和歌山県データ利活用推進プラン...データサイエンス人材の育成が進められようとしています。...

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和歌山県データ利活用推進プラン 平成28年9月 和歌山県

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和歌山県データ利活用推進プラン

平成28年9月

和歌山県

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和歌山県データ利活用推進プラン

平成28年9月発行

編集・発行 和歌山県企画部企画政策局企画総務課

〒640-8585

和歌山市小松原通一丁目1番地

電話 073(432)4111(代表)内線 2338

073(441)2334(直通)

FAX 073(422)1812

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目 次

第1章 プラン策定の趣旨及び基本的な考え方

1 策定の趣旨 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1

2 基本目標 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1

3 プランの期間 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2

4 推進体制 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2

第2章 政府関係機関の地方移転

1 統計データ利活用に関する業務の移転決定 ・・・・・・・・ 3

2 政府関係機関移転基本方針に基づく実証実験 ・・・・・・・ 3

第3章 具体的施策の展開

1 日本のデータ利活用拠点の構築 ・・・・・・・・・・・・・ 5

(1)和歌山県データ利活用推進センター(仮称)の設置 ・・・ 5

(2)データ利活用シンポジウムの開催 ・・・・・・・・・・・ 5

(3)データ利活用コンペティションの実施 ・・・・・・・・・ 6

(4)データ利活用アドバイザリーボードの設置 ・・・・・・・ 6

2 統計的思考・エビデンスに基づく行政の推進 ・・・・・・・ 6

(1)データを利活用した公募型研究事業 ・・・・・・・・・・ 7

(2)県保有データのオープン化推進 ・・・・・・・・・・・・ 7

(3)県職員等への研修 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7

3 データ利活用による県内産業の活性化 ・・・・・・・・・・ 8

(1)RESAS等様々なデータを利活用した企業支援 ・・・・・・ 8

(2)企業向けデータ利活用セミナーの開催 ・・・・・・・・・ 8

4 県民の統計リテラシー向上 ・・・・・・・・・・・・・・・ 9

(1)統計思想の普及・啓発 ・・・・・・・・・・・・・・・・ 9

(2)教員向け統計教育研修の実施 ・・・・・・・・・・・・・ 10

第4章 プランの推進に向けて

1 進行管理・評価 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11

2 プランの見直し ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11

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第1章 プラン策定の趣旨及び基本的な考え方

1 策定の趣旨

近年、情報通信基盤や通信端末の増加・高度化により、ネットワーク上で

生成、流通、蓄積されるデータ量は飛躍的に増大し、その形式は多様化して

います。また、それに伴って情報分析技術も著しく発達し、データはより高

度・広範に分析され、ICT産業はもちろん、これまでには考えられなかった

様々な業種でデータの利活用が進み、革新的なサービスやビジネスモデルの

創出、業務の効率化等に繋がっています。

このような状況を背景として、政府が発表した「日本再興戦略2016」には、

名目GDP600兆円の実現に向けたプロジェクトとして、IoT(Internet of

Things)やビッグデータ等を活用した「第4次産業革命」が掲げられ、今後、

その実現に向けた環境整備として、データの徹底的な利活用とそれを支える

データサイエンス人材の育成が進められようとしています。

一方、本県では、平成27年6月に「和歌山県まち・ひと・しごと創生総合

戦略」を策定し、誰もが活き活きと暮らせ、“元気”を持続できる和歌山を

創造するため、安定した雇用の創出や時代に合った地域づくり等に取り組ん

でいるところです。今後、県内企業が新たな販路の開拓や新事業・新分野へ

の進出により競争力を強化し、地域の持続的発展に繋げるためには、広くデ

ータを正しく読み解く能力を身に付け、積極的に利活用していくことが不可

欠です。

そこで、本県は、データ利活用に関する先進的な施策や普及・啓発等に積

極的に取り組み、産学官それぞれにおける公的統計データをはじめとする様

々なデータの利活用やそれを支えるデータサイエンス人材の育成等を推進す

るため、「和歌山県データ利活用推進プラン」を策定することとしました。

加えて、総務省統計局及び独立行政法人統計センター(以下、「統計局・

統計センター」という。)の統計データ利活用に関する業務について、この

たび、本県への移転が決定したところであり、本県はこの決定を踏まえ、日

本のデータ利活用拠点を目指し、積極的に取り組んでいきます。

2 基本目標

本プランの推進により、本県が達成すべき事項として、以下の4項目を基

本目標としました。今後、本プランに基づき、基本目標の達成に必要な施策

を展開していきます。

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(1)日本のデータ利活用拠点の構築

(2)統計的思考・エビデンスに基づく行政の推進

(3)データ利活用による県内産業の活性化

(4)県民の統計リテラシー向上

3 プランの期間

本プランの期間は、平成28年度から平成32年度までの5年間とします。

4 推進体制

本プランに基づき、庁内関係課が連携して、データ利活用の推進に関する

施策に取り組みます。

また、本県が中心となって、近畿圏の大学等に所属する研究者等による「近

畿圏の有識者によるデータ利活用ネットワーク(以下、「有識者ネットワー

ク」という。)」を構築し、近畿圏全域におけるデータ利活用の促進やデー

タサイエンス人材の育成、統計思想の普及・啓発等に取り組んでいきます。

さらに、本県の取組に近畿圏外からも積極的にご協力をいただくとともに、

その成果を広く全国に発信していくため、全国的な研究者等の集まりとして

「データ利活用アドバイザリーボード(以下、「アドバイザリーボード」と

いう。)」を併せて設置します。

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第2章 政府関係機関の地方移転

1 統計データ利活用に関する業務の移転決定

平成27年3月、政府が東京一極集中の是正や地方創生を目的として実施し

た「政府関係機関の地方移転」の取組に対して、本県は統計局・統計センタ

ーの移転を提案しました。その後、政府による複数回のヒアリングや平成28

年3月に決定された「政府関係機関移転基本方針」に基づく実証実験等を経

て、このたび、統計局・統計センターの統計データ利活用業務の本県への移

転が決定されました。

そもそも、統計法により、公的な統計調査によって集められた調査票等の

情報は、調査対象の秘密の保護及び統計調査に対する国民の信頼確保のため、

原則として、その行った統計調査の目的に沿った利用(一次利用)のみが認

められており、それ以外の利用は禁止されています。一方、当初の統計調査

の目的以外での調査票情報の利用(新たな統計作成や学術研究等への活用)

が公益に資する場合等、統計法で定める特別な場合には、例外的に二次的な

利用が認められています。このような二次的利用に関する取組は、平成19年

の統計法改正を契機として拡充が図られてきたところですが、今後、リモー

トアクセス(ICTを活用した遠隔操作による調査票情報の集計・分析)によ

る調査票情報の提供等により、一層拡充していくことが見込まれています。

以上のように、統計局・統計センターの統計データ利活用業務は、今後大

きく伸びていく可能性を秘めた分野であり、今回の移転実現により、本県だ

けでなく、近畿圏をはじめ、幅広い地域の産学官に対して、大きな波及効果

をもたらすことが期待されるところです。本県はこの移転を契機として、本

プランの各施策を着実に推進し、データに下支えされた足腰の強い和歌山を

構築するとともに、統計局・統計センターとも連携して、データ利活用や統

計的思考の重要性を積極的に全国に発信していきます。

2 政府関係機関移転基本方針に基づく実証実験

統計局・統計センターの移転が検討される過程において、統計データ利活

用業務の地方実施について、ICTの活用等を図りつつ、地域のユーザーや研

究者、データサイエンスに関する蓄積との連携、人材確保、利便性等につい

て検証するため、統計局・統計センターにより、「統計データ利活用に関す

る有識者会議」をはじめとする実証実験が行われました。

統計データ利活用に関する一連の実証実験が本県で行われたことにより、

今後の地域発展におけるデータ利活用の重要性について、近畿圏の有識者の

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参加を得て、有意義な議論を行うことができました。また、「統計データ利

活用シンポジウム」には本県も主催者として参画し、データ利活用に関する

普及・啓発の機会とすることができました。

【統計局・統計センターによる実証実験の内容】

実験項目 開催日・期間 実験内容

統計データ利活用に 平成28年5月27日(金) 本県及び近畿圏の統計有識者から、

関する有識者会議 統計データ利活用に関する課題等

を聴取

個人企業経済調査・ 平成28年6月24日(金) 全都道府県が参加する全国規模の

統計データ利活用研修会 研修会(統計データ利活用を含む)

の開催

統計ミクロデータの 平成28年7月4日(月) 高いセキュリティを確保した施設

利活用実験 ~8日(金) を模擬的に設置し、統計ミクロデ

ータ(調査票データ)の擬似的な

提供を実施

統計データ利活用 平成28年7月7日(木) 近畿圏における統計データ利活用

シンポジウム の展望や、本県のデータサイエン

スに関する取組等をテーマとした

シンポジウムを開催

統計データ利活用に関する有識者会議 統計データ利活用シンポジウム

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第3章 具体的施策の展開

1 日本のデータ利活用拠点の構築

本県はデータの価値や重要性を認識し、今後、データ利活用の推進に取り

組もうとしているところですが、このたびの統計局・統計センターの統計デ

ータ利活用業務の移転決定を受け、新たにデータ利活用に関する専門の組織

を設置するとともに、広く全国にデータ利活用の重要性・有用性を積極的か

つ継続的に発信して、「日本のデータ利活用拠点」を目指すこととします。

これにより、本県において、データ利活用に関する人的交流の活性化やそ

れに伴う「知」の集積が促進され、より先進的で効果的な施策を打ち出すこ

とが可能となり、産学官のさらなるレベルアップや地域の活性化に繋がって

いくことが期待されます。

(1)和歌山県データ利活用推進センター(仮称)の設置

産学官の全てにおいて、データ利活用に関するレベルアップを図るた

め、「和歌山県データ利活用推進センター(仮称。以下、「推進センタ

ー」という。)」を設置します。推進センターは、統計局・統計センタ

ーと連携し、行政課題に関する研究や県内高等教育機関におけるデータ

サイエンス人材の育成、民間企業等に対するデータ利活用の推進等に取

り組みます。

また、和歌山大学では、現在、全学のデータサイエンス人材の教育を

企画・運営する部門の新設に向けた検討が進められており、推進センタ

ーは、このような和歌山大学の部門とも積極的に協働・連携していきま

す。

(2)データ利活用シンポジウムの開催

平成28年7月に実施した統計データ利活用シンポジウムでは、県内又

は近畿圏で活躍されている統計学者や経済学者、データサイエンス人材

の育成に取り組んでいる研究者等により、データ利活用の展望等につい

て発表・討論が行われ、来場された多くの皆様に、データ利活用の重要

性を認識していただくことができました。

本県はこの取組を発展的に継続し、近畿圏を中心に様々な有識者等の

協力を得て、公的統計データに限らず幅広いデータについて、利活用の

重要性・有用性を全国に発信するため、「データ利活用シンポジウム」

を毎年開催していきます。

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シンポジウムでは、より多くの方々に、データ利活用に関心を持って

いただけるよう、日本を代表する企業経営者等による基調講演や「デー

タ利活用コンペティション(別掲)」の最終プレゼンテーション・表彰

のほか、「データ利活用公募型研究事業(別掲)」の研究成果発表等を

実施します。

また、統計局が実施する統計データ利活用に関するコンテスト等の表

彰を本シンポジウム内で実施していただけるよう、統計局に働きかけて

いきます。

(3)データ利活用コンペティションの実施

データ利活用拠点としての和歌山のPRや若年層をメインターゲットと

した統計思想の普及・啓発を推進するとともに、全国でデータサイエン

ス人材が育成されることを期待して、広く全国の高校生、大学生等を対

象としたデータ利活用コンペティションを開催します。

コンペティションでは、行政が抱える様々な課題に対して、統計デー

タやその他のデータを利活用した解決アイデアを募集し、有識者ネット

ワークのメンバー等により審査を行います。優秀な提案はデータ利活用

シンポジウム内で表彰し、広く全国に発信していきます。

(4)データ利活用アドバイザリーボードの設置

本県が、日本のデータ利活用拠点を目指し、先進的・効果的な施策に

継続的に取り組むとともに、その成果を全国に波及させるため、統計局

のご協力を仰ぎながら、データ利活用に関するアドバイザリーボードを

設置します。

アドバイザリーボードには、データ利活用に関する優れた見識や経験

を持つ研究者等を迎え、本プランの施策を着実に推進するため、必要に

応じ、ご助言・ご協力をいただくとともに、本県の取組成果を全国に発

信していただきます。

2 統計的思考・エビデンスに基づく行政の推進

本県は従来から、正しいデータや客観的根拠(エビデンス)に基づく、無

駄のない、公平公正な県政運営に努めています。

今後は、県政における諸課題の解決にデータを活用する取組や県職員のデ

ータ分析力等の向上を図る取組等により、個人の勘や経験に頼ることのない、

統計的思考・エビデンスに基づく行政を、より一層推進していきます。

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(1)データを利活用した公募型研究事業

県行政を推進する過程において、職員は多くのデータを収集し、施策

に反映させています。しかし、データ分析の専門家ではない本県の職員

が、大量のデータを高度に分析し、そこから新たな知見を得ることは容

易ではありません。

そこで、全国の大学等に属する研究者等を対象に、行政が抱える具体

的な課題に対し、データを利活用した高度な現状分析を行う公募型研究

を実施します。

これにより、県職員のデータ利活用に対する意識・技術の向上を図り、

研究によって得られた新たな知見を県の施策に反映して、エビデンスに

基づく行政を推進するとともに、本県のデータ利活用に関する取組を全

国の研究者等にPRしていきます。

(2)県保有データのオープン化推進

データのオープン化とは、ホームページ等で公開するデータについて、

コンピュータで扱いやすい形式、二次利用が可能なルールで提供するこ

とであり、このようにして提供されるデータは「オープンデータ」と呼

ばれます。近年、各国政府や地方公共団体等において、オープンデータ

の提供が拡大され、経済活性化や官民協働等に活用する取組が進められ

ているところです。

本県では、平成28年3月11日に、オープンデータ推進の基本的な考え

方及び運用方針として「和歌山県オープンデータの推進に関する指針」

を、県ホームページ等に掲載する情報の二次利用に関する具体的な利用

ルールの雛形として「和歌山県ウェブサイト公開情報標準利用規約」を、

それぞれ策定しました。

今後、指針で定める重点項目4分野(統計情報、広報・観光情報、調

達情報、地理空間情報)のデータを中心に、ソフトウェア開発プロジェ

クトのための共有ウェブサービス「GitHub」を活用して、よりコンピュ

ータ処理しやすい形で定期的に提供する取組等により、県保有データの

オープン化を推進していきます。

(3)県職員等への研修

本県で収集している様々なデータは、県勢を客観的に把握し、政策を

立案・遂行・検証するうえで欠かすことができない情報基盤です。

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県職員それぞれが、データ利活用の重要性・有用性を再認識し、統計

的思考・エビデンスに基づく行政を推進するため、地域の政策立案に欠

かせない正しいデータの分析・利活用方法や統計知識を学び、一連の問

題解決型プロセスを習得することを目的とした研修を実施します。

また、このような研修を関西広域連合の構成団体の職員も同時に受講

できるよう、ICTを活用したWEB型研修を実施するとともに、関西におけ

る共通の政策課題等をテーマに実施している政策立案研修においても、

積極的にデータの利活用を図っていきます。

3 データ利活用による県内産業の活性化

データは既に、多くの企業において、経営や商品の企画・開発、マーケテ

ィング等幅広い分野で活用されていますが、今後、各方面でデータの利活用

がさらに進んでいく中で、県内企業が競争力を高め、成長を持続していくた

めには、自社が保有するデータに公的統計データを組み合わせるなど、より

進んだ取組が不可欠となります。

本県は、公的統計データをはじめ、様々なデータを利活用して企業を支援

するとともに、企業による自社データの利活用を促進して、県内産業の活性

化やデータ利活用人材の需要拡大に繋げていきます。

(1)RESAS等様々なデータを利活用した企業支援

RESAS(地域経済分析システム)とは、政府のまち・ひと・しごと創

生本部が提供する、産業構造や人口動態、人の流れ等の官民ビッグデー

タを集約し、可視化するシステムです。

本県は、RESASから得られる各企業毎の取引情報等のデータやその他

様々なデータを分析することにより、それぞれの企業に対し、販路開拓

や新商品・新技術開発等について、より効果的な支援の提案を行ってい

きます。

併せて、企業等が自主的に、RESASをはじめとする様々なデータを自

らの企業活動に活かすことができるよう、データ利活用の普及・啓発に

も取り組んでいきます。

(2)企業向けデータ利活用セミナーの開催

県内の各企業が、これまで注目されてこなかった業務データ等を積極

的に利活用することで、業務・サービスの付加価値向上やイノベーショ

ンに繋がることが期待されます。

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そこで、データ利活用に関する成功事例等を紹介する、企業向けデー

タ利活用セミナーを開催し、企業経営者等に対し、社内で埋没している

データの利活用の重要性を啓発していきます。

4 県民の統計リテラシー向上

県民が広くデータの重要性を理解し、その利活用に取り組むためには、様

々なデータの基礎となる公的統計に親しみ、統計から的確に情報を読み解く

力「統計リテラシー」を身に付けていただくことが重要です。

県民に対する統計思想の普及・啓発や教育現場での質の高い統計教育の提

供により、公的統計への理解を深め、統計リテラシーの向上を推進していき

ます。

(1)統計思想の普及・啓発

公的統計の重要性を広く啓発するとともに、統計調査員等関係者の功

労を称える取組を一層推進するため、「和歌山県統計大会」を毎年開催

していきます。大会では、各種統計調査の実施に関して、顕著な功績の

あった功労者に対する表彰を行うほか、統計有識者による講演等を実施

し、県民の統計リテラシーの向上を図っていきます。

また、県内の児童・生徒に対しては、小学校・中学校・高等学校向け

出前講座や子供向け統計情報ホームページを活用し、データを通して見

た「ふるさと和歌山」のすがた等についてわかりやすく解説するととも

に、統計の利活用について、具体的な事例を紹介して理解を深めるため

の小冊子を配布するなど、公的統計の重要性を理解し、統計的思考を身

に付けるきっかけ作りを進めていきます。

平成28年度和歌山県統計大会 小学校向け出前講座

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(2)教員向け統計教育研修の実施

平成20年に小学校・中学校の、平成21年に高等学校の学習指導要領が

改訂され、統計に関する多くの内容が新たに盛り込まれました。特に高

等学校では、数学の授業として「データの分析」が必修化され、未来を

担う子供達の「生きる力」を育成する上で、統計教育の重要性が増して

います。

これを踏まえ、県内の児童・生徒に対して、より質の高い統計教育を

提供するため、教員向け研修施設「教育センター学びの丘」において統

計教育に関する研修を実施し、さらなる指導力の向上を図ります。

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第4章 プランの推進に向けて

1 進行管理・評価

本プランに掲げた基本目標を確実に実現させていくためには、取組の成果

を客観的に検証し、施策の見直しや新たな施策の立案を行うことが必要です。

そのため、本プランに掲げた施策の取組状況等について、定期的に有識者

ネットワークに報告し、評価・助言を求めます。

2 プランの見直し

本プランの期間内において、施策の取組状況等の検証や社会情勢の変化等

により、新たな課題が顕在化することも予想されます。

データ利活用推進のため、必要があると認められる場合には、有識者ネッ

トワークに意見を聴いて、本プランの見直しを行います。