openstack summit 2016 austin 参加報告

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Copyright © NTT COMWARE CORPORATION 2016 OpenStack Summit 2016 Austin 参加報告 2016/06/22 NTTコムウェア株式会社 品質生産性技術本部 技術SE部 木村康宏

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OpenStack Summit 2016 Austin

参加報告

2016/06/22

NTTコムウェア株式会社

品質生産性技術本部 技術SE部

木村康宏

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はじめに

2016年4月25日から4月29日にかけてアメリカオースティンにて開催された

「OpenStack Summit Austin 2016」の参加報告をさせていただきます。

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自己紹介

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氏名 木村康宏 (きむら やすひろ)

所属 NTTコムウェア 品質生産性技術本部 技術SE部

担当業務

社内のOpenStack関連技術の支援業務を担当

入社当時はNGNのノード系開発業務に従事

その後OpenStackやSDN関連の開発業務に

→現職へ

今回初めてOpenStack Summitに参加

海外出張自体も初めて、緊張

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目次

1. OpenStack Summit Austin 2016の概要・参加状況

2. OpenStack Summit Austin 2016 参加報告

1. 全体の所感

2. 基調講演

3. ジェネラルセッションでのトピックの紹介

4. デザインサミットの紹介

5. 企業による展示

3. まとめ

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1.OpenStack Summit Austin 2016 の概要・参加状況

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OpenStack Summitとは?

主な目的

OpenStackに関わるユーザー、開発者、運用者が世界から集まり、最新のユーザー事

例/開発・運用上課題等の共有を図る。

期間中に開催される「デザインサミット(開発分科会)」は、開発者により今後の開発方

針と半年後のリリース版の仕様を調整する会議であり、重要な場となっている。

内容

6

年に2回開催されるOpenStack最大のイベント(国際会議)です。

種別 内容

基調講演 キーメッセージ、大規模ユーザー事例等を発表

ジェネラルセッション 技術検証、実運用、ビジネス展開等の様々なトピックに関する講演

デザインサミット (開発分科会)

次回リリース以降の開発方針/仕様を議論

オプスミートアップ (運用分科会)

運用担当者からの現場の意見を吸い上げ・議論

ワークグループセッション 特定テーマ(OPNFV、構築ツール、ビジネス展開)等

マーケットプレイス 企業による製品デモ、展示、ハンズオン

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OpenStack Summit Austin 2016

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日程 2016年4月25日~29日

場所 アメリカ テキサス州 オースティン

Austin Convention Center

参加人数:約7,500名以上

日本人も推定100名以上が参加

NTTグループからの約40名が参加 内訳:NTTコミュニケーションズ 16名(技術開発部、クラウドサービス部、カスタマサービス部)

NTT America 3名、NTT SIC 12名(鈴木所長を含む)、NTT i3 2名、

NTTデータ 5名、NTTスマートコネクト 1名、NTTソフト 2名、

NTTコムウェア 2名 ※いずれも私が直接確認できた方のみ。

2016年4月開催のOpenStack Summitに参加しました。NTTコムウェ

アからは古西・木村の2名が参加しました。

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今回のSummitでのセッション数

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日程が前回のTokyo Summitより1日多く、より多くのセッションが開

催されました。また、公式認定制度「Certified OpenStack

Administrator」試験も平行して実施されていました。

種別 総数 備考

基調講演 20 (11)

約7500人の参加

ジェネラルセッション、ワークグループセッション

467 (336)

1コマ40分 1コマ100人~200人参加 12~16セッションが同時進行

デザインサミット (開発会議) オプスミートアップ (運用会議)

418 (316)

1コマ基本40分 1コマ10人~100人参加 5~16セッションが同時進行

展示ブース会場での 企業デモセッション、LT

163 (115)

企業宣伝のデモセッション 20分 LT枠 15分

括弧内の数字は、前回のTokyo Summitでの数字

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3.OpenStack Summit Austin 2016 参加報告

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今回のOpenStack Summit全体の所感

エンタープライズ向けクラウドの実例紹介の増加

非IT系企業でのOpenStackの商用利用の実例が増加

OpenStack本体の技術的な側面だけでなく、運用などプロセスの側面に議論が移行

コンテナ技術への期待

Kubernetes等のコンテナ管理ソフトとOpenStackとの連携の事例が増加

Docker等のコンテナ技術によるOpenStackプロセスのコンテナ化事例の増加

NFVは各ベンダ・キャリアの商用検証フェーズへ

Ericsson, Huawei, HPE等各ベンダによるキャリアグレードな製品開発の推進

AT&T, China Mobile等各キャリアによるNFV化の推進強化

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3-1.基調講演

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基調講演

OpenStackが多様性を許容する基盤であることが強調されていました。

パブリッククラウド、プライベートクラウド、NFV、ビックデータの4カテゴリにおける

導入企業・団体を紹介されていました

ガートナーが講演を行い、OpenStackがクラウドネイティブなアプリケーシ

ョンをサポートする基盤であることを説明したうえで、レガシーなアプリケ

ーションとクラウドネイティブなアプリケーションが相互の要素を取り込ん

でいく必要があることを講演されていました。

過去、OpenStackはエンタープライズ向けの製品としては

成熟度が低く、導入に否定的と見られていたガートナーが講演すること自体が、

OpenStackが成熟してきたことを示す一つの象徴だと感じました。

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基調講演

プライベートクラウド運用にあたっての、

組織の文化を変えていく必要性について強調されていました。

OpenStackを導入しても組織の文化を変えなければ、アプリケーションのデリバリ

までの期間は短縮されず、効果が限定的であることを説明されていました。

リリースまでの時間 44日 → 42日(技術の改善) → 2時間(プロセスの見直し)

「VMware Administrator」の文化から、「DevOps Ninja」の文化への移行

Mirantisの講演にて、プライベートクラウドの運用における10の問題のうち、

技術的な問題は1つで、残り9つは人とプロセスの関わる問題であると

説明されていました。

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基調講演

ユーザの関心事として

「コンテナ、NFV/SDN、ベアメタル」

の3つがテーマとして取り上げられていました。

基調講演の中では特にコンテナを活用した

事例が数多く見られました。

Google&CoreOSによる、Kubernetesを利用した

OpenStack本体のコンテナ化による、

故障の自動復旧やローリングアップデートに関するデモが行われました。

OpenStack上にてDockerコンテナを動作させている

事例が多く見られました

LivePerson(SaaS提供会社)

タイム・ワーナー・ケーブル(ケーブルTV事業者)

tcp cloud(チェコのクラウド事業者)によるチェコにおけるスマートシティ事例

また、AT&Tや各ベンダ(Cisco, Intel, RedHatなど)が講演の中において、

NFVに関する取り組みについて紹介していました。 14

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基調講演

ユーザー事例

AT&T

全世界74拠点でのOpenStack運用事例

今回のSummitでSuperUser Awardを受賞

フォルクスワーゲン(自動車メーカー)

グループ会社間のプライベートクラウド構築事例

タイム・ワーナー・ケーブル(ケーブル事業者)

クラスタ管理ツールApache Mesosと連携したシステムの構築事例

TACC

(テキサス州立大学が運営する研究機関向けコンピュートリソースセンタ)

HPCリソースの提供環境をOpenStackで構築した事例

LivePerson(SaaS事業者)

OpenStack上でのKubernetesを使ったコンテナによるサービス運用事例

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基調講演

台湾 OpenStack Hackathonの紹介

台湾で行われたOpenStack上での

アプリケーション開発ハッカソンの紹介

優勝チーム

「バイオリン奏者の筋肉信号を測定するウェアラブル端末開発」

今後のOpenStack Summitの予定

2016年10月 スペイン・バルセロナ

10/25~28 バルセロナ・インタナショナルコンベンションセンターにて開催

2017年5月 アメリカ・ボストン (今回正式発表)

2017年10月 オーストラリア・シドニー(今回正式発表)

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3-2.ジェネラルセッションでのトピックの紹介

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NTTグループの講演

私が現地で確認できたNTTグループの講演は以下の通りです。

NTTコミュニケーションズ ECL2.0のOpenStack運用に関する講演*1 ECL2.0でのマルチテナント、マルチユーザのパブリッククラウドの運用に関する講演

NTTコミュニケーションズ Swiftへのプライベートアクセスに関する講演*2 Swiftへのプライベートアクセスに関する検証内容の紹介

NTTデータ 既存システムへのSwift適用事例講演*3

既存のエンタープライズシステムに対するSwiftの適用事例の紹介

NTTドコモ/NTT SIC/NECによる NFV講演*4

Congressを利用したNFV故障検知・復旧に関する講演

18

*1:https://www.openstack.org/videos/video/openstack-operation-under-a-multi-tenant-and-multi-customer-public-cloud-environment *2:https://www.openstack.org/videos/video/private-swift-endpoint *3:https://www.openstack.org/videos/video/how-to-integrate-openstack-swift-to-your-legacy-system *4:https://www.openstack.org/videos/video/congress-in-nfv-based-mobile-cellular-network-fault-recovery

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NTTコミュニケーションズ ECL2.0のOpenStack運用に関する講演

NTTコム クラウドサービス部が、ECL2.0でのOpenStackの運用に関して講演を実施しました。

ECL2.0でのマルチテナント、マルチユーザのパブリッククラウドの運用に

関する取り組みを紹介されていました。

SICが開発したMasakariによるVMHA(仮想サーバの高可用化)の仕組みを

紹介されていました。

NTTコムウェアも開発に参画した、リソース情報とチケットや障害通知と結び

つけ、より迅速に運用を行う仕組みを紹介されていました。

19 https://www.openstack.org/videos/video/openstack-operation-under-a-multi-tenant-and-multi-customer-public-cloud-environment

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NTTコミュニケーションズ Swiftへのプライベートアクセスに関する講演

NTTコム 技術開発部がSwiftに関する講演を実施しました。

アプリケーションサーバからSwiftにのみ外部アクセスをする

ユースケースを想定。

API用のネットワークを追加することに加えて、以下の対応策をとることでメ

ンテナンスフリーなSwift向けのプライベートアクセスを実現

OpenStack環境の外側にルーターを用意し制御する

OpenStack上の外部NWルータにスタティックルートを設定する

20 https://www.openstack.org/videos/video/private-swift-endpoint

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NTTデータ 既存システムへのSwift適用事例講演

NTTデータが既存のエンタープライズシステムに対するSwiftの適用事例について講演されました。

事例1

既存システムのバックアップストレージとしてSwiftを利用する事例。

テープデバイスを必要とする既存のバックアップツールを使用する要件が存在。

Swift対してCloudFuseを利用して、既存バックアップツールでのSwift利用を実現。 ※CloudFuse…REST APIでアクセスするオブジェクト・ストレージを、

Linuxのファイル・システムとしてアクセスできるように変換するOSS

CloudFuseを導入するだけでは対応できない問題があったものの、

それぞれ対処方法を検討し、要件満たすことができた。

21 https://www.openstack.org/videos/video/how-to-integrate-openstack-swift-to-your-legacy-system

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NTTデータ 既存システムへのSwift適用事例講演

事例2

グローバルで利用するファイルサーバとしてSwiftを利用する事例。

NFS/CIFSでの利用、小規模ファイルの読み書きに対する最適化が必要な事例。

Swiftに対するゲートウェイとしてFobas社のCSCを利用し要件を充足。

※Fobas CSC…REST APIでアクセスするオブジェクト・ストレージに対して

CIFS/NFSアクセスできるように変換する、プロプライエタリ・ソフトウェア

いくつか課題はあるものの、グローバルなクラスタを組む際には

Swiftとゲートウェイを組み合わせる方式が他の方式と比較して機能的に優れている。

NTTデータが既存のエンタープライズシステムに対するSwiftの適用事例について講演されました。

22 https://www.openstack.org/videos/video/how-to-integrate-openstack-swift-to-your-legacy-system

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Congress in NFV-based Mobile Cellular Network Fault Recovery

NTT ドコモ カーン・アシック様/NTT SIC 室井様/NEC 壬生様の共同講演

OpenStack Congress: ポリシーエンジン

あらかじめ設定したポリシーに従って、OpenStackを操作するコンポーネント

NFVIの故障を検知し、Congressを利用して自動復旧する実装のデモを実施

ドコモは2月にNFVの商用化を発表したこともあり、注目を浴びていました。

NTTドコモ/NTT SIC/NECによるNFV講演

23

NTTドコモ/NTT SIC/NECによるOpenStack Congressを利用した

NFV故障検知・復旧に関する講演がされました。

https://www.openstack.org/videos/video/congress-in-nfv-based-mobile-cellular-network-fault-recovery

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一般企業向けの導入事例

非IT系企業での導入事例について数多くのセッションが実施されていました。

非IT系企業における導入事例について多くのセッションが開催されました。

日本企業からはJFEスチールでの導入事例*1が紹介されていました。

クラウドネイティブなアーキテクチャに上位アプリケーション自体を移行して

いく事例がみられました。

一方でレガシーシステムのアーキテクチャを維持しつつ環境移行していく事例

もみられました。

タタコミュニケーションズでのVMHAの仕組みを自社で構築した事例*2や、NTTデータによる既存

環境でのSwift導入事例*3などがありました。

OpenStackの導入に関する課題から、導入した環境における運用プロセスなど

に議論が移りつつあると感じました。

24

*1:https://www.openstack.org/videos/video/jfe-steel-corporation-accelerates-growth-and-globalization-with-openstack-cloud *2:https://www.openstack.org/videos/video/intelligent-workload-ha-in-openstack *3:https://www.openstack.org/videos/video/how-to-integrate-openstack-swift-to-your-legacy-system

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コンテナ技術関連

コンテナ技術に関する講演が多数実施され、大変盛況でした。

コンテナ技術全般に関してジェネラルセッションは常に満員の状態であり、注

目度の高さを感じました。

OpenStack上でのコンテナ利用に関する事例と、

OpenStack本体をコンテナ化して管理を簡素化する事例、

2種の事例について、数多くのセッションが開催されました。

コンテナ技術については、多種多様な製品との連携に関する講演が実施されま

した。特にコンテナクラスタ管理ソフトKubernetesとの連携に関する発表が

目立ちました。

Magnum, Kolla, Murano

Kubernetes, Mesos, Swarm

Docker, LXD

OpenStackとコンテナ技術の連携については、どの技術スタックが標準となっ

ていくか、注視していく必要があると感じました。 25

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OpenStack本体のコンテナ化に関する事例

商用環境向けのコンテナ化したOpenStackを構築するKollaを用いたケースが

多数紹介されていました

eBayがOpenStack本体をコンテナ化する仕組みとしてKollaを用いた事例*1を紹介し

ていました

また、直接セッションを確認できていませんが、多くのスポンサーセッションにて、

Kollaによる環境構築することを前提としたセッションが行われていた模様です。

一方でKollaはコンポーネントとしては後発のため、独自で仕組みを作って

OpenStack本体のコンテナ化を実現しているケースも見られました

タイム・ワーナーケーブルがKollaではなく、Puppet OpenStackと独自の仕組みを

組み合わせて、OpenStack本体のコンテナ化を実現した事例*2を紹介していました

Kollaを使う/使わないに関わらず、OpenStackの運用において問題となる、

冗長化やアップグレードに関する課題を、コンテナ化することで解決しようと

いうのがトレンドだと感じました。

26

*1:https://www.openstack.org/videos/video/self-heal-your-openstack-control-plane *2:https://www.openstack.org/videos/video/deploying-openstack-using-docker-in-production

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OpenStack上でコンテナを利用する事例

OpenStack上のDockerコンテナ利用にあたっては、

以下のコンポーネントを利用する講演が実施されていました。

Magnum…Kubernetes,Mesos,Swarm等と連携してコンテナ制御機能を提供

Murano…アプリケーションカタログ機能を提供

Senlin…OpenStack上でのクラスタ管理機能を提供

Kuryr…Dockerコンテナのネットワーク機能を提供

OpenStack上でDockerコンテナを使用するにあたっては、ユースケースを考

えてコンポーネントを比較検討し選択していく必要があると感じました。

一例として、IntelとMirantisがOpenStack上でDockerコンテナを運用する手段とし

て、MagnumとMuranoの機能比較をする講演*1を行っていました。

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*1:https://www.openstack.org/videos/video/magnum-or-murano-openstack-options-for-container-environment-creation-and-management

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ベアメタル関連

Ironic(ベアメタル機能)に関する利用事例・開発状況の講演が実施されました

Ironicに関するデザインサミット(開発者会議)は

数多くのセッションが実施され、また議論も活発にされていたことから、

ベアメタル機能に関する期待の大きさを感じました。

一方で、ベアメタルサーバのエンドユーザに対する

提供事例に関する講演は思っていたより少なく感じました。

背景には、ネットワークのテナントごとの分離やCinderとの連携機能など、

エンドユーザへのベアメタル提供に必要な機能がまだ充足していないことが

挙げられると思います。

ベアメタルサーバをエンドユーザへ提供するのではなく、

運用者が運用をより迅速に行うための手段としてIronicを使用し、

エンドユーザ自身はVMやコンテナを使用するという事例が見られました。

今後、Ironicにどのような機能が実装されていくか、

注視していく必要があると感じました。 28

Page 29: OpenStack Summit 2016 Austin 参加報告

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Ironicの利用事例

MirantisとSymantecより、Ironicを使用してデータセンタでの1000台のベ

アメタルサーバの運用を行う事例の紹介がありました。

物理NICの共用やアベイラビリティゾーンの設定、ノード命名規則のカスタマイズなど

の機能部分についてカスタマイズして利用していました。

Ironicの課題として、管理するベアメタルの数が800台を超えたあたりから性能的な問

題があること、Ironicのマイグレーションが困難なことなどが挙げられていました。

研究機関向けのHPCリソースを提供する事例紹介を行うセッションが行われま

した。

TACC/アルゴンヌ国立研究所のcameleon cloud、オークリッジ国立研究所のCADES

、CRAY(スーパーコンピュータ製造メーカー)での運用事例が紹介されました。

Ironicの課題として、ネットワークのテナントごとの分離性やCinderとの連携機能に

ついて挙げられていました。

29

*1:https://www.openstack.org/videos/video/ironic-managing-thousands-of-servers-in-production *2:https://www.openstack.org/videos/video/bending-ironic-for-big-iron

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通信キャリアでは、AT&TとChina Mobileがいままで以上に存在感を放

っていました。

両社ともに、キャリアのOSS/BSS全部が稼動するための「キャリアクラウド」

をOpenStackを中心としたオープンソースソフトで構築していこうとしている

様子が伺えました。

また、両社ともに1社だけでなく、さまざまなキャリア系ベンダ/OpenStackデ

ィストリビュータと手を組み、SDN/NFVのエコシステムを進めていこうとして

いるようにも見受けられました。

SDN/NFVの開発では、一企業が単独で開発をすすめるのではなく、複数

のグローバル企業により開発コミュニティをつくり、そこでまず参照モデ

ルとなるオープンソースソフトウェアを開発するスタイルがさらに進んで

いるように見受けられました。

SDN/NFV関連

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3-4.デザインサミット

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Page 32: OpenStack Summit 2016 Austin 参加報告

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デザインサミット(開発分科会)

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デザインサミットは小規模なセッションが同時並行で多数実施されてい

ました。

各セッションでは活発な議論を展開されており、技術者が直接議論を行

う重要性を肌で感じました。

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開発者ラウンジ

開発者用ラウンジが設けられ、世界各国の開発者が一同に介してソース

コードを書いたり議論する(ハッカソン)光景が見られました。

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3-5.企業による展示

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Page 35: OpenStack Summit 2016 Austin 参加報告

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企業ブース(マーケットプレース)

マーケットプレイスには、「HeadlineSponsors 4社」(Intel, Cisco,

Mirantis, RedHat)、「Premier Sponsors 13社」、その他97社の

合計114社が展示を行っていました。

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企業ブース(マーケットプレース)

36

日本企業や各ベンダー、ベンチャー企業、OSSコミュニティなど

多数の展示が行われていました。

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企業ブース(マーケットプレース)

NTTコミュニケーションズは、今回のOpenStack Summitにあわせて

、Enterprise Cloud 2.0のアメリカリージョンのリリースをおこなっ

ており、デモなどの宣伝活動を行っていました。

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今回のスポンサー

今回のスポンサーは以下のとおり。

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4.まとめ

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OpenStackはITベンダのみならず一般企業にも広がり始めておりビジネス

として成熟期を迎えつつあると感じました。

非IT系企業においても活用事例が増えています

自動化、オペレーションの見直し、上位レイヤ(PaaS)との連携等、

プロセス面に関わるキーワードが注目されていました

SDN/NFVやコンテナ技術等、ホットトピックについても活発に開発が進み

、エコシステムとしてのビジネスが広がっているように感じました。

OPNFV, Tacker, Astara, OVN, OpenContrail, OpenDaylight…

Magnum, Kolla, Docker, Kubernates, Mesos, LXD…

まとめ

40

OpenStack Summitは開発者・運用者が世界中から一堂に会しており

、OpenStackの最新動向を得るのに非常によい機会だと感じました。

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感想

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OpenStackSummitに初めて参加しましたが、イベントの大きさに圧倒されました。

日本のOpenStack関係者と沢山交流できたことが非常に良い経験だと感じました。

少し込み入った技術の話になると、英語で会話することが難しく、

語学力の必要性を実感しました。

社名を出すとNFVに関する話題を振られることが多く、きちんと技術動向を抑えてお

く必要があると感じました。

左上:1日目夜に開催され

「Marketplace Booth Crawl

Happy Hour」にてNTTデータ梶波さ

んと。

右上:1日目夜に開催されたMirantis

のイベント。ライブミュージックの街

オースティンをテーマにしたものでし

た。

左下:2日目夜に開催された、

「StackCity Austin: a Community

Festival for Stackers」。レイニー

通りという飲み屋街にて実施されまし

た。

右下:4日目夜に開催された日本人会の

様子。沢山の方が参加されていました。

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Summitの動画・議事録

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基調講演・ジェネラルセッションの動画 https://www.youtube.com/user/OpenStackFoundation

https://www.openstack.org/videos/summits/show/6

デザインサミット議事録 https://wiki.openstack.org/wiki/Design_Summit/Newton/Etherpads

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商標等引用に関する表示

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OpenStackのワードマークとOpenStackのロゴは、米国とその他の国におけるOpenStack Foundation の登録

商標/サービスマークまたは商標/サービスマークのどちらかであり、OpenStack Foundationの許諾の下で使用

されています。

その他、記載されている社名、製品名、サービス名などは各社の商標または登録商標である場合があります。