日本初、アドベンチャーツーリズムマーケティング戦略策定!2018/05/22  ·...

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経済産業省 北海道経済産業局 地域経済部 情報・サービス政策課 平成30年5月22日 日本初、アドベンチャーツーリズムマーケティング戦略策定! ~道東エリアをモデルとした地域AT戦略~ <概要版> (本発表資料のお問い合わせ先) 経済産業省北海道経済産業局 地域経済部 情報・サービス政策課 担当者:髙橋、岡﨑、山﨑 電話:011-709-2311(内線2558,2559) E-mail: [email protected]

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Page 1: 日本初、アドベンチャーツーリズムマーケティング戦略策定!2018/05/22  · Hokkaido Adventure Travel Association(HATA) 産学官が連携し、ATという旅のスタイルを、外国人旅行者の新た

経済産業省 北海道経済産業局

地域経済部 情報・サービス政策課

平成30年5月22日

日本初、アドベンチャーツーリズムマーケティング戦略策定!~道東エリアをモデルとした地域AT戦略~

<概要版>

(本発表資料のお問い合わせ先)

経済産業省北海道経済産業局

地域経済部 情報・サービス政策課 担当者:髙橋、岡﨑、山﨑

電話:011-709-2311(内線2558,2559)

E-mail:[email protected]

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北海道経済産業局では、拡大する訪日外国人旅行者のさらなる取り込みと消費単価の向上に向け、アドベンチャーツーリズム(以下、AT)市場の獲得を目指し、道内で先導的に取り組んでいる鶴雅リゾート株式会社を中核企業に据え、「平成29年度 地域中核企業創出・支援事業」を実施しました。

本事業では、世界的なAT推進組織である Adventure Travel TradeAssociation(以下、ATTA)幹部の招聘や、世界のAT関係者が一堂に会するAdventure Travel World Summit(以下、ATWS)への参加を通じ、道東地域における「ATマーケティング戦略」を策定しました。

このマーケティング戦略においては、AT顧客獲得に向けた4つの方策を提示するとともに、北海道経済産業局及び阿寒地域関係者等による平成30年度の取り組みをご紹介します。

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・ATTAのボードメンバーを2017年9月に北海道に招聘し、アイヌ文化や知床世界遺産等の多様なコンテンツを紹介。また、AT関係者とのネットワーク形成の場であるアドベンチャーコネクトを開催。

・二層の文化体験(日本文化とアイヌ文化)、「癒やし」の自然、食事体験、インフラ等が高く評価され

北海道がAT市場の有望なエリアであるということを強く印象づけることに成功。

・一方で「各コンテンツが独立して存在しており、これらを一本のストーリーでパッケージ化することでより付加価値が高まる」「サービスの品質を高めるにはエンターテイナー等人材の育成が重要」などとの指摘があった。

・北海道運輸局等と連携し、AT市場獲得のため、関係機関とのネットワーク構築、顧客誘致・認知度向上に向けた世界最大のATイベントであるATWS(2017年10月、アルゼンチン/サルタ)へ参加。

(1)ATTAボードメンバーの招聘

(2)ATWSへ参加

・コンテンツを組成・充実するとともに各コンテンツをストーリーでつなぎ付加価値を高める必要がある・サービスの品質を高めるには、魅力・価値を伝える人材の育成が重要・ATWS等世界的なイベントの招致、参加を通じた情報発信が重要・地域の産業界、行政機関の連携が重要

平成29年度の取組

得られた示唆

• 現地PRやヒアリングにより、北海道のAT目的地としての可能性を確認• 主催者側とホスト地域側双方との関係構築や、会場規模、運営スタッフ、エクスカーションメニューなどのオペレーションを確認。

(3)地域関係者とのWG開催・釧路・阿寒エリア等の関係者に対し、上記取組内容をフィードバックしながら取組の方向性を検討。

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ATマーケティング戦略の取りまとめ

ATの市場分析や平成29年度の取組を活かし、鶴雅リゾート(株)やNPO法人阿寒観光協会まちづくり推進機構等からなるメンバーにより、AT市場創出に向けた課題を可視化、その方向性の検討を行い、以下の方策を軸とした地域のマーケティング戦略を策定。

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I. 既存のコンテンツ・リソースをストーリーで紡ぐ、コンテンツを組成する

■AT顧客獲得に向けたポイント

Ⅲ. 世界に向けた発信、優良顧客とのネットワークを構築する

IV. 産業界・官公庁が連携し、エリア一体となる取組を実施する

Ⅱ. ATサービスの品質を世界水準に引き上げる(人材育成)

ターゲット:北米・欧州のソフトAT顧客※ソフトAT顧客:アドベンチャーツーリズムに取り入れるアクティビティが、より手軽な傾向にある旅行者

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AT市場を獲得し、単価を上げ、滞在期間を長くし、満足度を向上させるには、エリア全体を語るストーリーにより各リソースを統合し、AT旅行者が楽しめるフルパッケージを作る必要がある。

ATWS期間中に実施されるエクスカーション(体験ツアー)では、受入エリアは30程度のメニューを用意することが求められる。

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I. 既存のコンテンツ・リソースをストーリーで紡ぐ、コンテンツを組成する

■AT顧客獲得に向けた方策

鶴雅リゾート(株)は、平成30年4月にAT専門事業部を設置。本事業部が中心となり、AT顧客が楽しめるフルパッケージツアーのパイロット版を造成、テスト販売を行う。

NPO法人阿寒観光協会まちづくり推進機構が、阿寒エリアに独立して存在するリソースを多様なストーリー性の高い滞在プログラムに合わせて戦略的に面として融合させていくとともに、釧路、弟子屈をはじめとする道東近隣エリアと緊密に連携していく。

阿寒アドベンチャーツーリズム(株)が、アイヌ民族の文化・神話をモチーフとしたストーリーに沿い、阿寒の夜の森を舞台に自然や植物との共生の世界をデジタルアートにより演出。また、国の天然記念物であるマリモの生息地を訪れる特別ツアーや、白湯山(はくとうさん)のトレッキングなどのAT滞在プログラムの開発及び運営、ガイド養成の支援を行う。

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■AT顧客獲得に向けた方策

(株)JTB総合研究所が、ATTAと連携し、日本のAT提供事業者向けのサービス基準策定を検討する。基準策定にあたっては、鶴雅リゾート(株)をはじめとする阿寒エリア関連事業者の

協力を得ながら阿寒エリアをモデルケース的に実施する。具体的な項目は以下の通り。

・ AT顧客を楽しませるためのユニーク要素・ AT顧客をより楽しませるための演出方法やコミュニケーション方法・ AT顧客により伝わる立体的ストーリーのまとめ方

AT顧客に対して地域の魅力・価値を最大化するエンターテイナー、グローバル市場に対応できるアクティビティの専門家、自然の専門家などを育てる必要があり、地域に合ったアドベンチャーツーリズムの標準化の枠組みを定める必要がある。

Ⅱ. ATサービスの品質を世界水準に引き上げる(人材育成)

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北海道経済産業局が、日本における北海道・道東地域をPRするとともに、海外関係機関とのネットワーク構築、ATWS開催状況の把握を目的として、トスカーナ(イタリア)で開催されるATWSに参加(10月)。また、ATWSの北海道誘致や大型FAMツアー(Adventure Week)実施を見据え、北海道運輸局をはじめとした関係機関との連携を強化。※FAMツアー(Familiarization Tour):誘致・誘客促進等を目的とし、関連事業者等を対象に現地視察を行うツアー

鶴雅リゾート(株)が、ATWSに参加し、優良顧客とのネットワークを構築するとともに自社が提供するサービスをはじめ、道東・阿寒エリアのPRを実施。

ATWSへ参加しエリア及び自社等をPRするとともに、ATTAや強い影響力を持つAT会員とのネットワークを構築する。

道内AT関係機関が連携して大型FAMツアーの実施やATWS誘致について検討する。

Ⅲ. 世界に向けた発信、優良顧客とのネットワークを構築する

■AT顧客獲得に向けた方策

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■AT顧客獲得に向けた方策

IV. 産業界・官公庁が連携し、エリア一体となる取組を実施する

AT市場獲得のためには地域一体となって取り組む必要があるため、目指すべき方向性を定め関係機関のATに対する理解を深めることが必要。

優秀なサプライヤーが他者の模範となって地域全体を高めていくような取組をする必要がある。

ローカルの事業者や地域文化の代表者など中核となるエリアのコミュニティリーダーを巻き込んで進めていく必要がある。

北海道経済産業局が、道東エリアにある豊富なATリソースを整理・分析し、道内におけるAT事業者の機運醸成・連携強化を目的としたアドベンチャーコネクトを開催(9月)。

鶴雅リゾート(株)のAT事業部が中心となり、AT顧客が楽しめるツアーを阿寒関係事業者と連携して造成、ATWSへの参加、阿寒エリアのAT拠点の造成など、宿泊事業者としての取組だけではなく、阿寒エリア全体の経済好循環化を意識した取組を実施。

NPO法人阿寒観光協会まちづくり推進機構が、阿寒アイヌ工芸組合と連携した商店街回遊性向上事業などを実施するとともに、持続可能な事業運営による「稼げる地域づくり」の基盤づくりを推進。

阿寒アドベンチャーツーリズム(株)が、阿寒エリアのハブとしてDMO・宿泊施設・関連事業者一体となったエリア全体での価値向上を推進する。また、白湯山(はくとうさん)のトレッキングをはじめとする、AT滞在プログラムの開発及び運営を行うとともにガイド養成支援を行う。

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北海道経済産業局は平成29年度、(株)JTB総合研究所に委託し、鶴雅リゾート(株)を中核企業として、道東地域をモデルとしたATマーケティング戦略を策定。

事業者

◆JTBグループ◆域内観光関連事業者◆航空会社

◆ATTAが主催する、世界最大のアドベンチャー・トラベル・サミット。◆世界の富裕層やメディア等1000人近くが参加◆「エクスカーション」によるアクティビティ等の観光体験◆ 「プレゼンテーション」「ネットワーキングスペース」による情報発信◆ 「マーケットプレイス」での商談会等

◆北海道運輸局◆北海道環境事務所◆北海道アドベンチャートラベル協議会※3

◆阿寒観光協会まちづくり推進機構◆関係自治体

関係機関等

【参考】「平成29年度 地域中核企業創出・支援事業」

◆管理法人 (株)JTB総合研究所

地域中核企業 鶴雅リゾート(株)

◆阿寒湖温泉を中心に8つ、グループ全体で13の宿泊施設、飲食店を運営。

Adventure Travel World Summit(ATWS)

※3 北海道アドベンチャートラベル協議会:Hokkaido Adventure Travel Association(HATA)産学官が連携し、ATという旅のスタイルを、外国人旅行者の新たな来道目的として定着させることを目的に、北海道運輸局が平成29年6月21日に設立予定。

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連携

主要空港

鶴雅関連施設

需要の集中する道央圏からの訪日外客の地域拡散に貢献

参加

各国・地域のメディア、政府観光局、観光協会、DMO、アウトドアメーカー等で構成され、およそ100ヵ国1300会員数を擁する世界で最も権威のあるといわれるアドベンチャーツーリズム組織団体。本拠地はシアトル。

Adventure Travel Trade Association(ATTA)

北海道経済産業局

委託

・アドベンチャー・トラベル・ワールド・サミットの誘致(アジア初!)・アドベンチャーツーリズム市場における富裕層顧客需要の獲得

最終目標

(地域中核企業創出・支援事業)