地域活動インターンシップ 体験レポート...- 1 - 平成20年度行政パートナー...

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平成21年5月発行 平成20年度行政パートナー 地域活動インターンシップ 体験レポート No.1 NPO法人 ちばMDエコネット 今泉 正博 No.2 丸山サンクチュアリ No.3 金杉谷津田の会 No.4 八木が谷北市民の森を育む会 木下 可知 志一 舟岡 昭郎 No.6 NPO法人 ロンの家福祉会 No.5 ESO大穴小ボランティア 山口 芳夫 中村 親之 発行・監修 船橋市 企画部 市民協働課 No.7 NPO法人 千葉なのはなSITA No.8 船橋市応急手当普及員会 寺園 道雄 大門 房子

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Page 1: 地域活動インターンシップ 体験レポート...- 1 - 平成20年度行政パートナー 地域活動インターンシップ体験レポートの発行にあたって 1.発行の趣旨

平成21年5月発行

平成20年度行政パートナー

地域活動インターンシップ

体験レポート

No.1 NPO法人 ちばMDエコネット 今泉 正博

No.2 丸山サンクチュアリ

No.3 金杉谷津田の会

No.4 八木が谷北市民の森を育む会

木下 肇

可知 志一

舟岡 昭郎

No.6 NPO法人 ロンの家福祉会

No.5 ESO大穴小ボランティア 山口 芳夫

中村 親之

発行・監修 船橋市 企画部 市民協働課

No.7 NPO法人 千葉なのはなSITA

No.8 船橋市応急手当普及員会

寺園 道雄

大門 房子

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平成20年度行政パートナー

地域活動インターンシップ体験レポートの発行にあたって

1.発行の趣旨

平成21年1月に開催した「地域活動インターンシップ『出会いフォーラム』~大事

にしませんか 地域とのつながり~」に、平成20年度行政パートナーが参加し、各団

体の活動状況を市民の皆様にお伝えするとともに、市民ボランティアの視点から、地域

おける市民活動の意義や各市民活動団体が抱えている課題などについて、レポートして

います。

また併せて、平成20年10月に開催した「市民活動キッカケ見学講座」にご協力い

ただいた、市民活動団体の活動状況についても同様にお伝えしています。

地域で行われている市民活動に興味があり、これから何か始めたいと考えている方に

お読みいただき、市民活動参加に向けた第一歩を踏み出すキッカケになれば幸いです。

2.行政パートナーとは

行政パートナー制度は、市民協働という視点にたち、市民と市職員とのパートナーシ

ップに基づく活動を通じて、市民のみなさまの持つ創意と意欲をまちづくりに活かすこ

とを目的に、平成18年度に導入された制度で、これまで述べ20名の方々が行政パー

トナーとして登録・活動しています。

「これから市民活動を始めようとする方のための相談窓口」の開設・運営や、「市民活

動キッカケ見学講座」の企画・運営など、市民協働課職員とともに様々な活動を展開し

ています。

平成20年度行政パートナー 行政パートナー全員による合同ミーティング

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地地域域活活動動イインンタターーンンシシッッププ

「「出出会会いいフフォォーーララムム」」

~大事にしませんか 地域とのつながり~

平成21年1月24日(土)開催

(千葉県団塊世代等地域デビュー支援事業)

主催:千葉県高齢者福祉課

共催:船橋市市民協働課

企画・運営:NPO法人地域創造ネットワークちば

体験受け入れ団体(7団体)

・NPO法人 ちばMDエコネット

・丸山サンクチュアリ

・NBFクラブ

・NPO法人 ロンの家福祉会

・金杉谷津田の会

・NPO法人 千葉なのはなSITA

・船橋市応急手当普及員会

「市民活動キッカケ見学講座」

~バスで行って、見て、聞いて、

仲間と話し合おう!!~

平成20年10月20日(月)開催

主催:船橋市市民協働課

企画・運営協力:市民協働課行政パートナー

<現場見学>八木が谷北市民の森

丸山の森緑地

藤原市民の森

<車座トーキング>中央公民館

見学協力団体(2団体)

・八木が谷北市民の森を育む会

(八木が谷北市民の森)

・丸山サンクチュアリ

(丸山の森緑地、藤原市民の森)

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1.はじめに

2.団体の活動を始めた経緯(キッカケ)

1980年代から、障害のある子とない子が小・中学校の普通学級で共に学ぶ教育を求めて運動を続け、高

校卒業後の道を模索する中で「知的障害のある人たちが地域住民と一緒に環境改善に取り組んだら、きっと住

みよいまちができる!」との想いから、ちばMDエコネットの活動は始められた。「MD」は知的障害を表す

英語 Mental Disabilities のMとD、「エコネット」で環境改善のネットワークを表す。

3.団体の活動概要

1)コミュニティカフェ〈ひなたぼっこ〉

障害のある人もない人も共に働くカフェ・ 地域との共生をめざして

2)ドキュメンタリー映画「ひなたぼっこ」

2000年に、知的障害のある5人の若者の高校生活と友幸(ゆうこう)農園をつくる歩みをテーマに、

ドキュメンタリー映画を製作し、北海道から九州まで全国約100箇所で上映された。

地域活動インターンシップ体験レポート No.1 NPO法人 ちばMDエコネット

障害のある人とない人が共に働ける場の実現に向けて

レポート作成 平成20年度行政パートナー 今泉 正博

2002年船橋駅近くの本町4丁目の商店街に、コミュニティカ

フェ〈ひなたぼっこ〉が空き店舗を利用してオープンした。障害の

ある人とない人が共に働き、新たな出発の足場になること、市民活

動の拠点になることを目的として千葉県のNPO活動提案募集事

業に忚募し、6ヶ月間は委託事業としてスタートしその後、自主運

営を続けている。

カフェでは親子絵画展が行われていたが、演奏会、宴会などにも

利用できる。一杯ずつ丁寧にドリップしたコーヒー、「佐倉ミック

スベリーファーム」の無農薬栽培ベリー、手作りケーキ、ランチが

売りだ。体験時は障害者の方1名が接客し、店長さんが料理と、チ

ームワーク良く仕事をしていた。落ち着いた家庭的な雰囲気のお店

で、お客もこの店の趣旨を理解して来ている様に感じる。カフェは

たくさんのボランティで運営されている。お客としてコーヒーを飲

むのも初級クラスのボランティアとしての第一歩、一度立ち寄って

売上げに協力してみては・・・。

船橋中央図書館の近くに小さなカフェがある。障害のある人も

ない人も共に働ける場として「NPO法人 ちばMDエコネット」

が運営しているコミュニティカフェ〈ひなたぼっこ〉である。

私はここで、ドキュメンタリー映画「ひなたぼっこ」の鑑賞と

カフェでの接客の一日体験をした。

略図:コミュニティカフェ「ひなたぼっこ」

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鑑賞して見ると、ちばMDエコネット設立の背景が良く理解できた。障害者とその家族、そして周りの人々

の輪が良く表現されている映画だった。その輪を大きくして地域、社会基盤の強化へとつながっていかなく

てはと思う。

3)ノーマライゼーション学校支援事業

2004年から千葉県との協働事業としてスタート:「ノーマライゼーション相談事業」、「次世代育成支

援を展望するノーマライゼーション相談事業」、「ノーマライゼーション学校支援事業」

※ノーマライゼーション:障害者と健常者とは、お互いが特別に区別されることなく、社会生活を共に

するのが正常なことであり、本来の望ましい姿であるとする考え方。

4)公園清掃

駅周辺のゴミ拾い散歩から始め、現在は船橋市の委託を受けて、毎月第2・第4土曜日に船橋市馬込児童

遊園の清掃を行っている。

5)遊休農地の活用

1999年に船橋市内の遊休地で「障害者と共に創るコミュニティガーデン」事業を開始する。

2003年からはベリー類の栽培に力を入れ、2006年に佐倉に農園を移転。理事の個人の活動として

農園を造園し、団体が連携する形をとり始めた。現在では地域のパン屋さんやケーキ屋さん、そしてコミュ

ニティカフェ<ひなたぼっこ>とのネットワークを構築している。

4.一日体験をして

アメリカでキング牧師が「I have a dream.」という有名な演説を行ってからオバマ大統領が登場するまで

には46年かかった。千葉県は他県に先駆けて障害者条例を制定した。尐子高齢化については毎日の様に話題

になり、前進している様に思えるが、「障害のある人もない人も共に学べる、働ける場」を作るという理想を

達成するにはどれだけの時間を必要とするのだろう。サポートする家族も齢をとってゆく。

今回体験取材したコミュニティカフェ〈ひなたぼっこ〉の開店で、ちばMDエコネットの夢は軌道に乗った

のだろうか。店舗借用料、ボランティアの確保、障害者の方の働ける場所の数などスタッフの方たちの抱える

問題は今も多い。10年前に馬込沢でスタートした遊休地活用の農園は金杉へ移転後、現在は佐倉に移転して

運営している。農地は無償で使わせていただけたが、地主の方の都合で長期間使うには課題がある。

この様な活動に対して行政はいかにサポートすべきなのか。近年、NPOと地方自治体との協働事業が多く

なってきたが、財政の問題もあり継続的な支援というより期限をつけた事業の立上げ支援が多い。コミュニテ

ィビジネスとして行政に依存せず自立すべきだろうが、継続する為の努力は大変なことと思う。一方で行政に

近い船橋市社会福祉協議会が船橋市内に2箇所の「お休み処」を開設した。市役所、図書館、公民館、市民活

動サポートセンターなどの公共施設の一部を提供して、カフェの運営を団体に委託してはどうだろうか。コミ

ュニティビジネスを継続的に成功させる為の仕掛け作りに行政が手を差し伸べても良いのでは。「障害のある

人とない人が共に働く」場が市民協働の形で実現すると思われる。公共施設にカフェを作り、障害者とボラン

ティアが共に働く夢は難しい夢だろうか。

ぜひ一度、コミュニティカフェ〈ひなたぼっこ〉でコーヒーを飲みながら、障害のある人とない人が共に働

く現場を見ていただきたい。小さな声、小さな輪を大きくして夢が早く現実になれば・・・

最後に今回の体験取材に協力していただいたひなたぼっこのスタッフの方に感謝します。

(活動に関するお問い合わせ) NPO法人 ちばMDエコネット

代表 山田 晴子 事務局長 山本 佳美 Tel:047-426-8825

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(2)活動概要

丸山サンクチュアリは船橋市の丸山地区と法典地区を中心にした「自然を愛する人々」の集まりである。

野鳥や植物を観察して会員相互で自然を学ぶ楽しみと共に、ボランティアとして近隣の森の手入れをして身

近な自然を守る活動を行っている。

会員数:115名 常時活動会員数:およそ30名(男女比率 3:1)

活動場所:丸山の森緑地、藤原市民の森 活動内容:森の清掃と保全、野鳥や植物の観察

2.「地域活動インターンシップ」の概要

<藤原市民の森>

体験日時:3月10日午前9時~午後1時 当日天候:朝小雨-曇り-快晴-そよ風―寒風

地域活動インターンシップ体験活動レポート No.2 丸山サンクチュアリ

自然を大切に守る丸山の森緑地

レポート作成 平成20年度行政パートナー 木下 肇

略図:丸山の森緑地と藤原市民の森

1.「丸山サンクチュアリ」の活動概要

(1)会の歴史と紹介

前会長三神鶴吉氏が1984年に近所の森の手入れ

を始め、1985年に丸山サンクチュアリを結成。

1990年には、船橋市が個人の所有林(1ha)を

無償で借り上げ、丸山市民の森に生まれ変わった(現

在は、「丸山の森緑地」に名称変更)。丸山サンクチュア

リは市の委託で、丸山の森緑地と藤原市民の森の保全

活動を行っている。

「丸山サンクチュアリだより」は、2009年春現在

で通巻288号。

※サンクチュアリ:聖域、自然保護区という意味。

身近な自然を大切に守っていくと

いう意思を表している。

歩道整備(落ち葉散布)

樹木観察保全作業・観鳥

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<丸山の森緑地>

体験日時:3月21日 午前9時~12時 当日天候:晴―そよ風―低気温

体験希望者へメッセージと活動の勧め:自然観察(探鳥会)への参加とカブトムシ牧場の見学

3.活動における課題の考察

丸山サンクチュアリはボランティア活動として非常に成熟した状況にあった。しかしながら、最近では市民

の情熱の向かい方にやや変化がある。会員の平均年齢が上昇気味であると同時に、活動参加者数についても低

空飛行が続いている。会費の値上げは必ずしも得策とはならず、今後の検討課題であろう。

市には、公園の整備に使う資材の質を高めることで、手入れの困難さが減尐する良循環となるよう、予算面

での協力を願いたい。

4.体験を終えての感想

丸山の森緑地は、一般市民がのんびり自由に森林沐浴と散策などが出来て、危険を全く感じない程度に林全

体が保存整備されている。火気の管理は細心の注意が払われているが、なお周辺道路沿いにはタバコの吸殻放

置などの危機原因があり、これを回避しなくてはならないだろう。今回の作業でもロープ整備にバーナーを利

用したが、目には見えない程の火気から野火が発生することもあるそうだ。

この他、作業用の道具類や作業環境は、これ以上には出来ない程に入念に整備されており、それらが全て自

発的に行われていたことに感動した。

(活動に関するお問い合わせ)丸山サンクチュアリ

代表 図司 静江 Tel:047-438-9568

朝 礼 周辺道路の清掃活動

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1.「金杉谷津田の会」の概要

(2)活動の概要

活動内容は、援農ボランティアの一環として休耕田の再生・復元を目指すもので、水田の再生のほか、花、

野菜の栽培、下草刈り・散策路作り、ビオトープ作り等で、各位が得意とする分野ごとに活動が展開されて

いる。

平成2年に「金杉自然公園建設」の陳情が採択された後、市の総合計画、基本計画等で保全の方向性が示

されているが、大きい方向での進捗がなく、平成18年には「自然環境保全・活用」の陳情が全会一致で採

択されるに至っている。

こうした経緯と個々の活動を基盤に、広大な金杉谷津田の自然環境保全を進めるため、農林水産省におけ

る「農山ふ る

漁村さ と

地域力発掘支援モデル事業」に忚募したところ採択され、平成20年度より金杉谷津田の会の

ほか、同地区で活動する活動団体、従前より同地区の環境共生・地域協働を研究している千葉工業大学、行

政の船橋市民協働課の参画による協働推進体制として「金杉谷津田アーバングリーンツーリズム協議会」を

結成し、農林水産省より5カ年総額1,100万円の助成を受け活動が行われている。これからますます活

動が活発化する最中、今回「出会いフォーラム」地域活動インターンシップ体験が開かれた。

今年は有機栽培の実験の年として年間を通じての水張り(冬季湛水)による稲作を実施し、植物、動物プ

ランクトン、メダカ、トンボ、ホタル等様々な生き物が生息する豊かな田んぼ作りを目指す。

2.インターンシップ体験に参加して

日時 平成21年3月19日(木)10時から16時30分

場所 船橋市金杉町馬込霊園と金杉台団地に挟まれた谷地

にある湿田

参加者 金杉谷津田の会 梅澤会長 吉冨さん 関さん

とんぼエコオフイス 薮内代表理事以下5名

インターンシップ参加者2名

行政パートナー1名

午前の部 金杉谷津田の会の皆様により斜面林、休耕田、資材

置き場、菜園、水田、ビオトープ、海老川の源流に当たる湧水地、井戸掘り等、広大な湿地帯の

現状観察をしながら、これまでの会の経過について説明を受ける。

地域活動インターンシップ体験レポート No.3 金杉谷津田の会

ホタルが舞う金杉谷津田

レポート作成 平成20年度行政パートナー 可知 志一

略図:金杉谷津田

(1)活動を始めた経緯

この会のキッカケは25年前、現梅澤会長の自宅近くの手

入れされていない谷津田を甦らせようと花好きの会長の自己

負担で花木を植え始めた事に始まる。その後、船橋市が金杉

地区で開催した「エコシティセミナー」が契機となり、地域

住民らによる同好者が集まり、平成15年に会が発足した。

※谷津田:谷津とは台地に川が入りくんだ谷状の土地をいい、

そこに田んぼが作られ谷津田と呼ばれている。

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午後の部 今日の作業は田んぼ周辺の散策路としての「木道づくり」である。これまで泥深い田んぼのあ

ぜ道に砂袋を並べたり、古い畳を敷いたりしていたが、歩きづらく、見栄えが悪いので木道に付

け替える作業が行われた。

この日は晴天でもあった事から、子供たちの遊び、ご婦人、老夫婦等の散策と賑やかで、谷津

田の生き物や植生に親しむには、尾瀬にあるような木道はこれからも延長する必要がありそう。

木道自体を作り上げる事から始め、泥深い湿田に木道を何本も架けるのはなかなかの難作業で

あり、若者の助けも必要だと思う。

3.行政パートナーとしての感想

(1)金杉谷津田の会のメンバーは高齢者が多いようで若者の参加をどう呼び掛けるかが課題と思われた。

(2)金杉谷津田の会を抱合した金杉谷津田アーバングリーンツーリズム協議会が発足した現在、どのような

役割分担で、どのような理想像をもって谷津田再生のための活動がなされているのか、船橋市や関係者と

の話し合いがどのようになっているか、そのロードマップを一市民としても知りたいと思う。

(3)金杉谷津田の会の情報発信が尐ないので、間もなく開設される予定のホームページや充実した会報の発

行に期待したい。

(4)金杉谷津田は船橋市内に残された最後の谷津田で、これまでこの環境を育んでこられた農家の方々をは

じめ、谷津田の自然に関心のある地域の方々、地主の方々が理解を共にし、行動していくことが必要不可

欠で、その舵取り役として船橋市市民協働課の役割は重要である。市総合計画、基本計画等において谷津

田の保全や自然と親しむ休耕田の活用等による水と緑のネットワークづくりが位置づけられていること

を踏まえれば、谷津田の多様な環境を活かした農と自然の体験公園のような状態で将来にわたり残してい

くことがふさわしく、そのためには都市計画、環境保全の観点から河川、農業、緑地のあり方はもとより、

隣接の馬込霊園、金杉地区の生活環境の将来も考慮しつつ、行政としての船橋市政による強いイニシアチ

ブが必要と感じた。

(活動に関するお問い合わせ) 金杉谷津田の会 会長 梅澤 守佐

事務局 薮内 俊光・岩波 初美 Tel:047-460-0735 E-mail:[email protected]

金杉谷津田の様子

田んぼの他、一部では草花や野菜

を栽培し四季の彩りを楽しめる

谷津田の湧水池で生き物

観察する子供たち

木道の組み立て作業 取り付けの杭を打ち込む 木道を項次取り付ける

金杉谷津田の様子

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この活動はブログでも紹介されている。

八木が谷北市民の森 blog http://yagigaya.exblog.jp/

地域活動インターンシップ体験レポート No.4 八木が谷北市民の森を育む会

フクロウが巣立つ市民の森

レポート作成 平成20年度行政パートナー 舟岡 昭郎

三咲駅から徒歩25分、自転車10分

八木が谷北市民の森

1.八木が谷北市民の森の概要

船橋市の「市民の森」は現在5個所あるが、この八木が谷北市民

の森の面積は約3万2千 m2(3.2ha)あり一番広い。

小学校や住宅地に隣接しているが、一歩森に足を踏み入れると

スギ、シラカシ、イヌシデ等豊かな樹木が外の音を遮り別世界を

作っている。

*市民の森:市が地権者から借り受けて整備し、市民グループ

に定期的な清掃を委託

隣の牧場の「スダジイ」の洞にはフクロウの巣があり、フクロウ

のひなが森の昆虫、モグラやネズミなど餌取りの練習をし、成長

するとどこかの森へ飛んで行きます。

2.「八木が谷北市民の森を育む会」の活動

(1)活動を始めた経緯

現在は整備が行き届いて美しい森となっているが、以前はゴ

ミが放棄され散乱していた。近くに住む土井和子さんらが粗大

ゴミの撤去などを市役所に要請し、地域住民が関わることが大

切であると考え、この育む会を作り活動を初めた。

(2)団体の活動

会は平成11年(1999年)3月に発足し、会員数は現在

20名。森の清掃、下草刈りは毎月第3土曜、午前10時から

12時頃まで行っている。作業は自然生態系に沿って清掃が行

われ、木の枝は邪魔にならないように端に寄せ土に返す、土に

還らない缶、瓶、ビニールは全て拾うなど、各人無理せず楽し

みながら作業している。直ぐ隣の八木が谷北小学校の児童と年

3回の協働清掃を行い、森の大切さを紙芝居でも伝えている。

フクロウの紙芝居(八木が谷北小との協働清掃時)

「市民活動キッカケ見学講座」が平成20年10月に開催され、八木が谷北市民の森を見学体験したので、

その概要を紹介する。

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3.「市民活動キッカケ見学講座」に参加して

10月20日団体の活動を見学体験できる「市民活動キッカケ広場」に市民21名と共に参加した。八木が

谷北市民の森にバスで10時30分頃到着し、早速、紙芝居「フクロウの紙芝居」を見る。次いで育む会の活

動状況について土井さんから説明があった。

市民の森の土地は所有者6人から市が借り受け、育む会が整備の委託を受け清掃、間伐(約200本)など

実施してきた。しかし会員が高齢化したため負担が大きくなり現在は委託を中止している。市と業者には森の

外側整備と間伐作業をお願いしている。

周辺の地域の方々と一緒にこの市民の森を大事にしていきたいが、自治会・町会に参加の働きかけをしても

なかなか参加者が集らない。しかしながら掲示板のボランティア募集の案内を見て参加してくれる若者もいる。

この活動の最大の魅力はいろいろな出会いがあること。地道にではあるが自然と人が共生する環境を創造・維

持するよう努めたいとのことであった。

この後、森の中をみんなで見て回る。杭で区画された歩道とベンチ、地面に咲いている小さな赤い花、木の

皮に隠れているカメムシ、大きな杉の脇にある王子神社、予想外に広い森であった。午後の別の現場にまわる

時間の都合上、下草刈りの体験は残念ながら出来なかった。

4.参加した感想・意見

もう 1 個所の現場体験の後、午後3時から中央公民館にて団体側と参加者の意見交換会が開かれ、「行政の

姿勢は業者に任せようとする向きが見られ、現場で活動団体と業者間で問題が起こりうる」、「同種の活動団体

と共通の問題を取り上げ、行政側に提案したらどうか」などの意見が寄せられた。

私(舟岡)としても下記のように考える。

・森を横断している道が舗装され車が往来している。市民の森について行政は確かなビジョンを持つべきで

はないか。

・人材を確保し活動を継続するため、小学校を通して付近住民の理解と協力を得てはどうか。

(参考)私の住所が近いとのことで育む会に誘われ会員になりました。下草刈りとこの会の活動を皆様に広く

知っていただくよう活動するつもりです。

(活動に関するお問い合わせ)八木が谷北市民の森を育む会

代表 山崎 百合枝 連絡先 土井 和子 E-mail:[email protected]

森の中を歩く 「フクロウの紙芝居」の様子

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1.ESO って何?

Education Supporters Organization(教育環境サポーター)組織の略。地域に存在する、小・中学校へ

の教育環境整備支援を目的とした市民ボランティアのことで、2003年 7 月より活動を開始し、御滝中でモ

デル実施され、その翌年、大穴小に広がり、その後、三山小等さまざまな地域で学校環境改善をサポートする

活動を展開している。

2.なぜ、大穴小を体験したの?

大穴地区は、連合町会を中心に学校教育に対して非常に協力的であるとともに、学校側も地域との連携を求

めていたとの情報を得たため、その過程を学ぼうと考えました。

3.地域と学校の連携経緯はどうでしたか?

(1)学校側の受け入れ態勢について

一般的に、先生方より年上の人たちが学校に入ってくるという懸念、自己主張の強い人が入ってくると

いう懸念、又、一方、学校側では仕事をその都度考えなければというストレス等、両面から受け入れ態勢

に懸念を持たれがちである。しかしながら、大穴小の場合、当時の校長先生が、地域の人々や、保護者の

方々に「学校の様子を見てもらいたい」、「知ってもらいたい」、「地域と共に歩む学校にしたい」、「その為

の一方策として教育環境充実のために、地域のマンパワーを日常的にお借りしたい」という願いを持ち、

地域に働きかけた(学校側、特に、校長先生の強い熱意による)。

ア. 地域に働きかけた主な頄目

①連合町会役員・PTA 役員への趣旨説明 ②賛同者募集の回覧(校長先生から大穴小学校区自治会各

位あて) ③準備委員会の設立 ④町会へのボランティア募集回覧(設立準備委員会から大穴地区周

辺の皆様あて)

イ. 学校側が考えた期待できる効果

①日常的に地域の人々が校内で活動していることで安全性の確保が期待できる ②子供たちの見守ら

れていると言う意識と同時に励みになる ③学校全体に外部からの教育刺激が受けられる ④日常的

に活動しているので望ましい環境が整備される ⑤地域との日常的な繋がりが信頼関係構築に有効

⑥開かれた学校づくりの推進

(2)地域の協力態勢について

そもそも、大穴地区は連合町会を中心に学校教育に対して非常に協力的であった。総合スポーツクラブ

の運営や学校行事など大変に協力をしていた。ここに学校からの依頼があったため、連合町会や地区自治

会は積極的に参加の運びとなった。

学校側への提供メニュー

環境整備 植木の剪定、除草,塗装など フラワーアレジメント 校内花飾り、入学式、卒業式等

図書整理 整理、修復、事務支援 登下校時の防犯交通整理 通学路安全指導

読み聞かせ 読み聞かせの会、お話の会 学習補助支援 低学年生活科お手伝い

地域活動インターンシップ体験活動レポート No.5 ESO大穴小ボランティア

ESO 大穴小ボランティア

レポート作成 平成20年度行政パートナー 山口 芳夫

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4.実体験してどうでしたか?

<体験して感じたこと>

(1)登校時の様子

生徒はもとより通勤者の方々も明るく、”おはよー”と声を掛け合い、朝のす

がすがしさを味わい、寒さを吹き飛ばしていた。又、生徒はボランティアの方々

におじいちゃんに甘えているような仕草が、なごやかさを感じた。

(2)校庭内掃除

誰とはなしに生徒が校庭内の掃除や、ドブ掃除を積極的に行っていた。これ

もボランティアの方々の影響があるかと思われた。

(3)読み聞かせ

机を後方に片付け、教室の前方に集まり、ボランティアの先生の読み聞かせ

に聞き入っていた。前日が節分であったためか、プログラムは節分にちなんだ

「鬼」と「体が作られる仕組み」を漫画チックに表現されていた。最後にボラ

ンティアの先生に御礼の挨拶をされ礼儀、マナーの良さを感じた。

(4)校長先生とのインタビユー(要旨)

・設立後6年経過(大穴小は、以前からバラを手入れする方との繋がりがあり)

・ESO柿沼代表のよびかけ(柿沼さんと児島前校長との繋がり、これが出発点)

・地域の方の協力(連合町会のボランティア募集に忚募)

・取りまとめ役の重要性(学校側のオーダーは、取りまとめ役の山田事務局長に)

・ボランティアの方々は極めて熱心で、その活動をここに来て楽しくやっている。

・登録メンバー31名 プラス 中国語サポートの方 プラス 書道の協力の方 合計33名

・お返しは学校側行事のとき招待

(5)ボランティア(8名)との対話から(要旨)

・キッカケは町会からの募集と、老人(現ふなばし市民)大学校卒業生 6名

・それぞれ学んだことを実践、又、今でも学んでいる(役割分担の明確化)

・ここまで来る過程で、メンバーの創意工夫で学校側の理解を得てきた

活動のキーワード(ボランティアの皆さんの、よりどころ)

【理念】楽しく、ゆっくり、わたし流に

【意識】学校のため、子供のため、地域のため、自分のため

【実際】日常的、定期的

5.感想と今後の課題

成功のポイントは校長先生の熱意、それに連合町会の協力、又ボランティアの人達の活動があったこと。

全ての歯車がかみ合い、大穴小ESOが動き出した。ボランティアとして活動していく上で、資金面、提

供するメニューなどを工夫してきたが、どこの団体にも見られるように、メンバーの高齢化が進むため、

今後は後継者の参加を呼びかけたいとのことであった。このような活動の展開を市内の小学校すべてにで

きることを期待している。(継続は力なり)

(活動に関するお問い合わせ) ESO大穴小ボランティア

事務局長 山田 季夫 Tel:047-462-5939

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1.NPO法人 ロンの家福祉会の概要

○活動目的 在宅で介護支援などを要する障害児(者)ならびにその家族、その他手助けを必要とする人々

に対して、住民参加と助け合いの精神のもと、地域に根ざした介護支援サービスを提供し、す

べての人々が健やかに暮らせる地域づくりと福祉の増進に寄与することを目的としています。

○活動内容 知的障害児(者)の生活支援、居宅介護、訪問介護、余暇支援

○活動日 月曜日~土曜日

○活動場所 ケアハウスノームの里等

○発足年月日 2000年10月1日

○ホームページ:http://www2.tbb.t-com.ne.jp/ronchan/

2.インターンシップ体験に参加して

2月14日「ロンの家」の休日企画のホリデイスペシャルに参加いたしました。

ホリデイスペシャルとは、障害を持った中高生以上の方々を対象とした余暇活動で、家に閉じこもりがちな

利用者の方から大好評の企画です。季節に忚じて「ジャガイモ掘り」「凧揚げ」「ピクニック」「お花見」「イチ

ゴ狩り」などを行っています。

朝9時ケアハウスノームの里に待機、今日は寒い中にあっても青空の日ということで小さなグループに分か

れてのドライブを兹ねたピクニックが企画されています。

ノームの里は新京成前原駅近くの公園の傍にある一戸建ての住宅で、平成19年(2007年)に「障害者

自立支援対策臨時特例交付金」及び「(社福)木下財団」より助成金等を受けバリアーフリー化、フローリン

グ張り替え、エアコン設置等が行われ、温かい家庭的雰囲気が溢れた家です。施設長さんより活動内容をお聞

きする間もなく、今日の参加者のA君がお母さんに送られ到着。見慣れないおじさんに尐しびっくりした様子

であったが、すぐに電車の本を本棚から取り出し、また小型のCDラジカセをなれた手つきで操作し、気に入

った曲を何度も聴き楽しんでおります。施設長さんは筆者との話を続けながらA君の動きを見つめ的確な支援

をされておりました。

もう一人のスタッフの到着を待って車で出発、青空の陽射のもと

温かくなるとの見通しから、今日は稲毛海浜公園を目指すこととな

りました。袖ヶ浦でもう一人の参加者のBさんの自宅を訪問し総勢

5人で幕張の海を見ながらのドライブです。花の美術館駐車場に到

着。A君にはスタッフのCさんが付き、Bさんには施設長と私がサ

ポートすることとし、しばしの時、青空のもと公園の散歩を共に楽

しませていただきました。Bさんは複合障害をお持ちで歩行にも介

助が必要ですが、元気一杯園内の散歩を楽しんでいました。その後、

レストランで昼食を楽しみました。

花の美術館前にて

地域活動インターンシップ体験レポート No.6 NPO法人 ロンの家福祉会

ロンの家福祉会インターンシップを体験して

レポート作成 平成20年度行政パートナー 中村 親之

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○「ロンの家の通信」から(ロンの家で輝いていらっしゃるシニアさん紹介)

“2003年のクリスマス頃からヘルパーとしてロンの家と関わ

らせていただいています。早いもので5年目に入りました。実は一

昨年の誕生日で70歳になったのを機会に、現場から身を引こうと

思ったのですが『こどもたちには、お兄さんやお姉さん、おじいさ

んやおばあさんが必要なように、おじいさんやおばあさんにも子ど

もたちの元気が必要だから・・・』と言われて、自分の体が健康で

何か役に立つ間はやってみようか、とそのまま続けることにしました。ロンの家で働くようになってから風邪

をひいて寝込んだことは一度もありません。子どもたちから元気をもらって以前よりも健康になりました。最

近は、どんどん大きくなっていく子どもたちを見てその成長ぶりに目を見張りながら毎日を楽しく過ごしてい

ます。”

A さんは北洋漁業船団の事業で長く洋上ですごされ、またカナダ駐在を含め海外で活躍されるなど40年に

わたり海洋関係の仕事に従事された方です。

○団体の活動における課題(担当者の方のお話しから)

深刻な人手不足(スタッフ、ヘルパー、ボランティア)により支援側の体制が整わず、利用者の方のご要望

にも十分お忚え出来ない状況にあります。更にこの時期(新年度に向けて)は、新規に利用したいというご要

望の問い合わせが連日殺到している状況で、こちらは常に入会をお待ちいただいている状況です。

私どもが行う障害児(者)の余暇支援という仕事は、一般企業が当たり前のように行う”尐ない人材で多く

の業務をこなし最大の利益を上げる” というような「業務の効率化」が適忚し難い仕事であります。どんな

に手がかかっても不効率であっても、これまでと同様に高品質な支援を維持して行く為には、一つ一つの支援

を丁寧に丁寧に対忚し、安全かつ確実に日々の業務を行っていくしかないのです。

そんな私どもに今最も必要なものは(望んでいるものは)、やはり人材です。より良い人材を確保し支援体

制を強化すること、これをおいて他にはないのです。

3.インターンシップを体験した感想

今回のインターンシップでは、家に閉じこもりがちな障害を持った方々の余暇活動支援として、ホリデイス

ペシャルの活動は大切な役割を果たしていることを体験させて頂きました。特にこの活動は、単に利用者の方

を集めた集団支援ではない、一人一人の特性に合わせた個別対忚支援の実践は見事なものでした。

今回はコースにある公園の設備を始め近隣の町の各機能(障害者の利用できるトイレ、A君の好きなブラン

コのある公園、電車の見られる場所、今回は利用者の変化に対忚して電車の一番集まる幕張本郷駅で一時見学)

等を熟知し臨機忚変に対忚するスタッフの活動を共に体験させていただきました。

活動には多くの高齢のヘルパーさんが参加しております。車を総動員しての各方面への余暇支援を行ってい

ますが、利用者一人に最低一人のスタッフが必要です。そこにボランティアとして参加してみませんか。たと

えば水分を欲しがって自動販売機まで買いに行く等、簡単なことですがスタッフには状況により困難なチョッ

トしたことをお手伝いすることが出来ます。生き生きとした「子どもたちから元気をもらう」体験を共にしま

せんか。

(活動に関するお問い合わせ) NPO法人 ロンの家福祉会

理事長 高橋 ふさゑ Tel:047-478-3701

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1.活動を始めた経緯

SITA(サイタ)は、富士通ラーニングメディアが、パソコン初心者の指導を担えるシニアを対象に、パ

ソコンに関する知識とアドバイス技術が、一定の保持者であることを認定する Senior IT Adviser (シニア

ITアドバイザー)の略称である。

千葉なのはなSITAは、2003年に船橋市在住のSITA有資格者有志により、シニアがシニアに対し

てITの普及を図り、相互にPCスキルの向上を目指して交流していくことを目的に設立された。

2.活動概要

会員数は13名で、会員同士のPCスキルの向上及びIT普及を目的とした交流会・勉強会の開催に止まら

ず、会員の有するPCスキルを活用したパソコン講座を軸にして、地域社会に参加し地域の活性化に貢献する

活動を展開している。

現在、以下の7会場で、パソコン教室を開設中で、4人の講師が分担している。

シニア向け:三咲公民館、八木が谷公民館、習老連、みやぎ台自治会

身障者向け:社会福祉会館障害者センター、二和アーモ身障者作業所

商店向け:本町通り商店街

3.身障者クラブ「きずなの会」のパソコン勉強会体験記

(日時:2月5日 13時00分~15時00分 場所:社会福祉会館身体障害者センター)

講師は渡邉代表理事で、「きずなの会」の受講生(男性5名、女性4名)、インターンシップ体験者(女性2

名)及び行政パートナー(舟岡、寺園)を相手に、スクリーンに映し出された例題を使いながらWord初級

のパソコン操作の講習が行われた。

大部分の受講生たちは「教室を出たら直ぐ忘れてしまう」と自認しているようなレベルであり、各人が持ち

寄ったパソコンのOSはXPもVistaもありだったが、ベテランの船橋市生涯学習サポート事業登録講師

であり、シニアの身障者でもある渡邉氏だけに、受講生の気持ちなどの理解も深く、大忙しな中でツボを押さ

えた講義の進め方は流石と思わせた。そして「パソコンに楽しく触れて貰うことで、頭の体操が効果的になさ

れることを第一義にしており、もし受講生が来て楽しいと感じないようなら、講師失格と思わざるを得ない」

と言われたことが印象的だった。

また一人の講師だけでは対忚が大変だと、古株の受講生が自発的にアシストしており、和気藹々の雰囲気は

心地よいものであった。

インターンシップ体験者は、市民大学「パソコン学科」を卒業し、かつ現在「ボランティア学科」に在学中

で、「本勉強会のような講師アシスタントなら出来そうだ」との感想を述べていた。アシスタント経験と会員

同士のスキル向上のための勉強会が揃えば、彼女らの「勉強にもなって役にも立つ地域活動への参加」の希望

を充たすことが十分に期待出来るのではないか。

地域活動インターンシップ体験レポート No.7 NPO法人千葉なのはなSITA

シニアがシニアに教えるパソコン教室

レポート作成 平成20年度行政パートナー 寺園 道雄

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また現役時代にパソコンをいじっていたシニアで、シニアに対するITの普及に関心のある方々なら、アシ

スタントになることは困難ではないだろうし、その経験を通してパソコン初心者の指導を担える講師へ向けて

のステップアップが着実に進むものと思われ、参加を大いに推奨したい。

4.活動における課題(渡邉代表理事のお話しから)

会員数は、ピーク時には18名いたが、現在は13名に減っている。

講義アシスタントの増員が必要であるが、その一方で、講師レベルのスキルを生かせる場(講座)は不足気味

になっている。

5.課題に対する解決方法(行政パートナーとしての考察)

今回のような催しに積極的に参加するなど、広報活動を活発化して、シニアに対するITの普及に関心のあ

る人々を掘り起こし、会員同士の勉強会を通じてPCスキルの向上やSITA資格取得のコツ伝授を行うこと

で、会のすそ野の拡大と実力アップを図っていくこと、そして新規講座の開拓のために営業力強化に努めるこ

とが、肝要であろう。

一方、行政としても、色々な部署が色々なパソコン講習事業を実施しているが、このような団体の力を活用

する場として、その可能性を検討してしかるべきであり、企画次第では、協働事業の有望な候補にもなりうる

とも考える。

さらには、市民大学「パソコン学科」の卒業生の学んだ折角の成果を活かすために、何らかの連携手段を講

じることも考えられるのではないか。

6.今後の活動の方向性(行政パートナーとしての意見)

これまでも、自律するシニアの集団として地域社会に参加し、市民の豊かな生活づくりや地域力の向上に大

いに貢献してこられたので、今後もその方向性の延長線上で、活動をさらに活発化していくことを期待したい。

(活動に関するお問い合わせ)

特定非営利活動法人 千葉なのはなSITSA 代表理事 渡邉 龍彦

Tel:090-6509-1692 E-mail:[email protected]

「きずなの会」会場の様子 講師の渡邉氏(写真右)とアシスタントの皆さん

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1.団体の活動を始めた経緯(キッカケ)

船橋市忚急手当普及員会は、心肺蘇生法・AED(Automated External Defibrillator 自動体外式除細動

器)の使用法を中心に、忚急手当の指導研修、技能向上を目指し、1995年5月に設立されました。いざそ

の時、生き残って人助けできる安心、安全の社会を作っていくために活動を始めた。

2.団体の活動概要(地域における役割)

会員数は14名で、心肺蘇生法・AEDの使用法中心に忚急手当の普及指導研修

(主な活動実績)

①船橋市消防局主催「救急フェア」指導員派遣

②東京消防庁主催「交通安全フェア」講師派遣

③日本交通福祉協会主催「交通安全フェア」講師派遣

④船橋市レクリエーション協会主催「指導者講習会」講師派遣

⑤徳洲会友の会主催「心肺蘇生法講習会」講師派遣

今後、益々進む高齢化に向け、いざ其の時の人命救助は地域社会に貢献している活動である。

3.救命処置と忚急手当講習会体験記

第1日目

日時:3月20日(金)13時00分~16時00分

場所:船橋市東消防署

内容:心肺蘇生法、AED、三角巾の使用法、

骨折固定法、ロープワーク

講師:東消防署隊員

受講生:6名

第2日目

日時:3月21日(土)13時00分~16時00分

場所:海神公民館

内容:AEDマップづくり、携帯電話への入力

(火災案内、安全安心メール、行政無線)

自分の位置情報、ロープワーク、映像に

よる第1日目の復習

講師:小野会長、岡本会員

受講生:5名

地域活動インターンシップ体験レポート No.8 船橋市忚急手当普及員会

市民の力で救急救命率の向上に取り組む

レポート作成 平成20年度行政パートナー 大門 房子

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○活動における課題(小野会長のお話しから)

市民向けに講習会に取り組んできたが、必ずしも広く市民に浸透していないようである。PR不足の為か、

受講生が尐ない。活動を継続する上で最も肝心な人材、財政面で不安がある。

○課題に対する解決方法(小野会長のお話しから)

会員同士のスキル向上を図り、PR活動を活発化して、広く市民に忚急手当の普及に努めていくことが肝要

である。そのためには、行政と団体が一体となって交流、連携、人材の育成を推進する必要がある。

○今後の活動の方向性(小野会長のお話しから)

本団体の果たす役割は、人命救助という極めて社会貢献度の高い活動である。

市民に「命を救うために何かしなくては」という意識を浸透させていくため、学校、職場、地域(自治会単

位)において、講習会を積極的に開催していく。

○小野会長からのメッセージ

「情けは、他人の、ためならず」という言葉のように、ボランティアを、させていただきながら、「聞いて、

さわって、覚えて」資格を、もらう。

消火器から、消防設備士 乙種第六類 心肺蘇生法から、普及員 情報通信から、アマ無線 避難訓練から、

消防設備士 甲種第五類 などなど、自分のグレードアップの目標を、無理せず、あせらず、一歩、一歩すす

めて、自己改革を、進めるために、ごめんなさい、「ボランティア」は、いつしか、自分の恩師、守り神、で

もあります。

こんなに、うれしいことは、めったに、体験出来ません。皆さんも、是非体験してみては如何でしょう?

4.体験を終えての感想

今回、AEDの使用法と心肺蘇生法を含めた救命法を習得する為、体験研修に参加しました。トレーニング

用の人形に「大丈夫ですか」と声をかけ、呼吸の確認、人工呼吸、胸を手のひらで押し続ける、指導員の先生

から「数をかぞえ、リズムに合わせしっかりと!」これがなかなか体力が必要で、その合間にAEDの電極を

人形の胸に張り付け、電流ボタンを押す動作でした。

三角巾での止血方法、ロープを使用しての救出、どれも初めての体験でいざ其の時、「生き残って人助けで

きる」為に、勇気を持って「その時」自らが行動出来るようになっていきたいと思います。

(活動に関するお問い合わせ) 船橋市忚急手当普及員会

会長 小野 義雄 Tel:047-467-6056

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市民活動に関する情報を発信中です!!

(お問い合わせ) 船橋市 企画部 市民協働課

TEL:047-436-3201 FAX:047-436-2139

E-Mail:[email protected]

ふなばし市民活動情報ネット

http://funabashi-civil.net/

市民活動団体などの情報を収集発信し、

必要な人が必要なときに、容易に情報が

得られるインターネット上の情報サイト

です。

市民ボランティアの行政パートナーによる

「これから市民活動を

始めようとする方のための相談窓口」

市民活動サポートセンター内(フェイス5

階)で、毎週火・木曜日の午後1時から5時ま

で開設しています。

市民ボランティアの行政パートナーが、これ

から市民活動やボランティア活動を始めよう

とする方の相談に応じ、活動の第一歩を踏み出

すためのアドバイスなどを行っています。

平成20年1月の開設以来、延べ200名以

上の方々に訪問していただいております。

どうぞお気軽にお越し下さい。

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