板橋区人口ビジョン -...
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板橋区人口ビジョン
(2020年~2045年)
平成 31(2019)年1月
1
1 人口ビジョンの改定
人口ビジョンは、板橋区の人口の現状を分析し、人口に関する地域住民の認識を共有し、
今後めざすべき将来の方向と人口の将来展望を提示するものです。
平成 28 年1月策定の人口ビジョン(以下「前人口ビジョン」という。)は、直近で公表
されていた平成 22年国勢調査人口を基準人口とし、平成 25年に国立社会保障・人口問題
研究所が公表した将来人口推計(以下「社人研推計」という。)を踏まえつつ、策定時の住
民基本台帳人口の傾向を反映して推計を行ったところ、区の総人口は平成 32(2020)年に
約 55万人でピークを迎えると見込んでいました。しかしながら、平成 27年国勢調査では
既に区の人口は 56 万人を超えており、推計を上回る勢いで増加しています。加えて、平
成 30 年に公表された社人研推計では、人口のピークは平成 52(2040)年に約 61 万人に達
すると見込まれており、前人口ビジョン策定時とは異なる人口トレンドが明らかとなりま
した(図1)。
こうした背景から、平成 27年国勢調査人口を基準人口としつつ、平成 30年公表の社人
研推計や、人口の現状を踏まえて推計を行い、人口ビジョンを改定することとしました。
なお、人口ビジョンは、区の施策の効果が表れた場合の目標とすべき人口であり、長期
的推計として、各行政分野の個別計画等において活用を図るものとします。
図1 社人研推計及び前人口ビジョン
2 人口ビジョンの期間
人口ビジョンは、推計で必要となる仮定値を参照している社人研推計の推計期間に合わ
せ、平成 32(2020)年~平成 57(2045)年とします。
523,083
561,916
582,467
596,384 605,525
610,865 612,523 610,486
540,772 538,278 531,244
520,742
507,500
492,036
535,824 549,080
554,133 553,795 549,952 544,250
536,182 525,235
400,000
450,000
500,000
550,000
600,000
650,000
2005年
(平成17年)
2010年
(22年)
2015年
(27年)
2020年
(32年)
2025年
(37年)
2030年
(42年)
2035年
(47年)
2040年
(52年)
2045年
(57年)
社人研推計(平成 25年公表)
前人口ビジョン
社人研推計(平成 30年公表)
国勢調査
2
3 人口の現状分析
(1)総人口及び年齢3区分別人口の推移
国勢調査人口における総人口は、1970年代から 1990年代初頭まで緩やかに増加し、平
成2(1990)年から平成7(1995)年の期間に一旦減少に転じましたが、その後は全体として
緩やかな増加傾向となり、特に平成 22(2010)年から平成 27(2010)年にかけて大幅に増加
しています。一方、住民基本台帳人口により近年の傾向をみると、前年度と比較した増減
率は、平成 23(2011)年から平成 28(2016)年にかけて年々上昇傾向にありましたが、ここ
数年、その勢いは減速しつつある傾向がうかがえます(図2、3)。
生産年齢人口(15~64 歳)は、1970 年代から平成2(1990)年にかけて緩やかに増加が
続き、平成7(1995)年から平成 17(2005)年にかけて一旦減少に転じたものの、平成
22(2010)年以降、再び緩やかに増加しています。年少人口(0~14歳)は、昭和 50(1975)
年までは増加傾向にあり、その後減少が続いていましたが、平成 22(2010)年以降、再び増
加に転じています。老年人口(65歳以上)は、平均寿命の伸びなどを背景に一貫して増加
が続き、平成7(1995)年には年少人口を上回り、平成 22(2010)年には年少人口の2倍以上
となり、少子高齢化が一段と進んでいます(図2、表1)。
図2 総人口及び年齢3区分別人口の推移(国勢調査人口)
注1)年齢不詳の者がいるため、年少人口、生産年齢人口、老年人口は、年齢不詳者を案分することで、そ
の合計と総人口が一致するように調整しており、実際の数値とは一致しない場合があります(表1も同様)。
注2)「後期高齢者(75歳以上)」は「老年人口(65歳以上)」の内数 資料)総務省「国勢調査」(各年)より作成
0.0%
5.0%
10.0%
15.0%
20.0%
25.0%
30.0%
0
100,000
200,000
300,000
400,000
500,000
600,000
1970年
(昭和45年)
1975年
(50年)
1980年
(55年)
1985年
(60年)
1990年
(平成2年)
1995年
(7年)
2000年
(12年)
2005年
(17年)
2010年
(22年)
2015年
(27年)
老年人口(65歳以上)※上段は後期高齢者(75歳以上)
生産年齢人口(15~64歳)
年少人口(0~14歳)
高齢化率
3
表1 総人口及び年齢3区分別人口の推移(国勢調査)
図3 住民基本台帳人口における総人口の推移
資料)住民基本台帳(各年 10 月1日)より作成
(2)自然増減(出生・死亡)の動向
出生数は、1980年代から 1990年代初頭にかけて減少が続いていたものの、1990年代後
半以降は横ばい又は微増となり、近年は年間 4,500人前後で推移しています。
死亡数は増加傾向にあり、平成 22(2010)年以降、死亡数が出生数を上回る自然減の状
態が続いています(図4)。
合計特殊出生率は、増減を繰り返しながらも上昇傾向がみられ、平成 22(2010)年から
平成 25(2013)年にかけては、一時的に東京都・区部の水準を上回っていたものの、近年は
いずれも下回り、1.20前後で推移しています(図5)。
母親の年齢階級別にみた出生数の推移は、25~39 歳の割合が高く、出生者数全体の9
割弱を占めています。また、母親の年齢が 20歳代の出生数は減少傾向が続く一方、30歳
代、40 歳代以上の出生数は増加傾向が続いており、年々、出産年齢の高年齢化が進行し
ている様子がうかがえます(図6)。
0~4歳人口は、平成 22(2010)年以降、それまでの減少傾向から増加へと転じていま
すが、15~49歳の女性人口に対する0~4歳人口の割合である「子ども女性比」は、増減
を繰り返しつつ、概ね横ばい傾向にあります(図7)。
国勢調査1970年
(昭和45年)1975年(50年)
1980年(55年)
1985年(60年)
1990年(平成2年)
1995年(7年)
2000年(12年)
2005年(17年)
2010年(22年)
2015年(27年)
総人口 471,777 498,286 498,266 505,556 518,943 511,415 513,575 523,083 535,824 561,916年少人口 99,803 108,130 102,257 91,853 76,236 64,041 57,894 57,978 56,994 60,698生産年齢人口 350,249 362,666 361,218 371,382 390,674 382,678 371,824 364,138 364,496 370,003老年人口 21,725 27,490 34,791 42,321 52,033 64,696 83,857 100,967 114,334 131,215後期高齢者 5,823 7,920 11,156 15,189 20,156 24,336 32,579 43,380 52,867 62,318高齢化率 4.6% 5.5% 7.0% 8.4% 10.0% 12.7% 16.3% 19.3% 21.3% 23.4%
536,404 536,433 535,802 536,914 539,924 543,076549,571
556,859 561,324 565,782
0.01%-0.12%
0.21%
0.56% 0.58%
1.20%1.33%
0.80% 0.79%
-1.0%
-0.5%
0.0%
0.5%
1.0%
1.5%
2.0%
2.5%
400,000
420,000
440,000
460,000
480,000
500,000
520,000
540,000
560,000
580,000
2009
(平成21)年2010
(平成22)年2011
(平成23)年2012
(平成24)年2013
(平成25)年2014
(平成26)年2015
(平成27)年2016
(平成28)年2017
(平成29)年2018
(平成30)年
総人口 増加率(前年比)
4
図4 自然増減(出生数・死亡数)の推移
資料)東京都福祉保健局「人口動態統計」より作成(平成 16(2004)年までは東京都健康局「東京都衛生年報」)
図5 合計特殊出生率
資料)全国は厚生労働省「人口動態統計」、東京都・区部・板橋区は東京都福祉保健局「人口動態統計」より作成
3255
2962
2311
1933
1317
952 853662
524
812
382305 255
-286
-586-413
-297
-1,000
-500
0
500
1,000
1,500
2,000
2,500
3,000
3,500
4,000
0
1,000
2,000
3,000
4,000
5,000
6,000
7,000
出生数
死亡数
自然増減(右軸)
1.29 1.26
1.32 1.34
1.37 1.37 1.39 1.39
1.41 1.43 1.42
1.45 1.44 1.43
1.01 1.00 1.02
1.05
1.09
1.12
1.12
1.06 1.09
1.13 1.15
1.24 1.24
1.21
0.96 0.95 0.98
1.01 1.04
1.06 1.08
1.08
1.12
1.16 1.19
1.22 1.22
1.20
1.04 1.01
1.06 1.04
1.14
1.10
1.12 1.13
1.13
1.17
1.16 1.19
1.21 1.18
0.90
1.00
1.10
1.20
1.30
1.40
1.50
2004年
平成16年
2005年
17年
2006年
18年
2007年
19年
2008年
20年
2009年
21年
2010年
22年
2011年
23年
2012年
24年
2013年
25年
2014年
26年
2015年
27年
2016年
28年
2017年
29年
国 東京都 区部 板橋区
1984
(昭和59
)年
1985
(昭和60
)年
1986
(昭和61
)年
1987
(昭和62
)年
1988
(昭和63
)年
1989
(平成元
)年
1990
(平成2
)年
1991
(平成3
)年
1992
(平成4
)年
1993
(平成5
)年
1994
(平成6
)年
1995
(平成7
)年
1996
(平成8
)年
1997
(平成9
)年
1998
(平成10
)年
1999
(平成11
)年
2000
(平成12
)年
2001
(平成13
)年
2002
(平成14
)年
2003
(平成15
)年
2004
(平成16
)年
2005
(平成17
)年
2006
(平成18
)年
2007
(平成19
)年
2008
(平成20
)年
2009
(平成21
)年
2010
(平成22
)年
2011
(平成23
)年
2012
(平成24
)年
2013
(平成25
)年
2014
(平成26
)年
2015
(平成27
)年
2016
(平成28
)年
2017
(平成29
)年
5
図6 母親の年齢階級別にみた出生数の推移
資料)板橋区の保健衛生より作成
図7 0~4歳人口と子ども女性比
資料)総務省「国勢調査」(各年)より作成
0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 51 38 49 29 28 22 32 35 35 31 31
353 444 335 327 294 295 239 239 220 247 221
1,121 1,208
1,150 1,097 1,128 1,052 1,063 977 974 1,001 951
1,669 1,700
1,640 1,670 1,630 1,623 1,674
1,648 1,801 1,772 1,724
855
974 1,012 1,039 1,070 1,099 1,148 1,271
1,204 1,244 1,184
128
144 154 185 204 213 250 278 274 295
303 2
7 6 4 4 7 12 6 9 2
5 0
2 0 0 0 0
0 0 0 1 0
0
500
1,000
1,500
2,000
2,500
3,000
3,500
4,000
4,500
5,000
2007
(平成19)年2008
(20)年2009
(21)年2010
(22)年2011
(23)年2012
(24)年2013
(25)年2014
(26)年2015
(27)年2016
(28)年2017
(29)年
50歳以上
45~49歳
40~44歳
35~39歳
30~34歳
25~29歳
20~24歳
15~19歳
15歳未満
23,609
20,303 19,696 19,119 19,049
21,109
0.1677
0.1515
0.1572
0.161
0.1535
0.1625
0.135
0.14
0.145
0.15
0.155
0.16
0.165
0.17
0.175
0.18
0
5,000
10,000
15,000
20,000
25,000
1990年
(平成2年)
1995年
(平成7年)
2000年
(平成12年)
2005年
(平成17年)
2010年
(平成22年)
2015年
(平成27年)
0~4歳人口 子ども女性比
4,179 4,517 4,346 4,351 4,359 4,311 4,418 4,400 4,517 4,593 4,419
6
(3)社会増減(転出入)の動向
①総数の推移
転入数、転出数は、年ごとにばらつきはあるものの、いずれも増減を繰り返しなが
ら、平成 22(2010)年頃まで減少傾向にありましたが、平成 24(2012)年以降、増加傾
向に転じており、特に転入数は転出数を大きく上回っており、社会増の状態が続いて
います(図8)。
図8 社会増減(転入数・転出数)の推移
資料)板橋区の統計より作成
-188
-6,027
221
-1,357
3,129
-1,752
2,108
1,257
2,626
-459
4,006
3,884
7,608
6,061
-8,000
-6,000
-4,000
-2,000
0
2,000
4,000
6,000
8,000
10,000
0
5,000
10,000
15,000
20,000
25,000
30,000
35,000
40,000
45,000転入数
転出数
社会増減(右軸)
1991
(平成3
)年
1992
(平成4
)年
1993
(平成5
)年
1994
(平成6
)年
1995
(平成7
)年
1996
(平成8
)年
1997
(平成9
)年
1998
(平成10
)年
1999
(平成11
)年
2000
(平成12
)年
2001
(平成13
)年
2002
(平成14
)年
2003
(平成15
)年
2004
(平成16
)年
2005
(平成17
)年
2006
(平成18
)年
2007
(平成19
)年
2008
(平成20
)年
2009
(平成21
)年
2010
(平成22
)年
2011
(平成23
)年
2012
(平成24
)年
2013
(平成25
)年
2014
(平成26
)年
2015
(平成27
)年
2016
(平成28
)年
7
②自然増減・社会増減の影響
1980年代前半は、社会減 がみられたものの、自然増 が大きく上回っていました。そ
の後、1980年代半ばには自然増と社会増 により総人口が増加したものの、1980年代後
半から社会減に転じ、1990 年代前半には社会減が自然増を上回り、総人口が減少に転
じました。一方、1980 年代以降、自然増の縮小が続き、平成 21(2009)年には自然減
へ転じたものの、1990年代後半から 2000年代初頭にかけて社会減から社会増に転じて、
社会増の傾向がみられます。近年では、平成 26(2014)年以降、社会増が大きく伸長して
いましたが、平成 29(2017)年に社会増が縮小に転じています(図9)。
図9 板橋区における自然増減と社会増減の推移
③年齢階級別の状況
平成 29(2017)年の転出入の動向をみると、転入数、転出数ともに 20歳代が最も高く、
次いで 30歳代が高くなっています。転入と転出の差でみると、10~20歳代は合わせて
約 4,700 人の社会増の状況であるのに対し、その他の世代はすべて社会減となってお
り、特に 30歳代は約 1,000人、10歳未満は約 700人の社会減となっています。
これは、区内又は周辺地域の大学等への進学や就職を機とした転入数が多い一方、子
育て世帯が区外へ転出しているケースが少なくないと推察されます(図 10)。
8
図 10 社会増減の年齢階級別の状況
注)日本人のみ、年齢不詳者等は除く 資料)総務省「住民基本台帳人口移動報告」より作成
④時系列の推移
社会増減数について、近年の時系列の推移をみると、直近では 20 歳代の増加数が
上昇傾向にあるほか、平成 29(2017)年は、その他の年次と比べて 10歳未満及び 30歳
代の減少数が大きくなっています(図 11)。
図 11 社会増減数の時系列の推移
注)日本人のみ、年齢不詳者等は除く 資料)総務省「住民基本台帳人口移動報告」より作成
-3,000
-2,000
-1,000
0
1,000
2,000
3,000
4,000
-15,000
-10,000
-5,000
0
5,000
10,000
15,000
20,000
0~9歳 10~19歳 20~29歳 30~39歳 40~49歳 50~59歳 60歳以上
転入者数
転出者数
増減数
-2000
-1000
0
1000
2000
3000
4000
5000
0~9歳 10~19歳 20~29歳 30~39歳 40~49歳 50~59歳 60歳以上
平成24(2012)年 平成25(2013)年 平成26(2014)年
平成27(2015)年 平成28(2016)年 平成29(2017)年
(右軸)
9
⑤転入元・転出先の自治体別の内訳
平成 29(2017)年時点の板橋区への転出入の状況を、移動前の都道府県別にみると、
転入・転出のいずれも東京都特別区部が多く、特別区間での移動の割合の高さがうか
がえます。また、埼玉県とはその他都道府県と比較し、大きく転出超過の状況となっ
ています(図 12)。
市区町村別にみると、隣接する練馬区とは転出超過、豊島区とは転入超過となって
います。また、埼玉県の近隣市とは、いずれも転出超過となっており、特に朝霞市、
川口市とは転出数が転入数を 200名以上上回っています(図 13、表2)。
なお、特別区間での転出入の状況をみると、全体では転入者数と転出者数はほぼ同
数となっており、豊島区、文京区からは、3桁台での転入超過となっている一方、練
馬区へは3桁台での転出超過となっています。その他、新宿区、世田谷区、杉並区、
北区、足立区も、板橋区との人口移動そのものが多くなっていますが、それ以外の臨
海部の区等も含め、社会増減に大きな差はなく、同様の水準となっています(表3)。
図 12 都道府県別の社会増減の動向
注)日本人のみ、年齢不詳者等は除く 資料)総務省「住民基本台帳人口移動報告」より作成
11,964
4,360
2,0711,781 1,509
709 420
11,845
5,543
2,001 1,719 1,627 493 195
119
-1,183
70 62-118
216 225
-1,500
-1,000
-500
0
500
1,000
1,500
2,000
0
2,000
4,000
6,000
8,000
10,000
12,000
14,000
東京都
特別区部
埼玉県 神奈川県 東京都
特別区部以外
千葉県 愛知県 新潟県
転入者数
転出者数
社会増減
10
図 13 市区町村別の社会増減の動向
表2 市区町村別の社会増減の動向
表3 特別区別の社会増減の動向 特別区 転入者数 転出者数 社会増減 特別区 転入者数 転出者数 社会増減
千代田区 106 87 19 世田谷区 652 663 -11
中央区 143 221 -78 渋谷区 248 235 13
港区 232 215 17 中野区 486 461 25
新宿区 648 585 63 杉並区 605 518 87
文京区 567 459 108 豊島区 1,771 1,391 380
台東区 208 240 -32 北区 1,264 1,312 -48
墨田区 221 260 -39 荒川区 189 279 -90
江東区 369 388 -19 練馬区 1,993 2,163 -170
品川区 312 353 -41 足立区 523 599 -76
目黒区 246 247 -1 葛飾区 281 281 0
大田区 427 500 -73 江戸川区 473 388 85
注)日本人のみ、年齢不詳者等は除く 資料)総務省「住民基本台帳人口移動報告」より作成
-170
380
-48
6387 108
25
-168
-85
-221 -237
-28
-149
-59
36
-300
-200
-100
0
100
200
300
400
500
0
500
1,000
1,500
2,000
2,500
練馬区
豊島区
北区
新宿区
杉並区
文京区
中野区
さいたま市
和光市
川口市
朝霞市
川越市
戸田市
新座市
横浜市
転入者数
転出者数
社会増減
市区町村別 転入者数 転出者数 社会増減
東京都
練馬区 1,993 2,163 -170
豊島区 1,771 1,391 380
北区 1,264 1,312 -48
新宿区 648 585 63
杉並区 605 518 87
文京区 567 459 108
中野区 486 461 25
埼玉県
さいたま市 768 936 -168
和光市 405 490 -85
川口市 377 598 -221
朝霞市 271 508 -237
川越市 240 268 -28
戸田市 180 329 -149
新座市 163 222 -59
神奈川県 横浜市 839 803 36
川崎市 600 612 -12
11
⑥5地域別の社会増減の動向
5地域別の転出入の状況をみると、平成 30(2018)年では、すべての地域で転入超過と
なっています(図 14)。
図 14 5地域別の転出入の状況
高島平地域
赤塚地域
志村地域
常盤台地域
転出
転入 板橋地域
8,408
6,612
8,438
7,837 9,579 5,942
7,332
7,325
5,672
11,750
12
(4)外国人人口の動向
外国人人口は、平成 22(2010)年までは緩やかな上昇傾向にありましたが、平成 23(2011)
年以降、一時的に減少したものの、平成 26(2014)年以降、再び増加に転じて以降、急激な
上昇局面を迎え、平成 29(2017)年には板橋区の総人口に占める割合が4%を超え、5%に
迫る勢いで年々上昇しています(図 15)。
国籍別では、一時的な減少局面の底を打った平成 25(2013)年と平成 30(2018)年を比較
すると、増加数は中国が最も多く、直近でも外国人人口の半数以上を占めています。また、
中国に次いで人口数の多い韓国・朝鮮、フィリピンは、微増程度となっています。一方、
人口増加率でみると、ベトナムの増加が著しく、5年間で 7.5倍以上増加し、人口数でも
第3位のフィリピンとほぼ同数となっています。その他、ネパールは4倍近く増加し、人
口数でも 1,000人を超えています(図 16、17)。
図 15 外国人人口と総人口に占める割合の推移
資料)住民基本台帳人口(各年 1 月 1日)より作成
13,971 14,748
15,364 15,372
15,537 15,367
16,491
17,625 18,471
18,355 17,337
16,234 16,714
18,022
20,147
22,667
24,719
26,759
2.70%
2.83%
2.94%
2.94%
2.97%
2.92%
3.12%3.30%
3.44%
3.43%
3.24%
3.02%
3.09%
3.31%
3.66%4.07%
4.40%
4.72%
0.00%
1.00%
2.00%
3.00%
4.00%
5.00%
6.00%
7.00%
0
5,000
10,000
15,000
20,000
25,000
30,000
2002
(平成14
)年
2003
(平成15
)年
2004
(平成16
)年
2005
(平成17
)年
2006
(平成18
)年
2007
(平成19
)年
2008
(平成20
)年
2009
(平成21
)年
2010
(平成22
)年
2011
(平成23
)年
2012
(平成24
)年
2013
(平成25
)年
2014
(平成26
)年
2015
(平成27
)年
2016
(平成28
)年
2017
(平成29
)年
2018
(平成30
)年
2019
(平成31
)年
13
図 16 主な国籍別の外国人人口の推移
資料)住民基本台帳人口(各年 1 月 1日)より作成
図 17 主な国籍別の外国人人口の増加率の推移(平成 25年を 100とした場合)
資料)住民基本台帳人口(各年 1月 1 日)より作成
8,865
8,875
9,483
10,625
12,157
13,253
3,240
3,112
3,086
3,122
3,220
3,402
1,282
1,255
1,307
1,333
1,386
1,442
185
436
635
1,037
1,238
1,421
261
349
469
640
826
1,024
0 5,000 10,000 15,000 20,000 25,000
2013年
(平成25年)
2014年
(26年)
2015年
(27年)
2016年
(28年)
2017年
(29年)
2018年
(30年)
中国 韓国・朝鮮 フィリピン ベトナム ネパール 台湾 ミャンマー タイ 米国 フランス その他
100
236
343
561
669
768
100
245
316
392
100
216
259 293
301
168 174
209 176 206
120 137 149 100
200
300
400
500
600
700
800
2013年
(平成25年)
2014年
(26年)
2015年
(27年)
2016年
(28年)
2017年
(29年)
2018年
(30年)
ベトナム
ネパール
台湾
フランス
ミャンマー
中国
14
4 人口の将来展望
(1)現状・課題と今後の方向性
前項で分析した人口動向の特徴等をもとに、「総人口」、「自然増減」、「社会増減」、「年
齢3階層別人口」の4つの観点から現状と課題をあげ、今後の方向性を以下のとおりま
とめました。
項目 現状・課題 今後の方向性
総人口
人口増加傾向にありますが、近年では
増加率がやや減速しつつあり、長期的に
人口が増加し続けると展望することは
難しいものの、しばらくは緩やかな増加
が続くものと考えられます。
今後、地域の活力を維持するため、で
きる限り人口総数を維持できるよう、施
策に取り組む必要があります。
自然増減
区における出生数は 4,500人前後で推
移し、0~4歳人口は微増傾向にありま
すが、合計特殊出生率は 1.20前後と、東
京都や特別区部を下回る水準で推移し
ています。出産年齢の高齢化などを踏ま
えると、出産・子育ての支援が課題にな
ると考えられます。
今後、人口の自然減の抑制や年少人
口、生産年齢人口の減少を抑制するた
め、結婚や出産を希望する若い世代が、
安心して出産・子育てできる環境を整備
していくことが必要です。
社会増減
近年、大学進学や就職を機に転入する
10~20歳代の若年層を中心に、転入超過
の状況が続いています。一方、10歳未満、
30歳代は転出超過の状況となっており、
子育て世帯が区外へ転出しているもの
と考えられます。
住所地別では、転出入数のいずれも特
別区部が多いものの、ほぼ同数で社会増
減への影響は少ない一方、埼玉県とは近
隣市を中心に転出超過となっています。
また、近年では、外国人人口の増加が
著しく、国の政策等も踏まえると今後も
増加傾向は継続するものと考えられ、対
応が課題となります。
引き続き、子育て世代を中心に、近隣
自治体の中で、人々に選ばれるまちとし
て、板橋区の魅力を高めるとともに、大
学進学や就職を機に転入した若い世代
が、地域に住み続けられる環境を整備す
ることが必要です。
また、急増する外国人が地域で安心し
て暮らせるよう、教育など様々な分野で
多言語対応等を進め、多文化共生社会を
構築していく必要があります。
年齢3階層別人口
年少人口、生産年齢人口は、平成
22(2010)年以降、微増傾向にあるもの
の、老年人口は増加の一途をたどってお
り、超高齢社会は着実に進行していま
す。社会保障費のさらなる増加や、地域
の経済や様々な活動の担い手の減少な
ど、地域に及ぼす影響への対応が課題に
なると考えられます。
人口総数の増加・維持もさることなが
ら、板橋区においても遠からず到来する
人口減少局面を見据えつつ、生産年齢人
口の定住化や年少人口の増加など、バラ
ンスのとれた年齢構成とするとともに、
少子化や高齢化の地域への影響ができ
る限り緩やかになるよう、施策に取り組
む必要があります。
15
(2)将来の人口推計
①推計方法
基本的な考え方は、前人口ビジョンと同様に、直近の国勢調査人口を基準人口としつ
つ、同調査に基づく社人研推計や、区における住民基本台帳人口の近年の自然増減・社
会増減の傾向等を踏まえ、人口推計を行いました。
なお、前人口ビジョンとの違いは2点あり、1つ目は、近年の外国人人口の増加を踏
まえ、日本人のみを扱った住民基本台帳人口を、外国人を含めたもので算出しています。
2つ目は、近年の人口増加率の減速傾向を踏まえ、純移動率の算出にあたり、直近5年
間から 10年間の動向としたことです。
ア 自然増減に関する仮定
自然増減に関する仮定値は、社人研推計において設定された生残率と、区独自の子
ども女性比を設定しました。
子ども女性比は、直近の動向を反映するため、平成 26(2014)年から平成 30(2018)
年までの5年間の住民基本台帳人口に基づく子ども女性比の平均値を算出し、この仮
定値を基準に、社人研推計において設定された子ども女性比との差分が、平成
57(2045)年まで維持すると仮定しています。
イ 社会増減に関する仮定
社会増減に関する仮定値は、社人研推計で設定された純移動率に、ここ 10 年間の
住民基本台帳人口から算出した純移動率を反映して設定しました。
社人研推計では、平成 22(2010)年から平成 27(2015)年の国勢調査人口において観
察された人口移動傾向が平成 52(2040)年から平成 57(2045)年までそのまま継続する
と仮定しています。しかしながら、同期間は、他の期間と比べて急激に区の人口が増
加した時期であり、かつ近年の住民基本台帳人口では、増加傾向に減速がみられ、緩
やかな増加傾向へと移行しています。それを裏付けるかのように、人口増加の受け皿
と考えられるファミリー世帯向けマンションの建築申請戸数をみると、平成 25(2013)
年度には 2,249 戸であったものが、平成 29(2017)年度には 750 戸と大幅に減少して
います。こうした動向を踏まえると、社人研推計の仮定では、近年のトレンドが十分
に反映できていないと考えられます。そこで、人口増加が近年より緩やかであった期
間を含む、ここ 10年間の住民基本台帳人口に基づく純移動率を算出し、将来変動は、
社人研推計の仮定値とこの純移動率の差分を維持すると仮定しています。
16
②推計結果
将来の総人口の推計結果をみると、しばらくは上昇傾向が続き、平成 42(2030)年に
ピークとなり、その後緩やかな減少トレンドを迎えるものの、平成 57(2045)年時点で
の総人口の規模は、平成 27(2015)年国勢調査人口とほぼ同様となる見込みとなりまし
た(図 18)。
年齢3区分別人口をみると、年少人口は総人口と同じく平成 42(2030)年にピークを
迎え、その後、微減傾向が続きます。生産年齢人口のピークは総人口よりも早く、平成
37(2025)年に到来し、平成 57(2045)年までに約4万人減少する見込みとなります。一
方、老年人口は、平成 57(2045)年まで増加し続け、平成 27(2015)年と比べて 26.7%増
加し、約 16.7万人となり、高齢化率も 30%近くまで達する見込みです(図 19)。
図 18 将来の総人口の長期的見通し
561,916
576,918 584,765 586,566 584,475
579,743 572,286
400,000
450,000
500,000
550,000
600,000
650,000
2015年
(平成27年)
2020年
(平成32年)
2025年
(平成37年)
2030年
(平成42年)
2035年
(平成47年)
2040年
(平成52年)
2045年
(平成57年)
ピーク
17
図 19 年齢3区分別人口の長期的見通し
注)「75歳以上」は「65歳以上」の内数
図 20 人口の長期的見通しの比較
(3)今後の見直し
人口ビジョンは、国勢調査結果に基づく社人研推計の公表に合わせ見直すことを原
則に、今後のまちづくりの波及効果や、外国人の受入に関係する国の政策による動向等
を注視しつつ、将来変動に大きな乖離が見込まれる場合には、改定を行っていくものと
します。
59,456 61,975 63,364 63,866 63,390 63,311 62,293
370,867 377,208 382,625 379,708 370,620
355,063 343,277
131,593 137,735 138,776 142,992 150,465 161,369 166,715
62,574 71,642 81,879
83,437 81,749 83,995 90,181
23.4% 23.9% 23.7% 24.4%25.7%
27.8%29.1%
0.0%
5.0%
10.0%
15.0%
20.0%
25.0%
30.0%
35.0%
40.0%
0
50,000
100,000
150,000
200,000
250,000
300,000
350,000
400,000
2015年
(平成27年)
2020年
(平成32年)
2025年
(平成37年)
2030年
(平成42年)
2035年
(平成47年)
2040年
(平成52年)
2045年
(平成57年)
523,083
561,916
582,467
596,384 605,525
610,865 612,523 610,486
540,772 538,278 531,244
520,742
507,500
492,036
535,824
549,080
554,133 553,795 549,952
544,250 536,182
525,235
576,918 584,765
586,566 584,475 579,743
572,286
440,000
460,000
480,000
500,000
520,000
540,000
560,000
580,000
600,000
620,000
640,000
2005年
(平成17年)
2010年
(22年)
2015年
(27年)
2020年
(32年)
2025年
(37年)
2030年
(42年)
2035年
(47年)
2040年
(52年)
2045年
(57年)
15~64歳
高齢化率
65歳以上
75歳以上
0~14歳
社人研推計(平成 30年)
社人研推計(平成 25年)
新人口ビジョン
前人口ビジョン
ピーク
国勢調査 ピーク
刊行物番号 30-134
編集 板橋区政策経営部政策企画課
〒173-8501 板橋区板橋二丁目 66番1号
TEL 03-3579-2011 FAX 03-3579-4211
平成 31年 2月発行
板橋区人口ビジョン(平成 31(2019)年1月)