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1 2000 年度生 上智大学経済学部経営学科 網倉ゼミナール 卒業論文 「クチコミ・マーケティング」 0042442 周藤 純子 2004 1 15

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2000 年度生 上智大学経済学部経営学科 網倉ゼミナール 卒業論文

「クチコミ・マーケティング」

A0042442 周藤 純子

2004 年 1 月 15 日

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<はじめに> 現代社会には情報が溢れている。テレビ、雑誌、ラジオ、建物の屋内外広告、乗り物内外を

利用した広告…そして、インターネット。人は、生活の様々な場面で常に何らかの情報を受け続けて

いる。そしてその情報の渦の中で、必要な情報だけを選別、またそれが信用できるものかどうか分析

し、自分の活動に取り入れるか判断して生きている。今、その選別、分析、判断をする上で特に重要

な役割を果たしているのが、クチコミである。特に90年代後半からは、「クチコミ時代の到来」と言

われるほど(船井、1999)、そのマーケティングにおける重要性は無視できないものとなってきている。例えば、企業が多額の広告やプロモーションを実施したとしても、ネガティブなクチコミによって全

く効果が出なかったり、逆に、ポジティブなクチコミによって、ほとんど宣伝活動をしない店や製品

がヒットする事もある。このため、現在、巷には企業向けクチコミマーケティング講習会や本が多く

出回り、企業に代わって実際にクチコミプロモーションを実施するPR会社も増えている。しかしな

がら、クチコミは、はっきりと目に見えない現象であるゆえ実証研究が難しく、まだ未開発な分野な

のが現状のようである。そこで、この論文では、「クチコミ」という現象の仕組みを解き明かし、また

そのマーケティングにおける効果的な利用法に迫るべく、以下の二部に分けて述べる事にする。 第1部:クチコミの特徴と、クチコミを利用したマーケティング(プロモーション)の分析 第2部:クチコミ研究を利用した、「上智大学におけるクチコミ・マーケティング実践」の結

果 < 第1部 > (1) クチコミとは

クチコミとは、何らかの情報の受信者が、新たな発信者となる事の連鎖により、その情報が徐々

に社会に普及していく現象である。経済活動の場面においては、消費者同士の相互的な情報交換によ

るものであるため、企業側からは察知、把握する事が難しい。

(2) 何故、人はクチコミをするのか

マーケティングの手法としてクチコミ研究に取り組んでいるエマニュエル・ローゼンは、著書

「クチコミはこうしてつくられる」(2002)の中で、その理由を以下のように述べている。

✤ 人は話すようにプログラムされている。 …情報を共有する事は、昔から、狩りに最適な場所を教え合ったり、水のあ

る場所を教えあうなど、生き残るための効果的な仕組みであった。

✤ 連帯と社会的な結びつきを維持するために話す。 …人には、社会と結びつきたいという欲求があり、話をする事で結びつく事

が出来る。

✤ リスク、コスト、不確実性を減らすために話す。 …情報を共有する事で、クチコミの受け手は時間を節約する事が出来る。ま

た、不確実性を減らす事でリスクを回避する事が出来る。

✤ 経済的にメリットが得られる。 …ある種の製品は、ネットワーク外部性によって、多くの人が使うと、より価

値が高くなり、消費者はそのメリットを得る事が出来る。

✤ 不安を和らげたり、腹立たしさを紛らわせたり、ストレスを解消するために話す。 …人は、自分が不安に感じている事などがある場合、周りと情報を共有する事で

不安を和らげようとする。また、腹が立った事やストレスがある場合、それを

話すことにより解消しようとする。

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(3) クチコミが重要となってきた背景

では、この「クチコミ」が、近年重要視されるようになってきたのは何故なのだろうか。ロー

ゼン(2002)は、クチコミの重要性が高まってきている理由として、「ノイズ」「懐疑的な態度」「つながり」という三つのキーワードを挙げている。媒体の多様化や、商品・サービスの急速な供給増によ

る情報過多(「ノイズ」)によって、人は様々な場面で受け取る膨大な情報をフィルターにかけなけれ

ばならず、その手間を軽減するのが、クチコミである。情報量の増加(ノイズ)が、消費者の、認知

から購買行動までのスムーズな流れを邪魔するようになったのである。ただし、逆に情報量が少なす

ぎる場合にも、クチコミを頼る傾向がある事も忘れてはならない。 また、アメリカのPR会社の調査によると、ソフトウェア会社やコンピューター会社からの情

報が、「信じられる」と答えた消費者はわずか37%で、製薬会社では28%、自動車メーカーだと1

8%、保険会社においては16%だという(ローゼン、2002)。製品の増加や、その製品の持つ性能が複雑になることにより、消費者は懐疑的にならざるを得ない。この「懐疑的」な消費者に購買行動を

起こさせる大きな要素が、クチコミとなっている。(図1)は、女性の企画集団「HER STORY」が、女性 3002 人に対して行った調査において得られた結果の一つである。「広告とクチコミのどちらを信じるか」の質問に対して、8割以上の人は「クチコミを信じる」と答えている。つまり、現代の消費者は、利害関係の当事者である、企業側の立場から発信される情報を、素直に信じなくなっているので

ある。

(図1)「クチコミュニティ・マーケティング2」より

さらに、消費者は、インターネットや携帯電話などの普及により、情報を共有する新しい道具

を手に入れている。この新しい道具の出現により、消費者は見知らぬ人とも容易にコミュニケーショ

ン出来るようになったのであり、購買行動に至るまでの必要な情報を共有しあう事が出来るようにな

った。また、クチコミを利用したビジネスとして近年特に目立つのは、クチコミで何かを普及しよう

とする企業サイドではなく、企業と消費者との間の中立な立場で「クチコミをする場」を消費者に提

供する事で利益を得る、「インターネットのクチコミサイト」運営企業である。インターネットで「ク

チコミ」と検索すれば、「おいしいクチコミサイト、クチコミ WEB」や「みんなのクチコミサイト@COSME」「話題の商品発掘サイト、クチコミ Navi」など、様々なクチコミサイトを見つけることが出来る。この事からも、インターネットの普及が、人々の「つながり」を驚異的に広げ、個人の持つ情

報の影響力を何倍にも増加させた結果、「クチコミ」をマーケティング界の主役に一気に押し上げた事

は明らかである。 (4) 現代のクチコミの特徴

実際、消費者の活動における「クチコミ」の位置づけ、影響力とはどのようなものか。中島正 之、鈴木司、吉松徹郎共著による、「くちコミ・マーケティング」(2003)のデータと、私が実施した、上智大学生対象のアンケート調査の結果を元に分析してみたい。

:調査対象 上智大学経済学部開講「組織論Ⅰ」「企業と社会」の受講者(主に1年~3年次生)

男子生徒‐155人 女子生徒‐168人

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① クチコミが消費者の購買行動に与える影響

(図2)母数は 600人、単位は% 「図解でわかる くちコミ マーケティング」より

(図3)「上智大学生クチコミ傾向調査」より(単位 %) (情報を得る事の多い順位を挙げてもらい、1位‐5ポイント、2位‐4ポイント、3位‐3ポイント、4位‐2ポイント、5位‐1ポイントを各々に掛けて計算。)

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(図4)「上智大学生クチコミ傾向調査」より(単位 %) (図5)「上智大学生クチコミ傾向調査」より

まず、「図解でわかる くちコミマーケティング」(中島・鈴木・吉松、2003)で紹介されている、インフォプラントという機関が行った調査結果(図2)を見ると、商品やサービスを「初めて知

るきっかけ」「興味や関心を持つきっかけ」「購入しようと思うきっかけ」のいずれにおいても、「テレ

ビCM」についで「友人や知人のクチコミ」が高い影響力を示している。これに、さらに下位の「イ

ンターネットのクチコミサイト」や「友人や知人からのメール」を加えると、いかにクチコミの影響

力が大きいかが分かる。また、「初めて知るきっかけ」「関心を持つきっかけ」においては、テレビC

Mの影響が非常に高いが、「購入しようと思うきっかけ」となると、「友人・知人からのくちコミ」と

余り数値に差がない。この事から、消費者は、最初の認知の段階ではテレビCMの情報に影響される

事が多いが、それがダイレクトに購入しようと思うきっかけにはなりにくく、実際に自分の生活に必

要かどうか判断する材料としては、クチコミを参考にしていることが分かる。 次に、上智大学クチコミ傾向調査の結果を見てみる(図3)。すると、男女ともに、クチコミ

情報源としては圧倒的に友人が多いことが分かる。これは、インフォプラントの調査(OL、ビジネ

スマン、主婦、シニア対象)においても同じ結果が出ており、どの年代においても、生活に関する会

話をする相手としては友人が一番多いということであろう。また、女子学生は、男子学生よりも家族

と会話をする機会が多いとみられ、雑誌から得る情報も多いようだ。逆に、男子学生は、インターネ

ットで情報を得る事が女子学生に比べて多い。専門家(販売員、教員など)から、クチコミ情報を得

る機会は比較的少ない。 また、(図4)は、上智大学生に、実際にクチコミ情報を元に購入したものについて、「どう

してそれを購入したのか」を尋ねた結果である。ここでは、いかに友人からの影響が購買行動におい

て大きなものかが表れている。特に男子学生は、その傾向が強く、友人同士の情報交換に対する信頼

度が高い事が分かる。また、男子学生では、「あったらいいなと思っていた製品だったから」と「その

製品の性質に驚いたから」と答える割合も女子学生に比べて高く、感情に訴える製品に弱い事が伺え

る。一方、女子学生は、男子学生と比較して、「サンプルなどを試して良かったから」と「沢山の人か

ら評判を聞いたから」の割合が高く、購買行動において、男子学生よりも堅実な面が表れている。 さらに、(図5)は、クチコミを聞いてその商品を購入する以前の、上智大学生の、商品に対

する認知度と購買意欲を調査した結果である。これによると、「全くその商品を知らなかった」、もし

くは、「名前しか知らなかった」学生は 69%であり、「クチコミを聞く前に名前も性質も知っていた(迷っていた、もしくは、買う気は無かった)」学生の 31%を大いに上回っている。すなわち、クチコミ情報は、その商品の認知度が低い場合に聞いたほうが購買行動に繋がる確率が高く、既にその商品の

認知度が高く、また評価がされている場合には、その影響力は弱いと言えよう。

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② クチコミへの関心度

(図6)「図解でわかる くちコミ・マーケティング」より

(図7)「上智大学生クチコミ傾向調査」より (図8)「上智大学生クチコミ傾向調査」より

(図6)は、調査機関インフォプラントに登録している生活者モニター1158名(主婦、OL、ビジネスマン、50歳以上男女)を対象に、クチコミへの関心度を尋ねた結果である。これにより、約6割の人がクチコミ情報に関心を持っていることが分かる。このうち、特に、主婦とOLの関心度は、

ビジネスマンのそれよりも高く、男女でクチコミへの関心には差があることが分かった。 一方、上智大学生対象のアンケート調査では、男女間であまり差がなく、約 8 割の人がクチ

コミ情報に関心を寄せているという結果が出ている(図7)。また(図8)は、上智大学生が、クチコ

ミ情報に興味を持った後の行動として、インターネットや雑誌で更に詳しい情報を探すことが多いと

いう事を表している。このことから、クチコミが派生・普及している段階で、さらにインターネット

や雑誌上に情報を多く載せるように努めれば、クチコミが購買行動に繋がる可能性が非常に高まると

いう事が言える。尚、男女の違いという点で興味深いのは、男子学生では、クチコミ情報を店頭で確

かめようと行動する人が多いのに比べ、女子学生では、特に行動せずに忘れる人の割合が高い点であ

る。

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③ クチコミしたい度

(図9)「図解でわかる くちコミ・マーケティング」より

(図 10)「上智大学生クチコミ傾向調査」より 次に、消費者が「良いな」と思える商品に出会った時に、どれくらいそれを他の人に伝えた

いと思うのかを調査した結果をみてみる。すると、(図9)からは、総合的にみて消費者の多くが「良

いものは人に勧めたい」と思っていることが分かる。特に、女性はその傾向が強く、8割以上の人が

クチコミする意思が高い。女性向けの商品では、特にクチコミを意識したプロモーションが有効だと

いう事が伺える。 しかしながら、「クチコミはこうして作られる」(ローゼン、2002)では、クチコミに対する傾向には、文化や年齢などによる大きな違いもあるとしている。例えば、「日本の企業は、アメリカの

企業よりも、広告、銀行、会計などのサービスを探すときに、紹介による情報源を多く使う」事や、「新

しい車を選ぶときに、18 歳から 24 歳の若者の 58%は他人の評価に頼るが、55 歳以上では 30%しか頼らない」といった風に、その傾向には違いがみられる。

実際、(図 10)の上智大学生調査結果を見ても、男女総合で 7割以上の学生が、「なるべく沢山の人に話したい」もしくは、「興味がありそうな人に話す」と答えている。これに、「関係する話題

が出たら話す」を足すと、なんと学生の 93%が「話したい」と思っているという結果がでた。これは(図9)の結果の、「シニア」や「ビジネスマン」のクチコミ度よりも、遥かに高い数値である。

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④「クチコミで購入される商品」 1位 化粧品 12.6 11位 家電製品 3.1

1位 健康・美容関連 12.6 12位 音楽CD・書籍 2.7

3位 飲食店 9.5 13位 衣類 2.4

4位 一般食品 9.3 14位 飲料水 2.2

5位 日用品 8.4 14位 PCソフト・ゲーム 2.2

6位 IT機器 6.2 16位 携帯電話 1.5

7位 レジャー施設・サービス 5.8 17位 保険など金融商品 1.1

8位 医療機関 5.3 18位 アルコール飲料 0.8

9位 菓子 4.6 19位 医薬品 0.7

10位 インターネットサービス 4 その他 5 (図 11)「図解でわかる くちコミ・マーケティング」より

(図 12・a)「上智大学生クチコミ傾向調査」より(単位%)

(図 12・b)「上智大学生クチコミ傾向調査」より (単位%) まず、クチコミで実際に購入された商品についてのインフォプラントの調査では、総合で(図

11)のような結果が出た。これを消費者の属性別に見てみると、その特徴に違いが現れる。

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主婦…1)化粧品 2)一般食品 3)健康・美容関連 4)日用品 5)飲食店 → 日用品、最寄品が多い OL…1)化粧品 2)健康・美容関連 3)飲食店 4)一般食品

5)インターネットサービス → 化粧品がダントツ ビジネスマン…1)IT機器 2)飲食店 3)レジャー施設・サービス

4)PCソフト・ゲーム 5)健康・美容関連 → IT機器がダントツ 50 歳以上男女…1)健康・美容関連 2)レジャー施設・サービス 3)医療機関 4)飲食店

5)日用品 → 体験型・利用型商品が多い

この結果をみると、健康・美容関連と飲食店は、どの属性においても 5位以内に入っており、

それらが、年齢などに関係なく関心が高く、また、クチコミの影響を受け易い商品である事が分かる。 しかしながら、他のランクイン商品に関しては、やはり、性別、年齢による関心の違いが表れており、 実際に、(図 12)の上智大学生の「クチコミを聞いて実際に購入したもの」では、男女間で大きな違 いが見られる。

男子学生…1)電化製品 2)ファッション関連 2)音楽(CDなど) 女子学生…1)化粧品 2)飲食店 3)本

まず、男子学生では「電化製品」、女子学生では「化粧品」が圧倒的に高い。男子学生で 1位 の電化製品は、女子学生では非常に低い順位であり、逆に男子学生では、化粧品と答えた人はほとん

どいなかった。また、ファッション関連購入に際しクチコミ情報の影響を受けるのは、意外にも男子

学生の方が遥かに多いという結果は興味深い。その他(図 12)に見られる特徴は、男女共、映画とグルメ(飲食店)に関しては、クチコミを参考にする事が多いが、実際に購入する事は少ない。これは、

両方とも娯楽製品であり、収入の比較的少ないであろう学生においては、興味もありクチコミを参考

にするものの、実際に購入するまでには至らない事が多いという事があるのではないだろうか。尚、

旅行に関する興味の高さと実際の購入との大きな差も、同じ理由が考えられる。

「クチコミはこうして作られる」(ローゼン、2002)では、クチコミを起こしやすい製品の特性を次のようにまとめている。 ✤ エキサイティング型製品

…驚きや感動、恐怖など、消費者の感情を動かす製品 ✤ 革新的製品

…新しい恩恵をもたらし、創造した人への賞賛を生む製品 ✤ 経験型製品

…経験しなければ評価が出来ない製品 ✤ 複雑な製品

…ニーズやリスクの軽減についてなど、話したくなる動機を沢山含む製品 ✤ 高額製品

…リスク軽減を強く望まれる製品 ✤ 自分自身を広告する製品

…使用している状態が他人から見られる製品。 ✤ 利用者が増えるほど便利になる製品

…同じ財・サービスの消費者が多ければ多いほど、便利になったり、一人当たりのコストが

下がったりする製品(ネットワーク外部性による)。

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ローゼンの主張は、「インフォプラントによる調査」、「上智大学生クチコミ傾向調査」両方の

結果において、確認できる。女性の購入で順位の高い化粧品や、男性に多いレジャー施設、全体的に

高順位の健康・美容関連や飲食店は、「経験型製品」であり、実際に経験をする事がその商品の価値で

あるので、他人の経験談を参考にする事が非常に有効となる。また、男性で圧倒的にクチコミ購入順

位が高い、IT機器、電化製品は、「複雑な製品」または「高額製品」であると言える。これらは他の

製品に比べてその機能が複雑であったり比較的高額なものが多いため、不確実性を減らし、自分のニ

ーズに合ったものか判断したり、失敗して大金を無駄にするリスク軽減の為にクチコミを活用してい

ると思われる。尚、ローゼン(2002)は、クチコミの波及において、製品の特性の他に、そこに投下される「エネルギー」と「信用」も重要な要因となるとしている。

⑤ クチコミに対する価値観別、消費者のタイプ分類

「図解でわかる くちコミマーケティング」(中島ほか、2003)では、クチコミに 対する傾向によって、消費者のタイプを次の 4 つに分けている。これを見ると、クチコミを利用してプロモーションする場合には、「クチコミ情報への関心度」も「クチコミしたい度」も共に高いアクテ

ィブを最初のターゲットとして活動していくと、より高い成功率が期待出来るといえる。

(図 13)「図解でわかる くちコミ・マーケティング」より エフェクト…利用・体験したものを他人に教える傾向が強く、クチコミ情報にも関心が高いが、リー

ダーシップは強くはない。 女性が多い

20代~40代中心 主婦・OL クチコミ情報関心度:44.0% クチコミしたい度:20.0% アクティブ…情報提供に意欲的でリーダーシップがある。クチコミ派生に最適。

男女半々 30代と50代以上で多い 主婦、OL、自由業、経営者 クチコミ情報関心度:39.1% クチコミしたい度:43.8% 情報フォロワー…自ら情報発信する事は少なく、メディアの影響を受け易い。

男性が多い 学生、中高年中心 クチコミ情報関心度:21.5% クチコミしたい度:1.3%

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ジャッジ…必要な情報は自分で探し出し、他人がどう思うかよりも自分の判断を重視。 やや女性に多い

クチコミ情報関心度:36.6 クチコミしたい度:18.3% (5) ネットワークとクチコミ クチコミの波及の影にはネットワークの存在がある。クチコミを利用したマーケティングを

成功に導くには、ネットワークの特性を理解することが重要な鍵となる。クチコミを支えるネットワ

ークの仕組みについて、ローゼン(2002)の研究を参考にまとめてみたい。 1.ネットワークのハブ

ネットワークのハブ…ある製品について、平均よりも多くコミュニケーションする人。影

響力のある人々。オピニオン・リーダーとも呼ばれる。地域的なシ

ステムと外部の世界との間にリンクを張る。 ☆ ハブの特徴 (ACTIVE / 行動的)

① 早期採用(Ahead in adoption) 新製品を、「初めて」試すというわけではなく、ネットワークの残りの人よりも、

わずか先を行っている。新しいアイディアを相対的に早く受け入れる。 ② つながり (Connected)

他の人々よりも、コスモポリタン(地域の外の世界を志向する)な傾向がある。ト

レード・ショーやフォーラムに出掛けたり、ユーザーグループに関わったりする。 ③ 旅行 (Travelers)

他の人々よりも、多く旅行する傾向がある。 ④ 情報への飢え(Information-hungry)

特に、エキスパート・ハブは、この傾向が強い。 ⑤ おしゃべり(Vocal)

自分の意見を堂々と話す。インターネット上での発言も含む。 ⑥ メディア露出(Exposed to the media more than others)

情報を求めるため、より多く読んだり聞いたりする。印刷メディアへの接触が多い。

<通常のハブ> ある製品カテゴリーにおいて、情報や影響を与える人々。 <メガ・ハブ> 報道陣、有名人、アナリスト、政治家など。リンクを多く持ち、且つ、マスメ ディアを通じて大きな影響力を持つ。 <エキスパート・ハブ> 特定の分野で顕著な知識を示してきた為、質問される人々。 <社会的ハブ> カリスマ性、仲間からの信頼、社会的な活動などにより、グループの中心とな る人々。

通常のハブ メガ・ハブ エキスパート・ハブ 網倉 久永 上智大学教授 塩川 正十郎 財務大臣 社会的ハブ 学校の部活動における部長など 和田アキコ

2.ハブとクチコミが生み出す価値 例:ハブが、化粧品(1,000円)について 50人にクチコミ。10人が購入。

一度買った人はリピーターとなり、毎月購入すると設定。 ハブも含め購入者全員のクチコミにより、毎月各自が一人の割合で購入者を増やす。

ハブも含めて、最初の月→ 11,000円の売り上げ。 翌月→ 11人+11人×1,000=22,000円。

3ヶ月目→ 22人+22人×1,000=44,000円 4ヶ月目→ 44人+44人×1,000=88,000円 ……12ヶ月目→ 22528人×1,000=22,528,000円

⇒ 1年間の総売上は、4千 504万 5千円!! ※ 単価が低い商品でも、クチコミがクチコミを呼べば、これだけの効果が!!

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3.ネットワークの特徴 ① ネットワークは目に見えない

「six degrees of separation (六段階の分離)」 1967年、社会学者の故スタンレー・ミルグラム博士は、いわゆる「世界は狭い」現象という

考えを打ち出した。無作為に選ばれたある人に向けて、ランダムに選ばれた人達が知人を介して

手紙を回していき、一体何人で到達できるのかを実験した結果、たった 6 人の知人の連鎖を介せば米国の国民全員がつながっていることを示して反響を呼んだ。例えば自分の 10人の知人それぞれに 10人の知人がいるとした場合、それを 6回繰り返せば自分に 1000万人の間接的な知人がいることになるという事を考えれば、ミルグラムの「世界は狭い」現象を理解出来る。

また、似たような実験で、バージニア大学の研究グループによる「ベーコン数」実験がある。

これは、映画界のデータベースを使って、その中の一人一人が、どれだけの連鎖を通してケビン・

ベーコンにたどりつけるか、を全て調べたものである(図 14)。例えば、ベーコン数 0は、ケビン・ベーコン自身であるので、人数は1、ベーコン数8は、8人を通すとやっとケビン・ベーコンに

たどり着く人々で、人数は 11人である。これを使って平均を出すと、誰もが 2.941人でケビン・ベーコンと繋がっている事が分かった。

Bacon Number # of people

0 1

1 1673

2 130851

3 349031

4 84165

5 6718

6 788

7 107

8 11

(図 14)© Patrick Reynolds and the CS Web Team, University of Virginia

同様に、ショーン・コネリー数は平均 2.706 人であり、数値だけを見れば、彼はケビン・ベーコンよりも顔が広いという事になる。ここでこれらの数値が示すのは、ハリウッドの映画界か

ら任意の二人を選び出すと、両者の連鎖は 6 段階以内で収まるという事で(ケビン・ベーコンを通すと、2.941×2回、ショーン・コネリーを通すと、2.706×2回)ミルグラムの実験結果と同じ事が言えるのである。(ちなみに、1位は故ロッド・スタイガーの 2.652人であった。)

これらの実験からの一つの示唆は、「ネットワークは目に見えない」という事である。ケビン・

ベーコンを通して二人の人物がつながっていたとしても、当人同士すら、お互いがどうつながっ

ているのか分からないのであるから、他人からみて分かるものではない。しかしながら、言い換

えれば、ベーコンやコネリーのようなハブにアクセス出来れば、より短い距離で二人を繋ぐこと

が出来るという事なのである。 ② 似た者同士が作るネットワークと社会構造の空洞

人は、生理的欲求から、自分自身と似た人々と接触を持とうとする傾向(同類性)がある (ローゼン、2002)。つまり、誰かにつながりを持とうとする場合は、その人と趣味や興味などが似ている人を探していく事が、より近道となるのである。

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◎ (図 15)二つのネットワークとコネクター

ネットワークは、同類性によって、情報がネットワーク内部に閉じ込められる傾向がある。 (図 15)のようなネットワーク構造を考えてみる。そこに何か情報を普及させたい場合、ネットワークの核(ハブ)というコンセプトで考えると、人との繋がりを一番多く持っている(6 人と繋がっている)AやBに注目してしまう。しかしながら、A、もしくはBの片方に情報を流した

場合、そのネットワーク内で情報が留まる可能性が高くなる。このように、ネットワーク間に存

在するギャップは、「(社会)構造の空洞」と言われ、空洞の両側に異なる情報が流れる事もある

(ローゼン、2002)。しかし、二つのネットワークは実は◎によって結びついており、◎は、たった二人と繋がっているだけであるにも関らず、二つのネットワークに同時に影響を与える事が出

来る重要な位置にある。このような、必ずしも多くの人と直接結びついているわけではないが、

ネットワーク同士を繋ぐ役割を果たす人は「コネクター(または bridge)」と呼ばれ、彼らは、情報普及において、ショートカットを作るのに最適な人々なのである。 「弱い紐帯仮説」 コネクターの重要性を実証したのが、アメリカの社会学者マーク・グラノヴェターが 1970年に行った、男性ホワイトカラー労働者に関する調査である。これは、人が転職する際に、実際

どのように就業情報を得て転職をしているのか調査したもので、282 人のうち、56%が人的つながりによって転職している事が分かった。また、同じ人的ネットワークでも、強いネットワーク

よりも弱いネットワークの方が転職後の満足率などが高いことを明らかにした。この結果は、家

族や親戚、親しい友人などの「強い紐帯」から得られる情報は、当事者にとって既に充分知って

いる情報であるが、「弱い紐帯」から得られる情報は、新しく、また重要なものだという事を表し

ている。つまり、(図 15)のネットワークで考えると、Aが職を探す場合、自分が普段親しくしているネットワーク内の 5人(C~G)に求人情報を聞いても同じような情報しか得られないが、◎に聞く事により、Bのネットワークの情報を得る事が出来る、というわけである。ちなみに、

近年、この弱い紐帯を増加させ、支えているのが、インターネットの存在である。

<第 1部 まとめ> ・ 人は、様々な理由によって、生活のあらゆる場面でクチコミをしている。インターネットの普及は、そのクチコミの量を増加させ、また、クチコミの持つ影響力を強化した。

・ 情報量が多く、また商品の数も多い現代では、自分にとって最適な消費活動をするために、より正確な判断基準として、クチコミを利用する人が多い。ただし、商品を認知する段階ではマス広

告が一番効果的であるため、マス広告で認知度を高めた後、クチコミ波及に努められれば最大の

効果が上がる。 ・ 商品には、その性質によって、「クチコミされやすいもの」がある。しかし、クチコミされにくい商品でも、より「クチコミされやすくする」工夫が可能である。

・ クチコミを波及させるためには、ネットワークのどこに種を蒔くかが重要である。最適なハブに情報を与える事が出来れば、効率良くネットワーク内に情報を波及する事が可能である。しかし、

その際、自分の流したい情報と、ターゲットとなるネットワークの構造を理解することが大切で

ある。情報の内容によって選択するハブは変わる。 ・ ネガティブな情報の影響にも充分注意が必要である。ハブが情報に対して否定的な態度を形成した場合、その情報はネットワーク内に全く流れなくなるか、もしくはネットワーク全体が否定的

になる危険性がある。一般的にはネガティブな情報ほど波及が早いと言われており、そのような

場合には、速やかな対処が必要である(情報を止める、もしくは、間違いや問題点に対して正し

い対応をしたという情報を流すことによってポジティブなイメージに変える、など)。

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・ ハブ以外にコネクターの存在を意識する必要がある。適当なコネクターを利用出来れば、情報はネットワーク間をショートカットで進む。必ずしも、「ハブ=コネクター」ではない。

< 第 2 部 > 「上智大学における、クチコミ・マーケティング実践」 ここでは、上記の研究を参考にして私が行った、「上智大学に、クチコミで特定の商品を流行

らせよう」プロジェクトの実施結果をまとめる。 (1) 目的:上智大学内で、クチコミを利用してどれだけ特定の商品の認知度をあげられるか

検証する。 (2) 検証方法:経済学部開講クラス受講者の中からクチコミ協力者を募集し、彼女達にモニター

と して商品を使用してもらう。協力者がその商品についてのクチコミを開始した一定期

間後に、ターゲットとしたクラスにおいてアンケート調査を実施。どれくらいの学生

が、その商品を認知したかを確認する。

(3) 実施期間:第1回アンケート調査(11月 12、13日)~第 2回アンケート調査(1月7、8日) (4) 実施プロセス:

(ア) 商品の決定: 「さらつゆプラスシャンプー(シェア・ジェネレート社)」 商品の特徴である、「至上のサラ艶感」「強力ピーチの香り」が、ローゼンの「クチコミを

起こしやすい商品群」でいう、“エキサイティング型製品”“革新的製品”“経験型製品”に

当てはまると判断。また、知人を介し、販売会社の協力も得られる事となり、決定に至る。

(イ) クラス内アンケート調査実施により、クチコミ協力者を募集: 上智大学経済学部開講「組織論Ⅰ」「企業と社会」の受講者(アンケート協力者男子生徒‐

155人 女子生徒‐168人)の中から、化粧品に興味があり、且つモニター協力をし

てもらえる女子学生を募集。結果、49名の協力希望者を得る

(ウ) クチコミ協力者の選択:

― クチコミを伝播させる人のリクルーティング ― (スタンフォード大学・ロジャーズ教授による分類)

ⅰ.イノベーター(開拓的採用者) …自ら情報を探し出し採用する。 ⅱ.オピニオン・リーダー(初期少数採用者)

ⅲ.アーリー・アダプター(前期多数採用者) …イノベーターやオピニオンリーダーの採用を見て追従する。

クチコミへの影響大。

⇩ の中でも、特に ✤ クチコミアンバサダー…優良顧客 ✤ オーソリティ…商品やサービスに権威付けをしてくれる専門家、著名人、販売員。 ✤ コミュニティ・イフェクター…顧客ではない一般の消費者で、コミュニティの中

で強い影響力を持つ。

「オピニオン・リーダー」または「アーリー・アダプター」であり、且つ「コミュニティ・

イフェクター」である人が、今回のクチコミの種を蒔く上で最適である。

上記の事を参考に、49名の協力希望者の中から、アンケート調査で「良い商品に出会った

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時、クチコミをしたいと思う」と答えた人と、普段属しているネットワーク数が多い人を

選択。また、学科がなるべく偏らないよう、なるべく多くの学科から平均的に選択。結果、

20名のクチコミ協力者(モニター)に決定。(経済学部8名 法学部4名 文学部3名 外

国語学部5名)

(エ) 協力者との面談による、プロジェクト説明(情報提供): プロジェクトの目的と、協力してもらいたい内容を理解してもらい、商品(さらつゆプラ スシャンプー、リンス、スタイリング用スプレーの 3点セット)を渡す。全員が、プロジ

ェクトと製品自体に強い関心を示し、快く応じてくれた。

(オ) 協力者へのクチコミ要請: 1週間程度使用してもらった後、使用感を調査。9名が「非常に満足」、4名が「満足」、5 名が「普通」、2名が「不満」という結果であった。不満と答えた人以外の協力者に、クチコミを開始してもらう。クチコミには、対面の会話、電話、メール、サークルなどの掲示

板などを利用してもらう。商品のポイントは「ピーチの香り」「さらさら」「つや」とする。

(カ) その他の種まき: モニターの他に、約40名(経済学部・網倉ゼミナール生とその友人など)に、小分けしたサンプルと商品広告を配布。クチコミも合わせて要請。使用感は、約 7 割が満足、約3割がやや不満。

(キ) 第 2 回クラス内アンケート調査と集計:

第 1回アンケート調査で対象とした二つのクラスにおいて、「さらつゆ認知度」について調査。(アンケート協力者:男子学生‐78名 女子学生‐88名)

「さらつゆを知っていますか?」の質問に対し、「はい」と答えた人 男子学生‐78人中 5人…6% 女子学生‐88人中 17人…19% ※ ただし、「知っている」と答えた女子学生の約 9割は、モニターと、その他のサンプル 使用者であった。

※ 男子学生は、クチコミにより、名前を知っているという答えであった。

(ク) クチコミ協力者最終アンケート調査: クチコミ活動についての最終的な報告を受ける。質問事項は以下の内容である。

1、 使用前に話を聞いてさらつゆに関心を持った 2、 使用して商品を気に入った 3、 今後も購入して使いたい 4、 類似商品に比べて応援している 5、 販売している企業の他の商品も気になる 6、 何人くらいにクチコミしたか 7、 クチコミした友人が興味を持った 8、 一番多かった方法は?(対話、電話、メールなど) 9、 気づいた点は?

報告の結果、「使用前に話を聞いて関心を持った」人は、全員であった。しかし、「使用して

みて気に入った」と答えた人は、87%であった。また、「今後も使用したい」と答えた人は(少し値段が安ければ、という条件つきも含め)53%であった。そこで、「今後も使用したい」と答えた人を「高評価」、「使用したいと思わない」と答えた人を「普通の評価」として、それぞれの商品

への思い入れ度とクチコミ度について分析してみたところ、下のグラフのような結果が得られた。

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(図 16)「上智大学クチコミ実践、協力者アンケート」より (単位は%。「何人にクチコミしたか」、のみ人数)

上のグラフを見ると、まず、「商品を今後も使いたい」と答えた「高評価」の人は、類似品に

比べて当商品を応援している人が多く、また当商品を販売している企業の、他の商品も気になる

と答えた人が多い。つまり、一つの商品への評価は、企業への注目度と印象形成に大きな影響が

あり、その商品の評価如何によって、企業の魅力度が変化、また他の商品の売り上げにも大きく

関わってくるという事である。

また、「高評価」と「普通の評価」の人では、クチコミをした人数に大きな差が表れ、「高評

価」の人の方が、クチコミをした場合に相手の興味を引く確率も高い事が分かった。すなわち、

商品への評価は、クチコミ行動に注ぐエネルギーに影響を与えると考えられる。この点について

は、日野佳恵子著「クチコミュニティ・マーケティング2」(2003)でも似たような結果が得られており、(図 17)は、その結果をグラフにしたものである。これは、2つの化粧品メーカーが販売している類似した製品について、それぞれのモニターに調査したものであるが(一人のモニター

が両社の製品を使ったのではなく、モニターはそれぞれ別)、製品を使う前の関心度では、B社の

製品の方が高い(宣伝やパッケージの効果によると思われる)。しかしながら、使用後の、「満足

度」「リピートしたい度」「クチコミ度」になると、A社の製品の方が圧倒的に高くなっており、

この結果からも、商品の評価がいかにクチコミに影響するか、が理解できる。

(図 17)「クチコミュニティ・マーケティング2」より

その他、協力者アンケート結果から分かった事は、やはり、クチコミには対面が一番多いと

いう事である。携帯電話やインターネットがこれだけ普及しても、未だクチコミの最大の伝達経

路が対面であるという事は、クチコミが単なる情報伝達という働きだけでなく、それ以外の意味

をもってなされているという事であろう。また、数名は、クチコミ活動に、サークルなどの掲示

板も活用してくれたようであった。不特定多数に情報を流せるという点で掲示板の利用は大いに

役立つため、クチコミ・マーケティングには、とても重要な存在である。尚、クチコミをしてみ

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て気づいた点として、「サンプルがあれば、もっと効果的にクチコミ出来た」という人が 6割、「店頭で販売していればクチコミしやすい(相手の興味を引きやすい)」という流通面の障壁について

の意見が 3割あった。 (5) プロジェクト実施結果と考察、反省点

2 ヶ月間クチコミ・マーケティングを実践してみて、その難しさを大いに痛感する。最終的なクラスアンケートの認知状況を見る限りでは、クラス内の認知度を上げる事は出来なかった

と言える。その最大の原因として、実施期間が短すぎた事があった。実際に商品を特定するのに

時間がかかり、スタートが遅くなってしまったためではあるが、例えば、身の危険に関わる事や、

劇的な感情の変化を与えるようなものでない限り、じわじわと地下水のようにゆっくり広がって

いくクチコミを活用するには、もっと長い時間が必要であった。クチコミ協力者がリピーターと

なって下さったり、その周りで購入希望者が発生している状況などを見ると、もう少し時間をか

けられれば、成功という結果が得られたのではないだろうか。しかしながら、時間的な問題の他

にも、以下の点について反省する。

アンケートの質問事項の推敲不足 …アンケートの質問に、髪への関与がとても高い人を見つけられるようなものも加える

べきであった。もし、「髪へのこだわりが強い」「さらさらヘアーを好む」「ピーチなど、

甘い香りのシャンプーがあればと思う」という人を見つけることが出来ていたら、そ

のような人達は今回の商品に対し高い評価をする可能性が高く、より強い思い入れを

持ってクチコミをしてくれ、大きな助けになったのでは。 ターゲットとするネットワーク内の関わりの不足 …クチコミ協力者は、周りの友人や仲間にクチコミをしてくれたにも関わらず、結果と

してクラス内での認知度は上がらなかった。高校などと違い、大学では、同じクラス

にいてもクラス内での個々のつながりが浅いため、クチコミはクラスの外で発生して

いたと思われる。ただ、それが学校全体に広がる可能性はあるわけで、そのためには

ある程度の時間を要すであろうと思われる。 協力者との関わりの不足 …期間的にもっと余裕があれば、何度かモニター協力者全員で集まって話しをしたり、

実際に企業に訪れたりする事によって、もっとプロジェクトへの参加を楽しんでもら

えたのではないだろうか。それによって、クチコミをする機会も増えたのではないか。

また、「クチコミをしよう」と思うベースには、信頼関係がとても重要であると考える。

その点で、私自身と協力者との関係をもっと強められるように、会って話す機会を増

やせればよかったのではないか。 クチコミを加速する工夫の不足 …協力者に対して、キャッチコピーをもっと明確にして必ずクチコミの際に使ってもら

う事にしたら良かったのでは。クチコミ協力者がクチコミする際に配布するサンプル

を用意出来れば良かった(コストの制約もあるが)。 商品の性質とターゲットの不適合 …商品は、「さらさら」と「香り」が特徴であったが、使用する人の髪質や、香りの好み があるため、評価が大きく割れた。また、料金的に学生には少々高いと感じる点と、

店頭で販売されているわけではないので、すぐに手にとって確認できないような流通

面が障壁となったようである。 特別サイト構築の遅れ …これは、私のプロジェクトの開始時期が遅かったためであるが、協力企業から「上智

大学生限定の無料モニターキャンペーン」を携帯サイト上で展開して頂く事になった

ものの、プロジェクトの期間内にキャンペーンが実施出来ず、思うような結果が得ら

れなかった。クチコミ協力者からも、特別サイト完成後(第2回クラス内アンケート

の後)の方が、クチコミしやすかったという意見が多かった。

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< 終わりに > クチコミの効果は絶大である。個人間の会話やメールのクチコミも大きな影響力を持ってい

るが、特に、雑誌やインターネットのサイト上のクチコミには即効性のパワーがあるように思う。最

近、私がある美容雑誌を購入しアルバイト先に置いていたところ、1週間の間に、その雑誌を見て同じ化粧品を購入した女性が二人いた。その雑誌の特集は、読者アンケートによる、化粧品のアイテムご

と(ファンデーション、化粧化粧水など)のトップ 10を発表したものであったが、私のアルバイト仲間二人は、化粧下地のトップ1を買ったのだ。ちなみに私はファンデーションを購入した。たった 1週間で、500 円の雑誌から、3 名がトータルで約 15000 円を消費したのである。雑誌には、自分と同じくらいの年齢の読者が「これはスゴイ!」などのコメントをつけているだけなのに…。また、化粧

品に関するクチコミのサイトにも、私はかなり頻繁に訪れる。化粧品は、私の生活において重要な位

置を占めているが、とにかく流通している商品が多すぎる。各メーカーの広告やカウンターでは、い

かにその商品が魅力的か様々な方法で表現されている。しかし、本当にそれが他の類似品と比べて勝

っているのか。自分の求めている効果があるのか。売り手側ではなく、自分と同じ立場や中立な立場

の人間の正直な意見が聞きたいと思うのは決して私だけではない。その事を、クチコミサイトが連日

大いに賑わっている事が証明している。人は、消費者同士のコミュニケーションを求めている。それ

によって、自分の消費行動による効用をより高めて幸せになるためだ。インターネットがそのコミュ

ニケーションの手段を大きく変えた。どんなに離れた場所にいても、パソコンに向かう時間がずれて

いても、掲示板などで知らない人同士会話をする事が出来る。これは消費者に、偉大な武器を与えた。 また、今回私がクチコミを研究してみて実感したことは色々ある。マーケティング実践から

学んだ事の他にも、自分がクチコミを意識するようになったため、生活の中で、「クチコミ・マーケテ

ィング」に関して発見する事がしばしばあった。 1、人は見たものについて会話する。 私自身、友人と会話している際など、目の前にあるものについての噂や評価を話題にすること

が多い。電車の中や、屋内外の広告、雑誌、テレビCMなどが、まずはクチコミを発生させる

きっかけとなりやすい。今回の実践では、商品が、シャンプーという家庭内で使うものであっ

たため、なかなかクチコミしにくい面があった。クチコミ協力者の最終報告では、「友達が家に

泊まりに来た時」や「サークルの合宿に持って行った時」に周りの興味を引く事が出来た、と

いう意見もあったので、クチコミ戦略を立てる際には、その商品がどんな場面で使われるのか、

使われる場面を利用するにはどのような戦略を立てるべきなのか、を考慮する事が重要である。 2、「自分自身を広告する商品」が流行る

1と関係してくる話であるが、上智のビニールバッグの普及を見れば、その効果が分かる。最

初は「どこが良いのか」と疑問を抱いても、一人、二人と持つ人が増えてくると、欲しくなっ

てくるから不思議だ。 3、クチコミを補強するものは必要 長期的にみれば、良いものは必ず流行るはずだが、短期で結果を出すためには、手渡しでクチ

コミを助けられるもの(サンプル)や、得する情報(「どこどこに行くと、これが貰えるよ」な

ど)があると、クチコミは加速する。 4、人のクチコミ行動は、感情に大きく左右される。 私自身、これまでに周りの人に何か商品を薦めて相手が購入したという経験が多いため、自分

はクチコミ好きな人間だと思う(化粧品メーカー、化粧品の特定アイテム、CD、映画、下着、

美容院、カフェなどを薦めた)。その経験を思い起こしてみると、自分自身が、その店やアイテ

ムのファンになっている度合いによって、説得力が増すと感じる(投下するエネルギーが増す)。

また、今回のマーケティング実践では、クチコミを要請している中で、特に親しい友人が、よ

り積極的に活動してくれた(勿論、クチコミ協力者の全ての方々が、プロジェクトに対してと

ても協力的であったが、比較的)。それは、商品自身というよりも、私自身を「助けたい」とい

う感情によって、生まれた行動だと思う。 5、期待させ過ぎると、良いクチコミが生まれにくい クチコミサイトを見ると、強力な歌い文句で販売された商品に対する評価は、他のものに比べ

て厳しいと感じる。特に化粧品などは、消費者個人の体質などもあるので効果はハッキリと表

れにくいのだが、「愛用者○万人突破!劇的変化!」などと書かれたものを購入して、思ったよ

うな効果が得られなかった消費者のクチコミ評価を見ると、もの凄いブーイングの嵐である。

ローゼン(2002)も、その著書の中で、「“非常に良い製品”ほどではなく、単に“良い製品”

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をプロモーションするときには注意したほうがいい。“今までで最も面白い映画だ”と言われた

が、25パーセント程度しか笑えなかったとしたら、その人は“騙された”と感じるだろう。しかし、期待もそこそこで、それに見合うくらい笑えたならば、喜ぶかもしれない。」と言ってい

る。また、期待を上回る容易な方法として、顧客が期待するよりも低い価格にする事を挙げて

いる。実際、今回の私のマーケティング実践において、シャンプーの“売り”が、「さらさら」

と「艶」を強調したものであったが、「艶」の部分に特に大きな期待を持っていた人からは、評

価が厳しかった。 6、ネットワーク数だけで、最適なハブの判断は出来ない 持っているネットワークが多いだけで、クチコミの種を蒔くのに最適とは限らない。上記 4 番

のように、どれだけその情報に対して関与しているか(思い入れが強いか)、という事や、話し

好きな性質か、世話焼きな性質か、などについて考慮する事が大切である。「仕事柄、ネットワ

ーク数が多い」、または「人から物を尋ねられる事が多い」という人でも、中には自分から進ん

で情報を提供する事がほとんどない人もいるだろう。

「人間は、自分の利益を最大にしようと行動する」とは経済学者の意見だが、クチコミを研究

してみると、実はまんざらそうとは言えないようだ。今回の論文に取り組んで一番感じるのは、人は

「他の人と結びつくため」や「他の人の役に立ちたいため」にクチコミするのだという事である。勿

論、「他人の使用が増えるほど自分の利益になる商品」もクチコミされやすい商品ではあるが、クチコ

ミ度トップの、化粧品、電化製品、美容・健康関連商品などは、利用者が増えても自分に特に利益は

ないものである。人間が生まれながらに持っている「人とのつながりを求める気持ち」や「良心」、「思

いやり」のようなものをベースに広がるクチコミ・マーケティングは、社会全体に優しいエコ・マー

ケティングとも言えるかもしれない。目に見えない分コントロールする事が非常に難しくはあるが、

人の持つ本質と情報化社会が上手く合わさって生まれる「クチコミ・マーケティング」が、今後益々

注目され、マーケティングの中心となってくる事は間違いない。

― この論文を書くに当たってご協力頂いた、株式会社シェア・ジェネレートの皆様と モニター協力者の方々、アンケートにご協力頂いた全ての方々に心から感謝致します。―

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参考資料:

<上智大学生クチコミ傾向調査> 1. あなたは

男性 女性 (どちらかに○をして下さい) 2. 宜しければ、学部学科を教えて下さい 3. あなたの興味があるもの全てに○をして下さい

ファッション 化粧品 映画 グルメ 旅行 芸術 本 音楽 コンピューター 電化製品 インテリア その他( )

4. あなたがクチコミ情報を参考にする事が多いもの全てに○をして下さい ファッション 化粧品 映画 グルメ 旅行 芸術 本 音楽 コンピューター 電化製品 インテリア その他( )

5. あなたは、誰からクチコミ情報を得る事が多いですか? (多い順に番号を付けて下さい) ( )友人 ( )家族 ( )専門家(先生・店員など) ( )雑誌のクチコミ情報 ( )インターネットのクチコミ情報

( )その他( ) 6. あなたは、何か興味があるものや探しているものがある時に、積極的に周りの人や専門家に意見を聞いたり、雑

誌やインターネットのクチコミ情報を得ようとする方ですか?(どちらかに○をして下さい) はい いいえ

7. あなたは、たまたま耳にしたクチコミ情報に興味を持った時に、どうしますか?(一番当てはまるもの一つに○をして下さい) ( )それを知っていそうな友人や専門家に聞いてみる ( )インターネットや雑誌などで詳しい情報を得ようとする ( )それがありそうなお店に行って探す ( )特に自分から行動はしないで、忘れてしまいがち ( )その他( )

8. あなたが、クチコミを聞いて実際に買ったものは何ですか?(一番最近購入したもの) 9. あなたは、そのクチコミ情報を得る前に、その商品を知っていましたか?

( )全く知らなかった ( )名前は知っていた ( )名前も性質も知っていたが買う気はなかった ( )名前も性質も知っていて、買うか迷っていた

10. あなたはどうしてそれを買ったのですか? (複数ある場合は、一番当てはまるものに◎、2 番目に○、3 番目に△) ( )趣味の合う友人からのクチコミだったから ( )専門家からのクチコミだったから ( )沢山の友人から同じような評判を聞いたから ( )自分の好きな雑誌やインターネットのクチコミサイトで評価されていたから ( )サンプルや友人から借りたものを試して良かったから ( )それが、常々あったらいいなと思っていたものだったから ( )その性質がびっくりするようなもので、是非試してみたくなったから

(そのクチコミ情報のキャッチコピーが凄かったから)

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11. あなたは、何か「イイな!凄いな」と思ったものに出会った時、それを他の人に教えてあげたいと思います

か? ( )なるべく沢山の人に是非教えたい ( )その話題に興味がありそうな人にだけ、教える ( )もし関係する話題が出たら、教える ( )聞かれたら教える ( )誰にも教えたくない

12.あなたが普段接しているネットワーク(グループ)は?(幾つでも○をして下さい) 学校での仲良しグループ サークル仲間 バイト仲間 地元の仲良しグループ その他( )

化粧品に関するモニター調査ご協力のお願い 今回のプロジェクトでは、特に化粧品をメインの商品に絞っており、また、企業からの協力を頂いております。そこで、今後は、

化粧品に興味のある方のご意見やご協力を頂きたいと思っているのですが、サンプル使用などのご協力を頂ける方がいれば、是

非お願い致します。差し支えがなければ、下記の欄に連絡先をご記入下さい。 お名前 ____________________________________________ 連絡先(電話番号、メールアドレスどちらでも) ____________________________________________ <上智大学生さらつゆ認知度調査> 1、 あなたは 男性 女性 2、 「Sara2U (さらつゆ)」シャンプーを知っていますか?

はい いいえ → 2で、「はい」と答えた方に質問です。 ① いつ頃知りましたか?

( )2003年 11月以前 ( )2003年 12月 ( )2004年 1月

② どうやって、「さらつゆシャンプー」を知りましたか? ( )雑誌、インターネット、携帯サイトのメディアから ( )知人、友人からのクチコミで → ( )対面での会話で

( )メールで ( )電話で ( )サークルなどの掲示板で

( )その他 →( ) ③ 「さらつゆシャンプー」をどの程度知っていますか? ( )実際に購入して使用している ( )サンプルを使用した(モニターの人も含め) ( )名前、特徴を知っている ( )名前だけ聞いたことがある 1)よろしければ、参考までに、あなたがシャンプー・リンスに

1番求める点をお教え下さい。 ( )しっとり感 ( )さらさら感 ( )ツヤ ( )香り ( )その他→( ) 2)シャンプー・リンスの香りで好きなのは?

(あったらいいなーと思うものでも良いです) ( )フローラル系 ( )シトラス系 ( )ピーチなどフルーツ系→特に( ) ( )ハーブ系 ( )バニラなど ( )その他→( )

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Department of Computer Science, School of Engineering, University of Virginia, 2003. ローゼン, エマニュエル(Rosen Emanuel)『クチコミはこうしてつくられる』日本経済新聞社,2002. 鈴木 純一 『世界は狭い?』 http://www.atmarkit.co.jp/fjava/column/suzuki/suzuki01.html#a @IT, 2001. 話題の商品発掘サイト クチコミ Navi http://www.kuchi-komi.com/