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和歌山下津港海岸 海南地区津波対策事業 海南地区を津波から守るために 海南地区を津波から守るために !! !! 水門はイメージです。

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Page 1: 和歌山下津港海岸 海南地区津波対策事業 - mlit.go.jp和歌山下津港海岸 海南地区津波対策事業 ~~ 海南地区を津波から守るために海南地区を津波から守るために!!!!

和歌山下津港海岸

海南地区津波対策事業~~ 海南地区を津波から守るために海南地区を津波から守るために !!!! ~~

水門はイメージです。

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切迫する東南海・南海地震●東南海・南海地震はこれまで100年から150年の間隔で繰り返し発生しており、今後30年以内に

60%~80%の確率で発生すると予測されています。

根室沖(M7.9程度)~50%程度

三陸沖 北部(M8.0前後)1%~20%

宮城県沖(M7.4前後)不明

~参考~

【 今後30年間で遭遇する確率】(地震調査委員会事務局の資料から)

○交通事故で死亡する確率 約 0.2%○交通事故でけがする確率 約 20%○火災で死傷する確率 約 0.2%○火災に被災する確率 約 2%

与那国島周辺(M7 8程度)30%程度

三陸沖北部~房総沖の海溝寄り・津波地震(Mt8.6~9.0前後)30%程度

三陸沖 南部海溝寄り(M7.9程度)ほぼ0%

安芸灘~豊後水道(M6.7~7.4)40%程度

(M7.8程度)30%程度

南関東(M6.7~7.2程度)70%程度

東海(M8.0程度)88%(参考値)東南海(M8.1前後)70%~80%程度

南海(M8.4前後)60%程度

【出典】

地震調査研究推進本部の資料を加工して作成

(算定基準日 平成25年1月1日)

★過去の東南海・南海地震

南海トラフ

102年

1605年

M8 6 死者(慶長南海地震)

90年

147年

102年1707年

1854年

1944年

1946年

空白域

159年

2年

32時間

M8.6 死者5,049人

M8.4 死者2,653人

M8.4 死者2,581人

(宝永地震)

(安政東海・南海地震)

(昭和東海地震)

1946年

2013年

159年

想定地震

30年以内の発生確率

南海(60%程度) 東南海(70%~80%程度)東海(88%)

M8.4 M8.1 M8.0

(昭和南海地震)

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南海地震のつめあと

発生年 先行した東海・東南海地震 南海地震の規模

684年(天武13年) 白鳳南海地震。津波のため土佐国の運調船多く失われる。(M8 1/4)

●歴代の南海地震(参考文献:南海道地震から50年)

887年(仁和3年) 仁和南海地震。摂津国で津波被害大。(M8.0~8.5)

1099年(康和1年) 1096年(嘉保3年) 康和南海地震。土佐国田1000余町(10km2余)海に沈む。(M8.0~8.3)

1361年(正平16年) 正平南海地震。(M8.3~8.5)

1498年(明応7年) 明応東海地震。焼津、沼津市江梨など津波被害大。(M8.2~8.4)

1605年(慶長9年) 慶長南海地震、阿波国牟岐、土佐国崎浜、佐賀、三崎(土佐清水市)に津波被害。(M7.9)

1707年(宝永4年) 1707年(宝永4年)宝永地震。東海沖・南海沖で巨大地震が同時発生した。紀伊半島、阿波、土佐沿岸に重大な津波被害。(M8.4)

1854年(嘉永7年、安政元年)

1854年(嘉永7年、安政元年)

11月4日安政東海地震、その翌5日安政南海地震。紀伊半島西部、四国南岸、大阪湾に重大な津波被害。(M8.4)

1946年(昭和21年)

1944年(昭和19年)

昭和21年南海道地震。紀伊半島西部、四国南岸に重大な津波被害。(M8.0)

昭和21年12月21日、昭和南海地震は和歌山県に甚大な被害をもたらしました。(写真はいずれも海南市名高)(写真はいずれも海南市名高)

東南海・南海地震に伴う津波被害

津波による

全壊棟数

津波による死者数

(昼12時の場合)海南地区に来襲が予想される津波水位 全壊棟数 (昼 時の場合)

大阪府 約 100棟 わずか

兵庫県 約 600棟 わずか

和歌山県 約24,000棟 約1,300~2,100人

(1) 津波水位:T.P.+5.9m (D.L.+7.0m)(2) 津波到達時間: 約58分 (第1波ピーク到達時間)

※津波水位については、中央防災会議公表の「東海・東南海・南海3連発モデル地震津波」の波源モデルを用いて、和歌山県が津波シミュレーションにより算定。

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海南地区のはいご①住宅・商業施設が密集②行政・防災関係機関や主要交通施設も集積③世界的なシェアを誇る産業も集積。(海南市企業売上高 2,370億円(和歌山県全体の26%))

※出典 和歌山県全体(9,189億円):経済産業省調査、海南市(2,370億円):近畿地整ヒアリング

多様な産業集積(鉄鋼・電力・石油精製等)

主要交通施設が集積(国道42号 JR紀勢本線)

中枢機能が集積(行政・防災関係機関)

JR海南駅

◎JR海南駅

(国道42号、JR紀勢本線)

海南市役所

海南警察署

42

病院等

学校

海南消防署

工場

発電所 浸水区域

42

海南地区のいま●海南地区周辺護岸(海岸保全施設の現状)

①各箇所の護岸が古く老朽化し、天端高さが不足している。(想定津波に対して)②既設護岸の約90%が液状化による沈下の可能性がある。(※簡易耐震照査結果より)③市民や企業の護岸背後の利活用が高い。

背後は火力発電所 背後に民家の他、市役所、消防署等の中枢機能が集積

ふのお

背後は病院、民家等

ことのうら

背後は火力発電所背後は火力発電所 背後に民家の他、市役所、消防署等の中枢機能が集積

背後に民家の他、市役所、消防署等の中枢機能が集積

ふのお

背後は病院、民家等

ことのうら

背後は病院、民家等

ことのうら

背後は石油コンビナート特別防災区域背後は石油コンビナー

ト特別防災区域背後は石油コンビナー

ト特別防災区域

船舶や背後地の利活用が多い 既設護岸

既設護岸(民有護岸)

船舶や背後地の利活用が多い船舶や背後地の利

活用が多い 既設護岸

既設護岸(民有護岸)

既設護岸

既設護岸(民有護岸)

(高さはD.L表示)

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津波による浸水・被害予測

海南市役所前

●海南地区は和歌山県下最大規模の甚大な被害が予測されています。

2~3m未満

JR海南駅前

東南海・南海地震等の津波による海南地区の浸水被害予測(平成17年度:近畿地方整備局)

・津波による海南市の

建物全壊数は約8,000棟※1(津波による被災率約8割) 和歌山県下最大・海南地区の被害想定額は約5,000億円※2

※1和歌山県地震被害想定調査(和歌山県H18.5)

海南地区のまもりかた●海南地区の抜本的な津波浸水対策<新たな防護ラインの整備>

※2和歌山県地震被害想定調査の浸水域をもとに近畿地方整備局で試算

海 岸 名 事業期間 総事業費 整 備 施 設

津波防波堤(新設)護岸(改良)

海 岸 事 期間 事 費 施 設

和歌山下津港海岸H21~H31年度

約250億円護岸(改良)、津波防波堤(直立浮上式を含む)、水門

水門

直立浮上式津波防波堤

津波防波堤(改良)

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●通常は海底面下に格納され、津波来襲時にのみ上部鋼管が浮上

→ 通常時は、船舶が自由に航行通常時は、船舶が自由に航行

海面下約13.5m海面下約13.5mからから海面上約7.5m海面上約7.5mまでまで浮上浮上→→予想津波高さ DL+7 0m(T P+5 9m)に対応予想津波高さ DL+7 0m(T P+5 9m)に対応

直立浮上式津波防波堤のうごきかた

自由に航行通常時

→→予想津波高さ、DL+7.0m(T.P+5.9m)に対応予想津波高さ、DL+7.0m(T.P+5.9m)に対応●浮上・沈降の動力は送気・排気のみ

海底に格納

②津波発生②津波発生

(津波から防護)

⑤津波来襲①平常時(海底に格納)

③作動時(浮上開始)

④浮上完了 ⑥津波終息後(沈降)

浮上の仕組み余剰浮力を常時与えています

水面

垂直浮上(造波抵抗小) 上部排水構造

余剰空気排気孔

排水孔

港外 港内 引波時

押波時

押波時

引波時

余剰浮力を常時与えています。●送気量の削減、浮上時間を短縮

・圧縮空気の膨張力を使って浮上

時間を短縮しています。

●水位変動に対しても、浮上させた防波堤の高さは変化なし

・空気排気の穴を港内側に設置し、

海底

ストッパー

空気の

膨張・浮力の増

空気の

膨張力で計画天

空気室

(エアタンク)

空気室

ストッパー

余剰の浮力を与えています。

・浮上力に対してはストッパ-で

押さえています。

●送気管が破損しても、防波堤は浮上したまま

・送気管と空気室を連通させない

送気

大天端まで上昇

非圧縮性浮体

(浮力タンク)

室・送気管非接続

不沈構造

引波で水面低下時でも

浮力減少<余剰浮力

・送気管と空気室を連通させない

方式をとっています。

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直立浮上式津波防波堤本体の概略構造●直立浮上式の防波堤は上部鋼管と下部鋼管から構成

=4 .0

==

00

制御システムのイメージ●防波堤の浮上は、遠隔操作により機械施設から送気

無線通信

◆通信系統は、無線通信と有線

電動弁ユニット

コンプレッサ

ユニット

3階

2階

[ 陸上設備(機側室) ]

制御

装置

無線アンテナ

無線通信装置

無線通信

(遠隔操作)

ルータ

(遠隔操作用)

[ 遠隔地 ]

ル タ

無線通信

(遠隔操作)

PC

モニタ

PCモニタ

◆電源系統の二重化を図るため、商業電力以外に機側室に自家発電装置を設置。

空気を送気するためのバルブは、UPS装置を設置。手動でのバブ

ル開閉も可能としています

ラインで二重化を図ります。

無線通信装置

海面

蓄圧タンクユニット

送気管(二重化)

海底面 -13.5m

1階

防水無線アンテナ

カプラ

 浮上

電力・通信ケーブル(二重化)

カプラ

ルータ

(遠隔操作)光ファイバケーブル(有線)遠方操作監視盤

モ タ

●津波来襲時には確実な浮上が必要であり システムの信頼性の

ル開閉も可能としています。

◆送気システムは、送気ラインを二重化するとともに、空気を貯めておくタンクも主、副、予備としています。

送気パイプ内の圧力を常時監視するシステムとしています。

P6

中央管側管 側管

空気室

下部鋼管

上部鋼管

制御システムイメージ図

●津波来襲時には確実な浮上が必要であり、システムの信頼性の向上と確実な作動を確保するため、「通信系統」、「電源系統」、「送気設備」について、システムの二重化を図っています。

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直立浮上式津波防波堤の整備

板巻鋼管製作

●上部鋼管、下部鋼管の製作

海上運搬

中尺・長尺化

付属鋼材取付 下部鋼管

工場検査

海上運搬 真円度:0.5%以内

曲がり:1/1500以内

鋼管製作仕様の特徴

1800t吊り起重機船

真円度:1.0%以内

下部鋼管施工精度の特徴

現場納入曲がり 1/1500以内

●下部鋼管の打設、上部鋼管の挿入 上部鋼管

バイブロハンマ

ヤットコ

傾斜:1/300以下

法線出入:±10cm以下

パイルキーパー船

下部鋼管パイルキーパー台船

4点把持装置付きヤットコ 下部鋼管打設状況

P7上部鋼管挿入状況

上部鋼管挿入後のクレーン船による吊り上げ状況

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現在までの整備状況●海南地区において、新たな防護ラインを整備

●平成22年度から船尾側護岸(改良)、琴の浦側護岸(改良)を整備

琴の浦 船 尾

整備前

整備後 嵩 げ

整備

整備後2mの嵩上げ 整備後1.5mの嵩上げ

備後

船尾側護岸(改良)琴の浦側護岸(改良)

断面図 断面図 P8

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現在までの整備状況

船尾側防波堤

●平成23年度から、船尾側津波防波堤(改良)を整備中

船尾側津波防波堤(改良)船尾側津波防波堤(改良)

整備前 整備後

整備後4.5mの嵩上げ

●平成24年度から、船尾側に鋼管矢板式防波堤を整備中

D.L.+7.50

上部コンクリート

鋼管杭

港内側

H.W.L.+1.90

L.W.L.+0.10

港外側D.L.+5.00

D.L.+2.00

D.L.+4.20

7.00

重 防 食

船尾側津波防波堤(新設)

鋼管矢板と鋼管杭の打設状況 (平成25年3月現在)

20°

φ1800×t20 (SKY490)鋼管矢板

L=30.20m, @2.048m

φ2300×t25 (SKK490)鋼管杭

L=34.50m, @6.143m

D.L.-26.00

D.L.-28.22

D.L.-13.50

1:1.5

13.72 13.72

被覆ブロック

1:1.5

基礎砕石

3tf/個 以上

10~200kg/個

φ1800 t20 (SKY400)鋼管矢板

P9

D.L.-38.20

D.L.-47.39

φ2300×t23 (SKK400)鋼管杭

L=20.40m, @6.143m

φ1800×t20 (SKY400)L=12.20m, @2.048m

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現在までの整備状況●琴の浦地区に津波水門(開口幅30m、高さ42.4m、シェル構造ローラーゲート)を整備予定

水門

整備前

水門を建設する場所を仮締め切りした後、その中の水を抜いてドライにし、水門工事を行う計画です。

整備後イメージパース図

仮締め切り後、ドライにした状況(平成25年3月時点)

●平成24年度から機械操作室を整備

機械操作室とは、直立浮上式津波防波堤本体に送り込む圧縮空気のタンクや設備機器のための建物です。

P10

機械操作室

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船で救援物資を運びます

地震津波

防波堤が大きな波を防ぎます

災害に強い岸壁を整備しています

地震への備え、自信ありますか?

いざという時にも、強くてやさしいみなとを目指します。いざという時にも、強くてやさしいみなとを目指します。

衣類・軍手 懐中電灯 毛布・寝袋 非常持出袋 非常食衣類・軍手 懐中電灯 毛布・寝袋 非常持出袋 非常食

多機能ナイフ ホイッスル 現金・カード類 常備薬・救急用品 ポリタンク

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国土交通省 近畿地方整備局

和歌山港湾事務所

〒640-8404 和歌山市湊薬種畑の坪1334TEL:073-422-8186FAX:073-435-2089

http://www.pa.kkr.mlit.go.jp/wakayamaport/E-mail:[email protected]