地方が最適である - jctv · 「昇龍道 」と名づけた広 域観光周遊ルート...

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Page 1: 地方が最適である - JCTV · 「昇龍道 」と名づけた広 域観光周遊ルート (能登半 中部島を龍頭に見立て、北陸・ 9県へのインバウンド 戦略)に感心させられた。
Page 2: 地方が最適である - JCTV · 「昇龍道 」と名づけた広 域観光周遊ルート (能登半 中部島を龍頭に見立て、北陸・ 9県へのインバウンド 戦略)に感心させられた。

なか

きゅう

さいな

地方が最適である」

と主張

した。信州伊那谷の養蚕業、

静岡久能山麓のいちご石垣

栽培、古く上杉虎山の自給

圏(様々な植物を植えて自

給自足させる)

を目指した

米沢平野の取り組みを奨励

している。

 中澤秀雄教授の研究はこ

うした考え方から全国各地

を調査する。以下、北海道

の江別市野幌商店街まちづ

くり、釧路市現役炭鉱(

CM)

とその前身の総合的

研究、空知地域の夕張市破

綻と再生に関する研究、東

北気仙沼市などでのボラン

ティア引率とその調査・研究、

奥州市の地方版総合戦略づ

くり、いわき市の常盤炭鉱

とその再生に関する研究、

千葉県鴨川市の大山千枚田

調査・研究、千葉市稲毛商

店街まちづくり実践研究、

新潟県阿賀野川流域の新潟

水俣病調査・研究、旧巻町

及び柏崎市の原子力立地に

関する調査、島根県石見銀山、

香川県豊島など瀬戸内芸術祭、

高知県馬路村、宮崎県綾町、

熊本県水俣市の水俣病調査、

研究などなどである。

 中澤教授の講演と現地調

査を踏まえたシンポジウム

を通して私が感じたことは、

地域おこしの先人たちが「

請けではいけない。もっと

知恵を働かせれば自分たち

のブランドを作ることがで

きる」

ということであった。

そしてそのキッカケは、地

域にあるシーズ、ニーズに

気付き、それに付加価値を

つける地域の教育力をつけ

るということになる。

 私が4期にわたる市長職

を辞した平成17年、総務省

過疎対策室は「

地域内発型

産業の確立による地域経済

の自立促進~外貨獲得と地

産地消による過疎地域の活

性化~」

の報告書を公表した。

古い発想からやっと私たち

が思い抱いた姿を政府側に

よって示されたと感じたも

のだ。

 その概要を図示すれば、

図のようになる。即ち、過

疎地域では地域住民の需要

に応える小売店や事業所は

減少し、地域住民は地域外

に消費の場を求め、地域内

でせっかく外貨を稼いでも

その外貨は地域外に流れる。

そこである程度の地域需要

を賄う事業を、自らの創意

と努力によって生み出すこ

とができないか。すでに農

業分野では全国各地で地域

内での直売、学校給食への

供給等の取組みが活発化し

ている。こうした取組みに

より地域外への外貨の流出

を抑え、より多くの資金を

地域内に留保し回す内発型

産業活性化が必要である。

 これまで見てきたように、

地域に関係することをボト

ムアップで生活者の視点か

らまちづくりを行う場合、

重要なのは合意形式のプロ

セス、リーダーシップ、地

域に対する夢や達成感の共

有だと思われる。そのため

には、公平・公正を第一義

とする行政制度の不備を住

民のボトムアップで補うこ

とからまちづくりは始まる

と言える。後発先進国であ

る日本の都市計画制度や地

域経済施策を効果的に転用

するところにまちづくりの

ポイントがあるということだ。

 私なりに提言させてもら

うと、①地域資源の頭出し

(Resource)

。できればオン

リーワンの種火を掘り出す。

②プロデューサー(Producer)

責任ある担い手と学習体制

サポートを配する。③制度

転用

(Institutional conversion)

の研究。正統化、

既成事実化可能なものかど

うか。④マルチスケール

(multi-Scale)

への展開。

国や県依存のみでなく新た

な市場開拓の可能性が有る

かどうか。といった「RIPS

点検」

に心がけることが必

要となるであろう。

 今、全国をかけ巡ってい

る「

まち・ひと・しごと創

生総合戦略」

を絶好のチャ

ンスと捉えて自治体の役割、

地域住民の関わり方を考察

すると

①地域資源を発見し、人材

を発掘し、ビジネスを起こ

す動きを促進すること。前

述の町村是の時代から続く

風土産業のプロデュースを

いかに構築するか。

②金融機能、即ち地域内で

経済が回転する度合いを高め、

信用創造を助長するための

システム。

③政策革新、即ち制度転用

の余地を常に研究し、必要

な時に大胆に展開すること。

④商社的機能、即ちマルチ

スケール的な交流により、

国内はもとより世界のGDP

を自らの域内に取り込んで

いく視点も忘れないことな

どが挙げられる。④につい

ては北陸新幹線開通に沸く

金沢市に学会出席のために

訪れた私は、急増する訪日

外国観光客受け入れを食・

伝統文化・職人わざ・観光

スポットなどを組み合わせ、

かつ「

昇龍道」

と名づけた広

域観光周遊ルート(

能登半

島を龍頭に見立て、北陸・

中部9県へのインバウンド

戦略)

に感心させられた。「

請けではない、自らプロデ

ュースする地方創生」

こそ

がキーワードとなろう。

アートマネージメント人材

世界に日本を発信

地方財政と消費税

壮絶な挑戦

根底からの見直し

9 Tokushima Economy Journal

 

選挙に関し若者が疑問

・問題に感じたこと

地方創生戦略を

チャンスに

若者の投票率向上へ

・・

今後のまちづくり

女性議員の活動事例

めむろだけ

めむろ

テキトー(

適当)

投票概念

日本の基本資源、

教育」

と「風土」

都市部 住民

外貨獲得型 産業

地域住民 地産

地消型

産業

外貨