oracle application server 10otndnld.oracle.co.jp/products/ias/pdf/10g_904_nf_wp.pdforacle...

55
Oracle Application Server 10g テクニカル・ホワイト・ペーパー 2003 9

Upload: trinhkhue

Post on 11-Apr-2018

247 views

Category:

Documents


4 download

TRANSCRIPT

Page 1: Oracle Application Server 10otndnld.oracle.co.jp/products/ias/pdf/10g_904_NF_WP.pdfOracle Application Server 10g − 2新機能概要 Oracle Corporation発行「Oracle Application

Oracle Application Server 10g

テクニカル・ホワイト・ペーパー 2003年 9月

Page 2: Oracle Application Server 10otndnld.oracle.co.jp/products/ias/pdf/10g_904_NF_WP.pdfOracle Application Server 10g − 2新機能概要 Oracle Corporation発行「Oracle Application

Oracle Application Server 10g − 新機能概要

2

Oracle Corporation発行「Oracle Application Server 10g − New Features Overview」の翻訳版です。

Oracle Application Server 10g − 新機能概要

概要 ...................................................................................................................... 3 はじめに .............................................................................................................. 3 Oracle Application Server 10g.............................................................................. 5 アプリケーション開発 ...................................................................................... 6 アプリケーションのサービス指向型開発 ................................................. 6

Oracle Application Server SOAフレームワーク、ツールセット、 インフラストラクチャについて ........................................................... 8 アプリケーション開発 − SOAフレームワーク、ツールセット、 インフラストラクチャ関連の新機能 ................................................. 12

イベント駆動型ビジネス・プロセスの最適化 ....................................... 18 Oracle Application Server ProcessConnect ............................................. 20

自由なアクセス........................................................................................... 25 Oracle Application Server Portal ............................................................. 27 Oracle Application Server Wireless......................................................... 28

ビジネス・インテリジェンス ................................................................... 31 Oracle Reports 10g .................................................................................. 31 Oracle Application Server Discoverer ..................................................... 31

アプリケーション・サーバーの配置............................................................. 33 コモディティ・ハードウェアの QOS...................................................... 34 高可用性とスケーラビリティによる QOS .............................................. 36 パフォーマンスの改善による QOS.......................................................... 40 基礎となるインフラストラクチャのパフォーマンスに関連する 新機能 ..................................................................................................... 41 コンポーネントのパフォーマンスに関連する新機能...................... 43 システム管理のパフォーマンスに関連する新機能.......................... 43

一元化されたセキュリティ管理と ID管理 ............................................. 44 Oracleセキュリティ管理および ID管理のインフラストラクチャ の拡張 ..................................................................................................... 45 インフラストラクチャを活用したコンポーネント・セキュリティ の拡張 ..................................................................................................... 47

ソフトウェアのプロビジョニングとシステム管理 ............................... 49 システム・プロビジョニング ............................................................. 49 システム管理 ......................................................................................... 51

結論 .................................................................................................................... 54

Page 3: Oracle Application Server 10otndnld.oracle.co.jp/products/ias/pdf/10g_904_NF_WP.pdfOracle Application Server 10g − 2新機能概要 Oracle Corporation発行「Oracle Application

Oracle Application Server 10g − 新機能概要

3

Oracle Corporation発行「Oracle Application Server 10g − New Features Overview」の翻訳版です。

Oracle Application Server 10g − 新機能概要

概要

ビジネス・サイクルの速度と予測の難しさから、多くの企業が管理能力の限界に

まで追いやられています。組織は、適合力をさらに高める必要がありますが、そ

の情報システムとビジネス・アプリケーションの対応は遅れがちです。それを補

うため、IT部門は、過剰な処理能力、偶発的事態に備えた冗長性およびポイント・

アプリケーションを使用して設計された、高価なインフラストラクチャ、巨大化

したアプリケーション、および最適化されていないビジネス・プロセスを構築し

てきました。

このような課題に対処するため、オラクル社は、次世代のコンピューティング・

エンタープライズ・グリッド向けに設計された初めてのインフラストラクチャ・

ソフトウェアを発表しました。これは、総合的なツールのセットで構築されたア

プリケーションを実行でき、サービス指向型アーキテクチャ(Service Oriented

Architecture: SOA)フレームワークに基づいているため、最適な事業運営が可能に

なります。

Oracle 10gインフラストラクチャ・ソフトウェアは、変化するビジネス・ニーズに

適合します。さらに大きなメリットとして、Oracleグリッド・コンピューティン

グは IT経済に革命をもたらします。エンタープライズ・グリッド・コンピューティ

ングの導入により、必要に応じて調整できる柔軟なコスト構造を備えた強力なイ

ンフラストラクチャを構築できます。Oracleインフラストラクチャ・ソフトウェ

アは、お客様のデータ・センターのエンタープライズ・グリッド・コンピューティ

ングへ移行しつつ、現在のテクノロジへの投資を保護します。

Oracle 10g SOAフレームワークとツールセットは、アプリケーション開発プロセ

スを最適化し、既存のスキル・セットを活用して、新しい事業課題に迅速に対処

します。

Oracle Integration 10gは、アプリケーションとデータの同期化およびビジネス・プ

ロセスの最適化という課題に明確な答えを提供します。

はじめに

組織が今日直面している大きな課題は、情報テクノロジ・インフラストラクチャ

のコストが非常に高いことです。この非常に高いコストの原因は、相互に関係す

る次の点にあります。

過剰な処理能力: ピークに合わせて処理能力を構築する必要があり、また予備処

理能力を効率的に使用する能力がないため、効果的に利用されません。

Page 4: Oracle Application Server 10otndnld.oracle.co.jp/products/ias/pdf/10g_904_NF_WP.pdfOracle Application Server 10g − 2新機能概要 Oracle Corporation発行「Oracle Application

Oracle Application Server 10g − 新機能概要

4

Oracle Corporation発行「Oracle Application Server 10g − New Features Overview」の翻訳版です。

高価な処理能力の増加: 過剰処理能力の問題がさらに悪化するのを防ぐため、必

要なときに低コストでモジュール化されたユニットにより迅速に処理能力を追加

できないために発生します。

高い管理コスト: システムの複雑化により、特別なツール、手順、スキルが必要

なため、さらにシステムを管理する人の介入が多数必要であるためです。

高価なアプリケーション開発プラクティス: アプリケーションが環境の変化に対

応できないため、最新のアプリケーション開発パラダイムで開発するスキルがな

く、異なるテクノロジをベースにしたアプリケーションの複雑な統合になります。

複雑で統合されていないビジネス・プロセス: 異種混合アプリケーションでの相

互運用性問題と、そのような相互運用性をサポートする標準がないためです。

グリッド・コンピューティングは、新しいソフトウェア・アーキテクチャです。

低コストのモジュール化された多数のストレージとサーバーをまとめて効率的に

プールし、透過的に分散させて機能する仮想コンピューティング・リソースを作

成し、非常に効率的に低コストで高可用性を提供しながら容量を使用できるよう

に設計されています。グリッドのリソースには、ストレージ、サーバー、データ

ベース、アプリケーション・サーバー、アプリケーションなどがあります。リソー

スをまとめてプールすることにより、グリッド・コンピューティングでは、リソー

スの位置にかかわらず、必要なときに、これらのリソースに信頼性の高い一貫性

のある安価なアクセスを常に提供できるため、コンピューティング処理能力に対

するニーズをオンデマンドで満たすことができます。

サービス指向型アプリケーション開発フレームワークと使いやすいツールセット

は、グリッドに簡単に配置できる柔軟な開発フレームワーク・アプリケーション

を提供します。サービス指向型アーキテクチャ(SOA)では、アプリケーション

を書き直す必要なく、既存のアプリケーションをグリッド・リソース上に配置す

ることもできます。

最適化されたビジネス・プロセスは、企業内および取引先とのシームレスで効率

的な事業運営を保証します。

オラクル社は、グリッド・コンピューティング環境におけるアプリケーション開

発課題および配置課題の両方のニーズに対処する完全なソリューションを提供し

ます。

• オラクル社は、Oracle Database 10gと Oracle Application Server 10gを使用

して、グリッド上で情報を管理し、基幹業務アプリケーションを実行する

総合的ソリューションを提供します。Oracle Database 10gと Oracle

Application Server 10gは、いずれも Oracle Grid Controlを使用してグリッ

ド・コンピューティング環境で管理できます。これらの製品の組合せによ

り、今日の IT組織が直面している課題に対処します。

• オラクル社は、オープンな標準に基づく新しいアプリケーションの開発や

グリッド上での既存アプリケーションの実行を支援する、使いやすい柔軟

な SOAベースのフレームワーク、ツールセットおよびインフラストラク

チャを提供します。また、モジュール化されたアプリケーション開発フ

レームワークも提供します。これは、Oracle JDeveloper 10gと Oracle

Page 5: Oracle Application Server 10otndnld.oracle.co.jp/products/ias/pdf/10g_904_NF_WP.pdfOracle Application Server 10g − 2新機能概要 Oracle Corporation発行「Oracle Application

Oracle Application Server 10g − 新機能概要

5

Oracle Corporation発行「Oracle Application Server 10g − New Features Overview」の翻訳版です。

Developer Suite 10gを使用したグリッド対応の柔軟なアプリケーションの

作成を支援します。

• オラクル社は、Oracle Application Server InterConnectと Oracle Application

Server ProcessConnectを使用して、データ統合、ビジネス・プロセスの結

集および一貫性を最適化する完全な統合ソリューションを提供します。

この総合的ソリューションのセットにより、グリッド上での作成、管理、統合お

よび配置に使用できる業界初のソフトウェアのセットが提供されます。さらに、

次の点で市場での差別化を図っています。(i)TCOの引下げ、(ii)広範囲に自

己管理できるインフラストラクチャ・ソフトウェア、(iii)カスタマイズ可能な

リソース管理機能の提供、(iv)アプリケーション開発と配置の簡素化、(v)信

頼性が高く停止時間がゼロのアプリケーション実行、(vi)基幹業務アプリケー

ション統合(EAI)イベントと B2B統合イベントを最適化することによる所要時

間の削減。

Oracle Application Server 10g このインフラストラクチャの一部として、オラクル社は、業界初のグリッド・コ

ンピューティング・アーキテクチャ向けミドルウェア・ソフトウェア・プラット

フォーム、Oracle Application Server 10gを発表しました。Oracle Application Server

10gは、多数の領域で大幅に拡張された統合アプリケーション・プラットフォー

ムです。このプラットフォームは、次の機能を提供します。

• サービス指向型アーキテクチャ(SOA)でアプリケーションを開発

、実現

• これらのサービスをイベント駆動型ビジネス・プロセスに統合

• 複数チャネル・ポータルによる自由なユーザー・アクセスを実現

• コモディティ・コンピューティング・グリッドでの配置

• ユーザーの一元的なプロビジョニングおよび管理

• システムの自己管理により、コストとエラーを削減

このホワイト・ペーパーでは、次の機能について説明します。

• 次のような Oracle Application Server 10g機能について: SOAでのアプリ

ケーション開発、イベント駆動型ビジネス・プロセスの最適化、複数チャ

ネル・ポータルによる自由なアクセス、コモディティ・コンピューティン

グ・グリッドでの配置、プロビジョニングとユーザー管理、および自己管

理システムの管理要件など。

• これらの要件を満たすために使用できる Oracle Application Server 10gの新

機能について。

Page 6: Oracle Application Server 10otndnld.oracle.co.jp/products/ias/pdf/10g_904_NF_WP.pdfOracle Application Server 10g − 2新機能概要 Oracle Corporation発行「Oracle Application

Oracle Application Server 10g − 新機能概要

6

Oracle Corporation発行「Oracle Application Server 10g − New Features Overview」の翻訳版です。

アプリケーション開発

図 1: アプリケーション開発の要件

グリッド・コンピューティング環境には、3つの重要なアプリケーション開発要

件があります。それを次に示します。

アプリケーションのサービス指向型開発: 新しいアプリケーションの使いやすく

柔軟な標準ベースのアプリケーション開発環境と、アプリケーションを書き直さ

ずにグリッド環境で既存のアプリケーションを実行できるサービスを提供します。

イベント駆動型ビジネス・プロセス最適化: ビジネス・イベントのモデル化と取

得、イベントによるビジネス・プロセスの駆動、およびビジネス・プロセスの監

視、改善、最適化を可能にします。

自由なアクセス: いつどこからでも、任意のデバイスからのサービスによりアク

セスできる企業情報ポータルを通じて、様々なサービスにパーソナライズされた

ビューを提供することで、あらゆる情報や処理へのアクセスを簡素化します。

Oracle Application Server 10gは、これらの要件を満たすだけでなく、次のような

様々な機能を提供します。

標準ベースのサービス指向型アーキテクチャ(SOA)ツールおよびインフ

ラストラクチャ

Oracle JDeveloperを通じてプラグイン可能で拡張性のある柔軟なアプリ

ケーション開発フレームワーク(ADF)

イベント駆動型ビジネス・プロセス最適化のニーズに対処する Oracle

Application Server 統合ソリューション

業界をリードする PortalソリューションおよびWirelessソリューション

次の項では、これらの各ソリューションについて詳しく説明します。

アプリケーションのサービス指向型開発

アプリケーションは、従来、巨大なコードの孤立したブロックとして開発されて

きたため、その結果として、柔軟性に欠け、適合や統合が非常に高価なものになっ

ています。機能をビジネス・サービスとして公開することにより、会社は、新し

いアプリケーションの作成や既存アプリケーションの統合をより迅速に行えます。

また、アプリケーション間のWebサービスを結集し、またはポータルやワイヤレ

ス・デバイスを通じてユーザーに直接ビジネス・サービスを公開して、ビジネス・

プロセスを最適化できます。

Page 7: Oracle Application Server 10otndnld.oracle.co.jp/products/ias/pdf/10g_904_NF_WP.pdfOracle Application Server 10g − 2新機能概要 Oracle Corporation発行「Oracle Application

Oracle Application Server 10g − 新機能概要

7

Oracle Corporation発行「Oracle Application Server 10g − New Features Overview」の翻訳版です。

アプリケーション開発と統合のコストを削減する新しい開発アプローチが生まれ

ました。それがサービス指向型アーキテクチャ(SOA)です。SOAでは、適用と

統合が困難な巨大なアプリケーションの構築から、個々のビジネス・コンポーネ

ントを組み立てたアプリケーションである複合的アプリケーションの構築にシフ

トします。これらのビジネス・コンポーネントは、Webサービスとも呼ばれ、標

準ベースのインタフェースを備えているため、アプリケーション間で再利用でき

ます。新規または既存のアプリケーションを、すべてWebサービスとして公開で

きます。

図 2: 巨大なアプリケーションと SOAベースのアプリケーションの比較

再利用可能なWebサービスからのアプリケーションの構築により、アプリケー

ションの開発と保守が簡素化され、再利用が最適化されます。Webサービスは、

統合を促進するため、標準ベースで、豊富なドキュメントを備えたインタフェー

スを持っています。Webサービスには、Webインタフェース、ポータル、モバイ

ルおよびワイヤレス・デバイスなど、複数チャネル・サービスから容易にアクセ

スできます。さらに、Webサービスでは、ユーザー需要に応じてリソースを必要

とするサービスに動的に割り当てることができるため、エンタープライズ・グリッ

ド上のアプリケーションのパフォーマンス、信頼性、スケーラビリティが向上し

ます。

このフレームワークにより促進されるサービス指向型プログラミング・モデルの

理解には、サービス指向型パラダイムに対して設計されたアプリケーションが、

次のような基本モデルに準拠するように考慮されていることを理解してください。

綿密に設計されたインタフェース: サービス指向型アーキテクチャでのアプリ

ケーションは、大きな単位に分けられたインタフェースの明確なセットを持ち、

他のアプリケーションやサービスはそのインタフェースを通じてアプリケーショ

ンにアクセスできます。Webサービスは、Web Services Definition Language(WSDL)

と呼ばれる XMLベースの標準インタフェース定義言語を使用します。

Page 8: Oracle Application Server 10otndnld.oracle.co.jp/products/ias/pdf/10g_904_NF_WP.pdfOracle Application Server 10g − 2新機能概要 Oracle Corporation発行「Oracle Application

Oracle Application Server 10g − 新機能概要

8

Oracle Corporation発行「Oracle Application Server 10g − New Features Overview」の翻訳版です。

標準化された検出およびネーミング機能: さらに、サービス指向型アーキテク

チャでのアプリケーションやサービスは、他のサービスから標準的な方法で検出

できるように、一般に Naming Serviceと呼ばれるネットワーク・サービスにより

登録されます。Web サービスは、Universal Discovery and Description Language

(UDDI)と呼ばれる標準検出サービスを提供します。これは、サービスの名前

(UDDIのWhite Pages)およびWebサービスのタイプ(UDDIの Yellow Pages)の

両方でサービスを検出できる標準レジストリとプログラム・インタフェースを

持っています。

標準化されたネットワーク・プロトコル: 最後に、サービス指向型アーキテクチャ

でのアプリケーションやサービスは標準的な通信プロトコルを介して互いに通信

します。Webサービスは、Simple Object Access Protocol(SOAPまたは XML-Protocol

XMLP)と呼ばれる XMLベースの標準ネットワーク・プロトコルを提供します。

サービス品質: サービス指向型アーキテクチャでのアプリケーションやサービス

は、トランザクションと調整をサポートする必要があります。さらに、アプリケー

ションやサービスは、シンプルで相互運用可能な総合的なセキュリティ・フレー

ムワーク内で機能する必要があります。PKIベースのセキュリティ・フレームワー

クは、アプリケーションに対して次のサービスを提供します。(i)プライバシ −

セキュリティ・インフラストラクチャは、クライアントとサーバー間の通信を暗

号化して、セキュアな通信を提供します。(ii)認証 − セキュリティ・インフラ

ストラクチャは、SSL X.509v3証明書、デジタル署名、SAMLトークンなど、様々

なトークンを使用してユーザーを認証します。(iii)認可 − ユーザーの認証後、

セキュリティ・フレームワークは、グローバル・ロールまたはローカル・ロール

のいずれかを使用して、特定のアプリケーションやWebサービスへのアクセスを

ユーザーに許可するロール・ベースの認可を提供します。(iv)アクセス制御 − 各

種のアプリケーションやサービスへのアクセスを認可されたユーザーの権限は、

綿密なアクセス制御権限を提供することにより、非常に厳密に制御できます。こ

れには、インスタンスのアプリケーション層における特定のクラスとクラスのメ

ソッドに対するアクセス制御と、データベース層における特定の表とその表内の

行と列に対するアクセス制御の両方が関係します。

Oracle Application Server SOAフレームワーク、ツールセット、インフラストラクチャについて

Oracle Application Server 10gは、WS-I Basic Profile 1.0などの最新のWebサービス

標準に対するサポートを通じて SOAをサポートし、サービスベースのアプリケー

ションの配置と管理のためのセキュアでスケーラブルなプラットフォームを提供

します。オラクル社の新しい開発ツールである Oracle JDeveloper 10gは、Oracle

Application Server 10gと連携し、新しい標準ベースのアプリケーション開発フレー

ムワーク、すなわち Oracle Application Development Framework(Oracle ADF)を提

供します。これは、再利用可能なサービスとして開発者がアプリケーションを作

成できるように支援します。J2EEプラットフォームがより複雑なことに対するオ

ラクル社のソリューションは、Oracle Application Development Framework(Oracle

ADF)です。多くの開発者が Oracle Forms、PowerBuilderおよび Visual Basicなど

のフレームワークを導入することにより、Windowsアプリケーション開発を容易

Page 9: Oracle Application Server 10otndnld.oracle.co.jp/products/ias/pdf/10g_904_NF_WP.pdfOracle Application Server 10g − 2新機能概要 Oracle Corporation発行「Oracle Application

Oracle Application Server 10g − 新機能概要

9

Oracle Corporation発行「Oracle Application Server 10g − New Features Overview」の翻訳版です。

にしたように、Oracle ADFでは、さらに幅広いアプリケーション開発コミュニティ

にとって J2EE開発を容易なものにします。

Model-View-Controller(MVC)アーキテクチャ(図 3)に基づいて、Oracle ADF

では、基礎となるテクノロジではなく、ビジネス・ロジック開発の領域にアプリ

ケーション開発者が集中できるようにします。視覚的で明確な説明ガイド付き

コーディング・テクニックにより、このフレームワークでは、アプリケーション

開発者が必ずしも J2EEエキスパートでなくとも、すぐに高い生産性を得ることが

できます。

このフレームワークは、業界標準の J2EEデザイン・パターンに基づいています。

開発者は生産性の高いビジュアル・ツールを使用してアプリケーションのメタ

データを操作し、フレームワークはこれらの実証済パターンを使用して最も効率

的な方法でアプリケーションを実行します。

Oracle ADFは、従来の開発フレームワークと異なり、アプリケーション開発を簡

単で生産性の高いものにするだけでなく、柔軟性とスケーラビリティに優れ、業

界標準に基づいたものにします。

Oracle ADFは、モデル、ビューおよびコントローラのための交換可能なテクノロ

ジを提供し(図 3)、開発者がアーキテクチャの様々な層で実装の選択を行える

ようにします。生産性と柔軟性の組合せの実現により、開発者は、使用したいテ

クノロジの選択を行うことも、使用可能な選択肢を気にせずに簡単にテクノロジ

のデフォルトの設定から開始することもできます。プロジェクトに対してテクノ

ロジが選択されると、以降のユーザーとの対話では、関連する選択肢のみを表示

するように環境が自己調整されます。開発者は、カスタム・コードによりアプリ

ケーションを拡張し、XMLメタデータおよび Javaコードを使用してフレームワー

クの動作をカスタマイズまたは追加することができます。さらに、フレームワー

クは、業界標準に完全に基づいています。ADFアプリケーションは、あらゆる J2EE

サーバーに配置できるうえ、あらゆるSQLデータベースに接続でき、フレームワー

ク自体は、標準 J2EE API、デザイン・パターン、コードおよびメタデータを使用

します。

この柔軟性は、従来の開発フレームワークからの大きな改善点です。従来のフレー

ムワークにおける開発者は、そのフレームワークの枠に縛られた専用のアプリ

ケーション・モデルを使用することを強いられていました。

Page 10: Oracle Application Server 10otndnld.oracle.co.jp/products/ias/pdf/10g_904_NF_WP.pdfOracle Application Server 10g − 2新機能概要 Oracle Corporation発行「Oracle Application

Oracle Application Server 10g − 新機能概要

10

Oracle Corporation発行「Oracle Application Server 10g − New Features Overview」の翻訳版です。

図 3: プラグインを持つ Oracle ADF

Page 11: Oracle Application Server 10otndnld.oracle.co.jp/products/ias/pdf/10g_904_NF_WP.pdfOracle Application Server 10g − 2新機能概要 Oracle Corporation発行「Oracle Application

Oracle Application Server 10g − 新機能概要

11

Oracle Corporation発行「Oracle Application Server 10g − New Features Overview」の翻訳版です。

Oracle Application Server 10gの SOAフレームワークとツールセットは、次のアプ

リケーション開発課題に対処します。

• Oracle ADFを使用した、SOAを活用する新しいアプリケーションを作成

および配置

Oracle JDeveloper 10gを使用して、SOAフレームワークに密着した新

しいアプリケーションを開発できます。

• アプリケーション・コードを変更せずに既存のアプリケーションを配置

Oracle 10g Infrastructureでの実行に既存の Oracle9iAS Applicationsの変

更は必要ありません。

Webユーティリティ(WebUtil)を使用して Formsクライアント・サー

バー・アプリケーションをWebアプリケーションにアップグレード

し、共通のユーザー・プロビジョニングと管理サービスを活用できま

す。また、これらのアプリケーションは J2EEとWebサービスをコー

ルできます。

• 従来のアプリケーションからの SOAとグリッドの活用

PL/SQLストアド・プロシージャ、EJB、Javaクラスのような各種テク

ノロジ・スタックを使用する既存のアプリケーションをサービスとし

て公開し、利用できます。

• アプリケーションのカスタマイズとパーソナライズの容易化

Oracle Application Server Portal、Oracle Application Server Wirelessおよ

び Oracle Application Server Personalizationの各ソリューションを使用

できます。

• 標準ベースにしたオープンで拡張可能にするアプリケーション

Oracle JDeveloper 10gは、J2EEの柔軟性を取り入れ、RADの生産性を

提供します。JDeveloperは、オープンな標準に完全に基づいた一貫性

のあるエンドツーエンド・ソリューションの組立てにかかわる複雑性

を排除します。

これらのWebサービス・ベースのアプリケーション配置を、信頼性の高い優れた

パフォーマンスでサポートするには、堅牢な基礎インフラストラクチャを持つ必

要があります。Webサービス・インフラストラクチャは、Oracle Application Server

Containers for J2EE(OC4J)および Oracle HTTP Server(OHS)により提供されま

す。次の図 4に、Webサービスとグリッドにより必要となる、SOA Infrastructure

によりサポートされる標準を示します。

Page 12: Oracle Application Server 10otndnld.oracle.co.jp/products/ias/pdf/10g_904_NF_WP.pdfOracle Application Server 10g − 2新機能概要 Oracle Corporation発行「Oracle Application

Oracle Application Server 10g − 新機能概要

12

Oracle Corporation発行「Oracle Application Server 10g − New Features Overview」の翻訳版です。

図 4: SOA Infrastructure標準のサポート

アプリケーション開発 − SOAフレームワーク、ツールセット、インフラストラクチャ関連の新機能

この項では、SOA要件を満たすために Oracle Application Server 10g(9.0.4)と Oracle

Application Server 10g Release 2で使用できる新しい拡張機能をいくつか紹介しま

す。ここでは、次のコンポーネントの新しい拡張機能を説明します。

新機能の詳細なセットについては、各コンポーネント固有の付帯情報を参照して

ください。

要件 Oracle Application Server 10g − コンポーネント

Oracle ADFおよび ツールセット

Oracle JDeveloper 10g

OracleAS TopLink

Oracle Business Components for Java(BC4J)

SOA Infrastructure Oracle Application Server Containers for J2EE(OC4J)

Oracle Application Server Web Services

Oracle HTTP Server

その他のアプリケーション 開発機能

OracleAS Forms Services

Oracle Content Management SDK

OracleAS MapViewer

表 1: Oracle Application Server 10gの SOA関連の新機能

Oracle JDeveloper 10g

2001年秋、オラクル社は Oracle9i JDeveloperを発表しました。これは、従来の製

品を完全に書き直した 100%Pureな Javaバージョンです。その後、JDeveloperは、

完全で統合された作業環境を Java開発者に提供する Java開発ツールとしての地位

を確立してきました。2002年と 2003年のいくつかの製品リリースにより、全体

的開発環境がさらに改善され、Webサービスや Strutsサポートのような多数の機

能が追加されました。

JDeveloperは、単一開発環境において、J2EEアプリケーションとWebサービスの

設計、開発、テスト、デバッグ、チューニング、配置、バージョニングに必要な

すべてのツールを提供します。さらに、JDeveloperは、完全な SQLおよび PL/SQL

開発環境であり、開発者はそのアプリケーションのすべての層で作業を行えます。

Page 13: Oracle Application Server 10otndnld.oracle.co.jp/products/ias/pdf/10g_904_NF_WP.pdfOracle Application Server 10g − 2新機能概要 Oracle Corporation発行「Oracle Application

Oracle Application Server 10g − 新機能概要

13

Oracle Corporation発行「Oracle Application Server 10g − New Features Overview」の翻訳版です。

J2EE自体は、ビジネス・アプリケーション開発と配置のための堅牢でスケーラブ

ルなプラットフォームとして実証済です。標準および移植性のメリットは明らか

ですが、Javaプログラミングが複雑であることや、短期間でアプリケーションを

開発できるツールがなかったことから、多くの IT関連企業は Javaを積極的には

適用してきませんでした。

Oracle9i JDeveloperのような最近の Java IDEは、開発者向けに、多くの生産性向上

のための機能を提供していますが、主要なターゲットは、コードを扱う開発者で

す。たとえば、スマートなエディタは自動的にコードを完成させることができま

すが、それでも開発者はコードを作成し、理解する能力が必要です。

Oracle JDeveloper 10gは、Java開発に対して視覚的で説明が明確なアプローチを提

供します。この新しいアプローチは、これまでの 4GLツールが備えていた簡便性

と生産性を、オープンな標準 Java IDEに提供し、従来の Java開発者の開発作業環

境を改善すると同時に、新しい開発者が簡単に Java環境に移行できるようにしま

す。Oracle JDeveloper 10gは、Oracle Application Server 10g Release 2で利用可能に

なります。

Oracle JDeveloper 10gは、次の Oracle ADF機能を提供します。

アプリケーション・ナビゲータは、開発者がすべてのアプリケーション・ソース

を単純化した構成で見ることのできる新しいアプリケーション・ナビゲータです。

実装ファイルやデプロイメント・ディスクリプタは表示せずに、関連するコンポー

ネントのみを表示します。したがって、大規模なアプリケーション・プロジェク

トの煩雑さが軽減され、操作性が向上します。

テクノロジ・スコープは、プロジェクトのテクノロジ選択が行われた場合、プロ

ジェクトに該当する選択肢のみがダイアログ・ボックスに表示されるように環境

を調整することで、開発者が直面する複雑性を大幅に軽減します。

アプリケーション・テンプレートは、新しいアプリケーションの作成を簡素化し、

関連付けられたテクノロジ・スコープによりアプリケーションを層別のプロジェ

クトに分割する手段を提供します。各プロジェクトを手動で構築するかわりに、

開発者は、サブプロジェクトおよびテクノロジ・スコープとともに、完全な基盤

を短時間で生成できます。

ドラッグ・アンド・ドロップ・データバインディング機能は、標準的な式言語

(Expression Language、EL)構文の使用により、ADF Business Components、OracleAS

TopLink、Enterprise JavaBeans、Webサービス、シンプル Javaオブジェクトなど多

様なサーバーサイド・テクノロジに対して一貫性のあるドラッグ・アンド・ドロッ

プ・データバインディング環境を提供します。

新しいビジュアル・エディタ(HTML、JSPおよび UIX用)により、開発者はWeb

ページをインタラクティブに設計できます。WYSIWYGビジュアル・エディタは、

プロパティ・インスペクタ、コード・エディタおよび構造ウィンドウと緊密に統

合および同期化され、全体的に優れたビジュアル編集環境を提供します。

ビジュアル・ページフロー・モデラー(Jakarta Struts用)により、開発者は、新し

いページとアクションを構築し、それらを視覚的につなげてWebユーザー・イン

タフェースのフローを設計できます。

Page 14: Oracle Application Server 10otndnld.oracle.co.jp/products/ias/pdf/10g_904_NF_WP.pdfOracle Application Server 10g − 2新機能概要 Oracle Corporation発行「Oracle Application

Oracle Application Server 10g − 新機能概要

14

Oracle Corporation発行「Oracle Application Server 10g − New Features Overview」の翻訳版です。

強化された IDEインタフェース: 画面領域を最適に使用できることが、開発者の

生産性確保には不可欠です。新しいウィンドウ管理機能は、エディタの使用方法

の最適化、エディタ分割機能の提供、複数エディタ・ウィンドウの管理、ウィン

ドウ・ドッキングの改善を実現します。開発者は、コードの様々なビューを簡単

に切り替えることができ(たとえば、コード・エディタとビジュアル・エディタ

の間での切替えなど)、また、画面を分割して、アプリケーションの複数のビュー

を同時に表示することができます。

強化されたコード・エディタ: JDeveloperでは、ハードコア Javaプログラマのため

に、コーディングの生産性向上に努めています。このリリースには、一般的コー

ディング構造(if、for、try、catchなど)でコードを囲む機能、Javadocポップアッ

プを持つ Javadocへの迅速なアクセス、構文エラーおよびセマンティック・エラー

のハイライト表示、インポート文追加の支援などの機能があります。

XML Schemaエディタは、Oracle JDeveloper 10gの新しいエディタで、XML Schema

の構造、コンテンツおよびセマンティックを表示します。このスキーマ・エディ

タは、構造ウィンドウ、コンポーネント・パレットおよびプロパティ・インスペ

クタと完全に統合され、シンプルなドラッグ・アンド・ドロップ操作による XML

Schemaの作成と編集をサポートします。同時に、このビジュアル・エディタは、

XML Schema Definition(XSD)コードと完全に同期化されています。この環境で

は、コードとビジュアル・エディタを同時に表示できます。

UMLモデリング: 分析および要件をモデル化する UMLクラス、UMLユースケー

ス、UMLアクティビティと、実装と 2方向で同期化されるプラットフォーム依存

型 UMLプロファイル・モデラー(Java、Enterprise JavaBeans、ADF Business

Components、Webサービス、データベースおよびページフロー)が提供されます。

モデル変換は、UMLクラスモデルと Java、または UMLクラスモデルと Business

Componentsモデルの間でサポートされます。

J2EEとWebサービス: Oracle JDeveloper 10gは、J2EEとWebサービスにおいて

最新の標準をサポートし、JavaServer Pages、サーブレット、Enterprise JavaBeans

およびWebサービスを開発するための使いやすいビジュアル・ツールを提供しま

す。JDeveloperは、Data Transfer Objectおよび Session Facadeのような J2EEデザ

イン・パターンの生成もサポートします。JDeveloperのWebサービスに対するサ

ポートは、WS-I Basic Profile準拠のテスト、Webサービスの UMLモデリングお

よび視覚化、JavaクラスからのワンクリックWebサービス作成、および複雑な

PL/SQL Webサービスの作成を処理できるように改善されました。

統合された OracleAS TopLinkマッピング・エディタ: JDeveloperには、OracleAS

TopLinkの一貫したマッピングのための統合された新規サポートがあります。

TopLink開発者は、Javaオブジェクトと Enterprise JavaBeansのリレーショナル・

データベースに対するマッピングを、JDeveloper IDEの内部から直接、完全にカ

スタマイズできます。

Oracle Application Server TopLink

業界をリードする永続性管理コンテナである OracleAS TopLinkは、Oracle9iAS

Release 2の初期リリース直後にオラクル社が獲得した後、Oracle Application Server

スタックに完全に組み込まれています。スタックには、開発者の生産性およびユー

Page 15: Oracle Application Server 10otndnld.oracle.co.jp/products/ias/pdf/10g_904_NF_WP.pdfOracle Application Server 10g − 2新機能概要 Oracle Corporation発行「Oracle Application

Oracle Application Server 10g − 新機能概要

15

Oracle Corporation発行「Oracle Application Server 10g − New Features Overview」の翻訳版です。

ザビリティを向上させるいくつかの主要な拡張機能に加えて、インストール、グ

ローバリゼーション・サポートおよびセキュリティ・モデルも含まれています。

Mapping Workbenchの生産性向上: Mapping Workbench(MW)は、開発者の特定

のタスクを簡素化するいくつかの新機能、および開発をより効率的にする機能で

強化されています。

• Mapping Workbench(MW)で生成されるファイル数が最低限に縮小され

ているため、Source Code Management(SCM)システムとの統合が簡単に

なります。

• 読取り専用ファイルに対する相互作用が改善され、読取り専用ファイルを

更新する必要がある場合、ユーザーにプロンプトが表示されるため、手作

業による開発労力が軽減されます。

• MWは、セッション構成ファイルを完全に作成および構成する高性能の

GUIツールを備えています。開発者は、これらのファイルを使用してラン

タイム・サーバーが 1つ以上のセッションを持つように構成できます。そ

れぞれのセッションは個別に JDBC、JTA、マッピング・データなどと共

に機能させることができます。以前は、顧客が DTDに基づいて、これら

のファイルを手動で作成または編集する必要がありました。表からビジネ

ス・モデルを生成するMW開発者のために、ソース生成が強化されてい

ます。これにより、さらに効果的なコードが生成され、初期開発、概念実

証およびデモの作成がより効率的になります。

その他のアーキテクチャとメッセージ・フォーマット: Oracle9iAS Release 2の初期

リリースの TopLinkによって、シリアル化されたカスタム・オブジェクトを使用

するセッション間にコマンド・メッセージング層が提供されました。Oracle

Application Server 10g(9.0.4)では、メッセージング・インフラストラクチャが拡

張され、さらに多くのアーチテクチャとメッセージ・フォーマットをサポートし

ます。TopLinkのセッション・コマンド・メッセージングは、内部および外部の

プロキシ・モジュールで強化されています。これにより、TopLink以外のピアに

対するメッセージングのサポートに必要なインフラストラクチャも提供されます。

プロキシ・モジュールと連携して、TopLink以外のピアや Java以外のメッセージ

ング・ピアのために、セッション・コマンドを XMLに変換できる特別な実装が

提供されています。

Oracle Business Components for Java(BC4J)

Oracle Application Server 10g(9.0.4)では、配置の容易性、スケーラビリティおよ

び実行時の面で Oracle Business Components for Java(BC4J)が改善されています。

特に、このリリースの BC4Jでは、EJB 2.0 Local Entity Beansにマッピングされる

ビジネス・コンポーネントの作成がサポートされます。これにより、Entity Bean

プログラマは、BC4Jの検証およびクライアント・バインディング機能を活用でき

ます。また、ステートレス Service Beanに対する宣言型サポートも提供されます。

OC4J埋込みコンテナでの BC4J EJB Session Beansの実行およびデバッグもサポー

トします。さらに、BC4J JSPアプリケーション用の Jakarta Strutsもサポートしま

す。BC4Jは、現在の日付または認証済ユーザー名で、新規監査履歴属性型を自動

的に更新します。

Page 16: Oracle Application Server 10otndnld.oracle.co.jp/products/ias/pdf/10g_904_NF_WP.pdfOracle Application Server 10g − 2新機能概要 Oracle Corporation発行「Oracle Application

Oracle Application Server 10g − 新機能概要

16

Oracle Corporation発行「Oracle Application Server 10g − New Features Overview」の翻訳版です。

Oracle Application Server Containers for J2EE

JSP標準タグ・ライブラリ(JSTL): JSR-152に準拠する JSTLのサポートは、そ

のまま使用できるパッケージであり、Web開発者がカスタム・アクションを作成

できるように JSPを提供し、コンテナに式言語(Expression Language)サポートを追

加します。

OracleASマルチメディア JSPタグ・ライブラリ: マルチメディア JSPタグ・ライ

ブラリにより、Oracle10gメデイア・オブジェクト・タイプを使用して格納された

マルチメディア・データのアップロードおよび検索をサポートする JSP Webアプ

リケーションの作成が簡素化されます。アプリケーション開発者は、マルチメディ

ア HTMLタグを構成するためのコードや、マルチメディア・データを配信するラ

ンタイム・コンポーネントを書く必要がなくなるため、マルチメディア JSP Web

アプリケーションの作成プロセスはこれらのタグにより、大幅に簡素化されます。

タグは、HTMLファイル・アップロード・フォームのデータへのアクセスも簡素

化します。

軽量 JMS: JMSサポートの強化により、以前のリリースで提供されていた Oracle

JMSに加えて、軽量の JMSプロバイダが追加されました。新しい軽量の JMSは、

JMS 1.0に完全に準拠しています。ファイル・ベースの永続性メカニズムを使用し

た恒久メッセージのサポートが強化され、安定性とパフォーマンスが改善されま

す。Message-Driven Beanに対するサポートは、Oracle JMS(AQ)および軽量の

OC4J JMSに拡張されました。

JCAアダプタ: オラクル社は Attunity社と提携し、グリッドにおけるオラクル以

外のシステムとの相互運用性のために、次のアダプタを含めます。このリリース

では、VSAM、CICS、IMS/TX、IMS/DB、Tuxedoの各システムのアダプタが含め

られます。

J2EE 1.4サポート: Oracle Application Server 10g Release 2では、OC4Jと JDeveloper

は、J2EE 1.4仕様に完全に準拠します。

Oracle Application Server Web Services

Oracle Application Server 10g(9.0.4)は、製品の技術革新を続けた結果として、Web

サービス対応アプリケーションを提供するための総合的プラットフォームとなっ

ています。このリリースで導入された重要な新機能の一部を次に示します。

• Webサービスのタイプの追加:

ドキュメントWebサービスとしてのステートレス Javaクラス

スタイルWebサービスとしてのステートフル Javaクラス

ドキュメントWebサービスとしての JMSエンド・ポイント

• SOAPヘッダーへのアクセスおよび作成のための SOAPヘッダーとヘッ

ダーAPI

• 不正な SOAPリクエストに対する SOAP Faultサポート

• クライアント・アプリケーションを作成せずに、シンプルなWebサービ

スをテストできるWSDLアナライザ・ツール

• PL/SQL、CLOB、BLOBおよび XML型のサポート

Page 17: Oracle Application Server 10otndnld.oracle.co.jp/products/ias/pdf/10g_904_NF_WP.pdfOracle Application Server 10g − 2新機能概要 Oracle Corporation発行「Oracle Application

Oracle Application Server 10g − 新機能概要

17

Oracle Corporation発行「Oracle Application Server 10g − New Features Overview」の翻訳版です。

• UDDI v2仕様のサポート: ビジネス関連 tModelを介するパブリッシャの

アサーション、ワイルドカードのサポートを含む照会や公開の拡張、ビジ

ネス名や識別子のコレクション、ユーザー認証または認可、外部サービス

によるエンティティの検証(Dunや Bradstreetなどの検証サービスとの統

合)、UDDI v2.0レプリケーション APIに対するサポート、および IBM DB2

やMicrosoft SQL Serverなど Oracle以外のデータベースにインストール可

能な UDDIスキーマに対するサポート。

• Webサービスとしてのレポート、検出サービス、ポータル

• JMSおよびMDBサポートの強化

• .NETとの相互運用性のための型未定義 SOAPおよび型定義済 SOAPのサ

ポート

Oracle HTTP Server

Apacheの最新の最適化およびセキュリティ機能を組み込むため、Oracle HTTP

Server(OHS)では、Apache(v1.3.28)が使用されます。

ログ・ファイル・ローテーション: Oracle Application Server 10g(9.0.4)では、ロ

グ・ファイル・ローテーション機能が導入され、大きなログ・ファイルをアーカ

イブ目的で長期にわたってローテーションできます。新しいローテーション機能

では、パス、ロギング・レベル、最大ファイル・サイズおよびローテーション時

間が指定できます。

Oracle Application Server Forms Services

Oracle Application Server Forms Services 10g(9.0.4)では、Enterprise Managerによ

る起動時のパフォーマンスを向上させ、管理および監視の強化に、URLからのア

クセスを制御する新機能が開発者に提供されます。

URLパラメータによるアクセス制御: この新機能により、開発者や管理者は URL

でどのパラメータを許可するかを定義できます。セキュリティ確保のため、許可

したくないパラメータを設定して、エンド・ユーザーがフォームにランダムにア

クセスできないようにしたい場合に、この機能は特に効果的です。たとえば、開

発者は URLでの USERIDパラメータの使用を制限することにより、常にデフォル

トのログイン・ウィンドウを使用してログインすることをエンド・ユーザーに強

制できます。

起動パフォーマンスの向上: 新しいランタイム事前開始機能は、様々なアプリ

ケーションのランタイムを事前開始することにより、Forms起動時のパフォーマ

ンスを改善します。

Content Management SDK

Oracle Management Software Development Kit(CM SDK)は、Javaで作成された堅

牢なドキュメント・ライフサイクル・システムで、他の Oracleコンテンツ管理 API

製品と統合されています。このキットは、Oracle Application Server 10g(9.0.4)に

含まれています。CM SDK(旧 Oracle Internet File System)では、次の新機能が導

入されています。

Page 18: Oracle Application Server 10otndnld.oracle.co.jp/products/ias/pdf/10g_904_NF_WP.pdfOracle Application Server 10g − 2新機能概要 Oracle Corporation発行「Oracle Application

Oracle Application Server 10g − 新機能概要

18

Oracle Corporation発行「Oracle Application Server 10g − New Features Overview」の翻訳版です。

• 迅速な開発を支援するスタータ・サンプルWebアプリケーション: ユー

ザーがファイルとディレクトリの作成、表示、編集、削除、名前変更、移

動を行えるサンプル CM SDK Webアプリケーションの作成、パッケージ

化、配置の方法が詳細に説明されています。

• FileSynch機能の拡張: ロギング機能の強化、トラブルシューティング・フ

レームワークの拡張、およびファイルまたはサブディレクトリを個別に

FileSynchから除外する機能があります。

• 管理およびレポート作成の拡張: 管理インタフェースの強化、BFILE管理

のサポート、履歴レポート作成のサポート、および Enterprise Managerと

のより効果的な統合があります。

Oracle Application Server Mapviewer

OracleAS MapViewerは、データの視覚化およびレポート作成に強力なサービスを

提供します。これは、理解しやすいテーマ別マップとして、または各ポイント(サー

ビス・サイトの位置など)を区別するユニークなマップ記号を使用した位置デー

タとして、ビジネス・データ(デモなど)をレンダリングします。このリリース

では、MapViewerの Java機能が拡張されました。アプリケーション開発者を支援

する新しい Javaクライアント APIおよび新しい JSPタグ・ライブラリが入ってい

ます。その他の新機能には、問合せに関連する非空間データをマップする機能(市、

道路、地所などのマップ機能を選択し、識別するために Javaクライアント・サイ

ド・メソッドを使用)、マップ上に機能を記述するカスタマイズ可能なマップ凡

例、地理的に参照されるイメージの基本サポート(航空写真、衛星写真など)が

あります。

SOAフレームワークを使用したWebサービス・アプリケーションの構築後は、同

じプラットフォームの最適化されたイベント駆動型ビジネス・プロセスを使用し

て、これらのサービスをどのように統合するかが次の課題です。強化された統合

機能とオープン・アーキテクチャを備えた Oracle Application Server Integrationは、

データ統合に対処する単一プラットフォーム、Enterprise Application Integration

(EAI)、Webサービスと複合アプリケーション、Business-to-Business(B2B)統合、

Business Process Managementおよび Business Activity Monitoringを提供することに

より、統合コストを引き下げます。結果として、組織は、情報の単一ハブとして

機能する全社的データ・モデルを作成し、将来の統合プロジェクトのコストを削

減できます。これらの統合機能は Oracle Application Server 10gに組み込まれてい

るため、顧客とシステム・インテグレータは、クラスタリング、高可用性、エン

タープライズ・グリッド・コンピューティングなどの製品機能を新しい統合配置

に活用できます。次の項では、Oracle Application Server 10gの統合機能について説

明します。

イベント駆動型ビジネス・プロセスの最適化

スタンドアロン型のアプリケーションやWebサービスは、複合アプリケーション

に統合する必要があります。スタンドアロン型Webサービスを複合サービスに結

合または凝集することには、次の 2つの重要な理由があります。(i)コーポレー

ト・ビジネス・プロセスの統合 − 第 1に、複数のシステムにまたがるビジネス・

プロセスをより効率的に実行し、組織内の各種システムを標準化された方法で

Page 19: Oracle Application Server 10otndnld.oracle.co.jp/products/ias/pdf/10g_904_NF_WP.pdfOracle Application Server 10g − 2新機能概要 Oracle Corporation発行「Oracle Application

Oracle Application Server 10g − 新機能概要

19

Oracle Corporation発行「Oracle Application Server 10g − New Features Overview」の翻訳版です。

ラップできるよう、組織はWebサービスをインタフェース・テクノロジとして考

え始めています。(ii)サービスの複合化 − 第 2に、様々なレベルの抽象化と他

のサービスへのアクセスの提供に、組織はWebサービスを複合サービスに構成す

ることも始めています。たとえば、組織内のWebサービスが特定のWebサービ

スのすべてのインタフェースにアクセスする一方で、サービスのセットを単一の

大きな単位のサービスに構成し、それをビジネス・パートナに公開する単一のサー

ビスとすることができます。

Webサービスは、しばしば全社的システム統合の解決策として取り上げられます

が、Webサービスの複合化とは、組織がアプリケーションやビジネス・プロセス

を柔軟な最適化された構造に統合することについて検討する際の別のステップを

表しているとオラクル社では考えます。

Oracle Application Server 統合ソリューションは、次のビジネス問題に対処します。

• 統合コストを削減する単一かつ標準ベースのプラットフォームの提供

• データ一貫性を保証するシームレスな統合の提供

• E2Bおよび B2Bの両方の効率を向上させる、ビジネス・プロセスの効率

的な調整の提供

• 業界標準プロトコル・ベースの取引先コラボレーション機能の提供

Oracle Application Server 統合ソリューション(図 5)は、SOA Infrastructureに基づ

いているため、表に対して実現されるすべての利点を SOAにより継承します。

Oracle Application Server InterConnectコンポーネントと ProcessConnectコンポーネ

ントは、次の機能を提供します。(i)イベントとプロセス・フローをモデル化す

る操作容易な設計ツール、次の(ii)~(viii)の能力を提供するシンプルな統合

マネージャ、(ii)イベントの管理、(iii)イベントのルーティングと配布を処理

する機能、(iv)変換機能、(v)システム間の通信を容易にするためのデータの

変換と妥当性チェック、(vi)自動化されたビジネス・プロセスを管理する機能、

(vii)他人とのやり取りが必要なビジネス・プロセスで、必要に応じて通知を送信

する機能、(viii)ビジネス・ルールおよび管理対象の取引先と取引先契約の定義。

次の項では、このリリースで導入された ProcessConnectコンポーネントについて

説明します。

Page 20: Oracle Application Server 10otndnld.oracle.co.jp/products/ias/pdf/10g_904_NF_WP.pdfOracle Application Server 10g − 2新機能概要 Oracle Corporation発行「Oracle Application

Oracle Application Server 10g − 新機能概要

20

Oracle Corporation発行「Oracle Application Server 10g − New Features Overview」の翻訳版です。

図 5: Oracle Application Server 統合ソリューション

Oracle Application Server ProcessConnect

Oracle Application Server ProcessConnectは、Oracle Application Server 10gのインフ

ラストラクチャを完全に活用し、大規模な企業環境のパフォーマンス、管理性、

スケーラビリティの要件を満たすように製品能力を向上させます。Oracle

Application Server ProcessConnectは、ハブ・アンド・スポーク・トポロジおよびプ

ロセス駆動型トポロジをサポートします。

ハブ・アンド・スポーク・トポロジ − Oracle Application Server ProcessConnectは、

ハブ・アンド・スポーク・トポロジをサポートします(図 6)。1つのハブで、ア

プリケーション、B2Bプロトコル、Webサービスなどの複数のスポークをサポー

トできます。スポーク(アダプタ)は、必要な場合、アプリケーション・サーバー

以外のハードウェアで実行できます。

図 6: OracleAS ProcessConnectによるハブ・アンド・スポーク・トポロジ・サポート

Page 21: Oracle Application Server 10otndnld.oracle.co.jp/products/ias/pdf/10g_904_NF_WP.pdfOracle Application Server 10g − 2新機能概要 Oracle Corporation発行「Oracle Application

Oracle Application Server 10g − 新機能概要

21

Oracle Corporation発行「Oracle Application Server 10g − New Features Overview」の翻訳版です。

プロセス駆動型トポロジ − ランタイム・システムは、統合システムの一貫性と整

合性をモデル・ベースのプロセス・トポロジにより達成できるよう保証するため

に、高度な新機能を提供します(図 7)。Coordinatorが中心になって、すべての

統合アクティビティを調整し、ビジネス・プロセスとシステム間でやり取りされ

るデータの一貫性を保証します。Coordinatorは、トランザクション型であり、デー

タおよびプロセスの整合性を保証します。

図 7: OracleAS ProcessConnectによるプロセス駆動型トポロジのサポート

Oracle Application Server ProcessConnectのその他の主要機能(図 6)について、次

に説明します。

図 8: Oracle Application Server ProcessConnectの機能

接続サービスおよびメッセージング・サービス

Webサービス統合 − Oracle Application Server ProcessConnectにはWebサービス統

合のサポートも追加されています。ビジネス・プロセスは内部ネットワークまた

はインターネット上にあるWebサービスを統合できます。逆に、Oracle Application

Server ProcessConnectで定義されたビジネス・プロセスを、Webサービス標準経由

で顧客やその他の取引先に公開することもできます。SOAP 2.2パッケージングを

サポートすることにより、Webサービスとの通信が可能になります。設計ツール

Page 22: Oracle Application Server 10otndnld.oracle.co.jp/products/ias/pdf/10g_904_NF_WP.pdfOracle Application Server 10g − 2新機能概要 Oracle Corporation発行「Oracle Application

Oracle Application Server 10g − 新機能概要

22

Oracle Corporation発行「Oracle Application Server 10g − New Features Overview」の翻訳版です。

は、WSDLのインポートおよびエクスポートをサポートし、UDDIリポジトリか

らの読取りや、UDDIリポジトリへの公開ができます。

J2EE Connector Architecture ベースのアダプタ: Oracle Application Server ProcessConnectには、J2EE Connector

Architecture(JCA)1.0標準のサポートも追加されています。Oracle Application Server

ProcessConnectは、JCA 1.0仕様に準拠していますが、現在の制限を克服するため、

双方向通信、非同期通知および改善されたメタデータ・インタフェースをサポー

トする拡張機能も提供されています。これらの拡張は、JCAフレームワークとの

一貫性を保つ形で実装されています。オラクル社では、これらの拡張が将来の標

準の一部として採用されるように、引き続き JCA標準プロセスで開発を進めてい

ます。アダプタには 6つのカテゴリがあります。Oracle Application Server 10gで使

用できるアダプタの一部を次に示します。

• 転送アダプタ: SOAP、HTTP、HTTP(s)、SMTP、FTP、フラット・ファイ

• メッセージング・アダプタ: Oracle AQ、MQ Series 、TIBCO、JMS

• データベース・アダプタ: Oracle8i、9i、SQL Server、IBM DB2

• レガシー・アダプタ: CICS、VSAM、ISM/DB、IMS/TM

• パッケージ・アプリケーション・アダプタ: Oracle 10.7、11.5.x、SAP、

PeopleSoft、Siebel、JD Edwards

• B2Bアダプタ: RosettaNet、EDI

B2Bプロトコル標準: Oracle Application Server ProcessConnectには、XMLや

RosettaNetなどの B2Bプロトコル標準に対するサポートが追加されています。

Oracle Application Server ProcessConnectには、次の機能をサポートする拡張可能な

階層型の B2Bプロトコル・エンジンがあります。

• 転送: HTTP/S、SMTP、FTP/S、JMS

• パッケージングおよびサイニング: SMIME 2.0/3.0、SOAP 1.1

• ドキュメント交換: XML、RNIF 1.1/2.0

• コラボレーション: RosettaNet PIP、カスタム

データ管理

単一の統合化されたツール: OracleAS ProcessConnectは、設計、監視およびビジネ

ス・インテリジェンスなど、統合プロセスのビジネス面のすべてを 1つに統合し

たツールを提供します。

設計: 統合プロセスのエンドツーエンド・モデリング。主な機能には、データ型

デザイナ、グラフィカルなビジネス・プロセス・モデラー、マッピングおよび変

換デザイナ、検証規則エディタおよび取引先管理があります。

メタデータ: Oracle Application Server ProcessConnectでは、ビジネス・プロセス管

理用の設計時メタデータと、全レベルのイベント、プロセス・アクティビティお

よび履歴用のランタイム・メタデータを追加して、より総合的なメタデータ・モ

デルが用意されています。

Page 23: Oracle Application Server 10otndnld.oracle.co.jp/products/ias/pdf/10g_904_NF_WP.pdfOracle Application Server 10g − 2新機能概要 Oracle Corporation発行「Oracle Application

Oracle Application Server 10g − 新機能概要

23

Oracle Corporation発行「Oracle Application Server 10g − New Features Overview」の翻訳版です。

統合サービス: Oracle Application Server ProcessConnectは、次にあげる統合に特有

の要件に対応した、一連の強化されたサービスを提供しています。

• ディクショナリ管理 − Oracle Application Serverは、拡張ディクショナリ機

能を提供しており、XML DTDおよびスキーマ、基幹業務アプリケーショ

ン、データベースなどの外部ソースからインポートされるメッセージ・タ

イプやドキュメント・タイプを管理できます。

• 翻訳 − ドキュメントの外部フォーマットや構文を、共通の内部 XMLベー

スの構文に変換する正式な翻訳機能を提供しています。たとえば、外部

EDIフォーマットのドキュメントを論理的に同等な XML文書に翻訳し、

内部処理に使用できます。

• 変換 − 強化された新しい変換機能で、メッセージやドキュメントのセマ

ンティクスを変換することができます。ドキュメント・マップはビジュア

ル・マッピング・ツールにより定義されます。文字列、数値演算、型変換、

パターン抽出、表検索などの変換機能を提供するライブラリを使用して変

換規則を定義できます。外部 Java機能に対するコールを使用して、カス

タム変換機能を作成できます。

• 妥当性チェック − 新しい検証規則機能では、ユーザー指定の規則により

ドキュメントの妥当性を検証できます。検証規則は、ドキュメント・タイ

プ定義またはビジネス・イベント定義の一部として、範囲チェックやパ

ターン・マッチングなど、用意されている評価機能セットを使用して定義

されます。外部 Java機能によりカスタム検証機能を実装することもでき

ます。

ビジネス・プロセス管理:

Business Process Management(BPM): Oracle Application Server ProcessConnectは、

E-Business統合のビジネス・プロセス中心のソリューションであり、ビジネス・

プロセス管理のあらゆる要件に 1つの製品で対処します(図 9)。ユーザー指定

のビジネス・ルールによる自動イベント処理をサポートしています。これにより、

RosettaNet PIPのような B2Bコラボレーションのモデリングと管理ができます。

また、電子メールによる通知など、人的な対話もサポートします。Oracle Application

Server ProcessConnectでは、ビジネス・コンセプトとアプリケーションまたはプロ

トコル固有のロジックとを分離するプロセス・ロールにより、ビジネス条件をモ

デリングできます。Oracle Application Server ProcessConnectは、Oracleの定評ある

BPMエンジンである Oracle Workflowを使用してビジネス・プロセスを実行しま

す。次の項では、イベント駆動型ビジネス・プロセスの最適化をサポートする、

この BPMエンジンの新しい拡張機能について説明します。

図 9: ビジネス・プロセス管理

Page 24: Oracle Application Server 10otndnld.oracle.co.jp/products/ias/pdf/10g_904_NF_WP.pdfOracle Application Server 10g − 2新機能概要 Oracle Corporation発行「Oracle Application

Oracle Application Server 10g − 新機能概要

24

Oracle Corporation発行「Oracle Application Server 10g − New Features Overview」の翻訳版です。

Enterprise Managerへの統合: Oracle Application Server 10g(9.0.4)では、Workflow

Managerは Oracle Enterprise Manager(OEM)と統合されます。Workflow Manager

では、URLによりアクセスできるダッシュボード・スタイルのインタフェースが

提供されているため、システム管理者は単一のコンソールから Oracle Workflowを

管理できます。

システム管理者は、Workflow Managerを使用して、バックグラウンド・エンジン、

通知メーラー、エージェント・リスナー、キューの伝播、使用されていないワー

クフロー・データのパージなどのWorkflowシステム・サービスを制御できます。

また、ステータス別にすべてのワーク・アイテムの配布を表示し、追加情報にド

リルダウンすることにより、ワーク・アイテムの処理を監視できます。さらに、

ステータス別にイベント・メッセージの配布を表示することにより、ローカルな

ビジネス・イベント・システム・エージェントのイベント・メッセージ処理も監

視できます。ワーク・アイテムおよびイベント・メッセージを監視するこの機能

により、システム管理者は発生する可能性のあるボトルネックを簡単に特定でき

ます。

メール通知機能: メール通知機能は、個人およびグループに電子的に通知する機

能を提供します。通知は電子メールで配信できます。Oracle Application Server 10g

(9.0.4)では、メール通知機能は、ウィザード・ベースの新しい UIで再設計され、

構成、管理、パフォーマンスを向上するマルチスレッド型のサーブレット・アプ

リケーションとして稼働します。

メール機能のパラメータ: メール通知機能の設定には、アウトバウンド電子メー

ルのサーバー名、インバウンド電子メールを受信するフォルダ名、インバウンド

電子メール・サーバーのプロトコル、インバウンド電子メール・サーバー用のパ

スワードなど、一定のパラメータの構成が含まれます。構成パラメータは、以前

のようにファイル・システムの構成ファイルに保存されるのではなく、現在では

データベースに保存され、Oracle Enterprise Managerを使用して構成できます。パ

ラメータは、パラメータ値が変更されるとすぐにメール通知機能をリフレッシュ

することもできるため、手動でメール通知機能を再起動する必要はありません。

ワイヤレス通知: Oracle Application Server 10g(9.0.4)では、ユーザーは通知をP

DAや携帯電話などのデバイスに送信できます。Oracle Workflow Notification

Systemを Oracle Application Server Wirelessと統合することにより、ワイヤレス通

知が可能になります。

式ベースのサブスクリプション: Oracle Application Server 10g(9.0.4)の新機能と

して式ベースのサブスクリプションが追加され、発生しているイベントの内容に

応じて動的にサブスクリプションを実行する、より柔軟で強力な方法をユーザー

に提供します。式ベースのサブスクリプションは、そのサブスクリプションと関

連付けられたパラメータが、発生しているイベントのパラメータと一致する場合

のみ実行されます。たとえば、サービス要求のステータスを変更するイベントが

発生した場合、ステータスが CLOSEから RE-OPENに変更され、サービス要求の

重大性が 1の場合のみサブスクリプションが実行されるように設定できます。こ

の機能を提供することにより、Oracle Workflowでは、ユーザーが追加ロジックを

書くことなく、このような動的処理を追加できるようになりました。

Page 25: Oracle Application Server 10otndnld.oracle.co.jp/products/ias/pdf/10g_904_NF_WP.pdfOracle Application Server 10g − 2新機能概要 Oracle Corporation発行「Oracle Application

Oracle Application Server 10g − 新機能概要

25

Oracle Corporation発行「Oracle Application Server 10g − New Features Overview」の翻訳版です。

高度なビジネスのイベントベースのプロセスのためのWorkflowサポートの強化:

Oracle Workflowには、ビジネス・プロセスの開始前に、複数のイベントを受け取

る必要のあるビジネス・プロセスを定義する機能が用意されています。これは、

プロセスを進行させる前に企業内の異なるシステムからのメッセージが必要にな

る場合の一般的なビジネスのシナリオです。たとえば、サプライヤがアイテムを

出荷する前には、在庫調査部と信用調査部の両方からのメッセージが必要です。

もうひとつの一般的なビジネス要件は、異なるシステムから一連のイベントを受

信後、ワークフロー・プロセスを開始する機能です。Oracle Workflowは、この両

方のシナリオをサポートするようになりました。

取引先統合:

トランスポート層、パッケージングおよび署名層およびドキュメント交換層は、

オープンな Javaベースのプラグイン APIで拡張できます。この製品のビジュア

ル・モデリング・ツールにより、カスタム・コラボレーションを作成できます。

取引先管理 − Oracle Application Server ProcessConnectには、B2Bコラボレーショ

ンの取引先への対応を高速化し管理を効率的にする、総合的な取引先管理システ

ムがあります。取引先システムでは、次の情報を管理します。

• プロファイル − 取引先企業の連絡先と通信に関する詳細全般

• 契約 − 2つ以上の会社間のやり取りの内容を決定する具体的なコラボ

レーション、ロールおよび通信のオプション。

ビジネス・アクティビティ監視:

ビジネス・アクティビティ監視: ドキュメントの追跡、コラボレーション・ステー

タス、アラートなど統合プロセス全体のビジネス・レベル監視をオンラインで行

えます。Oracle Application Server ProcessConnectでは、事前に構築されたビジネ

ス・ユーザー向けのレポートのセットが提供されます。これらのレポートは取引

先に対して外部公開できます。

プロセス・インテリジェンス: ランタイム・リポジトリで管理されている完全な

履歴や監査証跡のレポート作成と分析をオンラインで行えます。統合アクティビ

ティを長期にわたって評価し、ビジネス・プロセス改善の機会を特定することが

できる事前定義されたレポートが用意されています。

ここまで、SOAフレームワークを使用してWebサービス・アプリケーションを構

築する方法と、Oracleの統合ソリューションを使用してWebサービスを統合する

方法について説明してきました。この後、エンド・ユーザーが任意のデバイスを

使用して、いつどこからでもビジネス情報を利用できるようにする方法について

説明します。

自由なアクセス

アプリケーションをグリッド上での実行に、これらのアプリケーションやサービ

スのためのプレゼンテーション層に大きな柔軟性が必要となります。オラクル社

は、アプリケーション、ビジネス・プロセスまたは他のサービスのためのプレゼ

ンテーション層には、3つの大きな違いがあると考えます。(i)プレゼンテーショ

ン層テクノロジ − アプリケーションのプレゼンテーション層は、Active Xコント

ロールではなく、主に XML類に基づくものとなります。(ii)WebTop − アプリ

Page 26: Oracle Application Server 10otndnld.oracle.co.jp/products/ias/pdf/10g_904_NF_WP.pdfOracle Application Server 10g − 2新機能概要 Oracle Corporation発行「Oracle Application

Oracle Application Server 10g − 新機能概要

26

Oracle Corporation発行「Oracle Application Server 10g − New Features Overview」の翻訳版です。

ケーションは、ユーザーが必要とするサービスを検索しやすくする不可欠な用語

と分類を提供する企業情報ポータルを通じて検出されます。サーバーベースのア

プリケーションをWindowsデスクトップやファイル・マネージャを通じて検出す

る必要がありません。(iii)デバイス・アクセス − アプリケーションは、デスク

トップ PCからのみではなく、多数のワイヤレス対応インターネット・デバイス

からアクセスされるようになります。

この 3つの傾向は、アプリケーションの設計と配置を行う方法に重大な影響を与

えます。

Oracle Application Server 10g(9.0.4)は、情報への複数チャネル・アクセスを 1箇

所から提供します(図 10)。Oracleのソリューションは、次の要件に対処します。

• 従業員、取引先および顧客向けの企業情報ポータルにより、統合された企

業情報をWeb上で提供するための開発

• アプリケーションおよびコンテンツのパーソナライズされた複合的

ビューの提供

• 任意のデバイスでいつどこからでも利用可能なコンテンツの配信、および

アプリケーションへのアクセスの提供

• ブラウザ、電話、PDAなど、複数のチャネルとモードからのアクセス

このソリューションは、Oracle Application Server Infrastructureに基づいており、一

元ユーザー・プロビジョニングとシステム管理機能も活用します。

図 10: 複数のチャネルからの自由なユーザー・アクセス

Page 27: Oracle Application Server 10otndnld.oracle.co.jp/products/ias/pdf/10g_904_NF_WP.pdfOracle Application Server 10g − 2新機能概要 Oracle Corporation発行「Oracle Application

Oracle Application Server 10g − 新機能概要

27

Oracle Corporation発行「Oracle Application Server 10g − New Features Overview」の翻訳版です。

この項では、次の Oracle Application Serverコンポーネントに導入された新しい

拡張機能について説明します。

要件 Oracle Application Server 10g − コンポーネント

どのデバイスでも配信可能な統合 されパーソナライズされたWeb上の情報

Oracle Application Server Portal

任意のデバイスから、いつどこからで

も情報にアクセス可能 Oracle Application Server Wirelss

表 2: 自由なアクセスを提供する Oracle Application Server 10gの新機能

Oracle Application Server Portal

Oracle Application Server Portalは、情報へのシングル・ポイント・アクセスを提供

するコラボレーション・ツールであり、各種アプリケーションと連携してそのア

プリケーションの機能をシングルポイントから提供します。また、ビジネス・プ

ロセスの監視と管理の支援にも使用できます。

Oracle Application Server Portalは、9.0.4で新機能を導入することにより、情報への

アクセス可能性をさらに強化しました。

開発者生産性および柔軟性: Oracle Application Server 10g(9.0.4)では、データを

OracleAS Portal、OmniポートレットおよびWeb Clippingに統合する新機能が導入

されています。Omniポートレットには、Webサービス、XMLデータ、スプレッ

トシート(CSV)など異なるデータ・ソースから、図、フォーム、表、記号付き

リストの様々な形式でデータをレンダリングするポートレットを構築する機能が

組み込まれています。Omniポートレットを使用することにより、技術者ではない

ページ開発者も、ウィザードの一連の手順に従いデータを活用できます。Webサー

ビスや XMLのすべての技術的詳細を理解する必要はありません。Web Clipping

は、ページ・デザイナが既存の公開されているセキュアなWebページ・コンテン

ツを取得して、ポートレットとして表示する簡単な方法を提供します。パラメー

タを使用したWeb Clippingのパーソナライズもできます。

さらに、Portal設計時において、ユーザビリティが大幅に改善されています。新規

ポートレットおよび修正されたポートレットとビルダー・ページは、ポータル全

体でオブジェクトへのアクセスを高速化するため、Portal管理をさらに効率化しま

す。WebDAV、検索、コンテンツ公開およびコンテンツ承認の各コンポーネント

でウィザードとポートレット・デフォルトを更新することにより、ページ・デザ

イナはより簡単にページを作成し、ポータルのコンテンツを管理できます。

シンジケート・サービス: Oracle Application Server 10g(9.0.4)では、ポータル・

コンテンツの管理者は、ページ開発者が使用できるように、DAV、ファイル・シ

ステムおよびポータルベースのコンテンツに対してサブスクリプションを設定で

きます。手順を案内するウィザード・ベースのアプローチを使用して、ポータル・

リポジトリに一定間隔でコンテンツをプッシュする、またはページ・ビューアに

より要求時に最新のコンテンツをプルするサブスクリプション、すなわちチャネ

ルを作成できます。コンテンツ管理者は、他のポータル・インスタンスが使用で

きるように、既存の Portalフォルダ・コンテンツをサブスクリプションとして簡

単に公開することもできます。さらに、Oracle Content Management SDK(CM SDK)

Page 28: Oracle Application Server 10otndnld.oracle.co.jp/products/ias/pdf/10g_904_NF_WP.pdfOracle Application Server 10g − 2新機能概要 Oracle Corporation発行「Oracle Application

Oracle Application Server 10g − 新機能概要

28

Oracle Corporation発行「Oracle Application Server 10g − New Features Overview」の翻訳版です。

に対して開発されたアプリケーションは、そのコンテンツを直接 Portalに配信で

きます。

ポータル依存設定ファイル: ポータル依存設定ファイルとポータル依存設定ツー

ル(ptlconfig)により、ポータル管理者は依存性を簡単に設定できます。ポータル

依存設定ツールを使用して、ファイルを手動で編集し、実行できます。また、さ

らに一般的な設定の一部は、Oracle Enterprise Manager Application Server Consoleを

使用して設定できます(この場合、ポータル依存設定ファイルが更新され、ポー

タル依存設定ツールが自動的に実行されます)。

最適なページの組立: Oracle Application Server 10g(9.0.4)では、Portalのプライマ

リ・キャッシュおよびページ組立エンジンとしてWeb Cacheを使用できます。Web

Cacheが有効になっている場合、Web Cache内で処理するため、コンテンツは ESI

タグでエンコードされます。この新機能により、Portalに対してリモート・エンター

プライズ・コンテンツ配信ネットワーク(eCDN)による配置が可能になり、旧バー

ジョンと比較して大幅なパフォーマンス向上が実現します。

ポータル・アップグレード: Oracle9iASリリース 1の Portal Metadata Repository

(PMR)、Login Serverおよび統合されたポータル・ディレクトリ機能は、PMR

Release 2、Oracle9iAS Single Sign Onおよび Oracle Internet Directoryにアップグレー

ドできます。

承認ルーチンおよび通知: Oracle Application Server Portalでは、アイテムを作成し、

そのアイテムが認可済の承認者により承認されるまで、他のユーザーが表示でき

ないように設定ができます。アイテム作成者は、ポータル・ページの所有者が承

認ルーティングを定義してあるポータル・ページにアイテムを置きます。承認ルー

ティングまたは承認プロセスは、単一ステップまたは複数ステップのリストです。

リストのそれぞれのステップについて、1人以上の承認者(ユーザーまたはグルー

プ)とルーティング方法が定義されています。承認者は、通知ポートレットを通

じて承認を待っているアイテムに関する通知を受け取ります。承認者も、アイテ

ムの承認または却下のために通知ポートレットを使用します。承認状態ポート

レットは、アイテム作成者のためにすべてのアイテムの承認ステータスを表示し

ます。

Oracle Application Server Wireless

幅広いユビキタスなWebサービスの 1つの影響は、Webサービス・プロトコルに

対するサポートがテクノロジ・スタックのいたるところで見られるようになって

きたことです。Oracle Application Serverでは、どのサービスも、一度の開発で、

複数のチャネルからアクセスできます。たとえば、OracleAS WirelessのWebサー

ビス・サポートを通じて、他の内部および外部のアプリケーションからWebサー

ビスとして直接、またはワイヤレス・デバイスを介するモバイル・ユーザーから

アクセスできます。したがって、Oracle Application Serverがサポートする様々な

チャネルからセキュアにアクセスされるアプリケーションを構築できます。

Oracle Application Server 10g(9.0.4)の OracleAS Wirelessでは、多数の新機能が導

入されています。XHTMLによる多様なデバイス、プロトコルおよびネットワー

Page 29: Oracle Application Server 10otndnld.oracle.co.jp/products/ias/pdf/10g_904_NF_WP.pdfOracle Application Server 10g − 2新機能概要 Oracle Corporation発行「Oracle Application

Oracle Application Server 10g − 新機能概要

29

Oracle Corporation発行「Oracle Application Server 10g − New Features Overview」の翻訳版です。

クへのアクセスの強化、J2MEサポート、インテリジェント・メッセージングが提

供され、新しいWireless Toolkitでこれらの新機能をサポートできます。

XHTMLによるデバイス、プロトコルおよびネットワーク・サポート: OracleAS

Wirelessは、W3C標準に採用されている XHTMLで作成されたアプリケーション

をマルチチャネル・アプリケーションとして構築することをサポートします。

XHTMLで作成されたアプリケーションは、幅広い種類のデバイス、プロトコル

およびネットワークに適合する柔軟性を持ち、ワイヤレス開発の複雑さを緩和し

て開発能力を向上させます。

XHTMLアプリケーションでは、開発者がオープンな標準を使用して一度のアプ

リケーションの作成だけで、どのデバイスにも提供できます。XHTMLアプリケー

ションは、音声テクノロジ、SMSなどのメッセージング、小型ブラウザなどを通

じて提供できます。開発者は、OracleAS Wirelessにより提供される強化されたデ

バイス適合機能および管理機能も使用できます。これにより、PDA、小画面デバ

イス、音声ブラウザなど、どのようなデバイスに対してもアプリケーションを最

適化できます。

Multimedia Adaptation Services: OracleAS Wireless Multimedia Adaptation Servicesは、

イメージ、音声グラマーおよびオーディオ/ビデオ・ストリームのデバイス固有の

適合を提供します。デバイスは様々なイメージ・フォーマットをサポートし、画

面サイズや色の深度も様々です。要求に対して OracleAS Wirelessが実行するコン

テンツ適合の一部として、イメージがデバイスに合わせて動的に適合されます。

J2ME開発: Oracle Application Server 10g(9.0.4)の OracleAS Wirelessには、Web

サービスに対する J2MEアクセスのサポートおよび高度な J2ME開発を可能にす

る新機能が含まれています。

• J2MEのサポートは、Webサービスを J2MEアプリケーションまで拡張で

きる機能を開発者に提供します。OracleAS Wirelessにより、MIDlet(Mobile

Information Device Applets)開発者は標準Webサービスにアクセスできま

す。MIDlet開発者は、OracleAS Wirelessでサービスをコールすることがで

き、J2MEプロキシを介してリモート・プロシージャ・コールを実行する

ことにより、これらのサービスから応答を得ることができます。OracleAS

Wireless WebサービスによりMIDletsに簡単にアクセスできるようになる

ため、Webサービス機能とMIDletsとの統合が大幅に簡素化され、パフォー

マンスが最適化されます。また、MIDlet開発者は、ネットワークが使用不

能な場合にリクエストとレスポンスをキャッシングするなど、通信を最適

化する組込み機能を利用できます。ネットワーク接続が復旧すると、自動

的にコールが再開されます。

インテリジェント・メッセージングおよびマルチメディア・メッセージング: Oracle

Application Server 10g(9.0.4)は、メッセージ適合およびフェイルオーバー配信制

御に対する新機能でインテリジェント・メッセージングをさらに拡張します。新

しくマルチメディア・メッセージング(MMS)機能も追加され、デバイス適合を

自動的に行うなど、メッセージング環境を充実させています。さらに、従来のメッ

セージング機能が改善され、より柔軟なメッセージ・テンプレート、不正なメッ

セージを防ぐセキュリティ、メッセージの優先順位付けのサポート、大量のアラー

トのより柔軟な処理などが提供されます。

Page 30: Oracle Application Server 10otndnld.oracle.co.jp/products/ias/pdf/10g_904_NF_WP.pdfOracle Application Server 10g − 2新機能概要 Oracle Corporation発行「Oracle Application

Oracle Application Server 10g − 新機能概要

30

Oracle Corporation発行「Oracle Application Server 10g − New Features Overview」の翻訳版です。

MMS: OracleAS Wirelessでは、グラフィックス、ビデオ、オーディオなどのリッ

チ・メディア・モバイル・メッセージ用のMMSがサポートされます。MMSメッ

セージは、SMILまたは XHTMLでネイティブに作成できます。XHTMLで汎用と

して作成されたメッセージは、OracleAS Wirelessにより、自動的にデバイスに適

合します。この適合機能により、メッセージを 1回書くだけで、受信するそれぞ

れのデバイスの機能に合わせて最適化することができます。マルチメディア・コ

ンテンツは、Multimedia Adaptation Servicesを使用することにより、デバイスに合

うように最適化されます。たとえば、イメージをリッチカラーから白黒に変更で

きるイメージ変換を使用したり、イメージをサポートしないデバイスに合わせて

イメージを除去して、マルチメディアのコンテンツを最適化できます。

アラート・サブスクリプション用のターゲット・デバイスのカスタマイズや、時

間駆動型のアラートもアラート・エンジン機能に追加されています。

Wireless Toolkitによる開発サポート: Wireless Toolkitは、JDeveloperをはじめとす

る IDEと統合され、ワイヤレス・アプリケーションの開発とテストの所要時間を

短縮します。マルチチャネル XHTML、J2ME、音声、モバイル・ブラウザ、SMS

などがすべて含まれるフットプリントの小さいツールキットにより、開発を迅速

かつ簡単に行えます。Oracle JDeveloperでは、モバイル開発者は、コード・テン

プレート、ポイント・アンド・クリック操作の開発、アプリケーション・サーバー

への自動配置を活用できます。

Webクリッピング: Oracle Application Server 10g(9.0.4)の新機能であるワイヤレ

ス用Webクリッピングにより、ワイヤレス・サービス開発者はワイヤレス・デバ

イスでの直接表示のためにWebベースのコンテンツを迅速に抽出できます。Web

クリッピングは、Java APIまたは JCA Common Client Interfaceにより、クライアン

ト・アプリケーションでプログラム的に使用することもできます。ワイヤレスWeb

クリッピング・アプリケーションの作成には、Webブラウザを使用して、欲しい

コンテンツの入ったWebページに移動し、クリップおよびスクラップするページ

の範囲を選択し、いくつかの属性とWebクリッピングでフォームベースの送信を

使用するかどうかを設定し、入力パラメータを公開し、アプリケーションを保存

し、そしてアプリケーションをテストします。Webクリッピング・サポートには、

次の機能が含まれます。

• 様々なスタイルのログイン・メカニズムによるナビゲーション: ログイ

ン・メカニズムには、フォームおよび JavaScriptベースの送信、Cookieベー

スのセッション管理を備えた HTTP Basic、Digest Authenticationなどがあ

ります。

• クリッピングのファジー・マッチング: Webクリッピングは、ソース・ペー

ジ内で順序変更された場合や、そのキャラクタ・フォント、サイズ、スタ

イルなどが変更された場合でも、Wireless Web Clipping Serverにより正し

く識別され、ワイヤレスWebクリッピング・アプリケーション・コンテ

ンツとして配信されます。

• 広範囲のWebコンテンツの再利用: HTML 4.0.1で作成されたページ、

JavaScript、アプレット、および HTTP GETおよび POST(フォーム送信)

により取り出されるプラグイン対応コンテンツに対する基本サポートが

あります。

Page 31: Oracle Application Server 10otndnld.oracle.co.jp/products/ias/pdf/10g_904_NF_WP.pdfOracle Application Server 10g − 2新機能概要 Oracle Corporation発行「Oracle Application

Oracle Application Server 10g − 新機能概要

31

Oracle Corporation発行「Oracle Application Server 10g − New Features Overview」の翻訳版です。

これまで、Oracle Application Server 10gによってリアルタイムで対処されるアプリ

ケーション開発課題について説明してきました。その他にも、IT管理者は、より

効果的なビジネス・プラクティスを追及するために必要な、運用インテリジェン

スやビジネス・インテリジェンスの提供が重要です。次の項では、ビジネス・イ

ンテリジェンスに関連した Oracle Application Server 10gのコンポーネントに導入

された新機能について説明します。

ビジネス・インテリジェンス

このリリースで導入されたアプリケーション開発関連の拡張機能の他に、Oracle

Reports 10gや Oracle Discoverer 10gのようなビジネス・インテリジェンス・ツール

でも多数の新機能が導入されています。この項では、これらの拡張機能について

説明します。

Oracle Reports 10g

Oracle Reports 10gを Oracle Workflow内から使用できるようになりました。レポー

トの実行をアクティビティとしてワークフローに追加できます。ジョブが終了す

ると、Oracle Application Server Reports Servicesによりワークフローに通知されま

す。OracleAS Reports Servicesで生成した PDFドキュメントに、識別情報(作成者

など)を追加できます。サーバー環境は、ジョブごとに設定属性を切り替えるこ

とができます。これは、たとえば、個別の NLS設定に基づいて出力をカスタマイ

ズする場合に非常に有効です。

OracleAS Reportsは、任意のWebDAVまたは FTPサーバーに対するレポート出力

の公開をサポートするようになりました。OracleAS Reports Servicesには、どの

J2EEコンテナからでも、または Reports J2EE Thin Clientを使用してコマンドライ

ンからでもアクセスできます。Oracle Reports SDKは、独自のデータ・ソース、宛

先、通知、エンジンなどの作成を可能にすることにより、開発者に優れた柔軟性

を提供します。

Oracle Application Server Discoverer

Oracle Application Server 10g(9.0.4)では、End User Layer(EUL)保守の Javaコ

マンドライン・ツール、改善されたグラフ作成に豊富な書式設定オプション機能、

Enterprise Manager統合の強化およびパフォーマンス最適化など、新しいDiscoverer

機能が多数提供されます。

EUL保守用の Javaコマンドライン・ツール: Oracle Application Server 10g(9.0.4)

では、EUL、ビジネス領域およびワークブックのインストール、管理、保守のた

めの新しい Javaコマンドライン・ツールが導入されました。そのために Oracle

Developer Suite 10gをインストールする必要はありません。Discovererのすべての

ユーザーの中で、特に Oracle Warehouse Builder 10gを使用しているユーザーは、

Solaris 2.8、2.9、HP-UX、IBM AIX、Linux、Windows NT/2000/XPなど多様なプラッ

トフォームから単にコマンドを実行するだけで EULを管理できるため、この機能

を有益に活用できます。

Page 32: Oracle Application Server 10otndnld.oracle.co.jp/products/ias/pdf/10g_904_NF_WP.pdfOracle Application Server 10g − 2新機能概要 Oracle Corporation発行「Oracle Application

Oracle Application Server 10g − 新機能概要

32

Oracle Corporation発行「Oracle Application Server 10g − New Features Overview」の翻訳版です。

グラフ機能の強化: Discovererでは、従来同様 BI Beansの Graph Beanの最新リリー

スとの緊密な統合が提供されます。この機能では、グラフのレイアウト、表示お

よびカラーのオプション、スケーリング、操作およびグラフの対話性が強化され

ました。新しいグラフ機能の柔軟性と操作性がユーザーにとって有効です。この

新機能は、グラフのプレゼンテーション品質を最大限に高める、より多くの自動

設定が提供され、手動による変更を最小限に抑えています。

管理機能の拡張: 9.0.4では、構成およびランタイム管理ツールの充実したセット、

CPUおよびメモリーの使用率などのパフォーマンス・メトリックの拡張、ロギン

グ、および Enterprise Managerとの統合による診断情報が導入されます。

複合フォルダに対するパフォーマンスの最適化: OracleAS Discovererは、概念を非

常にわかりやすくユーザーに提示する有効な手段です。Oracle Discoverer

Administratorのビジネス領域のフォルダ・オプションには、単一、複合およびカ

スタムがあります。複合フォルダには、他の 1つまたは複数のフォルダからの項

目が含まれ、複数のフォルダからのデータを結合したビューを作成できます。こ

れはデータベースのビューに類似しています。OracleAS Discovererは、最適化さ

れた高度な SQLを生成し、複合フォルダ使用時の動作を高速化します。結合とア

イテムの多くは、設計時にフォルダ内で定義できますが、結果セットに関連する

結合とアイテムは、実行時にのみ適用されます。OracleAS Discovererは、必要な

結合をインテリジェントに使用し、特定の問合せを満たすために必要なデータ

ベース列のみを参照します。複合フォルダからの実行時の結合操作を不要にする

ことにより、それらを使用するオーバーヘッドは最小限に抑えられ、その結果、

問合せの実行が速くなり、ネットワークの使用を軽減できます。

Oracle Application Serverは、アプリケーション開発の操作性に加え、信頼性の高

いアプリケーションを配置できる点でも他と異なります。Application Serverの配

置は、ソフトウェア・プロビジョニング、インストールと構成、パフォーマンス、

スケーラビリティ、高可用性、セキュリティ、管理性、サポータビリティなどの

課題に対処しています。次の項では、アプリケーション・サーバーを配置すると

きにグリッド・コンピューティング環境がもたらす課題と、Oracle Application

Server 10gがそれらの要件にどのように対処するかを説明します。

Page 33: Oracle Application Server 10otndnld.oracle.co.jp/products/ias/pdf/10g_904_NF_WP.pdfOracle Application Server 10g − 2新機能概要 Oracle Corporation発行「Oracle Application

Oracle Application Server 10g − 新機能概要

33

Oracle Corporation発行「Oracle Application Server 10g − New Features Overview」の翻訳版です。

アプリケーション・サーバーの配置

オラクル社は、大多数の顧客が、ラックマウント・シャーシまたはブレードマウ

ント・シャーシに配置された 1-2 CPUシステム上にアプリケーション・サーバー

を配置するものと考えます。一般に、このスケーラビリティ・モデルは、「水平

スケーリング」と呼ばれ、エンタープライズ・コンピューティング・グリッド環

境の基礎です。1-2 CPUプロセッサが高速になりコスト効果も高まっているため、

Oracleは、アプリケーション処理を効率的に共有する多くの 1-2 CPUシステムを 1

つに組み合せることができる、洗練された Application Serverクラスタリングと

ロード・バランシング機能を提供します。

そのようなグリッド・コンピューティング環境では、図 11に示すとおり、アプリ

ケーション・サーバー配置についての 3つの主要目標があります。

図 11: アプリケーション・サーバー配置の要件

要件は次のとおりです。

• コモディティ・コンピューティング・グリッドのサービス品質(QOS):

これらのシステムを仮想化し、多数の機能から 1つの実装システムを

提供するコモディティ・ハードウェアにより、効率的な容量管理の実

現を保証します。

ワークロードの効率的管理を保証します。

コモディティ・ハードウェアでアプリケーションを効率的に実行しま

す。

計画的アクティビティおよび計画外アクティビティによる停止時間

をゼロにすることを保証します。

• セキュリティ管理と ID管理:

セキュアなアプリケーション・サーバー・プラットフォームを提供し

ます。

ユーザーに対する一元的なプロビジョニングと管理を保証します。

管理の委任を可能にし、一貫性をもって行うことを保証します。

グリッド上の他のセキュリティ管理システムおよび ID管理システム

との統合機能を提供します。

• ソフトウェアのプロビジョニングと管理:

ソフトウェアのプロビジョニングを簡素化および自動化します。

Page 34: Oracle Application Server 10otndnld.oracle.co.jp/products/ias/pdf/10g_904_NF_WP.pdfOracle Application Server 10g − 2新機能概要 Oracle Corporation発行「Oracle Application

Oracle Application Server 10g − 新機能概要

34

Oracle Corporation発行「Oracle Application Server 10g − New Features Overview」の翻訳版です。

システムの自己管理を保証します。

多数のシステムを 1つの論理単位として監視し、管理します。

Oracle Application Server 10gは、これらの要件を満たすだけでなく、次のような効

果も提供します。

サービス品質に対する処理能力管理とワークロード管理機能が改善

され、Oracle Application Server Web Cacheによりパフォーマンスが強

化され、すべての層で高い可用性を持つエンドツーエンドのソリュー

ションが提供されています。

Oracle Application Serverは、非常にセキュアなプラットフォームであ

り、一元的なセキュリティ管理および ID管理のシステムを提供し、

グリッド上の Oracle以外のソリューションと相互運用できます。

グリッドの一元管理およびプロビジョニング用ツールとして Oracle

Enterprise Manager Grid Controlが導入されています。

この後の項では、次の Oracle Application Serverコンポーネントに導入された新し

い拡張機能について説明します。

要件 Oracle Application Server 10g − コンポーネント

QOS − リソース管理、ワークロード 管理、ワークロード管理のための パフォーマンス監視

Oracle Enterprise Manager 10g

QOS − 高可用性、スケーラビリティ Oracle Application Server High Availability ソリューション

Oralce Application Server Scalability ソリューション

QOS − パフォーマンス改善、 パフォーマンス監視

基礎となるインフラストラクチャの パフォーマンス改善

基礎となるインフラストラクチャを使用する コンポーネントのパフォーマンス改善

セキュリティ・コンポーネントおよび 管理コンポーネントのパフォーマンス改善

アプリケーション・サービス・レベルの管理

トランザクション監視

一元化されたセキュリティ管理と ID管理

Oracle Identity Managementソリューション

ソフトウェアのプロビジョニングと 管理

Oracle Enterprise Manager Grid Control

表 3: Oracle Application Server 10gの配置に関連する新機能

コモディティ・ハードウェアの QOS

Oracle Application Server 10gは、エンタープライズ・グリッド・コンピューティン

グに対応できる次世代アプリケーション・サーバーです。主に、インターネット・

アプリケーションの開発、配置、管理のための完全に統合されたインフラストラ

クチャを提供することに重点を置いています。Oracle Enterprise Managerの

Application Server Controlコンポーネントと Grid Controlコンポーネントは、ファー

ムが 1つの論理単位として管理される 1対多数の概念、ワークロード管理および

Page 35: Oracle Application Server 10otndnld.oracle.co.jp/products/ias/pdf/10g_904_NF_WP.pdfOracle Application Server 10g − 2新機能概要 Oracle Corporation発行「Oracle Application

Oracle Application Server 10g − 新機能概要

35

Oracle Corporation発行「Oracle Application Server 10g − New Features Overview」の翻訳版です。

アプリケーションやシステムのパフォーマンス監視を使用して、Oracle Application

Server 10gのようなファームの監視と管理を行います。コモディティ・システム・

ベースの環境をサポートするために、次の機能(図 12)を提供します。

リソース管理: リソース管理は、グリッドベース・システムの基本的課題です。

グリッドの IT管理者は、アプリケーション要件とシステム管理者のプリファレン

スに基づいた最良のリソース配分を見出すために、ジョブの優先順位とリソース

制約に基づいてリソースをスケジュールしたいと考えます。Oracle Enterprise

Managerは、仮想システム・イメージの提供に企業内で利用可能な多様なハード

ウェア・リソース(CPU、メモリー、ストレージ、システム、データベース、ア

プリケーション・サーバー)を効率的に使用することにより、企業全体でのオン

デマンド・コンピューティングを実現します。Oracle Application Serverランタイ

ムは、リソースの可用性と消費量を監視し、Grid Controlがアプリケーション・ニー

ズに基づいて最適なタイミングでコンピューティング・リソースの提供ができま

す。さらに、Oracle Enterprise Managerは、複数の Oracle Application Serverインス

タンス、単一の Oracle Application Serverインスタンス内のコンポーネント、およ

び複数の Oracle Application Serverアプリケーションの間でコンピューティング・

リソースを配分する機能も提供します。

ワークロード管理: Oracle Application Server 10gは、ユーザー・アプリケーション

を基礎インフラストラクチャと関連付ける堅牢なランタイムを提供することによ

り、顧客のデータ・センターがビジネス需要の変化に対応し、需要に基づいてサー

バー・ロールを変換できる機能を提供します。Oracle Enterprise Manager Grid

Control 10gには、ポリシーに基づくワークロード管理、アプリケーション固有の

ポリシーに基づくルーティング、Application Server最適化機能およびサービス・

プロビジョニングを行うための機能が含まれています。

図 12: コモディティ・ハードウェアの QOS

パフォーマンス改善: アプリケーション・パフォーマンスの改善のため、Oracle

Application Server 10gは、柔軟性の高い配置モデル、ポリシーに基づくワークロー

ド管理、クラスタリング機能をサポートし、さらにメトリックに基づくルーティ

ング、ランダム・ルーティング、重み付きルーティング、ローカル・アフィニティ

など、インテリジェントなワークロード管理アルゴリズムもサポートします。

Page 36: Oracle Application Server 10otndnld.oracle.co.jp/products/ias/pdf/10g_904_NF_WP.pdfOracle Application Server 10g − 2新機能概要 Oracle Corporation発行「Oracle Application

Oracle Application Server 10g − 新機能概要

36

Oracle Corporation発行「Oracle Application Server 10g − New Features Overview」の翻訳版です。

高可用性とスケーラビリティによる QOS

Oracle Application Server 10g(9.0.4)は、どの層にも単一の障害箇所はありません。

高度な HAソリューションを提供し、最大の可用性を持つアーキテクチャを実現

します。

エンドツーエンドな高可用性およびスケーラビリティのためのソリューションに

より、計画外停止に対する完全な保護を提供します。このソリューションとして

は、高速リカバリを可能にする共通の停止検出および再起動フレームワーク、

Infrastructureクラスタリング、中間層クラスタリング、スマートなルーティング・

アルゴリズムを使用するロード・バランシング、データとステートのレプリケー

ション機能、透過的なアプリケーション・フェイルオーバー機能、障害時リカバ

リ・ソリューションなどがあります。

Oracle Application Server 10g(9.0.4)は、計画停止も削減します(稼働中のアプリ

ケーション・サーバーで計画的保守作業を実行するためにアプリケーションを停

止させる必要はありません)。単一操作で管理できる一貫性のあるクラスタリン

グ機能、構成変更のフラッシュバック機能、ローリング・アップグレード機能、

障害時リカバリ・ソリューション、オンライン・アプリケーション配置機能など

の重要な領域に改善を加えたことにより、計画停止の削減が実現しました。

次の項では、前述のいくつかの機能について詳しく説明します。

停止検出と再起動: Oracle Application Server 10g(9.0.4)では、停止検出と再起動

の対象範囲がすべての Oracle Application Serverコンポーネントに拡大されました。

この機能は、プロセスまたはコンポーネントが停止した場合、自動的に再起動さ

れることを保証します。

新しいロード・バランシング・アルゴリズム: Oracle Application Server(9.0.4)で

は、新しいロード・バランシング・アルゴリズムが追加され、すべての中間層 OC4J

プロセスにリクエストをルーティングする柔軟性がより高められています。新し

いアルゴリズムには、ランダム・ルーティングとラウンド・ロビン・ルーティン

グが含まれ、いずれもローカル・アフィニティまたは重みベースのルーティング

およびメトリック・ベースのルーティングを使用します。さらに、リモート・ノー

ドよりもローカル・マシンへのルーティングを優先するようにルーティングを構

成できます。

Web Cacheクラスタでのセッション・バインディング: セッション・バインディン

グにより、Web Cacheはユーザー・セッションを特定のオリジナルWebサーバー

にバインドします。この機能は、特定のセッションのリクエストを同じオリジナ

ル・サーバーに継続的にルーティングするために使用され、これらのリクエスト

にステートフルなロード・バランシングを提供できます。Web Cacheの以前のリ

リースでは、この機能はWeb Cacheクラスタリングと互換性がありませんでした。

Oracle Application Server 10g(9.0.4)では、セッション・バインディング機能は、

クラスタ・メンバーシップ全体から選択されたオリジナル・サーバーに対してセッ

ションの結合を実現できるように拡張されました。これは、最初のレスポンスに

特別なWeb Cache Cookieを挿入して、以後のリクエスト内でセッション・バイン

ディングを追跡することにより行われます。

OracleAS Infrastructureのハードウェア・クラスタ・サポート: Oracle Application

Server 10g(9.0.4)では、Oracle Application Server Infrastructureの可用性を高める

Page 37: Oracle Application Server 10otndnld.oracle.co.jp/products/ias/pdf/10g_904_NF_WP.pdfOracle Application Server 10g − 2新機能概要 Oracle Corporation発行「Oracle Application

Oracle Application Server 10g − 新機能概要

37

Oracle Corporation発行「Oracle Application Server 10g − New Features Overview」の翻訳版です。

ために使用できるオプションが拡張されました。9.0.4は、OracleAS Infrastructure

に対してアクティブ・フェイルオーバー・クラスタ(AFC)・ソリューションおよび

コールド・フェイルオーバー・クラスタ(CFC)ソリューションの両方を提供し

ます。

コールド・フェイルオーバー・クラスタ・ソリューション: HP MC/Service Guard

や Sun Clusterのようなクラスタウェアを一緒に使用して、複数のマシン(通常は

2台)をクラスタリングできます。これは、システムの可用性を高めるために一

般的に使用されるソリューションです。名前のとおり、クラスタのノードの 1つ

は「コールド」であり、他方のノードは「ホット」、すなわちアクティブにソフ

トウェアを実行しています。「ホット」すなわち「アクティブ」なノードが停止

すると、クラスタウェアはコールド・ノードでソフトウェアを再起動して、シス

テムをオンラインに戻します。クラスタの両方のノードでソフトウェアを実行で

きるように、どちらのノードからも共有(マウント)できるディスクにソフトウェ

アをインストールする必要があります。また、システムは仮想ホスト名(および

IPアドレス)を使用する必要があります。この仮想ホスト名は、クラスタウェア

によりアクティブ・ノードと関連付けられます。したがって、外部システムを再

構成する必要はありません。外部システムは常に仮想ホスト名アドレッシングに

よりソフトウェアにアクセスします。ソフトウェアがどのノードで稼働している

かに関係なく、ソフトウェアには常に仮想ホスト名でアクセスできます。「コー

ルド」ノードがアイドル状態である必要がないことに注意してください。コール

ド・ノードは、ホット・ノードで実行中ではない他のアプリケーションを実行で

きます。

Oracle Application Server Infrastructureは、「クラスタ対応」であり、インストール

の際にクラスタを検出することができます。クラスタが検出されると、

Infrastructureはクラスタのノードにより共有されるストレージ・デバイスにインス

トールされます。このタイプのインストールでは、Infrastructureを一方のノードか

ら他方のノードにフェイルオーバーできるように、インストールのために使用す

る仮想ホスト名も必要です。中間層をインストールする場合、Infrastructureノード

を参照するために提供されるホスト名は仮想ホスト名です。したがって、中間層

は、Infrastructureが実際にどの物理ホストで稼働しているかに関係なく、

Infrastructureにアクセスできます。

Page 38: Oracle Application Server 10otndnld.oracle.co.jp/products/ias/pdf/10g_904_NF_WP.pdfOracle Application Server 10g − 2新機能概要 Oracle Corporation発行「Oracle Application

Oracle Application Server 10g − 新機能概要

38

Oracle Corporation発行「Oracle Application Server 10g − New Features Overview」の翻訳版です。

図 13: コールド・フェイルオーバー・クラスタの高可用性ソリューション

アクティブ・フェイルオーバー・クラスタ・ソリューション: Oracle Application

Server 10g(9.0.4)には、アクティブ・フェイルオーバー・クラスタと呼ばれる画

期的な新機能が導入されました。コールド・フェイルオーバー・クラスタと異な

り、アクティブ・フェイルオーバー・クラスタでは、Oracle Application Server

Infrastructureを複数のノードで同時に実行できます。この Active/Active設定では、

すべての Infrastructureプロセスがクラスタの各ノードで同時に実行するように構

成されます。各ノードはどの着信要求も処理する能力があるため、ロード・バラ

ンサはハードウェアの前面に配置され、着信要求をそれぞれのノードに分配しま

す。ノードの 1つが停止すると、以後の着信要求は、ロード・バランサにより、

障害を免れたクラスタ内の他のノードにすぐに再配分されるため、停止時間は発

生しません。

この構成は、Infrastructureデータベースの実行のために、Oracle Databaseの Real

Application Cluster(RAC)機能を利用します。ただし、AFCは、Infrastructureを

構成するミッション・クリティカルな Identity Managementサービスに対する高可

用性も提供します。Identity Managementサービスには、Single Sign-On、Oracle

Internet Directory(OID)および Delegated Administration Service(DAS)など、い

くつかのプロセスが含まれます。したがって、アクティブ・フェイルオーバー・

クラスタは、RACデータベースを超える高可用性を提供し、Infrastructure全体の

高可用性を実現します。

Page 39: Oracle Application Server 10otndnld.oracle.co.jp/products/ias/pdf/10g_904_NF_WP.pdfOracle Application Server 10g − 2新機能概要 Oracle Corporation発行「Oracle Application

Oracle Application Server 10g − 新機能概要

39

Oracle Corporation発行「Oracle Application Server 10g − New Features Overview」の翻訳版です。

図 14: アクティブ・フェイルオーバー・クラスタの高可用性ソリューション

コールド・フェイルオーバー・クラスタと同様、アクティブ・フェイルオーバー・

クラスタもハードウェア・クラスタを必要とします。クラスタの各ノードには、

独立したローカル$ORACLE_HOMEがあります。ここには、そのノードで

Infrastructureを実行するための構成とバイナリが入っています。また、すべての

ノードは、RACデータベースを構成する共有データ・ファイルのセットにアクセ

スします。中間層は、ロード・バランサを指すように構成されます(クラスタの

個々の物理ノードを指すのではありません)。すべての設定は、1回のインストー

ルで完了します。システム管理者は、クラスタのノードごとにインストールを繰

り返す必要はありません。したがって、インストール・プロセスは非常にシンプ

ルです。

Oracle Application Server 10gの最初のリリースでは、Infrastructure全体のアクティ

ブ・フェイルオーバー・クラスタ機能は、限定されたリリース機能としての利用

のみで、これを本番環境に配置することはできません。この機能は、Oracle

Application Server 10g Release 2で一般利用が可能となる予定です。

Oracle Application Serverのサイトツーサイト障害時リカバリ: データ・センター全

体が打撃を受け使用不能になる全面的停電や地震のような障害時には、これまで

に説明した HAソリューションの大部分は停止の防止に役立ちません。

そのような状況に対処するため、Oracle Application Serverは、Oracle Application

Server Disaster Recoveryソリューションを提供します。これは、プライマリ・サイ

トでデータ・センター全体が停止した場合に、地理的に離れたスタンバイ・ロケー

ションで迅速にサービスを起動する機能です。

Oracle Application Server 10g(9.0.4)Disaster Recoveryは、Infrastructureおよび中間

層の構成ファイルのリストアに Backup & Recoveryを使用し、スタンバイ・サイト

Page 40: Oracle Application Server 10otndnld.oracle.co.jp/products/ias/pdf/10g_904_NF_WP.pdfOracle Application Server 10g − 2新機能概要 Oracle Corporation発行「Oracle Application

Oracle Application Server 10g − 新機能概要

40

Oracle Corporation発行「Oracle Application Server 10g − New Features Overview」の翻訳版です。

で Infrastructureデータベースをリストアするために Oracle Data Guardテクノロジ

を使用します。

プライマリ・サイトの各ノードは、対応するスタンバイ・ノードをスタンバイ・

サイトに持ちます。プライマリ・サイトとスタンバイ・サイトが同期を保つこと

を保証するため、Administratorにより Disaster Recoveryスクリプトが定期的に実

行されます。スタンバイ・サイトは、通常運用中は非アクティブです。プライマ

リ・サイトが停止した場合、管理者はスタンバイ・サイトを起動し、トラフィッ

クがスタンバイ・サイトに送信されるように、DNSを変更します。切替えが完了

すると、以前のスタンバイ・サイトはすべての着信要求を処理できます。全体の

運用処理は、停止時間が最小になるように設計されます。

Oracle Application Serverのバックアップとリカバリ: システムを修復できない場

合、原因を調べるより、故障したシステム・コンポーネントを置き換えるほうが

早いでしょう。このために、管理者は、ハードウェアの予備部品を用意します。

Oracle Application Serverの場合は、システム・チェックポイントの状態がこれに

相当します。

製品に付属のバックアップおよびリカバリ・ツールにより、このチェックポイン

トを簡単に作成し、必要に応じてリストアできます。また、OHSコンポーネント

と OC4Jコンポーネントのみに関係するローカライズ問題に対しては、Distributed

Configuration Manager(DCM)が高速なチェックポイント機能を提供します。構成

エラーが関係する場合などの比較的シンプルなケースでは、さらに迅速なリカバ

リのために元に戻す操作も追加されています。

ローリング・アップグレード: どのシステムでも、更新や保守の作業が必要です。

この作業中の停止時間を最小限にすることは、可用性向上のために非常に重要で

す。Oracle Application Serverは、運用への影響を最小にしながら、Oracle9iAS Release

2(9.0.2)から Oracle Application Server 10g(9.0.4)にインフラストラクチャと中

間層をアップグレードする機能を正式にサポートしています。また、新しいチェッ

クポイント機能(アーカイブ用およびリトリーブ用とも呼ばれる)では、1つの

システム構成を取得し、別のシステムに再適用することができます。この機能に

より、1つのシステムでアップグレードし、テストしてから、その構成をクロー

ニング(コピー)することができます。同様に、Web Cacheクラスタでは、メン

バーに対して構成の増分更新を行えます。

外部ロード・バランサやWeb Cacheは、アップグレード中のシステム・コンポー

ネント(アプリケーションも含む)の背後で常に使用できます。EJBクライアン

ト・プロキシ・クラスは、EJBサーバーを調べるために動的検出を使用し、サー

バーがアップグレードのために停止している場合、自動的に調整します。

パフォーマンスの改善による QOS

Oracle Application Server 10g(9.0.4)では、すべての層でパフォーマンスが改善さ

れ、特にコモディティ・ハードウェアの配置を最適化する機能が含められました。

次の領域で改善が行われています。

• ハードウェア・システム、ネットワーク、プラットフォーム固有の拡張、

OC4J、Oracle HTTP Server、OracleAS Web Cacheなど、基礎となるインフ

ラストラクチャでのパフォーマンス改善。

Page 41: Oracle Application Server 10otndnld.oracle.co.jp/products/ias/pdf/10g_904_NF_WP.pdfOracle Application Server 10g − 2新機能概要 Oracle Corporation発行「Oracle Application

Oracle Application Server 10g − 新機能概要

41

Oracle Corporation発行「Oracle Application Server 10g − New Features Overview」の翻訳版です。

• OracleAS Portal、OracleAS Forms Services、OracleAS Discovererなど、この

インフラストラクチャを使用するコンポーネントでのパフォーマンス改

善。

• Oracle Enterprise Managerなどのシステム管理コンポーネントでのパ

フォーマンス改善。

次の項では、この 3つのカテゴリのパフォーマンス改善について詳しく説明しま

す。

基礎となるインフラストラクチャのパフォーマンスに関連する新機能

Oracle Application Server 10g(9.0.4)は、製品の各層でテクノロジを改善すること

により、パフォーマンスの向上を常に提供します。

システム最適化: Oracle Application Server 10g(9.0.4)での改善には、I/O操作、JVM、

スレッド化およびクラス・ローディングがあります。

ネットワーク最適化: Oracle Application Server 10gでの改善には、高速相互接続お

よびネットワーク・ルーターおよびスイッチによる認証があります。

Webサーバーの改善: Apache 1.3.28拡張、SSL接続の高速化、インテリジェントな

ロード・バランシング・アルゴリズムがあります。

アプリケーション・サーバーの改善: Linuxハードウェアに関して発表された最近

の ECPerfおよび SPECJAppserver2002のパフォーマンス・テストでは、Oracle

Application Server Containers for J2EEのパフォーマンスがトップであることが実証

されています。この結果は、最高のパフォーマンスを持つコスト効果の高いアプ

リケーション・サーバー・テクノロジを顧客に提供するというオラクル社の約束

を実現しています。オラクル社は、Oracle Application Server 10gを

SPECjAppServer2002と比較したテスト結果を次のように発表しました。ここでは、

すべて Linuxオペレーティング・システムを使用しています。

Dual Node − Linuxで最高のパフォーマンス、全体で最高の価格対パフォーマンス

Multiple Node − 最高のパフォーマンス、最高の価格対パフォーマンス比

オラクル社の Dual Nodeでの結果は、同一のシステム構成での競合会社の

SPECjAppServer2002での結果を大きく上回っています。オラクル社のMultiple

Nodeでの結果は、競合会社の半分の数のプロセッサで達成されました。

SPECJAppserver2002の結果は、2003年 9月中旬まで http://www.specj.orgで見るこ

とができます。

OracleAS Web Cache

OracleAS Web Cacheでは、次のようなパフォーマンス改善が行われています。

エンド・ユーザー・パフォーマンス監視: Oracle Application Server 10g(9.0.4)の

Web Cacheの新機能でもっとも重要な機能は、エンド・ユーザー・パフォーマン

ス監視用のインストルメント処理です。管理者は、URLがキャッシュされている

かどうかに関係なく、個々の URL、一連の URL、またはWebベース・アプリケー

ション全体について、エンド・ユーザー応答時間を測定するようにWeb Cacheを

Page 42: Oracle Application Server 10otndnld.oracle.co.jp/products/ias/pdf/10g_904_NF_WP.pdfOracle Application Server 10g − 2新機能概要 Oracle Corporation発行「Oracle Application

Oracle Application Server 10g − 新機能概要

42

Oracle Corporation発行「Oracle Application Server 10g − New Features Overview」の翻訳版です。

構成できます。インストルメント処理された各リクエストについて、完全なユー

ザー体験、すなわちユーザーがブラウザ上でリンクをクリックしてから、そのペー

ジが完全にレンダリングされるまでの時間が記録されます。生の測定値がWeb

Cacheアクセス・ログに収集されます。このデータは、Application Performance

Management(APM)機能を使用して、Enterprise Manager Grid Controlにより集計、

クレンジング、分析が行われます。結果として、エンド・ユーザーに対して完全

に透過的な方法でクリックからレンダリングまでを測定して報告する、業界で

もっとも総合的で正確なエンド・ユーザー・パフォーマンス監視システムになり

ました。

検索キーのサポート: Web Cacheの以前のリリースでは、URLベースのキャッ

シュ・キーがキャッシュされたドキュメントの唯一の識別子でした。失効化リク

エストには、正確な URLまたは URLのセットのいずれかと、キャッシュされた

オブジェクトを失効化する正規表現と一致するヘッダーを指定する必要がありま

した。そのような URLの生成に使用した基礎データに対して URLをマップする

ことは、アプリケーションにとって難しい場合があるため、Oracle Application

Server 10g(9.0.4)でのWeb Cache失効化は、検索キーをサポートするように拡張

されました。このリリースでは、キャッシュされたオブジェクトを、主キーであ

る URLベースのキーを使用してアプリケーションにより指定された複数の検索

キーと関連付けができます。URLベースの主キーのかわりに検索キーに基づいた

失効化ができるため、管理者やアプリケーション開発者は、簡単に失効化を活用

できます。

自己記述的圧縮ポリシー: ESI Surrogate-Controlレスポンス・ヘッダーは、圧縮を

有効にするための compress制御ディレクティブをサポートするようになりました。

この機能は、Web Cache Managerユーティリティを使用して管理者が圧縮ポリシー

を構成することに頼るのではなく、コンテンツ自体に圧縮ポリシーを表現させる

ことができる柔軟性を高めています。

アクセス・ロギング、イベント・ロギングおよび診断の改善: アクセス・ログと

イベント・ログのロールオーバー・ポリシーは、以前のリリースより柔軟になり、

さらにオンデマンド・ロールオーバー機能も追加されました。アクセス・ログ・

フォーマットの定義は、以前より簡単で柔軟性の高いものとなり、サード・パー

ティのログ分析ツールとの完全な互換性を実現しています。管理者は、キャッシュ

により処理されるそれぞれの仮想ホストに対して異なるアクセス・ログとロギン

グ・フォーマットを構成することもできます。また、低レベルの要求タイミング

診断を提供する新しいアクセス・ログ・フィールドが追加されました。Oracle

Application Server 10g(9.0.4)では、Web Cacheイベント・ログは、2つではなく

4つのレベルの冗長性をサポートします。また、多くのエラー・メッセージ(特

に ESIエラー)は、的確な問題診断と解決策を提供するように改善されました。

さらに、リモート診断ツールは、応答障害に関してより多くの情報を提供するよ

うに拡張されました。

動的構成: ブラウザベースのWeb Cache Manager管理ユーティリティの構成パラ

メータの多くは、キャッシュの再起動を必要とせずに自由に変更ができます。

Page 43: Oracle Application Server 10otndnld.oracle.co.jp/products/ias/pdf/10g_904_NF_WP.pdfOracle Application Server 10g − 2新機能概要 Oracle Corporation発行「Oracle Application

Oracle Application Server 10g − 新機能概要

43

Oracle Corporation発行「Oracle Application Server 10g − New Features Overview」の翻訳版です。

コンポーネントのパフォーマンスに関連する新機能

Integration: Enterprise Integrationのランタイム・システムは、非常に優れたパフォー

マンスとスケーラビリティを提供するための多数の新機能で拡張されました。中

間層はステートレスであり、複数の Oracle Application Serverインスタンスで複製

できます。ハブ・アンド・スポークは、複数のマシンに配置できます。アダプタ

はパラレルに実行でき、所定のエンド・ポイントに対する複数接続が可能です。

パラレル処理や RACなどの Oracleデータベース機能を活用し、ランタイム・リ

ポジトリのパフォーマンスとスケーラビリティを向上させています。

BC4J: BC4Jは、ビュー・オブジェクトおよびビュー・リンク用のインタラクティ

ブな実行計画を使用して、問合せを事前にチューニングします。データベース表

の設計を進めながら、SQL生成スクリプトを保存できます。プーリングおよびス

ケーラビリティ構成ツールの使用により、開発者はプーリングおよびスケーラビ

リティ構成設定を簡単に編集できます。Oracle Application Server 10g(9.0.4)では、

BC4Jは、動的なビュー・オブジェクトおよび属性を自動的に受動化および活性化

します。パフォーマンスの改善に、BC4Jは 1回のコールで列のデフォルト値を作

成および初期化します。さらに、バッチ・メタデータ・フェッチングにより、ネッ

トワーク・ラウンド・トリップをなくします。

Oracle Application Server Forms Services: Oracle Application Server 10g(9.0.4)の

Formsには、特定の実行時プロセスに対してトレースをオンまたはオフに切り替

える機能があります。これはパフォーマンスの改善に役立ちます。また、Forms

サービスの構成に対するサポートもパフォーマンス改善のために拡張されていま

す(formsweb.cfg、default.env、trace.cfg)。ランタイム事前開始機能は、Formラ

ンタイムのインスタンスを事前に開始することにより、Forms起動時間を短縮し

ます。

OracleAS Discoverer: Oracle Application Server 10g(9.0.4)では、Oracle Application

Server Discovererは複合フォルダ使用時に高速で実行する高度に最適化された

SQLを生成します。結合と項目の多くは、設計時にフォルダ内で定義できますが、

結果セットに関連する結合と項目は、実行時にのみ適用されます。Oracle

Application Server Discovererは、必要な結合をインテリジェントに使用し、特定の

問合せを満足する必要なデータベース列のみを参照します。複合フォルダからの

実行時の結合操作をなくすことにより、それらを使用するオーバーヘッドは最小

限に抑えられ、その結果、問合せの実行が速くなり、ネットワーク使用率を引き

下げることができます。

システム管理のパフォーマンスに関連する新機能

Enterprise Manager: Oracle Application Server 10g(9.0.4)には、Application Server

Consoleのパフォーマンスを大幅に向上させる重要な拡張機能が含まれています。

ユーザー・インタフェース・ページは、管理リポジトリからのダウンロード速度

とデータ検索を改善するように最適化されました。また、アプリケーションの配

置のような長時間実行操作やタスク進捗のためのプログレスダイアログが追加さ

れました。

Application Performance Management(APM): Oracle Application Serverインスタン

スおよびそのコンポーネントの監視に加えて、Oracle Enterprise Manager Grid

Page 44: Oracle Application Server 10otndnld.oracle.co.jp/products/ias/pdf/10g_904_NF_WP.pdfOracle Application Server 10g − 2新機能概要 Oracle Corporation発行「Oracle Application

Oracle Application Server 10g − 新機能概要

44

Oracle Corporation発行「Oracle Application Server 10g − New Features Overview」の翻訳版です。

Controlでは、配置したWebアプリケーションをエンド・ユーザー応答時間に基づ

いて監視できるようになりました。APM機能により、アプリケーションの任意の

ページに対する実際のエンドユーザーの応答時間に基づいて、Webアプリケー

ションの可用性とパフォーマンスを監視できます。エンドツーエンド・トレース

を使用して、アプリケーション・サーバー層とデータベース・サーバー層の両方

で、アプリケーションを診断およびチューニングできます。さらに、アプリケー

ションの重要なビジネス・トランザクションが記録できるため、Enterprise Manager

は、アプリケーションの主要コンポーネントのパフォーマンスを追跡するために、

定期的にこの情報を利用できます。また、ネットワークのどこからでもこれらの

トランザクションの開始を指定できるため、世界規模で分散したユーザーについ

てアプリケーションのパフォーマンスを追跡できます。このエンド・ユーザー監

視機能は、OracleAS Web Cacheの特別なインストルメント処理によっても強化さ

れています。これにより、アプリケーション・パフォーマンスの測定および分析、

アプリケーション・サーバーのパフォーマンス改善のためのローカルでのキャッ

シュ、およびネットワーク待機時間による遅延を軽減するためのリモートでの

キャッシュ(eCDN)が可能になります。

パフォーマンス診断のドリルダウンとレポート: Grid Controlは、アプリケーショ

ンのすべての層にわたるパフォーマンスのボトルネックの特定に有効です。診断

の新機能を使用して、Webサーバーまたは J2EEコンテナで費やされる時間を追

跡し、影響度の高いアプリケーション、サーブレット、JSPおよび EJBを特定で

きます。

パフォーマンス履歴データ・リポジトリと分析: Oracle Application Server 10g

(9.0.4)の Grid Controlは、長期にわたってインスタンスのパフォーマンスおよび

可用性データを保管します。この履歴データを使用して、長期にわたるパフォー

マンスの分析、過去に発生した問題の診断、傾向の調査、パフォーマンスと可用

性の履歴に関するレポート生成などを行えます。過去の履歴から、複数のインス

タンスのパフォーマンスを比較することもできます。

一元化されたセキュリティ管理と ID管理

一般に、セキュリティ管理コストの増大は、4つの要因によります。(i)ユーザー

数 − インターネット・アプリケーションにアクセスするユーザー数は、大幅に増

加してきました。(ii)アクセスされるアプリケーション数 − 一方で、各ユーザー

がアクセスするミッション・クリティカルなインターネット・アプリケーション

の数も頻度も増加しています。(iii)セキュリティ管理対象の場所数 − アプリケー

ションは複数のドメイン、部門、データ・センターにまたがり、これらのアプリ

ケーションと関連付けられたセキュリティは複数の場所で管理されています。

(iv)セキュリティ攻撃に対する脆弱性 − 最後に、悪意のあるセキュリティ攻撃

の脅威と数は増加する一方です。結果として、今日のセキュリティ管理プラクティ

スは、多くの場合、複雑で高価なものとなっています。

このような課題を解決し、セキュリティ・プラクティスを強化し、セキュリティ

管理コストを引き下げるため、Oracle Application Server 10gは次のセキュリティ・

プラクティスをサポートします。(i)認証、認可、アクセス制御およびプライバ

シ保護のための PKIベースの総合的セキュリティ・フレームワーク。(ii)Single

Sign On Serviceの使用によるユーザー・セキュリティ管理の簡素化。(iii)一元化

Page 45: Oracle Application Server 10otndnld.oracle.co.jp/products/ias/pdf/10g_904_NF_WP.pdfOracle Application Server 10g − 2新機能概要 Oracle Corporation発行「Oracle Application

Oracle Application Server 10g − 新機能概要

45

Oracle Corporation発行「Oracle Application Server 10g − New Features Overview」の翻訳版です。

されたセキュリティ管理および ID管理の監視と管理機能。(iv)ユーザー・セキュ

リティ管理の委任。(v)オラクル社のセキュリティ管理および ID管理ソリュー

ション以外のソリューションとの統合。

次の項では、Oracle Application Server 10g(9.0.4)で使用可能な特別な機能につい

て説明します。

• セキュリティ管理および ID管理のインフラストラクチャ

• このインフラストラクチャを使用するコンポーネント

Oracleセキュリティ管理および ID管理のインフラストラクチャの拡張

Oracle Identity Managementは、ディレクトリ管理、セキュリティ管理およびユー

ザー管理の機能を集約したものです(図 15)。Oracle Identity Managementは、Oracle

製品がセキュリティの分散に使用する統合されたインフラストラクチャです。

Oracle Identity Managementを搭載する主要な製品はOracle Application Server 10gで

すが、Oracle Database 10gや Oracle Collaboration Suite 10gなどの他の Oracle製品で

も、インフラストラクチャの一部として出荷される予定です。Oracle Identity

Managementには、次のコンポーネントと機能が含まれます。

Oracle Internet Directory: Oracle Databaseで実装される、スケーラブルで堅牢な

LDAP V3準拠のディレクトリ・サービスです。

Oracle Directory Integration Service: Oracle Internet Directoryのコンポーネントであ

り、Oracle Internet Directoryと他のディレクトリやユーザー・リポジトリ間の同期

を取ります。

Provisioning Integration Service: Oracle Internet Directoryのコンポーネントであり、

Oracle製品とアプリケーションに対して、およびサードパーティ・アプリケーショ

ンに対して(標準インタフェースを使用)、自動プロビジョニングを提供します。

Delegated Administration Service: Oracle Internet Directoryのコンポーネントであり、

ユーザーおよびアプリケーション管理者に信頼される、ディレクトリ情報のプロ

キシ・ベースの管理を提供します。

OracleAS Single Sign-on: これは Oracle Application Serverコンポーネントであり、

オラクル社およびサード・パーティのWebアプリケーションへのシングル・サイ

ンオン・アクセスを提供します。

OracleAS Certificate Authority: 強力な認証方法をサポートする X.509 V3 PKI証明

書を生成および発行します。

Page 46: Oracle Application Server 10otndnld.oracle.co.jp/products/ias/pdf/10g_904_NF_WP.pdfOracle Application Server 10g − 2新機能概要 Oracle Corporation発行「Oracle Application

Oracle Application Server 10g − 新機能概要

46

Oracle Corporation発行「Oracle Application Server 10g − New Features Overview」の翻訳版です。

図 15: セキュリティおよび Oracle Identity Managementの新機能

次に、Oracle Identity Managementコンポーネントの新機能について説明します。

Oracle Internet Directory

Oracle Internet Directoryは、Oracle Application Server 10g(9.0.4)で、Windows統合

機能、パスワード・ポリシーの新しいオプションおよびパーシャル・レプリケー

ション機能を含む多数の新機能を導入しています。

Windows統合機能: Oracle Internet Directoryでは、Windows Active Directory Services

用に事前構成されたディレクトリ同期化ソリューションが追加されました。これ

により、ユーザーは、Oracle環境とWindows環境全体にわたって単一の IDおよ

びパスワードで資格を証明できます。このソリューションには、Windows環境に

保存されているパスワードのマスター化と変更をサポートするディレクトリ・プ

ラグインも含まれているため、2つの環境間でのパスワード同期化に伴うオーバー

ヘッドや潜在的なセキュリティ問題から解放されます。

柔軟性の高いパスワード・ポリシー: Oracle Internet Directoryでは、新しいパスワー

ド・ポリシー・オプションがサポートされます。さらに、Oracle Internet Directory

の新しいプラグインにより、顧客が実装できるサイト特有のパスワード・ポリシー

の数はほとんど無限になります。

パーシャル・レプリケーション: Oracle Internet Directoryでは、新しいレプリケー

ション・モデルがサポートされ、大規模なネットワーク構成のスケーラビリティ

とパフォーマンスを改善できます。

その他の機能: その他の新機能には、動的グループのサポート、Oracle Internet

Directory Self-Service Consoleの拡張、ディレクトリ・データとデータベース表の

容易な同期化、ユーザーIDを Oracle e-Business Suiteリリース 11iと同期化できる

機能などがあります。

OracleAS Single Sign-On

OracleAS Single Sign-On(SSO)は、すべてのWebアプリケーションのための共通

な認証モデルを提供します。

Page 47: Oracle Application Server 10otndnld.oracle.co.jp/products/ias/pdf/10g_904_NF_WP.pdfOracle Application Server 10g − 2新機能概要 Oracle Corporation発行「Oracle Application

Oracle Application Server 10g − 新機能概要

47

Oracle Corporation発行「Oracle Application Server 10g − New Features Overview」の翻訳版です。

マルチレベルの認証: SSOにより、1つ以上の認証メカニズムの確立、およびシン

グル・サインオン対応アプリケーションにユーザーが認証された方法を示すこと

ができます。アプリケーションは、この機能を利用して、ユーザーが認証された

方法に応じて付与する権限の度合いを変えることができます。たとえば、ユーザー

は、パスワードで認証された場合は部分的な権限しか取得できず、X.509v3のよ

うな強力な認証を使用した場合はより完全な権限を取得することができます。

OracleAS Certificate Authority

OracleAS Certificate Authority(OCA)は、Oracle Application Server 10g(9.0.4)の

新しいコンポーネントです。オラクル社やサード・パーティのソフトウェアで顧

客が X.509v3デジタル証明書を作成および管理できるようにして、オラクル社の

公開鍵インフラストラクチャ(PKI)の提供を完全なものにします。Certificate

Authorityは、標準に完全に準拠し、OracleAS Single Sign-Onおよび Oracle Internet

Directoryとシームレスに統合されています。使用と管理が簡単で、すぐに使用で

きる PKIソリューションを提供します。Oracle Certificate Authorityでは、Webベー

スの証明書管理だけでなく、XMLベースの構成も提供されます。また、Oracleプ

ラットフォームの ID管理インフラストラクチャ、高可用性および高スケーラビリ

ティを活用します。

Delegated Administration Services

Delegated Administration Servicesには、ディレクトリ・コンテンツ管理のための一

貫性のあるインタフェースを提供する 2つのツールセットがあります。管理ツー

ルは、アプリケーション管理委任をサポートし、エンド・ユーザー・ツールはパ

スワード、動作環境、ホワイトページの設定のような操作をサポートします。

インフラストラクチャを活用したコンポーネント・セキュリティの拡張

Oracle Application Serverでは、製品全体にわたって多数のセキュリティ拡張機能

が追加されています。

Oracle HTTP Server

Apacheの最新の最適化およびセキュリティ機能を組み込むために、Oracle HTTP

Server(OHS)では Apache(v1.3.28)が使用されています。さらに、OHSには次

のセキュリティ拡張機能が追加されています。

セッション再ネゴシエーションサポート: この機能により、個々のディレクトリ

を異なる強度の暗号化で保護し、ディレクトリごとに暗号化の強度設定を変える

ことができます。

nCipher社の SSLアクセラレーション・ハードウェアのサポート: F5、Cisco、

SonicWallなどの各社からのサード・パーティ SSLアクセラレーション・ソリュー

ションに加えて、Oracle Application Server 10g (9.0.4)は、Oracle HTTP Server(OHS)

やWeb Cacheを実行しているサーバー上に配置する nCipher社の BHAPI準拠ハー

ドウェアをサポートしています。SSL操作をソフトウェアで実行した場合、サー

バーCPUリソースに大きな負担がかかるため、スループットが減少し、全体的パ

フォーマンスが低下します。nCipher社のハードウェアは、サーバーの CPUから

SSLキー交換処理をオフロードするため、同時 SSL接続数が増加し、SSL保護さ

れたコンテンツに対する応答時間が短縮されます。nCipher社のnFastおよびnForce

Page 48: Oracle Application Server 10otndnld.oracle.co.jp/products/ias/pdf/10g_904_NF_WP.pdfOracle Application Server 10g − 2新機能概要 Oracle Corporation発行「Oracle Application

Oracle Application Server 10g − 新機能概要

48

Oracle Corporation発行「Oracle Application Server 10g − New Features Overview」の翻訳版です。

SSLアクセラレーション・デバイスは、Solaris 32ビット版、HP-UX 64ビット版、

Linux(Redhatおよび SuSe)およびWindowsの各プラットフォームで使用できま

す。nCipher社によると、いずれのデバイスも毎秒数百の同時 SSL接続をサポート

します。nCipher製品の詳細は、http://www.ncipher.com を参照してください。

ポート・トンネリング: Oracle9iAS Release 2(9.0.2)では、OHSと OC4J間でのルー

ティングのために、AJPプロトコルが導入されました。ファイアウォールの構成

には、特にファイアウォールの背後にある複数の OC4Jインスタンスがフロント

エンド OHSから転送されるような配置の場合には、複数のポートに関する知識が

必要でした。現在、これはポート・トンネリングを使用して簡素化され、OHSと

OC4Jの間のすべての通信は単一のポートで行われるようになっています。ポー

ト・トンネル・デーモンがリクエストを適切な OC4Jに転送します。したがって、

バックエンド OC4Jの数に関係なく、ファイアウォール全体で 1つのポートしか

オープンする必要はありません。

OHSから OC4Jへの SSLサポート: OHSと OC4Jの通信が AJP/SSLで行われるこ

とにより、OC4Jリクエストに対するエンドツーエンド・サポートを提供できます。

OracleAS Web Cache

クライアント・サイドの SSL証明書のサポート: Web Cacheは、PKIベースの認証

にクライアント・サイドの SSL証明書を必要とするアプリケーションをサポート

するようになりました。クライアント・サイドの証明書を必要とする HTTPSリク

エストの場合、クライアント・ブラウザは SSLハンドシェイク時にその証明書を

Web Cacheに送信します。キャッシュは、特別な HTTPリクエスト・ヘッダーに

挿入されたクライアントの証明書情報とともに、そのリクエストを Oracle HTTP

Server(OHS)に転送します。OHSは、ヘッダーを認識し、ユーザー証明書を認

証のために SSOに渡すことができます。

nCipherサポート: Web Cacheは、PKIベースの認証のためのクライアント・サイ

ドの SSL証明書を必要とするアプリケーションをサポートし、nCipherの SSLハー

ドウェア・アクセラレーションをサポートするようになりました。

Enterprise Integration

OracleAS ProcessConnectは、SSL暗号化、デジタル証明書およびデジタル署名な

どの堅牢でセキュアな通信機能を追加します。この製品は、安全が保証された配

信を 1回で確実に行い、エンドツーエンドの監査およびトレースを提供し、否認

防止をサポートします。デジタル資格証明管理用のOracle Wallet Managerもサポー

トします。

Oracle Workflow

Oracle Application Server 10g(9.0.4)では、Oracle Workflowは、デフォルトで SSO

対応になっています。ユーザーを Oracle Internet Directoryに格納することにより、

OracleAS Single Sign-Onテクノロジを使用して、すべてのユーザーを認証できます。

したがって、デフォルトのWorkflowディレクトリ・サービスは、Oracle Internet

Directoryに格納されているユーザーに基づいて行われます。

Page 49: Oracle Application Server 10otndnld.oracle.co.jp/products/ias/pdf/10g_904_NF_WP.pdfOracle Application Server 10g − 2新機能概要 Oracle Corporation発行「Oracle Application

Oracle Application Server 10g − 新機能概要

49

Oracle Corporation発行「Oracle Application Server 10g − New Features Overview」の翻訳版です。

Oracle Business Components forJ2EE

BC4Jには、J2EEセキュリティ標準(JAAS)を使用するアプリケーション・レベ

ルのセキュリティの実装に対するサポートが追加されました。

OracleAS Forms Services

OracleAS Forms Servicesは、OracleAS Single Sign-Onおよび Oracle Internet Directory

との統合で、エラー処理とパスワード有効期限の面で改善されています。

ソフトウェアのプロビジョニングとシステム管理

今日、IT関連企業は時間の 20%をソフトウェア・プロビジョニングに費やし、65%

をシステム管理に費やしています。自動化されたソフトウェア・プロビジョニン

グと自己管理システムにより、このコストを大幅に削減できます。Oracle

Application Server 10g(9.0.4)には、システム・プロビジョニング(インストール

と構成、ソフトウェア構成、ソフトウェア・ライフ・サイクル管理、ソフトウェ

ア・クローニング、ソフトウェアのパッチ適用とアップグレード、ソフトウェア・

タスク自動化)とシステム管理(アプリケーション・サービス・レベル管理、パ

フォーマンス改善)の両方の領域で多くの機能が導入されています。次の項では、

ソフトウェア・プロビジョニングとシステム管理に関連して導入された機能の一

部について説明します。

システム・プロビジョニング

Oracle Application Server 10g(9.0.4)では、インストール、構成、ソフトウェア構

成、ソフトウェア・ライフ・サイクル管理およびソフトウェア・クローニング・

プロセスに対して多くの新機能が導入されています。次のような拡張機能があり

ます。

自動サイレント・インストール: サイレント・インストールすなわち非対話型イ

ンストールは、XDisplay要件なしの実行が可能になりました。非対話型インストー

ルは、レスポンス・ファイルを使用してカスタマイズでき、グリッド上のコモディ

ティ・ハードウェアでアプリケーション・サーバーを多数配置するために使用で

きます。

Infrastructureなしでの Formsと Reportsのインストール: このリリースでは、Forms

サービスと Reportsサービスを単独でインストールできます。このインストールで

は Oracle Application Server Infrastructureが必要なく、Formsアプリケーションをグ

リッド環境に 2フェーズでアップグレードする場合に最適です。フェーズ 1では、

クライアント・サーバー・ベースの FormsアプリケーションをWebベースのアプ

リケーションにアップグレードすることにより、グリッド環境に移行します。

フェーズ 2では、SOA Infrastructureにより提供される Single Sign-Onサービスの使

用を選択できます。この機能は、Oracle Application Server 10g(9.0.4)のリリース

後まもなく、Oracle Application Server 10g CDセットの独立した CDで提供される

予定です。

堅牢な必要条件チェック: 100%自動化された必要条件チェックにより、Oracle

Application Server 10g(9.0.4)インストール・プロセスは、システム環境がすべて

の Oracle Application Serverシステム要件に適合することを保証します。重要な拡

張機能には、OSバージョン、OSパッチおよび、Linuxのための OSベンダー、カー

Page 50: Oracle Application Server 10otndnld.oracle.co.jp/products/ias/pdf/10g_904_NF_WP.pdfOracle Application Server 10g − 2新機能概要 Oracle Corporation発行「Oracle Application

Oracle Application Server 10g − 新機能概要

50

Oracle Corporation発行「Oracle Application Server 10g − New Features Overview」の翻訳版です。

ネル・バージョンと glibcバージョンチェック、ulimit、使用可能なメモリー、シ

ステム・パラメータ設定、ユーザーの適切な権限などに関するチェックがありま

す。

ポートのカスタマイズ: Oracle Application Server 10g(9.0.4)では、ユーザーは Oracle

Application Serverコンポーネントの使用するポートが指定できます。ユーザーが-

ポートを明示しない場合、インストーラが特定のポートの範囲内で矛盾のない

ポートを割り当てます。特定の Oracle Application Serverインスタンスにより使用

されるポートの全リストは、$ORACLE_HOME/installディレクトリにあります。

さらに、Oracle Enterprise Manager Application Server Consoleにより、インストール

完了後でもポートの変更ができます。

OracleAS Metadata Repositoryとしての既存の Oracle Databaseの使用: OracleAS

Metadata Repositoryでは、中間層コンポーネントのために、製品メタデータ、ID

管理、およびオプションで Databaseベースのリポジトリにより管理される Oracle

アプリケーション・クラスタの 3タイプのサービスが必要です。Oracle9iAS Release

2(9.0.2)で提供されていたシード・データベース・オプションの他に、この新し

いリリースでは、OracleAS Metadata Repository Creation Assistantと呼ばれる新しい

ツールが提供され、Metadata Repositoryを既存のOracle Database(バージョン 9.0.1.4

以降)にロードできます。すでに Oracle9iまたは Oracle 10gデータベースを使用

している場合、この機能は、その他のデータベース管理およびメンテナンスのオー

バーヘッドを削減するオプションも提供します。既存のデータベース(32ビット、

64ビット、SEまたは EEデータベース、スタンドアロンまたは RAC対応サーバー

など)は、OracleAS Metadata Repositoryがそのデータベースにロードされる前に

妥当性チェックが行われます。

OracleAS Metadata Repositoryデータベースのインストール・フェーズのカスタマ

イズ: Oracle Application Server 10g(9.0.4)では、OracleAS Metadata Repositoryイン

ストール時のデータベース構成は、より柔軟に行えます。ユーザーは、インストー

ル・プロセス中にOracleAS Metadata Repositoryに対するSID/Global Database Name、

システム・パスワード、キャラクタ・セット、データ・ファイルの位置をカスタ

マイズできます。

セキュアなモードでの Oracle Internet Directoryへのアクセス: 「Portal and

Wireless」または「Business Intelligence and Forms」インストール・オプションを選

択した場合、OracleASインストール・プロセスは Oracle Internet Directoryにアク

セスする必要があります。多くの場合、ディレクトリ・サーバーはファイアウォー

ルの背後にあるため、セキュアなアクセスが必要です。今回のリリースから、中

間層インストール時には、セキュアなポートまたはセキュアではないポートのど

ちらでも使用できます。

Identity Managementの分散インストール: このリリースには、OracleAS

Infrastructureで「Identity Management and Metadata Repository」、「Identity

Management」および「Metadata Repository」の 3つのインストール・オプションが

あります。一般に、開発環境では、大部分のユーザーがデフォルトの Identity

Management and Metadata Repositoryインストール・オプションを選択します。ファ

イアウォールの背後で Identity Managementをインストールおよび構成し、Oracle

Application Server中間層とその製品メタデータを別のホスト上の OracleAS

Metadata Repositoryに格納する場合には、Identity Managementのみのインストー

Page 51: Oracle Application Server 10otndnld.oracle.co.jp/products/ias/pdf/10g_904_NF_WP.pdfOracle Application Server 10g − 2新機能概要 Oracle Corporation発行「Oracle Application

Oracle Application Server 10g − 新機能概要

51

Oracle Corporation発行「Oracle Application Server 10g − New Features Overview」の翻訳版です。

ル・オプションとMetadata Repositoryのみのインストール・オプションを組み合

せます。これらのインストール・オプションにより、ハイエンドな配置環境要件

に対して開発者に幅広い選択肢が提供されます。

同じホスト上の複数の中間層を異なるファームに所属させる: 中間層インストー

ルでは、それぞれについて、Oracle Application Server Infrastructureインスタンスと

関連付け、ファームに所属させるかどうかを選択できます。以前は、同じホスト

上のすべての中間層インスタンスは常に同じファームに所属していました。今回

の新しい拡張機能により、ステージング環境と配置環境を同じマシンに置いたま

まで、互いに完全に独立して開発を続けることができます。

OracleAS Infrastructureのインストールと構成の高可用性: OracleAS Infrastructureは、

アクティブ・フェイルオーバー・クラスタおよびコールド・フェイルオーバー・

クラスタの 2つのハードウェア・クラスタ環境でインストールできます。アクティ

ブ・フェイルオーバー・クラスタ・インストールでは、インストール・プロセス

はユーザーにより選択されたすべてのノードで同一の構成を生成します。

構成ツールの拡張: Oracle Application Server構成ツールに多数の機能拡張が追加さ

れ、Oracle Application Server中間層および Infrastructureインストールの構成フェー

ズで大きな柔軟性と制御性を提供します。構成アシスタントツールは、以前より

わかりやすいログ・ファイルのエラー・メッセージを提供するとともに、構成ツー

ルの起動/再起動も行います。

その他のシステム構成サポート: Oracle Application Server 10g(9.0.4)は、今回、

DHCP(中間層と Infrastructureの両方に対する IPアドレス変更サポート、中間層

に対するホスト名変更サポート)、ネットワークのオン/オフ、NFS環境、DVD

メディアからのインストール、ファイアウォール・インストールの各環境の構成

をサポートするようになりました。

その他のインストール拡張: これらの拡張の他に、Oracle Application Server 10g

(9.0.4)では、多くの制限が排除されました。たとえば、/var/tmp要件、FQDN(完

全修飾されたドメイン名)要件、同じホスト上のすべてのインストールを同じユー

ザーが行う必要があるなどの制限です。

ソフトウェア自動化: Oracle Application Server 10g(9.0.4)は、中間層構成の保存、

バージョニングおよびクローニングの機能を提供します。

ソフトウェア・ライフ・サイクル・サポート: Oracle Enterprise Manager 10gは、Oracle

Application Server 10gに対する最新のパッチをダウンロードし、自動的に適用でき

ます。この機能により、他のメリットで説明してきた多くのセキュリティ関連の

新機能を保存できます。自動アップグレードアシスタントにより、Oracle

Application Serverソフトウェアの最新バージョンに簡単に移行できます。また、

Oracle Application Server 10gは、テスト段階から本番環境へのアプリケーションの

移行も完全にサポートします。

システム管理

Oracle環境全体のWebベースの一元管理コンソール: 新しい Enterprise Manager

のWebベースの Grid Controlでは、監視および管理の必要があるアプリケーショ

ン・サーバーなど、Oracleに管理される環境の完全なビューが提供されます。管

理コンソールの Oracle Application Serverホームページには、アプリケーション・

Page 52: Oracle Application Server 10otndnld.oracle.co.jp/products/ias/pdf/10g_904_NF_WP.pdfOracle Application Server 10g − 2新機能概要 Oracle Corporation発行「Oracle Application

Oracle Application Server 10g − 新機能概要

52

Oracle Corporation発行「Oracle Application Server 10g − New Features Overview」の翻訳版です。

サーバーについて理解しておく重要な情報が表示されます。たとえば、ステータ

ス、応答性、リソース使用率、コンポーネント、J2EEアプリケーション、重要な

アラートなどです。Oracle Application Serverインスタンスの各コンポーネントの

ステータスとパフォーマンスも簡単に表示できます。各コンポーネントの管理と

監視の機能は、管理コンソールに完全に組み込まれているため、Oracle Application

Server 10gのすべてのコンポーネント管理が簡単です。さらに、Grid Controlは、

コモディティ・ハードウェアの QOSを向上させるプロビジョニング機能、ポリ

シー・ベースのリソース管理機能およびジョブ・スケジューリング機能を提供し

ます。

アプリケーション・サービス・レベルの管理: リソース、ワークロード、アプリ

ケーション・サーバー、およびそのコンポーネント管理の他に、Grid Controlには、

アプリケーション・サービス・レベル管理の監視および管理機能もあります(図

16)。この機能により、複雑なWebアプリケーションの管理タスクが簡素になり

ます。また、トランザクションを監視する機能やエンド・ユーザーの作業環境を

視覚的に表示する機能も提供され、ボトルネックの特定により問題解決を促進し

ます。

図 16: アプリケーション・サービス・レベルの管理

アーカイブおよびコピーの構成: Oracle Application Server 10g(9.0.4)の新しいアー

カイブおよびコピー・ユーティリティでは、構成スナップショットを作成し、そ

れをアーカイブ(およびバージョニング)すること、または別の Oracle Application

Serverインスタンスにその構成を再適用できます。この機能により柔軟性が向上

するため、管理者は、以前の構成の復元およびアプリケーション・サーバー・イ

ンスタンスのミラー化を簡単に実行できます。

ポート管理の一元化: 新しい Ports Tableは、Oracle Application Serverインストール

ですべてのコンポーネントにわたり構成された様々なポートに関する情報を整理

統合し、ポートの構成を変更できる Enterprise Managerページへのリンクを提供し

ます。Ports Tableページでは、様々なコンポーネントにより使用されるポートの

関係および依存関係に関するヒントと詳細なヘルプも提供されます。

事前構成されたデフォルトのパフォーマンス・メトリック: Enterprise Managerは、

Oracle Application Server 10g(9.0.4)のデフォルト管理性を大幅に改善します。重

Page 53: Oracle Application Server 10otndnld.oracle.co.jp/products/ias/pdf/10g_904_NF_WP.pdfOracle Application Server 10g − 2新機能概要 Oracle Corporation発行「Oracle Application

Oracle Application Server 10g − 新機能概要

53

Oracle Corporation発行「Oracle Application Server 10g − New Features Overview」の翻訳版です。

要なパフォーマンス監視機能はアプリケーション・サーバーに組み込まれ、

Enterprise Managerが Oracle Application Serverおよびそのコンポーネントを継続的

に監視します。主要なパフォーマンス・メトリックのしきい値が事前に設定され

ているため、問題の発生と同時に感知できます。通知は、電子メールで送信、あ

るいは SMSページング・デバイスに送信することもできます。各メトリックのし

きい値をカスタマイズすることも可能です。しきい値に対しては、特定の値を指

定すること、またはベースラインを使用することができます。ベースラインとは、

仕様に基づいてインスタンスが動作している間の Oracle9iASインスタンスのパ

フォーマンス・スナップショットです。このベースラインの値からのパーセンテー

ジ偏差として、しきい値を指定できます。

セントラル・ログ・ビューアによる診断の拡張: 新しい Log Viewerでは、Oracle

Application Serverログ情報の位置検索と表示のプロセスが簡素化されました。こ

れには、OC4J、OracleAS Web Cache、Oracle HTTPサーバーおよび OracleAS Portal

により生成される診断ログが含まれます。単一の HTMLインタフェースにより、

検出されたログのリストが提供されます。どのログでも表示および検索が可能で

す。Log Viewerは、Oracle Application Serverの主要なコンポーネントについて、

ログ・エントリのリポジトリを構築します。このリポジトリを Log Viewerから問

い合せることにより、操作情報および診断情報に迅速にアクセスできます。Log

Viewerは、Application Serverの Enterprise Managerコンソールに不可欠なコンポー

ネントとして提供されます。

Web Cache診断の拡張: Oracle9iAS Release 2(9.0.2)では、Web Cache監視ページ

により、OracleAS Web Cacheで使用されるすべてのソースWebサーバーに関する

整理統合された多数のメトリックが提供されています。Oracle Application Server

10g(9.0.4)では、関係するそれぞれのWebサーバーのWeb Cacheパフォーマン

ス・メトリックの明細を提供するように、この診断情報が強化されます。OracleAS

Web Cache監視も、現在キャッシュされていない人気の高いWebドキュメントに

関する情報の提供が強化されます。管理者は、この貴重な情報を使用して、人気

の高いドキュメントをキャッシュできるようにWeb Cacheルールを調整し、アク

セスを高速化できます。

Java Message Serviceの管理: アプリケーション・コンポーネント間でデータを非

同期でやり取りする目的で Java Message Service(JMS)を使用するように、J2EE

アプリケーションを構成できます。OC4Jコンテナ内のアプリケーションが使用で

きるすべての JMSプロバイダに関する情報を提供することにより、OC4J管理イ

ンタフェースは JMSをより利用しやすくします。管理者は、このページから JMS

プロバイダの追加、編集または削除も行えます。

Message Driven Beanの構成と監視: Oracle Application Server 10g(9.0.4)では、OC4J

管理インタフェースにより、新しいMDBプロパティ・ページや、アプリケーショ

ンの配置中に参照されたMDBリソースの表示などの機能により、Message-Driven

Bean(MDB)をさらに簡単に構成および監視できます。

より容易になった J2EEデータ・ソースの構成: 既存の構成済データ・ソースに基

づいて新規データ・ソースを作成する機能を提供する、新しい Create Like機能が

OC4J管理インタフェースに追加されました。

Page 54: Oracle Application Server 10otndnld.oracle.co.jp/products/ias/pdf/10g_904_NF_WP.pdfOracle Application Server 10g − 2新機能概要 Oracle Corporation発行「Oracle Application

Oracle Application Server 10g − 新機能概要

54

Oracle Corporation発行「Oracle Application Server 10g − New Features Overview」の翻訳版です。

管理と監視の拡張: Oracle Application Server 10g(9.0.4)には、環境構成の管理、

構成ファイルのトレース、新しいランタイム事前開始機能のサポートなど、新し

い Forms管理機能が導入されています。監視機能の拡張には、起動と停止のトレー

ス、トレース出力のライブ表示、および EMコンソールでの基準に基づくプロセ

ス検索の機能があります。

結論

オラクル社のグリッド・コンピューティング・アーキテクチャのみが、短期的お

よび長期的効果を実現します。Oracle 10gインフラストラクチャ・ソフトウェアが、

今日のエンタープライズ・グリッド・コンピューティングの活用を可能にしまし

た。これは、実装に何年もかかる大規模なパラダイム移行ではありません。実際、

企業は、最小限の投資で、業務に支障を来たすことなく、グリッド・テクノロジ

の導入に着手でき、短時間で投資を回収することが可能です。

Oracle Application Server 10gは、グリッド・コンピューティングのアプリケーショ

ン開発と配置の両方のニーズに応える堅牢な基盤を提供します。Oracle Application

Server 10g(9.0.4)には、全体的な運用コストの削減をめざす多数の拡張機能が導

入されています。

Page 55: Oracle Application Server 10otndnld.oracle.co.jp/products/ias/pdf/10g_904_NF_WP.pdfOracle Application Server 10g − 2新機能概要 Oracle Corporation発行「Oracle Application

Oracle Application Server 10g (9.0.4) − 新機能概要 2003年 9月 著書: Pavana Jain Oracle Corporation World Headquarters 500 Oracle Parkway Redwood Shores, CA 94065 U.S.A. 海外からのお問合せ窓口: 電話: +1.650.506.7000 ファックス: +1.650.506.7200 www.oracle.com Copyright © 2003, Oracle. All rights reserved. この文書はあくまで参考資料であり、掲載されている情報は予告なしに変更されることがあります。 オラクル社は、本ドキュメントの無謬性を保証しません。また、本ドキュメントは、法律で明示的または暗黙的に記載

されているかどうかに関係なく、商品性または特定の目的に対する適合性に関する暗黙の保証や条件を含む一切の保証

または条件に制約されません。オラクル社は、本書の内容に関していかなる保証もいたしません。また、本書により、

契約上の直接的および間接的義務も発生しません。本書は、事前の書面による承諾を得ることなく、電子的または物理

的に、いかなる形式や方法によっても再生または伝送することはできません。 Oracleは、Oracle Corporationの登録商標です。その他の名称は、それぞれの所有者の商標です。