低排泥低変位噴射撹拌工法「optジェット工法」 …...写真-1 施工状況 写真-2...
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写真-1 施工状況
写真-2 造成された改良体
低排泥低変位噴射撹拌工法「OPT ジェット工法」
(NETIS 登録 No.KTK-100011-A)
ライト工業株式会社
1.はじめに
震災により被害を受けた既設構造物下部地盤の支持強化や液状化対策など,復旧・補修のための地盤
改良および基礎地盤強化の必要性が今後ますます高まることが予想される.既設構造物下部地盤の改良
では,大型施工機械による施工が困難であり,高圧噴射撹拌工法が適用される場合が多い.
しかし,従来の高圧噴射撹拌工法では,既設構造物や周辺地盤への施工変位の影響や,施工費がやや
高価という課題がある.
こうした観点から,施工効率が高く経済性に優れた高圧噴射撹拌工法として「OPT ジェット工法(NETIS
KTK-100011-A)」を開発し,建設工事に適用している.
本工法は,新開発の噴射ヘッドと独自の噴射撹拌理論を用いて,高速施工による低排泥と低変位を実
現した.また,幅広い改良体径(φ1.4~φ4.0m)を効率的に造成することができる.
その結果、スラリー噴射量が少量となるため低排泥・低変位を実現することができ,経済性の向上お
よび工期の短縮が可能となった改良型の高圧噴射撹拌工法である.
今回の発表会では,この OPT ジェット工法の概要,特徴,施工機械,施工方法,適用例などについて
報告する.
2.OPT ジェット工法の概要
高圧噴射撹拌工法は,ボーリングロッド先端から水平方向に圧縮空
気と同時に水や硬化材スラリーを超高圧で噴射して改良対象地盤を切
削破壊し,切削土粒子をエアリフトにより地上に排出させながら残留
土粒子と硬化材を撹拌混合して均質な固化改良体を造成する.
OPT ジェット工法は,図-1 に示すように従来工法と同様に三重管構
造のロッドを使用して超高圧水・圧縮空気・超高圧硬化材の流体を独
立して噴射するが,以下に示す技術により高速施工が可能となり,経
済的で高品質な改良体が造成可能となった.
①摩擦抵抗が極小の噴射ヘッドの採用によりジェットロスが小さく
なるため,地盤の切削力が 10%程度向上した.
②独自の噴射理論適用と,上段と下段から噴射することにより,従来
工法に比べて 30%程度の施工効率アップが図られた.
③上段噴射部から超高圧水噴射ガイド切削行って内圧解放効果のあ
る一定の空間を形成し,改良体造成時に発生する排泥をスムーズに排
出させることにより,下段噴射部からの超高圧硬化材噴射と空気噴流体のエネルギーによる地盤切削力
が低下せず,改良対象地盤を効率よく破壊切削することが可能となった.
図-2 に OPT ジェット工法の施工順序を示す.
図-1 OPT ジェット工法概念 図-2 OPT ジェット工法の施工順序
3.特徴
OPT ジェット工法の特徴を以下に示す.
(1)コスト・工期の縮減
極小摩擦抵抗の噴射ヘッド,独自の噴射撹拌理論,上段下段の噴射部設置といった 3つの新技術によ
り施工効率が向上した.このため,高速施工が可能となりコスト・工期を縮減することができた.
(2)低排泥・低変位の実現
上記の新技術を適用したことにより,改良体積に対する噴射量(スラリー注入率)が低減され,排泥
発生量を従来工法に比べて 50%程度少なくすることができた.また,低注入率であるため,周辺への変
位影響を抑制することができる.
(3)設計・施工条件を考慮した最適施工法の提供
独自の噴射撹拌理論を用いて改良径を設定できるため,複雑で特殊な地盤など標準施工パターン以外
の設計・施工条件においても合理的な噴射撹拌仕様の施工法を提供できる.
4.適用例
図-3に OPT ジェットの適用概念を示す.このように,多様な構造物の地盤強化分野における基礎の耐
震強化や,液状化対策等の用途に適用可能である.また,仮設目的の地盤強化としても経済的に適用す
ることができる.
図-3 OPT ジェット工法の適用概念
5.施工実績
表-1 に OPT ジェット工法の施工実績を示す.
表-1 OPT ジェット工法の施工実績(一部を掲載)
工事名 発注者 目的 施工時期
某社工場内側方流動対策工事(その 1) 民間 側方流動防止 2008 年 11 月
金町浄水場送配水ポンプ所(仮称)築造に伴
う土工事及び地盤改良工事
東京都水道局 止水 2010 年 7 月
水島港水島玉島地区臨港道路橋梁下部工事 国土交通省中国地方整備局
宇野港湾事務所
盤ぶくれ対策 2011 年 9 月
仙台塩釜港仙台港区向洋地区岸壁(-14m)
(災害復旧)工事(その 3)
国土交通省東北地方整備局
塩釜港湾・空港整備事務所
土圧軽減 2012 年 1 月
1
低排泥低変位噴射撹拌工法の適用事例
- 効率化施工を可能とした 新技術 -
(OPTジェット工法)
目 次
1. はじめに
2. OPTジェット工法の概要
3. OPTジェット工法の特長
4. 施工事例
1. はじめに
地盤改良に関する統計資料①
「地盤改良技術の施工管理・品質管理に関する実態調査」より
地盤改良の採用目的
地盤改良に関する統計資料②
工法の選定理由
「地盤改良技術の施工管理・品質管理に関する実態調査」より
2. OPTジェット工法の概要
2
OPTジェットとは・・・
O P T i m i z e … (直訳) ・最適化する
・最も効果的にする
・効果的な施工効率
・最適な改良品質
・最適な改良体配置
工法概念
【工法特許】
特許第3750066号「地盤改良工法」
【NETIS】
登録番号 KTK-100011-A
【投稿文献など】
・基礎工(平成21年5月)
・建設の施工企画(平成22年2月)
・月刊建設機械(平成22年11月)
適用例 適用例
底盤改良 発進・到達防護
欠損部防護 耐震強化
3. OPTジェット工法の特長
独自の噴射撹拌理論について
0.0
1.0
2.0
3.0
4.0
5.0
6.0
7.0
0.0 1.0 2.0 3.0 4.0 5.0 6.0 7.0実施工改良径 φC (m)
計算
改良
径 φ
D (m
)
現場実験(地盤1)
現場実験(地盤2)
現場実験(地盤3)
他工法
実施工(各種地盤)
N=51
計算改良径φDは、実施工と高い相関性
3
独自の噴射撹拌理論について
OPTジェットによる最適計画例(平面)
従来技術 OPT
独自の噴射撹拌理論について
OPTジェットによる最適計画例(断面)
従来技術 OPT
φ3.0m
t=7分/m
t=8分/m
t=9分/m
t=12分/m
t=8分/m
ジェットグラウトQ&Aの2.18項の図と柱状図
Φ1.6m
排泥量について
排泥量の比較
A工法 B工法 OPT
改良範囲 改良体
A工法の場合
排泥
排泥量について
排泥量の比較
A工法 B工法 OPT
改良範囲 改良体
B工法の場合
排泥
排泥量について
排泥量の比較
A工法 B工法 OPT
改良範囲 改良体
OPTの場合
排泥
施工時の変位量について
変位に関する基本事項(噴射撹拌)
① 単管>二重管>三重管と施工方式によって異なる
② 注入量に見合った排土が促進されれば変位は低減する
『地盤改良効果の予測と実際』より抜粋
(OPTジェット工法) 三重管工法
(OPTジェット工法) 低注入量による噴射
4
施工時の変位量について
側方変位データ
0
5
10
15
20
25
30
-40 -20 0 20 40
水平変位 δ (mm)
深 度 GL (m
)
離隔x=0.5m
粘性土 Ac1改良
(平均δ=13mm)
砂質土 As1改良
(平均δ=-7mm)
(改良体側) (外方側)
従来技術 OPT 4. 施工事例
施工事例①
HWL KP+2.000
LWL KP±0.000
KP+2.20
4000 13000
17000
KP+3.80
KP-10.00
低排泥低変位噴射撹拌工法(OPTジェット工法)
φ2,600 qu≧300kN/m
KP-11.00
既設控え杭
2600 10400
2500
9700
1000
10000
5@2600=13000
700
既設タイロッド
建築物
Bor.自-2(+2.84m)
N値0 1020304050
2
護岸
t=3分/mF
As1
Ac1
t=5分/m
改良体①改良体②
改良体③
施工事例①
運河
88800
114800
建築物
既設取水路
AB
CD
E
Bor.自-2
Bor.自-1
Bor.自-3
護岸 改良体 φ2,600 試験施工
A
A
5
施工事例②
TP+2.20
3800
0
遮水壁(地盤改良)
2330
0
TP-34.80
土留
め壁
との
ラッ
プ
1000
403020100 50
58.50
62.6063.45
砂混じりシルト
50.00
細砂
42.90 9
10
9
10
11
27.00
36.00
32.80
37.90
29.00
31.40
29
39
4644
43
34
304
60
50
39
21.8521.00
18.00
22
88
8865
60
52
63
60
48
40
4
シルト質細砂
14.00
10.35
15.00
6.15
7.80
34
27
1638
47
36
25
1
3
4
土質区分
2.60
4030
711
201 00 50
H16-No.4
(玉石混じり
盛土
粘土質砂礫)
(粘土
盛土
混じり砂)
シルト混じり細砂
細砂
細砂
シルト混じり細砂
シルト質細砂
細砂
シルト質細砂
細砂
砂混じりシルト
シルト混じり細砂
貝殻混じりシルト質細砂
貝殻混じりシルト
柱状図
深度(m)
N 値
44.00
45.50
48.80
51.00
52.24
15
2629
1716
15
56
75
88
167
細中砂
浮石混じり砂質シルト
浮石 混じ り砂 質
シ ル ト質 細砂
浮石混じり砂質シルト
細砂
細砂
50.00礫混じり
土質区分
H21-No.1柱状図
深度(m)
N 値
2.39(深度 0.00)
75.27
シルト
細砂
107
88
107
39
136
20
2514
17
41
115167
150
150
167
125
125
167
100188
167
125
砂質土
44.50
36.00
粘性土
TP+0.52
TP-22.35(床付深さ)
TP-26.99
TP-28.39
TP-33.49
TP-44.39
TP-56.11
TP-61.06
土留め壁(ECW工法)
TP-38.49
2100
1400
510
013
1046
40
TP-35.80
φ2400
φ2100
TP-58.10
N=37 φ=42°
N=39 φ=43°
N=4 C=24kN/m2
N=10 C=60kN/m2
難透
水層
への
根入
れ長
199
0
最大N値167
OPTジェット
山留壁
1500
1000
1500
1000
54000=30@1800
3300
900 1段目アンカー
12600=7@1800
900
58@1800=104400
7200
=4@1800
7200
=4@1800
37800=21@1800
3600
=3@1200
1200
1200
1200
120000
59500
1180 1310120000
59500
TP=-3.20
施工事例②
OPTジェット(φ2100)
施工事例②
最大N値 : 167 (砂質土) ⇒ マニュアル記載外(当時)
噴射量 : 300L/分
噴射圧力 : 40MPa
施工時間 : 8分/m
回転速度 : 5r.p.m
噴射孔数 : 1箇所
空気量 : 10Nm3/分
有効径 ⇒ 2.4m
比重 : 1.34
施工事例③
No.21-R3
8
TP-2.5m
dep = 20
.37 m
N値0 10 20 30 40 50
0
0
0
0
0
0
2
2/35
7
50
13500
3650
1500
▽T.P.-2.50(現地盤高)
▽T.P.-0.24(計画高水位)
▽T.P.-1.13(ポンプ始動水位)
3424
3560
600
砕石置換
高圧噴射撹拌工改良厚1.9m、1.5m
516
1900
150
施工事例③
11500
23400
2000
2500 5450
2500
O PT?3500
OPT?3000
t=9分/mt=7分/mt=9分/m
6
施工事例④
OPTジェット
海上CDM
薬液注入
施工事例④
高圧噴射攪拌工(陸側)
高圧噴射攪拌工(海側)
7
ENDご静聴ありがとうございました