010)年にかけて大幅に増加

しています。一方、住民基本台帳人口により近年の傾向をみると、前年度と比較した増減

率は、平成 23(2011)年から平成 28(2016)年にかけて年々上昇傾向にありましたが、ここ

数年、その勢いは減速しつつある傾向がうかがえます(図2、3)。

生産年齢人口(15~64 歳)は、1970 年代から平成2(1990)年にかけて緩やかに増加が

続き、平成7(1995)年から平成 17(2005)年にかけて一旦減少に転じたものの、平成

22(2010)年以降、再び緩やかに増加しています。年少人口(0~14歳)は、昭和 50(1975)

年までは増加傾向にあり、その後減少が続いていましたが、平成 22(2010)年以降、再び増

加に転じています。老年人口(65歳以上)は、平均寿命の伸びなどを背景に一貫して増加

が続き、平成7(1995)年には年少人口を上回り、平成 22(2010)年には年少人口の2倍以上

となり、少子高齢化が一段と進んでいます(図2、表1)。

図2 総人口及び年齢3区分別人口の推移(国勢調査人口)

注1)年齢不詳の者がいるため、年少人口、生産年齢人口、老年人口は、年齢不詳者を案分することで、そ

の合計と総人口が一致するように調整しており、実際の数値とは一致しない場合があります(表1も同様)。

注2)「後期高齢者(75歳以上)」は「老年人口(65歳以上)」の内数 資料)総務省「国勢調査」(各年)より作成

0.0%

5.0%

10.0%

15.0%

20.0%

25.0%

30.0%

0

100,000

200,000

300,000

400,000

500,000

600,000

1970年

(昭和45年)

1975年

(50年)

1980年

(55年)

1985年

(60年)

1990年

(平成2年)

1995年

(7年)

2000年

(12年)

2005年

(17年)

2010年

(22年)

2015年

(27年)

老年人口(65歳以上)※上段は後期高齢者(75歳以上)

生産年齢人口(15~64歳)

年少人口(0~14歳)

高齢化率

Page 4: 板橋区人口ビジョン - Itabashi...平成25(2013)年にかけては、一時的に東京都・区部の水準を上回っていたものの、近年は いずれも下回り、1.20前後で推移しています(図5)。

3

表1 総人口及び年齢3区分別人口の推移(国勢調査)

図3 住民基本台帳人口における総人口の推移

資料)住民基本台帳(各年 10 月1日)より作成

(2)自然増減(出生・死亡)の動向

出生数は、1980年代から 1990年代初頭にかけて減少が続いていたものの、1990年代後

半以降は横ばい又は微増となり、近年は年間 4,500人前後で推移しています。

死亡数は増加傾向にあり、平成 22(2010)年以降、死亡数が出生数を上回る自然減の状

態が続いています(図4)。

合計特殊出生率は、増減を繰り返しながらも上昇傾向がみられ、平成 22(2010)年から

平成 25(2013)年にかけては、一時的に東京都・区部の水準を上回っていたものの、近年は

いずれも下回り、1.20前後で推移しています(図5)。

母親の年齢階級別にみた出生数の推移は、25~39 歳の割合が高く、出生者数全体の9

割弱を占めています。また、母親の年齢が 20歳代の出生数は減少傾向が続く一方、30歳

代、40 歳代以上の出生数は増加傾向が続いており、年々、出産年齢の高年齢化が進行し

ている様子がうかがえます(図6)。

0~4歳人口は、平成 22(2010)年以降、それまでの減少傾向から増加へと転じていま

すが、15~49歳の女性人口に対する0~4歳人口の割合である「子ども女性比」は、増減

を繰り返しつつ、概ね横ばい傾向にあります(図7)。

国勢調査1970年

(昭和45年)1975年(50年)

1980年(55年)

1985年(60年)

1990年(平成2年)

1995年(7年)

2000年(12年)

2005年(17年)

2010年(22年)

2015年(27年)

総人口 471,777 498,286 498,266 505,556 518,943 511,415 513,575 523,083 535,824 561,916年少人口 99,803 108,130 102,257 91,853 76,236 64,041 57,894 57,978 56,994 60,698生産年齢人口 350,249 362,666 361,218 371,382 390,674 382,678 371,824 364,138 364,496 370,003老年人口 21,725 27,490 34,791 42,321 52,033 64,696 83,857 100,967 114,334 131,215後期高齢者 5,823 7,920 11,156 15,189 20,156 24,336 32,579 43,380 52,867 62,318高齢化率 4.6% 5.5% 7.0% 8.4% 10.0% 12.7% 16.3% 19.3% 21.3% 23.4%

536,404 536,433 535,802 536,914 539,924 543,076549,571

556,859 561,324 565,782

0.01%-0.12%

0.21%

0.56% 0.58%

1.20%1.33%

0.80% 0.79%

-1.0%

-0.5%

0.0%

0.5%

1.0%

1.5%

2.0%

2.5%

400,000

420,000

440,000

460,000

480,000

500,000

520,000

540,000

560,000

580,000

2009

(平成21)年2010

(平成22)年2011

(平成23)年2012

(平成24)年2013

(平成25)年2014

(平成26)年2015

(平成27)年2016

(平成28)年2017

(平成29)年2018

(平成30)年

総人口 増加率(前年比)

Page 5: 板橋区人口ビジョン - Itabashi...平成25(2013)年にかけては、一時的に東京都・区部の水準を上回っていたものの、近年は いずれも下回り、1.20前後で推移しています(図5)。

4

図4 自然増減(出生数・死亡数)の推移

資料)東京都福祉保健局「人口動態統計」より作成(平成 16(2004)年までは東京都健康局「東京都衛生年報」)

図5 合計特殊出生率

資料)全国は厚生労働省「人口動態統計」、東京都・区部・板橋区は東京都福祉保健局「人口動態統計」より作成

3255

2962

2311

1933

1317

952 853662

524

812

382305 255

-286

-586-413

-297

-1,000

-500

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

3,000

3,500

4,000

0

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000

6,000

7,000

出生数

死亡数

自然増減(右軸)

1.29 1.26

1.32 1.34

1.37 1.37 1.39 1.39

1.41 1.43 1.42

1.45 1.44 1.43

1.01 1.00 1.02

1.05

1.09

1.12

1.12

1.06 1.09

1.13 1.15

1.24 1.24

1.21

0.96 0.95 0.98

1.01 1.04

1.06 1.08

1.08

1.12

1.16 1.19

1.22 1.22

1.20

1.04 1.01

1.06 1.04

1.14

1.10

1.12 1.13

1.13

1.17

1.16 1.19

1.21 1.18

0.90

1.00

1.10

1.20

1.30

1.40

1.50

2004年

平成16年

2005年

17年

2006年

18年

2007年

19年

2008年

20年

2009年

21年

2010年

22年

2011年

23年

2012年

24年

2013年

25年

2014年

26年

2015年

27年

2016年

28年

2017年

29年

国 東京都 区部 板橋区

1984

(昭和59

)年

1985

(昭和60

)年

1986

(昭和61

)年

1987

(昭和62

)年

1988

(昭和63

)年

1989

(平成元 

)年

1990

(平成2 

)年

1991

(平成3 

)年

1992

(平成4 

)年

1993

(平成5 

)年

1994

(平成6 

)年

1995

(平成7 

)年

1996

(平成8 

)年

1997

(平成9 

)年

1998

(平成10

)年

1999

(平成11

)年

2000

(平成12

)年

2001

(平成13

)年

2002

(平成14

)年

2003

(平成15

)年

2004

(平成16

)年

2005

(平成17

)年

2006

(平成18

)年

2007

(平成19

)年

2008

(平成20

)年

2009

(平成21

)年

2010

(平成22

)年

2011

(平成23

)年

2012

(平成24

)年

2013

(平成25

)年

2014

(平成26

)年

2015

(平成27

)年

2016

(平成28

)年

2017

(平成29

)年

Page 6: 板橋区人口ビジョン - Itabashi...平成25(2013)年にかけては、一時的に東京都・区部の水準を上回っていたものの、近年は いずれも下回り、1.20前後で推移しています(図5)。

5

図6 母親の年齢階級別にみた出生数の推移

資料)板橋区の保健衛生より作成

図7 0~4歳人口と子ども女性比

資料)総務省「国勢調査」(各年)より作成

0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 51 38 49 29 28 22 32 35 35 31 31

353 444 335 327 294 295 239 239 220 247 221

1,121 1,208

1,150 1,097 1,128 1,052 1,063 977 974 1,001 951

1,669 1,700

1,640 1,670 1,630 1,623 1,674

1,648 1,801 1,772 1,724

855

974 1,012 1,039 1,070 1,099 1,148 1,271

1,204 1,244 1,184

128

144 154 185 204 213 250 278 274 295

303 2

7 6 4 4 7 12 6 9 2

5 0

2 0 0 0 0

0 0 0 1 0

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

3,000

3,500

4,000

4,500

5,000

2007

(平成19)年2008

(20)年2009

(21)年2010

(22)年2011

(23)年2012

(24)年2013

(25)年2014

(26)年2015

(27)年2016

(28)年2017

(29)年

50歳以上

45~49歳

40~44歳

35~39歳

30~34歳

25~29歳

20~24歳

15~19歳

15歳未満

23,609

20,303 19,696 19,119 19,049

21,109

0.1677

0.1515

0.1572

0.161

0.1535

0.1625

0.135

0.14

0.145

0.15

0.155

0.16

0.165

0.17

0.175

0.18

0

5,000

10,000

15,000

20,000

25,000

1990年

(平成2年)

1995年

(平成7年)

2000年

(平成12年)

2005年

(平成17年)

2010年

(平成22年)

2015年

(平成27年)

0~4歳人口 子ども女性比

4,179 4,517 4,346 4,351 4,359 4,311 4,418 4,400 4,517 4,593 4,419

Page 7: 板橋区人口ビジョン - Itabashi...平成25(2013)年にかけては、一時的に東京都・区部の水準を上回っていたものの、近年は いずれも下回り、1.20前後で推移しています(図5)。

6

(3)社会増減(転出入)の動向

①総数の推移

転入数、転出数は、年ごとにばらつきはあるものの、いずれも増減を繰り返しなが

ら、平成 22(2010)年頃まで減少傾向にありましたが、平成 24(2012)年以降、増加傾

向に転じており、特に転入数は転出数を大きく上回っており、社会増の状態が続いて

います(図8)。

図8 社会増減(転入数・転出数)の推移

資料)板橋区の統計より作成

-188

-6,027

221

-1,357

3,129

-1,752

2,108

1,257

2,626

-459

4,006

3,884

7,608

6,061

-8,000

-6,000

-4,000

-2,000

0

2,000

4,000

6,000

8,000

10,000

0

5,000

10,000

15,000

20,000

25,000

30,000

35,000

40,000

45,000転入数

転出数

社会増減(右軸)

1991

(平成3 

)年

1992

(平成4 

)年

1993

(平成5 

)年

1994

(平成6 

)年

1995

(平成7 

)年

1996

(平成8 

)年

1997

(平成9 

)年

1998

(平成10

)年

1999

(平成11

)年

2000

(平成12

)年

2001

(平成13

)年

2002

(平成14

)年

2003

(平成15

)年

2004

(平成16

)年

2005

(平成17

)年

2006

(平成18

)年

2007

(平成19

)年

2008

(平成20

)年

2009

(平成21

)年

2010

(平成22

)年

2011

(平成23

)年

2012

(平成24

)年

2013

(平成25

)年

2014

(平成26

)年

2015

(平成27

)年

2016

(平成28

)年

Page 8: 板橋区人口ビジョン - Itabashi...平成25(2013)年にかけては、一時的に東京都・区部の水準を上回っていたものの、近年は いずれも下回り、1.20前後で推移しています(図5)。

7

②自然増減・社会増減の影響

1980年代前半は、社会減 がみられたものの、自然増 が大きく上回っていました。そ

の後、1980年代半ばには自然増と社会増 により総人口が増加したものの、1980年代後

半から社会減に転じ、1990 年代前半には社会減が自然増を上回り、総人口が減少に転

じました。一方、1980 年代以降、自然増の縮小が続き、平成 21(2009)年には自然減

へ転じたものの、1990年代後半から 2000年代初頭にかけて社会減から社会増に転じて、

社会増の傾向がみられます。近年では、平成 26(2014)年以降、社会増が大きく伸長して

いましたが、平成 29(2017)年に社会増が縮小に転じています(図9)。

図9 板橋区における自然増減と社会増減の推移

③年齢階級別の状況

平成 29(2017)年の転出入の動向をみると、転入数、転出数ともに 20歳代が最も高く、

次いで 30歳代が高くなっています。転入と転出の差でみると、10~20歳代は合わせて

約 4,700 人の社会増の状況であるのに対し、その他の世代はすべて社会減となってお

り、特に 30歳代は約 1,000人、10歳未満は約 700人の社会減となっています。

これは、区内又は周辺地域の大学等への進学や就職を機とした転入数が多い一方、子

育て世帯が区外へ転出しているケースが少なくないと推察されます(図 10)。

Page 9: 板橋区人口ビジョン - Itabashi...平成25(2013)年にかけては、一時的に東京都・区部の水準を上回っていたものの、近年は いずれも下回り、1.20前後で推移しています(図5)。

8

図 10 社会増減の年齢階級別の状況

注)日本人のみ、年齢不詳者等は除く 資料)総務省「住民基本台帳人口移動報告」より作成

④時系列の推移

社会増減数について、近年の時系列の推移をみると、直近では 20 歳代の増加数が

上昇傾向にあるほか、平成 29(2017)年は、その他の年次と比べて 10歳未満及び 30歳

代の減少数が大きくなっています(図 11)。

図 11 社会増減数の時系列の推移

注)日本人のみ、年齢不詳者等は除く 資料)総務省「住民基本台帳人口移動報告」より作成

-3,000

-2,000

-1,000

0

1,000

2,000

3,000

4,000

-15,000

-10,000

-5,000

0

5,000

10,000

15,000

20,000

0~9歳 10~19歳 20~29歳 30~39歳 40~49歳 50~59歳 60歳以上

転入者数

転出者数

増減数

-2000

-1000

0

1000

2000

3000

4000

5000

0~9歳 10~19歳 20~29歳 30~39歳 40~49歳 50~59歳 60歳以上

平成24(2012)年 平成25(2013)年 平成26(2014)年

平成27(2015)年 平成28(2016)年 平成29(2017)年

(右軸)

Page 10: 板橋区人口ビジョン - Itabashi...平成25(2013)年にかけては、一時的に東京都・区部の水準を上回っていたものの、近年は いずれも下回り、1.20前後で推移しています(図5)。

9

⑤転入元・転出先の自治体別の内訳

平成 29(2017)年時点の板橋区への転出入の状況を、移動前の都道府県別にみると、

転入・転出のいずれも東京都特別区部が多く、特別区間での移動の割合の高さがうか

がえます。また、埼玉県とはその他都道府県と比較し、大きく転出超過の状況となっ

ています(図 12)。

市区町村別にみると、隣接する練馬区とは転出超過、豊島区とは転入超過となって

います。また、埼玉県の近隣市とは、いずれも転出超過となっており、特に朝霞市、

川口市とは転出数が転入数を 200名以上上回っています(図 13、表2)。

なお、特別区間での転出入の状況をみると、全体では転入者数と転出者数はほぼ同

数となっており、豊島区、文京区からは、3桁台での転入超過となっている一方、練

馬区へは3桁台での転出超過となっています。その他、新宿区、世田谷区、杉並区、

北区、足立区も、板橋区との人口移動そのものが多くなっていますが、それ以外の臨

海部の区等も含め、社会増減に大きな差はなく、同様の水準となっています(表3)。

図 12 都道府県別の社会増減の動向

注)日本人のみ、年齢不詳者等は除く 資料)総務省「住民基本台帳人口移動報告」より作成

11,964

4,360

2,0711,781 1,509

709 420

11,845

5,543

2,001 1,719 1,627 493 195

119

-1,183

70 62-118

216 225

-1,500

-1,000

-500

0

500

1,000

1,500

2,000

0

2,000

4,000

6,000

8,000

10,000

12,000

14,000

東京都

特別区部

埼玉県 神奈川県 東京都

特別区部以外

千葉県 愛知県 新潟県

転入者数

転出者数

社会増減

Page 11: 板橋区人口ビジョン - Itabashi...平成25(2013)年にかけては、一時的に東京都・区部の水準を上回っていたものの、近年は いずれも下回り、1.20前後で推移しています(図5)。

10

図 13 市区町村別の社会増減の動向

表2 市区町村別の社会増減の動向

表3 特別区別の社会増減の動向 特別区 転入者数 転出者数 社会増減 特別区 転入者数 転出者数 社会増減

千代田区 106 87 19 世田谷区 652 663 -11

中央区 143 221 -78 渋谷区 248 235 13

港区 232 215 17 中野区 486 461 25

新宿区 648 585 63 杉並区 605 518 87

文京区 567 459 108 豊島区 1,771 1,391 380

台東区 208 240 -32 北区 1,264 1,312 -48

墨田区 221 260 -39 荒川区 189 279 -90

江東区 369 388 -19 練馬区 1,993 2,163 -170

品川区 312 353 -41 足立区 523 599 -76

目黒区 246 247 -1 葛飾区 281 281 0

大田区 427 500 -73 江戸川区 473 388 85

注)日本人のみ、年齢不詳者等は除く 資料)総務省「住民基本台帳人口移動報告」より作成

-170

380

-48

6387 108

25

-168

-85

-221 -237

-28

-149

-59

36

-300

-200

-100

0

100

200

300

400

500

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

練馬区

豊島区

北区

新宿区

杉並区

文京区

中野区

さいたま市

和光市

川口市

朝霞市

川越市

戸田市

新座市

横浜市

転入者数

転出者数

社会増減

市区町村別 転入者数 転出者数 社会増減

東京都

練馬区 1,993 2,163 -170

豊島区 1,771 1,391 380

北区 1,264 1,312 -48

新宿区 648 585 63

杉並区 605 518 87

文京区 567 459 108

中野区 486 461 25

埼玉県

さいたま市 768 936 -168

和光市 405 490 -85

川口市 377 598 -221

朝霞市 271 508 -237

川越市 240 268 -28

戸田市 180 329 -149

新座市 163 222 -59

神奈川県 横浜市 839 803 36

川崎市 600 612 -12

Page 12: 板橋区人口ビジョン - Itabashi...平成25(2013)年にかけては、一時的に東京都・区部の水準を上回っていたものの、近年は いずれも下回り、1.20前後で推移しています(図5)。

11

⑥5地域別の社会増減の動向

5地域別の転出入の状況をみると、平成 30(2018)年では、すべての地域で転入超過と

なっています(図 14)。

図 14 5地域別の転出入の状況

高島平地域

赤塚地域

志村地域

常盤台地域

転出

転入 板橋地域

8,408

6,612

8,438

7,837 9,579 5,942

7,332

7,325

5,672

11,750

Page 13: 板橋区人口ビジョン - Itabashi...平成25(2013)年にかけては、一時的に東京都・区部の水準を上回っていたものの、近年は いずれも下回り、1.20前後で推移しています(図5)。

12

(4)外国人人口の動向

外国人人口は、平成 22(2010)年までは緩やかな上昇傾向にありましたが、平成 23(2011)

年以降、一時的に減少したものの、平成 26(2014)年以降、再び増加に転じて以降、急激な

上昇局面を迎え、平成 29(2017)年には板橋区の総人口に占める割合が4%を超え、5%に

迫る勢いで年々上昇しています(図 15)。

国籍別では、一時的な減少局面の底を打った平成 25(2013)年と平成 30(2018)年を比較

すると、増加数は中国が最も多く、直近でも外国人人口の半数以上を占めています。また、

中国に次いで人口数の多い韓国・朝鮮、フィリピンは、微増程度となっています。一方、

人口増加率でみると、ベトナムの増加が著しく、5年間で 7.5倍以上増加し、人口数でも

第3位のフィリピンとほぼ同数となっています。その他、ネパールは4倍近く増加し、人

口数でも 1,000人を超えています(図 16、17)。

図 15 外国人人口と総人口に占める割合の推移

資料)住民基本台帳人口(各年 1 月 1日)より作成

13,971 14,748

15,364 15,372

15,537 15,367

16,491

17,625 18,471

18,355 17,337

16,234 16,714

18,022

20,147

22,667

24,719

26,759

2.70%

2.83%

2.94%

2.94%

2.97%

2.92%

3.12%3.30%

3.44%

3.43%

3.24%

3.02%

3.09%

3.31%

3.66%4.07%

4.40%

4.72%

0.00%

1.00%

2.00%

3.00%

4.00%

5.00%

6.00%

7.00%

0

5,000

10,000

15,000

20,000

25,000

30,000

2002

(平成14

)年

2003

(平成15

)年

2004

(平成16

)年

2005

(平成17

)年

2006

(平成18

)年

2007

(平成19

)年

2008

(平成20

)年

2009

(平成21

)年

2010

(平成22

)年

2011

(平成23

)年

2012

(平成24

)年

2013

(平成25

)年

2014

(平成26

)年

2015

(平成27

)年

2016

(平成28

)年

2017

(平成29

)年

2018

(平成30

)年

2019

(平成31

)年

Page 14: 板橋区人口ビジョン - Itabashi...平成25(2013)年にかけては、一時的に東京都・区部の水準を上回っていたものの、近年は いずれも下回り、1.20前後で推移しています(図5)。

13

図 16 主な国籍別の外国人人口の推移

資料)住民基本台帳人口(各年 1 月 1日)より作成

図 17 主な国籍別の外国人人口の増加率の推移(平成 25年を 100とした場合)

資料)住民基本台帳人口(各年 1月 1 日)より作成

8,865

8,875

9,483

10,625

12,157

13,253

3,240

3,112

3,086

3,122

3,220

3,402

1,282

1,255

1,307

1,333

1,386

1,442

185

436

635

1,037

1,238

1,421

261

349

469

640

826

1,024

0 5,000 10,000 15,000 20,000 25,000

2013年

(平成25年)

2014年

(26年)

2015年

(27年)

2016年

(28年)

2017年

(29年)

2018年

(30年)

中国 韓国・朝鮮 フィリピン ベトナム ネパール 台湾 ミャンマー タイ 米国 フランス その他

100

236

343

561

669

768

100

245

316

392

100

216

259 293

301

168 174

209 176 206

120 137 149 100

200

300

400

500

600

700

800

2013年

(平成25年)

2014年

(26年)

2015年

(27年)

2016年

(28年)

2017年

(29年)

2018年

(30年)

ベトナム

ネパール

台湾

フランス

ミャンマー

中国

Page 15: 板橋区人口ビジョン - Itabashi...平成25(2013)年にかけては、一時的に東京都・区部の水準を上回っていたものの、近年は いずれも下回り、1.20前後で推移しています(図5)。

14

4 人口の将来展望

(1)現状・課題と今後の方向性

前項で分析した人口動向の特徴等をもとに、「総人口」、「自然増減」、「社会増減」、「年

齢3階層別人口」の4つの観点から現状と課題をあげ、今後の方向性を以下のとおりま

とめました。

項目 現状・課題 今後の方向性

総人口

人口増加傾向にありますが、近年では

増加率がやや減速しつつあり、長期的に

人口が増加し続けると展望することは

難しいものの、しばらくは緩やかな増加

が続くものと考えられます。

今後、地域の活力を維持するため、で

きる限り人口総数を維持できるよう、施

策に取り組む必要があります。

自然増減

区における出生数は 4,500人前後で推

移し、0~4歳人口は微増傾向にありま

すが、合計特殊出生率は 1.20前後と、東

京都や特別区部を下回る水準で推移し

ています。出産年齢の高齢化などを踏ま

えると、出産・子育ての支援が課題にな

ると考えられます。

今後、人口の自然減の抑制や年少人

口、生産年齢人口の減少を抑制するた

め、結婚や出産を希望する若い世代が、

安心して出産・子育てできる環境を整備

していくことが必要です。

社会増減

近年、大学進学や就職を機に転入する

10~20歳代の若年層を中心に、転入超過

の状況が続いています。一方、10歳未満、

30歳代は転出超過の状況となっており、

子育て世帯が区外へ転出しているもの

と考えられます。

住所地別では、転出入数のいずれも特

別区部が多いものの、ほぼ同数で社会増

減への影響は少ない一方、埼玉県とは近

隣市を中心に転出超過となっています。

また、近年では、外国人人口の増加が

著しく、国の政策等も踏まえると今後も

増加傾向は継続するものと考えられ、対

応が課題となります。

引き続き、子育て世代を中心に、近隣

自治体の中で、人々に選ばれるまちとし

て、板橋区の魅力を高めるとともに、大

学進学や就職を機に転入した若い世代

が、地域に住み続けられる環境を整備す

ることが必要です。

また、急増する外国人が地域で安心し

て暮らせるよう、教育など様々な分野で

多言語対応等を進め、多文化共生社会を

構築していく必要があります。

年齢3階層別人口

年少人口、生産年齢人口は、平成

22(2010)年以降、微増傾向にあるもの

の、老年人口は増加の一途をたどってお

り、超高齢社会は着実に進行していま

す。社会保障費のさらなる増加や、地域

の経済や様々な活動の担い手の減少な

ど、地域に及ぼす影響への対応が課題に

なると考えられます。

人口総数の増加・維持もさることなが

ら、板橋区においても遠からず到来する

人口減少局面を見据えつつ、生産年齢人

口の定住化や年少人口の増加など、バラ

ンスのとれた年齢構成とするとともに、

少子化や高齢化の地域への影響ができ

る限り緩やかになるよう、施策に取り組

む必要があります。

Page 16: 板橋区人口ビジョン - Itabashi...平成25(2013)年にかけては、一時的に東京都・区部の水準を上回っていたものの、近年は いずれも下回り、1.20前後で推移しています(図5)。

15

(2)将来の人口推計

①推計方法

基本的な考え方は、前人口ビジョンと同様に、直近の国勢調査人口を基準人口としつ

つ、同調査に基づく社人研推計や、区における住民基本台帳人口の近年の自然増減・社

会増減の傾向等を踏まえ、人口推計を行いました。

なお、前人口ビジョンとの違いは2点あり、1つ目は、近年の外国人人口の増加を踏

まえ、日本人のみを扱った住民基本台帳人口を、外国人を含めたもので算出しています。

2つ目は、近年の人口増加率の減速傾向を踏まえ、純移動率の算出にあたり、直近5年

間から 10年間の動向としたことです。

ア 自然増減に関する仮定

自然増減に関する仮定値は、社人研推計において設定された生残率と、区独自の子

ども女性比を設定しました。

子ども女性比は、直近の動向を反映するため、平成 26(2014)年から平成 30(2018)

年までの5年間の住民基本台帳人口に基づく子ども女性比の平均値を算出し、この仮

定値を基準に、社人研推計において設定された子ども女性比との差分が、平成

57(2045)年まで維持すると仮定しています。

イ 社会増減に関する仮定

社会増減に関する仮定値は、社人研推計で設定された純移動率に、ここ 10 年間の

住民基本台帳人口から算出した純移動率を反映して設定しました。

社人研推計では、平成 22(2010)年から平成 27(2015)年の国勢調査人口において観

察された人口移動傾向が平成 52(2040)年から平成 57(2045)年までそのまま継続する

と仮定しています。しかしながら、同期間は、他の期間と比べて急激に区の人口が増

加した時期であり、かつ近年の住民基本台帳人口では、増加傾向に減速がみられ、緩

やかな増加傾向へと移行しています。それを裏付けるかのように、人口増加の受け皿

と考えられるファミリー世帯向けマンションの建築申請戸数をみると、平成 25(2013)

年度には 2,249 戸であったものが、平成 29(2017)年度には 750 戸と大幅に減少して

います。こうした動向を踏まえると、社人研推計の仮定では、近年のトレンドが十分

に反映できていないと考えられます。そこで、人口増加が近年より緩やかであった期

間を含む、ここ 10年間の住民基本台帳人口に基づく純移動率を算出し、将来変動は、

社人研推計の仮定値とこの純移動率の差分を維持すると仮定しています。

Page 17: 板橋区人口ビジョン - Itabashi...平成25(2013)年にかけては、一時的に東京都・区部の水準を上回っていたものの、近年は いずれも下回り、1.20前後で推移しています(図5)。

16

②推計結果

将来の総人口の推計結果をみると、しばらくは上昇傾向が続き、平成 42(2030)年に

ピークとなり、その後緩やかな減少トレンドを迎えるものの、平成 57(2045)年時点で

の総人口の規模は、平成 27(2015)年国勢調査人口とほぼ同様となる見込みとなりまし

た(図 18)。

年齢3区分別人口をみると、年少人口は総人口と同じく平成 42(2030)年にピークを

迎え、その後、微減傾向が続きます。生産年齢人口のピークは総人口よりも早く、平成

37(2025)年に到来し、平成 57(2045)年までに約4万人減少する見込みとなります。一

方、老年人口は、平成 57(2045)年まで増加し続け、平成 27(2015)年と比べて 26.7%増

加し、約 16.7万人となり、高齢化率も 30%近くまで達する見込みです(図 19)。

図 18 将来の総人口の長期的見通し

561,916

576,918 584,765 586,566 584,475

579,743 572,286

400,000

450,000

500,000

550,000

600,000

650,000

2015年

(平成27年)

2020年

(平成32年)

2025年

(平成37年)

2030年

(平成42年)

2035年

(平成47年)

2040年

(平成52年)

2045年

(平成57年)

ピーク

Page 18: 板橋区人口ビジョン - Itabashi...平成25(2013)年にかけては、一時的に東京都・区部の水準を上回っていたものの、近年は いずれも下回り、1.20前後で推移しています(図5)。

17

図 19 年齢3区分別人口の長期的見通し

注)「75歳以上」は「65歳以上」の内数

図 20 人口の長期的見通しの比較

(3)今後の見直し

人口ビジョンは、国勢調査結果に基づく社人研推計の公表に合わせ見直すことを原

則に、今後のまちづくりの波及効果や、外国人の受入に関係する国の政策による動向等

を注視しつつ、将来変動に大きな乖離が見込まれる場合には、改定を行っていくものと

します。

59,456 61,975 63,364 63,866 63,390 63,311 62,293

370,867 377,208 382,625 379,708 370,620

355,063 343,277

131,593 137,735 138,776 142,992 150,465 161,369 166,715

62,574 71,642 81,879

83,437 81,749 83,995 90,181

23.4% 23.9% 23.7% 24.4%25.7%

27.8%29.1%

0.0%

5.0%

10.0%

15.0%

20.0%

25.0%

30.0%

35.0%

40.0%

0

50,000

100,000

150,000

200,000

250,000

300,000

350,000

400,000

2015年

(平成27年)

2020年

(平成32年)

2025年

(平成37年)

2030年

(平成42年)

2035年

(平成47年)

2040年

(平成52年)

2045年

(平成57年)

523,083

561,916

582,467

596,384 605,525

610,865 612,523 610,486

540,772 538,278 531,244

520,742

507,500

492,036

535,824

549,080

554,133 553,795 549,952

544,250 536,182

525,235

576,918 584,765

586,566 584,475 579,743

572,286

440,000

460,000

480,000

500,000

520,000

540,000

560,000

580,000

600,000

620,000

640,000

2005年

(平成17年)

2010年

(22年)

2015年

(27年)

2020年

(32年)

2025年

(37年)

2030年

(42年)

2035年

(47年)

2040年

(52年)

2045年

(57年)

15~64歳

高齢化率

65歳以上

75歳以上

0~14歳

社人研推計(平成 30年)

社人研推計(平成 25年)

新人口ビジョン

前人口ビジョン

ピーク

国勢調査 ピーク

Page 19: 板橋区人口ビジョン - Itabashi...平成25(2013)年にかけては、一時的に東京都・区部の水準を上回っていたものの、近年は いずれも下回り、1.20前後で推移しています(図5)。

刊行物番号 30-134

編集 板橋区政策経営部政策企画課

〒173-8501 板橋区板橋二丁目 66番1号

TEL 03-3579-2011 FAX 03-3579-4211

[email protected]

平成 31年 2月発行

板橋区人口ビジョン(平成 31(2019)年1月)