地域包括ケアシステム構築に向けた取組 - mhlw ·...
TRANSCRIPT
地域包括ケアシステム構築に向けた取組~まんでネット活用による多職種連携の推進について~
丸亀市健康福祉部高齢者支援課地域包括支援センター所長
奥村 登士美
平成30年10月3日(水)
在宅医療・介護t連携の推進等のための情報共有に係る
ICT利活用に関するフォーラム
旧市東部圏域
旧市西部圏域
旧市南部圏域
飯山圏域
綾歌圏域
丸亀市の概要
総面積 111.80k㎡(東西24.16km 南北23.82km)
人 口 113,064人(平成30年8月1日現在)
世帯数 49,943世帯(平成30年8月1日現在)
丸亀市は、香川県の海岸線側ほぼ中央部に位置し、北は瀬戸内海国立公園、南は讃岐山脈に連なる山々、陸地部は讃岐平野の一部で、平坦な田園地帯が広がっています。そして、瀬戸内海には本島、広島、手島、小手島、牛島などの島々が点在しています。
2
職 種 職員数臨時職員(再掲)
管理者 1
スタッフ
保健師 5 1
社会福祉士 9 4
主任介護支援専門員 4
介護支援専門員 10 10
理学療法士(正規職員は健康課と兼務) 2 1
看護師 1 1
事務 1
計 33 17
丸亀市地域包括支援センター
○健康福祉部高齢者支援課地域包括支援センター(直営1カ所)
○平成28年度より市南部にサブセンターを設置
○市内7カ所の老人介護支援センターをブランチとして委託
3
丸亀市における地域包括ケアシステムの推進
地域包括ケアシステム推進協議会(地域ケア推進会議)
医療・介護連携推進部会 生活支援・予防部会
医療 介護
住まい
生活支援介護予防
在宅医療介護連携支援センター
地域ケア個別会議
《地域包括ケアシステム推進協議会構成団体》医師会、歯科医師会、薬剤師会、県理学療法士会、県作業療法士会、県看護協会、県中讃保健福祉事務所、介護サービス事業者連絡会、コミュニティ協議会連合会、民生委員児童委員協議会連合会、老人クラブ連合会、シルバー人材センター、社会福祉協議会、庁内関係部署 等 4
住み慣れた地域や本人が望む場でできる限り自立した生活を送り、たとえ介護や療養が必要となっても安心して自分らしい生活を継続することができる。
そのための目標
○医療や介護が必要になっても、可能な限り在宅で生活できる仕組みづくり
○一人暮らしや、虚弱な高齢者を支える仕組みづくり
○認知症高齢者を支える仕組みづくり
○高齢者がそれぞれの予防活動に取り組める仕組みづくり5
丸亀市の目指す地域包括ケア
6
丸亀市の高齢者を取り巻く状況~医療・介護を中心として~
6
丸亀市の総人口と年齢区分別人口の推計
2000年 2005年 2010年 2015年 2020年 2025年
75歳以上 9,136 11,278 12,884 14,323 15,919 19,121
65~74歳 11,624 11,804 12,439 15,774 16,189 13,253
40~64歳 37,855 37,491 36,487 35,857 35,190 34,557
0~39歳 49,741 49,509 48,663 44,055 40,845 38,605
0
20,000
40,000
60,000
80,000
100,000
120,000
資料:2015年までは国勢調査、それ以降は推計人口
(人)
7
高齢者世帯構成の推移
26.7
23.7
21.9
20.0
18.5
16.5
32.3
24.3
22.5
20.4
16.6
13.4
41.0
52.0
55.6
59.7
64.9
70.0
2015年
2010年
2005年
2000年
1995年
1990年
ひとり暮らし高齢者世帯 高齢者夫婦のみ世帯 同居世帯
(%)
資料:第7期介護保険事業計画
8
認定者数・認定率の推移
0
5,000
10,000
15,000
20,000
25,000
30,000
35,000
2010年 2015年 2016年 2017年 2020年 2025年
第1号被保険者数 25,167 29,601 30,264 30,733 32,108 32,374
認定者数 3,793 4,902 4,970 5,060 5,559 6,137
(人)
資料:第7期介護保険事業計画9
要介護者認定者の施設入所等の検討状況
資料:第7期介護保険事業計画アンケート結果
83.5
10.9
5.6
入所・入居は検討していない
入所・入居を検討している
申込みをしている
10
人生の最期を迎えたい場所
48.3
14.84.2
2.70.4
22.3
7.2自宅
医療施設
福祉施設
ケア付き住宅
親族の家
わからない
無回答
資料:第7期介護保険事業計画アンケート結果11
自宅で最期まで療養するために必要なこと
17.9
33.1
38.0
45.4
69.4
0 10 20 30 40 50 60 70 80
24時間相談できるところがある
家族の負担を軽減する体制
症状が急変した時の対応
訪問看護
訪問診療・往診
(%)
資料:第7期介護保険事業計画アンケート結果 12
0
10
20
30
40
50
60
70
80
90
H14年 H24年 H25年 H26年 H27年
病院・診療所
老人保健施設
老人ホーム
自宅
(%)
看取りの場所
資料:香川県保健統計年報
13
医療に関する資源の状況
種 別 事業所数75歳以上人口1000人あたり
在宅療養支援診療所 15 1.23
訪問診療を行う診療所 22 1.51
在宅療養支援歯科診療所 7 0.48
在宅訪問を行う薬局 33 2.26
医療機関数:ほぼ全国平均、県平均に近い整備状況
【その他の状況】*診療所数:72 *有床在宅療養支援診療所:5 *看取りを実施する診療所数:6*病 院 数 :12 *病床数:一般病床926床、療養病床404床
精神病床387床、地域包括ケア病床30床*歯科診療所:73診療所 *訪問看護事業所:5事業所(みなしを除く)
14
介護サービスに関する資源の状況
種 別 事業所数75歳以上人口1000人あたり
居宅介護支援事業所 32 2.20
介護老人保健施設 5(349床)
通所介護事業所 49 3.36
訪問介護 25 3.36
介護施設、事業所数 : 県平均より少し多い整備状況15
●目指す姿(3年後)
○医療・介護関係者の連携が円滑になり、一体的なサービ
スの提供ができるようになる。
○入退院時の連携が取れるようになり、安心した在宅医療
につながる。
○中重度(要介護3~5)の要介護状態になっても、より
良いサービスを受けながら在宅生活を続けることができる。16
医療や介護が必要になっても可能な限り在宅で生活できる仕組みづくり
【医療介護連携の現状と課題】
●医療と介護の専門職の連携が取りにくい
●医療・介護・施設サービスの情報共有が不十分である
●高齢者主体の連携体制の構築が必要である
まんでネット(丸亀市医療介護連携支援システム)の活用に
よる多職種間の情報共有、連携推進17
キーワード:多職種連携の推進
丸亀市医療介護連携支援システム本人(利用者)の部屋を作成し、本人に関係する専門職が情報共有を図りながら連携の流れを構築していくものです
病院 かかりつけ医
本人家族
在宅医療介護連携支援センター
施設
在
宅
医
療
介
護
連
携
支
援
セ
ン
タ
ー
訪問看護
通所リハビリ
訪問介護ショートステイ
ケアマネジャー
通所介護
介護サービス事業者
福祉用具
本人家族
ケアマネジャーによる利用者の部屋作成
医師による患者の部屋作成
【部屋作成のタイミングの例】①退院時 ②訪問診療導入時 ③介護サービス利用時 等
【連携支援対象者の例】①要介護状態の介護サービス利用者 ②がん終末期の患者 ③中等度以上の認知症の患者 等
18
・厚生労働省「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイドライン」(平成22年9月改正)
・厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン第4.2版(平成25年10月)・総務省「ASP・SaaS事業者が医療情報を取り扱う際の安全管理に関するガイドライン第1.1版」(平成22年12月)
インターネットクラウドシステムを活用した情報連携システムとは
19
インターネット
ノートパソコン
スマートフォン
タブレット端末
デスクトップパソコン
強固なデータセンター
情報
・複数のデータセンター・災害等危機管理対策
・インターネットにつながるパソコンがあれば利用できる。
・情報通信はSSL-VPN(暗号化)
セキュリティについて
20
市内の在宅療養者の医療・介護に関わる者のうち、次の国家資格を持つもの(法令上の守秘義務を課されている者)
★医師、歯科医師、薬剤師、保健師看護師、准看護師、介護支援専門員社会福祉士、介護福祉士、精神保健福祉士、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、義肢装具士 等
市内の在宅療養者の医療・介護に関わる者のうち、次の事業所の従業員であるもの(雇用契約の下に医療情報を取り扱い守秘義務を負う者)
★介護サービス事業所、障害福祉サービス事業所★丸亀市医師会、綾歌地区医師会
丸亀市の地域包括支援センター職員
丸亀市高齢者支援課職員
①情報連携システムの利用に際して市が定める契約上課す義務(誓約)②ID・パスワードは個人に発行 ⇒ ID・パスワード共有の禁止、厳重管理等③退職等に伴うID・パスワードの返還+定期的な管理者である市による調査④情報連携の内容等の市による随時確認(情報の提供内容、履歴等使用状況)⑤定期的な研修会の開催(個人情報保護及びシステムの利用方法について等)
守秘義務
①丸亀市情報セキュリティポリシーの規定による管理者の承認最高情報セキュリティ責任者(副市長)、 情報システム管理者(高齢者支援課長)及びネットワーク管理者(行政管理課長)の承認
②個人情報保護審査会に対し、個人情報の外部提供に係る諮問
20
◆平成27年度:全額国庫補助 14,877千円
(内訳) 医療介護連携クラウドシステム導入業務委託料 14,688千円医療介護連携クラウドシステム使用料 166千円事務用OA機器借上料 23千円
21
医療介護連携クラウドシステム運用にかかる事業費
◆平成28年度~
医療介護連携クラウドシステム利用料 998千円(一般会計)
【システム利用に係る費用】
●システムの利用料:丸亀市負担 ※システム利用者の負担なし
●インターネットの回線使用料及びインターネット環境維持の費用:
システム利用者の負担21
まんでネットの活用促進のために
22
~まんでネットを活用して専門職のメリットがあるか~○バイタルサイン等の身体状況、生活状況のリアルタイムな報告
○サービス担当者会議に対する意見照会、報告
○問合せ、回答、指示書等の確認、受け渡し
○写真、動画等の添付による情報共有、意見交換
~まんでネットを活用してどう連携できるか~○それぞれの職種としてどんな情報がのせられるか
○それぞれの職種としてどんな情報がほしいか
連携についての顔の見える関係づくりを目的に「丸亀市地域包括ケア医療介護連携研修会」を開催
それぞれの専門職の視点での「生活」「変化」の情報共有ができると本人を中心にしたより良い支援につながることの確認
23
まんでネットで行われている情報共有
主な投稿内容
医師 主治医意見書、診療情報、訪問看護指示書の添付、処置の指示 等
訪問看護師 訪問看護記録(SOAP他)、身体状況の写真添付 等
リハビリ職 リハビリ報告、ケアマネジャーや福祉用具関係者への環境改善の提案 等
ケアマネジャー サービス内容の確認、サービス担当者会議の日程調整、照会、報告 等
通所サービス サービス利用時の状況、体調変化 等
訪問介護 生活状況、本人の様子、体調の変化 等
施設 ショートステイ利用時の状況 等
それぞれの専門職の視点でのコメントを投稿することで、情報共有意見交換ができ、多職種の連携につながっている
23
ID登録数(全数) 478
医療関係者 191
≪内訳≫ 医師 93
歯科医師 13
他医療関係者 85
介護関係者 198
≪内訳≫ ケアマネジャー 96
他介護関係者 102
家族 8
行政関係者(ケアマネジャー除く) 81
部屋開設数 179(閉鎖13) 24
まんでネットの登録状況※平成30年8月末現在
*導入時や運用時の医師会の積極的関わりと
医師会内での協力体制の構築
*多職種のスムーズな情報発信による医療介護
連携体制の構築
*在宅での看取りの対応において、有機的な連携
が増加
25
ICT利活用の効果及び成果
*多職種連携ツールとして多くの専門職に利活用される
ための普及啓発
*顔の見える関係づくりを基盤に、業務に役立つという
視点を持ち考えることができる専門職の増加
*効果的な運用のためのID登録者の増加
*利用者の部屋の運用についての利用者の資質向上
*市単独ではなく、医療圏や県全体での統一したツール
の検討 26
ICT利活用の今後の課題
27
ご清聴ありがとうございました