地域コミュニティと 地域自治組織 - toyonaka ·...

25
― 目 次 ― 地域の現状を見てみよう! ………… P.2 「豊中スタイル」の地域自治 ………… P3 地域の取組みと市の支援 ………… P5 地域自治の取組みの気運形成 ………… P.7 地域自治組織の検討・準備 …………… P.8 地域自治組織の認定と活動 …………… P.11 地域づくりの取組み手法 ……………… P.16 地域づくりの取組みを伝える・知らせる P.23 地域コミュニティと 地域自治組織 ガイドブック

Upload: others

Post on 12-Jun-2020

0 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

Page 1: 地域コミュニティと 地域自治組織 - Toyonaka · ・地域自治組織の必要性やあり方を話し合う ・地域で協力して 組む事業の企画、実施 地域自治組織

― 目 次 ―

地域の現状を見てみよう! ………… P.2

「豊中スタイル」の地域自治 ………… P3

地域の取組みと市の支援 ………… P5

地域自治の取組みの気運形成 ………… P.7

地域自治組織の検討・準備 …………… P.8

地域自治組織の認定と活動 …………… P.11

地域づくりの取組み手法 ……………… P.16

地域づくりの取組みを伝える・知らせる P.23

地域コミュニティと

地域自治組織 ガイドブック

Page 2: 地域コミュニティと 地域自治組織 - Toyonaka · ・地域自治組織の必要性やあり方を話し合う ・地域で協力して 組む事業の企画、実施 地域自治組織

地域の現状を見てみよう!

地域では、少子高齢化や地域に関心を持つ住民の減少などを背景とした、さまざまな課題が

生じている一方で、多くの資源があります。

地域活動の声

こんな取組みがあれば!

★ 住民や団体が横につながり、話し合い、課題を共有する場づくり

★ みんなが参加し、みんなで支え、みんなで育む地域づくり、地域組織づくり

★ 各団体が連携して、不足している取組みを補うとともに、負担も軽減

★ タテワリを解消した地域と行政の連携、協働の体制づくり

02 自治会加入率の低下

04 価値観やライフスタイルの多様化

05 新しい課題への対応の限界

06 地域資源の活用

地域には、美しいまちなみや、歴史、様々な技術や

知識をもった住民などたくさんの財産があります。

役員が負担だけど、担い手がいなくて…

地域の活動も減少してきた。

若い人が参加しにくいよ~

いろんな人の意見を聞いてほしい。

03 校区ごとの高齢化率

01 少子高齢化の進行

Page 3: 地域コミュニティと 地域自治組織 - Toyonaka · ・地域自治組織の必要性やあり方を話し合う ・地域で協力して 組む事業の企画、実施 地域自治組織

地域のことを一番よく知る住民が、自分たちの地域の特性に応じて、必要な取組みを

話し合い、協力しながら進める『地域自治』が大切です。

地域自治組織とは

地域には、教育や福祉、防犯など、様々な分野で活動する団体があります。

こうした団体で活動する住民を含めた多くの人々が、それぞれの知恵や力を持ち寄って、

自分たちの地域に必要な取組みを話し合う場を『地域自治組織』といいます。

地域自治組織の範囲は、原則、小学校区程度です。

(活動例)

○住民どうしが話し合う場をつくり、 ○地域の課題を整理して、

地域の目標を決定 必要な活動を企画・実施

○各種団体の活動の支援・調整 ○地域の情報を住民に発信する

○地域を代表して、市と連絡調整

「豊中スタイル」の地域自治

(道路等の不具合を市担当者と相談)

(NPOによるホームページ作成講習会)

(地域の目標を決める意見交流会の様子) (防災訓練の様子)

(地域自治組織が発行している情報誌)

Page 4: 地域コミュニティと 地域自治組織 - Toyonaka · ・地域自治組織の必要性やあり方を話し合う ・地域で協力して 組む事業の企画、実施 地域自治組織

豊中市が大切にしたいこと

地域に住む人が主役

地域の課題を一番よく知っているのは、住民や

地域団体のみなさんです。地域の課題をみんなで

話し合いながら活動することで、よい方向を見つ

けることができると考えています。

市はみなさんの取組みを進めやすいように支援

しながら、みなさんだけでは解決できない課題に

取組みます。

全市一斉の取組みではありません!

この仕組みは、市が全校区に一斉・一律に立ち

上げて下さいと押しつけるものではありません。

地域に住む人や様々な団体のみなさんが中心に

なって、十分に話し合いながら進めるものです。

みなさんのペースで進めることが大切です。

Page 5: 地域コミュニティと 地域自治組織 - Toyonaka · ・地域自治組織の必要性やあり方を話し合う ・地域で協力して 組む事業の企画、実施 地域自治組織

地域の取組みと市の支援

地域の住民や団体が参画

地域自治組織

設立

気運形成段階

地域の主な団体などが参加し、

地域自治のあり方を考える

継続的な

検討の場を設置

検討・準備 段階

初期活動

発展段階

ステップ1

ステップ2

ステップ3

市の支援

普及啓発

説明会・出前講座等の実施

経費負担・物品貸出 ・会合に必要な費用

・印刷物の準備

・機材等の貸し出し

地域担当職員による支援・専門家の派遣

取組みのための

助成金

・検討会に交付 ・最大 30万円

※3年まで

※校区ごとに上限あり ・話しあいや広報など、

検討会の活動に

使えます。

市の認定

地域自治組織への

交付金 ・年間最大300万円

※校区ごとに上限あり ・地域の課題解決の

活動に使えます。

地域づくり活動計画

作成のための助成金

市の施策

への反映

地域の取組み

市主催の説明会・セミナー等への参加

校区単位の説明会・意見交換会

地域自治や地域課題について学んだり

意見交換したりする場の開催

(地域と市の共催)

検討会 主な地域団体の代表者等が参加

・地域の現状や課題の共有と整理 ・地域自治組織の必要性やあり方を話し合う ・地域で協力して取組む事業の企画、実施

地域自治組織

事業計画にもとづいて活動

ワークショップ

ラウンドテーブル 情報発信

アンケート

まちあるき

地域カルテ

地域づくり活動計画 地域の中期的な実施計画

パートナーシップ会議 地域と市の役割分担や連携について

話しあう場

パートナーシップ協定

設立準備組織(発起人会)

地域づくりビジョン 地域の将来像・活動の方向性の明文化

設立総会

Page 6: 地域コミュニティと 地域自治組織 - Toyonaka · ・地域自治組織の必要性やあり方を話し合う ・地域で協力して 組む事業の企画、実施 地域自治組織

上にお示しした進め方は一例です。

みなさんの地域ではどのような進め方がよいか。その話しあいからはじめませんか。

①ラウンドテーブル(井戸端会議)→P.16 立場や年齢等に関わりなく、住民が気軽に参加し話しあう場。

地域の現状や課題、団体の活動は、お互いに知っているようで

意外と知らないもの。井戸端会議のような気軽な雰囲気での

話しあいで、ホンネの意見、素朴な疑問が共有されます。

③ まちあるき→P.17 普段何気なく暮らすまち。住民それぞれに感じている

課題や、お気に入りのスポットなど、意外と意見は

さまざま。まちあるきでは、まちの良いところや悪い

ところ、一人ひとりの感じ方の違いが見えてきます。

特に防災や防犯面からは大切。若い世代に人気のある

取組みです。

③ ワークショップ→P.18、19 さまざまな暮らしのなかで、定期的に住民が集まり話しあうには、

一度の会合に割ける時間は2~3時間が限界。ワークショップでは、

いくつかのテーマごとに分かれて、参加者全員がたくさんの意見を

出しあえます。

④ 地域カルテ→P.22 地域の過去と現在のいろいろな情報を、データや地図、写真で整理したデータ集。

いわば地域の健康診断結果です。

地域で話しあい、現状・課題の共有と 合意づくりを進めるためのメニュー例

地域の新しい組織をみんなでつくる。大切なことですが、たいへんなことです。市は、みなさんの取組みに

寄り添い、地域の状況に応じて一緒に考え、一緒に動き、情報や活動費用などを提供します。

Page 7: 地域コミュニティと 地域自治組織 - Toyonaka · ・地域自治組織の必要性やあり方を話し合う ・地域で協力して 組む事業の企画、実施 地域自治組織

①地域の各団体に、検討会の設立の目的や経緯について説明し、活動に加わってもらい

ましょう。また、住民にも事前に広報し、参加の窓口を開いておくことが大切です。

②検討会の設立に至る経緯が説明できるように、会議や意見交換の記録を残しておきます。

ステップ1 地域自治の取組みの気運形成

説明会・意見交換会、検討会の設立

説明会では、地域担当職員が地域自治の取組みの必要性、期待できる効果など地域の状況にあわせ

て丁寧に説明します。また、意見交換会では、地域の特徴や、各団体の活動内容、課題に感じる点、

地域自治の取組みの可能性などを話しあいます。

多くの人に参加してもらうことで、新しい人材の発見にもつながります。団体の役員・会員のほか、

広く一般住民も参加できるよう、開催日時や場所を設定し、いろいろな方法で呼びかけましょう。

意見交換会等を通じて、地域自治組織の設立に向けて

地域内で活動を進めていく方針が共有されたら、地域で

継続的に話しあう場、検討会をつくりましょう。

決めること

・運営のルール(規約など。ひな型あり)

・活動内容・スケジュール

(どれくらいのスピードで、どんな活動をするのか)

※地域の状況に応じて考えることが必要です。

地域担当職員も打合せに参加して一緒に考えます。

誰が立ち上げるの?

自治会、公民分館、校区福祉委員会など、地域の中核

を担い、地域のことをよく知る団体を中心に、広く参加

を呼びかけて希望する住民にも入ってもらいましょう。

検討会の

イメージの共有 設置目的、活動内容、

スケジュールなど

設立準備 検討会の構成団体、

活動ルール

(できれば規約案)、

役割分担、開催案内

検討会の設立

説明会 地域自治のしくみや

取組みの必要性につ

いて、理解を深める

意見交換会 地域の課題や地域自

治の取組みの可能性

について話しあう

実施方法

・地域自治の説明会・意見交換会として場を設定する

・団体の定例会議の中で時間を設定して開催する

参加の呼びかけ

・チラシの配布や回覧、ポスターの掲示

(印刷経費は市が負担します)

・各団体の会報等に掲載

Page 8: 地域コミュニティと 地域自治組織 - Toyonaka · ・地域自治組織の必要性やあり方を話し合う ・地域で協力して 組む事業の企画、実施 地域自治組織

ステップ2 地域自治組織の検討・準備

検討会の活動

検討会は、地域に必要な事業やふさわしい組織や運営の仕組みについて検討するため、できるだ

け多くの住民の意見を聞く機会を設けることが求められます。多くの住民や地域団体が協力・連携

して地域を良くしていくためには、「こんなまちにしたい」という地域の将来への思いを出しあい、

共通の目標として共有することが大切です。

検討会の設立準備~設立当初は、市が経費を負担し、物品の貸し出しなどの支援をします。

検討会の運営ルールや活動計画・予算等をつくり、市の助成金(下記)を活用すれば、より自由度

の高い取組みが可能になります。

主な活動内容

① 地域自治についての学習会 ② 地域の課題の解決や地域自治組織の形成のための話しあい

地域住民が対等な立場で話しあう場(ラウンドテーブル、ワークショップ)を持ち、

現状・課題を共有。すぐに取り組めそうな事業があれば、検討会で実施していくことで、

取組みの必要性のアピールにもつながります。 ③ 地域の現状や課題の調査・整理

住民の意見やニーズ、地域の資源や特性・課題を調査し、把握する活動

(まちあるき、アンケート調査、インタビュー調査、地域カルテの作成) ④ 地域の将来像づくり(地域づくりビジョンの作成)

地域の将来像や地域づくりの方向性について、住民が話しあい、共有する活動

⑤ 地域住民への情報発信

活動の内容や経過の発信(広報紙の発行、ホームページの作成)

①事務局の設置

会議や事業の準備・記録等、検討会の運営をスムーズ

に行うには、事務局の設置が効果的です。

役員以外の事務担当者や意見交換会の参加者などか

ら人材を見つけてお願いできれば、無理なく活動でき

ます。

②事業や会議の結果の公開

検討会の透明性を確保するため、取組みの進み具

合いや予定、話しあいの結果などは、できるだけ多

くの住民に知らせましょう。(23ページ参照)

資料や記録は、誰でも見られるようにしましょう。

地域自治助成金

① 申込みができる団体の要件

・概ね小学校区を活動の範囲としていること

・全住民を対象として、地域コミュニティの活性

化または地域自治組織の形成に向けた取り組み

を行うこと

・地域自治の原則(5ページ参照)に即した規約

が定められていること

② 助成の対象となる活動

検討会の活動

(市の他の補助金の対象事業などは除く)

③ 申込みに必要な書類

申込書、活動計画書・予算書、検討会の規約、

役員名簿など

④ 助成額・助成回数

最大30万円(校区の人口等による上限あり)。

1団体につき1回(3 回に分けて申込み可)

Page 9: 地域コミュニティと 地域自治組織 - Toyonaka · ・地域自治組織の必要性やあり方を話し合う ・地域で協力して 組む事業の企画、実施 地域自治組織

ステップ2 地域自治組織の検討・準備

地域づくりビジョン

「地域づくりビジョン」は、地域の将来像や活動の方向性を示すものです。活動において、

ラウンドテーブル、ワークショップ、まちあるき、アンケート調査など、多様な手段を使って

地域の将来像や地域づくりの方向がかたち作られてきます。

その理念や方向性、そしてそれぞれを実現させるための行動原則を「地域づくりビジョン」と

して明文化し、みんなで共有し、地域自治組織の設立に向けて気運を高めていきましょう。

また、組織設立にあたっては、このビジョンを設立趣意書や規約に盛り込んでいきましょう。

地域づくりビジョン(地域の将来像)案完成

地域自治組織設立趣意書や規約に反映

◇ビジョン作成の手順例◇

住民全体による検討

検討会等での準備・調整

ワークショップ ① 地域課題と地域活動の方向性

まちあるき 地域課題の発見、認識共有

ワークショップ ② ビジョン具体化の検討

地域づくりフォーラム ビジョンの検討・確認

住民アンケート 実態把握・住民の意向調査

ビジョン作成の進め方の決定 手順とスケジュール

まちあるきの進め方 テーマ設定・コース・プログラム

住民アンケートの進め方 内容、配布・回収方法

ビジョン具体化の方針整理 アンケート結果の整理・分析

ビジョンの素案作成 連携と役割分担による具体化の方向性

Page 10: 地域コミュニティと 地域自治組織 - Toyonaka · ・地域自治組織の必要性やあり方を話し合う ・地域で協力して 組む事業の企画、実施 地域自治組織

設立準備として、地域自治組織と各団体との関係の整理や調整、規約と活動計画、予算案の

作成などを進めていきます。形式的な要件を整えるだけでなく、「地域自治組織を作る目的は

何なのか、どんな活動をするのか」を、住民や地域の各団体が時間をかけて話しあい、しっか

りと共有しておくことが重要です。

① 組織の形

地域の全住民で組織します。公共性の高い取組みを実現するには、透明で民主的な意思決定を

行える仕組みと、課題解決に向け迅速に活動する仕組みの両立が必要です。活動テーマは多岐に

わたるので、効率的な運営のために部会を設置することも考えられます。

部会の編成は、活動テーマごと(福祉、子育て、環境、広報など)に各団体が参画する方法と、

活動団体ごとに部会を結成する方法があります。新たな担い手を呼び込む工夫や、重複する活動

を調整するなどで負担を減らし、活動を広げていきましょう。

〔運営体制(例)〕

② 規約

地域自治組織の役割、十分な話しあいによる

意思決定の仕組み、活動内容等などを明らかに

するために必要不可欠です。

市のひな型をもとに、地域の実情にあわせて

作成してください。

③ 活動の計画と予算案

地域づくりビジョン(9ページ参照)の実現に向けて行う事業の、年度毎の実施計画です。

初年度は設立総会で承認を受けます。

④ 設立総会

検討会のメンバーが発起人となって開催し、地域自治組織の設立について承認を得、規約や

地域づくりビジョン、初年度の活動計画・予算案の議決を得ます。

設立総会の開催日時や議事内容、結果についての情報は、広く住民に知らせましょう。

地域自治組織の設立準備

意思決定

活動

運営委員会 事務局

総 会

□□部会

監事

△△部会 ○○部会

〔 規約の内容 〕

・組織の名称、事務所の位置

・目的、活動内容、範囲(原則小学校区)

・組織体制(全住民で組織すること)

・住民の自主性の尊重

・意思決定や会計に関すること

・規約の変更に関すること など

〔 主な役割 〕

総会

役員、事業計画・予算・事業報告・決算の

承認、運営に関する重要事項の決定

運営委員会

事業計画・予算・事業報告・決算の協議、

事業の実施・組織の運営に関する事項、

部会の設置

部会 事業計画に基づく事業の企画・実施

Page 11: 地域コミュニティと 地域自治組織 - Toyonaka · ・地域自治組織の必要性やあり方を話し合う ・地域で協力して 組む事業の企画、実施 地域自治組織

ステップ3 地域自治組織の認定と活動

地域自治組織の認定

地域自治組織は、設立総会で設立の承認を受けることで活動を開始できます。

さらに、市の認定を受けると、活動経費の助成を受けたり、地域課題の解決に向けて市との

協議の場を持ったりすることが可能になります。

申込みに必要な書類

申込書、規約、役員名簿、活動計画書・予算書、

地域の将来像の共有に至る経過(検討会の取組み記録)など

認定時の確認事項

(1) 組織の形成過程について

【確認項目】*住民の誰もが自由に参加・発言できる場をつくり、その内容を踏まえた

民主的な議論がされたか、また、その過程が全住民に公開されているか

*取組みに参加しない人の意見を聴く工夫や参加の機会が保障されたか

*地域の将来像の作成や、それを共有する取組みがされたか

(2) 組織の範囲について(原則小学校区)

【確認項目】*活動の区域が規約に明記されているか

(3) 組織の活動について

【確認項目】*全住民を対象として、地域コミュニティの活動の総合的な調整や、地域

課題の解決に向けた取り組みを行う組織であること。

*地域の特性やこれまでの活動を活かした取組みがされるか

(4) 組織の構成・運営について

【確認項目】*地域の全住民で組織し、地域自治の原則に沿った運営を行うことを規定し

た規約を定めているか

地域自治組織活動交付金

① 助成の対象となる事業等

地域コミュニティの活性化や、地域の課題解決

に向けて、地域自治組織が自ら実施する活動

【助成の対象外】

・市の他の補助金等の対象となる事業

・すでに独自の財源で実施している事業と同一

の内容・対象者・実施方法で行う事業

② 申込みができる団体

市長の認定を受けた地域自治組織

③ 申込みに必要な書類

申込書、活動計画書・予算書など

④ 助成額・助成回数

最大 300万円(校区の人口等により上限あり)。

活動計画書と予算書に基づき金額を決定。

毎年度 1回申込み。

Page 12: 地域コミュニティと 地域自治組織 - Toyonaka · ・地域自治組織の必要性やあり方を話し合う ・地域で協力して 組む事業の企画、実施 地域自治組織

ステップ3 地域自治組織の認定と活動

地域自治組織の活動

地域自治組織の取組みのうち、特に重要な役割を持つのが、地域のつながりを強める

「連携の強化」と、地域の新しい「課題の解決」を目的とする活動です。

これまでにない新しい取組みは、必要性を主張するだけで進められるものではなく、

「やってみよう」という気運も大切な要素です。地域に応じた進め方を考えてみましょう。

地域自治組織の活動例

① 地域住民の意見・ニーズの把握、地域活動への参加促進

住民や団体が対等な立場で話し合う場を持つこと、地域の課題や特性の把握、住民の

参加のきっかけづくりなど。(ラウンドテーブル、まちあるき、ワークショップ、アン

ケート調査、地域カルテ作成) ② 地域情報の発信・共有

地域に関わる情報や地域自治組織の取組み経過などを、住民の誰もが知ることができ

るようにする。(情報誌・ホームページ・ちらしの作成、会議録等の公開など) ③ 連携の強化(地域コミュニティの活動の総合的な調整)

各団体の活動や事業の改善・充実、相互の協力・連携・支援の体制づくり。

④ 課題の解決(地域コミュニティの活性化・課題解決に向けた事業の企画・実施)

安全・安心、子育て、福祉、環境、文化など、地域全体で取組む事業の企画・実施 ⑤ 地域づくり活動計画の作成・実施・更新

⑥ 市との連絡調整・協働事業の実施

地域課題に関する連絡調整や協議、協働での事業の実施など。

地域の課題、住民ニーズ、

各団体の活動状況の

把握・整理

徐々に新組織の事業を具体化。 体制、事業を充実

部会の発足等による役割分担の

決定、新規事業の取組みの開始など

課題解決に有効な連携のしくみ・取組みの内容を

重点的に話し合う

◇モデル地域・他市の活動例◇

・各団体の情報誌を合同発行して、資金と人の負担が軽減。

・親睦行事(祭り等)の実行委員会を合併・常設化し、会議数減、引継ぎがスムーズに。

・参加者の重なる事業の合同開催で負担が軽減。参加者やボランティアも増加。

・各団体個別ではなく、校区単位で自主防災活動を開始。

・ラウンドテーブルの定期開催により、顔見知りの関係づくり、新しい担い手の発見。

・自治会加入や、各団体事業への参加の呼びかけを校区全体で実施。

Page 13: 地域コミュニティと 地域自治組織 - Toyonaka · ・地域自治組織の必要性やあり方を話し合う ・地域で協力して 組む事業の企画、実施 地域自治組織

ステップ3 地域自治組織の認定と活動

地域づくり活動計画

地域づくり活動計画策定助成金

①助成の対象となる事業

地域づくり活動計画の策定に必要な事業

②申込みができる団体

市長の認定を受けた地域自治組織

地域づくりビジョンを実現するために、取組みの優先順位や実施時期、地域内の役割分

担などを明らかにする、地域自治組織の中期的な実行計画です。住民の総意を反映したも

のにすることはもちろん、他の団体や行政と役割分担して取組む活動についても話しあい、

盛り込むことが必要です。

計画の作成自体も地域づくりの一環と考えて、状況を住民に周知しながら進めましょう。

計画の内容

地域づくりビジョン(地域の将来像)の実現に向けての計画内容や期間を書き込みます。

▼どんな事業を行うか 事業の目的、内容、実施方法、回数など

▼誰が行うか 地域自治組織、NPO、住民、事業者、行政、協働で行うなど

▼実施時期 中期(3~5年)、短期(1~3年)、今すぐに実施など

▼費用 地域自治組織で負担、既存団体と連携、行政と分担するなど

パートナーシップ会議

地域づくり活動計画の内容など、重要な地域の課題について、市長の認定を受けた地域

自治組織と市が情報を共有し、課題の解決に向けて協議するために開催する会議です。

協議の結果に基づいて、地域と市が協力・連携・協働しながら、課題解決に取組みます。

その際に、必要に応じて、相互の役割や責務等を定めるパートナーシップ協定を締結する

ことができます。

③申込みに必要な書類

申込書、活動計画書・予算書など

④助成額・助成回数

上限20万円。

1組織につき1回(3回に分けて申込み可)

住民を交えての

意見交換

とりまとめ

市との調整

地域自治組織内で

合意形成

完成

作成手順 ①ラウンドテーブル、ワークショップやアンケート、まちある

き等で、多くの住民から取組みの提案や意見を得る。

②意見をもとに、実現性を重視しながら計画案を作成する。

この時点で、市の施策や事業計画と食い違いのないよう、市

の関係部署と話しあい、内容を調整する。

(地域担当職員が窓口になり、調整します。)

③計画案を地域の総意とするため、住民に広く周知して意見を

聞いたうえで合意形成し、計画を完成させる。

Page 14: 地域コミュニティと 地域自治組織 - Toyonaka · ・地域自治組織の必要性やあり方を話し合う ・地域で協力して 組む事業の企画、実施 地域自治組織

地域自治組織は、地域に1つの全住民で構成する住民による自治組織ですから、設立に向けた

取組みや設立後の運営に関する合意形成・意思決定は、地域自治の原則(5ページ)にある民主

性の原則に立って行う必要があります。

下記のように、合意形成・意思決定の仕組み(手順)をきちんとルール化し、地域で共有して

おきましょう。また、定常的に合意形成・意思決定することと、じっくり議論することを区別し、

合意形成の手順を分けておくとよいでしょう。

▼合意形成・意思決定の基本ルール

意思決定の方法についての合意形成

案件に関する情報の共有

•案件に関する分かりやすい情報が、全住民に行きわたること

•いつでも、誰でもその情報を知ることができること

透明性の確保

民主的な議論の場の確保

•開かれた場での民主的な議論の場が用意されていること

•全住民が案件に対して意見を言うことができること

住民の意思を十分に反映

地域の合意形成・意思決定の進め方

・事前に意思決定のルールが合意されていること。

・会議における意思決定の方法(多数決、全員合意など)は、組織の規約に定めておく

こと。

・多数決になじまない案件があることを理解すること。(人権に関わる案件や少数者の

みに関わる案件など。)

・意思決定の過程(話し合いがどこまで進んでいるか、誰がいつ決めたかなど)が公開

されていること。

・案件の重要度に応じて合意形成、意思決定の手法を工夫すること。(住民アンケート

実施、フォーラム開催、パブリックコメント実施など。)

・人権に関わる案件や少数者のみに関わる案件は、ほとんどの場合、多数決で決すべ

きではないこと。(当事者の声を第一に考える。)

Page 15: 地域コミュニティと 地域自治組織 - Toyonaka · ・地域自治組織の必要性やあり方を話し合う ・地域で協力して 組む事業の企画、実施 地域自治組織

▼定常的に合意形成・意思決定する事案

▼じっくり議論すべき事案

※地域自治システム調査検討報告(地域自治システム調査検討委員会発行)をもとに整理

◎予算、決算の承認

◎事業計画・予算の作成および評価

◎組織運営の担い手の選任

◎定期・定例の案件

補助金・助成金の配分、活動内容とスケジュールの決定、部会活動の承認、

部会活動の企画・実施・報告・調整など

具体例

運営委員会、役員会などで合意形成・意思決定することができる

よう、ルール化し、地域共有しておく。

手段

◎地域づくりビジョンの作成 ◎地域づくり活動計画の作成

◎優先するプロジェクトの選定 ◎規模の大きな事業の立上げ

◎負債を負う可能性のある事業展開 ◎規約の改廃

◎大規模公共事業等に関する意見、要望、提案

地域自治組織全体の目的である地域づくりビジョン、地域づくり活動計

画の他、事業規模が大きかったり意見が対立したりする可能性がある案件

や、地域に相反する利害がもたらされる可能性がある案件。

具体例

運営委員会、役員会だけでなく、広く住民の意見を反映できる

取組み(ラウンドテーブル、ワークショップ、アンケート等)を行う。

手段

地域の合意形成・意思決定の進め方

Page 16: 地域コミュニティと 地域自治組織 - Toyonaka · ・地域自治組織の必要性やあり方を話し合う ・地域で協力して 組む事業の企画、実施 地域自治組織

② 会場づくり

「自由な立場で自由な発想で、何より地域への愛を込めて、生活者視点から」が共有したい

考え方。お互いの顔が見えて、上下関係なく話せるのは、囲み型のテーブル配置です。

③ プログラムづくり

地域のあり方や地域活動のあり方を考える会議であれば、それまでの経過をふまえた話しあいと

なります。全体を2時間とすれば、初めと終わりの合計30分から1時間ぐらいは経過報告や、近々

のイベントの企画などの時間にあて、残りの1時間から1.5時間程度をラウンドテーブルとすれば、

地域の今とこれからを参加者でしっかりと共有できるのではないでしょうか。

地域づくりの取組み手法

ラウンドテーブル(井戸端会議)

① 参加者への呼びかけ

まず、大切なのは多数方に参加してもらうこと。経過や

テーマをチラシなどでわかりやすく伝え、気軽に参加できる

雰囲気を地域全体に広めたいものです。

ただ、企画側の想いを書面だけで伝えることは難しいもの

です。フェイス・トゥー・フェイスの場づくりが目的ですか

ら、参加の呼びかけも、「このテーマなら○○さんに。○○さ

んも最近引っ越してきたばかりだけど、関心がありそう。」な

ど、名前を挙げながら、直接声をかけてみることが効果的で

す。

ラウンドテーブルとは、立場や年齢等に関わりなく、住民が気軽に参加し話し合う場の事

です。日頃何気なく感じていること、こんな風にしたらいいな等、たくさんの住民が気軽に

話し合い、アイデアを出し合うためのものです。

Page 17: 地域コミュニティと 地域自治組織 - Toyonaka · ・地域自治組織の必要性やあり方を話し合う ・地域で協力して 組む事業の企画、実施 地域自治組織

私たちが住む普段見慣れたまちでも、案外気づいていないことが多くあります。

まちあるきは、「発見」「探検」「ほっとけん」とも言われるように、子どもから大人まで、知って

いるようで知らない日々の地域の課題や、まちの宝物などに気づくよいきっかけづくりになりま

す。

① 企画のポイント

屋外を歩きますから、気候と天候への配慮が必要です。真夏や真冬、梅雨時は避けましょう。

子どもさんからお年寄りまで参加したくなるよう、参加できるように工夫しましょう。

多数の多様な視点で見て歩くと、自然といろいろなことが気になり、話題になります。

さらに踏みこんだ内容とするには、ガイド役がいると盛り上がります。地域の歴史をわかりやす

く話すことのできる人、植物に詳しい人、見守り活動をしている人、学校や商店街、さまざまな

施設で現地を案内してくれる人などです。

企画メンバーは、必要な時間も考慮しながら、事前に実際に歩いてみるとよいでしょう。

地域を見る視点はグループごとに話しあうことが大切です。ちょっとした楽しみと組み合わせ

るとファミリーでも参加しやすくなります。

② 準備物とプログラム例

準備物は、「拡声器」「拡大地図」「画板」「名札」「ふせん」「模造紙」「マーカー」など。

プログラムは、歩く時間を1.5~2時間、全体で2~3時間とし、ルートをグループごとにわけ

れば、地域全体をまわり、気づいた意見を、地図上にまとめることができます。

意見をまとめるときは、ルートを振り返りながら、順に整理し、最後に全体の感想をまとめれ

ば効率的です。

〔 まちあるきプログラム例(2.5 時間構成)〕

13:30~ オリエンテーション

・取組み経過、主旨

・グループとルートの紹介

・グループ内の自己紹介、役割分担

13:50~ まちあるき

・リーダーによるポイントでの説明

・現地での意見交換

・グループでのルート、意見の整理

15:20~ 全体共有

・各グループからの発表

・全体での意見交換

・以降の取組み予定

地域づくりの取組み手法

まちあるき

Page 18: 地域コミュニティと 地域自治組織 - Toyonaka · ・地域自治組織の必要性やあり方を話し合う ・地域で協力して 組む事業の企画、実施 地域自治組織

地域づくりの取組み手法

ワークショップ

ワークショップでは、いくつかのテーマごとに分かれて、参加者全員が様々な意見を出し合え

ます。たくさんの参加者がお互いに意見交換する中で、言いっぱなし聞きっぱなしにならないよ

うに、プロセスと効果をまとめていきます。

① 会場づくり

会議の時間が2時間で、参加者が40人なら、全員が話せば一人あたりの持ち時間は3分。

でも、2つのグループにわければ、6分。4つにわければ12分話すことができます。

ひとつのグループで話しやすい、盛り上がりやすいのは5~10人程度です。

参加人数に応じて小さな島状のテーブルをつくりましょう。

②プログラムづくり

参加者が各グループにわかれても、全参加者の意見は知りたいもの。

そこで、グループワークショップ手法を取り入れる場合でも、最初と最後の時間帯は全体での

進行になります。最初の時間帯は、ワークショップで話しあう課題についての現状や条件の共有、

最後の時間帯は、各グループで話しあった内容の全体での共有などに使います。

重役型会議形式

ワークショップ型会議形式

ラウンドテーブル型会議形式

〔 ワークショッププログラム例(2 時間構成)〕

スタート オリエンテーション

(20分) ・取組み経過、主旨

・地域の現状、課題

・検討テーマの設定

(60分) グループワークショップ

・自己紹介

・ふせんに意見記入

・意見整理、グループ内のとりまとめ

(40分) 全体共有

・各グループからの発表

・全体での意見交換

・以降の取組み予定

Page 19: 地域コミュニティと 地域自治組織 - Toyonaka · ・地域自治組織の必要性やあり方を話し合う ・地域で協力して 組む事業の企画、実施 地域自治組織

地域づくりの取組み手法

ワークショップ

③ 気軽に話し合うための小道具の準備

お互いを知るための「名札」や「自己紹介シート」、意見を出しあい、整理しやすくするための

「ふせん(ポストイット)」、意見を見やすく整理するための「模造紙」や「マーカー(裏写りしない

水性マジック)」などがあると便利です。

④ KJ 法(ケイジェイホウ)

ワークショップの目的は、たくさんの人から

多くの意見を引き出すことと、その整理。

難しく感じるかもしれませんが、うまく行けば

地域づくりの多様な可能性が実感できます。

先入観なくアイデアを出しあい、たくさんの

アイデアを手際よく整理するにはKJ法が

おすすめです。

⑤ 情報提供者と進行・記録係(ファシリテーター)

目的を決めて話しあいを進め、その結果を整理するには、「情報提供」と「まとめる作業」が必要

です。たとえば、子育て支援のことをテーマにするには、地域の子どもの数や子育て中の世帯が

困っている課題、学校や幼稚園、保育園、行政の支援内容等の情報が欠かせません。テーマによって

は、それらの情報を提供する方が必要です。

また、意見を書きとめる、同様の意見を整理し、参加者の関心に応じて話しあいの手順を決めるこ

とは、相互に話しあいながら進めることも可能ですが、意見を整理する進行役がいた方がスムーズに

進めることができます。

〔 KJ 法の実施例 〕

① 各自ふせんに意見を記入

(*)一枚にひとつの意見を簡潔に

(*)見やすいようにサインペンなどで記入

② 一人がふせんを模造紙に出し、意見を紹介

③ 似通った、意見のある人はふせんを模造紙に

差し出し、意見を紹介

④ ②~③を繰り返す

⑤ 似通った意見ごとに小見出しをつける

ふせん

模造紙

マーカー 自己紹介シート

進行・記録係

Page 20: 地域コミュニティと 地域自治組織 - Toyonaka · ・地域自治組織の必要性やあり方を話し合う ・地域で協力して 組む事業の企画、実施 地域自治組織

地域づくりの取組み手法

アンケート調査

地域づくりには、地域住民みんなの意見を反映させたい。ラウンドテーブルやワークショップ

を企画しても、参加できない人もいる。そんな問題を解消するには、企画側の都合によらず、参

加者側の都合で意見が言える方法として、アンケートが有効です。地域のどのくらいの人の意見

なのか数量化することができることも、アンケートの特徴です。

① アンケート実施にあたってのポイント

アンケートの目的は、たくさんの方の意見を集め、地域全体の意向を把握することです。まず、

内容はできるだけ簡潔にし、回収率を高めましょう。また、取組みの経過を知らない人でも答え

られるように、できるだけ具体的な内容とすることも大切です。

次に大切なのは誰がどのように、届け、回収するかです。人の手で届ける、一言依頼文を添え

るなどしましょう。企画する方も大変ですが、回答する方にも手間がかかることをお忘れなく。

② アンケート用紙の作成

質問をつくるときは、得られた回答をどのように活用するのか予め考えておく必要があります。

意見を聞くのか、賛否を問うのかを明確にし、個人情報にも配慮しなければいけません。

③ 配布回収

アンケートの配布回収はたいへんな作業です。みんなで手分けして実施しましょう。また、配

布回収時には、アンケートに書かれていない貴重な意見が得られたりします。それらも大事な意

見として、集約するようにしましょう。

④ 入力、集計、分析、報告

できるだけ早く集約し、地域に還元しましょう。賛否の割合など数字は正確に、記述意見は分

類した上で、緊急を要する意見には素早く対応するなど、大切に扱うことで信頼づくりにつなが

ります。

アンケートへの協力

依頼文

(依頼内容、回収方法、期限)

アンケート用紙 例

・○○小学校区での新しい地域づくりに向けた取組み

を知っていましたか?

・ 新しい地域自治組織は必要だと思いますか?

・ ラウンドテーブルやワークショップに参加しまし

たか?開催を知っていましたか?

・ 地域や地域活動の課題は何だと思いますか?

・ 今後、扱ってほしいテーマを教えてください

取組み経過の

紹介

Page 21: 地域コミュニティと 地域自治組織 - Toyonaka · ・地域自治組織の必要性やあり方を話し合う ・地域で協力して 組む事業の企画、実施 地域自治組織

インタビュー調査とは、会合などに来られないなら、こちらから行ってしまおうというも

のです。たとえば、未就学児の子育て層世帯の意見が聞けないというなら、公園や保育園の

イベントなど、対象となる人たちの集まる場所に出向けば話し合うことができます。

アンケート、インタビュー調査、それぞれの特徴を知り、目的に応じて複数の手法を組み

合わせることが有効です。

①アンケート調査を補足するインタビュー調査

アンケート調査で得られた意見の詳細を把握するための調査。回答が抽象的で意図がわからな

い、アンケートの意図が十分に伝わっていない、取組みに賛同しておらず、そのまま取組みを進

めると地域の中に亀裂が生じる恐れがあるなどの場合に有効です。

② アンケート調査では意見の得られない人へのインタビュー調査

地域コミュニティの構成員は多様です。地域住民の活動や意向のみで地域の暮らしが成り立っ

ているわけではありません。駅前や商業地、業務地などでは来街者の意向が、高校などがある地

域では生徒や学校の活動が重要な要素になります。

また、街頭でのインタビュー調査も有効です。散歩している人に道路環境のあり方を尋ねる、

公園で遊んでいる子どもに公園の使い勝手や安全性を尋ねるなどの場合は、利用者として実感の

伴った回答が得られます。

③ まちあるきと組み合わせたインタビュー調査

まちあるきは、地域をよく知る人の先導のもと、多種多様な視点でまちを見て、わがまちの環

境を見直すきっかけとなります。そこに、訪問先でのインタビューを組み込めば、さらに一歩踏

み込んで地域のことを考えるきっかけとなり、新たな交流が生まれることが期待できます。

人に話しかけることは簡単なことではありませんが、対話なくして地域づくりへの行動は始ま

りません。インタビュー調査をイベント的に組み込むことで、日常的なまちのワンシーンから、

ラウンドテーブルやワークショップなどの場まで交流の輪を広めましょう。

地域づくりの取組み手法

インタビュー調査

Page 22: 地域コミュニティと 地域自治組織 - Toyonaka · ・地域自治組織の必要性やあり方を話し合う ・地域で協力して 組む事業の企画、実施 地域自治組織

地域の未来を考えるには、地域を診断する、つまり、現在を知らなければいけません。診断に

は診察が必要で、さまざまな診察にもとづく診断結果を積み重ねたものが地域カルテ。内容は、

地域の過去と現在のいろいろな情報を、データや地図、写真等で整理したデータ集となります。

完成した地域カルテを多くの人に見てもらい、地域のすがたを知ること、伝えることも

大事ですが、作成する時の調査やとりまとめの作業などからも、意外な発見や新しいつなが

りができ、地域への愛着が生まれてきます。地域カルテづくり自体も 1 つのイベントとして、

できるだけ多くの人を巻き込む工夫をしましょう。

地域づくりの取組み手法

地域カルテ作成

地域カルテとして活用できる情報

地図 区域図、詳細地図、古地図

施設の立地図、公園位置図

小学校区単位の

統計データ

(市提供)

人口、世帯数、年齢階層別人口

外国人人口、高齢者一人世帯数

自治会加入者数・加入率

学校・幼稚園・保育園の人数

放課後子どもクラブ児童数

事故、犯罪発生件数

施設 施設一覧、施設の利用方法

社会活動 活動団体と活動内容一覧

災害履歴 災害発生履歴図

写真 新旧の地域の写真

意見集 アンケート結果

ラウンドテーブル、ワークショップ、

まちあるき結果

調査方法例

・地域団体の活動状況がわかる資料や、これま

でに各団体がおこなった調査の結果など入

手、情報の聞き取り

・行政機関への問い合わせ

・まちあるき等で住民に地域の歴史を聞く

・古い写真や昔話の募集

小学校区単位の統計の活用

地域カルテの作成に必要な地域情報のうち、

市が把握している、人口、高齢化率、子ども率

や産業、住宅の形態などの統計データは、市が

小学校区単位でとりまとめ、地域に提供します。

豊中市全体の状況と自分の地域の数値を比べ

ることで、自分のまちは(他地域と比べて)ど

んなところが良いのか、不安な点はどこなのか

が見えてきます。

Page 23: 地域コミュニティと 地域自治組織 - Toyonaka · ・地域自治組織の必要性やあり方を話し合う ・地域で協力して 組む事業の企画、実施 地域自治組織

地域づくりで大切なのはみんなの関心、みんなの参加。コミュニケーションです。

取組みを知ってもらわなければ、何も始まりません。

コミュニケーションを広める手段が広報で、その目的は「情報共有」「周知」「意見収集」です。

①情報共有

「不参加」=「関心が低い」「関心がない」とは限りません。

会合に参加できなかった人と活動経過を共有しましょう。情報弱者をつくってはいけません。

情報を届けることでつながり、一体感が保たれます。

②周知

知らせることこそコミュニケーションの第一歩です。タイミングがあえば参加する人、関心の

高いコトバを目にすれば関心の高まる人がいることを忘れずに。地域づくりには多少のお節介も

必要です。広報誌などのアナログ媒体、電子メールやホームページなどの電子媒体を関係者で協

力して活用しましょう。いつの時代も、最も効果の高い媒体は人を介した口コミです。

③意見収集

投げかけなければ返事はありません。広報は意見収集の初めの一歩です。

広報に双方向性を持たせるためには、連絡先を記載する、ご意見欄を設ける、電子メールでの

窓口を設ける、窓口となる拠点を設けるなどの方法があります。

地域で広報誌を発行

地域づくりの取組みを伝える・知らせる

広報・情報発信

Page 24: 地域コミュニティと 地域自治組織 - Toyonaka · ・地域自治組織の必要性やあり方を話し合う ・地域で協力して 組む事業の企画、実施 地域自治組織

地域づくりの取組みを伝える・知らせる

広報・情報発信

ホームページは素早く、

いつまでも周知できるツール

参加してほしい住民に訴える

わかりやすく楽しい紙面

周知と報告を兼ねた広報紙

表紙に概要、中面に詳細

Page 25: 地域コミュニティと 地域自治組織 - Toyonaka · ・地域自治組織の必要性やあり方を話し合う ・地域で協力して 組む事業の企画、実施 地域自治組織

あなたの、

みんなのご注文

職員が出前で

お届けします。

地域づくりの

ご相談はお気軽に! 地域担当職員が対応します!

地域自治には関心があるけど、どうすすめ

ていいかわからない…。そんなときはお気軽

にご相談ください。

「地域ごとの状況に応じた柔軟な取組み」

こそ、豊中スタイルの核心。あなたの地域に

あった取組みを一緒に考えましょう!

これまでの地域コミュニティの活性化に向けた取組みの経過 平成19年(2007年)4月 自治基本条例の施行

平成21年(2009年)3月 コミュニティ基本方針の策定

平成21~22年(2009~2010年)度 地域自治システム調査検討

平成23年(2011年)度 地域担当職員の配置、地域自治の取組みのモデル実施

平成24年(2012年)度 地域自治推進条例の施行、各種制度の創設

出前講座で説明します!

豊中市では、今後の活動のヒントにしてい

ただくための講座を随時行なっています。

集会の前後や行事の1つとして開催するな

ど、みなさんのご都合にあわせて、職員がい

つでも、どこにでも説明に伺います。

コミュニティ政策課(下記)まで、お気軽

にご相談ください。

豊中スタイルの「地域自治」 あなたの地域は、行事や子どもの安全、防犯など普段の

生活に関わることや、災害などもしもの備えについて、ど

のように話し合っていますか?地域に必要なことを地域の

皆さんや団体の皆さんで考えて実行していくための「地域

自治」の仕組みと市の支援をご紹介します。

*** 地域コミュニティと地域自治組織 ガイドブック *** 平成 29年(2017年)3月発行

豊中市 市民協働部 コミュニティ政策課 〒561-8501大阪府豊中市中桜塚 3-1-1(第一庁舎 5階)

電話:(06)6858-2727 ファクス:(06)6846-6003 電子メール:[email protected]

ホームページ http://www.city.toyonaka.osaka.jp/machi/npo/index.html