「プレゼンテーション」 - pha.keio.ac.jp ·...

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13 「プレゼンテーション」 グループワークのテーマ: 「健康とは」 グループ編成: 1 グループ 67 名 ×1415 グループ)×2 クラス グループ名: A01A15B01B14 チューター担当: 1 名のチューターが原則として 2 グループを担当 1) 講義概要 グループワーク開始前 1. コミュニケーションモデル 2. ブレインストーミングとは 3. KJ 法とは 4. プレゼンテーションに求められる能力 5. 話し方(プレゼンテーション)の基本構成 6. コミュニケーションの 3 つの要素 7. グループワークの進め方(ファシリテータ、書記、発表者の役割) 8. グループワークのテーマ紹介 中間発表後のフィードバック講義 9. プレゼンテーションを上手に行うには? 10. 評価の視点 なぜその調査テーマを選んだのか? 発表内容は理解できたか? (構成力) グループとして議論を尽くした形跡が見られたか? (内容構築力) 伝えたいという熱意は感じられたか? (伝達力) 新しい情報を得て、得した気がするか? 11. 改善のポイント テーマに対する自己検証を十分に行う 情報収集は分担しても、発表の際は的を絞る 12. 最終プレゼンテーションに向けての発表内容の検証 2) グループワークの流れ 1. グループワーク 2 2. 中間発表会(2 日間) 全てのグループが発表(1 グループ 3 分) 司会者は希望した学生 3. フィードバック講義 4. グループワーク 2 5. 最終発表会(2 日間) 全てのグループが発表(1 グループ 5 分) 学生、チューターがそれぞれ決められた項目に従って評価

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4 「プレゼンテーション」

グループワークのテーマ: 「健康とは」 グループ編成: (1 グループ 6~7 名 ×14~15 グループ)×2 クラス グループ名: A01~A15、B01~B14 チューター担当: 1 名のチューターが原則として 2 グループを担当 1) 講義概要

グループワーク開始前 1. コミュニケーションモデル 2. ブレインストーミングとは 3. KJ 法とは 4. プレゼンテーションに求められる能力 5. 話し方(プレゼンテーション)の基本構成 6. コミュニケーションの 3 つの要素 7. グループワークの進め方(ファシリテータ、書記、発表者の役割) 8. グループワークのテーマ紹介

中間発表後のフィードバック講義 9. プレゼンテーションを上手に行うには? 10. 評価の視点

なぜその調査テーマを選んだのか? 発表内容は理解できたか? (構成力) グループとして議論を尽くした形跡が見られたか? (内容構築力) 伝えたいという熱意は感じられたか? (伝達力) 新しい情報を得て、得した気がするか?

11. 改善のポイント テーマに対する自己検証を十分に行う 情報収集は分担しても、発表の際は的を絞る

12. 最終プレゼンテーションに向けての発表内容の検証 2) グループワークの流れ

1. グループワーク 2 回 2. 中間発表会(2 日間)

全てのグループが発表(1 グループ 3 分) 司会者は希望した学生

3. フィードバック講義 4. グループワーク 2 回 5. 最終発表会(2 日間)

全てのグループが発表(1 グループ 5 分) 学生、チューターがそれぞれ決められた項目に従って評価

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3) グループワークを円滑に行うために

価値観や行動スタイルが多様であることを知る 1. パーソナルプロフィールシステムで自分の行動スタイルを知る 2. グループディスカッション

・ グループの構成員の行動スタイルを知る ・ 行動スタイルから見たグループ特性を考える ・ グループ討議を活発かつ円滑に行うには、どんな方策が考えられるか?

パーソナルプロフィールシステムの視点から述べよ。 対立意見を尊重し、協力してよりよい解決法を見いだす~アサーション(相手も尊重した自己主張)

を学ぶ-~ 1. アサーションがなぜ必要か? 2. アサーションのためのスキル 3. モデリング(良くない例、アサーティブな例) 4. ペアワーク→グループワーク (課題は今回の SGO の中でよく起こる対人葛藤から作成)

課題 1.グループメンバーのひとりが役割を果たさない 課題 2.グループの取り組みがいい加減。自分はもつと前向きに取り組みたい 課題 3.引っ込み思案でグループディスカッションに入っていけない

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4) グループ発表スライド抜粋 (タイトルとまとめ)

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5) 担当教員による各グループへのコメント (学内ホームページに掲載)

総合評価 どのグループも中間発表より、プレゼンテーションが上手になっていました。 また、グループで話し合うことで、自分ひとり(「1」)で考えることを超えて、さらには「1」+「1」を超えた

ものが生まれる喜び、達成感を体験した人は、そのことが 3 か月半のなによりの成果であったと思いま

す。 今回のプレゼンテーションでは、内容そのものについて議論する時間より、どう発表するかという伝

え方に時間をかけるグループが多く、そういうグループに対する学生評価が高かったという結果に終

わりました。 しかし、本来、伝える工夫が生きるのは、伝えるに足る内容を伝える場合だと考えます。調べたことを

ただ紹介するのであれば、サイトを紹介すれば良いでしょう。そこに自分たちなりの切り方が鮮明に見

えてこないと、プレゼンテーションする意味がないと思います。自分たちがそのテーマを選び、こだわ

る、その問題意識は何なのか、そこにこそ時間を費やして議論をして欲しかったと思います。時に迷

走しても、活発に議論が行われたグループは、その成果(思考の深化過程)をしっかりと感じ取ること

が出来ました。いかにチームビルディングをしていくかも、この授業で体験的に学んで欲しかったこと

です。伝える段階でのパフォーマンスの高かったグループは、このチームビルディングがうまくいった

グループと考えることが出来、その意味でおおいに評価に値すると考えます。 今後もスモールグループディスカッションやプレゼンテーションの機会は多くあることでしょう。次の

機会には、自分たちが選んだテーマ自体に「本当にこの仮説は正しいのか?」「このテーマを考えて

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いくことに意味があるのか?」という根本的な問いかけをしてみて欲しいと思います。 そういう視点を持ち続けることが、日々の業務の忙しさに埋没することなく、業務を改善できたり、新

しい薬剤師の役割を切り開いていける人材に育っていくことにつながっていくのだと私は信じていま

す。そして、1人でも多くそういう人材が共立薬科大学から巣立つことを期待しています。 グループごとの評価 各グループへのコメントは、文章量の多少がグループ評価そのものではないので、気にしないでく

ださい。ほかのグループの参考になることを考えて書いています。 A-1 班 「過剰なダイエットが及ぼす影響」?なぜそんなに痩せたいの? 「過剰なダイエットが及ぼす影響」というテーマのもと、終始一貫、問題意識や主張がぶれていない

心地よさを感じました。看護学部学生 150 人のデータや摂食障害の人の体験談など、自分たちのスト

ーリーに沿ったデータを探し、展開していたところがとても良かったです。引用したデータの出典はつ

けておきましょう。内容の割にビジュアルが軽くて、損をしたという印象を持ちました。パワーポイントの

つくりをビジュアル訴求するものとそうでないものとメリハリをつけるともっと良かったと思います。骨・断

面図の見せ方はうまかったです。 A-2 班 「感情と健康」 感情から笑いへとつなげ、「効果的な笑い方」、「笑み筋体操」などを紹介し、わかりやすい構成にな

っており、伝えようとしていることはすんなり入ってきました。具体的な例は、いずれも比較的鮮度があ

り、ほかの笑いをテーマにした班との差別化も図れ、興味を喚起したと思います。他の班にも共通す

ることですが、話題の紹介に終わってしまっている感が拭えません。「笑いが心と体の健康に良い」、

そこからこれから医療者となる皆さんは何をどう考えるのか、そこまで触れてあると、より説得力があっ

たでしょう。 A-3 班 精神的に健康になるにはどうしたら良いか? 「色彩効果で健康にプラスα」 他の班が取り上げていない「色彩」というテーマをとりあげたこと自体に、着眼の良さを感じます。発

表者の T シャツの色が説明している色と一致していたり、チューターの先生まで巻き込んでのパフォ

ーマンスからは伝えようという意欲が感じられました。健康という概念が一概に決められないのと同じよ

うに、色にも、色固有の働きがあるのと同時に、「私」にとって特別な意味を持つ色というのもあります。

色と「思い出」、「心傷体験」などは密接に結びついていることが多いものです。カラーヒストリーを心理

療法に役立てる試みもあります。出典が 1 つのサイトであるのが残念です。「色彩」「健康」に加えて、

「自分の体験」を話し合うなど、議論を重ねることで、さらに内容に深みが加わったことでしょう。質問の

色に対してその色の T シャツを着ている人が一生懸命答えていて好感が持てました。 A-4 班 「食と健康」 食べ合わせ テーマ選択の理由が明確で、最後に自分たちなりの考察をきちんとつけているところが、なにより評

価できました。食と健康をテーマにあげたグループは多く、「食べ合わせ」についてもいくつものグル

ープが取り組みました。そう言う意味では順番的にかなり損をしてしまっている分もあると思います。質

問形式にしているなど工夫が見られて良かったです。やっぱり野菜ジュースだけではダメなんですね

…。

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A-5 班 「COME TO 健康」 中間発表で広がったテーマを、最終発表では見事に絞り込みましたね。他の班が取り上げていない

テーマに絞り込んだことで、インパクトがあがりました。「なぜ、そのテーマに絞ったか」という質問にも

的確に答えていました。最初に歯のチェックテストをしてもらい、自分の歯の状態に目を向けてもらう

のも良い導入であったと思います。欲を言うと、「卑弥呼の歯がいいぜ」の紹介だけに終わらず、咀嚼

回数の減少と心身の健康上の問題などを調べて、前段で少しでも紹介できると発表に厚みが出たし、

なぜ、咀嚼回数が減っているのか、社会的背景などに対する考察をすることも意味があると思います。

しかし、みんなが手元の資料を見ないでよく頑張っていました。「COME TO 健康」というタイトルも、

なかなかいいセンスですね。 A-6 班 「感情と健康」 原稿を読まない努力をしているところが好感を持てました。その一方で、役割を振られて原稿を読ん

でいる人もいたようで、グループ内の温度差を感じました。多くのグループが感情のうち「笑い」に焦

点を当てた中で、「笑う」「怒る」「哀しむ」「恋をする」という 4 つの感情を取り上げたことにはオリジナリ

ティーを感じました。せっかくなので、口頭だけでなく最初に 1 枚、4つの感情を書いたもの(これから

のプレゼンの全体像を示すため)があると良かったですね。怒りには、その対処法まで触れられてい

て良かったです。 A-7 班 「健康と食事」?健康的な食生活 きちんとした論理展開がなされていました。発表方式はピラミッドスタイルでしたね。どこかにほんの

少しインパクトのある話題があるとさらに興味を喚起したと思います。日本から移民した人は、移民先

の食生活に起因した疾患に罹っているというデータ(たしかハワイに移民した日本人のデータ)など。

つまらなそうにみえる発表の仕方も損をしています。ブレストなど多用して、アイデアを膨らませた上で、

この論理思考を活かせば、さらに魅力的な発表になったでしょう。メンバーが途中で参加出来なくなる

などのアクシデントもありましたが、最後までがんばりましたね。 A-8 班 「健康的なダイエット」 魅せる工夫が色々とされていて、飽きずに楽しめるプレゼンテーションでした。 自分たちの関心か

ら「健康」というテーマに取り組んでもらったので、「健康」と「ダイエット」が対極にある→健康的なダイ

エット という動機は理解できます。しかし、代謝の落ちる中年期以降では、「ダイエット」→「健康」とい

う構図になります。ここでいう「健康的なダイエット」とはどのような定義でしょうか? ダイエットをする必

要のある人とはどのような人でしょうか? なぜ、「チョコレート」と「骨盤」と「O 脚」を選んだのでしょう

か? 健康的なダイエットの王道とはどのようなものなのでしょうか? ダイエットの成功とは? 広い視

点から議論を深めると、さらに奥行きのある発表になったと思います。しかし、実演あり、インタビュー

ありで、展開力がありました。 A-9 班 「心の健康・摂食障害」 まず、テーマを選んだ理由が「なるほどなあ」と思わせるものでした。内容も実態把握と支援の視点

からまとまっていて良かったです。資料を読まずに自分の言葉で伝えようとしている人が多く、好感が

もてました。また、スライドの作りは地味でしたが、文字量と説明のバランスがとれていて、聞きやすか

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ったです。摂食障害の原因の図は、数値が何を示すかが不明です。出典は言葉では説明がありまし

たが、表記する習慣をつけましょう。質問に対する回答が明快で良かったです。 A-10 班 「食事と健康」 おいしく食べながらキレイになろう★☆ 自分たちの問題として捉えているところや導入は好感が持てました。不足しがちなミネラルの説明か

ら 3 種類の食品を選んだ理由は、聞いていると納得できましたが、残されたスライドからは見えてきま

せん。つなぎとなるスライドが1枚欲しいところでした。プレゼンテーションの印象は悪くないのに、残さ

れたスライドからは、その良さが伝わってこないのが残念です。レバー料理は、そのネーミングからか

なり興味をそそりました。せっかくだったら試食してみたかったです。 A-11 班 「サプリメントって何?」 グループの全員がサプリメントを飲んでいることからテーマが決まったということでした。であれば、自

分たちはどんなことをサプリメントについて知りたいのか、もっと素朴な疑問からグループで議論を深

めると良かったですね。知識提供型、ピラミッド型のプレゼンテーションでした。そのまま本から転用し

たものもあるようなので、出典は必ずつけましょう。将来、薬剤師になったときにこの情報を患者さんや

生活者に役立てると良いですね。 A-12 班 「みんな気をつけろにゃん 健康食品被害」 趣旨は一貫していてわかりやすかったです。一本調子な伝え方でとても損をしてしまった印象があり

ます。定義からマークの紹介、被害の実態、被害を防ぐ対策、薬剤師の販売時の対応まで網羅され

ていました。中でも、「薬剤師の販売時の対応」はモデリングまでしてくれたのに、インパクトが弱くとて

も残念でした。展開に変化をもたせるためにも、最後にもってきて、会場の電気を全部つけてもらう、

役になりきって堂々と演じる、などを心がけるだけでも、ずいぶん変わったと思います。そして、将来薬

剤師になったときの自分たちの心構えなどで絞めると、ひきしまった発表になったでしょう。次の機会

には、ぜひ構成や伝え方にもさらに気を配ってみましょう。 A-13 班 「笑いと免疫」 「笑い」に関して、このクラスで最後の発表でした。他のグループの発表とどうしても似てしまう部分が

あるものの、重ならないように話題の選択に工夫がみられました。発表はあまり楽しそうではなかった

ですね。免疫関係の説明に使っていた図は、雰囲気充足的で、伝えると言う意味ではあまり効果的で

はありませんでした。出典はつけましょう。質問への回答はなかなか気が利いていて良かったです。 A-14 班 「スポーツと健康」 学校で出来るスポーツとして取り上げたのは面白い着眼です。どうしても羅列に見えてしまうので、「こ

ういうタイプの人には、このスポーツ」などのまとめ方をするなど工夫が欲しかったです。また、「新陳代

謝」「有酸素運動」「基礎代謝」「心肺機能」など知っていそうで正確に知らない言葉に焦点を当て、そ

こから学びを深めるというようなアプローチもあったのでは? グループでのディスカッションを深める

と良かったですね。「スポーツが本当に健康によいのか」という、常識とされているようなことに疑問を

投げかける独自の視点が影をひそめたのは少し残念でした。

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A-15 班 「健康から食事を考える」 偏食とバランスの良い食事という 2 つのグループに分かれて作業を進めていて、中間発表では少し

心配されたグループでした。しかし、最終発表では、2 つを融合させた発表にしっかりなっていました。

問いかけるような語り口、みんな手元の資料を読まずにがんばっていたし、何より色々な人が質問に

答えていて、最終的にはグループワークができていたように感じました。若干事例が極端であった点、

また、今回の学びをどう活かしていくかと言う視点で締めくくりがあればさらに良かったと思います。手

元の資料はよくまとまっていて、役立つ資料になっていました。 B-1 班 「健康を食べよう ?アナタガスキダカラ」食べ合わせについて 大きな声で、何も見ないで話していたことに好感が持てました。また実際に食べ合わせの良い食材

を調理し、みんなに食べてもらうために最初の発表時間を選んだりと熱意とグループ力を感じました。

ただせっかくのエネルギーを注ぐのであれば、登場のさせ方、意味づけなどより明確にすると、より効

果があがったであろうと思います。食べ合わせについて取り上げているグループは多いのですが、食

の基本は、栄養バランスだと思います。ほかのグループにも言えることですが、1 対 1 の「食べ合わせ

を制するものが食を制する」と言えるのか、 そのあたりの基本的なことにも疑問を投げかける視点が

欲しかったと思います。 「アナタガスキダカラ」という発想は、いいですね。 B-2 班 「健康」になるためには? 運動を生活に取り入れるのがいい! パフォーマンスが素晴らしく、見ていてまったく飽きることのないプレゼンテーションでした。スライド

の構成も素晴らしく無駄がなかったです。伝えるためにどうすれば良いかをグループをあげて考えた

ことが伝わってきました。みんな資料を読んでいなかったし、リハーサルも繰り返し行ったことでしょう。

伝えたい熱意、グループ力で高い評価を得ました。空いている時間で簡単にできるストレッチに着目

して、的を絞って伝えたところも良かったです。さらに他の評価ポイントをあげようと考えれば、どんなこ

とをすればよいでしょうか? 限られた発表時間ですが、ストレッチが効果的な理由、特にストレッチが

有効な疾患はあるのか? 健康とストレッチに関するエビデンスはあるのか、など。考察を添えることで

しょうか。 B-3 班 「健康について」 私たちが考える健康の定義「精神的にも肉体的にも満足な状態」というところから、笑いには運動と

同じ効果があるとして、笑いの話に持っていくあたりは、なかなか考えたなという印象をもちました。た

だ、前の週に発表したグループと笑いについての着眼はかなり似通っていました。その似たイメージ

を回避しようとしたせいか、説明とスライド内容の整合がとれていないものが多かったです。タイトルも

工夫が欲しかったです。クイズ形式にするなど、工夫が見られた点は良かったです。 B-4 班 アンケートを実施し、その結果に基づいて情報を提供していくやり方は、とてもうまいと思いました。

アンケートの結果には、対象者と数を必ずつけましょう。毛根の状態など、写真で表されていてわかり

やすかったです。引用出典はつけるようにしましょう。タイトルもつけましょう。中間発表で聞いた「精神

面の健康」と「髪の健康」は、これからどのようなデータが出てくるのか楽しみでしたが、WHO の定義

から、髪の話に持ってくるのは、ちょっと厳しいかもしれません。しかし、髪に焦点を当てて、多くの情

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報をテンポ良く、メリハリをつけて要領よく伝えていました。質問に対しても多くの人が回答していて、

真剣に取り組んだことが伝わってきました。 B-5 班 「身体的健康を得るための効率的な運動方法」 2006 年度の共立薬科大学の一年生の体力測定データと全国平均の比較を載せたことで、その後

に来るトレーニングの説明が活きました。最後にそれらのトレーニングが共薬の体育館で出来ること、

その成果として教員を見せるなど、工夫が効いていました。中間発表で、曖昧である「健康とは何か」

を身体的な面から明らかにしたいという一貫した趣旨の元、よく構成されている印象があります。手元

の資料もよく準備されていました。強いて言うならば、共薬一年生と全国平均で最も差のあった握力

などグラフ化するとインパクトがあったかもしれません。また、なぜ、この概念が日本に根付かないのか、

と言った視点での考察があってもよかったかもしれません。読まずに発表し、質問への回答も明快で

した。 B-6 班 語りかけるようなプレゼンテーションが印象的でした。中間発表では、健康は生きているときにしか考

えることができない→「健康とは死なないこと」という結論でしたが、そこから、世代における健康感の

違いや当人にとっての健康と周りからみた健康の違いなど、健康というものが一概に論じられないこと

などへと考察を深めていきました。班員全員が白と黒の洋服を選んで「心をひとつにした」とのことでし

たが、グループ内で議論を重ねたことがしっかり伝わってきました。ただ、三つ児のストーリー展開は

興味深かったのですが、これはどこまでが事実ですか? 気になりました。後期には生命倫理の授業

があります。さらに考察を深めることができるでしょう。 B-7 班 「健康と食べもの食べ合わせについて」 食べ合わせが良くないと言われる例に焦点を当て、今の時代に読みかえてみるなど、工夫がありま

した。また、そこから食べものと薬の飲み合わせへと展開していったのも良かったと思います。「ふだん

からグレープフルーツを食べていた高血圧の患者さん」の話も新鮮に聞くことが出来ました。そこから

個人差という問題にフォーカスしていくのもなかなか考えたなという感じです。時間がオーバーしてし

まい残念でしたが、自分たちの考えを伝えようという懸命さは伝わってきました。参考文献がきちんと

挙げられていたのも良かったです。 B-8 班 「心と体のバランス」 自分たちの視点で中間発表以前からオリジナルな調査を実施するなど、積極的な取り組みに好感

が持てました。また調査自体、自己認識と心と身体の健康の関係をみたいという面白い着眼でした。

SDS(Self Depression Scale)は、信頼性、妥当性がしっかり検討された尺度で、それを用いた共薬

1 年生 61 名の結果は、意味があるものです。まだ大学という新しい環境に適合して切れておらず、ス

トレス状態にある人も多いということがわかります。さて、なぜ、心と体のバランスに関心を持ったのでし

ょう。SDS→「やどかりの里」という流れは、「心の健康」がメインテーマになっています。「心の健康」を

メインテーマにするか、あくまで「心と体の健康」にこだわって「心身症」などに焦点を当て取材先を変

えるか、整合性が欲しかったところです。ユニークな着想を持った人は、それをグループ構成員全員

に理解を得るよう、ことばを尽くして伝える必要があります、また、他の人もわかろうと質問をする必要

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があります。最後には意志の疎通が図れたようで、中間発表より数段良い発表になっていました。 スライドは、まず、発表内容の要旨(構造)、調査の概要、それぞれのスライドのタイトルなど、伝えるた

めの工夫が必要です。しかしながら、自分たちの関心に基づき、調査やヒアリングを行ったことは、実

に素晴らしいトライでした。読まずに発表していたのも良かったです。 B-9 班 「サプリメントとの付き合い方」 まず、「大学生にとっての健康とは?」という最初の問いがとても好感がもてました。よくありそうな(酎

ハイ、缶ビールはさておき)学生の1日をとりあげてレーダーチャートで示したところも、一目瞭然のわ

かりやすさでした。将来の薬剤師としての視点からも、注意すべき点が述べられていて良かったです。

凝っているわけではないけれど、スライドの見せ方、文字量も適切でした。質問に対する答え方も明

快でした。発表時間内においてはそつがないという印象でしたが、更に加えるとしたら、20 歳代男・女

の各栄養素の必要量に対する実際の摂取量などのファクトでしょうか。 B-10 班 「Oh,my God! I’m sleepy mom!」 テーマを選んだ理由や発表の概要が最初にわかるように目次をつけたことで、どの部分の説明が行

われているのか、安心して説明を聞くことができました。配られた前回のおさらい、寝不足度合いの尺

度などを今回の発表にもっとつなげると、連動性が出て更に効果的だったと思います。不眠を訴える

患者さんは多いので、さまざまな視点で今回学んだことが、いつか生きてくるでしょう。発表しきれなか

った資料が色々ありそうに感じました。質問にもよく答えていました。 B-11 班 「世界で活躍する薬剤師になるために…」 ?世界の健康に対する取り組み? 中間発表で時間が足りなかった感のあった発表が、本発表でどんな形で登場するかについては大

変興味がありました。「知らないことがたくさんある」というのが、今回の率直な感想だった思います。学

んだことをすべて伝えようとしたことにより、焦点の絞り込みが甘くなったように感じます。後半の先進

国と発展途上国での健康課題の違いを取り上げた着眼はとても素晴らしいものでした。もっと時間が

あれば皆さんはどの方向に調査を進めていきたかったのでしょうか? 「知らないことがたくさんある」

という基本姿勢をもって、この学びを忘れずに興味を持ち続けて、視野の広い薬剤師として活躍され

ることを期待しています。 B-12 班 「サプリメントについて」 中間発表で「健康産業」という他のグループにはないテーマを取り上げており、とても関心をもって

いました。それが、影をひそめてしまったのは残念です。健康産業は、産業として私たちの健康を支

えている側面と、産業として成り立つために、かえって健康不安を創出している側面があります。サプ

リメントはどうでしょうか? 薬剤師としてはどうサプリメントを扱えばよいのでしょうか? 年代別のサプ

リメントは、会場の関心をひきつける効果はありましたが、全体の流れからはどうでしょう? 2 つの違っ

たテーマを合わせたような印象が拭えません。 グループ内でもっと議論を活発に行うにはどうすれば

よかったでしょうか? 後期は違うグループ編成ですが、トライしてみましょう!! B-13 班 「睡眠不足」 スライドを見ないでがんばって説明しようとしていたところに好感が持てました。途中、勝手にスライド

が送られてしまうという設定上の問題が起こり、説明そのものに集中できなくなったのが、なにより残念

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でした。タイトルは「睡眠不足」でしたが、内容的には「快眠」を得るためにというところに焦点が当たっ

ていました。もし将来、「どうもこの頃眠れないんです」と、あなたの患者さんから言われたら、どう答え

ますか? そんな視点から 「快眠」を整理してみても面白かったでしょう。トラブルにもめげずに最後

までよくがんばりました。 B-14 班 「QOL: Quality of Laugh」 元気に登場して元気よく発表していました。「Quality of Laugh」というタイトルがとても気が利いて

いるし、全体の内容を象徴しているようで良いと思いました。クイズ形式を取り入れたり、江原先生に

参加してもらったり、プレゼンテーションに工夫が見られ、会場を巻き込んだプレゼンテーションが上

手でした。中間発表から考えると見違えるようにずいぶん進みましたね。脳からみた笑いのメカニズム

をきちんと説明しているところも良かったですね。 6) プレゼンテーション担当チューター会議

第 1 回(2006.6.13 講義終了後) 参加者: 小林、江原、後藤、宮本、重野、阿部、福島、崔、稲見、片山、藤本、飯島、石川 1.グループワークの進行状況と担当チューターの意見 ・健康とは、で始めたものの、班によって捉え方がまちまち→内容のレベルアップを図りたい ・なぜ、健康の中でこのテーマを選んだのか、が必要 ・中間発表で伝えたからと思い、最終発表のスライドでいきなり内容から始まっている班もある ・「なぜ?」からつながりをもって発表して欲しい ・こちらの予想よりも、考えていない、議論がつまっていない ・焦点を絞り切れていない。

例) 色彩:最終発表のスライドで、いきなり色が出ている、なぜ、着眼したかが必要 どうやって結びつけるか、まで言ってから発表して欲しい 関心の持ち方をほめてから、成果への結びつけ、などの関連をみつける

後でふり返った時に、薬学生としての自分たちが学んだことをどのように生かしていけるのかがわか

ると、意味ある調査・報告になっていくのではないか。 チューターはどうしたらよいか・・・介入の仕方

・なぜ自分たちがそのテーマに対して関心をもったのか、を学生から引き出して欲しい 数あるテーマから、どうしてこのテーマなのか? どうして興味をもったのか 「運動が健康にいいのはあたりまえ」と学生が答えたら、「栄養もあるし、○○もあるし、それ

なのになぜ?」と問いかけてみる 理由付けのところに、もう少し介入して欲しい(「なぜ」を、もう少し丹念に聞き出す)

・相手の返事に対して、それを確認するような形で焦点を当て直して欲しい ・学生が気づいた点をまずほめて、プレゼンテーションの内容に結びつける工夫をする

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来週からの予定 ある程度スライドができあがっているので、それを補い、見直す時間とする 学生は、チューターにプレゼンの内容を報告する チューターはプレゼンの内容をチェック、学生が気づかない点を探り出す 実際にプレゼンを 5 分間で行わせてもよい 2.評価 チューターによってバラバラにならないように 中間発表は評価しないという約束 最終プレゼン時に行う学生による相互評価:

自分たちなりの問題意識が感じられましたか。 発表内容は理解できましたか 伝えたいという熱意は感じられましたか 聴いて良かったと、心動かされましたか グループとして議論を尽くした形跡が見られましたか

最終評価(100 点満点として)の内容: 最終プレゼン:50 点 学生たちがつけた点数 20 点+チューターによる評価 20 点+後藤先生 10 点

チューターによる評価は、人数が多い方が良いので、前半のチューターの人の都合がよ

ければ参加してもらったらどうか。 グループワークへの貢献度 15 点(チューターが個々の学生を評価) 出席 15 点(たとえば、12 回(欠席なし)15 点、10 回 10 点、8 回 5 点) 2/3 出席していなかったら(7 回以下)採点外 ふり返り用紙から測る個々人の理解度 10 点 簡単なテスト 10 点 IT と一緒に定期試験を行う 加点評価:最終プレゼンテーションで司会(5 点)、有意義な質問(3 点) 貢献度の判断の基準をどうするか 個人票の ABC を使う 絶対評価でつけるように努力する

3.今日の反省 � グループごとのディスカッションの時間が足りなかった � 模範をただ書き写している班がいた � ディスカッションをしたくない学生もいる � 加わりたい気持ちを見せても、本当の意志がない

そのような学生に対しては、練習を積み重ねることが必要 それでも、話さない子がいる その子をどうしたらいいのか。会話に入りなさい、と言ってもダメ 意志はあるのかもしれないので、機会を与えていくのが大切かもしれない。 � なぜ、議論をしなければいけないのかがわかっていないから、議論に参加できないのでは。 � 責任がある、というのを理解させなければいけない。 � グループでダメなら、2 人、次に 4 人という風に増やしていくのを議論の中に取り入れるのも OK

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かもしれない。 � 普段は自己主張できても、この科目の中で、シナリオ通りに主張ができない � フィードバックが重要(これで良いと学生が思っているプロダクトが、ここが違う、と指摘することが

必要) � モチベーションが上がらないのは、薬剤師となったときに、なぜこの能力が必要なのかがわから

ないから。 � 医療者になる、という大前提が必要 � 具体的に、課題を、もう少し薬剤師の立場を意識するようなものに変えたらどうか。 � 加われない学生に対して、チューターはどこまでフォローすべきか � 司会者に対して、周りが気を遣いすぎてうまくいかない � 全体でいるときには時間をかけられないが、今日はうまくいったかも。

第 2 回 (H18.7.4 最終回講義終了後) 参加者: 小林、阿部、福島、江原、崔、土屋、稲見、片山、田原、藤本、重野、後藤、宮本、

飯島、石川 1.最終発表について

� 前回分の集計結果を見たところ、Best3 はチューター、学生の評価がほぼ一致した。 � ベスト 3 くらいは同じだが、微妙なところでは違う。決してパフォーマンスだけのところがよいわけ

ではない。 � 1,2 位は、ホームページで発表してもよいのではないか。 � 欠席者が意外に多かった。

2.学生の評価 打ち合わせどおり:50%を学生の相互評価からつける 3.来年のテーマ:「健康」から変更する必要があるか? � テーマを絞らない方が、学生がいろいろなテーマを考えられる � 中間発表の時点では、テーマが漠然としており、学生が戸惑っていた雰囲気があったが、今日

の発表をみたら、無理に「薬剤師の使命」などにしなくてもよいのではないか、と思う。 � 中間発表の役割は大きい

� 他の班とダブっている部分を考え直したりすることができた。 � 中間発表のときに質問を受けて、混乱したが、自分たちの方向がそれでわかったかも

しれない。 � 一般的な傾向として、中間発表を経て必ず最終発表ではかなり改善される

� チューターの介入は必要 � チューターが介入しなかったら、細かいテーマに入り込んでしまって「健康」とのつなが

りを忘れてしまったと思う。 � チューターの提案を受け入れるか、受け入れないかは学生の選択

4.その他意見交換 ・今回チューターの人に介入していい、と言った時期はどうだったか

後半からチューターになった人は、前半を見てやった方がよかったかもしれない。 来期からどうするか?

・もう一回早くからきてもらった方がよかったかもしれない。 ・前半の人は中途半端かもしれない。 ・後半をぜんぜん見ないで最終発表を見たので、自分の勉強のためにはならないかも。

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・後半のチューターは、前半の様子がわからないので、困ったのでは? ・全部見るのが理想 ・人数の問題があるかもしれないが、2グループを見ていて、途中で変わると、大幅に変わるので、

チューター側も戸惑う ・プレゼンの仕方で、印象的であることと論理的であることは、異なる。チューターはプレゼンテー

ションの戦略をどう伝えたらいいかが、難しい。 ・非常に厳密に調べて、発表したところ、論理で押し切る方法、パフォーマンスが出てしまっている

ところの差がある。 ・先生方も、HPを見ていただいて、積極的にフィードバックしてほしい ・みんなで作っていないところがある。この部分はプレゼンテーションだけでは評価できない。毎回

のチューターのコメントを利用して評価する。 ・評価について、ここの細かい点についても掲示し、各グループ間で比較してほしい。 ・チューターの人数が多いので、個々の学生まで目が行き届き、よかった。 ・来年は中間発表がおわったあたりで「データの信憑性」について講義する方が良い。 ・あいさつができていない学生に対しては、チューターがきちんとあいさつをするように徹底する

→ あいさつの仕方をチェック ・チューターから先にあいさつをしないと、学生はあいさつをしない ・チューターマニュアルが必要: チェック事項などを挙げておく

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7) プレゼンテーション講義風景

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8) 学生による感想

� グループワークの難しさと楽しさを学んだ。 � グループで作業する際に、自分の役回りについて、よくかんがえるようになった。 � 状況に応じたひとり一人の役回りをきちんとこなすことが大切。相手の役回りを理解し、受け入れ

ることが大切。 � 人前で発表することの難しさより、自分の意見をまとめることの方が難しかった。 � 意見を述べることは苦手であったが、率先して述べるようになった。 � きっかけさえつかめれば、話しやすくなるのだということを学ぶことができたので、「きっかけ」を作

ることが重要なのだと感じた。 � グループをまとめることができるようになり、人間的に成長したように感じた。 � こんなに真剣に議論したことは、今まで無かった。議論したことが印象に残っている。 � 「何なんだこいつは?」と思うとき、この人は自分とは正反対のタイプなのかもしれない、と思うよう

になった。つまり、人には色々なタイプがあって当然であるのだと言うことを学んだ。 � 人の意見がまったっくちがっていても、否定するのではなく、そういう意見もあるのだということを

理解することが大切。 � 他者を受け入れることを大切にしたいと思った。その難しさを知り、自分にはまだまだ不足してい

ると思った。 � 他者の意見を聞くことによって、自分自身も新しい視点から物事をみることができる � 人の話を聞くことも重要だが、自分の意見を主張しなくては、グループワークに参加していない

のと同じ。 � 自分の意見が正しいと思っても、あくまでも一つの意見、考え方である。 � いろいろな意見、いろいろなタイプの人がいて当然だということを学んだ。 � 日頃何気なく自己主張をしすぎてはいないか、他者に不快感を与えてはいないかを見つめ直す、

いい機会になった � 他者のことをしろうとする姿勢自体が、その人と仲良くなることに必要であると知った � 人の気持ちになって考えてみることは、とても大切なこと。今、相手がどんな風に思っているのか、

よく見て察すれば、きっと人間関係も円滑に行くと思う。 � 相手を思いやる気持ちを持つとともに、自分の意見、考えに誠実になれていったら、とても良いと

思う。これは薬剤師という仕事にも通じるものがあると思う。 � 自分を知ることによって、他人にも心地よく接することができる、とういことを学んだ。 � 自分が主張したいことがあっても、表情や言い方、また仕草などで、相手が受ける印象がこんな

にも変わるものかと驚いた。 � 人にわかりやすく伝える難しさを学んだ � コミュニケーションなんて一見簡単そうなものに見えるけれど、意外と奥が深いと思った。 � 自分たちが調べたことを、みんなに伝えることの難しさ、どのように発表したら理解してくれるのか

を学ぶことができた。

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� 自分たちの意見が、全く知識のない人には、とても伝わりにくいものである � 将来、薬剤師になったときに、薬の説明をするのにも、相手は薬に関する知識が少ない人もいる

かもしれないので、自分の持っている知識を、うまく伝えることのできる能力が必要だと感じた。 � 人と接していくときに、どうすればいいか、どう工夫すれば伝わるか、ということを考えることを学べ

た � 適切な量の情報を見極めるのがとても難しかった � 大量の情報から信頼性の高いものを抜き出す難しさを学べた � 予想以上に情報量が多く、何をどのようにまとめたらいいのか、わからなくなったりもした。そうし

たときにグループ内のメンバーの意見、アイディアは大きな助けとなった � 収集した情報を発表のため削ることが難しかった。 � 中間発表で他の発表を見ると自分たちの発表内容の欠点が分かり、参考になり、なぜ中間発表

をするのかが分かった。 � 最終発表での各班の工夫が面白く、アピールの仕方が重要であることが分かった。 � インターネットの情報をそのままコピー&ペーストしているグループがあり、発表の仕方が旨く、そ

の方が評価が高かった。 � 先生が発表の構成まで決めてしまい、自分たちにやらせて欲しかった。 � 前期の授業の中で、一番先生との距離が近くに感じた。 � チーム医療が叫ばれている今、この授業は大事ではないかと思った。 � 授業以外でもグループの仲間とは気軽に挨拶できるようになった。