「これからの学術情報システム構築検 討委員会」の...

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「これからの学術情報システム構築検 討委員会」の動向と新NCRについて 佐藤義則 東北学院大学 平成2833書誌調整連絡会議 「これからの学術情報システム構築検 討委員会」の検討状況 電子情報資源の隆盛 資源(人的資源,システム資源,経費など)の確 保の必要性 利用者の期待の変化 全般的な改革が必要 その基盤としての,NACSISCAT/ILLの見直し 軽量化・合理化 相互運用性の確保 外部資源の活用 平成28年3月3日 平成27年度書誌調整連絡会議 「これからの学術情報システム構築検討委員会」の動向と新NCRについて 佐藤 義則 1

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Page 1: 「これからの学術情報システム構築検 討委員会」の …4.物理単位及び巻次等について 記述の対象(2.0.2.1)は単行書を原則とするが,物理

「これからの学術情報システム構築検討委員会」の動向と新NCRについて

佐藤義則

東北学院大学

平成28年3月3日書誌調整連絡会議

「これからの学術情報システム構築検討委員会」の検討状況

• 電子情報資源の隆盛

– 資源(人的資源,システム資源,経費など)の確保の必要性

– 利用者の期待の変化

• 全般的な改革が必要

– その基盤としての,NACSIS‐CAT/ILLの見直し

• 軽量化・合理化

• 相互運用性の確保

• 外部資源の活用

平成28年3月3日 平成27年度書誌調整連絡会議

「これからの学術情報システム構築検討委員会」の動向と新NCRについて 佐藤 義則

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Page 2: 「これからの学術情報システム構築検 討委員会」の …4.物理単位及び巻次等について 記述の対象(2.0.2.1)は単行書を原則とするが,物理

NACSIS‐CATの目的

• 目的

– 目録レコードの作成環境の提供

– 資源共有(Resource Sharing)

– オンライン共同分担目録(Shared Cataloging)

* 出版物はたくさんのコピーあるいはコレクション

に存在する可能性があるので,書誌レコードは

1回のみ目録処理されれば良く,効率的な作成

が行える

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NACSIS‐CATの特徴

• ファイル構造– 単行書誌レコード,集合書誌レコード(NCR1987年版)– Volumeの繰り返しによる表現(「固有のタイトル」を持

たない記述対象[出版物理単位]の表現)

• ISBD (国際標準書誌記述)の採用 ‐‐‐MARCのタグに代えて

• 参照レコード群: MARCレコード等を変換して利用

• 重複レコードの排除,書誌レコードの品質維持(レコード調整)

平成28年3月3日 平成27年度書誌調整連絡会議

「これからの学術情報システム構築検討委員会」の動向と新NCRについて 佐藤 義則

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「これからの学術情報システム構築検討委員会」の動向と新NCRについて 佐藤 義則

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メタデータ作成の現状

• NACSIS‐CATの拡がり

– 接続機関数: 1,263 (2015年3月31日現在)

– 図書・書誌レコード数: 11,452,308

– 図書・所蔵レコード数: 127,822,340

– 雑誌・書誌レコード数: 341,499

– 雑誌・所蔵レコード数: 4,656,634

(2015年10月4日現在)

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集合書誌・単行書誌・Volフィールド

• 図書・書誌レコード数: 11,452,308(10,695,768)

• うち,集合書誌レコード数: 494,463• 集合書誌にリンクしている書誌数: 3,952,873

– 総リンク数: 4,033,618• Volフィールドを持つ書誌件数: 643,005

– Volフィールド延べ出現回数: 2,230,992• 図書・所蔵レコード数: 126,317,769• Volフィールドを持つ所蔵件数: 6,168,024

– Volフィールド延べ出現回数: 21,320,793

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「これからの学術情報システム構築検討委員会」の動向と新NCRについて 佐藤 義則

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「これからの学術情報システム構築検討委員会」の検討状況

「NACSIS‐CAT/ILLの軽量化・合理化について(基本方針)(案)」(NACSIS‐CAT検討作業部会)

– 外部機関作成書誌データの活用を前提とするワークフローの改善

– 外部機関作成書誌データに合わせた書誌レコードの階層構造の変更

– 名寄せ機能の実装,典拠データの自動リンク形成等による機能強化

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新NCRについて

• 本タイトルの扱い

– 相互運用性に関する現状の問題点

• 二つの例

– 「村上春樹全作品」

– 長谷川海太郎「一人三人全集」(林不忘;谷譲次;牧逸馬)

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NCR(NDL)2015‐A1‐1改3「体現形(タイトル)」20151225.doc

#2.1.1 本タイトル#2.1.1.1 記録の範囲・情報源#2.1.1.1 .1 記録の範囲

本タイトルは、資料を識別するための固有の名称であり、コア・エレメントである。採用した情報源に表示されている主なタイトルを本タイトルとして扱う。

複数巻単行資料、逐次刊行物または更新資料の場合は、記述対象全体を通じて共通する固有の名称を本タイトルとして扱う。

※複数巻単行資料の定義は?※より具体的な説明または例示が必要では?

国立国会図書館「日本目録規則 987年版改訂3版 第2章 図書」適用細則(2012年1月)

• 主要な変更点;

(2) これまで各巻タイトル等として記録していたタイトル、責任表示は、部編名又は内容細目として記録することとした。

• <概要>4.物理単位及び巻次等について

記述の対象(2.0.2.1)は単行書を原則とするが,物理単位の記録(2.0.2.2 別法)も併せて採用している。また,「巻次,回次,年次等及び部編名」の記述のために,独自の条項を設定している箇所がある。

平成28年3月3日 平成27年度書誌調整連絡会議

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• 2.0.2.1(記述の対象) 原則として,単行書と加除式資料を記述の対象とする。単行書は,固有のタイトルを有する単独に刊行された図書であり,次にあげるものを含む。

ア)本体と,形態的に独立しているが,固有のタイトルがな

い付録,補遺などからなるもの

イ)セットものの一部をなしているもの

ウ)シリーズの一部をなしているもの

エ)継続資料の一部をなしているもの(固有のタイトルをもつ別冊等)

オ)合刻本(2.1.1.2D 参照)

共通タイトルと巻次,回次,年次等からなるもの,共通タイトルと部編名や付録などの従属タイトルからなるものは,単行単位を分割し物理単位を記述の対象とする(2.0.2.2 別法 A 参照)。

• 2.0.2.2 別法 記述の対象に応じて,次に示す書誌レベ

ルの記録を作成する。構成部分の記録は,内容に関する注記として記録する(2.7.3.7 参照)。

記述対象 記録の書誌レベル

単行書 単行レベル

単行書の集合 集合レベル

加除式資料 継続刊行レベル

ただし,以下の場合は,図書の 1 冊ずつを記述対象とする物理単位の記録を作成する。

A. 単行単位の分割

ア)形態的に 2 冊以上からなっているが,その各冊が固有のタ

イトルをもたない場合

イ)部編名や付録等従属タイトルをもつ場合

B. 集合単位の分割

(以下,略)

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