oracle private db cloud infrastructure for sap · pdf fileoracle...

88
No. 23 Oracle for SAP, 2014年5月 www.oracle.co.jp/sap Oracle SAP for ® ® T E C H N O L O G Y U P D A T E Oracle Private DB Cloud Infrastructure for SAP Customers 日本語版

Upload: vuxuyen

Post on 05-Feb-2018

230 views

Category:

Documents


4 download

TRANSCRIPT

Page 1: Oracle Private DB Cloud Infrastructure for SAP · PDF fileOracle Databaseを選択する6つの理由と、なぜSAP顧客にとってOralce Exadata Databese Machine ... Clusters(RAC)、Oracle

No. 23 Oracle for SAP, 2014年5月www.oracle.co.jp/sap

Oracle SAPfor® ®

T E C H N O L O G Y U P D A T E

Oracle Private DB Cloud Infrastructure for SAP Customers

日本語版

Page 2: Oracle Private DB Cloud Infrastructure for SAP · PDF fileOracle Databaseを選択する6つの理由と、なぜSAP顧客にとってOralce Exadata Databese Machine ... Clusters(RAC)、Oracle

Please download current version of the Oracle for SAP Technology Update No. 23

www.oracle.com/sap

Hardware and Software

Engineered to Work Together

C O N T E N T S

3 ご挨拶 SAP顧客の皆様へ

4 オラクルのSAP向けエンジニアド・システム: OracleのインフラによるSAPランドスケープの最適化

6 SAP顧客向けのOracle Exadata Database Machine

11 SAP顧客向けのOracle Exadata Start-Up Pack

13 Oracle Virtual Compute Appliance(OVCA)

16 SAPで認定されたOracle Database Appliance

18 SAP顧客向けのOracle SuperCluster

23 SAP NETWEAVER 7で認定されたOracle Exalogic Elastic Cloud

27 SAP環境向けのオラクル・セキュリティ・ソリューション - 全体的なアプローチ

35 Q&AOracle Databaseを選択する6つの理由と、なぜSAP顧客にとってOralce Exadata Databese Machineが統合およびパフォーマンスに最高のプラットフォームであるか、

ゲルハルト・カップラー氏(オラクル・コーポレーション(米国)、SAPアプライアンス担当副社長)が説明します。

38 SAPで認定されたOracle Database Appliance

44 Oracle Database 12c: Oracle Mult itenant

46 Oracle Database 12c: 情報ライフサイクル管理

49 Oracle Database 12c: インメモリー・オプション

55 ACCENTUREが、SAP顧客向けにOracle Exadata Database Machine実装サービスを提供

56 Oracle Exadata Database Machineを導入するSAP顧客が世界中に広がっている理由

58 Oracle Exadata X3-2 Database Machineで稼動する、LG FASHIONのSAP ECC

60 CHINA MENGNIU DAIRY COMPANYのOracle Exadata Database Machine for SAP: エンジニアリングおよび統合システムによる多くの利点

62 SAP NETWEAVER BUSINESS WAREHOUSE向けのOracle Exadata Database Machineでデータベース・パフォーマンスを10倍から20倍向上させたRAIFFEISEN INFORMATIK CENTER STEIERMARK

64 エンジニアド・システムに統合されたデータベースでビジネス・レポートの作成を50%改善し、コストも削減したGODFREY PHILLIPS INDIA

66 Oracle SuperClusterソリューションを使用した飛躍

69 Oracle SuperClusterを使用するSAPアウトソーシングの顧客とATOSが手に入れる多くのメリット

72 SAPデータ・ストレージの厳しい要求があるビジネスに役立つ、Oracle ZFS Storage Appliance

77 SAP用Oracle Sun ITインフラの重要な情報(ストレージ、システム、OS、仮想化および管理)

78 100%仮想化されたエンタープライズ・アプリケーション環境を使用するCACAU: 1,300のフランチャイズ加盟店のサービスおよび販売管理を改善

80 Oracle Advanced Customer Services for SAP

84 Oracle Solution Centerによる「SAP ON ORACLE」ソリューションの検証

86 Oracle DB および ES for SAP 関連ノート

Page 3: Oracle Private DB Cloud Infrastructure for SAP · PDF fileOracle Databaseを選択する6つの理由と、なぜSAP顧客にとってOralce Exadata Databese Machine ... Clusters(RAC)、Oracle

3

S A P 顧 客 の 皆 様 へ

Oracle provides a complete IT database and infrastructure stack to run SAP applications

Hardware and Software Engineered to Work Together.

 オラクルは、データベース、ビジネス・ソフトウェア、オペレーティング・システム、サーバー、ストレージなど、世界でもっとも完全でオープンな、統合されたテクノロジ・スタックを提供します。オラクルのテクノロジがSAPアプリケーションの動作を向上させます。

 オラクルとSAP AGは、26年にわたり数万の共通の顧客サービスへの取り組みを続け、長年のリセラーおよび顧客サポート契約を締結しています。この契約は、Oracle Databaseテクノロジへのアクセス機能を拡張し、グローバル・レベルの顧客サービスを提供します。オラクルの製品戦略は、ITインフラストラクチャ全体に柔軟性と選択肢を提供します。中規模から大規模のSAPシステムを運用する、あらゆる業種のSAP顧客の大多数が、自社のアプリケーションをOracle Databaseに委ねています。SAPアプリケーションを稼動させている企業は、メジャーな、あらゆるオペレーティング・システムでOracle Databaseを使用しています。また、SAP Business Suiteは、業界のあらゆるデータベースの完全なサポートと最適化を促進し、開示と革新に対する私たちの継続的な取り組みを明確に示しています。*

 オラクルのエンジニアド・システムは、業界で比類ないクラス最高のエンタープライズ・パフォーマンス・レベルを実現するために最適化されています。本番までの時間は、事前に設計され組み込まれたハードウェアとソフトウェアのバンドルを実装することにより達成され、単一ベンダーによるインフラ・スタックは、IT環境の購入、配置、サポートに関連するコストを簡素化し削減します。

 Oracle Exadata Database Machineは、すべてのSAPデータベースおよびSAP以外のデータベースをプライベート・データベース・クラウド環境に統合します。この環境により、プライベート環境でOracle Database Cloudを実行するための最高のパフォーマンスと高可用性のプラットフォームが提供されます。オラクルの業界標準のハードウェア、インテリジェント・データベースおよびストレージ・ソフトウェアを使用して構築されたExadata Database Machineは、オンライン・トランザクション処理(SAP ECC 6.0など)、データ・ウェアハウス(SAP BW 7.0以上など)、複雑なワークロード統合(SAP、SAP以外)など、あらゆる種類のデータベース・ワークロードに対して最高のパフォーマンスを実現します。簡単に短時間で実装できるExadata Database Machineは、最大規模の最重要データベース・ワークロードにただちに対応し、特殊な状況以外では、アプリケーションを10倍以上の速度で実行します。そのため、このマシンを配置するSAP顧客が急増しています。

 Oracle SuperClusterは、新しいSPARCプロセッサの演算能力、Oracle Solaris 11のパフォーマンスとスケーラビリティ、Oracle Exadataストレージの最適化されたデータベース・パフォーマンス、Oracle Exalogic Elastic Cloudの加速されたミドルウェア処理を6.40以降のSAPカーネルで統合する最初の汎用エンジニアド・システムです。SAP SuperClusterの顧客は、Solaris 10と11を混在させることができ(ゾーン・サポート)、SAPの古いバージョンが必要な場合には、既存のSAN環境を使用できます。

 オラクルは、SPARC M6およびT5サーバーのポートフォリオの完全なリフレッシュと拡張により、エンタープライズ・コンピューティングの経済性を再定義し、最高の価格/パフォーマンスで業界最大の価値を提供します。

 Oracle Virtual Compute Appliance(OVCA**)は、顧客のイントールを徹底して簡素化するエンジニアド・システムです。

 Oracle Database Applianceは、世界でもっとも利用されているデータベース - Oracle Database 11g - を単一システムとして活用する新しい方法です。しかも配置も管理も非常に簡単です。これはソフトウェア、サーバー、ストレージ、高可用性、ネットワークの完全なパッケージで、簡素化を目的に設計されています。つまり、配置、メンテナンス、およびデータベース・ワークロードのサポートを簡素化することにより、時間と費用を節約します。

 Oracle Linux 6は、SAPインフラ・コンピューティング・ニーズに応えるOracleの最新のLinuxバージョンです。高速で信頼性が高い上、SAP環境のOracle Da-tabaseのために最適化されています。SAPに対する最高のパフォーマンスの実現、顧客への最新の技術の提供、データ整合性、より強固なセキュリティ、アプリケーション稼働時間を改善します。

 Oracle VM Server for x86は、無償のサーバー仮想化ソリューションで、SAPおよび他のエンタープライズを容易に配置、管理、サポートします。

 ドイツ、ワルドルフのSAP AGのOracle開発チームは継続してSAP開発者と連携し、SAP顧客が常に最新の最適化されたOracleテクノロジ、確実なパフォーマンス、信頼性および技術革新にアクセスできるようにしています。Oracle Database 12cは、SAPアプリケーションをサポートする予定です。現在SAPは、次のOracle Database 12cのオプションをテストしています。Oracle Multitenant、Information Lifecycle Management(ILM) / Automatic Data Optimization

(ADO)、Hybrid Columnar Compression(HCC)、そしてDatabase In-Memoryです。

 Oracle for SAP Service & Supportチームが提供するAdvanced Customer Services(ACS)には、Assisted Services Engagements(ITインフラの分析/拡張およびSAP Readiness Service)を含め、ヘルス・チェック、ワークショップ、データベース移行、パフォーマンス、チューニングおよびACS Oracle Solaris Services for SAP Environmentsなどがあります。

詳細、この冊子およびバックナンバーについては、次のサイトを参照してください。 www.oracle.co.jp/sap ご意見、ご質問は、次のアドレス宛にお寄せください。saponoracle_ [email protected]

*http://global.sap.com/corporate-en/news.epx?PressID=20221を参照してください。

**2014年9月に認定されました。

Sincerely,

ゲルハルト・カップラー SAPアプライアンス担当副社長 オラクル・コーポレーション(米国)

Page 4: Oracle Private DB Cloud Infrastructure for SAP · PDF fileOracle Databaseを選択する6つの理由と、なぜSAP顧客にとってOralce Exadata Databese Machine ... Clusters(RAC)、Oracle

4

オラクルのSAP向けエンジニアド・システム: OracleのインフラによるSAPランドスケープの最適化

サーバー、ストレージ、ネットワーク、オペレーティング・システム、データベース、ミドルウェアのすべての順序付け、構成、インストール、テスト、メンテナンスを継続的におこなう必要があるため、SAPランドスケープは複雑さを増しています。このため、SAPの配置と運用は、時間が必要な複雑なプロセスになる可能性があります。また、パッチ処理、ソフトウェアの更新、ハードウェアの追加により、SAPランドスケープを最新の状態に保つには、多くの熟練した人材とトレーニングが必要です。オラクルのSAP向けエンジニアド・システムは、ランニングコストが低く合理化されたインフラに、より多くのサービスを素早く配置する経験豊かなITマネージャを支援するシステムです。

オラクルのSAP向けエンジニアド・システム26年以上にわたり、企業は業務に不可欠なSAP環境を最新のOracleソフトウェアに委ねてきました。今日、オラクルの統合されたインフラストラクチャ・スタック(サーバーとストレージ、オペレーティング・システム、データベース・ソフトウェア、ミドルウェア、ネットワーキング、および組込みの仮想化機能で構成)は、SAPアプリケーションに最適化され、即応性とパフォーマンスを実現しています。現在、この統合されたスタックは、事前に統合、テスト、構成がおこなわれエンジニアド・システムのファミリとして利用でき、データ・センターの業務の簡素化やSAP環境の迅速

で簡単な配置を通して、ビジネス革新を加速します。

Oracle Exadata Database Machine データ・ウェアハウス、OLTP、および負荷が混在するデータベース・アプリケーションで最高のパフォーマンスを実現するように設計されたOracle Exadata Database Machineは、設置してすぐに使用できます。このシステムには、必要なすべてのソフトウェア(Oracle Database、Oracle Database Real Application Clusters(RAC)、Oracle Grid Infrastructure、Oracle ASM、管理ツール)が事前設定されています。ストレージ・サーバーは、InfiniBandスイッチとイーサネット・スイッチを使用して、あらかじめラックにケーブルで固定されています。工場で統合とテストを完了したOracle Exadataパッケージは完全な状態で納品されます。そのため、配置までの期間が時には数か月も短縮されます。データベースの使用と統合に特化して設計された、Oracle Exadata Database Machineの中心は、Oracle Database 11gソフトウェア、Oracle Exadata Storage Serverとソフトウェアです。ストレージ・サーバーは、既存アーキテクチャの限界を克服して、データベース・サーバーとストレージ間のデータ帯域幅を

大幅に拡大します。さらに、Exadata Smart Scan、Exadata Smart Flash Cacheなど革新的なExadataテクノロジは、データベース処理を加速し、SAPアプリケーションのI/O操作を高速化します。 SAPセントラル・サービス(メッセージおよびエンキュー・サーバー)とデータベースを同じマシンで実行できるため、システム稼働と同時に高可用性が即座に実現します。十分にスケーラブル、セキュア、冗長化されたOracle Exadata Database Machineは、SAPにより認定およびサポートされ、SAPアプリケーションに理想的なサービスとしてのデータベース・プラットフォームを提供します。向上したアプリケーション・パフォーマンス、容易なワークロード管理、データ・センターの効率改善、配置までの時間の短縮により、企業はリアルタイムで、より低コストで的確な意思決定ができます。

Oracle Exalogic Elastic Cloud Oracle Exalogic Elastic Cloudは、セキュアでミッション・クリティカルなプライベート・クラウド基盤を構築するために特別設計された、世界初のエンジニアド・システムです。Oracle Exalogic Elastic Cloudは、スケーラビリティに事実上の制限がなく、卓越した性能と初めて実現された簡素な管理に特徴があります。Oracle Exalogic Elastic Cloudは、小規模な部門アプリケーションから最大規模のもっとも要求の厳しいSAPアプリケーションまで対応する、アプリケーションの理想のプラットフォームです。計算集中型のワークロード用に調整され、組込み/構成済みのExalogicの各システムには、完全に統合されたホットスワップ可能なx86演算ノード、高性能のZFS Storage Appliance、広帯域幅のインターコネクト・ファブリックとスイッチが含まれています。システム全体が超高速の高スループットのインターコネクトで接続され、高いスケーラビリティ、弾力性および冗長性を持つ単一の大規模なコンピュータになります。システムはI/Oファブリックを活用し、標準的なアプリケーション・サーバー構成よりも10倍速いパフォーマンスを提供します。様々なセキュリティ、信頼性、性能、およびサービス・レベルの要件を持つ何千ものアプリケーションを単一のExalogicシステムで実行できるため、SAPアプリケーション統合に理想的なプラットフォームです。また、Oracle Databaseを実行するOracle Exadata Database Machineと併用すると、理想的な専用システムの基盤になります。Virtual Exalogicは、SAPをはじめ、あらゆるアプリケーションを仮想環境で実行する柔軟性を実現します。

Page 5: Oracle Private DB Cloud Infrastructure for SAP · PDF fileOracle Databaseを選択する6つの理由と、なぜSAP顧客にとってOralce Exadata Databese Machine ... Clusters(RAC)、Oracle

5Oracle Engineered Systems for SAP Customers

Oracle Database ApplianceOracle Database Applianceは、完全な冗長性を持つ、統合されたデータベース・アプライアンス(ソフトウェア、サーバー、ストレージ、ネットワーキング)で、ボタン1つの操作でインストール、パッチ処理、診断を提供します。完全なワンボックスのOracle RAC(データベース・クラスタ)は、Oracle Database 11g Enterprise Editionとともに出荷され、インストール済みのOracle Real Application Clusterが、SAPアプリケーションの高可用性データベース・サービスをサポートします。メンテナンスは簡単です。1回のパッチ操作ですべてのファームウェアとソフトウェアが適用されます。Database Applianceのために特別に設計され、オラクルによりテストされたパッチが使用されます。最大18TBのデータを統合できるため、中規模の企業および部門別システムに最適です。

Oracle SuperCluster T5およびOracle SuperCluster M6 Oracle SuperCluster T5-8またはSuperCluster M6-32では、オラクルの複数の技術革新、つまり次世代のSPARC T5およびM6サーバーの演算能力、Oracle Solaris 11のパフォーマンスとスケーラビリティ、Oracle Database 11gの最適化されたデータベース・パフォーマンス、Exadataストレージ、Oracle Exalogic Elastic Cloudの高速なミドルウェア処理を組み合せて、汎用エンジニアド・システムを構成し、基幹業務用のSAPアプリケーションに高可用性を提供します。 多数のデータベースとアプリケーションを単一システムで実行できます。データ圧縮、問合せ、OLTPの応答時間、およびJavaミドルウェアのパフォーマンスが即座に改善され、その利点を活用できます。 Oracle SuperClusterは、SAPの汎用システムとして、システムにインストールされたSAP Central Instance、Central Serviceおよびデータベース・ソフトウェアと適合されています。事前にテストされたシステムはすぐに使用でき、企業はSAPサービスを数日の間で配置できます。 統合されたSAPアプリケーションは、オラクルの統合された仮想化テクノロジを介して、Oracle Solaris 10とOracle Solaris 11が混在する環境でも実行できます。さらに、Oracle SuperClusterはSAPより認定およびサポートされ、ベスト・プラクティスの配置、継続的なフル・スタックおよびパッチのテストなどを含む、Ora-cle Optimized Solution for SAPとして提供されます。

Oracle Virtual Compute Appliance(OVCA) Oracle Virtual Compute Applianceは、ソフトウェアで定義された「wire-once(配線は一度のみ)」の統合されたインフラストラクチャ・システムで、ハードウェアとアプリケーション・ソフトウェアの迅速な導入を目的に設計されています。Oracle Virtual Compute Applianceは、Linux、Oracle Solaris、Microsoft Win-dowsに限らず、集中管理されたサーバー、ネットワーク、ストレージ環境でホストされるOSを幅広くサポートし、中規模から大規模なデータ・センターのSAPアプリケーションなどのように、汎用性が高くミッション・クリティカルな業務アプリケーションの配置を可能にします。高パフォーマンスで待機時間の短いOracle Virtual Networkingのファブリック・インターコネクトを、Oracle SDNソフトウェアとともに使用すると、サーバーとストレージ・ネットワークの構成が自動化できます。すべてのインフラストラクチャ・コンポーネントは、Oracle Virtual Compute Applianceに組み込まれたコントローラ・ソフトウェアにより、ボタンひとつで自動的にインストール、構成、管理されます。ユーザーは、基本的な構成パラメータの入力、VMを手動、またはテンプレートやアセンブリを利用した構築をするだけで、わずか数時間で完全なアプリケーションを稼働することができます。

Oracle VMでのSAPの実行で、現在Oracle Virtual Compute Applianceが認定されました。顧客はハードウェアとソフトウェアの仮想化環境全体で、オラクルが誇るサポート部門の支援をシングル・ポイントで利用できます。

ネットワーク帯域幅、アクセス、データの肥大化と言った課題を抱えるビジネス・クリティカルなアプリケーションを対象に構築およびチューニングされたオラクルのエンジニアド・システムは、SAPインフラを最適化し、操作の向上に役立つ多数のオプションを提供します。SAPランドスケープ内部に1つ以上のOracleのエンジニアド・システムを配置すると、より堅固なインフラ、パフォーマンスの向上、効率と使用率の向上、アプリケーションとデータベースの統合による管理の簡素化、総所有コストの改善を得ることができます。

Page 6: Oracle Private DB Cloud Infrastructure for SAP · PDF fileOracle Databaseを選択する6つの理由と、なぜSAP顧客にとってOralce Exadata Databese Machine ... Clusters(RAC)、Oracle

6

Oracle Exadata Database Machineは、SAPより2011年6月10日に認定されSAP Business Objects 4.xおよびSAP NetWeaver 7.0以上で使用できます。SAP ERP 6.0、SAP BW 7.x、SAP CRM 7.xのような、SAP NetWeaver 7.xがベースのSAP製品すべてを含みます(完全なリストは、http://www.service.sap.com/PAMを参照してください)。

Oracle Exadata Database MachineはSAPソリューションを簡単に配置できます。使用可能な最高レベルのデータベース・パフォーマンスを提供するOracle Databaseをホストします。Exadata Database Machineは、「ワンボックスのクラウド」としてデータベース・サーバー、Oracle Exadata Storage Server、ストレージ・ネットワーキングのためのInfiniBandファブリック、およびOracle Databaseのホストに必要なすべてのコンポーネントで構成され、オンライン・トランザクション処理(SAP ERP 6.0)、データ・ウェアハウス(SAP BW 7.x)および複雑なワークロード統合のために優れたI/OおよびSQL処理パフォーマンスを実現します。Real Application ClustersとExadataストレージを使用した大規模パラレル・グリッドを活用すると、あらゆる種類のデータベース・アプリケーションに最高のパフォーマンスを提供します。 使いやすく管理も簡単なデータベース・マシンとExadataストレージは、リニアなI/Oスケーラビリティによりブレークスルー・パフォーマンスを提供し、ミッション・クリティカルな可用性と信頼性を実現します。

SAP顧客は、SAPアプリケーションを変更なしで実行するExa-dataにデータベースを簡単に移行できます。Exadataへの移行

(Oracle LinuxまたはOracle Solaris上のDBサーバー)の容易さは、移行まで使用していたソース・プラットフォームによりますが、同種または異種OSプラットフォームの移行と変わりません。移行は、ソース・プラットフォームと移行ツール(R3Load、RMAN複製データベース、RMANトランスポータブル表領域またはO2O/Triple-O)によって、オンラインまたはオフラインで実行できます。詳細は、scn.sap.community/oracleを参照し、Oracle

Engineered Systemsを確認してください。

アプリケーションに対する透過性、Oracle Database 11g R2、RACなどの実績あるテクノロジによる実行、システム統合の試行錯誤、既存の人材とスキルの活用、迅速なデータベース問合せの実行(多くの時間が必要な、大きくて複雑なInfocubes、問合せ、トランザクション)、管理時間の短縮、簡単になるパッチ処理、稼働時間の長さ、そのどれをとってもExadataがSAP顧客に与えるメリットは明白です。Exadataは、SAP顧客で実証済みのすぐに使用できる高可用性と障害時リカバリを提供します。プラットフォームとデータベースを集約し、電力および冷却の消費量を削減します。そして一番大事な点ですが、Oracle Exadataは単一のベンダー、バンドル済みOS、RDBMSパッチ・セットで構成されています。つまり、複数ベンダーの調整に悩まされることがなくなります。

柔軟な3層アーキテクチャにより、SAPインスタンスを実行するハードウェアとオペレーティング・システムを任意に組み合せ、Oracle Exadata Database Machineとともに使用できます。たとえば、Oracle Exadata Database Machineに対して、AIX、HP-UX、LinuxまたはSAP認証済みの他のプラットフォームでSAPアプリケーションを実行できます。柔軟な構造のレイヤーは変更する必要がありません。既存のSAP環境にOracle Exadata Data-base Machineを簡単に導入できます。

SAP Instances

SAPアプリケーションとOracle Exadata Database Machine

SAP Instances

Presentation Application Database onExadata

SAP Instances

SAP Instances

SAP ECC 6.0

SAP BW 7.x

SAP CRM 7.x

SAP顧客向けのOracle Exadata Database Machine

Page 7: Oracle Private DB Cloud Infrastructure for SAP · PDF fileOracle Databaseを選択する6つの理由と、なぜSAP顧客にとってOralce Exadata Databese Machine ... Clusters(RAC)、Oracle

7

データベース・サーバーで動作するデータベース・インスタンスに加え、顧客は、Oracle ClusterwareをベースにしたSAPCTLでデータベース・ノード側でSAP Central Serviceの可用性を高めることができます(ただし、ユニコードのSAPシステムの場合に限定されます)。すでにSAP Central Servicesにデータベース・クラスタ以外の別のクラスタを使用している環境で、Oracle Exadata Database Machineを導入する場合は、SAP Central Servicesに使用するクラスタはそのまま継続して使用できます。また、Exa-dataデータベースでは、BR*Toolsも同様に動作するようサポートされています。

データベースの移行方法は、ホワイト・ペーパー『Oracle Exada-ta Database Machineで稼動するSAP NetWeaverベスト・プラクティス・ガイド』で説明しています。scn.sap.community/oracleを参照し、Oracle Engineered Systemsを確認してください。実際に、データベースのExadataへの移行は、すでに詳しく説明したASM(自動ストレージ管理のファイル・システム)の移行と違いはありません。

Oracle Exadata Database Machineはソリューションを簡単に配置できます。使用可能な最高レベルのデータベース・パフォーマンスを提供するOracle Databaseをホストします。Exadata Database Machineは、データベース・サーバーで構成される「ワンボックスのクラウド」です。

Oracle Exadata Database Machineは、配置と同時にすぐに使用できる事前設定されたシステムです。これまでのデータベース配置プロセスに必要だった統合作業、コスト、時間が大幅に削減されます。Exadataのよく知られた構成では、Oracle Supportが提供するサービスに精通しているため、優れたサポート・エクスペリエンスを得ることができます。OLTP、OLAP、またはこれらの組合せを含むさまざまなアプリケーション向けにデータベースを配置する場合や、複数のデータベースの統合プラットフォームとして使用する場合に、共通のインフラというメリットによってデータ・センターの効率化に大きな機会が創出されます。まさに、

「ワンボックスのクラウド」です。

Oracle Exadata Database Machine for SAP Customers

Page 8: Oracle Private DB Cloud Infrastructure for SAP · PDF fileOracle Databaseを選択する6つの理由と、なぜSAP顧客にとってOralce Exadata Databese Machine ... Clusters(RAC)、Oracle

8

Exadata Database Machineには2つのバージョンがあります。• Oracle Exadata Database Machine X4-2は、あらゆるアプ

リケーション要件に対応できるよう、Eighth Rack、Quarter Rack、Half Rack、およびFull Rackの構成を用意しており、要件の変化に合せて簡単に拡張できます。Full Rackは、8台の2ソケット・データベース・サーバーと14台のOracle Exadata Storage Server、InfiniBandスイッチ、44テラバイトを超えるExadata Smart Flash Cacheで構成され、きわめて高速なトランザクションのレスポンス時間と高いスループットを実現しています。

詳細は、次のデータ・シートを参照してください。 http://www.oracle.com/jp/products/servers-storage/sun-oracle-database/exadata-dbmachine-x4-2-ds-

2076448-ja.pdf

• Exadata Database Machine X4-8は、大量のデータを要するデータベース配置向けに設計されており、オンライン・トランザクション処理(SAP ECC 6.0など)、データ・ウェアハウス(SAP BW 7.0以降など)、複合ワークロードの統合を含むすべてのアプリケーションに、卓越したパフォーマンスとスケーラビリティをもたらします。2台の8ソケット・データベース・サーバーと14台のOracle Exadata Storage Server、InfiniBandスイッチ、44テラバイトを超えるExadata Smart Flash Cacheで構成され、きわめて高速なトランザクションのレスポンス時間と高いス

ループットを実現しています。

詳細は、次のデータ・シートを参照してください。

http://www.oracle.com/jp/products/database/exadata/exadatax4-8datasheet-2243041-ja.pdf

Exadata Storage ServerExadata Storage Serverでは、Exadata Storage Server Soft-wareが実行され、Smart Scan、Smart Flash Cache、Smart Flash Logging、IO Resource Manager、Storage Indexes、Hybrid Columnar Compressionなど、Database Machine独自の強力なExadataソフトウェア・テクノロジーが提供されます

(Hybrid Columnar Compressionは、まだSAPに認定されていません)。Exadata Storage Serverのハードウェア・コンポーネント(別名Exadataセル)は、高パフォーマンスのデータベース処理要件を満たすために慎重に選択されました。Exadataソフトウェアは、ハードウェア・コンポーネントとOracle Databaseが最大限に利用できるよう最適化されています。各Exadataセルにより、優れたI/Oパフォーマンスと帯域幅がデータベースに提供されます。Exadata Storage ServerのCPUコアは、Exadataストレージで実行されるSmart ScanのSQL処理などの機能に割り当られています。Oracle Databaseの優れたセキュリティ機能で構築されたExadataストレージでは、完全に暗号化されたデータベースへの問合せが可能です。毎秒数百ギガバイトの速度で実行される問合せにはオーバーヘッドがほとんど発生しません。これは、復号化処理をソフトウェアからExadata Storage Serverハードウェアへ移行することで実現されます。この機能を可能にするAdvanced Encryption Standard(AES)は、Exadata Storage Serverで使用されるOracleソフトウェアとIntelプロセッサによっ

てサポートされています。

Exadata Storage Expansion Rackは、Exadata Database Ma-chineやSPARC SuperClusterにストレージ容量を追加するために、もっともシンプルで、迅速かつ堅牢な手段となるよう設計されています。Exadata Database Machineの最適な拡張手段であるExadata Storage Expansion Rackは、大規模なミッション・クリティカルなデータベースのビッグ・データ要件を満たすため

に使用できます。

Exadata Storage Expansion Rackは、大量のデータを要するデータベース配置向けに設計されています。LUNやマウント・ポイントを構成する必要がないため、Expansion Rackは非常に簡単に構成できます。ストレージを構成しデータベースに追加する場合は、簡単なコマンドを使用して、わずか数分で完了します。

Oracle Exadata Database MachineのイノベーションOracle Exadata Database Machineは、オンライン・トランザクション処理(SAP ECC 6.0など)、データ・ウェアハウス(SAP BW 7.0以上など)および複雑なデータベース・ワークロード統合を含む、あらゆる種類のデータベース・アプリケーションに、卓越したパフォーマンスとスケーラビリティをもたらします。

Page 9: Oracle Private DB Cloud Infrastructure for SAP · PDF fileOracle Databaseを選択する6つの理由と、なぜSAP顧客にとってOralce Exadata Databese Machine ... Clusters(RAC)、Oracle

9

Exadataの卓越したパフォーマンスの立役者は、Exadata Smart Flash Cacheと、それを駆動するインテリジェントなOracle Exadata Storage Server Softwareです。Exadata Storage Server SoftwareのExadata Smart Flash Cache機能は、データベース・オブジェクトをフラッシュ・メモリーに合理的にキャッシュし、時間のかかるディスクへの機械的なI/O処理を非常に高速なフラッシュ・メモリーで処理します。また、Exadata Storage Server Softwareは、Exadata Smart Flash Logging機能を提供し、データベース・ログI/Oを高速化します。Exadata Smart Flash Cacheは、Oracle Exadata Database Machineに不可欠なテクノロジの1つで、毎秒最大150万のランダムI/O処理(IOPS)およびストレージ内での毎秒最大100GBのデータのスキャンを可能にします。

オラクルのExadata Smart Flash Cache機能はほかに例を見ない独自なものです。Exadata Flashストレージは、ディスクの代用品ではありません。Exadataソフトウェアのインテリジェント機能は、いつ、どのようにフラッシュ・ストレージを使用するかを決定し、協調キャッシング戦略の一環として、最適な方法でデータベースにフラッシュを組み込みます。Exadataストレージをスケールアウトすると、フラッシュ・パフォーマンスがもたらすメリットをアプリケーションで享受できます。従来のストレージ・アレイは、内部やネットワークに多数のボトルネックを抱えているため、フラッシュによる利点が妨げられます。フラッシュをストレージ・アレイに追加することはできても、潜在的なパフォーマンスの多くをアプリケーションで実現することはできません。

Oracle Exadata Storage ServerにはSmart Flash Cacheが直接実装されています。Exadata Smart Flash Cacheでは、アクセス頻度の高いデータは非常に高速なフラッシュ・ストレージに格納されますが、大部分のデータはコスト効率の非常に高いディスク・ストレージに格納されます。この処理は、ユーザーの手を煩わすことなく自動的に実行されます。Oracle Flash Cacheは、再利用されることのないデータやキャッシュに適さないデータを巧みに見分けてキャッシングを回避します。

Exadata Smart Flash Cacheは、ログの書込みI/Oの待機時間を短縮し、データベース・ロギングから発生するパフォーマンスのボトルネックを解消するためにも使用されます。ユーザーのトランザクションをコミットする時間は、ログ書込みの待機時間に影響されます。

Oracle Exadata Database Machineを使用する場合、大部分のSQL処理はデータベース・サーバーからExadataセルにオフロードされます。Oracle Exadata Database Machineは、データベースへの従来のブロック提供サービスに加えて、データベース・インスタンスから基本的なストレージへのファンクション・シッピングを有効にします。従来のストレージと比較して、Exadataストレージがおこなう独自の処理の1つは、問合せの対象である表全体ではなく、データベースの問合せに対応した行と列のみを返すことです。Oracle Exadata Database MachineはSQL処理をできるかぎりデータ(またはディスク)の近くにプッシュし、すべてのディスクを同時に稼動させます。これにより、データベース・サーバーのCPU消費が削減され、データベース・サーバーとストレージ・サーバー間でのデータの移動に、より小さい帯域幅が使用され、表全体ではなく問合せの結果セットが返されます。データ転送やデータベース・サーバーのワークロードを排除することは、常に帯域幅およびCPUに拘束されるデータ・ウェアハウスの問合せに大きな利点をもたらします。データ転送の排除は、大規模なバッチ処理やレポート処理を含め、オンライン・トランザクション処理(SAP ECC 6.0など)システムにおいて大きなメリット

となります。 Oracle Exadata Database Machineはデータベースを使用するSAPアプリケーションに対して、完全に透過的です。従来のシステムで動作するOracle Database 11g Release 2とまったく同じものが、Exadataで動作しますが、Exadataでは、より速く動作します。既存のSQL文は、Exadataストレージが使用される場合、非定型でもパッケージ内でも(例: SAPまたはカスタム・アプリケーション)影響を受けることはなく、変更も必要ありません。オフロード処理およびソリューションの帯域幅の利点は、変更することなくアプリケーションに提供されます。Oracle Databaseの全機能は、Exadataで完全にサポートされています。Exadataは、Oracle Databaseの単一インスタンスおよびReal Application Cluster配置と同様に、効果的に連携します。Oracle Data Guard、Oracle Recovery Manager(RMAN)、Oracle GoldenGateなどの機能、およびその他のデータベース・ツールは、Exadataを使用してもしなくても同様に管理されます。Exadata以外の従来のストレージを使用する場合とまったく同じ方法で操作できるため、ユーザーおよびデータベース管理者は、現在、慣れ親しんでいるツールと知識を活用できます。Database Machineには、従来のシステムと同じOracle Databaseと機能が存在するため、Database Machineを管理するITスタッフには、Database Machineで管理するソフトウェアについて同様の知識が必要です。Database Machineを管理する場合、Oracle Databaseの管理、バックアップとリカバリ、RAC、Oracle SolarisおよびOracle Linuxのエクスペリエンスが重要です。

Oracle Exadata Database Machine for SAP Customers

Page 10: Oracle Private DB Cloud Infrastructure for SAP · PDF fileOracle Databaseを選択する6つの理由と、なぜSAP顧客にとってOralce Exadata Databese Machine ... Clusters(RAC)、Oracle

10

Exadata Smart Flash Cache各Exadataセルには、3.2TBのExadata Smart Flash Cacheが搭載されています。つまり、Exadata X4-8とFull RackのX4-2には、44.8TBのフラッシュが搭載されていることになり、ほとんどすべてのデータベースを上回る数字です。このソリッド・ステート・ストレージは、Exadataストレージのパフォーマンスを大幅に向上します。標準ディスク読込みの応答時間の10倍、標準ディスク読込みのIOPSの100倍向上させ、しかもメモリーに代わる低コストを実現します。読込みおよび書込み処理の平均的なパフォーマンスでは、全体的に10倍向上します。

Exadataの最大限のパフォーマンスの立役者は、Exadata Smart Flash Cacheと、それを駆動させるインテリジェントなOracle Exadata Storage Server Softwareです。Exadata Storage Server SoftwareのExadata Smart Flash Cache機能は、データベース・オブジェクトをフラッシュ・メモリーに合理的にキャッシュし、時間のかかるディスクへの機械的なI/O処理を非常に高速なフラッシュ・メモリーで処理します。また、Exadata Storage Server Softwareは、Exadata Smart Flash Logging機能を提供し、データベース・ログI/Oを高速化します。Exadata Smart Flash Cacheは、Oracle Exadata Database Machineに不可欠なテクノロジの1つで、毎秒最大150万のランダムI/O処理

(IOPS)、およびストレージ内での毎秒最大100GBのデータのスキャンを可能にします。Write Back Cache Flash機能を使用すると、Exadata Smart Flash Cacheはデータベース・ブロックの書込みもキャッシュし、大規模なOTLPやバッチのワークロードでディスクのボトルネックを回避します。ExadataのWrite Cacheは透過的で永続性があり、完全な冗長性を持ちます。Exadata Smart Flash CacheのI/Oのパフォーマンスは、千台のディスク・ドライブを装備した多くの企業規模のディスク・アレイに匹敵します。

Exadataストレージの容量、パフォーマンス、帯域幅、およびIOPSOracle Exadata Storage Serversには、1.2TB、10,000RPMの高パフォーマンスSASディスク、または4TB、7,200RPMの大容量SASディスクのいずれかが12台搭載されています。高パフォーマンスのSASディスクを使用したExadata Storage Serversは、最大3.25TBの非圧縮ユーザー・データ容量と最大1.8GB/秒のRAWデータ帯域幅を実現します。大容量のSASディスクを使用するExadata Storage Serversは、最大16TBの非圧縮ユーザー・データ容量と最大1.3GB/秒のRAWデータ帯域幅を実現します。圧縮形式で保存した場合、各セルで提供されるユーザー・データ容量とデータ帯域幅は大幅に増加します。

Exadata Smart Flash Cacheにより、各セルで非常に高いパフォーマンスが実現します。Exadataソフトウェアは、帯域幅を最大にするために、フラッシュとディスクから同時にスキャンできます。フラッシュ内の自動キャッシュ機能により、圧縮されていないデータにアクセスする場合、各Exadataセルで最大5.4GB/秒の帯域幅と125,000IOPSを提供できます。データが圧縮形式で保存されている場合、ユーザー・データ容量、達成可能な帯域幅およびIOPSの量は、多くの場合、10倍またはそれ以上に増加します。これは、Oracle Databaseと従来のストレージ・デバイスを使用する場合と比較し、大幅に増加することを示しています。

Exadata Database Machine向けのEnterprise ManagerのサポートOracle Enterprise Manager Cloud Control 12cは、Exadata Database Machine全体を管理し、監視から管理、設計されたシステム全体の継続メンテナンスまで、総合的なライフ・サイクル管理を提供します。

統合されたシステムの監視Oracle Enterprise Managerは、管理者に総合的な監視と通知を提供し、事前にOracle Exadata Database Machine、ソフトウェア・コンポーネント、ハードウェア・コンポーネントの問題を検出し、対応できるようにします。管理者は、データセンターが置かれた環境の要件に応じて、これらの監視設定を容易に調整できます。管理者はアラートの通知を受け取ると、アラートや問題のあるコンポーネントに関連したパフォーマンス基準の履歴を簡単に表示させ、InfiniBandポートのネットワーク・パフォーマンスやExadataストレージ・セルのディスク・アクティビティなど、問題の根本原因を特定できます。また、Oracle Enterprise Managerは、Exadataのハードウェア・コンポーネントにダイレクトに接続し、ハードウェア関連の障害およびログ・サービス要求を管理者に自動的に警告できます。これは、Oracle Support機能のOracle Automatic Service Requests(ASR)との統合により実現します。従来のシステムでは、データベース、システムおよびストレージのそれぞれの管理者の協力が必要だった問題の検出も、今ではExadata Database Machine全体の統合されたシステム監視により、数分で診断できます。

モバイル用の詳細情報はこちらから

www.oracle.co.jp/sap

Oracle Exadata Database Machine for SAP Customers

Page 11: Oracle Private DB Cloud Infrastructure for SAP · PDF fileOracle Databaseを選択する6つの理由と、なぜSAP顧客にとってOralce Exadata Databese Machine ... Clusters(RAC)、Oracle

11

SAP顧客向けのOracle Exadata Start-Up Pack

迅速な結果を実現する統合アプローチオラクルのEngineered Systemsは、事前統合されたテクノロジで卓越したパフォーマンスを提供します。顧客は、エンジニアド・システムによる本番までの時間短縮の利点を実現するために、最善の方法で数々の要件に取り組む必要があります。

SAP顧客向けのOracle Exadata Start-Up Packは、統合されたサービス・パッケージと製 品の専 門 知 識を提 供し、O r a c l e Exadataシステムの最適で計画的な配置を実現します。オラクルのサービス・エキスパートは、戦略的なアーキテクチャ設計および計画からサービスをスタートします。次に、オラクルのベスト・プラクティスに従ってシステムをインストールおよび構成します。オラクルのサポート・エンジニアは、顧客のアーキテクチャ設計プラン実行中に、本番前の工程全体を通してサポート内容を再確認します。本番稼動が開始されると、オラクルはとくにSAP顧客に年4回のパッチを提供し、Oracle Exadataスタック全体に展開できます。

Start-Up Advisory ServiceOracle Exadata Start-Up Advisory Serviceは、最上級の実装保証を提供します。オラクルのエキスパートのチームは、顧客が最高品質のサービスを余すところなく提供できるように、顧客の組織と密接に協力し戦略的な計画を提案します。計画は、顧客のビジネス・パフォーマンスおよび運営上の要件を満たすミッション・クリティカルなアプリケーションの確実な実行が盛り込まれています。オラクルは評価、計画、推奨事項を通して、プロジェクト

と配置に伴うリスクの抑止に必要なアドバイスをすると同時に、Oracle Exadataプラットフォームがすぐに実稼動できる準備を進めます。オラクルのExadata Start-Up Advisory Serviceは、実装を確実に成功させる第一歩であり、顧客のビスネス要件、価値実現目標、長期的な戦略的展望に合せた、いわばオーダーメードのサービスです。

このサービスは、Oracle Exadata配置の成功に不可欠な、おもな領域の現状を評価します。さらに、実装、移行戦略および人とビジネス・プロセス両方に関わる変更管理を網羅した推奨事項の文書とともに、Oracleベスト・プラクティスに沿った評価のギャップ分析が提供されます。

製品サポートの即応性オラクルのService Delivery Managerとエンジニアは、オラクルと顧客のプロジェクト・チームの連携およびOracle Exadataのインストールと稼動プロセスのチェックといったプロジェクトの目標を積極的にサポートします。サポート内容を強化するために、主要なベスト・プラクティスを検討するガバナンス会議を開催し、その場でオラクル、顧客、パートナー全員の本番前のアクティビティを説明します。

Oracle Exadata Start-Up Advisory Serviceの成果を活用して、Oracleエンジニアは、顧客が配置の成功に向かってシームレスなコースを進めるための詳細と推奨事項、および継続的な本番サポートを提供します。検討される主要な技術の領域は、構成、データ移行、移行方法の種類(SAPのR3LOAD、RMAN、トランスポータブル表領域、O2O(Oracle DBからOracle DBへの移行)またはTriple-O(SAPノート1508271に基づくOracleからOracle Onlineデータベースへの移行)、パッチ計画、および本番サポートの即応性です。

Oracle Exadata Start-Up Pack for SAP

Page 12: Oracle Private DB Cloud Infrastructure for SAP · PDF fileOracle Databaseを選択する6つの理由と、なぜSAP顧客にとってOralce Exadata Databese Machine ... Clusters(RAC)、Oracle

12

Oracle Exadata Database Machine Installation Service Oracle Exadata Installation Serviceは、総合的なハードウェア・システムのインストールを提供し、配置までの時間を短縮します。Oracleシステムの実装では、高度な訓練を受けたエンジニア、実証済みの標準的なインストール方法、さらにすべてのインストールのベスト・プラクティス、ツールおよびテクノロジが1つ

になります。

Oracle Exadata Database Machine Configuration Service Oracle Exadata Configuration Serviceは、Start-Up Advisoryの成果を判断し、Oracleベスト・プラクティスに基づいた完全なOracle Database構成を提供します。Oracleエンジニアは、Oracle Exadataストレージ・サーバーとソフトウェア、データベース・サーバー、共有ストレージ、およびデータベース・パッチのすべてで要求される構成とパッチのあらゆる状況に対応します。Oracle Exadataのエキスパートは確実なプロセスを使用し、ログイン・アドレスとネットワーク・アドレスを構成し、セル・ディスクを作成します。インストール後の手順で実行されたすべての構成設定は記録され、顧客のITチームに配布されます。アクティビティには、ライセンスされたOracle Databaseのインストール、Oracle Real Application Clustersをサポートするデータベース・サーバーと共有ストレージの構成、検証試験とメンテナンス

手順の実行が含まれます。

Quarterly Patch Deployment Service Oracle Exadata Quarterly Patch Deployment Serviceは、事前予防型のパッチ配置プロセスを提供し、各顧客のSAPマシンのOracle Exadataを最適に維持します。オラクルは、SAP顧客のみに特別なパッチを提供します(SAPノート1591389)。オラクルは構成の既知の問題を特定するために、システムの構成プロファイルに対し高度なチェックを実行します。次に、Oracleサポートのエキスパートは、オラクルが推奨するベスト・プラクティスに基づき調査結果の標準的なレポートを生成します。オラクルは、統一された事前予防型の方法で、1年間、3か月ごとに必要な更新を実装します。更新の対象は、ファームウェア、Oracle LinuxまたはSolaris、およびOracle Exadata Machineにインストールされた他のOracleソフトウェアを含むすべてのシステム・コンポーネントです。顧客は、このサービスの期間中に必要に応じて、追加の構成とパッチの柔軟な適用ができます。

本番に向けた時間の最適化Oracle Exadataの適切な計画、インストール、配置およびサポートは、システム・パフォーマンスの最適化に不可欠です。Oracle Exadata Start-Up Packの統合ソリューションとパーソナライズされた専門知識を利用して、顧客は継続的なシステム安定性とテクノロジに求められるパフォーマンスを開始当初から得ることができます。

Oracleサービスの専門家は、今後の方向性を示すリーダーシップ、技術的な専門知識、ツール、ベスト・プラクティスを提供し、Oracle Exadataの本番実装が問題なく完了し、高度に最適化されるよう支援します。顧客は、適切な専門知識を適切なタイミングで利用し、リスクを軽減して技術投資価値を最大限に引き上

げることができます。

EMEA地域の連絡先:

Michael Weick [email protected] ACS Delivery Director for SAP Oracle Walldorf

北米の連絡先:

[email protected]

日本、APAC、ANZ: 日本オラクル(株) Eisuke Sekiguchi ACS Service Management

[email protected]

Oracle Exadata Start-Up Pack for SAP

Page 13: Oracle Private DB Cloud Infrastructure for SAP · PDF fileOracle Databaseを選択する6つの理由と、なぜSAP顧客にとってOralce Exadata Databese Machine ... Clusters(RAC)、Oracle

13

Oracle Virtual Compute Appliance(OVCA)

Oracle Virtual Compute Appliance:データ・センター規模のターンキー・ソリューションOracleは、長年にわたり、統合されたエンタープライズ・ソリューションを市場に提供してきました。その目的は、ITをシンプルにすること、ビジネス・アプリケーション、ミドルウェアおよびハードウェアの統合ソリューションに対し、データベースを活用してデータ・センターが品質の良いサービスを提供できることです。そのために、従来のコンピュータ・システム、およびOracle Exa-data Database MachineおよびOracle Engineered Systems製品群のExalogicなどのクラウド・インフラストラクチャの両方で同じ取り組みが行われています。

Oracle Virtual Compute Applianceは、追加とデプロイが簡単な「ターンキー」ソリューションです。ソフトウェアで定義された1つのファブリックに、演算リソース、ネットワーク・リソース、ストレージ・リソースを組み込み、機動的で効率のよいデータ・センターを展開できます。Oracle Virtual Compute Applianceのインフラストラクチャは、サーバーを1台単位で、ラックごとに2台から25台までリニアに拡張できます。独自のテンプレート、またはオラクルからダウンロードしたOracle VMテンプレートとアセンブリを利用してVMを構築し、ハードウェアだけでなくアプリケーションも迅速に配置できるのは、Oracle Virtual Compute Appliance独自の機能です。 また、Oracle Virtual Compute Applianceは、現在使用中のオペレーティング・システムをサポートし、OracleのZFS Storage Appliance、NFS、または他のベンダーによるiSCSIストレージなどの任意のストレージに接続することにより、既存のデータ・センターに適合します。 統合システムの利用は、手間のかかるハードウェア・インフラストラクチャの計画や構成から、提供される柔軟なサービスを使用して戦略的ニーズや進化する顧客ニーズに対応したITの変革といった、本来集中すべき作業へと管理者を解放します。

デフォルトでは、すべてのOracleソフトウェアはOracle VMとの併用が認定されています。したがって、Oracle Database、Oracle Fusion Middleware、Oracle Applications、Oracle Real Application ClusterなどのOracle Virtual Compute Applianceに対しても認定されています。新しいSAPアプリケーション・サポートでは、これをSAPアプリケーションの実行にも使用できます。顧客はハードウェアとソフトウェアの仮想化環境全体で、オラクルが誇るサポート部門の支援をシングル・ポイントで利用できます。

Oracle Virtual Compute Appliance (OVCA)

Page 14: Oracle Private DB Cloud Infrastructure for SAP · PDF fileOracle Databaseを選択する6つの理由と、なぜSAP顧客にとってOralce Exadata Databese Machine ... Clusters(RAC)、Oracle

14

新旧のシステムを維持しながら統合もサポートするOrac le Virtual Compute Applianceは、拡張性の高い仮想化基盤をITに提供します。また、既存の投資でITを最大限に活用する堅牢な統合ソリューションを提供し、クラウド・コンピューティングへの移行も準備します。Oracle Virtual Compute Applianceを使用すると、顧客はインフラストラクチャのリニアな拡張およびアプリケーションの迅速な配置が実現でき、ソフトウェア、ハードウェア

および仮想化の統合からメリットを得ることができます。

起動、インストール、構成の自動化 Oracle Virtual Compute Applianceでは、ラックを所定の位置に設置してケーブル類をすべて接続したら、後はシステムを起動するだけです。ハードウェアおよびソフトウェア環境の起動、インストール、構成は、Oracle Virtual Compute Applianceのコントローラ・オーケストレーション・ソフトウェアによって自動的に実行されます。数分以内にシステムが準備され、ユーザーは標準のOracle VMテンプレートを使用、または独自にテンプレートを作

成して、VMを追加できます。

Oracle Virtual Compute Applianceは、次の領域で卓越した価

値を発揮します。• 電源投入からアプリケーションが機能するまでの時間の短縮:

ユーザーがアプリケーションを使用できる状態にするには、ハードウェア・プロビジョニング以外にも多くの作業が必要です。エンド・ユーザー側のアプリケーションをプロビジョニングする必要もあります。Oracle Virtual Compute Applianceは、ハードウェアからアプリケーションまで完全なスタックの配置を加速することで、電源投入からユーザーがアプリケーションを使用できる状態になるまでの時間を、数日または数週間から数時間に短縮します。

• OracleのWire-onceインフラストラクチャ:Oracle Virtual Compute Applianceのサーバー・コンポーネントとストレージ・コンポーネントは、ソフトウェアで定義されたネットワーク・ファブリック上に配置されています。そのため、サーバーおよびストレージのインストールと構成はソフトウェアにより実行さ

れ、環境を再構成する物理的な再配線が必要ありません。

• リニアな拡張がいつでも可能なため、長期的なパフォーマンス要件およびコスト要件を満たすことで、ビジネス・リスクとITリ

スクを軽減します。

• 事前に構成されたハードウェアおよびソフトウェアのソリュー

ションの導入で、保守とサポートの複雑さが軽減します。

• 現在使用中のオペレーティング・システムとストレージをサ

ポートし、既存のデータ・センターへの統合を可能にします。

Oracle Virtual Compute Applianceのソフトウェア Oracle Virtual Compute Applianceに付属する次のソフトウェアにより、スケーラビリティ、ソフトウェアで定義された仮想ネット

ワーク、GUIベースの監視が可能になります。

Oracle VM: サーバー仮想化ソフトウェアのOracle VMは、高いスケーラビリティの提供と迅速なアプリケーションの配置を目的に設計および構築されています。Oracle VMは、最大128のvCPU、およびOracle Linux、Oracle Solaris、Microsoft Windowsなどの各種ゲストOSをサポートします。また、アプリケーションの配置を加速するように最適化されています。Oracle VMテンプレートやアセンブリを使用すると、Oracle DatabaseやOracleのエンタープライズ・アプリケーションなどのOracleアプリケーション・スタック全体を数分から数時間で配置できます。スケーラビリティの高い仮想化環境に対して素早く簡単にアプリケーションを配置できるため、IT部門はSLAを満たすことができ、企業は市場投入までの期間を短縮できます。さらに、IT部門は、テスト環境、開発環境、ス

テージング環境を素早く展開できます。

Oracle SCNソフトウェア: このソフトウェアは、サーバーをネットワークやストレージに動的に接続します。Oracle SCNを使用すると、各サーバーの物理的なストレージやネットワーク・カードが必要なくなります。物理的なデバイスは、すぐに配置できる仮想ネットワーク・インタフェース・カード(vNIC)と仮想ホスト・バス・アダプタ(vHBAs)に置き換わります。アプリケーションやオペレーティング・システムは、これらの仮想リソースと物理リソースを同じものとみなします。Oracle Virtual Networkingは、Wire-Onceソリューションとソフトウェアで定義された単純なネットワーク構成を利用することで、複雑なデータ・センター導入を簡素化します。

Hardware and Software

Engineered to Work Together

Page 15: Oracle Private DB Cloud Infrastructure for SAP · PDF fileOracle Databaseを選択する6つの理由と、なぜSAP顧客にとってOralce Exadata Databese Machine ... Clusters(RAC)、Oracle

15

成から実行でき、停止時間は発生しません。ベース・ラックには2つの計算処理ノードが格納され、最大25の計算処理ノードをサポートできます。

統合型ストレージ: 完全に統合されたエンタープライズ・クラスのOracle ZFS Storage Applianceが搭載されたOracle Virtual Compute Applianceは、管理環境を一元で格納するとともに、VM向けのデータ・ストレージを提供します。このストレージ・サブシステムは、オラクルのエンタープライズ・クラスのストレージ製品およびテクノロジを使用して構築され、本番環境で最大限のフォルト・トレランス機能と保守性を実現する完全な冗長性を備えています。Oracle Virtual Compute Applianceのストレージ・サブシステムは、高パフォーマンスのDIMMおよびフラッシュ・メモリーを搭載しています。もっとも要求の厳しいファイル・ストレージ・ワークロードに対しても、非常に優れた読取り/書込みパフォーマンスを発揮します。Oracle Virtual Compute Applianceのストレージ容量は、複数のOracle ZFS Storage Applianceまたは他のベンダーが提供するサポート対象のストレージを搭載した外部のデータ・センターのラックに、内部スト

レージを展開して拡張することができます。

結論 Oracle Virtual Compute Applianceは、Linux、Oracle SolarisまたはMicrosoft Windowsアプリケーション向けの仮想インフラストラクチャをイントールする方法を大幅に簡素化するエンジニアド・システムです。SAPアプリケーションでOracle Virtual Compute Applianceが使用できるようになると、顧客は、SAPアプリケーションを実行するより速く簡単で一貫性のあるインフラストラクチャのメリットをあますところなく、もっとも効率よく効果

的に手に入れることができます。

Oracle Virtual Compute Applianceのコントローラ・ソフトウェア: コントローラ・ソフトウェアを使用すると、ユーザーは、システム・ハードウェアの管理と監視、ソフトウェア・アップグレードの実行、仮想リソース(仮想サーバー、仮想ネットワーク、ストレージ)の利用率のリアルタイムな監視ができます。コントローラ・ソフトウェアは2つの専用管理ノード上で稼働します。このノードは障害発生時の自動的なフェイルオーバーに対応できる高可用性で構成されています。またコントローラはGUIダッシュボードからアクセスできます。Oracle Virtual Compute Applianceに組み込まれたコントローラ・ソフトウェアにより、すべてのインフラストラクチャ・コンポーネントが自動で簡単にインストール、構成、管理されます。基本的な構成パラメータの入力、仮想マシン

(VM)を手動、またはOracle VMテンプレートやアセンブリを利用した構築をするだけで、わずか1時間で完全なアプリケーショ

ンを稼働することができます。

Oracle Virtual Compute Appliance X4の主なコンポーネント 仮想ネットワーク: Oracle Virtual Compute Applianceが使用するきわめてパフォーマンスの高いOracle Fabric Interconnectは、Oracle Virtual Networkingファミリのコンポーネントで、オラクルのQDR InfiniBandハードウェアおよびソフトウェアを使用して特別に開発されています。Oracle Virtual Compute Applianceの各ハードウェア構成には、データ・センターのイーサネットのゲートウェイとして機能する、冗長化された複数のQDR InfiniBandスイッチとOracle Fabric Interconnectシステムが含まれます。この高速なファブリックは、共有ストレージへのアクセスをサポートするだけでなく、仮想イーサネットのネットワークを作成する物理プラットフォームとしての役割も果たします。仮想イーサネットでは、データ・センターの標準イーサネットを介してアクセスできる他のすべてのアプリケーションに、クラウドのアプリケーションが接続できるようにします。このファブリックは、非常に短い待機時間(通常はイーサネットの10倍の速度)、40Gb/秒のスループット、完全な冗長性、統合エンドポイント・セキュリティ、スケーラビリティ(停止時間なし)を提供し、アプライアンスにVMおよびサーバーを追加する場合でも、パフォーマンスの低下はほとんど(または、まったく)見られません。

計算処理ノード: 計算処理ノードを構成するオラクルのSun Server X4システムには、インテルXeon CPU、高速のDIMM

(Dual Inline Memory Module)メモリー、冗長化された40Gb/秒のInfiniBandホスト・チャネル・アダプタ(HCA)、冗長ディスクが搭載されています。各計算処理ノードでOracle VM Server for x86が実行され、サーバー仮想化を提供します。計算処理ノードの追加および削除は、Oracle Virtual Compute Applianceの構

Oracle Virtual Compute Appliance (OVCA)

Page 16: Oracle Private DB Cloud Infrastructure for SAP · PDF fileOracle Databaseを選択する6つの理由と、なぜSAP顧客にとってOralce Exadata Databese Machine ... Clusters(RAC)、Oracle

16

Oracle Database Applianceにより、世界でもっとも使用されているデータベース - Oracle Database - を配置と管理が簡単な単一システムとして活用できます。Oracle Database Applianceは、ソフトウェア、サーバー、ストレージ、ネットワークの完全なパッケージで、設計の第1目標は簡素化です。配置、メンテナンス、高可用性のデータベース・ワークロードのサポートを簡素化

することは、時間と費用の節約に直結します。

完全に冗長化された統合システム 年中無休のデータ・アクセスの提供、予期しない停止時間および計画停止時間からのデータベース保護は、多くの組織にとって課題です。実際、適切なスキルとリソースを持たない組織の場合、手動でデータベース・システムに冗長性を組み込むことはリスクを伴い、エラーが発生しやすくなります。Oracle Database Applianceは、その設計思想に簡素化を掲げ、システムのリスク要因や不確実要素を削減してデータベースの可用性、およびCOD(必要に応じてシステムの容量を拡張・縮小できる機能)を高めます。

Oracle Database Applianceのハードウェアは、2つのOracle Linuxサーバーと1つのストレージ・シェルフを含むラックマウント型のシステムです。各サーバーには、2つの12コアIntel Xeon E5-2690プロセッサ、256GBのメモリー、および10ギガビットのイーサネット(10GBase-T)外部ネットワーク接続を装備しています。各システムのサーバー・ノード、インターコネクト、ストレージ・コントローラ、電源供給ユニット、冷却ファンには冗長性があります。さらに、ディスクおよびフラッシュ・ストレージは、2重または3重のミラーリングと共有で、データ可用性を保証しデータベース・パフォーマンスを加速します。2つのサーバーは、冗長化されたクラスタ通信用10-GbEインターコネクトで接続され、直接接続された高パフォーマンスSASストレージを共有します。このアプライアンスは36TBのRAWストレージを搭載し、2重または3重にミラーリングされた復旧機能を持つ18TBまたは12TBのデータベース・ストレージとして使用できます。

SAPで認定されたOracle Database Appliance

データベースのREDOログのパフォーマンスは、Oracle Database Applianceのソリッド・ステート・ディスク(SSD)により大幅に改善

アプライアンスは、ミッション・クリティカルな要件に対応するように設計され、コンポーネントはホットスワップ可能で冗長化されています。高可用性と簡素化を兼ね備えたOracle Database Appliance X4-2は、迅速なデプロイと最大の稼働時間を実現する完璧にクラスタ化されたデータベース・ソリューションです。Oracle Database Applianceでは、Oracle Database Enterprise Editionが稼動し、顧客は、Oracle Real Application Clusters

(Oracle RAC)を選択できます。

Page 17: Oracle Private DB Cloud Infrastructure for SAP · PDF fileOracle Databaseを選択する6つの理由と、なぜSAP顧客にとってOralce Exadata Databese Machine ... Clusters(RAC)、Oracle

17Oracle Database Appliance certified for SAP Customers

導入、管理、サポートの容易さ データベースの導入と管理を容易にするためにOracle Database Applianceには、Appliance Managerソフトウェアが採用され、ボタン1つで自動的にデータベース・サーバーをプロビジョニングおよび診断できます。Appliance Managerの機能により導入プロセスが大幅に簡素化され、オラクルのベスト・プラクティスに沿ったデータベースが構成されます。組込みの診断機能はシステムを監視し、コンポーネント障害、構成上の問題、ベスト・プラクティスからの逸脱を検知します。Oracle Supportへの問合せが必要な場合には、Appliance Managerは関係するすべてのログ・ファイルと環境データを収集し、1つの圧縮ファイルを作成します。また、Oracle Database ApplianceのAuto Service Request(ASR)機能を使用すると、Oracle Supportに対して自動的にサービス・

リクエストを登録できるため、問題の早期解決に役立ちます。

SAPの認定とサポート SAP NetWeaverバージョン7.0以降を使用するSAP NetWeaverテクノロジで構築されたすべてのSAP製品、SAP Business Objects、BI 4.xおよびソリューションは、Oracle Database Applianceでの使用が認定され、3層構成でサポートされています。

したがって、SAP ERP 6.0、SAP ECC 6.0、SAP BW 7.0、SAP CRM 7.0、SAP SRM 7.0などのSAP製品やSAP Banking Servicesバージョン7.0などのSAPソリューションは、Oracle Database Applianceを備えた3層構成で使用できます。

Oracle Database Applianceは、SAP環境に次の機能を提供します。

• Oracle Cloud File System(ACFS)を基本とする、SAPアプリケーション用の高可用性のアクティブ-アクティブなクラスタ・

データベース・サーバー

• /sapmntなど、SAP必須共有ファイル・システム用のOracle Cloud File System(ACFS)を基本とする高可用性ファイル・サーバー

• ABAPスタックおよびJAVAスタック用のCentral Servicesなど、SAP高可用性リソース用の完全なクラスタ化ソリューション

Page 18: Oracle Private DB Cloud Infrastructure for SAP · PDF fileOracle Databaseを選択する6つの理由と、なぜSAP顧客にとってOralce Exadata Databese Machine ... Clusters(RAC)、Oracle

18

マルチコア、マルチスレッドのT5またはM6 CPUを搭載した一元化されたエンジニアド・システムとOracleの最高のテクノロジーの融合の結果が、Oracle SuperClusterです。Oracle SuperClusterには、PDOM、LDOM、Solaris Zonesを使用した柔軟性の高い仮想化の設定、InfiniBandテクノロジの高パフォーマンスのネットワーク帯域幅、およびOracle Exa-Stackから追加された、いわゆるストレージ・サーバー/セルの両方が含まれます。そして忘れてはいけないのが、特に既存のSAP環境を統合する上で役立つ豊富なメモリーの容量です。Oracle SuperClusterは、ミッション・クリティカルなSAPアプリケーショとSAP以外のアプリケーションの統合、およびあらゆる種類のクラウド・サービスの迅速なデプロイに対して、最高レベルの効率、コストの削減、パフォーマンスを提供するエンジニアド・システムで、データ・センターのあらゆる階層に効果的に働き、企業の運用費(組立て、テスト、デプロイ、保守、アップグレード、時間など)を削減できます。SuperClusterの全エレメントの連携によって、SAP顧客は、最小のTCOで最高のSPARCパフォーマンス、セキュリティ、管理性を提供する、アプリケーションからディスクまでのソリューションを迅速にデプロイできます。データ圧縮、クエリー、OLTPレスポンス時間、Javaミドルウェアのパフォーマンスが、平均して最大10倍向上します。

SAP顧客向けのOracle SuperCluster

これらのシステムはテストされデフォルトで使用できる状態で出荷されるため、デプロイに必要な日数はわずか数日です。また、他のベンダーが複製することや顧客が別々に組み立てることができない、Oracle製品特有の拡張機能が含まれています。既存のデータ・センターをシームレスに統合するOracle SuperClusterのソリューションにより、クラウドおよび仮想化テクノロジを導入して、既存のSAPアプリケーションの円滑なOracle SuperClusterへの移行や、計算処理要件に応じて容量の拡張もできます。既存のSAPアプリケーション・コンポーネントをOracle Solaris 10で実行している顧客は、引き続き、Oracle SuperClusterでOracle Solaris 10を利用できます。このプラットフォームで実行できるISVアプリケーションは、実に11,000以上になるからです。

シングル・ポイント障害の排除 Oracle SuperClusterには、コンポーネントの完全な冗長性が組み込まれ、シングル・ポイント障害がありません。また、可用性の高いフレームワークがアプリケーション・フェイル・オーバーとリカバリを自動的に実行して、ミッション・クリティカルなアプリケーションの要求をサポートします。データベースおよびアプリケーションの高可用性の実現は、計画停止時間お

Page 19: Oracle Private DB Cloud Infrastructure for SAP · PDF fileOracle Databaseを選択する6つの理由と、なぜSAP顧客にとってOralce Exadata Databese Machine ... Clusters(RAC)、Oracle

19Oracle SuperCluster for SAP Customers

よび計画外停止時間を最小限にし、データ・センターのすべての階層にわたってコア・アプリケーションに最高レベルのサービスを提供します。Oracle Clusterwareはデータベースの可用性を大幅に改善します。また、Oracle Solaris Clusterは業界最高レベルのアプリケーション稼働時間を提供します。(Oracle Solaris ClusterとOracle RACは、アプリケーション・サーバー・レベルにとどまらず、データベース・レベルでSAPシステム・ランド

スケープの高可用性を提供するために使用されます)。

Oracle SuperCluster T5-8の仮想化オプション

SAPを背景にしたOracle SuperCluster Oracle SuperClusterは、使用しているすべてのSAPビジネス・アプリケーションに加えて、Oracle Database、SAPアプリケーションの実行時環境(SAP NetWeaver ABAPとJava)、Webサーバー、Oracle Enterprise Manager管理ソフトウェアを実行します。これは、使用しているすべてのエンタープライズ・アプリケーション、または複数層アプリケーションをデータ・センター内の統一された単一のハードウェア・プラットフォーム上で統合および仮想化する必要がある顧客にとって、理想的な多目的システムです。Oracle SuperClusterにより、柔軟な2層および3層のSAPデプロイが可能で、SAP-Unicode、Unicode以外にこだわらずSAPインストールの実行に使用できます。Oracle SuperClusterは、SAPカーネル・バージョン6.40以降のSAPバージョンで認定されています。

Oracle SuperCluster T5-8

Virtualization can be layered

T5-8 and ExaStorage

Page 20: Oracle Private DB Cloud Infrastructure for SAP · PDF fileOracle Databaseを選択する6つの理由と、なぜSAP顧客にとってOralce Exadata Databese Machine ... Clusters(RAC)、Oracle

20

PAS = SAP プライマリ・アプリケーション・サーバー、(A)SCS = (ABAP)SAP Central Services、DB = データベース、O-RAC = クラスタ、

AAS = SAP 追加アプリケーション・サーバー、HA = 高可用性、Pre-PRD = SAP QAS、SAP DEV ...

SAP PRD / PRD以外のAppS - Oracle VM Server for SPARC(LDomを使用)

• LDomを使用した本番システムと非本番システム間の物理的な分離

• SAP AppSインスタンスと、ZoneをベースとするSAP SCS間の論理的な分離

• SAP AppS(ECC、CRM、BW、EP、など)インスタンスのアプリケーションLDOMへの統合

• Oracle Solaris Cluster SAP PRD / PRD以外のDBをベースとするSAP System Central Servicesの高可用性

Oracle VM Server for SPARC(LDOMを使用)

• 本番システムと非本番システム間の物理的な分離

• SAP PRD DB(ECC、CRM、BW、EP、など)インスタンスのデータベースLDOMへの統合

• SAPデータベースの高可用性basRAC

T5-8 Oracle SuperClusterのデプロイ・シナリオ

Oracle SuperCluster M6-32の仮想化オプション

Virtualization can be layered

Oracle SuperCluster M6-32

M6-32 ExaStorage

Extensive Virtualization Infrastructure

SSC T5-8 usage type:Multi-Purpose

Page 21: Oracle Private DB Cloud Infrastructure for SAP · PDF fileOracle Databaseを選択する6つの理由と、なぜSAP顧客にとってOralce Exadata Databese Machine ... Clusters(RAC)、Oracle

21Oracle SuperCluster for SAP Customers

PAS = SAPプライマリ・アプリケーション・サーバー、(A)SCS = (ABAP)SAP Central Services、DB = データベース、O-RAC = Or-acle Real Application Clusters、AAS = SAP Additional Applica-

tion Server、HA = 高可用性、Pre-PRD = SAP QAS、SAP DEV ...

SAP PRD / PRD以外のAppS- 物理領域(PDom)

• 本番システムと非本番システム間の物理的な分離、およびPDom内のさらなる分離にLDOMを使用。

• SAP AppSインスタンスと、ZoneをベースとするSAP SCS間の論理的な分離

• SAP AppS(ECC、CRM、BW、EP、など)インスタンスのアプリケーションLDOMへの統合

• Oracle ClusterをベースとするSAP System Central Servicesの高可用性

SAP PRD / PRD以外のDB- 物理領域(PDom)

• 本番システムと非本番システム間の物理的な分離およびPDom内のさらなる分離にLDOMを使用。

• SAP DB(ECC、CRM、BW、EP、など)インスタンスのデータベースLDOMへの統合

• Oracle RACをベースとするSAP Databaseの高可用性

システムのユース・ケース: ユース・ケースは顧客によって異なりますが、要求の厳しいSAPの計算タスクにT5-8 SuperClusterまたはM6-32 SuperClusterのいずれかを使用できます。

Oracle SuperCluster M6-32: メインフレーム・クラスの信頼性、可用性、保守性(RAS)

高いメモリー要件(インメモリー・コンピューティング、クラウド・コンピューティング、大規模なデータベース)に対し、メモリーが最大32TBのデータ・センターをワンボックスで提供できます。

Oracle SuperCluster T5-8: データベースとアプリケーション・インスタンスの統合。従来のSPARCおよびSolaris SAPランドスケープを最新のもっとも効率的で強力なテクノロジにアップグレードすることを希望する従来のSAP/Sun顧客が対象です。

SAP限定のOracle SuperCluster M6-32デプロイ・シナリオ

Page 22: Oracle Private DB Cloud Infrastructure for SAP · PDF fileOracle Databaseを選択する6つの理由と、なぜSAP顧客にとってOralce Exadata Databese Machine ... Clusters(RAC)、Oracle

22

結論 すべてのO r a c l eエンジニアド・システムと同様に、O r a c l e SuperClusterは、事前構成されたクラスタ対応の完全なソリューションで、SAPなどのビジネス・クリティカルなエンタープライズ・アプリケーションを実行する最高のパフォーマンス、可用性、セキュリティを提供するために最適化されています。Oracle SuperClusterは、特にウェブ、データベースおよびアプリケーション・コンポーネントで構成される複数層のエンタープライズ・アプリケーションに適しています。バンドルされた強力な仮想化機能が無償で提供され、多数のアプリケーション、データベース、ミドルウェア・ワークロードの統合に最適なプラットフォームを提供します。複雑なマルチ・ユーザー開発環境、テスト環境、本番環境のデプロイも大幅に簡素化され高速化されます。

企業は、要求に応じた可用性、計算処理、メモリー、I/O帯域幅、ストレージ容量(データベース・ストレージとアプリケーション・ストレージの両方)など微細にわたる要件に基づ いて、T5-8ベースのOracle SuperClusterまたはM6-32 SPARC Serversの2つの選択肢から最適なOracle SuperClusterのプラットフォームを選択できます。これは、レガシーのデータベースとアプリケーションのインフラを統合する理想的なプラットフォームとなります。

Oracle SuperClusterの認定およびサポートされる用途の詳細は、SAPノートを参照してください。(入手するには、SAPユーザー・ログインが必要です)重要なSAPノートは次のとおりです。

Note 1693680 - Running SAP Software on Oracle SuperCluster

Note 1696570 - Oracle SuperCluster: Patches for 11.2.0.3

Note 1696716 - Creating a modified Solaris kernel medium

Oracle SuperCluster for SAP Customers

Page 23: Oracle Private DB Cloud Infrastructure for SAP · PDF fileOracle Databaseを選択する6つの理由と、なぜSAP顧客にとってOralce Exadata Databese Machine ... Clusters(RAC)、Oracle

23

SAP NETWEAVER 7で認定されたOracle Exalogic Elastic Cloud

SAPノート1617188で報告されているように、SAPは仮想化環境を含むOracle Exalogic Elastic CloudでのSAPの利用を正式にサポートしています。

Oracle Exalogicは、ミドルウェアとパッケージ・アプリケーションを実行するためのエンジニアド・システムです。事実上のスケール制限がなく、卓越した性能、およびこれまでにない簡素な管理を実現しました。オラクルのエンジニアド・システムの哲学(Oracle Exadata Database Machineに類似)と同様に、工場でシステムのすべてのコンポーネントを統合し、高度に標準化、最適化、統合されたソリューションを提供します。このソリューションにより、パフォーマンスと信頼性を最大化する一方で、リスクを最小限に抑えます。

SAP顧客は長年、サーバー、ストレージ、ネットワーク、仮想化、OS、データベースなど個別のコンポーネント構成から脱却し、SAPを配置するインフラを構築するという課題に直面しています。この課題には、不十分な統合が原因のパフォーマンス不足に加え、極端な複雑さとその結果としてのリスクが伴います。Oracle ExadataやExalogicなどエンジニアド・システムの機能が、統合を行う適切なポイントは工場にあることを示しています。工場では、サーバー、ストレージ、ネットワークおよびソフトウェアのそれぞれのエンジニアによって、顧客のニーズに応じた高度な統合、最適化、テストされたソリューションが構築できます。

Exalogicでは、Oracle VMハイパーバイザーの高度に最適化されたバージョンがサポートされています。ハイパーバイザーを使用すると、物理的な計算処理ノードを複数の仮想サーバー(vServers)に分散し、各仮想サーバーでOracle Linuxオペレーティング・システム・インスタンスおよびアプリケーションを個別に実行できます。

Oracle VMは、シングル・ルートI/O仮想化(SRIOV)という技術を使用して、ExalogicのExabus I/Oバックプレーンと密接に統合するよう設計されています。この方法では、vServerで稼働するすべてのオペレーティング・システムに、外部とExabus経由で通信する特別なデバイス・ドライバが搭載されている必要があります。

この方法のメリットは、他に例を見ないアプリケーションのパフォーマンスです。Exalogicの構成での仮想化は、アプリケーションのスループットと待機時間にわずかな影響しか与えません。

Exalogic vServersで稼働するアプリケーションはベア・メタル上のデプロイと同等に機能しますが、サーバーの仮想化に伴うすべての管理性と効率のメリットを保持します。Exalogic上のOracle VMは、他の主要なベンダーのハイパーバイザーよりもはるかに優れています。Exalogicのパフォーマンスの大きな利点は、アプリケーションのより使い勝手の良さ、ハードウェア利用効率の改善、安価なソフトウェアのライセンス・コストです。Exalogicはオラクルのミドルウェアとビジネス・アプリケーションに投資している企業にとって、高パフォーマンス、完全に仮想化されたアプリケーション・プラットフォーム、およびアプリケーションからディスクまでの管理の利点を実現する上で理想的な選択肢です。

SAP NetWeaverのためのOracle Exalogic Elastic CloudとOracle Exadata Database Machineの組合せ Oracle ExalogicでSAP NetWeaverを実行する場合、Oracle Exadata Database Machineで動作するOracle Database for SAPが使用されます。

Oracle Exalogic for SAP Customers

Page 24: Oracle Private DB Cloud Infrastructure for SAP · PDF fileOracle Databaseを選択する6つの理由と、なぜSAP顧客にとってOralce Exadata Databese Machine ... Clusters(RAC)、Oracle

24

詳細なSAPパフォーマンス・データはまだ入手できませんが、ExalogicがSAP NetWeaverに対しても同様のパフォーマンス向上を達成すると予想されます。

また、ExalogicはOracle Exadata Database Machineバックプレーンの心臓部、InfiniBandファブリックに統合されるため、Oracle Exadata Database Machine for SAPのパフォーマンス上のメリットをフルに実感できる最高のソリューションです。

簡素性は、Exalogic上のSAPにとってもう1つの主要な利点です。Exalogicのすべてのコンポーネントは工場で同時に設計、組立ておよび調整されるため、設定時間が最大95パーセント短縮されます。エラーのリスクを低減して診断を簡素化し、より効率的で低コストの運用を可能にすることにより、インフラ全体のコストを約60パーセント削減できます。

Oracle Exalogic Elastic CloudでSAP NetWeaver 7.0の実行に必要な前提条件 SAP環境でOracle Exalogic Elastic Cloudを使用する場合、次の前提条件が満たされている必要があります。 Oracleホワイト・ペーパー『Oracle Exalogic Elastic CloudでのSAP NetWeaverの実行アーキテクチャの概要』 http://www.oracle.co.jp/sap/products/data/JP-wp-exalogicfor- sap.pdfを参照してください。

• SAP NetWeaver 7.x以降のみがサポートされます。これには、SAP NetWeaver 7.xをベースとするSAP製品も含まれています。サポートされるSAP製品のリリースの詳細は、「SAP Product

Availability Matrix」を参照してください。

SAP NetWeaver 7.x 以降。これには、SAP NetWeaver 7.x をベースとし、Oracle Linux 5(OL5)または Oracle Solaris/ x64 11上でサポートされる SAP 製品が含まれます。サポートされる SAP製品のリリースの詳細は、「SAP Product Availability Matrix」を参照してください。

Oracle Exadata Database Machineはソリューションを簡単に配置でき、使用可能な最高レベルのデータベース・パフォーマンスを提供するOracle Databaseをホストします。Exadata Database Machineは、オンライン・トランザクション処理

(OLTP)、データ・ウェアハウス(DW)および複雑なワークロード統合のために優れたI/OおよびSQL処理パフォーマンスを実現します。

Exalog icは、システム内で使用する高速で待機時間の短いInfiniBandファブリックを介してOracle Exadata Database Machineに接続します。システム内のノード間の通信だけでなく、複数のOracle Exadata Database MachineとExalogicラックをまたいでスケーリングするためのスケーラブルで強力なネットワーキング基盤を提供します。ExalogicとExadataのコンポーネントにまたがるInfiniBandファブリックは、Exalogicで実行するSAP NetWeaverインストールを簡素化および高速化する、次の主要な方法を提供します。

• ZFS Storage ApplianceからExalogicのSAPアプリケーション・ノードへのNFSマウントでは、InfiniBandおよびインフラストラクチャを使用して、従来の10GbEによるTCP/IPよりも高速にデータを転送します。これは、Exalogicで稼動するSAPアプリケーション・サーバーとOracle Exadataで稼動するEnqueue Serverの両方に役立ちます。

• ABAPスタックを動作させるSAPアプリケーション・サーバーは、Oracle Instant Clientを介してOracle Netを使用し、Oracleデータベースに接続します。これにより、高帯域幅および短い待機時間で簡単にInfiniBand上でSDPプロトコルを使用でき、従来のTCP/IPスタックをバイパスします。

• InfiniBandファブリック上で動作する残りの標準TCP/IP接続ではいずれも、10GbEと比較してネットワーク接続につき4倍高い帯域幅の利点を享受できます。

• ネットワーキングとストレージのSAP NetWeaverアプリケーション・サーバー・ノードとの接続は単一のファブリックによって処理され、複雑性が低減し使用するコンポーネントの数が減少するため信頼性が向上します。

また、InfiniBand上のIPは、SAPワーク・プロセスとExadata上のEnqueue Server間の通信に使用できます。

Oracle Exalogicは、Oracle Exadata Database Machineへの優れたI/O接続性により、通常の選択肢の2~3倍のOLTPパフォーマンスを実現しました。1)

1) SAPで使用するExadataの設定方法の詳細は、Oracleホワイト・ペーパー『Oracle Exadata Database Machineで稼動するSAP NetWeaverベスト・プラクティス・ガイド』(www.oracle.co.jp/sap)を参照してください。

Page 25: Oracle Private DB Cloud Infrastructure for SAP · PDF fileOracle Databaseを選択する6つの理由と、なぜSAP顧客にとってOralce Exadata Databese Machine ... Clusters(RAC)、Oracle

25

次の製品がリリースされます。 - SAP ERP(ECC)6.0 - SAP BW 7.x - SAP CRM 2005 / 2007 / 7.x - SAP PLM 6.0 / 7.0x - SAP SRM 2005 / 2007 / 7.x - SAP SCM 2005 / 2007 / 7.x - SAP Oil & Gas 2005 / 6.x - SAP Banking Services 5.0 / 6.0 / 7.0 / 8.0

• ExalogicでのSAPの実行は、3層のSAPインストールとしてのみサポートされます。SAPインスタンスは、Oracle Exalogic Elastic Cloudサーバー・ノードで実行されます。Oracle Database for SAPは、Oracle Exadata Database Machineシステムで実行する必要があります。Oracle Exalogicの使用は、Oracle Exadata Da-tabase Machineとの併用のみで、他のデータベース・サーバー・ハードウェアまたはOracle以外のデータベースとは併用できません。この設定では、SAP Central ServicesをOracle Exadata Databaseシステムで実行する必要があります。

次の図に、SAPコンポーネント、ExadataおよびExalogicの関係を3層構成で示します。

SAPで使用するExadataの設定方法の詳細は、Oracleホワイト・ペーパー『Oracle Exadata Database Machineで稼動するSAP

NetWeaverベスト・プラクティス・ガイド』を参照してください。

• SAPソフトウェアのUnicodeインストールのみがサポートされます。

• 現在、Oracle Exalogic X3-2およびX4-2モデルがサポートされています。

• Virtual Exalogicでは、Exalogic Elastic Cloud Software(EECS)の最小限必要なバージョンは2.0.6.0.0です(Oracle VM 3.2.1を含む)。

Exalogicでは、UEKが搭載されたOracle Linux 5のリリースは11.2.0.3のみです。提供されているvServer用のゲスト・テンプレートでサポートされる最小限必要なリリースは、Oracle Data-base Server11.2.0.3です(Windows、Solaris、RHELまたはSLESゲストはサポートされません)。Exalogicで最小限必要なリリースはOracle SAP Instant Client11.2.0.3です。Exadataで最小限必要なリリースはOracle Database Server 11.2.0.3です。

Exalogic for SAP環境でのZFS Storage Applianceの使用Oracle Exalogic Elastic Cloud に 含まれる ZFS Storage Appli-ance は、Exalogic で稼動するアプリケーション・サーバー・ノードおよび Oracle Exadata Database Machine で実行される SAP Central Service の完全な SAP ランドスケープに対して、高可用性の共有ファイル・システムと高性能の様式を提供することにより、SAP の集中管理ストレージ・リポジトリとして機能します。この構成により、従来の実装では考えられない最高の可能性を持つサービス・レベルの 1 つとスループットが得られます。

ZFS Storage Appliance は、ユーザー、アプリケーションおよび他のコンシューマにストレージを割り当て、編成するためのプロジェクトおよび共有の概念をサポートします。Exalogic 用の SAP

ストレージの場合、次の戦略が推奨されます。

• /usr/sap/transディレクトリに対し、1つの共有「saptrans」を持つ1つのプロジェクト「trans」

• /oracleディレクトリを提供するための1つの共有と、/oracle/client/<RELEASE>としてマウントされたOracleクライアントのソフトウェア・リリースごとの1つの共有を持つ1つのプロジェクト

「oracle」

Oracle Exalogic for SAP Customers

Page 26: Oracle Private DB Cloud Infrastructure for SAP · PDF fileOracle Databaseを選択する6つの理由と、なぜSAP顧客にとってOralce Exadata Databese Machine ... Clusters(RAC)、Oracle

26

結論 Oracle Exalogic Elastic CloudをOracle Exadata Databaseマシンと組み合せることで、SAPアプリケーション・サーバーにインフラを確保するためのシンプルで信頼性の高い、高性能のソリューションを得ることができます。SAPに認定されたExalogicを、統合シナリオの中で、WebLogic、Oracleなどのアプリケーションをホストするプラットフォームとして使用します。またSAP開発、テストおよび本番環境をExalogicを統合し、Exalogic計算処理ノードを最大限に活用できます。

さらに、特にネットワークの待ち時間の要件が厳しい環境でのExalogicの使用は大きなメリットがあります。ExalogicとOracle Exadata Database MachineをInfiniBandで直接接続すると、帯域幅を4倍拡大する一方、ネットワークの待ち時間を十分の一に抑えることができます。

ExalogicへのSAPインストールは簡単で、x86システムでSAPを実行する既存のOracle Linuxベスト・プラクティス、およびExalogicに組み込まれた革新的なOracle ZFS Storage Applianceを利用します。

SAPの高可用性は、Oracle RAC、Oracle Clusterware、Oracle Data Guardなど標準的なメカニズムを活用することで実現できます。

ExalogicとOracle Exadata Database Machineにラックを追加し、ExalogicとExadataをEighth Rack、Quarter RackからHalf Rackへ、さらにFull Rack構成に拡張すると、Exalogicが非常に柔軟でスケーラブルなインフラ・ソリューションをSAPに提供し、同時に簡素で高レベルな安定性が維持されます。

Oracle ExalogicとOracle Exadataを使用すると、SAP向けのシンプルで安定した、高パフォーマンスのインフラの配置が実現します。しかも従来より時間、コスト、リスクが大幅に削減されます。

詳細は、次の情報を参照してください。

• SAPノート1617188

• テクニカル・ホワイト・ペーパー:『Oracle Exalogic Elastic CloudでのSAP NetWeaverの実行 アーキテクチャの概要』(http://www. oracle.co.jp/sap/products/data/JP-wp-exalogic-for-sap.pdf)

• テクニカル・ホワイト・ペーパー:『Oracle Exadata Database Machineで稼働するSAP NetWeaverベスト・プラクティス・ガイド』(http://www. oracle.co.jp/sap/products/data/sap-exadata-wp.pdf)

• /usr/sap/transディレクトリに対し、1つの共有「saptrans」を持つ1つのプロジェクト「trans」

• /oracleディレクトリを提供するための1つの共有と、/oracle/client/<RELEASE>としてマウントされたOracleクライアントのソフトウェア・リリースごとの1つの共有を持つ1つのプロジェクト

「oracle」

• 各プロジェクトにつき3つの共有を持つ、SAPSIDごとの1つのプロジェクト 1. /usr/sap/<SAPSID>ディレクトリに対する「usrsap」 2. /sapmnt/<SAPSID>ディレクトリに対する「sapmnt」 3. /oracle/<SAPSID>/<RELEASE>ディレクトリに対する「oracle」

集中管理のストレージ・レポジトリとしてOracle ZFS Storage Applianceを使用すると、アプライアンスのZFSのスナップショット機能とクローン機能で追加のアプリケーション・サーバーを容易に作成し、活用する機能も提供されます。作成できるサーバーの数は事実上、無制限です。

WebDAVによるZFSアプライアンスへのアクセスを許可するHTTPを含め、多様なプロトコルがサポートされています。そのため、ZFS Storage ApplianceとExalogicの組合せを使用して、標準的なArchiveLink ADKまたはXML Direct Archiving Serviceを使用するSAPのILM概念を実装できます。

Oracle ExalogicおよびOracle Exadata上のSAP NetWeaverの高可用性最高のパフォーマンス、リスクの低減、デプロイおよび運用の簡素化に加え、ExadataとExalogicはSAP NetWeaverインフラを拡張するシンプルで包括的な方法も提供します。

ラック内部で、ExadataとExalogicはEighth、Quarter、HalfまたはFull Rackのデプロイメント・ユニットを提供します。InfiniBandファブリックを使用すると、複数のラックを結合し、迅速かつ簡単にベースのインフラを拡張できます。

SAP NetWeaver 7.x環境を拡張する場合、この機能はシンプルで素早く低リスクなモジュール型の拡張路線を提供します。これにより、多数の独立したコンポーネントの選択、認定、取得、テスト、品質保証という一般的に長く複雑で時間とリソースが必要な、しかもエラーが発生しやすいプロセスが回避されます。

Oracle Exalogic Elastic CloudとOracle Exadata Database Machineを使用すると、どのようなサイズのSAP環境のインフラも数か月ではなく数日でインストールし拡張することができます。TCAとTCOも大幅に削減します。

Oracle Exalogic for SAP Customers

Page 27: Oracle Private DB Cloud Infrastructure for SAP · PDF fileOracle Databaseを選択する6つの理由と、なぜSAP顧客にとってOralce Exadata Databese Machine ... Clusters(RAC)、Oracle

27

SAPアプリケーションが、起動時にデータ・センターのドアのロックを確認するはずがありません。

• このモデルがSAP Security Solution Mapと呼ばれるのは当然のことです。しかし、多くのマネージャと管理者にはSAP以外のアプリケーションを含め企業のIT環境に対する責任があります。全体的なアプローチは、できるかぎり多くの一般的なセキュリティ機能を要求します。それらは一度実装すると、すべてのアプリケーション要件に対応できる機能です。このような一般的な機能の層は、スーパーストラクチャ・セキュリティと呼ばれます。

このモデルは単純ですが、SAP Security Solution Mapよりも一般的です。それでもこのモデルは、SAPパートナーが提供するセキュリティ・ソリューションを説明したり、アーキテクチャの要素としてすべての製品のロールを定義するために十分に機能します。

オラクルは、SAP顧客が使用できるスーパーストラクチャ・ソリューションだけでなく、インフラも提供します。ここからは、インフラストラクチャ・セキュリティの不可欠な要素として、オペレーティング・システムの強化(第1部)およびOracle Databaseのセキュリティ

(第1部、第2部)について説明します。第2部として、Oracle IDおよびアクセス管理ソリューションおよびこれらのソリューションがスーパーストラクチャ・セキュリティの実装にどのように役立つかを説明します。

SAP環境向けのオラクル・セキュリティ・ソリューション - 全体的なアプローチ

概要 SAP環境向けのセキュリティ・ソリューションに関する議論の多くは、いわゆる「セキュリティ・サイロ」についてです。管理者は、セキュリティ・ホールを発見し、システムを保護する方法を検討します。ベンダーは新しいセキュリティ製品または機能を宣伝します。マネージャは、セキュリティ違反や規制の準拠に関するニュースが、自分たちの具体的な例なのか知りたいと思っています。

それぞれが自分の範疇だけで考えてたとしても、誰も非難できません。なぜならば、SAP環境に完全なセキュリティを提供するソリューションが1つもないからです。『SAP Security Solution Map』を出版したとき、SAPは、「完全なセキュリティ」の意味を定義しようとしました。しかし、このアーキテクチャはSAPを始め、どのベンダーも完全なソリューションを作成し提供できない理由を明確に示していません。

• このモデルにはインフラストラクチャ・セキュリティという層が含まれています。「インフラストラクチャ」とは、稼働するSAPアプリケーションの下部構造のすべて、つまりネットワークとサーバーから、オぺレーティング・システムとデータベースまでを意味します。インフラストラクチャ・セキュリティは、SAP環境のセキュリティに不可欠です。データ・センターのドアが常時開け放たれているとしたら、SAPアプリケーションのセキュリティのために多くの時間とお金を費やしても意味がありません。一方、SAPはインフラストラクチャ・セキュリティに対してなすすべがありません。SAPがドアを販売することはもちろんのこと、

Oracle Security Solution for SAP Environments – A led Approach l

図1: 一般的なセキュリティ・モデル

Page 28: Oracle Private DB Cloud Infrastructure for SAP · PDF fileOracle Databaseを選択する6つの理由と、なぜSAP顧客にとってOralce Exadata Databese Machine ... Clusters(RAC)、Oracle

28

オペレーティング・システムのセキュリティ 論 どの企業にとっても情報はもっとも重要な資産であり、十分に保護する必要があります。ITシステム(メタ・データ)、通信テクノロジおよび組織に関する情報の場合、サーバーのオペレーティング・システムのデプロイ、構成および管理の状態を確認し、サーバーのワーク・プロセスとビジネス・プロセスに不可欠なデータ・センターのあらゆる種類の情報(SAPおよびSAP以外)のセキュリティと信頼性を強化する必要があります。

今日のITのインフラストラクチャは、広く分散したクラウド・センターに存在し、通常、ネットワークはインターネットに接続(たとえば、SAP Hybrid Cloud)しているため、侵入者は企業のシステムとデータへのエントリー・ポイントを簡単に特定できます。

Oracleは、2つの普及した価値の高いオペレーティング・システム、Oracle SolarisとOracle LinuxをSAP市場に提供します。これらのオペレーティング・システムは、IT環境を保護し、ネットワークのファイアウォール管理やアクセス制御のセキュリティ・ポリシーなど、リモート・アクセスと管理に関連するセキュリティの課題を軽減するための包括的な一連のツールとテクノロジを提供します。SAP Business SuiteをOracle SolarisまたはOracle Linuxプラットフォームに配置すると、パフォーマンス、密度、エネルギー効率に加え、貴重なエンタープライズ・クラスの機能を得ることができます。

次の一般的な方針と特殊な方針では、SAP環境で使用されるOracle Solarisのセキュリティの強化を取り上げます。

図2: インフラストラクチャ・セキュリティ - オペレーティング・システムの強化(Oracle Solaris、Oracle Linux)

セキュアな環境を作る最初のステップは、基本のオペレーティング・システムの保護です。オペレーティング・システムの基本的なサービスが適切に構成されている場合、セキュリティの問題の多くを回避できます。特にSAPの世界では、すべてのビジネス・コンポーネントが安全にデプロイされていることを保証するには、正しく構成されたオペレーティング・システム環境を配置することが必

須です。

ITハードウェアおよびソフトウェアのプラットフォームの主要なサプライヤとして、オラクルは長年にわたり、特化したソリューション、統合、オペレーティング・システム、ネットワーキング、組込み型の仮想化機能、パフォーマンス、サポートをSAPアプリケーションに提供してきました。

最初の質問は、「なぜOracle Solarisを、現在のエンタープライズ・アプリケーションの重要なバックボーンとして使用するのか。」です。

• 防御: Oracle Solarisは、システム整合性を強力に保証し、権限付きのSAP管理アカウントなどによって不正アクセスからシス

テムを防御します。

• 有効化: Oracle Solarisは、すべてのアクティブな対象をセキュアに認証し、エンドポイント(SSH、telnet、rshおよびrloginなど)間の通信を保護します。

• デプロイ: Oracle Solarisは、適切に統合されたITインフラストラクチャ・スタックを提供します。スタックは、他のセキュリティ・アーキテクチャと相互運用できるように設計されています。さらに、管理の容易さ、セキュリティ機能の使用、セキュリティの独立評価、Oracle Solaris Zonesに組み込まれた仮想化を提供します。

Page 29: Oracle Private DB Cloud Infrastructure for SAP · PDF fileOracle Databaseを選択する6つの理由と、なぜSAP顧客にとってOralce Exadata Databese Machine ... Clusters(RAC)、Oracle

29

• コンプライアンスの実施と監査: Oracle Solarisを使用すると、内部のセキュリティ・ポリシーおよび規制セキュリティ・ポリシーの構成管理のレポートを作成でき、レポートをOracle IDとアクセス管理(IAM)のスタックに完全に統合できます。

ロール・ベースのアクセス制御(RBAC)この権限は、コマンド、ユーザー、またはロールに付与される個別の権利です。Oracle Solarisの機能であるロール・ベースのアクセス制御(RBAC)は、管理階層の実装、アプリケーションに対する特殊なアクションの強制、ゾーンの分離、管理機能のエレベート、ソフトウェアの制限ポリシーの設定により、侵入者や通常のユーザー操作によるセキュリティ・リスクを軽減します。

RBACは、通常、ルート・ユーザーに限定されるユーザー・アクセス・タスクを制御しますが、セキュリティ属性をプロセスおよびユーザーに適用すると、管理者権限を複数の管理部に分散することができます。

ルート・アクセスを持つユーザーやアプリケーションによるOracle Solarisオペレーティング・システムとSAPアプリケーションへの変更は、場合によって深刻な状態を招くことがあります。Oracle Solarisを使用する管理者は、ユーザーとアプリケーションにきめ細かい権限を付与し、特定のタスク実行に必要な最低限のアクセス権を設定することでシステムを保護できます。ルート・ユーザーのアカウントはロールとして定義され、適切な権限を持つユーザーのみがそのロールに割り当てられます。これにより、システムやアプリケーションを変更したユーザーの追跡ができるため、セキュリティとアカウンタビリティが向上します。

ログインの保護 最初のリモート・ログインでは、Oracle SolarisのSSH(Secure Shell)機能を経由する認証されたチャネルに限定し、他のシステムとの通信を暗号化で保護します。管理者は、他のシステムとの通信に通常SSH(Secure Shell)を使用しますが、これはシステムへのエントリー・ポイントであるため、必要な時以外は無効にする必要があります。Oracle Solarisは、加速された暗号として2つの構成要素、Oracle Solaris Cryptographic FrameworkとOpenSSLを提供します。

OpenSSLは、通常オープン・ソース・アプリケーションにより使用され、セキュアなHTTPトラフィックに推奨されるライブラリです。Oracle Solarisのコンポーネントは、デフォルトでSSH(Secure Shell)、ZFS、Kerberos、インターネット・キー交換プロトコル(IKE)などの暗号化フレームワークを使用します。プラットフォーム上で高パフォーマンスの暗号化を利用するための追加構成は必要ありません。

Oracle Security Solution for SAP Environments – A Holistic Approach

仮想化 - セキュリティ、柔軟性、スケーラビリティの強化Oracle Solarisサーバーの仮想化により、システムはより小さな仮想サーバーに安全に分散され、管理者はより多くのアプリケーションを単一システムに配置できるようになります。セキュアな組込みの仮想化サービスは、システム、ネットワーク環境およびSAP環境を統合して最適化し、データ・センターの効率をさらにアップします。仮想化サービスによる新しい機能を常時提供するプラットフォームの活用は、大規模でミッション・クリティカルな環境のサポートに必要な困難なタスクへの取組みも可能にします。

組織のセキュリティとコンプライアンスセキュリティは今や、当初の技術的な問題(TelnetのSSHへの変更など)から組織の問題にまで拡大しています。Oracle Solarisは、高レベルのセキュリティのゴール、およびコンプライアンスの実施と監査などの主要な動向を支えるエコシステムによってサポートされたコンプライアンス・ベースのプラットフォームを提供することにより、組織のセキュリティの負担を軽減します。

環境を包括的に監査すると、イベントが発生する前に異常な動作を容易に検出できます。また、稼働しているシステムの状態を理解すると、データ窃盗イベントのリスクを低減できます。生成されるレコードは、アプリケーションで定義され、アプリケーション開発者が記録する内容をレポートします。ログは完全に信頼できる情報源ではないことに留意してください。ログは非常に有用な診断のステップとして使用できますが、不正侵入されたアプリケーションにより生成されたログ・イベントが変更される可能性があります。

代わりに、管理者による制御、またはカーネルが仲介する不正操作防止機能を持つ監査データを使用して、リスクを分析する必要があります。デフォルトで、Oracle Solaris上の重要なイベント(ログインや権限のエスカレーションなど)に対する監査は有効に設定されています。ここで注意が必要なのは、記録として使用する監査データには多くのクラスがあることです。管理ファイルにタグを付け、変更を監査ログに記録するのは、Oracle Solaris固有の機能です。管理上の編集コマンドは、権限付与された構成の編集を記録するための簡単なメカニズムです。

Page 30: Oracle Private DB Cloud Infrastructure for SAP · PDF fileOracle Databaseを選択する6つの理由と、なぜSAP顧客にとってOralce Exadata Databese Machine ... Clusters(RAC)、Oracle

30

ソフトウェアとサービスの構成および管理 不要なソフトウェア・パッケージ、サービス、アプリケーション、ネットワーク・プロトコルを削除すると、可能な攻撃の経路を最小限に抑えることができます。新しいソフトウェア・パッケージまたはパッチのインストールは、ユーザーのプロビジョニング、ネットワーク・サービス、ライブラリを破損する潜在的な原因になります。Oracle Solarisオペレーティング・システムをインストールする際、操作に必要なソフトウェア・パッケージのみをインストールすることで攻撃対象領域を制限することができます。

ソフトウェアの最小化と同様に、サーバーによるアプリケーション・サービス提供に必要最低限のサービスに限定することも、潜在的な攻撃の経路を排除する上で役立ちます。

IDとアクセス管理今日のビジネスは、設備、ネットワークおよび情報に物理的・論理的にアクセスしている対象者のIDおよびアクセス管理(IAM)ソリューションを、これまで以上に重点的に取り扱うことを要求します。このようなセキュリティの傾向を加速させているのが、複合OSと仮想化OS、異なったユーザー管理エンジンを使用するアプリケーションとデータベースのデプロイ、B2B、サービス志向のアーキテクチャ実装、クラウド・コンピューティング、モバイル・コンピューティング(BYODなど)、ITガバナンス、リスクおよびコンプライアンス・ポリシー/規則、およびIoTなどの新しいインターネット・パラダイムです。このすべてを、他のサード・パーティ製プラットフォームを統合するために必要な柔軟性を備えた、一貫したSAP ERPセキュリティ・アプローチの視点で見る必要があります。このサード・パーティ製のプラットフォームは、使用可能なすべてのビジネス・レイヤーで徹底したビジネス・プロセスとトランザクションを確立するために使用されます。

図3: アプリケーションのセキュリティ - Oracle IDとアクセス管理

Service Management Facility(SMF)は、オペレーティング・システムの機能です。Oracle Solarisでシステムおよびアプリケーション・サービス(有効化、無効化、リフレッシュ、再起動など)を管理する統一されたメカニズムを提供します。SMFは、ハードウェアまたはソフトウェアの障害が発生した場合にも、重要なシステム・サービスとアプリケーション・サービスが継続して稼働することを保証し、システムの可用性を改善します。SMFは、幅広いOracle Solarisの予測的な自己回復機能のコンポーネントの1つです。

オペレーティング・システムのセキュリティを強化するには、使用していないサービスに関連したソフトウェア・パッケージを削除または無効化します。

オラクルは、このような要求を厳密に満たすエンタープライズIDとアクセス管理のパッケージを提供し、ID管理、アクセス要求、ロールのライフサイクル管理、アクセス認証、閉ループ修復、混合プラットフォーム・デプロイ向けの権限付与されたアカウント管理に対して、一体化された包括的なプラットフォームを提供します。この製品は、SAPシステムおよびSAP以外のシステム上で、機密性が高くリスクが高いデータに対するアクセス権を持つ人物の特定に関連する法的な要求事項(サーベンス・オクスリ、21 CFR Part 11、グラム・リーチ・ブライリー法、HIPAA、KonTraGなど)の実施および立証により、法令遵守を強化します。そのためにSAP GRCスタックへの直接統合を提供しています。また、有効期限の切れた不正なアカウントや権限による潜在的なセキュリティの脅威を排除します。これと連携するのが、権限付与されたアカウント管理で、ルート・ユーザー(管理者)が機密性の高いアプリケーションにタイムリーにアクセスすることを許可する一方で、彼らのアクティビティに関する十分な追跡記録も提供します。オラクルは、Oracle Identity Governance Suiteとともに、このような一体化されたソリューションを提供します。

Page 31: Oracle Private DB Cloud Infrastructure for SAP · PDF fileOracle Databaseを選択する6つの理由と、なぜSAP顧客にとってOralce Exadata Databese Machine ... Clusters(RAC)、Oracle

31

Oracle Identity Governance Suite Oracle Identity Manager(OIM)、Oracle Identity Analytics

(OIA)、Oracle Privileged Account Manager(OPAM)は、連携して企業の完全なガバナンス・プロセスを作成します。このスイートは、柔軟性と拡張性の高いエンタープライズID管理システムを提供します。システムは、管理の一元化、エクストラネット・アプリケーションとエンタープライズ・アプリケーションにわたるIDおよびユーザー・プロビジョニング・イベントの完全な自動化により、効率的な運用と事業経営を実現します。また、IDおよびロールのライフサイクル全体の管理で変化するビジネスと法的な要求事項に対応し、重要なレポート機能とコンプライアンス機能も提供します。また、IDに基づく一貫した制御で、継続的な運用コストとコンプライアンスのコストも削減されます。SAP ERP

(ABAPとJava)への専用コネクタの提供、具体的なSAP HCMシナリオへのサポート、SAP固有の職務分離を検証するためのSAP BusinessObjects Access Control(V5.3とV10)への統合などが提供されています。

Oracle Identity Governance Suite(OIG)のコンポーネントは、企業に対し効率よくアクセス・コンプライアンスを実現および管理し、重要なIDに基づく制御(SoD)を自動化する機能を提供します。また、OIGにより、ビジネス/機能のロールを定義、認証、割当てることができ、SAP製品スタックへの直接統合は、ユーザーのアクセス・ライフサイクル全体を通して価値あるものとして継続されます。さらに、OIGにより、SAP Org-Structuresを、中央の企業全体にまたがるビジネス・ロールのモデルを開発する基礎として使用できます。SAP Org-Structuresには、割り当てられたすべてのシステム・アカウント(SAPおよびSAP以外)にわたり統合可能な職務分離をクロスチェックする機能があります。

Oracle Access Management Suite Plusこの数年間、アクセス管理はアプリケーションとWebサービスのセキュリティを対象とし、主に認証、認可、監査に重点的に取り組んできました。これが、保護の新しいレベルに拡大しました。たとえば、企業は、従業員が所有するモバイル機器から会社のリソースにアクセスできるようにする必要があります。同様に、一部の組織では、ソーシャル・ネットワーキング・サイトのユーザーIDに基づき、アプリケーションへのアクセスを顧客に付与し、多くの組織では、社内アプリケーションと同様にクラウド・サービスへのサイン・オンを管理する必要があります。さらに組織は、自身のアプリケーション、データ、Webサービス、クラウド・ベースのアプリケーション、またはサービスとしてのソフトウェア(SaaS)・アプリケーションに、エンドツーエンドの標準ベースのセキュリティ・サービスを提供する必要にも迫られています。まさに今が変革期と言えます。このようなビジネス上の要求は、組織にセキュリティ・サービスの外部委託、パートナーとの統合、内外のトランザクションのリスクの評価を強要しています。Oracle Access Management Suite Plus

であれば、アプリケーション、データ、Webサービス、企業全体および企業を越えたクラウド・ベースのサービスへのアクセスを制御する完全なソリューションを使用して、この多くの課題に対処できます。パッケージには、SAP NW Enterprise Portalのための「プラガブル認証およびWebSSO」サービスなどの機能が含まれます。この機能は、他のサード・パーティ製のWebアプリケーションと併用されるSAP NetWeaver Enterprise Portalのデプロイに完全なWebSSOソリューションを提供できます。さらに、Oracle Identity Federationは、SAML(Security Assertion Markup Language)のように普及した市場の規格に基づくSAP ERPなど、様々なアプリケーション・プラットフォームに対して、領域間に共通したクラウド対応のシングル・サインオン・ソリューションを提供します。

Oracle Enterprise Single Sign-On Suite PlusOracle Enterprise Single Sign-On Suite Plusはセキュアな方法で、ウェブに限らず、すべてのアプリケーションのパスワードを記憶することからユーザーを解放します。OESSO Logon Managerでは、従業員はWindowsにログオンするだけで、他の部分はOESSO Logon Managerが管理します。従業員が他のアプリケーションを起動すると、OESSO Logon Managerが各アプリケーションの正しいパスワードを使用して自動的にログオンします。Oracle OESSO Logon Managerは企業コンピュータにインストールが可能で、外部のコンピュータからいつでもどこでもWebサイトを介して任意にアクセスできます。また、すべてのSAPパワー・ユーザーは、SAP GUI for Windowsに基づき、セキュアで信頼できる簡素化された統合を実行できます。

Oracle API Gateway世界中の企業が、イントラネット環境とエクストラネット環境の両方で、Webサービスを使用してサービス志向(SOA)のインフラストラクチャを積極的にデプロイしています。Webサービスには、従来の代替手段にまさる数多くの利点(分散されたオブジェクト、カスタム・ソフトウェアなど)がありますが、相互接続されたWebサービスのネットワークを配置するには、特にセキュリティと管理面で重要な課題があります。Oracle API Gatewayは、アプリケーション・レベルのルーティング(ソース、ターゲット、送信者のID、XMLメッセージ・タイプ)、XML変換、検証と脅威スキャン、XMLの加速、セキュリティ(選択的暗号化とXMLメッセージの署名、復号化と署名の検証)、モニタリング(応答時間、ロギング、警告)、およびガバナンス(サービス・アクセスおよび使用)を提供するソフトウェア・ソリューションです。スタンドアロンでも、戦略的なエンタープライズSOAインフラストラクチャに不可欠なコンポーネントとしてもデプロイすることができ、SAP NW Process Integration Engine

(SAP SOA Engine)、エンタープライズ管理プラットフォーム、ID管理プラットフォームなどのエンタープライズ・サービス・バスと相互作用します。

Oracle Security Solution for SAP Environments – A Holistic Approach

Page 32: Oracle Private DB Cloud Infrastructure for SAP · PDF fileOracle Databaseを選択する6つの理由と、なぜSAP顧客にとってOralce Exadata Databese Machine ... Clusters(RAC)、Oracle

32

えい対策の実行と同時に、内部のアプリケーションへのセキュアなアクセス方法をIT部門に提供します。この方法は、再認証/再認可のプロシージャなしで1つのホット・スポットから別のホット・スポットに移動する、仮想プライベート・ネットワーク(VPN)接続を使用しません。このソフトウェアは、エンド・ユーザーが所有するモバイル・デバイス内のすべての企業データに対し、これまでになかった新しい分離レベルを追加し、企業がiPhone、アンドロイドおよびブラックベリーを問わず、企業データを30分以内に、ネイティブな状態で簡単に移動できるようにします。このソフトウェアは、製品がエンド・ユーザーのモバイル・デバイスにセキュアなサンドボックスを設定するコンテナ・コンセプトに基づいています。エンタープライズ・アプリケーションやサード・パーティ製のアプリケーションは、Oracle Mobile Security Suiteによって信頼された時点で、コンテナ化が可能であると見なされ、ネイティブなOracle Mobile Security Suite appsと同じ方法で保護されます。すべてのアプリケーションは、組込みのセキュアなWebトンネルに基づき、OMSSゲートウェイを介してアクセスされ、SAP AG ERPモバイルappsなど、モバイル・デバイスや高性能デバイス専用に開発された企業用のアプリケーションにアクセスを提供します。

まとめ プロビジョニング、権限付与されたアクセス要求(シングル・サインオンを含む)と承認の管理、ロール管理およびコンプライアンス製品は、互いに独立して進化してきました。結果として、企業は各種要求に対応するポイント・ソリューションとして、複数ベンダーの各製品を実装せざるを得ませんでした。法的な要求事項とプロビジョニング要件の拡大と手直しが続けられる中で、複数ベンダーによるソリューションはますます複雑になり、管理と統合に必要な費用は増大する一方です。企業は、サポートも各ベンダーに大きく依存せざるを得ない状況に置かれています。さらに統合および手動プロセスの管理目的に相当量のリソースを投入していますが、これが成功するという保証はほとんどありません。最新の調査では、複数ベンダーによるポイント・ソリューションのデプロイと比較すると、単一ベンダーによるプラットフォーム・ソリューションのデプロイの方が、全体のコストを最大48%節約できることが明らかになりました。したがって、単一の一体化されたIAMプラットフォームを使用するOracleは、複数ベンダーによる異種アプリケーションおよびオペレーティング・システムのすべてのデプロイの適切なパートナーと言えます。OracleのIAM製品スイートは、非サイロ化に基づく柔軟性の高いSAP IAMソリューションの出発点として、また基本として機能します。

Oracle Secure Global Desktop Oracle Secure Global Desktopは、セキュアなリモート・アクセス・ソリューションです。Microsoft Windows、Linux、Oracle Solarisおよびメインフレーム・サーバーで稼働するアプリケーションに対し、Windows PC、Mac、Linux PC、およびiPadなどのタブレットやアンドロイド・ベースの機器を含む、一般的な各種のクライアント・デバイスからアクセスします。Oracle Secure Global Desktopを使用すると、管理者は1つのソリューションを使用して、各種アプリケーションとデータ・センター内のデスクトップ環境のレジデントに、セキュアなアクセスを提供できます。企業のファイアウォール(SAP GUIやSAP NW Portalなど)の内外から必要なアプリケーションに接続するユーザーをサポートします。ユーザーはどこからでも自由に作業ができます。

この自由な状態は、デバイスの選択にも広がります。Oracle Secure Global Desktopによる多数のクライアントのサポートは、クライアント・プラットフォームを考慮せずに選択したデバイスからの自由な接続を実現しています。たとえば、ユーザーはiPadでWindowsアプリケーションを使用することも、WindowsラップトップからLinuxアプリケーションにアクセスすることもできます。Oracle Secure Global Desktopが提供するセッションの持続により、ユーザーはデバイス間を移動し、中断することなく異なるデバイスでセッションを再開できます。

Oracle Directory Server Enterprise Edition Oracle Directory Server Enterprise Editionは、組込みデータベースを利用したコア・ディレクトリ・サービス、ディレクトリ・プロキシ、Microsoft Active Directoryとの同期、およびすべてのソフトウェアをまとめて管理できるWebコンソールを提供する唯一の高性能ディレクトリ・サーバーです。この製品は、完全なディレクトリ・サービスを提供する主要なコンポーネントを装備し、SAP NetWeaverアプリケーション・スタックとの統合が認定されています。

Oracle Mobile Security Suite BYODと言われる傾向が増加しています。BYODとは個人所有のデバイスを仕事に使用することを指します。社員は自分のデバイスを使用してエンタープライズ・イントラネット上の内部アプリケーションや公開アプリケーション(apps)にアクセスします。また、彼らはオフィスの内外でファイルとデータを共有します。これは、可視性やデバイスのコントロールが把握できないため、すべてのIT部門にとって厳しいセキュリティ状況です。オラクルは、データ漏

Page 33: Oracle Private DB Cloud Infrastructure for SAP · PDF fileOracle Databaseを選択する6つの理由と、なぜSAP顧客にとってOralce Exadata Databese Machine ... Clusters(RAC)、Oracle

33

データベースのセキュリティ ユーザーが、データ・ストアとして使用されるデータベース内のデータをSAPアプリケーションで読取りまたは更新する場合、通常、SAPのアプリケーションが提供するインタフェースを使用します。オラクル・データベースの観点から、これはもっとも簡単なケースです。次の3つの質問 - どのユーザーにアクセスを禁止し、どのユーザーにアクセスを許可すべきでしょうか。データのどの部分に特定のユーザーがアクセスできるようにすべきでしょうか。このユーザーがデータに対して実行できる操作は何でしょうか。に対するSAPユーザーの回答から、オラクルが提供するのは、IDおよびアクセス管理ソリューションのサポートが可能な権限管理です。これは、次のことを意味します。正当なデータ・アクセスはIDおよびアクセス管理により管理されます。悪意のあるユーザーでないかぎりは、オラクル・データベースに何かを追加する必要や可能性はほとんどありません。これを逆説的に言えば、次のようになります。オラクルのデータベース関連のセキュリティ機能およびオプションは、SAPアプリケーションをバイパスするデータ・アクセスの防止に役立ち、SAP以外のツールを使用してSAPデータにアクセ

スすることは、少なくとも潜在的な不正アクセスです。

攻撃シナリオ1:ネットワーク・スニッフィング 攻撃者はスニファー・ツールを使用して、転送中のデータを取得します。これにより、攻撃者は、ログインとパスワード、表の名前と列名、およびデータベース・サーバーを行き来する実際の表のデータ

(社会保障番号、クレジット・カード番号、他の個人情報)などの機密データを傍受できます。

転送中のデータを暗号化すると、このようなアクティビティを阻止することができます。そのため、オラクル・データベースに実装され

Oracle Security Solution for SAP Environments – A Holistic Approach

図4: データベースのセキュリティ - Oracle Database Vault - 一般的なセキュリティ・モデル

た最初のデータ保護テクノロジは、ネットワークの暗号化を提供します。ここで、ネットワーク暗号化を説明します。SAPアプリケーション・サーバーおよびOracle Databaseサーバー・マシンは、データがネットワークで送信される前に暗号化し、その後復号化します。

攻撃シナリオ2:データベース・ファイルのコピー攻撃者は、データベース・ファイルのコピーを盗み、ファイルを直接読み取ることができます。もちろん、これらのファイルはシンプルなテキスト・ファイルではないため、SAPのデータ・モデルとオラクルのデータ・ストレージ・アルゴリズムに関する知識が必要です。そのため、難しいことではありますが、読み取ることは不可能ではありません。

したがって、静止データも保護する必要があります。透過的なデータ暗号化 - Oracle Advanced Securityが提供する一連のテクノロジ - は、データをプレーン・テキストではなく暗号化した形式で保存します。このため、データ・ファイル内の情報が判読不能になり、直接データ・ファイルを読むことができません。

特に、すべてのデータを暗号化するのではなく、本番データベースの一部の表のみを列暗号化する場合は、データベース・バックアップのセキュリティ・レベルを強化してください。一般的に本番データベースと比較して、データベース・ファイルのバックアップ・コピーの方が盗まれやすいからです。バックアップ・セットの暗号化 - Oracle Advanced Securityが提供するテクノロジの第2のセット。データベース・ファイルのバックアップを完全に暗号化します。

Page 34: Oracle Private DB Cloud Infrastructure for SAP · PDF fileOracle Databaseを選択する6つの理由と、なぜSAP顧客にとってOralce Exadata Databese Machine ... Clusters(RAC)、Oracle

34

攻撃シナリオ3:データベースの直接接続 データを入手する「不正」な方法は他にもあります。権限付与されたデータベース・ユーザーは、データベース管理者と同じようにDBAツールを使用し、SAPのセキュリティ・チェックをバイパスして直接データベースに接続できます。この使用例を検討する際に理解しておく必要があるのは、この例では暗号化が役に立たないということです。適切な権限が付与されたアカウントを使用してOracle Databaseに接続し、適切なSELECT文を作成し、データベースに送信すると、Oracle Databaseはこのユーザーに結果セットを送信します。ディスク上でデータが暗号化されている場合、Oracleは復号化すら実行してしまいます。これは、このユーザーから送信された要求をOracle Databaseが完全に有効な要求であると見なすからです。

ここで、Oracleがこのような動作をした理由を理解しておく必要があります。データベース・ユーザーには、オブジェクト権限とシステム権限を付与できます。データベースには様々な種類のオブジェクトがありますが、データにアクセスできる人々にとって興味があるのは表のみです。説明を簡単にするために、ここからデータベースの「オブジェクト」を単に「表」と呼ぶことにします。表の「オブジェクト権限」は、その表内のデータへのアクセスが許可されていることを意味します。一方で、システム権限は、データベース構造の操作が許可されています。データベースのディスク領域の追加(または開放)や、表の新規作成(または古い表の削除)、既存の表への列の追加ができます。従来のデータベース

(Oracle Databaseを含む)では、明示的に適切なシステム権限のセットが付与されると、暗黙的にすべての表のオブジェクト権限も付与されます。これまで、この方法に対する疑問も問題も発生しませんでした。最近、この方法に企業が疑問を感じ始めています。データベース構造を管理するデータベース管理者が、データベース内のすべてのデータを読取り(あるいは変更)可能であることは、本当に必要で望ましいことでしょうか。

3番目に理解しなければならないのは、第3の使用例の場合に、新しい権限管理方法がデータベースに必要だということです。この方法では、システム権限とオブジェクト権限は継続して提供する必要がありますが、暗黙的に付与されるオブジェクト権限の使用を中止します。つまり、通常のデータベース・ユーザーにはオブジェクト権限のみが必要で、ほとんどのデータベース管理者の

場合は、システム権限のみが必要です。データベース管理者がデータにアクセスしなければならない場合は、必要なオブジェクト権限のみを明示的に付与します。

この方法は、Oracle Database Vaultで実現できます。すべての暗黙的な権限を解除し、代わりにアクセス権限を明示的に定義する方法と、アクセス権限を有効にする環境を提供します。これは、従来のユーザーと権限の相関関係やユーザーとロールの相関関係とはかなりの隔世感があります。Oracle Database Vaultにより、企業は職務分離やダブルチェック方針などの概念を実装し適用できます。

まとめ ここで、これまでの説明をまとめると、SAPのアプリケーションを使用してアクセスするすべてのデータはSAPが処理する、と言うことができます。したがってオラクルにできること、実行が必要なことは多くありません。反対に、他の手段でデータベースのデータにアクセスするユーザーに、SAPができることは多くありませんが、オラクルにはできることがたくさんあります。Oracle DatabaseとOracle Databaseのオプションに実装されているセキュリティ機能は、まさにデータ保護のためにあります。 暗号化は、データベース・ファイルを直接読み取ることを防止します。Database Vaultは、標準のデータベース・ツールを使用したデータへのアクセスを阻止します。

追加情報 SAP Security Solution Mapは、http://scn.sap.com/docs/DOC-17098からダウンロードできます。

ここでは、オラクルがSAP顧客に提供するセキュリティ・ソリューションの全体像を簡単に説明します。より詳細なバージョンは、ホワイト・ペーパー http://www.oracle.com/us/solutions/sap/oracle-security-for-sap-2148703.pdfを参照してください。

汎用的な、Oracle Linuxの強化に関する包括的なホワイト・ペーパーは、次のサイトを参照してください。http://www.oracle. com/technetwork/articles/servers-storage-admin/tips-harden-oracle-linux-1695888.html

Oracle Security Solution for SAP Environments – A Holistic Approach

Page 35: Oracle Private DB Cloud Infrastructure for SAP · PDF fileOracle Databaseを選択する6つの理由と、なぜSAP顧客にとってOralce Exadata Databese Machine ... Clusters(RAC)、Oracle

35

OracleとSAPの共通のバックグラウンドについて説明してください。

オラクルとSAP AGは、26年にわたり多くの共通する顧客へのサービスに取り組み続けています。 中規模から大規模まであらゆる業種の成長企業のSAP顧客が、自社のアプリケーションをOracleデータベースに委ねています。 周りを見てください。SAPアプリケーションを稼動させている多くの企業は、Oracle LinuxとOracle Solarisを含む、メジャーなあらゆるオペレーティング・システムと環境でOracleデータベースを使用しています。

OracleのテクノロジがSAPアプリケーションの動作を向上させると明言されました。OracleおよびExadata Database Machineの主な差別化要因について説明してください。

実績のある、汎用データベースおよびインフラストラクチャ・プラットフォームをSAP顧客に提供しているのは、オラクルだけであると私たちは考えています。Oracle Databaseを選択する理由は、6つあります。

1. - 最高のパフォーマンスとスケーラビリティ:最初に、Exadata Database Machine for SAPは、事前構築され調整された独自の完全なシステムで、しかもセキュアなクラウド・ベースのシステムである点です。高可用性が組み込まれた、高パフォーマンスを提供するミッション・クリティカルで標準的なOracle Database用のハードウェアとソフトウェアで構成されています。

• Oracle Exadata Database Machineを使用すると、要求に応じて臨機応変に拡大または縮小ができます。スタートするときには、適切なサイズ(Eighth、Quarter、HalfまたはFull Rack)のOracle Exadataを選ぶことができます。このソリューションの場合、スピードや容量の追加が必要になる前に、より大きなサイズにアップグレードされます。フォークリフト・アップグレードの必要はありません。既存のシステムを18台のフル・ラック

まで拡張するだけです。

• Oracle Exadata Database Machineは、トランザクション処理とデータ・ウェアハウスのために優れたパフォーマンスを実現します。SAPトランザクションは、超高速検索のためにフラッシュ・メモリーに存在する可能性のあるデータに対して実行されます。レポート作成やバッチ・ユーザーが、SAPトランザクションのユーザーを邪魔することはありません。SAP NetWeaver Business Warehouseは、桁違いの速さでユーザーにクエリーを返します。

2 - OSに対する高い柔軟性:Oracle Databaseは広範なプラットフォーム、つまりUnix、Linux、Windowsをサポートします。どのプラットフォームが選択されてもOracleは、すべて同じコード・ベースを使用します。つまり、すべてのハードウェア・プラットフォームとオペレーティング・システムで、Oracleの機能やツールが同じと言うことです。そのため、顧客は自分の環境でもっとも適切なプラットフォームを選択できます。

Q&A Oracle Exadata Database Machine for SAP

Customers

Oracle Databaseを選択する6つの理由と、なぜSAP顧客にとってOralce Exadata Databese Machineが統合およびパフォーマンスに最高のプラットフォームであるか、ゲルハルト・カップラー氏(オラクル・コーポレーション(米国)、SAPアライアンス担当副社長)が説明します。

Page 36: Oracle Private DB Cloud Infrastructure for SAP · PDF fileOracle Databaseを選択する6つの理由と、なぜSAP顧客にとってOralce Exadata Databese Machine ... Clusters(RAC)、Oracle

36

• Oracle RAC for SAPは、少なくとも1つのデータベース・インスタンスが稼働している場合に、データベース・サーバーがシングル・ポイント障害にならないようにします。

• Oracle Clusterware(例: SAPCTL)は、SAPの重要なサービスを保護し、SAPアプリケーションの可用性を高めます。

• Oracle Data Guardは、Oracle Real Application Clusters(RAC)を補完し、障害時リカバリ・ソリューションを提供します。Oracle Automatic Storage Managementは、単一インスタンスのOracle DatabaseとOracle Real Application Clusters構成の両方をサポートするOracle Databaseファイルのボリュー

ム・マネージャおよびファイル・システムです。

• Oracle Cloud File Systemは、Oracle Database向けのAutomatic Storage Managementを補完します。

SAP顧客向けのOracle Exadata Database Machineは、高度な設計と事前検証が持ち味です。高可用性が組み込まれ、すぐに使用できます。事前構築されたOracle Exadata Database Machineで、デプロイ、インストール、構成(HW、OS、DB、RAC、Clusterwareなど)の時間とコストが削減されます。

4 - 大規模データベースに最適なサポート:Oracleのソリューションは、複数の分散したOracleデータベースを1つのExadata Database Machine環境に統合し、全体的なデータベースのコストを削減します。Exadata Database Machineは、IT担当者がコンポーネントの構成とテストから開放され、企業のビジネス・ニーズに集中できるようにします。環境の多くは長い年月使用されたレガシー・システムで、維持に多大な費用がかかります。Exadata Database MachineとExalogicは、より安価で管理が容易な環境を提供します。これは、プライベート・データベース・クラウドで実行可能なオプションです。

SAP顧客には、どのようなメリットがありますか。

SAP Business Warehouseには、次の欠点があります。

• 大規模で複雑なInfoCube、クエリー、またはデータベースの応答時間が長いトランザクション

• 時間が制限された、毎日の大量の抽出

• ネットワークをあふれさせる可能性がある大量の抽出

SAP ERPは、次のような点に問題があります。

• OLTP環境の大きい表

• 時間の経過に伴い、HRテーブルの増加

• トランザクション・テーブルに、絶え間ないアーカイブが必須

顧客がオペレーティング・システムを変更する必要がある場合、Oracleは、Oracle-to-Oracle(O2O)移行サービスのような高速で効率的なソリューションを提供しています。多くの顧客はオフライン移行に我慢ができません。そこでオラクルは、Triple-Oも提供しています。オンラインのOracle-to-Oracle移行は、データベースのサイズにかかわらず、非常に短い停止時間で実行できます。このため、移行の停止時間が数時間から数分に短縮されます。

Oracleは、サード・パーティ製のハードウェアとオペレーティング・システムで構成されたシステムにインストールするためのOracle Database Serverソフトウェアを提供しています。 しかし、現在では「エンジニアド・システム」が主流です。このシステムのマシン、オペレーティング・システム、データベースは、Oracleが製造しています。その結果、Oracleはすべての機能がもっとも効率的に機能する層に移動させることができます。

Oracle Database 12c*の新しいオプション、Oracle Multi-tenantは、統合、プロビジョニング、アップグレードなどを簡素化することで、顧客のITコストを削減します。このオプションをサポートする新しいアーキテクチャにより、マルチテナント・コンテナ・データベースは、多数のプラガブル・データベースを格納できます。既存のデータベースを変更せずにプラガブル・データベースとして導入でき、しかも他のアプリケーション層での変更は必要ありません。

従来からOracleは、サード・パーティ製のハードウェアとオペレーティング・システムで構成されたシステムにインストールするためのOracle Database Serverソフトウェアを提供していました。

このアプローチは今もなお継続されていますが、もっと良いアプローチとして「エンジニアド・システム」を提供しています。このシステムのマシン、オペレーティング・システム、データベースは、Oracleが製造しています。その結果、Oracleはすべての機能がもっとも効率的に機能するレイヤーに移動させることができます。たとえば、Oracle Exadata Database Machineでは、相当量のSQLとデータ分析がストレージ・レイヤーに移動され、フラッシュ・メモリーがロギングに使用されます。

3 - 最高の可用性と信頼性:Oracle Exadataの冗長アーキテクチャでは、すべてのシングル・ポイント障害が排除されます。Exadata Database Machineには、ミラーリング、障害の分離、ドライブとセルの障害に対する保護など、よく知られた機能が組み込まれ、継続的なデータの可用性と保護が確保されています。

Page 37: Oracle Private DB Cloud Infrastructure for SAP · PDF fileOracle Databaseを選択する6つの理由と、なぜSAP顧客にとってOralce Exadata Databese Machine ... Clusters(RAC)、Oracle

37

Oracle Database 12c*では、Oracle Databaseのストレージ管理機能を向上させるAdvanced Compression Option(ACO)に複数の新機能が追加されています。ヒート・マップは自動的に変更とクエリーのタイムスタンプを追跡し、データがどのようにアクセスされているか詳細な見通しを提供します。Automatic Data Optimization(ADO)は、ヒート・マップで収集された情報に基づいてデータを自動的に移動および圧縮します。これらの機能の組合せは、情報ライフサイクル管理(ILM)戦略を実装する上で役立ちます。Oracle Engineered SystemsおよびOracle Storageで使用可能なHybrid Columnar Compressionは、最高レベルのデータ圧縮を可能にし、I/Oの減少による大幅なコスト削減とパフォーマンスの改善を提供します。平均的な領域の節約は、実装されているHybrid Columnar Compressionのレベルにより、10倍から15倍にもなります。

主要な理由は6つあるというお話でしたが、残りの2つは、何でしょうか。

5 - 最高のデータベース・セキュリティ:Oracle Exadata Database Machine for SAPは、高度に設計され事前に検証された構成です。高可用性が組み込まれ、デフォルトで使用できます。すべてのOracleセキュリティ機能は、すべてのデータベース構成(シングル・インスタンスとRAC)、およびExadata Database Machineを含むすべてのハードウェア/OSプラットフォームで使用できます。

したがって、Oracle Exadata Database Machine for SAPは、もっとも厳しいセキュリティと高可用性の要件に対応し、ミッション・クリティカルなデータベースのために事前開発され安定したセキュアなクラウド・ベースの完全なマシンに、Advanced SecurityなどのOracleで使用できる高度なセキュリティ機能を提供します。

Oracle Database Vaultを使用すると、SAPアプリケーション・データベース・オブジェクト周辺に保護レルムを確立し、権限付与されたデータベース・ユーザーの機密データへのアクセスの防止や職務の分離ができます。

6 - 最高のデータベース管理性とSAPの自己管理機能Oracle Exadata for SAPソリューション:

• 複雑な統合作業や手動チューニング(データベース、ストレージ、ネットワークおよびサーバー)が不要

• 実装、移行および統合のサポートを最適化し、プロジェクトの実行時間を短縮、コストも節約

• 複数のシステム・データベースを集合した、非常に効率の良い一元管理型データ・プールをユーザーが容易に実装可能。バンドル・パッチは、SAPと連携して作成され、簡素にするためにバンドルされます。

Q&A Oracle Exadata Database Machine for SAP

Oracleは、SAP顧客にどのようなサービスを提供できますか。

当社のOracle for SAP Services & Supportチームが提供するAdvanced Customer Services(ACS)には、ヘルス・チェック、ワークショップ、データベース移行、パフォーマンス、チューニングなどが含まれています。 さらに、ACS Oracle Solaris Services for SAPには、Assisted Services Engagementsが含まれます。これらのサービスは、ITインフラストラクチャの分析、拡張およびSAP Readiness Serviceを提供します。

Oracle Exadata Database Machineの利点を簡単に説明してください。

Oracle Exadata Database Machineは、トップクラスのエンタープライズ・パフォーマンスを実現するために最適化されたエンジニアド・システムです。これが、事前に設計され組み込まれたハードウェアとソフトウェアのバンドルのメリットです。 私たちは、単一ベンダーによるインフラ・スタックがIT環境の購入、配置、サポートに関連したコストを簡素化し削減すると考えます。 Oracleのソリューションは、すべてのSAPデータベースおよびSAP以外のデータベースをプライベート・データベース・クラウド環境に統合します。 Oracle Exadataは、オンライン・トランザクション処理(SAP ECC 6.0など)、データ・ウェアハウス(SAP BW 7.0以上など)、複雑なデータベース・ワークロード統合を含む、あらゆる種類のデータベース・ワークロードに卓越したパフォーマンスを提供します。 Oracle Exadata Database Machineが10倍以上の速さで動作することは、顧客の導入事例で証明されています。

DATABASE 12c

* Oracle Database 12c

Oracle Database 12cは、SAPアプリケーションをサポートする予定です。詳細は、「SAP Product Availability Matrix」(PAM)を参照してください。現在、私たちは特にOracle Database 12cのSAP向けの次のオプションと機能をテストしています。 Oracle Multitenant、情報ライフサイクル管理(ILM)/Automatic Data Optimization

(ADO)[Oracle Advanced Compressionが必要] Hybrid Columnar Compression(HCC)

Page 38: Oracle Private DB Cloud Infrastructure for SAP · PDF fileOracle Databaseを選択する6つの理由と、なぜSAP顧客にとってOralce Exadata Databese Machine ... Clusters(RAC)、Oracle

38

はじめに Oracle Database 11g Release 2 Enterprise Editionは、業界最高のパフォーマンス、スケーラビリティ、セキュリティおよび信頼性を提供し、Windows、すべての主要なLinuxディストリビューション、主要なベンダーのUNIXディストリビューションで動作する、クラスタ・サーバーまたは単一サーバーで使用できます。もっとも要求の厳しいトランザクション処理、ビジネス・インテリジェンスおよびコンテンツ管理アプリケーションを簡単に管理できる包括的機能を提供します。

Oracle Database 11g Release 2 Enterprise Editionには、世界最高のデータベースを拡張するオプションが幅広く用意されています。そのため、お客様はビジネスを成長させ、お客様の大切な顧客が求めるサービス・レベルのパフォーマンス、セキュリティおよび可用性に対応することができます。

SAPによるOracle Database 11g Release 2の認証は完了しました(SAPノート1398634を参照してください。)詳細は、次のとおりです。

• Oracle Database 11g Release 2を認定しているのは、SAP Kernel 6.40_EX2, 7.x以降をベースにしたSAP製品のみです。

• Oracle Database 11g Release 2の一般リリースは、SAP R/3 3.1IからSAP R/3 4.6C以前のSAPリリースには対応していません。Oracle Database 10g Release 2と同様に、これら旧バージョンのSAPには、SAPアップグレード・プロジェクトとの直接接続用に11.2のテンポラリ・リリースのみが用意されます。

• Oracle Real Application Clusters(RAC)11g Release 2のSAPリリースは、SAP環境向けのOracle Database 11g Re-lease 2のスタンダード版と同時にリリースされます。オラクルによるRACのサポートの詳細は、SAPノート527843を参照してください。このSAPノートには、リリース済のRAC構成に関する詳細が記載されています。

• Oracle Database 11g Release 2(11.2.0.2)以降、SAPはOracle Automatic Storage Management Oracle(ASM)を完全にサポートし、その拡張機能で次のすべてのデータを管理できます。Oracle Databaseファイル、Oracle Clusterwareファイル、Oracleおよび汎用データ、SAPカーネル・バイナリ、外部ファイルおよびテキスト・ファイルなどの非構造化汎用データ。Oracle ASMは、すべてのファイル管理に必要な一元化および統合されたソリューション・スタックを提供し、サード・パー

SAPで認定されたOracle Database Appliance

ティ製ボリューム・マネージャ、ファイル・システムおよびクラスタウェア・プラットフォームの必要性を排除するため、管理を簡素化、自動化し、コストとオーバーヘッドを削減します。Oracle ASMには、次の2つの主要な機能があります。これらはSAPを実行する上で重要です。

• Oracle Cluster Repository(OCR)と投票ファイルをOracle ASMに保存できます。

• Oracle Database HomeをOracleの新しいクラスタ・ファイル・システムACFSに保存できます。

これにより、Oracle ASMは、Oracle Real Application Clusters上で稼動するSAPやシングル・インスタンスのOracle Database上で稼動するSAPシステムに最適なストレージ・プラットフォームになります(Oracle ASMの詳細は、次を参照してください。SAP Note 1550133)

Oracle Database 11g Release 2は、今まで以上のメリットをもたらします。ディスク領域の節約でハードウェア・コストをさらに低減しながらも、より高速なパフォーマンス、より強固なセキュリティ、より容易な管理性、卓越した生産性を提供します。次のリストは、現在のSAP顧客が使用できる重要な機能ですが、これらの多くはOracleに固有の機能です。

索引圧縮 Oracle Databaseは、効率的な方法で標準の索引を保存するための非常に効果的なテクノロジを提供します。パフォーマンスおよびスループット上の理由から、Oracle Database内のSAPデータへのアクセスは、ほぼすべて索引を経由します。したがって、データベース内の索引は、SAPシステムのスループットに大きな影響を与えます。データベースに保存されている索引の効率が高ければ高いほど、SAPアプリケーションは効率的に動作します。Oracle Databaseの索引圧縮を使用することで、SAPアプリケーションのパフォーマンスは改善されます。圧縮索引を使用すると、問合せが3倍から4倍加速する場合があります。索引圧縮により、Oracle Database用の合計ディスク領域は最大20%削減されます。 SAPアプリケーション用のOracle Databaseでの索引圧縮の使用については、SAPサポート・ノート1109743で説明しています。索引圧縮は、SAPのBR*Spaceユーティリティに完全に統合されています。

Page 39: Oracle Private DB Cloud Infrastructure for SAP · PDF fileOracle Databaseを選択する6つの理由と、なぜSAP顧客にとってOralce Exadata Databese Machine ... Clusters(RAC)、Oracle

39

索引構成表の圧縮 Oracle Databaseは、もう1つの重要かつ理想的なテクノロジをSAPアプリケーションに提供します。SAPアプリケーションが使用する多数の表には、単一の一意索引(プライマリ・キー)のみがあります。単一の一意索引を持つ、これらの表は、索引構成表

(IOT)の圧縮を使用すると、より効率的にOracle Databaseに保存できます。IOT圧縮を使用することにより、問合せが最大5倍高速で実行されます。IOT圧縮に対する挿入/削除操作は、最大2倍高速で実行されます。索引圧縮の使用により、Oracle Database用の合計ディスク領域は最大25%削減されます。IOT圧縮の実装により提供されるのは、単一の索引の表を完全に、またはほとんど完全にメモリー内に保持し、ディスクI/Oを回避することでOracle Database内のデータにきわめて高速でアクセスできる機能です。 SAPアプリケーション用のOracle DatabaseでのIOT圧縮の使用については、SAPサポート・ノート1856270で詳細に説明しています。

OLTP表圧縮 Oracle Database 11gでは、OLTP表圧縮という新機能が導入されました。この機能を使用すると、INSERTやUPDATEなど従来のDMLを含むあらゆる種類のデータ操作中にもデータを圧縮できます。また、OLTP表圧縮は書込み操作に関連する圧縮オーバーヘッドを低減するため、トランザクションまたはOLTP環境にも適しています。このため、OLTP表圧縮は、すべてのアプリケーション・ワークロードで圧縮によるメリットがあります。

オラクルのOLTP表圧縮はAdvanced Compressionの一部です。独自の圧縮アルゴリズムを使用しているため、データベース・ブロック内の複数の列間で重複する値もポインタに変換します。圧縮されたブロックには、シンボル表と呼ばれる構造が含まれ、圧縮メタ・データはここに保持されます。ブロックが圧縮されるときに、重複する値の単一コピーをシンボル表に追加し、重複する値をポインタに変換します。グローバルなデータベースのシンボル表を保持する競合他社の圧縮アルゴリズムと比較すると、オラクル独自の手法では、圧縮されたデータへのアクセスで追加のI/Oが発生しないため、大幅にパフォーマンスが向上します。OLTP表圧縮の利点は、ディスク上のストレージ領域の節約にとどまりません。圧縮されたブロックを解凍せずに直接読み取ることができることも、その大きな利点の1つです。

この利点によって、圧縮データへのアクセス・パフォーマンスにほとんど低下は見られません。Oracle Databaseの場合、アクセスするブロック数が少ないためI/Oが減少し、パフォーマンスが向上したケースが実際に多数報告されています。さらに、バッファ・キャッシュの効率が向上したため、メモリーの増設なしでより多くのデータを格納できます。Oracle Databaseバージョン10.2.0.2から、SAPは索引のディスク領域を節約しデータベース全体のサイズを削減するために、索引圧縮の使用について認定を開始しました。全データベースの再編成を実行した後でも索引圧縮を使用すると、さらにディスク領域の合計の20%が削減されることを顧客の経験が実証しています。

SecureFileデータ圧縮 Oracle Database 11gの新機能であるSecureFilesは、完全に再設計したラージ・オブジェクト(LOB)のデータ型を導入することで、パフォーマンス、管理のしやすさ、アプリケーション開発の容易性を飛躍的に向上させました。SecureFilesのデータは、業界標準の圧縮アルゴリズムを使用して圧縮されています。 圧縮によってストレージを大幅に節約できるだけでなく、I/O、バッファ・キャッシュ要件、REDO生成および暗号化によるオーバーヘッドが減少するため、パフォーマンスも向上します。SecureFile圧縮により、インラインおよびアウトラインLOBデータのストレージや操作が大きく向上します。SAPアプリケーションでは、LOBデータがますます重要性を増し、SAP CRM、SAP XI、SAP NetWeaver PortalおよびSAP ERPなどに広く使用されています。 SAP ERPのほとんどの非クラスタ表は、Oracle Databaseに固有のアウトラインLOBを使用します。

RMANバックアップ圧縮 肥大し続ける企業データベースは、データベース管理者にとって大きな問題です。データベース・バックアップのストレージ要件とバックアップ手順のパフォーマンスには、データベース・サイズそのものが影響しますが、Oracle Advanced Compressionに組み込まれた圧縮テクノロジが、バックアップ・データのストレージ要件を大幅に軽減します。RMANはOracle Databaseと密接に統合されているため、RMANバックアップ・データはディスクまたはテープに書き込まれる前に圧縮され、リカバリ前に解凍する必要がありません。これにより、ストレージのコストを大幅に削減できます。RMANバックアップは多くのSAP顧客が使用しています。

Oracle Database 11g Release 2 for SAP

Page 40: Oracle Private DB Cloud Infrastructure for SAP · PDF fileOracle Databaseを選択する6つの理由と、なぜSAP顧客にとってOralce Exadata Databese Machine ... Clusters(RAC)、Oracle

40

Data Pump圧縮Data Pumpジョブに関連付けられたメタ・データの圧縮は、Oracle Database 10g Release 2で初めてサポートされました。この圧縮機能は、Oracle Database 11gで拡張され、表データをエクスポートと同時に圧縮できるようになりました。Data Pump圧縮はインライン・オペレーションです。ダンプ・ファイルのサイズを削減してディスク領域を大幅に節約します。オペレーティング・システムまたはファイル・システムの圧縮ユーティリティとは異なり、Data Pump圧縮の操作は、インポート側でも完全にインラインであるため、ダンプ・ファイルをインポート前に解凍する必要はありません。圧縮されたダンプ・ファイル・セットは、データベース管理者の操作なしで自動的にインポート中に解凍されます。

Data Guardネットワーク圧縮Data Guardは、スタンバイ・データベースを管理、監視、自動化するソフトウェア・インフラを提供します。1つまたは複数のスタンバイ・データベースを作成、管理および監視して、企業データを故障、障害、エラー、破損などから保護します。Data Guardは、REDOデータ(トランザクションのリカバリに必要な情報)を使用し、プライマリ・データベースとスタンバイ・データベースを同期させます。プライマリ・データベースでトランザクションが発生すると、REDOデータが生成されローカルREDOログ・ファイルに書き込まれます。REDOデータは、Data Guard REDO転送サービスを使用してスタンバイ側に転送されます。 Oracle Advanced Compressionを使用すると、REDOデータは圧縮された形式で転送されるため、使用するネットワーク帯域幅を効率よく軽減できます。つまり、REDO転送圧縮の役割は、REDOギャップ解消時のREDOデータ圧縮だけではありません。転送先の圧縮が有効になっていると、その転送先に送信されるすべてのREDOデータが圧縮されます。

非同期セグメントの作成Oracle Database 11g Release 2から、ローカル管理表領域に表を作成する場合、表セグメント作成は最初の行が挿入されるまで同期されません。また、セグメントの作成は、表のすべてのLOB行、表作成の一部として暗黙的に作成した索引、および表で引き続き明示的に作成した索引とは同期しません。 Oracle DatabaseでSAPアプリケーションを実行する場合、この領域割当て方法には、次のような利点があります。

• 空のデータベース・オブジェクトはディスク領域を消費しません。

• SAPインストールのすべての表、LOB、索引およびパーティションの60~70%は空であるため、SAP環境できわめて重要です。

• 空の表、LOBおよび索引の作成が劇的に高速になるため、SAP用のデータベース・インストール作業にかかる時間が大幅に短縮されます。

• Oracleデータ・ディクショナリ領域のクエリーが、実質的に高速に実行されます。

列追加機能の強化DEFAULT値およびNOT NULL制約を持つ新しい列を追加する場合、Oracle Database 11g以前のバージョンでは、表を排他的にロックしデフォルト値をすべての既存のレコードに格納する必要がありました。 Oracle Database 11gから、データベースはこの操作に対するリソース使用率とストレージ要件を最適化し、列のデフォルト値はNOT NULLとして指定されたデータ・ディクショナリ内の列で保持されます。DEFAULT値とNOT NULL制約を持つ新しい列を追加する場合、すべての既存レコードにデフォルト値を格納する以前の処理は必要ありません。これにより、スキーマ変更が1秒以下で実行できるだけでなく、既存のデータ・ボリュームにも左右されず領域も消費しません。特に大きな表の場合、列の更新に必要な実行時間が短縮され、領域を節約できます。 SAP BWアプリケーションやSAPアップグレードでは、列の追加は頻繁におこなう作業です。そのため列追加機能の拡張には、次のようなメリットがあります。

• SAP BWにおいて、列追加プロセスでパフォーマンスが改善されます。

Oracle Database 10gと比較すると、リストに記載したOracle Database 11gは、大量のディスク領域を節約し、次のようになります。

圧縮なし圧縮および

他の領域最適化あり領域の節約

データベース (完全に再編成されている場合)SAP ECC 6.0SAP BW 7,0SAP CRM 7.0

RMANバックアップ (圧縮されたデータ

ベースの場合)

Data Pumpのエクスポート

4,782 GB 1,413 GB 950 GB

2,817 GB

973 GB

1,976 GB 543 GB 334 GB

667 GB 156 GB

59%62%64%

76%

84%

Page 41: Oracle Private DB Cloud Infrastructure for SAP · PDF fileOracle Databaseを選択する6つの理由と、なぜSAP顧客にとってOralce Exadata Databese Machine ... Clusters(RAC)、Oracle

41

SecureFileのパフォーマンスSecureFilesは、画像、音声、映像、PDFおよびスプレッドシートなどのファイル・コンテンツの格納に最高のソリューションを提供します。従来、リレーショナル・データはデータベースに格納され、非構造化コンテンツ(半構造化コンテンツと非構造化コンテンツの両方)はファイル・システムにファイルとして格納されていましたが、ファイル・ストレージの選択で大きなパラダイム・シフトとなるのが、SecureFilesです。SecureFilesは、Oracle Databaseの利点を損なうことなく、従来のファイル・システムに匹敵する高いパフォーマンスでファイル・データを操作できるように設計されています。 SecureFilesは、非構造化コンテンツを格納するために最適なデータベースとファイル・システムのアーキテクチャを提供します。

SAP顧客が、SecureFilesから得られるメリットは次のとおりです。

• SAP環境のLOBとの比較で、アクセス時間が大幅に短縮

• 特にRAC採用時には、SAPクラスタ表のトランザクション・スループットが増加

• LOBを含むSAP表(クラスタ表など)の圧縮の必須条件

LOBデータをSecureFilesに格納した場合、全体的なトランザクション・スループットが増加します(次の図を参照)。SecureFilesに格納されたLOBデータは、LONGまたはBasicFiles(Oracle Database 11gより以前のLOB実装)に格納されたLOBデータと同等以上のパフォーマンスを発揮します。SecureFilesは、Oracle Database 11g RACで実行されるSAPアプリケーションのスケーラビリティを劇的に改善しますが、Oracle Database 11g単一インスタンスの場合も、SecureFilesの採用は大きなメリットになります。既存のすべてのLONGおよびBasicfileのLOBデータをSecure-Filesに移行することをお薦めします。

表領域の暗号化セキュリティはどこでも最優先に取り上げられる課題ですが、顧客にとってセキュリティの重要性は増す一方です。オラクルには、多数のセキュリティ機能があります。特にSAP顧客にとっての朗報は、機密データの暗号化が非常に簡単になったことです。Advanced Security Option(ASO)には、表領域内のすべてのデータを暗号化するテクノロジが組み込まれています。Oracle Database 11gより以前のOracleでは、Transparent Data Encryption(TDE)を使用した列単位の暗号化やクライアント・サーバー(SAPアプリケーション・サーバー)でのネットワーク暗号化などのセキュリティ機能を提供していました。

追加された暗号化機能Oracle Database 11gのAdvanced Security Option(ASO)に含まれるRMANバックアップの暗号化を使用すると、バックアップからデータを読み取る(盗む)ことはできません。さらに、エクスポート・ファイルや非構造化LOBデータも、それぞれOracle Data PumpとSecureFile暗号化を使用すると簡単に暗号化できます。

Data Guardによるセキュアなネットワーク転送Data Guardはセキュアな環境を提供し、REDOデータをスタンバイ・データベースに転送する際の改ざんを防止します。REDOデータのセキュアな転送を有効にするには、Data Guard構成の各データベースにパスワード・ファイルの使用を設定します。さらに各システムのSYSユーザーに対し、同一のパスワードを設定します。

より強固なセキュリティ – Database Vault Oracle Database Vaultも、SAPアプリケーションとの併用が認定されています。Oracle Database Vaultを使用すると、SAPアプリケーション・データベース・オブジェクト周辺に保護レルムを確立し、権限付与されたデータベース・ユーザーの機密データへのアクセスの防止や職務の分離ができます。

BR*ToolsによるOracle Database 11gのサポートバージョン7.20以降、BR*Toolsは、Oracle Database 11g Release 2が提供する新機能をサポートしているため、既存のシステムへの実装も非常に簡単です(SAPノート1430669を参照)。

特に、次の操作が実行可能です。

• BRSPACEは、オンライン再編成の特別なオプションを提供します。これを使用すると、新しいOLTP表圧縮を有効にできます。

Oracle Database 11g Release 2 for SAP

SAP VBDATAのスループット(挿入/読取り/削除)

行のサイズ(KB)

LONGs (9.2,10.2) LOBs (10.2,11.2) Securefiles 11.2

Page 42: Oracle Private DB Cloud Infrastructure for SAP · PDF fileOracle Databaseを選択する6つの理由と、なぜSAP顧客にとってOralce Exadata Databese Machine ... Clusters(RAC)、Oracle

42

• 「古いLOB」(データ型LONGまたはLOB)を「新しいLOB」(データ型SecureFiles)に変換する際に、BRSPACEでは再編成機能「tbreorg」の中で新しいアクション「lob2lob」を使用できます。

• パッチ3以降、BRSPACE 7.20はOracle Database 10gでも、Oracle Database 11gと同様の索引圧縮の管理をサポートしています(SAPノート1464156を参照)。

• BRSPACEを使用すると、表領域を新規作成する場合に、表領域レベルで圧縮および暗号化の属性を設定できます。属性を設定すると、その表領域内に作成された(または移動された)表には、表レベルで明示的に設定された属性がないかぎり、これらの属性が暗黙的に適用されます。

• BRSPACEは、SAPによって圧縮されたデータを含む列を識別します。これにより、追加圧縮による不要なオーバーヘッドを回避できます。

Real Application Testing(RAT)

• DBAやシステム管理者は、データベース・リプレイを使用して、テスト環境でオンライン・ユーザーやバッチ・ワークロードなど、実際の本番システムのワークロードを現実に即した状態で正確に再現できます。データベース・リプレイを使用すると、本番システムの全ワークロードを取得して、それを元のワークロードと同じタイミング、同時実行性および依存関係に従ってテスト・システムでリプレイできます。これによりシステムの変更を現実的に検証できます。本番システムそのものの再現は、スクリプトのセットなどで実行できるものではありません。データベース・リプレイを使用すると、DBAやシステム管理者は次のテストを実行できます。データベースのアップグレード、パッチ、パラメータ、スキーマ変更など。

• 単一インスタンスからOracle RACやOracle ASMへの変換などの構成変更

• ストレージ、ネットワーク、インターコネクトの変更

• 変更の前後にSQL文をシリアルに実行することによる、オペレーティング・システム、ハードウェア移行、パッチ、アップグレード、パラメータ変更の統計

• SQL Performance Analyzer(SPA)は、環境の変化によるSQL実行のパフォーマンス問題を予想し防止します。SQL Perfor-mance Analyzerは、環境の変更がSQL実行計画に与える影響と、変更前と変更後にSQL文を連続的に実行した統計を細分化して表示します。

オラクル/SAP開発チームは、Real Application Testingを使用したSAPアプリケーションの包括的テストで、OLTPに対するAdvanced Compressionの効果とSAP ERPのDML操作に対するSecureFilesの効果を測定しました。このテストでは、データベース・リプレイを使用して、Oracle Databaseバージョン10.2.0.4 SAPデータベースから本番システムのワークロードを取得しました。次に、圧縮したOracle Database 11g R2と非圧縮のOracle Database 11g R2データベースで、このワークロードを複数回リプレイしました。 テスト結果については、http://www.oracle.com/newsletters/sap/volumes/volume19-en.pdfを参照してください。

Direct NFS Oracle Database 11g Release 2では、オペレーティング・システム・カーネルのNFSクライアントではなく、Oracle Direct NFSクライアントを使用してNASデバイスに直接アクセスするようにOracle Databaseを構成できます。Oracle Databaseは、組込みのDirect NFSクライアントを使用してNFSサーバーのファイルにアクセスすることで、オペレーティング・システム・カーネルのNFSによるオーバーヘッドを排除します。これらのファイルは、オペレーティング・システム・カーネルのNFSクライアントからもアクセスできるため、シームレスな管理が可能です。

SAP顧客が、Direct NFSから得られるメリットは次のとおりです。

• NetAppなどのNASソリューションのスループットが改善します。

• 複数のNICを使用するNAS環境で、データベース・スループットを最大50%増加します。

• データベース・サーバーでCPUを最大20%節約します。

• 単一インスタンスまたはReal Application Clusters(RAC)のどちらでも動作します。

• UNIX/LinuxおよびWindowsプラットフォームで動作します。

• 高可用性ネットワーク・ソリューションです。

• OSまたはNASベースのボンディングまたはトランキング・ソリューションと比較して、高速かつ簡単で可用性があります。

• Direct NFSとNASを併用すると、従来の複雑なSANソリューションと比較しスループットが高くなります。

• 高速で簡単、他のボンディング・ソリューションより優れています。

• 多くのSANソリューションと比較してスループットが向上しています。

Page 43: Oracle Private DB Cloud Infrastructure for SAP · PDF fileOracle Databaseを選択する6つの理由と、なぜSAP顧客にとってOralce Exadata Databese Machine ... Clusters(RAC)、Oracle

43

オンラインでのパッチ適用通常のRDBMSパッチは、1つまたは複数のオブジェクト・ファイルやライブラリで構成されています。通常、パッチのインストールでは、RDBMSインスタンスをシャットダウンし、オラクル・バイナリを再リンクしてインスタンスを再起動する必要があります。アンインストールでも同じ手順が必要です。Oracle Database11gから、1つまたはバンドルのパッチを完全にオンラインでインストールできるようになりました。この方法では、データベース・インスタンスのシャットダウンや、RACまたはData Guardの構成は必要ありません。OPatchを使用したオンラインからのパッチ適用では、インスタンスに関連付けられた各プロセスが安全な実行ポイントでパッチを当てるコードをチェックし、次にチェック済のコードをプロセス領域にコピーします。

スナップショット・スタンバイ物理スタンバイ・データベースをレポート・データベースに簡単に変換できます。レポートを目的として物理データベースを読取り/書込みできるようにオープンし、過去のポイントにフラッシュ・バックして元の物理スタンバイ・データベースに簡単に戻すことができます。その後、Data Guardはスタンバイ・データベースをプライマリ・データベースと自動的に同期化します。これにより、NetWeaver BIなどのSAPアプリケーションのレポート読取り/書込みアクティビティに物理スタンバイ・データベースを活用できます。

アウトオブプレース・アップグレードOracle Database 11g Release 2(11.2.0.2)のパッチ・セットは、リリースの当初からOracle Databaseソフトウェアのフル・インストールです。Release 2以前のOracle Databaseのパッチ・セットは、既存のOracleホームのファイルと置換するファイル・セットでした。Oracle Database 11g Release 2以降、パッチ・セットは既存のインストールに対して新規にフル・インストールになりました。

フル・インストールは、オラクルがお薦めするパッチ・セットの適用方法です。パッチ・セットを新しい個別のOracleホームにインストールします。パッチ・アップグレードをインストール後に、古いOracleホームからOracle Databaseを移行します。パッチ・セットのアップグレードは、1つのバージョンから別のバージョンにアップグレードする場合と同じ手順になりました。オラクルは、このアウトオブプレース・パッチ・セットのアップグレードを推奨します。この適用方法では、停止時間がより短くなります。さらに、本番稼動しているORACLE_HOMEにパッチを適用しないため安全です。1つ気を付けなければいけないのは、同時に2つのOracleホーム・ディレクトリを収容するため十分な空きディスク容量が必要です

(詳細は、SAPノート1524205を参照してください)。

SAP Bundle Patches(SBP)Oracle Database Release 10.2.0.4以降、UNIXプラットフォームのOracleデータベース・パッチは、SAP Bundle Patches

(SBP)の形式で配布されるようになりました。SBPはOracle Patch Set Updates(PSU)を基本にしています。PSUは、推奨するバグ・フィックスと四半期ごとにリリースされるCritical Patch Updates(CPU)を含むプロアクティブな集積パッチです。SAP Bundle Patchは、Current Patch Set Update(PSU)、PSUに含まれないSAP固有の重要なシングルおよびマージ・パッチ、現在のSAP固有のオプティマイザ・マージ・パッチ、README.html(SBPのインストール・マニュアル)、bugs_fixed.html(SBPに含まれるパッチのリスト)で構成されます。SBPには、これまでのすべてのパッチの集積と最新のパッチが含まれています。顧客はMO-Patchを使用して、常に最新のSBPを1つインストールするだけで済みます。

SAP顧客向けのOracle Database 12cのロードマップOracle Database 12cは、SAPアプリケーションをサポートする予定です。詳細は、「SAP Product Availability Matrix」(PAM)を参照してください。現在、特に次の機能をテストしています。

SAP向けのOracle Database 12cのオプションと機能ンンン

• Multitenantオプション

• 情報ライフサイクル管理/Automatic Data Optimization(ADO)(Advanced Compression Option(ACO)が必要です)

• Hybrid Columnar Compression(HCC)

• Database In-Memory

Oracle Database 11g Release 2 for SAP

Page 44: Oracle Private DB Cloud Infrastructure for SAP · PDF fileOracle Databaseを選択する6つの理由と、なぜSAP顧客にとってOralce Exadata Databese Machine ... Clusters(RAC)、Oracle

44

Oracle Database 12 :Oracle Multitenant

Oracle MultitenantはOracle Database 12c Enterprise Editionの新しいオプションです。アプリケーションの変更なしで、容易に複数のデータベースを統合できる新しいアーキテクチャが導入されました。この新しいアーキテクチャのメリットは、複数のデータベースを1つのデータベースとして管理する点です。その上、独立したデータベースの分離とリソースの優先順位付けが保持されています。また、Oracle Multitenantは、迅速なプロビジョニングとアップグレードが可能で、Oracle Real Application Clusters、

Active DataGuardを含む他のオプションを完全に補完します。

アーキテクチャの概要 Oracle Database 12cがサポートする新しいアークテクチャにより、1つの「スーパー・データベース」の中に多数の「サブ・データベース」を持つことができます。以降、公式の用語を使用します。「スーパー・データベース」はコンテナ・データベース(略してCDB)、「サブ・データベース」はプラガブル・データベース(略してPDB)と呼ばれています。つまり、新しいアーキテクチャでは、1つのCDBの中に複数のPDBを持つことができます。このアーキテクチャをマルチテナント・アーキテクチャと呼び、12.1以前の

アーキテクチャを非CDBアーキテクチャと呼びます。

Oracle Net経由でデータベース・サーバーに接続しているクライアント・アプリケーションから見れば、PDBはデータベースです。PDBは、完全に非CDBと対応します。このルールは、PDB/非CDB互換性保証とも呼ばれています。つまり、非CDBでエラーなく実行されたアプリケーション・バックエンドのインストール・スキー

ムは、PDBでも変更もエラーもない状態で同じ結果を創出します。アプリケーション・バックエンドを保持したPDBに接続するクライアント・コードの実行時の動作は、このアプリケーションのバックエンドを保持した非CDBに接続するクライアント・コードの実行時の動作と同じです。

利点 標準化するデータ・センターの可動部分がより少なければ、統合のメリットを最大にすることができます。データベースの統合はクラウドへの重要な一歩で、使用できるハードウェアおよび管理リソースをより効率的に使用する良い機会でもあります。ただし、大々的な開発や管理オーバーヘッドを発生させずに高密度のデータベース統合を実現することは、IT組織にとって難しい問題です。

高密度の統合これまで、IT組織は仮想化テクノロジとクラスタ・テクノロジを使用してデータベースを統合し、その多くがデータベース・スキーマを統合する大規模なアプリケーションの再開発に投資をしてきました。これが、限られた統合密度、管理コストの上昇、そして開発コストの増加という結果をもたらしました。

Oracle Multitenantは、アプリケーションを変更せずに複数のデータベースをマルチテナント・コンテナ・データベースにプラグインする方法で、統合プロセスを簡素化します。この新しいアーキテクチャで、メモリー・プロセスとバックグラウンド・プロセスが必要なのはコンテナ・データベース・レベルです。そのためIT組織は、これまで分離していたデータベース・サイロのセキュリティを損なわずに、より高いレベルのスケーラビリティと統合密度を達成できます。

高速なプロビジョニングとクローニングテスト、開発および問題診断など目的別の高速プロビジョニングとクローニングは、多くのIT組織にとっての課題です。通常、データベース管理者は、多くの就労時間を新しいデータベースの作成、データベースのクローニング、異なったサーバー間のデータベース移動に使用しています。

図1: Oracle Multitenantのアーキテクチャ

c

Page 45: Oracle Private DB Cloud Infrastructure for SAP · PDF fileOracle Databaseを選択する6つの理由と、なぜSAP顧客にとってOralce Exadata Databese Machine ... Clusters(RAC)、Oracle

45

表および索引の圧縮 Oracle Multitenantではデータベース統合の簡素化に加え、高速なデータベースのプロビジョニングおよびクローニングが可能です。たとえば、データベース管理者は簡単に本番データベースをコピーして、開発およびテスト・コンテナにプラグインできます。さらに、基盤となるファイル・システムがCopy-on-Writeをサポートする場合(例: ZFSファイル・システム、ASM Cluster Filesystem)、プラガブル・データベースのクローニングは瞬時に実行されます。

最後に、CDBから取り外したPDBを別のCDBにプラグインすることができます。これが、プラガブル・データベースという名前で呼ばれる所以です。

高速なパッチ処理およびアップグレード すべてのデータベース管理者は、データベースの状態を最新(ソフトウェアリリースおよび修正)に保つために、アップグレードとパッチを適用する必要があります。現在アップデートは、組織全体の本番データベース、テストおよび開発データベースなど、各データベースに適用されます。

Oracle Multitenantを使用すると、アップグレードとパッチは、各プラガブル・データベースではなく、マルチテナント・コンテナ・データベースのみに適用されます。その結果、全体のプロセスが簡素で高速になります。ただし、管理者には、コンテナのすべてのプラガブル・データベースを同じようにアップグレードしないという柔軟性も必要です。この状況では、管理者は新たにアップデートされたマルチテナント・コンテナ・データベースを作成し、既存のコンテナからデータベースを選択して取り外し、それらを最新のリリース・レベルの新しいデータベースにプラグインします。

多数のデータベースを1つのデータベースとして管理 アップグレードおよびパッチを適用するデータベースの数が少ないことは、データベース統合の明確な利点ですが、多数のデータベースを1つのデータベースとして管理するメリットはそれだけではありません。たとえば、バックアップの場合もデータベースを個別にバックアップする代わりに、マルチテナント・コンテナ・データベース・レベルでバックアップします。つまり、1つのコンテナに統合されたすべてのプラガブル・データベースが一体でバッ

図2: OLTPのベンチマーク比較わずか3GBのメモリーと50のデータベースに使用される20GBのメモリー。マルチテナント・アーキテクチャは、250以上のデータベースに応じて拡大しますが、独立したデータベース・インスタンスは最大50です。

Oracle Database 12c: Oracle Multitenant

クアップされ、管理者は必要に応じて、個別のプラガブル・データベース・レベルでリカバリ処理を実行することができます。

同様に、他のデータ・センターでスタンバイ・システムを維持する(Active Data Guardなどを使用)管理者は、スタンバイ構成をマルチテナント・コンテナ・データベース・レベルでのみ設定し、コンテナに統合されたすべてのプラガブル・データベースを複製します。

リソース管理 多数のデータベースを統合することは、明らかに多くのメリットがあるとは言え、顧客はデータベース統合のあらゆる面を検討する必要があります。当然、よくある質問の「この新しいマルチテナント・アーキテクチャでは、リソースの優先順位付けをどのようにして保証できるか」です。結局、データベース・アプリケーションが使用可能なシステム・リソースを絶えず争奪するならば、多数のデータベースを1つのデータベースとして管理するメリットはすぐに失われ、ユーザー・パフォーマンス・サービス・レベルが低下し始めます。

Oracle Database 12cのリソース管理機能を使用すると、データベース管理者はプラガブル・データベース・レベルでリソース使用の優先順位を容易に決定できます。データベース・サーバーが積極的にデータベースの使用状況を監視し、コンテナ内の各プラガブル・データベースが確実に事前定義された最小および最大のリソースのしきい値の間にとどまります。たとえば、四半期の終わりに、優先順位の高いERPアプリケーションがコンテナ内の優先順位の低いアプリケーションからシステム・リソースを自動的に引き出すことができ、需要のピーク時でもユーザーのパフォーマンス・サービス・レベルを一定に保ちます。

Page 46: Oracle Private DB Cloud Infrastructure for SAP · PDF fileOracle Databaseを選択する6つの理由と、なぜSAP顧客にとってOralce Exadata Databese Machine ... Clusters(RAC)、Oracle

46

今日、情報は電子メールのメッセージ、画像、オンライン・トランザクション処理システムの注文など、その種類は様々です。企業が保存・管理するデータ量は急速に増大し、各種業界の推定によると、2~3年ごとに2倍の速さで増加しています。データの急速な増加は、コストおよびパフォーマンスの両面で、ITに難しい課題を突き付けています。

情報ライフサイクル管理(ILM)ではこの課題に対応する方法として、企業の現在のビジネスおよびパフォーマンスのニーズに応じて、異なったストレージや圧縮層にデータを保存します。このアプローチは、コスト削減と最大のパフォーマンスのためにストレージを最適化する可能性を提供します。したがって、すべての企業はデータの進化する過程を理解し、データの肥大化する状況や時間の経過とともに変化するデータの使用パターンを確認する必要があります。その情報を元にデータの存続期間やデータに適用されるすべての規則と規制を決定し、それに従うことが必要です。

ここでは、ILMストラテジーを実装し、活用期間にわたって情報を効果的に管理する顧客をOracle Databaseがどのようにサポートするか説明します。最初に、SAP on Oracleの顧客の多くが現在使用しているOracle Database 11gで活用できる機能と廃止された機能を確認します。次に、ILM方針の実装に関連したOracle Database 12cの新機能と改善された機能を説明します。最後に3つの簡単なユース・ケースを紹介します。

Oracle Database 11g:既存の機能および廃止された機能Oracle Databaseには、アプリケーション・ニーズの観点からディスク領域を効率的に使用し、データの効率的な保存のために設計された多数の標準機能とオプション機能が付属しています。もっとも突出した機能は、圧縮とパーティショニングです。

表および索引の圧縮 データ圧縮の目標は、一定量のデータ格納に必要なディスク領域の縮小です。圧縮アルゴリズムが、圧縮するデータの配列と関連していないことが理想ですが、実際には、異なった配列により異なった圧縮率になる場合があります。

つまり理想としては、圧縮がパーティショニングから独立していることですが、関連するデータを複数のパーティションに保存すると、圧縮率が高くなる場合があります。

SAPシステムの一部であるOracleのデータベースは、表、索引、オプションの索引構成表(IOT)で構成されています。表は、構造化データ(名前、姓、誕生日など)および非構造化データ(データベースに保存されたPDFファイルなど)を含むことができます。このような異なった種類のデータには、異なった圧縮アルゴリズムが必要です。

• OLTP表圧縮は、構造化表データを圧縮し、表に必要なディスク領域を削減します。

• SecureFiles圧縮は、非構造化表データがある場合に圧縮し、表の保存に必要なディスク領域をさらに削減します。

• 索引圧縮は、(ビットマップ索引とは対照的に)B*Tree索引を圧縮し、索引の保存に割当てられるディスク領域を削減します。

• 索引編成表(IOT)の作成により、表と索引は結合され1つのオブジェクトになります。このような再編成だけでも、ディスク領域はかなり削減されます。さらに、IOTを圧縮することもできます。

これらのアルゴリズムの詳細、およびSAP環境におけるツールのサポートは、SAPノート1436352、1464156、1431296および1856270を参照してください。

Oracle Database 11gは、Hybrid Columnar Compression(HCC)を使用して、データ圧縮の概念を新しいレベルに引き上

げます。従来、データは行形式でデータベース・ブロック内で組織され、特定の行のすべての列データは1つのデータベース・ブロック内で順次保存されます。異なったデータ型が隙間なく保存された列のデータを持つことは、圧縮テクノロジで実現できるストレージの削減量を制限します。Hybrid Columnar Compres-sionの名前が示すように、このテクノロジは、データを保存するために行メソッドと列メソッドを組み合せて使用します。ハイブリッド・アプローチは、カラム・ストレージの圧縮の利点を実現し、同時に、純粋な行形式の性能不足を回避します。

Oracle Database 12 :情報ライフサイクル管理c

Page 47: Oracle Private DB Cloud Infrastructure for SAP · PDF fileOracle Databaseを選択する6つの理由と、なぜSAP顧客にとってOralce Exadata Databese Machine ... Clusters(RAC)、Oracle

47

Hybrid Columnar Compressionは、Oracle Engineered Sys-tems(Oracle Exadata、SuperCluster、ZFS Storage Appliance)で使用できます。ただし、Oracle Database 11gのSAP環境ではまだ使用できません。

表および索引のパーティショニング表および索引のパーティショニングの目的は、関連するデータをできるかぎり隙間なく保存することです。表および索引のパーティショニングでは、表と索引をより小さいユニット(パーティションと呼ばれる)に分割し、すべてのデータを適切なユニットに強制的に保存します。ここでは、ディスク領域の効率的な使用は、ディスク領域と関係がありません。パーティショニングは、表と索引に必要なディスク領域を削減しませんが、他のメカニズム(圧縮やアーカイブなど)がより効果的に機能するようにします。

しかし、パーティショニングを使用する多くのケースでは、アプリケーションのパフォーマンスの劇的な向上を目的とし、パーティショニング戦略の効率は、アプリケーションの要件によって決まります。たとえば、バッチ・ジョブの大部分が一年のうち特定の月に作成されたデータに基づく場合のもっとも効果的な方法は、関連する表と索引を月別にパーティショニングすることです。一方、レポートの大部分が特定の国のデータに基づく場合は、表と索引を国別にパーティショニングするとより効果があります。

パーティショニングがディスク領域をより効果的に削減するメカニズムであることやアプリケーションのパフォーマンスを改善する点はさておき、表および索引のパーティショニングは、情報ライフサイクル管理(ILM)の基本となる技術です。ILMの中心にあるのは、すべてのデータのライフ・サイクルは異なった使用パターンにより複数のフェーズに分割でき、データは異なったフェーズで異なった方法で保存できるという考え方です。そのためには、フェーズ1のデータ(しばしば「ホット」データと呼ばれる)をフェーズ2(「ウォーム」)またはフェーズ3(「コールド」)のデータから分離できる必要があります。Oracle Database 11gで使用できる日付範囲(月別など)によるパーティショニングを使用すると、分離することができます。

ただし、Oracle Database 11gには、次の2つの重要なILM機能がありません。

• 関連する表を特定するツール・サポート:挿入と更新がほとんどない場合は、ZIP_CODES表にILM戦略を設定する必要はありません。一方、注文が履行されると、2~3の特別なケースでデータが必要になるORDERS表の場合は、ILM戦略設定の対象になりそうです。

Oracle Database 11gでは、管理者が手動で対象を特定する必要があります。

• ILMデータ処理のツール・サポート:クールダウンしたホット・データは、より安価なストレージに移動、またはより強力な圧縮を適用することができます。この場合も、Oracle Database 11gでは、管理者が手動で処理する必要があります。

Oracle Database 12c:ILMの新機能と改善された機能Oracle Database 12cでは、Advanced Compression OptionにILM関連の2つの新しい機能が追加されています。ヒート・マップは、変更とクエリーのタイムスタンプを行レベルおよびセグメント・レベルで自動的に追跡し、データのアクセス状況から詳細な見通しを提供します。Automatic Data Optimization(ADO)は、ヒート・マップで収集された情報に従い、データを自動的に移動および圧縮します。

ヒート・マップ前述したように、ヒートのメタファは、データ・アクセスの頻度(頻繁またはまれ)とタイプ(READ-WRITEまたはREAD-ONLY)を表すためによく使用されます。最新のデータの「ホット」と履歴データの「コールド」もメタファです。Oracle Database 12cの最初の新しいILM機能がヒート・マップと呼ばれる理由はここにあります。

ヒート・マップは、行レベルおよびセグメント・レベルの使用情報を自動的に追跡します。データの修正回数は、行レベルで追跡されブロック・レベルで集計されます。修正回数、表全体のスキャン回数、索引の参照回数は、セグメント・レベルで追跡されます。ヒート・マップは、データのアクセス方法、および時間の経過とともに変化するアクセス・パターンを詳細に示します。ヒート・マップには、データ・ディクショナリ・ビューからはもちろんのこと、プログラムを通して一連のPL/SQLの表機能からもアクセスできます。

図1: Oracle Database 11gおよびOracle Database 12cでのILM機能のサポート

Oracle Database 12c: Information Lifecycle Management

Page 48: Oracle Private DB Cloud Infrastructure for SAP · PDF fileOracle Databaseを選択する6つの理由と、なぜSAP顧客にとってOralce Exadata Databese Machine ... Clusters(RAC)、Oracle

48

Automatic Data Optimization (ADO: 自動データ最適化)Automatic Data Optimizationにより、データ圧縮(Smart Compression)およびデータの移動の方針を決定し、ストレージと圧縮の階層化を実装できます。Smart Compressionは、ヒート・マップ情報を利用して圧縮の方針および圧縮レベルを実際のデータ使用率に関連付ける機能を参照します。Oracle Databaseは、メンテナンス中にADOポリシーを評価し、ヒート・マップが収集した情報から実行する操作を決定します。すべてのADO操作は自動的にバックグラウンドで実行され、ユーザーの介入は必要ありません。

ADOポリシーの条件により、組織はデータ・アクセスなし、データ修正なしなど、ADO操作を開始する条件、および方針を有効にする日時を指定できます。たとえば、n日/月/年の間、修正が実行されなかった場合、行またはパーティションの作成後、n日/月、または、オブジェクトを含む表領域が事前に定義された上限しきい値と一致した場合などです。

例:

ALTER TABLE ORDERS ILM ADD POLICYROW STORE COMPRESS ADVANCED SEGMENTAFTER 30 DAYS OF NO MODIFICATION;

この例では、30日間修正が実行されなかった場合に、セグメント・レベルのADOポリシーが作成され、Advanced Row Compression(OLTP圧縮)を使用して自動的にパーティションを圧縮します。

Hybrid Columnar Compression Oracle Engineered Systems上のOracle Database 12cには、Hybrid Columnar Compression(HCC)の改善された新しいバージョンが付属しています。SAP環境向けのこの新しいテクノロジは、ILMポリシーの追加的な要素として認証される予定です。

ユース・ケースOLTP(オンライン・トラザクション処理)およびDW(データ・ウェアハウス)デプロイの両方で、パーティショニング、Advanced CompressionまたはHybrid Columnar Compression(あるいはその両方)を使用して、コスト効果の高い情報ライフサイクル管理ソリューションを有効にできます。

ストレージの階層化パーティショニングを使用すると、ストレージ・アレイに複数タイプのディスク・ドライブを構成できます。複数タイプのディスクドライブにより、高速な高パフォーマンス層を高価なディスクに、

大容量層を安価なディスクに振り分けることができます。管理する情報のライフサイクルに基づき表をパーティショニングし、さらにデータを圧縮することで、ストレージに最高性能を求める必要がなくなり、増加するストレージ・コストの削減、オンラインで維持されるより大きなデータ・サイズ、大規模なデータベースにアクセスするアプリケーションのパフォーマンスの改善が現実のものになります。ストレージの階層化は、1つの表領域から他の表領域への表またはパーティションの移動や、より重要なデータのための高価なストレージ層のスペース開放を可能にします。

圧縮の階層化 ストレージの階層化の他に、様々なアクセス・パターンに応じて、異なるタイプの圧縮も使用できます。たとえば、アクセスの低速化という代償が伴いますが、コールド・データをさらに圧縮することができます。Oracle Databaseは、複数タイプの圧縮を提供し、データのライフサイクル(ホットからアクティブ、アクティブ低下、現在未使用まで)展開を支援し、同時にアプリケーションのパフォーマンス要件および可用性要件を満たします。これを「圧縮の階層化」と呼びます。

次の例では、180日間修正が実行されなかった場合にセグメント・レベルのADOポリシーが作成され、Hybrid Columnar Compressionを使用して自動的にパーティションを圧縮します。HCCが使用可能であることが必要です。また、データの更新がなくても、引き続きクエリーがある場合は、HCCを使用するとストレージを大幅に節約でき、クエリーのパフォーマンスがさらに改善します。

ALTER TABLE ORDERS ILM ADD POLICY COLUMN STORE COMPRESS FOR QUERY HIGH SEGMENT AFTER 180 DAYS OF NO MODIFICATION;

遅延圧縮 一部のケースでは、新しいデータの即時圧縮がパフォーマンスを低下させる場合があります。たとえば、データ・ウェアハウス・システムでは、データベースにロードされるデータを即時圧縮すると、ロードの速度が大幅に低下します。したがって、ほとんどのケースで関連する表が圧縮されません。ただし、Oracle Database 12cが提供するメカニズムを使用すると、データを圧縮せずにロードしても、1~2日後に新しいデータを自動的に圧縮するようにOracleに促すADOポリシーを作成することができます。このソリューションにより、顧客はロードの速度とディスク領域削減を関連付けることができます。

Oracle Database 12c: Information Lifecycle Management

Page 49: Oracle Private DB Cloud Infrastructure for SAP · PDF fileOracle Databaseを選択する6つの理由と、なぜSAP顧客にとってOralce Exadata Databese Machine ... Clusters(RAC)、Oracle

49

インメモリー・データベースの何が新しいのでしょうか。こうしたことは、新しいことが何もないという意味ではありません。

「インメモリー・データベース」という名前にも宣伝文句の中にも答えはないという意味です。インメモリー・データベースに使用されているテクノロジに、新しいものは1つもありません。ただ、今まで、個別の製品でしか使用できなかった複数のテクノロジを結合するという考えが、実に斬新的なのです。

以前は、「ディスク・ベース」のOLTPデータベースとインメモリーの意思決定(DSS)データベースがありました。両方が必要な顧客は、2つの製品を購入して2つの独立したシステムを構築し、ほぼ確実に、OLTPシステムのユーザーが生成したデータをDSSシステムにフィードする方法を見つけ出す必要がありました。

インメモリー・データベースの新しい点は、このような分離をなくし、両方のテクノロジを1つのプロダクトに結合するという考え方です。いずれにせよ、これはベンダーの観点です。顧客の観点からすれば、「1つの製品」には次のような意味があります。2つではなく1つのシステム、統合および管理作業が少なくて済む、新しいタイプのアプリケーションおよびリアルタイムの意思決定のサポート。

重力 私たちは、月へ飛行するロケットを作ることができますが、重力の問題を解消できたわけではありません。私たちは重力を乗り越える必要があります。同様に、データベース・アーキテクチャの世界には、2つの基本的な法則があります。それは、純粋なインメモリー・アーキテクチャを求める誰もが経験する重力のようなものです。

• 少数の行、多数の列で稼働するOLTPトランザクションは、行形式で機能を最大限に発揮する一方、多数の行の少数の列にアクセスする分析(DSS)は、列形式で機能を最大限に発揮します。

• インメモリー・データは、揮発性です。パフォーマンスだけではなく永続性も確保するには、不揮発性(ディスク・ベース)のストレージを2次的なストレージ層として使用できることが必要です。

約350年前にモリエールが書いたコメディ=バレ『町人貴族』の主人公ジュールダンは、「散文」という言葉が、韻文でないすべての話し言葉を意味すると知ったとき、突然、自分が40年以上、散文を話してきたことに気が付きます。

ある意味で、インメモリーも散文です。現在、インメモリー・データベースは革命的なアーキテクチャだと主張する人がたくさんいますが、このアーキテクチャを革命的にするのは何かを説明するのは意外に難しいのです。

• その名前は、読み込み、または操作されるべくデータがメモリーに保存されるという事実を考えさせられます。しかし、この事実はすべてのデータベースにとって当たり前のことです。永続性のためにデータはディスクに保存できますが、ユーザーが既存のデータを読み込む、または更新する必要がある場合、データはデータベース・キャッシュにロードされ、できるかぎり長い間そこに保存されます。適切に調整されたOracleシステムでは、データ要求の95%以上のケースで、必要なデータはメモリー内ですでに使用可能になっています。これは、次を意味します。必要なデータは「すでにIn-memory」です。そして、5%の差は、革命について述べる正当な理由にはなりません。

•「従来の」データベースは、データを行として保存しました。これに対し、インメモリー・データベースは列形式を使用します。しかし、これも目新しいことではありません。長年にわたり、複数のベンダーが列型のデータベースを提供してきました。

• ベンダーによっては、ストアド・プロシージャを作成するオプションをやっと提供し始めました。これにより、開発者はクライアント(またはアプリケーション・サーバー)とデータベース・サーバー間のデータ・トラフィックを削減するために、アプリケーションの機能をデータベースにプッシュダウンできます。これは確かに良い考えですが、特に目新しいわけでもなく、インメモリー固有の機能でもありません。Oracle Databaseは、20年以上前にストアド・プロシージャを採用し、最新のアプリケーションが常時それを活用してきました。

Oracle Database 12c インメモリー・オプション

データベース・アーキテクチャの最上層

Oracle Database 12 : インメモリー・オプションc

Page 50: Oracle Private DB Cloud Infrastructure for SAP · PDF fileOracle Databaseを選択する6つの理由と、なぜSAP顧客にとってOralce Exadata Databese Machine ... Clusters(RAC)、Oracle

50

Oracle Database 12c:インメモリー・アーキテクチャ Oracleは、前述の2つの基本的な法則を認識しています。また顧客にも認識してほしいと思っています。しかし、Oracleは顧客が飛べるように支援することも望んでいます。支援を現実にするために、Oracle Database 12cのインメモリー・オプションは、デュアル・フォーマットのデータ・ストアをベースにしています。

• データは永続的にディスクに保存されます。しかも行形式でのみで保存されます。

• データは、読取り/書込み操作(データ操作)で要求されるたびに、従来の行ストア(バッファ・キャッシュ)にロードされます。

• データが読取り専用操作で要求されると、データは新しいインメモリー・列ストアにロードされます。これには、行から列形式への変換が含まれます。

• 挿入、更新、削除を含むトランザクションのコミットごとに、新しいデータが行ストアとインメモリー・列ストアの両方に即時にしかも同時に反映されます。したがって、両方のストアにはトランザクションに関する一貫性があります。

このアプローチは、必ずしも大きいメモリーを必要としません。両方のストアに同じデータを入力する必要もありません。OLTPで使用される場合、データは列ストアに入力されません。DSSのみで使用される場合、データは行ストアに保持されません。また(すぐにわかるように)、インメモリー・列ストアに入力されるデータは、表データのサブセットに限定することができます。

このアプローチには、顧客にとって多くの重要なメリットがあります。

• アプリケーションを変更する必要がありません。すべての既存のアプリケーションを変更なしで新しいアーキテクチャで実行できます。

• データベースを変更する必要はありません。Oracle Database 12cのインメモリー・オプションは、データベースの移行または表の再構成なしで実装できます。

• データベースまたは表のサイズに制限がありません。Oracle Database 12cのインメモリー・オプションは、あらゆるサイズのデータベースおよびシステムと併用できます。

• したがって、インフラの変更も必要ありません。新しいインメモリー機能を既存のハードウェアに実装できます。

最初の法則では、実際に、ディスク・ベースおよび行ベースのデータベース・テクノロジとメモリー・ベースおよび列ベースのテクノロジを1つの製品に結合することがなぜ努力に値するか説明します。私たちのテクノロジがあらゆるタイプのトランザクションを最適に処理できる場合、組合せはまったく意味をなしません。ここでは、「重力」は次のことを意味します。OLTPとDSSを1つの製品/システムで統合することが目標であるならば、列型のみのアーキテクチャでは可能性がありません。

第2の法則は、最新のインメモリー・データベース・システムでさえ従来のコンピュータ上で動作し、ディスク・ストレージを使用する必要があります。これが、2つ目の「重力」です。

様々なベンダーのマーケティング・チームはこれを異なった方法で表現します。一部のチームは、行形式とディスク・ストレージのサポートを黙って追加しながら、主にインメモリー・カラム・コンピューティングについて語ります。他のチームは、インメモリー・コンピューティングとは従来のディスク・ベースのコンピューティングの拡張機能だと言います。ただし、どちらの場合も真意は、

「私たちは飛びたいけれど、重力を無視できません」ということです。

図1: Oracle 12c– デュアル・フォーマットのインメモリー・データベース

Page 51: Oracle Private DB Cloud Infrastructure for SAP · PDF fileOracle Databaseを選択する6つの理由と、なぜSAP顧客にとってOralce Exadata Databese Machine ... Clusters(RAC)、Oracle

51

より精度の高い制御簡単なスタートをベースに様々な状況に対応できます。Oracleの顧客が求めているのは、まさにこれです。また、Oracleの顧客は、特殊なケースでの精度の高い制御とチューニングを可能にするメカニズムも求めています。Oracle Database 12cのインメモリー・オプションは、顧客が求めるメカニズムを提供します。次に3つの例を見てみましょう。

(1)Oracle Database 12cのインメモリー・オプションを使用する場合にも、すべてのデータはディスクに行形式で保存されます。これは、ALTER TABLE文によって変更されることはありません。また表データがインメモリー列ストアに入力されることもありません。この文は、ある時点で表データをインメモリー列ストアで使用可能にしたいと、データベースに伝達しているだけです。

しかし、どの時点でしょうか。この質問に対する答えとして、2つの基本的なオプションが使用できます。(a)オンデマンド、または(b)データベース・システムの起動時。オプション(a)はデフォルトです。表データは、クエリーによって最初に参照されたときに、インメモリー列ストアに入力されます(図2、表T2およびT3を参照)。この動作が適切でない場合、データベース管理者はジョブをデータベース・サーバーの起動中に実行するよう指定できます(図2、表T1を参照)。これらのオプションを組み合せて使用すると、入力の作業時間を分散できます。

• Oracleのインメモリー・オプションは、表圧縮、表の暗号化、表のパーティショニングなど、Oracle Databaseの他のオプション機能に完全に対応しています。また、Real Application Clusters

(RAC)が提供するスケールアウト・アーキテクチャ、および既存のすべての高可用性テクノロジ(Data Guardなど)にも対応しています。これらの機能は、インメモリー・オプションの使用の有無にかかわらず、同じように動作します。

• 顧客は、新しいアーキテクチャを実装する方法を決定できます。顧客が革命を求める場合:新しいハードウェアを購入して、インメモリー列ストアにできるかぎり多くの表を保存することを望むならば、これは可能です。これに対し、顧客が、むしろ進化を選ぶ場合:既存のハードウェアのままでインメモリー列ストアにいくつかの表を保存して様子を見ることを望むならば、これも可能です。

簡単なスタート メリットはもう1つあります。Oracleは、インメモリー・オプションを

簡単に起動できるようにしました。必要な作業は次のとおりです。

• 初期化パラメータinmemory_sizeに新しい値を割り当て、インメモリー列ストアのサイズを定義します。

• インメモリー列ストアで使用可能にする表を選択します。 ALTER TABLE T1 INMEMORY; これだけです。

図2: インメモリー列ストアの入力

Oracle Database 12c インメモリー・オプション

Page 52: Oracle Private DB Cloud Infrastructure for SAP · PDF fileOracle Databaseを選択する6つの理由と、なぜSAP顧客にとってOralce Exadata Databese Machine ... Clusters(RAC)、Oracle

52

Database In-Memory Optionにより、異なった表の列に異なったインメモリーの特性を指定して除外できます。

最初のレッスンで学んだことサブセット構築に関する私たちの説明は簡単ですが、はっきりしていることはOracle Database 12cのインメモリー・オプションが特定の概念に基づいているということです。必ずしも他のすべてのインメモリー・データベース製品が同じ概念に基づいているとは限りません。「インメモリー・データベース」がすべてのデータはメモリーに保存される必要があるという意味だと仮定した場合、またOracle Database 12cのインメモリー・オプションを貧弱なHANAと同じと考えた場合、この新しい機能を実装しようとする試みはすべて失敗します。成功の鍵は、HANAとOracle Database 12cの間の根本的な違いに気がつくことです。

SAPとOracleは、次の2つの声明で同意しています。最初の声明についてはすでに説明しました。それは、現在の研究開発の目標を定義します。行ベースおよび列ベースのテクノロジを1つの製品に結合することは道理にかなっています。顧客がOLTPとDSSを1つのシステムに結合し、完全に新しいアプリケーションを開発できるからです。2番目の声明は、ハードウェアおよびハードウェア・ベンダーによる過去10年間の進歩についてです。現在入手可能な

ハードウェアにより、一体化したOLTP/DSSシステムを構築することができます。このような組合せは、20年前にはまったくの考えられないことでしたが、現在のハードウェアは様々なアークテクチャに対応できる十分なパワーが備えられています。しかし、2社の合意点は、まったく異なった2つのアプローチを表面化させました。SAPは、ハードウェア・ベンダーによる進歩に関する意見を次のように説明しています。「メモリーが非常に安価になったため、データベース全体をメモリーに収めることができます。」Oracleは、この意見は短絡的であり、現在使用可能なオプションを自然に制限すると考えています。Oracleの意見は、次のように要約できます。「多数の異なった分野で目覚ましい進歩があるため、1つのテクノロジだけに制限することは意味がありません。

(2)表には、過去に使用された(ILM用語では「コールド」)データが含まれている場合があります。更新されることもなく、クエリーによるアクセスもないデータを含む表が非常に大きい場合、インメモリー列ストアに完全に保存することはメモリーの浪費になります。管理者は、入力プロセスをDSSクエリーが本当に必要とするデータに制限したいと考えるでしょう。

INMEMORY属性は、表レベルだけではなくパーティションまたはサブパーティション・レベルでも指定できるため、管理者はこれを表のパーティショニングと組合せて実行できます(図3、左側を参照)。表が有効な方法(月別など)でパーティショニングされている場合は、内部構造を使用して表データの水平サブセット

を定義し、インメモリー列ストアに保持できます。

(3)CUSTOMERS表には、列に分類された通常のデータ(名前、郵便番号、市など)、さらに、販売担当者が顧客固有のコメントの保存に使用する、テキスト文字列が含まれている場合があります(図3、右側、列C5を参照)。この列のデータは非構造化データで、異なった長さの一意の値で構成され、ほぼ確実にDSSクエリーに関連していません。

この場合にも、データベース管理者は、インメモリー列ストアに保存するデータを制限したいと考えるかもしれませんが、この場合に必要なのは、表データの垂直サブセットを定義すること、つまり、複数の列を入力プロセスから除外することです。Oracle

図3: 水平サブセットと垂直サブセットの定義

Page 53: Oracle Private DB Cloud Infrastructure for SAP · PDF fileOracle Databaseを選択する6つの理由と、なぜSAP顧客にとってOralce Exadata Databese Machine ... Clusters(RAC)、Oracle

53

つまり、Oracle Database 12cのインメモリー・オプションは、多層データベース・アーキテクチャの構成要素の1つです(図4を参照)。新しいILM機能(本書46ページの記事「Oracle Data-base 12c: 情報ライフサイクル管理」参照)は、顧客が「ホット」、

「ウォーム」および「コールド」データを分離し、異なったタイプのディスクに保存する上で役立ちます。フラッシュのサポートにより、Oracle Database 12cは、「もっともホットな」データをディスクとメモリーの間の中間層に保存できます。メモリーは、OLTP処理用の行ストアと分析的なクエリー用の列ストアに分割されます。

Oracleが他のベンダー製品と異なるのは、新しいインメモリー機能に必要なすべてのデータをメモリーに常駐させない点です。クエリーは、インメモリー、フラッシュおよびディスクに常駐するデータで透過的に実行できます。これにより、Oracle Database 12cのインメモリー・オプションをあらゆるサイズのデータベースおよびシステムで使用できます。

このようなフレームワークでは、インメモリー列ストアにすべてのデータ、または少なくともできるかぎり多くのデータを保存するという考えは、まったく無意味です。インメモリー列データは、分析的なクエリーが頻繁にアクセスするデータにとって適切な場所です。したがって、目標はこのサブセットをできるかぎり正確に定義することです。または、Exadata Smart Flash CacheについてのOracleホワイト・ぺーパーの記載に従うと、「何をキャッシュすべきでないかを知ることは、キャッシュのパフォーマンス可能性を認識する上で非常に重要です。」

HANAとOracle Database 12cの間の根本的な違いは、データベースの概念です。従来データベースは、ディスクに保存されたデータのセットでした。SAPにとってデータベースは、メモリーに常駐する必要のあるデータのセットにすぎません。つまり、SAPは異なったストレージ媒体を提案しますが、依然として、データベースをまるごと保存しなければならない1つの「もの」と考える古い概念にとらわれています。Oracleにとってもデータベースはデータのセットに違いありませんが、セットはサブセットに分割できます。サブセットは、データの経年数または使用のパターンなど、特定の特性によって定義されます。また、Oracleは、それらの異なるサブセットには異なるテクノロジが非常に適していると

考えています。

図4: Oracleの多層データベース・アーキテクチャ

Oracle Database 12c インメモリー・オプション

Page 54: Oracle Private DB Cloud Infrastructure for SAP · PDF fileOracle Databaseを選択する6つの理由と、なぜSAP顧客にとってOralce Exadata Databese Machine ... Clusters(RAC)、Oracle

54

Runs Oracle10x Faster*

The World’s FastestDatabase Machine

• Hardware by Sun

• Software by Oracle

But you have to be willing tospend 50% less on hardware.

10x faster based on comparing Oracle data warehouseson customer systems vs. Oracle Exadata Database Machines.

Potential savings based on total hardware costs. Oracle Databaseand options licenses not included. Actual results and savings may vary.

Copyright © 2012, Oracle and/or its affiliates. All rights reserved. Oracle and Java are registered trademarks of Oracle and/or its affiliates.

*

Page 55: Oracle Private DB Cloud Infrastructure for SAP · PDF fileOracle Databaseを選択する6つの理由と、なぜSAP顧客にとってOralce Exadata Databese Machine ... Clusters(RAC)、Oracle

55

Oracle Exadata Database Machineは、既存のSAPアプリケーションのランドスケープを大幅に高速化します。しかも、既存の

SAPシステムの実行に一切の変更を加えません。

東風汽車有限公司(DFL: Dongfeng Motor Co., Ltd.)は、Oracle Exadataを使用してSAPシステムのパフォーマンスを15倍改善し、事業を迅速に展開させています。Accentureは、スペアパーツ物流管理システム用のOracle Exadataへのデータベースの導入

と導入後のパフォーマンス・テストに協力しました。

Accentureは、Oracle Exadata Database Machineの実装プロジェクトにおける経験が豊富で、幅広いOracle Exadataアセット・ポートフォリオを持っています。この1年、弊社のAccenture Engineered Systemsチームは、Oracle Exadataによるプロジェクトの一環として展開と省力化を促進する次の資産を構築しました。

ACCENTURE が、 SAP 顧客向けにOracle Exadata Database Machine 実装サービスを提供

AccentureのOracle Exadata Migration Toolkit:

• Oracle Exadata Database Machineへのデータの移行

• Accenture独自の方法論とサード・パーティ製のツールの結合

• 50%の省力化

Oracle Exadata Accelerators上のAccentureアプリケーション:

• 事前構成、統合、企業規模のプロジェクトがテストされたOracle ERPの「最高の」イメージ

• Oracle Exadataツールキット上のSAP

Oracle ExadataにSAPを導入する主要なメリット:

• パフォーマンスの向上

• 可用性の向上

• より強固な統合

• より強固なセキュリティ

• 高度な設計および標準化

• 環境の調和

• 低価格

2013年4月16日にAccentureは、Accenture Engineered Systems Center of Excellenceを立ち上げました。このセンターは、顧客に

「購入前に試す」機会を提供して、弊社のEngineered Systems専門家が実行する一連のテストでそのワークロードを証明します。センターには、Accenture Foundation Platform for Oracle

(AFPO)製品、弊社のOracleアクセラレータとともに、PaaSとして弊社のクライアントが世界中で入手できるOracleのExalogic、Oracle Exadata & Exalyticsが搭載されています。

Oracle Exadata Database Machine Implementation Services for SAP Customers

Runs Oracle10x Faster*

The World’s FastestDatabase Machine

• Hardware by Sun

• Software by Oracle

But you have to be willing tospend 50% less on hardware.

10x faster based on comparing Oracle data warehouseson customer systems vs. Oracle Exadata Database Machines.

Potential savings based on total hardware costs. Oracle Databaseand options licenses not included. Actual results and savings may vary.

Copyright © 2012, Oracle and/or its affiliates. All rights reserved. Oracle and Java are registered trademarks of Oracle and/or its affiliates.

*

Page 56: Oracle Private DB Cloud Infrastructure for SAP · PDF fileOracle Databaseを選択する6つの理由と、なぜSAP顧客にとってOralce Exadata Databese Machine ... Clusters(RAC)、Oracle

56

Oracle Exadata Database Machine を導入するSAP 顧客が世界中に広がっている理由

パフォーマンスの改善をはじめ重要なメリットを即座に享受、しかも変更が不要 Oracle Exadata Database Machineは、SAP Business Suite

(SAP ECC 6.0、SAP CRM 7.xなど)やSAP BW 7.xなど、顧客のすべてのワークロードで最高のパフォーマンスを実現します。また、Oracle Exadataの顧客は、Oracle DatabaseをSAPおよびSAP以外の複数のワークロードとともに単一のExadata Database Machineで実行できます。実際、簡単に短時間で実装できるExadata Database Machineは、最大規模で重要度の高いデータベース・アプリケーションをすぐに処理でき、10倍以上の速さで実行します。その鍵は、Sunの業界標準のハードウェア、およびOracleのインテリジェント・データベースとストレージ・ソフトウェアを使用するシステム・エンジニアリングです。

Oracle Exadata Database Machineは、2011年7月SAPに認定されました。そのため、SAP顧客はSAPアプリケーションをOracle Exadata Database Machineで稼働できます。Exadataは、Oracle Databaseのホスティングに使用する、簡単に配置できるソリューションです。チューニング無しに発揮される優れたパフォーマンスにより、即座にSAPを実行してSAP NetWeaverアプリケーションを統合します。しかもベンダーはSAPとOracleの2社のみです。Oracle Exadataには、より強力なサポート、高速なオンラインの移行、DBaaS配置プラットフォーム、インフラを迅速に配置するEnterprise Database Cloud Solutionのメリットが提供され、統合によりコストも削減されます。

Exadata Database Machineを購入しデプロイするSAP顧客が、世界中で日に日に広がりを見せています。世界各国でOracle Exadata Database Machineを実装した各種業界の顧客の導入事例を次に紹介し、多様な環境で彼らが直面した課題とソリューションを明らかにします。

拡張が必要な「未来のデータ・センター」収益が約5億米ドルのインドの化学肥料メーカーには、次の課題がありました。APAC地域への計画的な展開を推進する、新しい未来志向のスケーラブルなソリューションの実装。成長に対応していない、レガシーなハードウェア。さらに、増大するストレージ要件。

この会社にとって、従来のシステムとエンジニアド・システムを比較することが必要でした。Exadata Database Machine上で稼働するSAP ECCおよびBWに焦点を絞ったPoCが、すべての疑問を解決しました。このメリットは計り知れません。担当者は次のように述べています。「Oracle Exadata Database Machineは、未来のデータ・センターを作り上げる私たちの中心です。成長を支えるパフォーマンス・プラットフォームにより、当社は計画を予定通りに遂行できます。」他のメリットとして、効率的なデータベース統合、ストレージ削減、大幅なパフォーマンス向上などがあります。

次の例は、Exadata Database Machineの導入によって業績を伸ばす日本の主要な金融会社です。このケースでの経営者の目標は、データベースの統合とUnixからLinux for SAP ECCへの統合によるコスト削減です。Oracle Exadata(R/3ロード)へのスムーズな移行プロセス、およびItanium HP UXシステムの交換が計画されています。新しいプラットフォームの使用により、この金融会社がSAPのさらなる活用と統合を継続でき、プロセスのパフォーマンスを増加させ、より複雑なデータのクエリーが可能になることは明らかです。

Page 57: Oracle Private DB Cloud Infrastructure for SAP · PDF fileOracle Databaseを選択する6つの理由と、なぜSAP顧客にとってOralce Exadata Databese Machine ... Clusters(RAC)、Oracle

57

日本のもう1つの顧客例は、日本の輸出入販売を業務とする会社です。導入の当初、SAP以外の環境で使用されていたOracle Exadata Database Machineは、現在SAP環境でも使用されています。主な目標は、すべてのデータベースの統合、およびコスト削減とWindowsプラットフォームの置換えによる投資収益からの利益です。要約すると、ECCシステムは、パフォーマンスの向上、停止時間の短縮、確実なビジネスでの成長に求められる様々な要求に直面していました。

リアルタイム・ビジネスを求める顧客また、北米では、アメリカのメディアおよびエンターテインメント会社の難しい課題をOracle Exadata Database Machineが完全に解決しました。第1に、顧客にはある種のリアルタイム・ビジネスが必要でした。第2に、I/Oの問題、または現在のインフラストラクチャの問題、および特に要求が厳しいSLAの問題がありました。顧客は、将来の成長経路を持つ適切なITアーキテクチャ、チャージバックと迅速なプロビジョニングが使用可能なDBaaSを提供する、包括的なプライベート・クラウド製品を探していました。「最終決定をする前に、私たちはSAPのHANAをチェックしました。そこではっきりしたのは、Oracle Exadata Database Machineこそが、私たちの山積したすべての要求を実現してくれるということでした。」と担当者は述べています。

米国のヘルスケア関連の別の顧客は、同様にHANAソリューションを採用しないことを決定しました。この例では、SAP BWのテクノロジのリフレッシュが必要でした。ITスタッフは、国際的なロールアウトのために拡張できる非常に密度の高いデータベース統合プラットフォームを確実に所有したいと思っていました。この会社は、標準化を含む統合で最適なプラットフォームの使用を可能にする、高速なExadataに満足していました。

米国の次の例では、世界的な消費者向けの包装用品の会社がSAP BWのためにExadataを選択しました。x86およびMicrosoft WindowsでBWを実行することに、大きなパフォーマンス上の問題がありました。Fortune 500社の1社であるこの会社のITチームは、Oracle AWRレポートを評価し、Exadata for SAP BWを推奨しました。この会社の担当者は次のように述べています。「これで、当社は成長を約束されたようなものです。SAPワークロードの統合、ビジネス・プロセスのパフォーマンスの改善、プラットフォーム全体のコスト削減、それがすべて実現できます。」

南北アメリカ大陸の他の地域でも、SAP顧客は、他の課題や要件を解決するためにOracle Exadata Database Machineを導入しています。たとえば、ブラジルのエネルギー関連の会社はExadataを使用してパフォーマンスの向上を実現し、SAP環境を円滑に統合しています。以前のハードウェアと比較して、クエリー時間が25倍改善し、ロード時間は10分の1に短縮されました。

市場投入までの時間の短縮大手の保険/金融サービス会社、EMEA Regionは、新製品を市場に投入するまでの時間を短縮したいと考えています。ITの観点から見れば、この会社は、複数のオペレーティング・システム

(IBM AIX、Linux、MS Windows、Solaris)で稼働する数十のデータベースの複雑な構造を変える必要があります。この顧客はExadata Database Machineにより、SAPシステムとSAP以外のシステムの両方をデータベースを統合できるようになりました。作業が軽減され、ライセンスの数も減少しました。Oracle Exadataは、市場投入までの時間を短縮しITの複雑さを軽減することによって、この会社がより大きい成功を手にすることを支援します。

EMEAのもう1つの例は、10,000人の従業員を雇用するB2Bの小売業者です。この業者には、ITコストを削減し、ビジネス上の問題を解決するという課題があります。この会社は、46のデータベースを2台のExadata Machineに統合することで、コストを最小限に抑えることに成功しました。ユーザーI/Oは、大きな待機イベントではなくなり、バッチ・ジョブは3分の1の時間で実行されるようになりました。変更は不要でした。少なくとも、担当者が言うように、この小売業者は「設定なしで使用できる優れたパフォーマンス」を手に入れたのです。

多数のSAP顧客の最後の例(Exadata Database Machineを購入およびデプロイ)は、フランスの電力関連の大手企業です。主要なポイントは、ECCバッチ・ジョブの実行中にパフォーマンスの問題が発生することでした。この問題を解決するために、Ora-cle Exadataと他の2つの代替手段が評価され、Exadataを検証するPoCが顧客を満足させました。明らかに、このSAP顧客は、新しいOracleのITインフラストラクチャからメリットを得ています。

「Exadata for SAPのおかげで、ITランドスケープが高度に統合・最適化され、私たちの将来の要求に対応できるようになりました。」と広報担当者は述べています。

Why more SAP Customers worldwide deploy Oracle Exadata Database Machine

Page 58: Oracle Private DB Cloud Infrastructure for SAP · PDF fileOracle Databaseを選択する6つの理由と、なぜSAP顧客にとってOralce Exadata Databese Machine ... Clusters(RAC)、Oracle

58

「SAP ERPを運用するOracle Exadataによる、たくさんのメリットがあります。ECCのみならずSAP以外のアプリケーションでも、当社のITインフラストラクチャを長期的に最適化または改善する最適な選択肢がまさにDatabase Machineでした。」

― L G F A S H I O N 、C I O 代 理

Oracle Exadata X3-2 Database Machineで稼動する、LG FASHIONのSAP ECC

LG GroupのメンバーであるLG Fashionは韓国を拠点とする企業で、紳士服および婦人服の製造・販売をしています。年商は18億米ドル(LG Fashion Group, 1兆4,700億韓国ウォン、2012年12月末)と言われています。LG Fashionは、Hazzys、Maestro、Mogg、Towngent、TNGT、TNGTWなど、有名ブランドの紳士服、婦人服、アクセサリー、スポーツウェア、およびアウトドアウェアの製品を提供し、デパートやインターネット・ショッピングなどの販売網を通じた自社製品の販売で躍進しています。

小売業界トップの地位を維持するには、増加するオンライン・ビジネス、モバイル・アプリケーション・サービスの確立、顧客のカスタマイズ・サービスの要求の増大などの対処が必須です。LG Fashionも変化する業界要件に迅速に対応する必要がありました。IT要件全体で重要な役割を果たすSAP ERPシステムのECCアプリケーションにとって、良好な本番システムが必要です。常に、現在と将来にわたって強力で効率的に機能するITインフラストラクチャが重要になります。LG Fashionでは、順調にSAP ERP ECCがOracle Exadata X3-2 Database Machineに移行され、すべての点で万全な状態で稼動しています。

単一サーバーDB: アップグレードの限界LG Fashionでは長年にわたり、ECCデータベース・レイヤー上で単一サーバー・システムを使用していましたが、昨年、DBボリュームが予想以上の速さで増加し、待ったなしの状態に追い込まれました。「DBサーバー側にパフォーマンスの問題がありました。定期的に、CPU、メモリー、ディスクをアップグレードしていましたが、単一サーバー・システムが故にそれ以上の拡張が不可能でした」とLG FashionのIT担当のメンバーは述べています。この事態を打開する適切なソリューションが、早急にLG Fachionに必要でした。

LG FashionのITチームは、評価プロセスの基準リストを作成したところ、どのように過小評価しても、Oracle Exadata Database Machineは多くの納得のいく理由で、検討できる他のソリューションより一歩進んでいました。 第1の理由は、オラクルが提供するエンジニアド・システムの最高のパフォーマンスです。また、DMLのパフォーマンスおよび高頻度のトランザクションのパフォーマンスにより、長時間実行されるトランザクションやバッチ・ジョブに必要な時間が短縮されます。ITチームは、Exadataを使用すると全トランザクションの96%が1秒以内に応答することを確認しました。

第2の理由は、ストレージ領域を大幅に削減できることでした。また、第3の理由は、新しいシステムのDBライセンスのコストを最小限にできることです。第4の理由は停止時間なしに、拡張できることで、第5の理由は、Exadataがハードウェアの問題を軽減し、顧客の満足度を持続的に向上させる点です。最後に、複雑なワークロードの複数のアプリケーションを1つのシステムで実行できることが、第6番目の理由です。

韓国の大手衣料品メーカーが新しいインフラストラクチャ・アーキテクチャに移行/トランザクション処理とパフォーマンスをスピードアップ/ITコストを大幅に削減し、ユーザーの満足度を向上

Page 59: Oracle Private DB Cloud Infrastructure for SAP · PDF fileOracle Databaseを選択する6つの理由と、なぜSAP顧客にとってOralce Exadata Databese Machine ... Clusters(RAC)、Oracle

59

www.lgfashion.co.kr

Oracleの顧客LG Fashion(Group)

収益18億米ドル

所在地韓国、ソウル

業種ファッション小売業

オラクル製品およびサービス• Oracle Exadata Database Machine X3-2 Half Rack

• Oracle Database 11gR2(RAC、ASM、パーティション化)

Exadataへの移行:多くのメリット2013年8月10日、ExadataはECCとともにLG Fashionで稼動を開始しましたが、サービスを停止することなく最初からすべてが動作し、移行はわずか6時間の停止時間内に完了しました。移行は、Oracle SAP CCが開発したTriple-O移行方法(サービス)で実行され、オラクル(SAP CC)およびパートナー(LG Nsys、Daesang IT Technology)がサポートしました。

LG Fashionは、このプロジェクトのために、Oracle Exadata X3-2 Half Rack、Oracle Database 11gR2(4台のX3-2 Database Serverと7台のX3-2 Storage Server)を購入しました。同社は、Exadata Oracle RAC(ASM)とOracle Advanced Compression、さらにパーティショニングも使用しています。当初、CPUの使用率は20パーセントでした。DBサーバーは、CIサーバーから切り離され、1つの本番システムがRACクラスタ内に配置され、もう1つの本番システムがQAおよびDEVシステム内に配置されています。

「SAP ERPを運用するExadataによる、たくさんのメリットがあります。ECCのみならずSAP以外のアプリケーションでも、当社のITインフラストラクチャを長期的に最適化または改善する最適な選択肢がまさにDatabase Machineでした。」とLG FashionのITのスポークスマンは語っています。Oracle Exadataは予想通りにLG Fashionは、Oracle Exadataにより大きな改善を成し遂げたのでした。改善は、よりよいパフォーマンス、より高速なトランザクションとプロセスから、ITコストの削減や全般的なハードウェアの問題の軽減にまでおよびます。

ビジネス、ユーザーおよびITの大幅な改善詳細:(測定された値の例):DML処理で300から800倍の改善、最大20倍の処理の向上(平均5倍)、高頻度のトランザクションは270倍まで向上、1秒以内に96のトランザクション・レスポンス、ストレージ領域を54パーセント削減(10 TBから4.4 TBへ)、今後5年間のTCOを20パーセント削減、ショッピング・モールのDBサーバー(SAP以外)を最大270倍改善、BWシステムにデータをロードする時間が減少、サプライチェーン・マネジメント

(SCM)のデータをロードする時間が減少(以前は午前9時に終了。現在は午前4時に終了)、BWシステムを使用できる時間が増加(以前は午前9時。現在は午前7時)、RACの使用によるハードウェアの問題や停止時間の軽減(停止時間なしに拡張)。

LG Fashionは必要に応じていつでも、それは今日にでも明日にでもOracle Exadataをアップグレードできます。

Advertising Brand Mogg from www.lgfashion.co.kr

Oracle Exadata Database Machine X3-2 at LG Fashion

Page 60: Oracle Private DB Cloud Infrastructure for SAP · PDF fileOracle Databaseを選択する6つの理由と、なぜSAP顧客にとってOralce Exadata Databese Machine ... Clusters(RAC)、Oracle

60

China Mengniu Dairy Company Limitedとその子会社は、中国で高品質の乳製品の製造と流通に従事する、中国の主要な乳製品メーカーの1つです。主要ブランドはMENGNIUです。このグループが取り扱う多様な製品には、UHTミルク、乳飲料とヨーグルトなどの液体食品、さらにアイスクリームおよび粉ミルクなどがあります。China Industrial Information Issuing Centre(中国行業企業信息発布中心)によると、2012年、Mengniuの乳製品は、販売量と売上高ともに第一位になりました。フフホト(内モンゴル)で設立され急速に成長しているこの会社は、2012年に20.4億米ドルの収益を計上しています。

MengniuがSAP ERP、CRM、NetWeaver BW、APOおよび他のSAPシステムの稼働を開始した当初は、基本的なITインフラストラクチャですべてが順調でした。コンポーネントのサイズは適切で、複数の定義されたサービス内容同意書に十分対応している上、選択したハードウェア・システムは当時、最新式でした。

従来のSAP ITインフラストラクチャの課題 この会社のIT課題は、時間の経過とともに増大していきました。主な理由は次のとおりです。ビジネスと会社の急速な成長。エンタープライズ・アプリケーションの使用率の上昇、その結果としてのデータ・ボリュームの増加。そして一番重要な点、回避することができない既存のSAP ITインフラストラクチャの十分な拡張または再配置。Mengniuはこれらの課題から、長期的な視野に立ってハードウェア・システムとソフトウェア・システムの最適化に重点的に取り組む必要がありました。そしてMengniuは、Oracle Exadata for SAPを導入することで多くの課題を同時に解決し、Oracleのエンジニアド・システムから多くのメリットを得ることができました。「私たちにとって、これが最適な選択肢でした。」とMengniuの担当者は述べています。

MengniuのITは大きな課題に直面しました。バッチ処理のパフォーマンスおよびインタラクティブ・パフォーマンスは、Mengniuのニーズに対応できるほど高速ではありませんでした。バッチ処理のワークロードは増大し、以前は数時間で完了したジョブが一晩たっても終わりません。また、インタラクティブ・パフォーマンスに、ユーザーは不満を募らせていました。Mengniu ITチームのメンバーは、次のように述べています。

「ユーザーにとって、十分な速さではありませんでした。」この時点で、5年目を迎えたハードウェア・システムは遅く、時代遅れのように思われました。データベースのボリュームは、毎月100GBの速度で増加し、このままでいくと18か月以内にシステムがダウンしてしまいます。さらに、「新しいアプリケーションを構築しようとするたびに、新しいハードウェアとソフトウェアを取得し管理しなければなりません。そこで、私たちは、なぜ何をするにしても、新しいハードウェアとソフトウェアが必要なのかと考えました。」とITメンバーは続けます。

「すべてが申し分なく、私たちの高い期待に応えてくれました。Oracle Exadataによって、私たちのSAP ITインフラは一歩前進したのです。Exadata Database Machineでは、すべてのSAPデータベースおよびSAP以外のデータベースをプライベート・クラウド環境に統合することができます。そして、あらゆる種類のデータベース・ワークロードの最高のパフォーマンスが、Mengniuに、より低いTCOでアプリケーションをより速く実行する機能を提供してくれます。」

― IT担当者、CIO、China Mengniu Dairy Company

CHINA MENGNIU DAIRY COMPANYのOracle Exadata Database Machine for SAP: エンジニアリングおよび統合システムによる多くの利点

即座に克服された多数の課題/より高速のワークロード、短縮されたエンド・ユーザー応答時間、リスク緩和およびコスト削減の長所/最初はSAP CRM、次に新しいOracle ITインフラストラクチャ上のSAP ERP

Page 61: Oracle Private DB Cloud Infrastructure for SAP · PDF fileOracle Databaseを選択する6つの理由と、なぜSAP顧客にとってOralce Exadata Databese Machine ... Clusters(RAC)、Oracle

61

Mengniu ITチームは、既存のSAP ITインフラストラクチャを設計し直すことを決定しました。様々な選択肢に焦点を絞り、ついにBusiness Suite、BW、および他のSAPソリューションに1つのアーキテクチャを提供するOracle Exadataが競争に勝ちました。Oracle Exadata for SAPは、必要なすべてのハードウェア(サーバー、ネットワーク、ストレージ)およびソフトウェア(OS、Oracleデータベースおよびオプション)を備えた1つの統合システムを提供します。また、Exadataはドイツのソフトウェア・プロバイダーが提供するソリューションにもプライベート・データベース・クラウドのSAP以外のシステムにも適した統合プラットフォームです。

段階的な切替え:SAP CRM、次にSAP ERPChina Mengniu Dairy Companyが選択した結果は明白です。

「Oracle Exadataは、組織が直面するITの課題を克服してくれます。そのインテリジェントなエンジニアド・システムから得るメリットは数えきれません。Oracle Database Machineは、データベース・サイロおよびストレージ・サイロを回避し、SAPだけではなくすべてのワークロードを加速してくれます。さらに、Oracle Exadata Database Machineには将来の互換性が様々な形で含まれています。」

選ばれたコンサルタント会社(IBM)とともに、Mengniu ITは、従来のSAP ITインフラストラクチャから、Oracle Exadataを使用した新しいインフラストラクチャへ段階的に移行するよう設定しました。最初に、CRM本番データベース環境用の1台のQuarter Rack Exadata(X2-2)に切り替えます。稼働は9月5日に予定されました。次に、ERP/ECC 6.0本番データベースを使用した、もう1台のExadata(X3-2)Quarter Rack(同じデータ・センター内)に切り替えます。Oracle Data Guardは、ECCおよびCRMの障害時リカバリ・ソリューションとしても使用されます。

2台のOracle Exadata Machine以外に、MengniuはIntelの標準サーバーを実行します。1台は、Oracle VMに仮想化され稼働するDEVとQA用、もう1台は、VMwareを使用するSAPアプリケーション・サーバー用です。

9月5日にSAP CRMがExadata上で稼働し、SAP CRM向けのOracle Exadataへの切替えは予定通りに実行されました。Exadataハードウェアおよびソフトウェアのインストールは2013年6月末までに完了し、8月にはSAP CIのインストール、ExadataへのCRMデータベースのインストール(ABAP + Java/デュアル・スタック)、DIのインストールとテストが行われました。SAP ERP移行の予備計画の準備が整い、Oracle Exadata上の稼働は2014年の初頭に予定されています。

一歩進んだインフラストラクチャ従来のSAP ITインフラストラクチャからエンジニアリングされ統合されたOracle Exadataシステムへの移行によって、China Mengniu Dairy Companyが手に入れたメリットとチャンスは計り知れません。現在は言うにおよばず将来を見据えた優れた柔軟性、信頼性、スケーラビリティおよび最小化された複雑性によって、すべての課題が見事に克服され、ワークロードの加速、エンド・ユーザーの応答時間の短縮、リスクの軽減およびコストの大幅な削減が実現しました。

「すべてが申し分なく、私たちの高い期待に応えてくれました。Oracle Exadataによって、私たちのSAP ITインフラストラクチャは一歩前進したのです。」とMingniuの広報担当者は説明します。また、彼は、Oracle Exadata Database MachineにすべてのSAPデータベースおよびSAP以外のデータベースをプライベート・クラウド環境に統合する機能があること、あらゆる種類のデータベース・ワークロードの最高のパフォーマンスが、より低いTCOでアプリケーションをより速く実行する機能をMengniuに提供したことも挙げています。

Oracle顧客:China Mengniu Dairy Company

収益:20.4億米ドル

所在地:フフホト、内モンゴル

業種:乳製品

従業員:30,000名

オラクル製品およびサービス: • Oracle Exadata Database Machine (X2-2, X3-2) • Data Guard• Oracle VM

Oracle Exadata for SAP at China Mengniu Dairy Company

www.mengniu.com.cn

Page 62: Oracle Private DB Cloud Infrastructure for SAP · PDF fileOracle Databaseを選択する6つの理由と、なぜSAP顧客にとってOralce Exadata Databese Machine ... Clusters(RAC)、Oracle

62

Raiffeisen Rechenzentrumとして知られるRaiffeisen Informatik Center Steiermark(RICS)は、オーストリアのRaiffeisen Banking GroupのITサービス・プロバイダです。同社はRaiffeisen銀行に、日常の銀行業務のすべてをおこなうための全種類のITサービスを提供しています。また、増加する法人顧客、およびその他の中規模企業や大企業にもサービスを提供しています。2013年半ば、オーストリアに現在もっとも先端的なデータ・センターを開設しました。

Raiffeisen Banking Groupでは、SAP NetWeaver Business Warehouse(SAP BW)の使用が増加していました。負荷が増えるにつれ、RICSはサービス内容合意書の要件を満たす上で課題に直面しました。約40人のユーザーが、地域別、製品グループ別の売上げなど様々な管理や計画のレポートを迅速に作成するために、RICSは、オンラインの分析処理を最適化し、SAP BWおよび関連するアプリケーションに高いデータ可用性を確保することに目を向けました。

「応答時間が徐々に長くなり、一部のレポートはタイムアウトになりました。もはや私たちには一刻の猶予もありませんでした。メモリーを追加して既存のPower 7 AIXデータベース・サーバーを拡張することは、商業面でも技術面でも意味がありません。技術的なアーキテクチャは限界に達していました。」とRICSのデータ・センターのインフラストラクチャ・マネージャHeiko Held氏は当時を振り返ります。

同社は、SAP BWのパフォーマンスを大幅に改善するソリューションを探し始めました。多岐にわたる分析と評価の結果、RICSはOr-acle Exadata Database Machineを選択し、わすか8週間でOracle Exadata Database Machine X3-2を稼働させました。

10~20倍のデータベース・パフォーマンスの向上を実現 RICSは、Oracle Exadata導入に非常に満足しています。SAP BWのパフォーマンスは、ユース・ケースでレガシー環境と比較し10~20倍向上しました。

「改善に対してユーザーからお礼のメールをもらうことはめったにありませんが、最適化されたSAP BWの応答時間と生産性の向上の結果、実際にお礼を受け取ったのです。これはOracle Exadataのおかげです。このようなフィードバックはとても喜ばしいだけでなく、Oracle Exadataが正しい選択であったことを示しています。」とRICSのマネージャ、Dietmar Schlar氏は述べています。

Oracle Exadataの一体化されたハードウェア、ソフトウェアおよびスケーラビリティにより、RICSは、今では効率良く、また効果的に既存のデータベース環境を統合、すなわち簡素化できます(SAP環境とSAP以外の環境で約40のOracle Databaseを使用)。また、このIT企業は、SAP ECCデータベースをOracle Exadataに移行するための基盤を築きました。これにより、効率とパフォーマンスがさらに改善されます。

「これによって、トランザクションの時間が短縮され、FI/COの使用がスピードアップします。同時にデータベースまたはSAPの操作に伴う経費が削減されます。私たちは、Oracle Exadataの使用を促進するつもりです。Raiffeisen Banking Groupで現在進行中の最大のプロジェクトの1つは、Oracle Exadataによって稼働する包括的な銀行の制御システムの実装です。」とHeld氏は続けました。

S A P N E T W E AV E R B U S I N E S S W A R E H O U S E 向 けの O r a c l e E x a d a t a D a t a b a s e M a c h i n eでデータベース・パフォーマンスを1 0 倍 から2 0 倍 向 上させた R A I F F E I S E N I N F O R M AT I K C E N T E R STEIERMARK

Page 63: Oracle Private DB Cloud Infrastructure for SAP · PDF fileOracle Databaseを選択する6つの理由と、なぜSAP顧客にとってOralce Exadata Databese Machine ... Clusters(RAC)、Oracle

63Oracle Exadata Database Machine for SAP at Raiffeisen Informatik Center

Oracleが選択される理由「最終的には、テストと分析の結果、技術、ビジネスおよび概念の観点からOracle ExadataがSAP HANAより弊社にとってよりよいソリューションであることがわかりました。ドイツのOracle Exadataを導入した顧客を訪問したことがOracle Exadata選択の決定打で、Exadataの彼らの使用経験は弊社の期待通りで、それが正しい選択であることを裏付けてくれました。」とSchlar氏は述べています。

評価の段階で、RICSはOracle Exadataが実現できるパフォーマンスの強化を徹底的に調査しました。その中で、Oracle Exadataの多様性に好感を持ったと言います。エンジニアド・システムは、RICSのSAP環境、および他の銀行業務のアプリケーションもサポートできます。さらに、このソリューションの成熟度とすばらしいコスト・パフォーマンス(実装と変換に伴う時間と費用を含む)も、決定に大きな影響を与えました。

実装プロセス 「実装プロセスは、問題なく進みました。Oracle Exadataでは、データの処理と供給が非常に高速であるため、10Gbpsの接続をサポートするためにAIXアプリケーション・サーバーとOracle Exadata Database Machineの間でネットワーク接続を追加する必要がありましたが、基本的にインストールと設定の後に実行したのは、標準的なデータベースのエクスポートとインポート、それに続くテストのみでした。」とSchlar氏は述べています。

実装作業中RICSは、SAPのサポート・チームだけでなくOracle Advanced Customer Support Servicesとも連携しました。現在、同社のデータベースのデータ量は、合計で約500ギガバイトです。

Oracle顧客:Raiffeisen Informatik Center Steiermark

所在地:オーストリア、グラーツ

業種:最先端技術

従業員:140名

オラクル製品およびサービス: • Oracle Exadata Database Machine • Oracle Advanced Customer Support Services

– Raiffeisen Informatik Center Steiermarkの談話

「Oracle Exadataの選択は、長期的な投資判断でした。Oracleのソリューションを使用すると、データベースのパフォーマンスが10倍から20倍向上したというレポートもあり、ユーザーの生産性と顧客満足度が改善されました。Oracle Exadataの統合オプションにより、私たちはSAPおよびSAP以外のアプリケーションの使用を加速できます。これはまた、コストの削減も意味します。」

– Dietmar Schlar、Raiffeisen Informatik Center Steiermark、マネージャ

Dietmar Schlar氏、マネージャ Raiffeisen Informatik Center Steiermark

Page 64: Oracle Private DB Cloud Infrastructure for SAP · PDF fileOracle Databaseを選択する6つの理由と、なぜSAP顧客にとってOralce Exadata Databese Machine ... Clusters(RAC)、Oracle

64

KK Modi Groupの主力企業、Godfrey Phillips India Ltd.(Godfrey Phillips)は、たばこの製造と巻きたばこの販売を手がけるインドの主要大手企業の1つです。Godfrey Phill ips Indiaの営業活動はインド国内全域に及びます。インド北部と西部では知名度が高く、最近では、西ベンガルおよびインド南部にも進出しています。

Godfrey Phillipsは、FS1、Four Square、Red and White、Cavanders and Tipperなど、インドでもっとも有名なブランドの巻きたばこを製造しています。フィリップ・モリス社とのライセンス契約に基づき同社の象徴的なブランドのマルボロを製造・販売し、Symphony and Super Cup Tea Cityブランドの立上げに成功しました。競争の激しい製菓部門では、FundamintとFundagoliの製造で利益を上げています。Godfrey Phillips Indiaは国際市場にも参入し、現在同社の国際部門は、世界的なたばこ産業のトップ・プレーヤー数社と協力関係にあります。

課題

• 在庫管理、レポート作成など、複数のアプリケーションにまたがって信頼できる正確な販売、製造および本番データへの迅速なアクセスを可能にすることにより、意思決定を改善する

• 日常のストック、在庫、請求書発行、たばこの販売報告書および生産高報告書により、ビジネス・プロセスのスピードと精度を向上させる

• たばこ、お茶、マサラおよび製菓用のサーバーとデータベースを1つのハードウェアおよびソフトウェアのプラットフォームに統合し、運用上の効率を高め運用コストを削減する

ソリューション

• 請求書の自動作成、日次の販売税、債務者および債権者の台帳など、レポートの作成を最大で50%加速し、スタッフにリアルタイムのビジネス・インテリジェンスを提供し、Oracle Exadata Database Machineで稼働するビジネス・アプリケーションを加速。

• 在庫報告書の作成時間を50%短縮し、たばこ、お茶、製菓の生産スケジュールの精度向上と迅速化。

• 人事、在庫管理、レポート作成など、多数のアプリケーションを管理する高性能のデータベース・マシンの実装で、請求書を84%速く(6分ではなく、わずか1分で)作成する機能を実現。

• たばこ、お茶、Twenty Four Sevenコンビニエンス・ストア、および製菓のビジネス・ユニット用の1つのデータベース・マシン・ソリューションを導入し、ベンダー管理を合理化してコストを削減。

Godfrey Phillips India Ltd. の談話

「私たちがOracle Exadata Database Machineを選択

した理由は、一体化されたハードウェアとソフトウェアの

ソリューションにより、他にはない単一の連絡先が提供さ

れることです。この製品により、弊社のビジネス・パフォー

マンスが改善されました。請求書作成の時間は84%短

縮され、日次レポート作成の時間は50%短縮されていま

す。Oracle Exadata Database Machineは、ビジネスに

必要な俊敏性を持つ会社として、弊社を戦略的な位置付

けにしてくれました。さらに削減を進めパフォーマンスの

メリットを5年以内に達成する予定です。」

– VENKATA RAO氏、 CIO、Godfrey Phillips India Ltd.

エンジニアド・システムに統合されたデータベースでビジネス・レポートの作成を50%改善し、コストも削減したGODFREY PHILLIPS INDIA

Page 65: Oracle Private DB Cloud Infrastructure for SAP · PDF fileOracle Databaseを選択する6つの理由と、なぜSAP顧客にとってOralce Exadata Databese Machine ... Clusters(RAC)、Oracle

65

• 販売、管理、在庫およびレポート作成のデータを高性能かつ信頼性のある単一のプラットフォームに統合、スタッフの生産性の改善、運用費および管理費の削減で、システム停止時間と管理コストを削減。

• OracleのInfiniBand Networkテクノロジを使用して、1台のOr-acle Exadataに3つのアプリケーション・データベースを統合する単一ベンダーによるソリューションを実現、サポートユーザー数2,000以上。

Oracleが選択される理由 Godfrey Phillips IndiaがOracleを選択した理由は、独自の一体化されたハードウェアとソフトウェアのソリューションです。ソリューションは事前にテストされ構成された状態で提供されるため、実装が迅速で無駄がありません。

「私たちは、事前にエンジニアリングされた単一ベンダーによるハードウェアとソフトウェアのソリューションの必要性を考えていました。そのためにOracleを選択したのです。Oracle Exadataは、すべての要 件を満たした唯 一のソリューションでした。Godfrey Phillips Indiaのアプリケーションの約80%はオラクル製品です。ビジネスの長期的なメリットを継続して提供してくれる、業績の良い優れたプロバイダーと提携することは、戦略的に意味があります。」とGodfrey Phillips India Ltd.のCIO、Venkata Rao氏は述べています。

実装プロセス Godfrey Phillips Indiaは、2011年にサーバーとデータベースを統合するためにビジネス・ケースの準備を開始しました。Oracle Exadataが選択され、二段階によるデータベース実装が決定されました。

Godfrey Phillips Indiaは、Oracle Advanced Customer Support ServicesおよびOracleのパートナーであるM/s Path InfoTechの協力のもと、わずか8週間後の2012年8月15日には、Oracle Exadata Database Machine X2 Quarter Rackの稼働を開始しています。最初のOracle Exadataマシンの稼働後すぐに優れたパフォーマンスが確認され、Godfrey Phillips Indiaは2013年12月、SAPおよび本番以外のOracleデータベース環境にOracle Exadata Database Machine X3 Eighth Rackの実装を決定します。

Exadataプラットフォームで3つのアプリケーションが稼働しているため、Godfrey Phillips Indiaは統合の結果を大きなパフォーマンス上のメリットとして実体験しました。

Oracle Consultingが、インストール、デプロイ、外部のサーバーからのデータ移行を含む実装を管理しました。

「経験のある地元のOracleチームが、ビジネスのニーズに対応する様々なオプションを調査し、デプロイの規定とその文書化、簡潔で貴重なプロセス管理システムを提供してくれました。私たちは、Oracle Advanced Customer Support Servicesに非常に満足しています。Oracleとの連携を誇りに思います。」とRao氏は述べています。

Oracle顧客:Godfrey Phillips India Ltd.

所在地:ニュー・デリー、インド

業種:工業生産

従業員:1,386名

年間収益:5億~10億米ドル

オラクル製品およびサービス: • Oracle Exadata Database Machine

• Oracle 11g R2 Enterprise Edition

• Oracle Real Application Clusters

• Oracle Consulting

• Oracle Advanced Customer Support Services

Oracle Exadata for SAP at Godfrey Phillips India

Page 66: Oracle Private DB Cloud Infrastructure for SAP · PDF fileOracle Databaseを選択する6つの理由と、なぜSAP顧客にとってOralce Exadata Databese Machine ... Clusters(RAC)、Oracle

66

エンターテインメント/メディア業界で北米と南米を中心に過去5年間で、ダイナミックに大きく成長したこの企業は、従業員2,000人以上を雇用し、約8億米ドルの収益を達成しています。テレビのチャンネル/放送局を複数所有し、顧客にエンターテインメント・サービスを提供するほか、スペシャリストによる映画とビデオ(インターネット用の動画も含む)の制作を異業種から受注しています。

このエンターテインメントの会社は10年以上、SolarisベースのSPARCサーバーおよび他のベンダーによるSAPアプリケーション・サーバーを使用して、大量で多様なビジネス・プロセスをSAPアプリケーション(およびSAP以外のアプリケーション)で処理していました。Oracle Database for SAPもスタート時点ですでに使用していました。ビジネスの観点からもITの観点からも、多くの要件を満たすためにこの組合せは理想的でした。このアーキテクチャは要件によく対応しましたが、2013年に、SAPインフラストラクチャ全体を会社のデータ・センターの厳しいテスト・ベンチに置くことを決定しました。きっかけは、Solarisアーキテクチャのために新しいハードウェアが必要になったことでした。理由は契約の満期が間近だったからです。またコスト削減も理由の1つでした。

Oracle SuperClusterが選択される理由 「会社の経営者が提示した目標は、既存のSAPインフラストラクチャまたはコンポーネントの変更が必要かどうかの正しい評価と、コスト削減、容易な管理、簡素化または自動化された操作の達成でした。この目標を前提として、私たちは3つの異なる選択肢に注目しました。簡単な評価の後、2つの候補が残りました。SPARC Solarisベースのエンジニアド・システムであるOracle SuperClusterと、IBMによるAIX Powerベースの製品でした。」とメディア会社のCIOは当時を振り返ります。

決定の前に、2つのソリューションは綿密に評価され集中的なテストが実行されました。Oracle SuperClusterが一歩先んじていることは明らかでした。ITチームは、2つの選択肢を詳細に比較して「きわめて重要」と見なす10の条件の可・不可を評価した結果、すべての条件でOracle SuperCluster T5-8ソリューションが優れていました。一部のケースでは、評価対象のAIX Powerはまったくポイントを獲得できなかったのです。

主要な条件とは、SAPランドスケープの統合、コスト削減、本番までの時間短縮、組込みの仮想化による効率、高パフォーマンス

(応答時間、データ・ロード、クエリー、バッチ処理など)、マルチテナントのサポート、SAPを最大限使用した操作に対するリスクの軽減、およびデータベースの高可用性、管理性、複雑性の軽減による簡素化、SAP向けに調整されたアーキテクチャ、スケーラビリティを含む将来の互換性でした。

「私たちは、長い間使用していたSAPおよび他のアプリケーションを、様々な最適化を施した単一の多目的システムに統合しましたが、そこから得たメリットは予想以上でした。Oracl SuperClusterは、コスト削減、パフォーマンスの大幅な向上、および他の非常に重要な利点の実現を支援してくれました。」

― 南米のエンターテインメント/メディア企業のCIO

Oracle SuperClusterソリューションを使用した飛躍

エンターテインメント/メディア企業がSAPランドスケープを最適化し、大きなメリット、大幅なコスト削減、飛躍的なパフォーマンスの向上を実現

Page 67: Oracle Private DB Cloud Infrastructure for SAP · PDF fileOracle Databaseを選択する6つの理由と、なぜSAP顧客にとってOralce Exadata Databese Machine ... Clusters(RAC)、Oracle

67Jump Forward by Using Oracle SuperCluster Solution

寄せ集めではなく、標準化されたきわめて有効な1つの環境 このメディア会社全体にわたるSAPのデプロイは、他の多数の顧客のケースと同様のパターンに従いました。多数のハードウェア層で稼働する最新のSAP環境の複雑さと、開発、テストおよび本番用の潜在的に独立した環境により、管理にますます時間と費用がかかるようになりました。ビジネスの成長に伴いSAPアプリケーションが追加またはアップグレードされるため、複雑さやシステムが肥大化します。結果として使用率が低下し、追加コストが必要になります。

この会社は次の4つの主要なSAPコンポーネントを使用しています。6つの異なったランドスケープ上のECC 6.0(Industry Solution for Media and Entertainment)、Portal、BW、BI。それらは、PRO、PRE-PRO、DR、QA、DEVおよびTRAININGです。約1,500人の同時接続ユーザーがSAPアプリケーションを使用し、同時にSAP以外のアプリケーションも使用します。実に4人以上のOracle DBAが長い間、これらのアプリケーションのサポートですばらしい仕事をしてきました。Oracle Advanced Compressionを使用するPROシステムのデータベース・サイズは、約5TBです。Oracle SuperClusterを実装する前には、データベース・インスタンスとセントラル・インスタンスでSolarisが稼働し、アプリケーション層は複数のハードウェア・システムとストレージ・システムとともにLinuxで稼働していました。

ITの担当者は次のように述べています。「私たちが長い間使い続けてきたSAPインフラストラクチャの全体的な環境は、複数システムの複雑性と同様、どんどん拡大していました。私たちは、コスト効率の良いSAPの運用や一般的なコスト効率から次第に遠のいているとさえ感じたくらいです。Oracle SuperClusterは限られた最適化だけでなく複数の集中的な最適化を支援してくれます。それが私たちを飛躍させてくれました。」

Oracle SuperCluster T5-8の使用により、メディア/エンターテインメント会社は、大幅なコスト削減(TCO)を実現しました。コストの削減は実に5つの局面で実現されています。1. ハードウェアのコストの抑制、2. データベースライセンスの減少、3. 運用コストの削減、4. システム開発の高速化と簡素化、5. コストをかけずに高可用性サービス・レベルを達成。コスト削減の一方で、同社はパフォーマンスを大幅に向上させることができました。応答時間を見ても、ECCだけでなくBW、Portalの使用、RFC処理を含むBI処理、バッチ処理でもシステムのデータをロードするパフォーマンスがより速くなっています。

たとえば、応答時間は、以前のハードウェア環境と比較して約50%短縮されました。また、必要なコンピューティング・コアの約50%減少により、データベース・ライセンスのコストが削減されています。

Oracle Engineered System – 完璧に最適化されたソリューション これらの結果には正当な理由があります。Oracle Optimized Solution for SAPは、ミッション・クリティカルな企業のSAPアプリケーション環境の要求に対応するために設計、テスト、調整された完全なアーキテクチャを提供します。

このソリューションは、SAPが検証およびサポートするOracle SPARC SuperClusterエンジニアド・システム上に構築されているため、複雑な、複数層、複数ベンダーによるハードウェアの構成が必要ありません。ソリューション全体が、SAPと連携するように設計され、最適化されています。IT組織は通常のデプロイの4倍の速さでSAPシステムを稼働させることができます。これによりコストと時間がさらに縮小されます。

Page 68: Oracle Private DB Cloud Infrastructure for SAP · PDF fileOracle Databaseを選択する6つの理由と、なぜSAP顧客にとってOralce Exadata Databese Machine ... Clusters(RAC)、Oracle

68

このソリューションでは、Oracle SPARC T5-8の演算能力、無償で提供されるOracle Solarisのパフォーマンスとスケーラビリティ、仮想化と最適化のための組込みの仮想化テクノロジ(Zones)、Oracle Exadata Storage Serversによって加速されるOracle Database Oracle Database 11gの最適化されたデータベース・パフォーマンスを、高帯域幅で待機時間が短いInfiniBandネットワーク・ファブリックとともに、エンタープライズSAPアプリケーションを統合するために最適化・調整されたスケーラブルなエンジニアド・システムに統合します。

短時間の実装 - 大きなメリットOracle Solution Center – SAP Competenceチームは、OSCを実装するOracle Optimized Solutionのために、実装、アクセス、トレーニングの詳細な計画を提供しました。Optimized Solutionテクニカル・ガイドによる詳細な実装手順に従い、実装パートナー 兼コンサルタントとしての A C S、D e l o i t t e や、O r a c l e PreSalesエキスパートの支援を受けた、顧客のITチームは、古いSAP環境からOracle SuperClusterソリューションへの完全な移行を8週間という時間枠で達成しました。最初の構成とテストの後、PROシステムの最終的な移行は、2014年2月末の週末に無事完了しました。

「私たちは、長い間使用していたSAPおよび他のアプリケーションを、様々な最適化を施した単一の多目的システムに統合しました が 、そこから得 たメリットは 予 想 以 上でした 。O r a c l e SuperClusterは、コスト削減、大幅なパフォーマンスの向上、および他の非常に重要な利点の実現を支援してくれました。」と同社のCIOは、満足した様子で述べています。

また彼は続けて次のように話してくれました。「私たちはITおよび技術的な観点だけではなく、ビジネスの観点からも大きなメリットを得ました。これは、私たちが着目したOracle SuperClusterエンジニアド・システムによる最適化が、絶対的に正しい決定だったと言うことができます。」

同社は、ハードウェアおよび最小限に抑えたデータベース・ライセンスによる節約だけでも相当の金額になることを強調しています。また、驚異的なパフォーマンスの向上により、ある種の新しいユーザー・エクスペリエンスが生み出されたことも指摘しました。統合の可能性の他にも、操作と導入の最適化と簡素化、セキュリティの向上と高可用性、複雑さの軽減と生産性の向上が提供されました。

Oracle SuperClusterを簡単に説明すると、次のようになるでしょう。Oracle Optimized Solutionが提供する効率的な方法により、企業は、インフラストラクチャの最新化、迅速なSAPランドスケープの統合、削減されたデータセンター・フットプリントでより多くのワークロードを管理でき、リスクの軽減、所有コストの低減とともに、パフォーマンスと生産性の大幅な改善、それが一度に実現します。

Jump Forward by Using Oracle SuperCluster Solution

Page 69: Oracle Private DB Cloud Infrastructure for SAP · PDF fileOracle Databaseを選択する6つの理由と、なぜSAP顧客にとってOralce Exadata Databese Machine ... Clusters(RAC)、Oracle

69

Atos SE(Societas Europaea)は、ITサービスの国際的なプロバイダーです。昨年の年間収益は86億ユーロ、52か国で76,300人の従業員を雇用しています。コンサルティング・サービスとテクノロジー・サービス、システム統合とマネージド・サービス、BPOサービスおよびトランザクション・ベースの先端技術サービスという3つの主要な分野で幅広い国際的なサービスを提供しています。マネージド・サービスで誰もが認める業界のリーダーAtosは、設計から運用まで完全なアウトソーシング・ソリューションを提供する数少ない企業の1つです。Atosは、SAPおよびOracleの長期的なパートナーで、世界中で複数のアウトソーシング・センターを経営しています。その1つが、オーストリア、ウィーンのAtos IT Solutions and Services GmbHです。このセンターは、オーストリア内外の約230の顧客(世界規模では数千)に管理サービスを提供します。力を入れているのは、SAPアウトソーシングとホスティングです。

新しいSolarisプラットフォーム AtosにとってOracle SuperClusterを使用することは、長年にわたって使用してきたSolarisプラットフォームから技術的な一歩を踏み出すことでした。注目を集めるこのサービス・プロバイダは、ほとんどすべての関連するSAPインフラストラクチャのOSプラットフォームを何十年もの間使用してきました。慣習に従って、同社がデプロイするテクノロジは常に最新状態に保たれています。定期的なシステム更新をした2012年にAtosは、将来、SAPの操作、SAP以外の操作またはSAP以外のワークロードに対してSolarisプラットフォームを共有する可能性として、Oracle SuperClusterの実装を計画しました。

Atosは、最適化されたOracle Engineered Systemのアーキテクチャの概念に基づき、完全なSuperClusterソリューションの使用によるビジネおよび技術的なメリットの可能性を慎重に分析しました。Atos自身による最適化とSAPアウトソーシングの顧客による最適化が実際に評価され、計画されました。当初、このプロセスは社内のみでスタートし、Oracleの参加はPoCの段階からです。

一般論として、Oracle SuperClusterを基に構築されたソリューションは、Oracle SPARC T-Serverの演算能力(Atos T4-4の場合)、Oracle Solarisのパフォーマンスとスケーラビリティ、Oracle Database 11gの最適化されたデータベース・パフォーマンスを、Oracle Exadata Storage Serverによって加速されるExadata Storage Cellsとともに、高帯域幅で待機時間が短いInfiniBandネットワーク・ファブリックと組み合せて、スケーラブルで最適化されたエンジニアド・システムを形成します。Oracle SuperClusterは、開発・テスト・統合されたハードウェアとソフトウェアとともに、SAPおよびOracleのデータベースを搭載した統合システムとして提供されます。

あらゆる種類のメリットが即座に明白になります。それらは、有益なマルチテナンシーまたはプライベート・クラウド・インフラストラクチャの使用、ライセンス・コストの削減、TCOの削減、幅広い領域での大幅なパフォーマンスの向上、システム・プロビジョニングの加速とIT業務の簡素化、組込みの仮想化および管理による効率の改善、生産性の向上、効率(テスト済みの完全にマッチした、単一のソースからの統合されたコンポーネント、最適化されたサポート管理、顧客の最適化の目的により、他の改善点の結果)を含む、SAPランドスケープの統合およびOracleデータベースの統合です。

Oracle SuperCluster at Atos

「Oracle SuperClusterの使用により、私たちは大きく前進しました。第1に大幅に向上したパフォーマンス、第2にコストの削減によって、私たちはビジネスでの信用を勝ち取り、新規顧客を獲得できます。それはまた、顧客を成功に導くことでもあります。」

― E D U A R D K O W A R S C H 氏 、  マネージド・サービス担当COO、中央・東ヨーロッパ、  Atos IT Solutions and Services.

Oracle SuperClusterを使用するSAPアウトソーシングの顧客とATOSが手に入れる多くのメリット

最適化したエンジニアド・システム: パフォーマンスの向上、高収益の確保、コスト削減により、顧客に高いサービス・レベルを提供

Page 70: Oracle Private DB Cloud Infrastructure for SAP · PDF fileOracle Databaseを選択する6つの理由と、なぜSAP顧客にとってOralce Exadata Databese Machine ... Clusters(RAC)、Oracle

70

PoCの事前選択および厳しいSAPテストAtosは、Oracle SuperClusterの選択には次の2つの意味があることに気がつきました。第1に、仮想化、HA、およびセキュリティの機能など、最新のテクノロジに基づいてSolarisプラットフォームをさらに進化させること。第2に、SAPアウトソーシングのビジネス・チャンスを展開または推進するためにエンジニアド・システムを使用する選択肢が得られること。

可能であるならば、Atosは多数の顧客のシステムをSuperClusterに移行させ、SAPのデプロイと運用のために、最適化されたエンジニアド・システムの計り知れない効率と生産性のメリットを利用すると同時に、アウトソーシングの顧客がこれらのメリットから具体的な最適化を達成できるよう支援したいと考えました。

「Oracle SuperClusterでは、マルチテナンシー環境を使用できるため、1台のマシンに複数の顧客を配置してサーバーの数を減らし、データ・センターのエネルギー消費を削減できます。ワンボックスですべてが機能するため、エンジニアド・システムを使用してこれを簡単に実行できます。ファームウェアのバージョンからすべてに至るまでが事前にテストされます。そのため導入も簡単で、アップグレードも簡単です。」とEduard Kowarsch氏(マネージド・システム担当COO、中央・東ヨーロッパ、Atos IT Solutions and Services)は説明してくれました。

PoCの期間中、マルチテナンシーのOracle SuperClusterソリューションに搭載された5つの異なったSAPランドスケープ(セントラル・インスタンスとデータベース・インスタンス)は個別に仮想化され、それぞれ1~2桁のテラバイトのOracleデータベースが移行されました。AtosのApplication and Hosting Services Austria代表、Stefanie Wessely氏の言葉によると、「PoCの期間中、私たちはOracle SuperClusterソリューションの測定前と測定後を調査しました。特に、パフォーマンス、コスト削減、効率的なシステム操作については、私たちが予想したとおりの結果でした。」

Oracle SuperClusterの取得、すなわち、有益なソリューションから利益を得るためのSAPアウトソーシング顧客の取得を妨げるものは ありませ ん 。最 初 の S A P 顧 客 の 環 境 は すで に O r a c l e SuperClusterへ移行され、2014年2月から稼働しています。顧客は中央ヨーロッパおよび東ヨーロッパとトルコで営業展開するDIY小売業のパイオニア、bauMaxです(取引高約12億ユーロ、従業員約10,000名)。

IBM AIXプラットフォームからの移行Atosは、関係者全員のメリットの期待とともに、bauMaxが長年使用を続けたIBM AIXプラットフォームのPシリーズのサーバーからOracle SuperClusterへのSAP移行を実装しました。結果は期待どおりでした。SAPのシステム・パフォーマンスが改善され、一部のケースでの改善は画期的でした。これに伴いコストが削減され、競争力がさらに強化されたのです。

最初のメリットのパフォーマンスの改善は、エンジニアド・システムを基礎とする高度なハードウェアとソフトウェアの統合ソリューションのシステム・アーキテクチャが最適化された結果でした。第2のメリットのコスト削減と競争力の強化も、システム・アーキテクチャの結果です。SuperClusterアーキテクチャへの移行によるライセンス・コストの削減は、全体的なコスト削減を促進しました。実際にコストが半分に削減され、ユーザーにとって大きなプラスになりました。コア数の減少は、ライセンスの数が減ることを意味します。それはライセンスに必要なコストの削減に直結します。ライセンスは必要に応じて、追加することも減らすことも可能です。bauMaxが使用するSAPアプリケーションは、Oracle SuperClusterへの移行後も以前と変わりません。bauMaxは、2005年以降使用してきた次のアプリケーションを現在も使用しています。ECC 6.0(小売業界向けソリューション、一か月あたり6,000万件のトランザクション)、BIまたはBW、Netweaver 7.0、PI、ERP本番システムの同時接続ユーザー数は1,700、ピーク時のユーザー数は2,100です。Oracle Database 11g Release 2もほとんど変更されていません。現在のサイズは約3.5TBです(以前にOracle Advanced Compressionで圧縮済みです)。

現在、Oracleデータベース・インスタンスとSAPセントラル・インスタンスは、Oracle Solaris上、すなわち新しい仮想化(バージョン4)システム、およびワンボックスで提供される強力なシステムで稼働します。「bauMaxとの契約により、稼働中およびテスト中の移行は、週末に約12時間で完了し、すべてが円滑に進みました。移行は、細部にわたって計画され、事前に広範囲にわたってテストされました。」とAtosのApplication and Hosting Services Austria代表、Stefanie Wessely氏は述べています。

データベースのエクスポートとインポートに使用したツールは、SAP R3Loadでした。データ・リカバリ用にOracle Data Guardがインストールされ、Oracle SuperClustersには最適な高可用性のための冗長性が組み込まれています。

Page 71: Oracle Private DB Cloud Infrastructure for SAP · PDF fileOracle Databaseを選択する6つの理由と、なぜSAP顧客にとってOralce Exadata Databese Machine ... Clusters(RAC)、Oracle

71

計り知れないメリット、最高の満足度 bauMaxは、Atosが支援したOracle SuperClusterへの移行の結果に非常に満足しています。「スムーズな移行後、私たちは、最新のハードウェア・プラットフォームだけではなく、コスト削減からもメリットを得ることができました。その意味で、移行は私たちのビジネスに不可欠です。パートナーのAtosがそれを十分に理解して実現したという事実を、私たちは高く評価しています。」とbauMaxのIT部門の責任者、Dr. Susanne Kremserは述べています。

AtosもOracle SuperClusterソリューションに関して同様に満足しています。「顧客は常にアウトソーシング・プロバイダーからより多くを期待し、その期待は年々厳しさを増しています。Oracle SuperClusterを使用して、私たちは大きな一歩を踏み出しました。第1に大幅に向上したパフォーマンス、第2にコストの削減によって、私たちはビジネスでの信用を勝ち取り、新規顧客を獲得できます。それはまた、顧客を成功に導くことでもあります。」

ここで主要な改善点を要約し、Oracle SuperClusterが達成した結果または節約と以前のIBM AIXプラットフォームを比較してみましょう。データベース・ライセンスで50%の節約が可能、全体的な応答時間を60%短縮、RFC処理の時間を50%短縮、バックグラウンド処理の時間を40%短縮、Oracle Databaseの索引の再構築で50倍の改善、I/Oキャプチャで82%の増加、IOPSで10倍の増加。

AtosのApplication and Hosting Services Austria代表、Stefanie Wessely氏は次のように要約しています。「単一ソースによる高可用性の完全なソリューションであるエンジニアド・システムOracle SuperClusterの使用は、SAP運用およびSLAの提供の点では大きなメリットがあり、パッチ処理などの日常的なタスクを簡素化します。また、各コンポーネント(サーバー、ストレージ、データベース)の調和が必要なくなりました。これは、とても時間のかかる作業です。インシデントが発生した場合は、1つのチケットを開くだけです。複数ベンダー環境では複数のチケットを開かなければなりませんでした。すべての必要なサポートはオラクルが提供してくれます。時間の節約とは、実にコストの節約でもあります。」

重要な改善点/AtosでのOracle SuperClusterによる節約*

データベース・ライセンス・コスト - 50%

基幹業務の処理 - 40%

RFC処理 - 50%

SAP Dialogの総合的な応答時間 - 60%

Oracle Databaseの索引の再構築 50倍

I/Oパフォーマンス、I/Oキャプチャ + 50%

バッチ・ジョブの処理時間 - 50%IOPS 10倍

*以前のIBM AIXプラットフォームとの比較

Oracle Optimized Solution for SAPを使用したOracle Optimized Solutionが提供する効率的な方法により、企業は、インフラストラクチャの最新化、SAPランドスケープの統合、削減されたデータセンター・フットプリントでより多くのワークロードを管理でき、リスクの軽減、所有コストの低減とともに、パフォーマンスと生産性の大幅な改善を実現できます。Oracle SuperClusterは、SAPによりサポートされています。オラクルのデータベース、SAPセントラル・インスタンス、アプリケーションまたはWebサーバー、Oracle Enterprise Manager管理ソフトウェア、すべてのSAPアプリケーションを実行します。このソリューションは特に、インストールされたSAPと他のエンタープライス・アプリケーションの同時使用やデータ・センターの統合、仮想化による複数層アプリケーションのための多目的システムが必要なSAP顧客に適しています。Oracle Optimized Solution for SAPは、ミッション・クリティカルな企業のSAPアプリケーション環境の要求に対応した設計、テスト、調整された完全なアーキテクチャを提供します。

http://at.atos.net/de-at/home.html

Oracle顧客:Atos(IT Solutions and Services GmbH)

収益(Atos全体):€88億所在地:オーストリア、ウィーン

業種:ITサービス・プロバイダ

従業員(総数):77,000名

オラクル製品およびサービス: • Oracle SuperCluster T4-4 Full Rack(Oracle Solaris 11、 Oracle Database 11g R2 for SAP、Oracle Exadata Storage Server X3-2) • Oracle Data Guard 11g• Oracle Enterprise Manager • RMAN Oracle Premium Services

Page 72: Oracle Private DB Cloud Infrastructure for SAP · PDF fileOracle Databaseを選択する6つの理由と、なぜSAP顧客にとってOralce Exadata Databese Machine ... Clusters(RAC)、Oracle

72

SAPデータ・ストレージの厳しい要求があるビジネスに役立つ、Oracle ZFS Storage Appliance

ハイライト

• 改善されたSAPデータ・センターの効率化および高密度の統合ストレージ。

• ストレージ管理の簡素化、革命的なストレージ分析、ブラウザ・ベースの管理。

• 追加コストなしの統合されたデータ・サービスおよびストレージ管理ソフトウェア。

• 組込みの独自の機能、リソース、およびSAP環境のために特別に設計されたサービス。

• Hybrid Storage Pool(HSP)テクノロジによる低コストで提供される高パフォーマンス。

現在の不安定なビジネス環境で、SAPシステム管理チームは、動的な経済情勢に迅速に対応する必要があります。競合他社の変化する戦略、予想外の需要の急上昇、急速なデータの肥大化には、迅速かつ効果的な取り組みが必要です。同時に予算とスタッフの削減傾向は、IT管理者の山積する課題への対応を困難にします。これまでにないほど、コスト効果の高い柔軟なストレージ・ソリューションに対する必要性が高まっています。

多くのIT管理者は、単独で開発・サポートされる製品を組み合せて、高価で複雑なストレージ・ソリューションを作り出そうとします。これとは対照的に、オラクルは統合されたエンドツーエンドのソリューション・スタックを提供します。このソリューションには、オラクルのSunサーバーおよびストレージ、Oracle Solarisオペレーティング・システムとOracle Linuxオペレーティング・システム、Oracle Database、ミドルウェア、アプリケーション・ソフトウェアが含まれています。設計、統合、テストはすべてオラクルの社内で実行されています。保証されたアプリケーションからディスクに至るインフラストラクチャによって、オラクルは包括的なITソリューションの最初のベンダーになりました。

過去最高のOracle ZFS Storage Appliance、UNIX®用の最高のファイバ・チャネル・ディスク・アレイ、過去最高のテープ・ドライブ容量とパフォーマンス、世界初開発のExabyteストレージ・システム、テープ・ソリューションの大きな市場占有率を誇るオラクルは、ストレージ・ソリューションのリーダーです。2011年初頭以降、Oracle Automatic Storage Management(ASM)およびOracle Automatic Storage Management Cluster File Systemは、すべてのUNIXプラットフォームとLinuxプラットフォーム上のSAPカーネル6.40_EX2以降で認定されています。Flashドライブからテープ・ライブラリまで、完全にサポートされたストレージ・システムのシリーズにより、オラクルは、SAP環境向けのもっとも費用効果の高いソリューションの購入と導入を容易にします。

今日のビジネスは、爆発的なデータの肥大化、低迷するグローバル経済、激化する競争市場との闘いです。SAP環境を持つIT管理者は、そのためのストレージ・ソリューションへの新しいアプローチを模索しています。オラクルのSun ZFS Storage Applianceの革新的なテクノロジは、業界トップのパフォーマンス、高可用性、容易な管理性、信頼できるデータ保護を手ごろな価格で提供します。

Page 73: Oracle Private DB Cloud Infrastructure for SAP · PDF fileOracle Databaseを選択する6つの理由と、なぜSAP顧客にとってOralce Exadata Databese Machine ... Clusters(RAC)、Oracle

73

Oracle ZFS Storage Appliance

Oracle ZFS Storage Appliance は世界初のオープン・ストレージ・アプライアンスです。従来のシステムの何分の 1 かの費用で、これまでにない簡便なストレージ法を提供します。Oracle ZFS Storage Appliance ソフトウェアなど業界標準のコンポーネントに基づいたアプライアンスは、開発者および ISV のグローバルなコミュニティにサポートされています。Oracle ZFS Storage Appliance は、SAP 環境に次のメリットを提供します。

• 迅速なインストールと構成強力なインストール・ウィザードによる迅速なストレージ・ソリューションのデプロイ、クリック・アンド・ドラッグによる管理、およびオラクルが提供するインストール・スクリプト。

• 柔軟なストレージ・インフラストラクチャ。稼働状態でも、Hy-brid Storage Pools(HSPs)を使用したストレージ・インフラストラクチャの変更、または1つのSAP環境から別のSAP環境へ

のデータ移動が可能。

• 高速な診断およびトラブルシューティング。Oracle Solaris DTrace Analyticsを使用したホット・スポットおよびボトルネックの素早い特定と修正。さらに提供されるRAIDリビルダによ

る、ストレージ・プールの迅速な変更またはリビルド。

• 包括的なサービスのラインアップ。オラクルのあらゆる種類の統合、実装およびインストール・サービスの製品を使用した、SAP

環境へのSun ZFS Storage Applianceのシームレスな統合。

多層のストレージにまたがって透過的な最適化を実行するHybrid Storage Pool

高パフォーマンス

利用率

データ保護

管理性と操作性

   要 件               機 能     SAP環境への利点

表1. SAP環境にメリットを提供するOracle ZFS Storage Applianceによる主要なテクノロジの統合

Oracle ZFS Storage Appliance Benefits Businesses

パフォーマンスのボトルネックの原因を特定するDTrace Analytics

組込み圧縮機能

重複排除。これにより、1つの物理コピーが、データの多数の論理コピーを表示

シン・プロビジョニング。必要に応じて物理的な空間の割当てが可能

自動的なデータ整合性チェックと修正

最大3件のドライブ障害を防ぐトリプル・パリティのRAIDを含む、様々なRAIDアーキテクチャを選択する柔軟性

トリプル・ミラーリング機能

スナップショット

シングル・ポイント障害を排除するI/Oのマルチパス化

多様なRAIDレベル

Windows環境とUNIX®環境への同時アクセス

ブラウザ・ベースの管理ツール

シャドウ・データ・マイグレーション

ノード間の透過的なフェイルオーバーによるアクティブ-アクティブ・クラスタリング

SAP NetWeaver ACC、Oracle Solaris Containers、Oracle Enterprise Manager OpsCenterの強力な統合

優れたアプリケーション・パフォーマンスと簡素化されたストレージ管理

パフォーマンスのボトルネックの迅速な分離による、停止時間の短縮およびアプリケーション・パフォーマンスの改善

ストレージ・コストの削減。圧縮および解凍処理で発生するサーバーへのオーバーヘッドなし

幅広いデータ型に存在する冗長データの削除によるデータ・ストレージの削減

より大きな投資保護とより効率的な使用

データ整合性の改善

データ消失のリスクの減少、多様なアプリケーションに対するパフォーマンスと信頼性のニーズに対応する機能の向上

信頼性の向上、読込みパフォーマンスの向上

迅速なリカバリ、テープによるバックアップの簡素化

データの可用性の改善

ユーザーは、シンプルなディスク・ストライピングからトリプル・パリティのRAIDまでを1つのシステムで選択可能

ユーザー間で簡単にデータを共有

管理の簡素化、管理コストの削減

ホスト上で追加のリソースなしで、レガシー・ストレージ・デバイスからのデータ移行の時間と費用を軽減

管理の簡素化、データ可用性の向上

ハードウェアおよびソフトウェアの全スタックの仮想化の管理が可能

Page 74: Oracle Private DB Cloud Infrastructure for SAP · PDF fileOracle Databaseを選択する6つの理由と、なぜSAP顧客にとってOralce Exadata Databese Machine ... Clusters(RAC)、Oracle

74

プロトコルの幅広い対応。NFS、CIFS、WebDAVなど、すべての主要なプロトコルを異種環境で使用可能。

SAP 環境の機能とリソース

ストレージは、データを必要とするSAPデプロイのもっとも重要な部分です。その結果、SAPの管理者はストレージ・システムの計画、配置、再構成に多くの時間を費やします。オラクルは企業のストレージ・ソリューションを真摯に受け止め、引き続きこの分野で革新を推進します。SAP環境を稼働させるITチームを支援する独自の

機能、サービス、およびリソースには、次のトピックが含まれます。

SAP 開発用に改善された生産性

典型的なSAP環境では、開発、テスト、本番を処理する3つ以上のシステムが必要です。本番データの完全なコピーから小さいサブセットまでが格納された、これらのシステムは限定的に使用され開発が完了すると廃止されます。また、機能およびパフォーマンスの特性を様々な条件で評価するために、SAP環境全体とその関連するデータ・セットを他のプラットフォームに移行することは珍しく

ありません。

SAP環境の複製は、複雑で時間のかかるプロセスです。Oracle Solaris Containersを使用すると、SAPが認定する仮想ランタイム環境を素早く構築できます。これらの分離環境は、Oracle Solaris Containers(Oracle Solarisの不可欠な部分)により作成され、開発、テストおよびデプロイの環境を単一のシステムに統合することができます。それらの環境は互いに干渉せず、パフォーマンスにも影響を与えません。Oracle ZFS Storage Appliancesと併用する場合は、仮想SAPシステムをサーバー間で簡単に移動して、容量の最適化や停止時間を必要最低限にします。

容量の最適化およびコストの削減

従来のストレージ・デバイスおよびファイル・システムでは、ファイル・システムと関連ボリューム間での1対1のマッピングを実装する、独立したボリューム・マネージャが必要でした。そのためにストレージ・アレイが十分に活用されず、柔軟性も制限されていました。Oracle Solaris ZFSソフトウェアは、ファイル・システムを物理ストレージから切り離し、ストレージ・デバイスをより効率的に使用します。

複数のファイル・システム間で単一のストレージ・プールの領域を動的に共有するには、仮想ストレージ・プールを使用します。このプールからファイル・システムの要求に応じて分配し、ストレージ管理を簡素化し管理上のエラーを低減します。プール内では必要なくなったファイルシステムの容量を他のファイル・システムが使用できます。市販されているストレージ・システムの中で、Oracle ZFS Storage Applianceのもっとも効率的で費用効果の高い理由

はここにあります。

Oracle Database との相互エンジニアリング

Oracle ZFS Storage ZS3はOracle Databaseと相互エンジニアリングされています。そこから生み出されたすばらしいメリットを持つ独自の機能 -Oracle Hybrid Columnar CompressionおよびOracle Intelligent Storage Protocol - は、サード・パーティ製のストレージ・システムおよびファイラーにはありません。HCCを使用すると、データを50分の1に圧縮できるため、ストレージ容量の要件とフットプリントを削減できます。

このような節約は、RMANバックアップによるデータの圧縮が加速するにつれて増加し、少ないネットワーク帯域幅で、バックアップのスナップおよびクローンに必要なのはわずかな領域です。競合製品と対照的にHCCの圧縮データは解凍せずに、開発/テスト環境でそのまま使用できます。リストア処理の場合も同様です。

図1: SAP環境に柔軟性と低コストを提供するOracle ZFS Storage ZS3 Appliance

Page 75: Oracle Private DB Cloud Infrastructure for SAP · PDF fileOracle Databaseを選択する6つの理由と、なぜSAP顧客にとってOralce Exadata Databese Machine ... Clusters(RAC)、Oracle

75

Oracle Intelligent Storage Protocolは、Oracle Database 12cとOracle ZFS Storage ZS3間の直接回線に使用され、受信するデータベースのデータ情報とともに重要なメタ・データをストレージに渡します。つまり、ストレージは自動的かつ動的に設定およびチューニングされ、データを的確に受信するためにオンザフライでパフォーマンスが最適化されます。チューニングの自動化は、これまでのITスタッフによるチューニングの65%を削減し、ITスタッ

フをより収益の高いプロジェクトに再配置することができます。

SAPの集中管理リポジトリの作成

Oracle ZFS Storage Applianceソフトウェアには、Common Internet File System(CIFS)、NFS、HTTPなど多様なプロトコル、および重複排除、複製などのデータ・サービスが含まれています。そのため、このアプライアンスは更新、パッチなどの交換にSAPシステムが使用するTransport Management Systemの効果的なサポートに最適で、SAPランドスケープ用の理想的な集中管理ストレージとなります。

迅速なインストールとデプロイ

仮想システムとその関連データ・セットをクローン化し、テストと評価を同時に実行する複製システムを作成することができます。コピーの作成やデータの移動が簡単な組込みのクローニングのテクノロジを使用して、新しいSAPシステムを迅速にデプロイできます。入手可能なインストールスクリプトを使用すると、SAP環境をデプロイするまでの時間は数週間ではなく数日に短縮できます。

データの新しいストレージ・プラットフォームへの移動は、配置プロセスでもっとも時間のかかる危険な工程です。Oracle ZFS Stor-age Applianceのデプロイでリモートのレプリケーションやシャドウ・マイグレーションを使用すると、、データの移動が容易になります。リモートのレプリケーションにより、1つのシステムのストレージのコンテンツは、セキュアに非同期的に別のアプライアンスにレプリケートされます。データの移動は任意に開始することができ、2つのアプライアンス間で継続的または定期的に実行するようスケジュールを組むことができます。シャドウ・データ・マイグレーション機能はアプライアンスに組み込まれているため、別の物理マシンは必要ありません。データはバックグラウンドで透過的に転送されます。このためデータの移行は高速で、費用対効果が非常に高くなります。

オラクルのSun ZFS Storage Appliance製品ファミリは、クラウド・コンピューティング、仮想化、固定化されたコンテンツの提供、データ保護、およびストレージの統合環境の実装に統合ストレージを使用するSAPベースの組織に、最高の価値を提供します。

モデル

Oracle ZFS Storage ZS-3

表2: Oracle ZFS Storage Applianceの構成

Oracle ZFS Storage Appliance Benefits Businesses

主な機能 ストレージの容量 DRAMキャッシュ 読取りフラッシュ・キャッシュ クラスタ・オプション

Oracle ZFS Storage ZS-4

Oracle ZFS Storage ZS3-BA

Oracle ZFS Storage 7420 Appliance

すべてのソフトウェア機能を備えたエントリーレベルのシステム

高可用性のためのエントリーレベル・オプション

Oracle Engineered Systemのためのバックアップとリカバリ

適正な価格と最高のパフォーマンス

6TB~768TB

6TB~3.5PB

176TB~3.4PB

6TB~3.4PB

512GB

2TB

1TB

最大2TB

0~12.8TB

0~12.8TB

0~12.8TB

0~12.8TB

Y

Y

常時

Y

Page 76: Oracle Private DB Cloud Infrastructure for SAP · PDF fileOracle Databaseを選択する6つの理由と、なぜSAP顧客にとってOralce Exadata Databese Machine ... Clusters(RAC)、Oracle

76

包括的なサービスの活用

データ・ストレージはSAPインフラストラクチャの非常に重要なコンポーネントです。したがって、そのサービスも包括的で柔軟性が必要です。オラクルのサービス・ラインアップは、Oracle ZFS Storage Applianceを環境にシームレスに統合し、使用を最適化する組織を支援します。オラクルはあらゆるサービスを通して、ITインフラストラクチャの管理費用の削減と高い投資利益率の達成と同時に、オープン・ストレージへの方向性を見出す組織を支援しています。

オラクルのソリューションには、統合されたサービスのパッケージが含まれています。包括的なSunのハードウェアおよびソフトウェアのサポートを、ミッション・クリティカルなアプリケーションやビジネス・クリティカルなアプリケーションとともにSAPのユーザーに提供します。長年にわたる関係に基づきオラクルとSAPは協働して、デプロイの最適化とIT運用の合理化を目指す企業を支援します。これらのサービスは、サービスの可用性の改善、管理時間の短縮、ストレージ・システムのパフォーマンスの維持、より効率的なデータ・センター環境の管理などのあらゆる角度から企業を支援するように設計されています。

Oracle ZFS Storage Appliance Benefits Businesses

情報のリソース

オラクルは、SAP環境にOracle ZFS Storage Applianceをデプロイし操作する、ITチームを支援するために様々なドキュメント、Webサイト、フォーラムなどを提供しています。次に、オラクルから入手

できるドキュメントの一部を紹介します。

• Minimizing Downtime in SAP Environments(SAP環境の停止時間の最小化)

• Sun Storage 7000 Unified Storage Systems and XML-Based Archiving for SAP Systems(Sunストレージの7000 Unified Storage SystemsとSAPシステム用XMLベースのアーカイブ化)

• Oracle’s IT Infrastructure for Optimizing SAP Environments

(SAP環境最適化のOracleのITインフラストラクチャ)

さらに、SAPに関するデータ・シート、ソリューション概要、ニュースレター、導入事例を含むオンライン・リソースは、次のサイトを参

照してください。oracle.com/sap

SAPソリューションにおけるOracleのリーダーシップ

OracleとSAPは引き続き、SAPを運用する企業の開発およびテスト業務を改善する、インストールや管理が簡単な、コスト効率の高いストレージ・システムなど、革新的なソリューションを提供します。OracleはSAP ITパートナーとして、世界中の企業が24時間365日効率的な運営を継続できるようにします。

Page 77: Oracle Private DB Cloud Infrastructure for SAP · PDF fileOracle Databaseを選択する6つの理由と、なぜSAP顧客にとってOralce Exadata Databese Machine ... Clusters(RAC)、Oracle

77Oracle Sun Collateral Reference List

oracle.com/sapに掲載された主要な文献(ソリューション概要、データ・シートおよびホワイト・ペーパー)の紹介

SAP用Oracle Sun ITインフラの重要な情報(ストレージ、システム、OS、仮想化および管理)

http://www.oracle.com/technetwork/systems/index.htm http://www.oracle.com/technetwork/server-storage/solaris/overview/index.html http://www.oracle.com/us/solutions/sap/infrastructure/index.html

概要:

• Oracleの統合Sun Serverおよびストレージ・システムの全製品

• SAPアプリケーション用のOracleインフラストラクチャ・ソリューション

• OracleによるSAPソリューションのプラットフォーム

• SAP環境最適化のOracleのITインフラストラクチャ

Solaris:

• Oracle Solaris 10

• Oracle Solaris 10:パフォーマンス上の利点

• S A P エンタープライズ・アプリケーションをサポートするSolaris 10の役割

• SAPソリューションのパフォーマンスと効率性:Intel Xeonベースのサーバーで稼動するOracle Solaris 10

• Intel Xeonプロセッサ搭載のOracle Solaris 10の機能のSAPソリューションへの活用

• SAP環境の停止時間の最小化

• Oralce Solaris ContainersへのSAP NetWeaver Master Data

Managementの配置

ストレージ:

• OracleのSun ZFS Storage Appliance for SAPによるストレージ・ソリューションの改善

• Oracle Sunストレージの7000 Unified Storage SystemsとSAPシステム用XMLベースのアーカイブ化

システム/サーバー:

• Oracleの統合Sun Serverおよびストレージ・システムの全製品

• Sun SPARC T5440サーバー

• OracleシステムのSAPビジネス・オブジェクトのスケーラビリ

ティとパフォーマンスの構成

仮想化:

• Oracle仮想化テクノロジとSAP NetWeaver対応の演算コントローラ

• Oracleインフラストラクチャ・テクノロジーを使用したクラウド内のSAP ERP

• Oracle Solaris 10の仮想化テクノロジを使用したSAPシステムの停止時間の最小化

• SAP環境の停止時間の最小化

その他:

• OracleのSunシステムで稼動するSAP BWA

• SAP中規模ビジネス用Oracle Sunシステム

次のドキュメントが掲載されています。追加のドキュメントをダウンロードできます。

Page 78: Oracle Private DB Cloud Infrastructure for SAP · PDF fileOracle Databaseを選択する6つの理由と、なぜSAP顧客にとってOralce Exadata Databese Machine ... Clusters(RAC)、Oracle

78

課題

顧客サービスを改善するために、ボトルネックまたは停止時間なしに、増加する取引量をサポートし、この有名ブランドが、引き続き、競争の激しい高級チョコレートの市場で高級品および画期的な商品に投資できるようにします。

ブランドの1,300のフランチャイズ加盟店は、注文書の処理、製品配送の追跡、契約状況の閲覧にエクストラネットを使用しており、構造を拡張することでパフォーマンスを改善したい。

生産要求のピーク時(イースターおよびクリスマス・シーズン)の前後にハードウェア・リソースを管理し、すべての店舗に確実に4,000トン以上の製品を供給します。

ソリューション

SAPのエンタープライズ・アプリケーションの停止時間をなくし注文書の受領の改善で、フランチャイズ加盟店への供給の保証とチョコレートの販売目標(1日あたり250万米ドル)を達成しました。

注文書(エクストラネットを使用して、フランチャイズ加盟店が処理)を管理するモジュールの計画外の中断を低減し、スケジュールの遵守、論理資源の最適化を通して確実な配送を実現しました。

イースターやクリスマスなどの繁忙期に、仮想化を使用してより多くのハードウェア・リソースを製造部門のアプリケーションのサポートに移動させました。

堅牢なSPARC T4-1BおよびOracle Databaseにより、Webサイトによる新しいサービスを追加しました。これにより会計上の追跡、請求書の印刷、レポート作成、注文の追跡、契約の制御など、フランチャイズ加盟店に対するサービスを改善しました。

老朽化したMicrosoft Windowsオペレーティング・システムをOracle Solarisで置き換え、スケーラビリティ、容易なメンテナンス、年間成長率30%をサポートするためのセキュリティ、ゼロに近い停止時間の短縮を実現しました。

アクセス速度を維持し約1,300の同時アクセスに対応するために、Webサイトの可用性および容量を改善しました。Sun ZFS Storage 7120により、データ・ストレージおよびバックアップの処理を大幅に加速しました。

「OracleのSPARC T4-1Bサーバー、Oracle Solaris、およびSun ZFS Storage 7120アプライアンスを使用して、私たちは処理能力を拡張し、エンタープライズ・アプリケーションのパフォーマンスおよび可用性を高めました。これは、ビジネスを前進させ、1,300のフランチャイズ加盟店をサポートする上で大変役立ちました。」

― JORGE DEVITTE氏、  情報主任、Cacau Show   (IBAC Industr ia Brasi leira de Al imentos e Chocolates Ltda.)

100%仮想化されたエンタープライズ・アプリケーション環境を使用するCAC AU: 1,300のフランチャイズ加盟店のサービスおよび販売管理を改善

Page 79: Oracle Private DB Cloud Infrastructure for SAP · PDF fileOracle Databaseを選択する6つの理由と、なぜSAP顧客にとってOralce Exadata Databese Machine ... Clusters(RAC)、Oracle

79

Oracle が選択される理由

「私たちには、自社とフランチャイズの業務に不可欠な業務の継続が保証できる高可用性のインフラストラクチャが必要でした。Oracleソリューションにより、私たちは可用性、スケーラビリティ、ビジネスに必要なセキュリティを手に入れました。」とCacau

ShowのCIO、Jorge Devitte氏は述べています。

実装プロセス

「このプロジェクトの特徴は、3台のOracle SPARC T4-1Bサーバー、Sun Storage 2540-M2による、ブラジルでは数少ない完全に仮想化されたSAPデプロイの1つであることです。また、私たちには、完全にOracle Solarisを基礎とした32台の仮想サーバーがあります。これにより、私たちはリソースの管理を改善してデータ・リカバリを簡素化し、全体的な環境のパフォーマンスを向上させました。」とDevitte氏は述べています。

100% 仮想化されたエンタープライズ・アプリケーション環境を使用した Cacau は、1,300 のフランチャイズ加盟店のサービスおよび販売管理を改善

1988年に設立されたCacau Showは、世界最大の高級チョコレートメーカーのチェーンです。1,300の加盟店がブラジル全国の大型ショッピング・モールやその他のショッピング・エリアに店舗を展開しています。トリュフを専門としたCacauは、ブラジルのビジネス出版物、Editora Globo(地域の大学、Fundacao Getu-lio Vargasと連携)から「Best Franchise of the Year」を授与されました。さらに、地域的な市場調査会社DataFolhaによると、Cacau Showは、2年連続で専門店を対象とした「Top of Mind」ブランド、ならびに上流および中流階級の消費者にもっとも記憶

される高級チョコレートのブランドにも選ばれました。

Oracleパートナー

Starlink Informática

パートナー

Cacao Showは、OracleのパートナーStarlink Informáticaと連携して、プロジェクトを予定通りに完了することができました。「このプロジェクトの 成 功 の 主 要 な 要 素 は、私たちの チ ーム、Starlinkのチーム、そしてOracleのチームの間の完璧なシナジー、およびパートナーがこの取組みに提供してくれた高いレベルの専門知識でした。」とDevitte氏は当時の状況を説明してくれました。

リソース

エンタープライズ・アプリケーション環境システム(100%の仮想化)を使用したCacauは、1,300のフランチャイズ加盟店のサービスおよび販売管理を改善。

消費財に関する他の参照資料は、次のサイトを参照してください。

http://www.oracle.com/us/corporate/customers/customer-search/cacau-show-1-sparc-ss-20... 24.01.2014

Cacau Show(IBAC Industria Brasileira de Alimentos e Chocolates Ltda.)

Oracle SPARC Server at Cacau Show

所在地:サンパウロ、ブラジル

業種:日用品

従業員:1,200名

年間収益:5億~10億米ドル

オラクル製品およびサービス: • SPARC T4-1B • Sun ZFS Storage 7120 • Sun Storage 2540-M2 • Oracle Solaris 11 • Oracle Database, Enterprise Edition • Oracle Real Application Clusters

Page 80: Oracle Private DB Cloud Infrastructure for SAP · PDF fileOracle Databaseを選択する6つの理由と、なぜSAP顧客にとってOralce Exadata Databese Machine ... Clusters(RAC)、Oracle

80

Oracle Advanced Customer Services for SAP

SAP環境向けのデータベース・サービス

このサービスは、年間の運用サポート、Assisted Services Engagements、オンサイトのテクニカル・スキル・ワークショップという3つのレベルで提供されます。Oracle Database 11gのように、SAPがOracle Databaseの最新バージョンを認定すれば、より速いスピード、スケーラビリティ、ITコストの削減が実現します。Oracle Advanced Customer Servicesは、顧客がこのテクノロジをSAPアプリケーションに適用し、その活用を支援する専門知識と認証を提供します。さらに、Database Vault、Data Guard、PartitioningおよびRACなどのOracle Databaseの機能を配置し活用するオンサイト支援で、SAPアプリケーションの要件に適したシステムの構成と設定ができます。SAP環境向けのAdvanced Customer Services Database Services は、すべてOracleのエキスパートによって提供されます。このエキスパートたちは、全体的なシステムのパフォーマンス、安定性およびリカバリ可能性を実

現するOracleテクノロジを、最大限に利用するスキルがあります。

顧客のビジネスにカスタマイズされたオラクルによるSAPのエキスパート・ガイド

SAP環境のデータベース・サービスは、3つのレベルの年間サービスを提供しますが、これは、顧客固有の要件を満たすための契約やワークショップと組み合せることができます。

Advanced Support Assistance – 単一の連絡先を通じたサービス要求の支援と対応。Service Delivery Manager(SDM)により、適任のスタッフと組織が必要な行動計画に割り当てられ、より効

率的かつ効果的に問題を解決します。

Business Critical Assistance – サービス要求の解答を、プロアクティブなアドバイス、個別の運用およびプロジェクトにカスタマイズした支援と組み合せます。担当のSDMは、お客様の企業のバックグラウンド機能とIT目標を開発するエンジニアのチームをコーディネイトし、各プロジェクトを成功に導きます。

Oracle Support for SAP

顧客中心のSAPとのパートナーシップを強力にしているのは、SAPの要求に応える常勤のオンサイトのテクニカル・スタッフです。これらの「エキスパート・センター」は、SAPによるOracleの開発レベルのサポートのために配属され、重要な問題のサポートから「本番ダウン」などのシステム停止状態まで、さまざまな状況に対して迅速な支援を提供します。センターは、ワルドルフ、東京、パロアルトの3カ所にあります。SAP顧客に対しても広い範囲の事前対応サポートを提供します。サポートには、増加するデータ・ボリュームの管理、パフォーマンスの最適化、高可用性ソリューションの設定、SAPシステムとOracle Database間のデータ交換などが含まれます。SAPとOracleを統合したサポート・モデルは、20年以上にわたる密接な共同作業によって築かれ、迅速な対応と将

来を見越したサービスを提供します。

Advanced Customer ServicesによるOracle Direct Customer Support

多くの顧客は、SAPの統合サポートのほかに直接Oracle Supportを利用して、SAP-Oracle構成環境の中でより高いパフォーマンスとROIを達成しています。これらのサービスは、OracleのAdvanced Customer Services(ACS)組織からご利用いただけます。Advanced Customer Servicesのエキスパートは、世界中の顧客に行き届いたサービスを直接提供して、すべてのOracleシステムのパフォーマンスを最大に引き出し、生産性を向上させます。

「SAPは、Oracleとの連携によって、質の高いサポートを提供します。しかし、私たちの共通の顧客の多くは、Oracleの性能を最大限に活用するために、データベース環境に対するより高レベルのサポートを求めています。私たちの年間サービスは、サポートを次のレベルに押し上げます。」とOracle Advanced Customer Servicesの副社長であるLarry Abramson氏は説明します。

Page 81: Oracle Private DB Cloud Infrastructure for SAP · PDF fileOracle Databaseを選択する6つの理由と、なぜSAP顧客にとってOralce Exadata Databese Machine ... Clusters(RAC)、Oracle

81

これらのテクニカル・スキル・ワークショップは、顧客の固有の状況や目標に合せて内容を変更/追加して、より役立つ価値あるワークショップにすることができます。テクニカル・スキル・ワークショップは、顧客の要望を盛り込んだ内容で、スケジュールにも要望を反映します。

多くの顧客は、データベースのアップグレード、移行、Oracle Databaseの機能の利用に、OracleとSAPの深い経験と専門知識が必要であることを認識しています。

顧客にとって、もっとも関心のある一般的なテーマは、次のとおり

です。

• データベースのヘルス・チェック

• データベースのパーティショニング

• SAP ERP管理概要

• 概要の再検討と証明

• ホット・スタンバイ/Data Guardの実装

• バックアップ/リストア/リカバリ

• RACセットアップ支援

• HW移行「O2O」/Oracle

• HW移行支援「Triple O」パッケージ

• データベース移行支援

• データベース再編成

SAP環境のAdvanced Customer Services Database Servicesを利用すると、Oracleの分野ごとのエキスパート、ITプロフェッショナル、開発者と親交を深めながら、Oracle環境の価値を最大にすることができます。

データベースのヘルスチェック/パフォーマンス分析

すべてのSAP顧客にとって、パフォーマンスはSAPシステムの導入と運用を成功させる重要なポイントです。Oracleの熟練したスタッフは、Oracle Databaseの詳細な知識があるだけでなく、SAP環境におけるOracle Databaseの複雑さについても熟知しています。配置開始時とアプリケーションのライフサイクル全体にわたって定期的にデータベースのヘルスチェックを実施することで、適切な構成と最適なパフォーマンスのための調整を確保できます。

Solution Support Center – もっとも包括的なサービスを提供します。使用の環境、運用、およびプロジェクトをよく理解したエンジニアのチームが担当します。この専門的なエンジニアのチームは、重要なサービス要求と評価、また根本原因の分析など、一連のプロアクティブ・サービスの支援を提供します。このサービスは直

通のアクセス・ホットラインから利用できます。

Oracle/SAP向けのワークショップとエンゲージメント

顧客が安心して、SAP環境のOracle Databaseの最適化を任せることができるスタッフをトレーニングするワークショップが作られています。SAPアプリケーションとOracle Databaseの相互運用の知識を持つ専門家が担当します。Orac le Advanced Customer Servicesは、SAPとの長い技術的なパートナーシップから得た情報を使用して、次のテクニカル・スキル・ワークショッ

プを提供します。

• Fundamentals of Oracle database for SAP ERP(レベルⅠ)

• Oracle Advanced Performance Tuning for SAP ERP(レベルⅡ)

• Oracle Expert for SAP(レベルⅢ)

• Oracle Database 11g for SAP Business Suite Technical Skills Workshop

• Oracle Database Administration for SAP Business Intelli-gence

• Oracle Real Application Clusters for SAP

• SAP ERP ABAP Tuning with Oracle database Platform

実績のある一連のワークショップに加え、新しいワークショップOracle Security for SAP ERP Customersをご要望にお応えして提供することになりました。

このワークショップでは、Oracle Databaseの機能を活用した、データベース・レベルのデプロイメントの保護に焦点を当てます。顧客はこのワークショップから、より効率的な外部および内部のコンプライアンスとセキュリティ要件に対応する方法を学習します。おもな内容は、次のとおりです。データベースユーザー・セキュリティ、監査、ネットワーク・セキュリティ、Transparent Data EncryptionおよびOracle Database Vault。

Page 82: Oracle Private DB Cloud Infrastructure for SAP · PDF fileOracle Databaseを選択する6つの理由と、なぜSAP顧客にとってOralce Exadata Databese Machine ... Clusters(RAC)、Oracle

82

SAP向けのデータベース移行サービス

すべてのSAP ERP実装の多くは、Oracle Databaseで実行されています。Oracle Advanced Customer Services for SAPグループは、データベース移行に対しSAPから認定されています。SAP Business SuiteインストールのOracle以外のデータベースからOracleへの移行を希望する企業を支援しています。Oracleの移行サービスで高い評価を受けている点は、DBAの観点から変更を良く理解していることです。Oracle Advanced Customer Servicesは、移行計画を実行する際に顧客のスタッフを支援する

と同時に、新しいデータベース操作の習得を支援します。

SAP顧客向けのOracle Partitioning

Oracleパーティション機能は、Oracle Enterprise Editionのオプションです。Oracle Partitioningの技術を簡単に説明すると、データベース内の表および索引を、より小さい部分に分割します。Oracleは、値の範囲で表を「パーティション化」できるため、たとえば2010年1月1日から2010年1月31日までのデータは、このデータ独自のパーティションに常駐します。Oracleは、値リストで表をパーティショニングできるため、たとえば、北アメリカのデータとヨーロッパのデータを、それぞれ別のパーティションにすることができます。大規模データベースの管理には、パーティション機能が不可欠です。

パーティショニングは、一貫したパフォーマンスを維持しつつ、非常に大きなデータセットに合せてデータベースを増減できる機能です。そのためにハードウェア・リソースや管理作業が極端に増加することはありません。Oracle Partitioningは、コアのデータベース・エンジンに組み込まれ、Oracleの管理ツールがサポートします。

SAPアプリケーションからは、パーティショニングは完全に透過的です。このため、パーティション機能の使用に必要なアプリケーションやSQL文の変更はありません。Partitioning for SAPは、SAP Kernel 6.20のSAP Release 4.6C(SAPノート742243を参照)からサポートされています。

高可用性/バックアップ概要

SAPシステムの可用性が低下すると、間違いなく大きな問題(物流や財務)が発生します。ミッション・クリティカルな環境で不意の停止時間が発生する危険性を極力なくすために、IT組織は、フェイルオーバーやリカバリをプロアクティブに計画する必要があります。Oracleのデータベース製品は、ハードウェア・クラスタ、ミラー化テクノロジ、スタンバイ・データベース、RACおよびData Guardなど、他とは異なる手法を使用できます。Oracle Advanced Customer Servicesは、これらのさまざまな手法を適用した場合の包括的なメリットとデメリットをアドバイスし、選択されたソ

リューションの実装を支援します。

SAP向けのOracle RACの対応

「Real Application Clusters」(RAC)オプションを使用すると、データベース・インスタンスを複数のサーバーやノードに分散できます。これにより、Oracle Databaseシステムの高可用性に新しい可能性が提供され、システム・リソースのディメンションやスケーラビリティをより柔 軟 にすることができます。O r a c l e Advanced Customer Servicesは、SAP環境でRACを使用するための計画、テクニカル・ワークショップ、および実装を支援するプ

ロフェッショナル・サービスを提供します。

Page 83: Oracle Private DB Cloud Infrastructure for SAP · PDF fileOracle Databaseを選択する6つの理由と、なぜSAP顧客にとってOralce Exadata Databese Machine ... Clusters(RAC)、Oracle

83

Oracle Database 11g

Oracle Database 11gには、Advanced Compression、DirectNFS、SecureFilesおよびOnline Patchingなどの新機能と拡張機能が追加されています。迅速な配置への要望や期待がこのビルドを可能にしました。さらに、Database VaultのサポートもSAPから認定されています。

Advanced Customer Servicesは、SAPのサポート要件を満たしながら、SAPユーザーが効率良く円滑にOracle Database 11gにアップグレードするためのアドバイスと支援を提供します。ITスタッフがOracle Database 11gの多くの機能を理解し、配置が簡単にできるように支援するテクニカル・ワークショップも開発中です。

Oracle Advanced Customer Servicesは、SAPとの継続的なサポートとパートナーシップを通じ、または顧客のIT組織からの直接の申し込みなどの方法で、SAPアプリケーションの操作に熟練した個別サービスを提供します。

Oracle Platinum Services

Oracleは、ExadataおよびSuperClusterを使用するSAPの顧客に対し、Oracle Premier Supportに含まれるPlatinum Servicesを追加費用なしで提供します。Oracle Platinum Servicesは、Oracle Full Useライセンスを持つSAP顧客に、追加コストなしで24時間365日の障害監視、市場をリードする応答時間により、Oracleエンジニア・システムの可用性と

パフォーマンスを最大限に引き出します。

主な機能

• 24時間365日のOracleの障害監視

• 応答時間とストア時間の加速

• 5分以内の障害通知メール

• リストアまたはエスカレーションから開発まで15分

• ジョイント・デバッグと開発に30分

• Oracle Premier Supportに追加費用なしで提供

主なメリット

OracleのPlatinum Servicesにより、大きな価値を手にする

• 可用性とパフォーマンスを最大化 - 深刻な問題を回避、またはより迅速に解決。ご使用のOracle Engineered Systemsのパフォーマンス可能性をフルに引き出す

連絡先 : [email protected]

EMEA: Michael Weick [email protected] Oracle Support for SAP Customers Altrottstr. 31 69190 Walldorf

北米の連絡先 : [email protected]

日本、APAC、ANZ: 日本オラクル(株) Eisuke Sekiguchi ACS Service Management, シニア・マネージャ [email protected]

• ITリソース要件の削減 – リスクと管理タスクを軽減すると同時に、業務の生産性向上を可能にする。保守やサポートではなく、技術革新と新しいプロジェクトに重点を置く

• 簡素化 – 単一ベンダーによる全Oracleスタックに対するサ

ポートおよび技術的専門知識の提供

詳細は、次を参照してください。

SAPノート1983678「Platinum Services for Exadata and SuperCluster running SAP」およびhttp://www.oracle.com/us/support/library/のoracle-platinum-services-ds-1653256.pdf

Page 84: Oracle Private DB Cloud Infrastructure for SAP · PDF fileOracle Databaseを選択する6つの理由と、なぜSAP顧客にとってOralce Exadata Databese Machine ... Clusters(RAC)、Oracle

84

Oracle Solution Centerとは

将来のビジネス上の課題に対応するために、組織は定期的にエンタープライズ・アプリケーション(EAM)を更新し、ITインフラストラクチャの構成(サーバー、ストレージ、ネットワーク)を調整します。このような決定は、頻繁に操作上の業務に直接影響を与えるため、慎重な準備、意思決定や検証が必要です。

次の例で、ある企業が、グローバルな物流業務用の単一のECCインストールにシステムをマージして、地域的に分散したSAPシステムを調整していると仮定しましょう。ITインフラストラクチャに対する要件は大きく変化します。1つのシステムのパフォーマンスだけでなく大規模なシステムを維持する必要があり、データ圧縮の技術を確立しなければなりません。また、メンテナンスに使用できる時間をさらに短縮し、リカバリ・ポイントおよび時間の目標を明確にする必要があります。これらの中核的なITサービス以外に、世界規模でのSAPシステムの使用は、ミドルウェア・コンポーネントおよびアクセス管理が必須であると判断されます。

通常、組織は、単一の製品を選択しますが、アプリケーションからディスクまで複数のテクノロジー・レイヤーが影響を受け、様々なベンダーの製品をエンタープライズ・アプリケーションに統合する必要がある場合、違和感を覚えます。

• すべての製品がシームレスに相互作用しますか。

• 必要なパフォーマンスは達成できますか。できる場合、必要なサイズと容量は?

• 需要の変化に応じて、新しいテクノロジー・スタックを拡大または縮小できますか。

• 実装には、どんなスキルが必要ですか。

• 新しいテクノロジー・スタックの操作方法がわかりますか。

Oracle Solution Center(OSC)は、前述の質問に対して回答ができる組織です。この組織は、ソリューションの設計および検証工程に参加する能力があります。

Oracle Solutions Centerの独自の利点は次のとおりです。

• 顧客のPOCおよびパフォーマンス・テストの実行とOracle製品の価値の証明。顧客のワークショップをホストするためのITインフラストラクチャを装備した11の設備を世界中で運営しています。

• 中核的な機能領域(バックアップ、データ・レプリケーション、データの移行など)に関する詳細な専門知識を提供します。

• SAPを含む、パートナーのソフトウェア・ソリューションのエコシステムを推進します。

• OracleのSAP Competence Centerと統合し、認定されたNetWeaverのテクノロジおよび開発コンサルタントの専門知識を検証で利用できるようにします。

Oracle Solution Centerによる「SAP ON ORACLE」ソリューションの検証

EXADATASOLUTION CENTER

Page 85: Oracle Private DB Cloud Infrastructure for SAP · PDF fileOracle Databaseを選択する6つの理由と、なぜSAP顧客にとってOralce Exadata Databese Machine ... Clusters(RAC)、Oracle

85Oracle Solution Center: OSC Services

フラストラクチャの提案の検証および容量計画の実施は、Oracle Salesと協働する際に顧客が要求できます。

最近、SAP Competence Centerは、SAPの機能全体に対するOracle Engineered Systemの影響を調査するために、新しい顧客オンサイト・サービスを取り入れました(SAP Acceleration Pre-Check)。

2日半にわたり、SAP Acceleration Pre-Checkは基礎となるOracleデータベース(AWRレポート)から得られるワークロード情報とともに、SAPの統計データ(STAD、ST03)を評価しています。システムの使用状況固有のパラメータを抽出し、Oracle Engineered Systemによる主要なパフォーマンス基準と組み合せます。分析セッションの終わりには、各トランザクション、バッチ・ジョブおよびクエリーに対して予想される新しいパフォーマンスを反映した予測が提供されます。

Oracleで稼働するSAPに興味がありますか? 電子メール : sapon [email protected]

SAP OSC Serviceに寄せられる依頼

つまり、Oracle Solution Centerでは、アプリケーションからディスクまですべての部品を一体化し、インストール、統合、テストを迅速に簡単な方法で実行します。

リモートからの実行および顧客の現場での実行には、センター内のアクティビティの他に、SAPの構造に関するコンサルタント業務も提供されます。SAP Quicksizer方法論に従うサイズ決定、イン

OSC 拠点一覧

EMEA Team locations

Broomfield,

Global OSC,Santa Clara

Reston, VA

Mexico City,

Walldorf-SAP, DE

Sao Paulo,

Linlithgow, UK

Reading, UK

Sydney,

Tokyo,

Beijing,

EMEAチーム 拠点

Frankfurt, DE

Walldorf-SAP, DE

Munich, DE

Milan, IT

Linlithgow, UK

Manchester, UK

Colombes, FR

Lyon/Grenoble, FR

Reading, UK

3 Predictive & comparative sizing based on Quicksizer methhodology3 Certzified architecture proposals3 3-5 days

3 Measure current resources utilization3 Estimate future demand 3 3-5 days

3 On site analysis of expected gain with Oracle Engineered System

3 5 days

3 Technology updates3 Trends in customer adoption

3 1-2 days

3 Validate IT infrastructure solutions 3 Eliminate Risk

3 2-4 weeks

毎年、5,000人以上のお客様がGlobal OSCを利用しています

Sizing and Architecture

Design

Customerbriefings &workshops

Capacityanalysis andforecasting

Proof ofconcepts,

performancetests

EngineeredSystems

Accelerationpre-check

Page 86: Oracle Private DB Cloud Infrastructure for SAP · PDF fileOracle Databaseを選択する6つの理由と、なぜSAP顧客にとってOralce Exadata Databese Machine ... Clusters(RAC)、Oracle

86

Oracle Solarisと最新のデータベースについてのノートは、service.sap.comをご確認ください。

ノート番号   ノートタイトル     DBバージョン

Overview: 機能とサポート

Overview: ライセンスとメンテナンス情報

DB Option: Compression (+Disc Space)

DB Option: Partitioning

DB Option: Real Application Clusters (RAC)

DB Option: Real Application Testing (RAT)

DB Option: Security

105047

720886

828268

1398634

1426979

1430669

1431800

1434131

581312

740897

1028068

1110995

1339724

1654734

1109743

1289494

1431296

1436352

1464156

1583303

742243

859841

1333328

527843

1550133

1426980

973450

974876

1324684

1355140

1597194

1502374

Support for Oracle Functions in the SAP Environments

Oracle Database 10g Integration into the SAP Environment

Oracle Database 10g – New Functions

Oracle Database 11g Integration in SAP Environment

SecureFiles – The New Way to Store LOB Data

BR*Tools support for Oracle 11g

Oracle 11.2 Central Technical Note

Oracle Database 11.2 for SAP versions

Oracle Database Licensing Restrictions

Oracle License Scope & Required Oracle Options

Required Oracle Options for DBA Cockpit

Extended Maintenance for Oracle Version 10.2

Oracle 10.2 Extended Support

Extended Support contract required for 10.2.0.5 PSU and SBP

Use of Index Key Compression for Oracle Databases

FAQ Oracle Compression

LOB Conversion and Table Compression with BRSPACE 7.20

Advanced Compression for SAP Systems

Support for Index Compression in BRSPACE 7.20

Deferred Segment Creation

General Table Partitioning

Deinstallation of Oracle Partitioning Option (SAP BW)

Partitioning Engine for Oracle

Oracle RAC Support in the SAP Environment

Automatic Storage Management (ASM)

The Real Application Testing Option

Advanced Security – Network Encryption

Advanced Security – Transparent Data Encryption

Advanced Security – Backup Encryption

Using Oracle Database Vault in an SAP Environment

Installing Oracle Database Vault in an SAP Environment

Database Vault for SAP Policy Scripts

All DB Versions

Oracle DB 10g

Oracle DB 10g

Oracle DB 10g

Oracle DB 10g

Oracle DB 10g

Oracle DB 10g

Oracle DB 10g

All DB Versions

All DB Versions

All DB Versions

Oracle DB 10g

Oracle DB 10g

Oracle DB 10g

All DB Versions

All DB Versions

Oracle DB 10g

Oracle DB 10g

All DB Versions

Oracle DB 10g

All DB Versions

All DB Versions

All DB Versions

All DB Versions

Oracle DB 10g

Oracle DB 10g

All DB Versions

All DB Versions

All DB Versions

All DB Versions

Oracle DB 10g

Oracle DB 10g

Page 87: Oracle Private DB Cloud Infrastructure for SAP · PDF fileOracle Databaseを選択する6つの理由と、なぜSAP顧客にとってOralce Exadata Databese Machine ... Clusters(RAC)、Oracle

87

DB Administration: Tools

DB Administration: Backup & Recovery

Exadata I Exalogic

OS Platforms: General

Technical Details: Installation, Upgrade, Patches

355770

386413

1589924

937492

966117

1590515

1617188

1619343

1508271

1565179

1567511

1575609

1002461

1173954

1426182

1431751

1431793

1431794

1431795

1431796

1431797

1431798

1431799

Oracle Enterprise Manager Database Control

Oracle Enterprise Manager (OEM) in the SAP Environment

SAP Workload Management via Oracle Resource Manager

Oracle Flashback FAQ

Oracle Flashback Database Technology

SAP Software and Oracle Exadata

SAP Software and Oracle Exalogic

SAPinst for Oracle Exadata on Oracle Linux and Solaris X86

Oracle to Oracle Online Migration (“Triple O”)

SAP Software and Oracle Linux

Oracle Linux 5.x SAP installation and Upgrade

Future HP-UX Support

Support of IBM Dynamic LPAR and Micropartitioning

Support of Oracle for VMware

Support of Oracle Database for XEN and KVM

Quick Reference for ADRCI and ADR

Upgrade Scripts

Instant Client

Patches/Patch Collections

Troubleshooting the Software Installation

Troubleshooting the Database Upgrade

Database Parameter Settings

Current Patch Set

All DB Versions

All DB Versions

Oracle DB 11g

All DB Versions

All DB Versions

Oracle DB 11g

Oracle DB 11g

Oracle DB 11g

All DB Versions

Oracle DB 11g

Oracle DB 11g

All DB Versions

All DB Versions

All DB Versions

All DB Versions

Oracle DB 11g

Oracle DB 11g

Oracle DB 11g

Oracle DB 11g

Oracle DB 11g

Oracle DB 11g

Oracle DB 11g

Oracle DB 11g

Oracle DB および ES for SAP 関連ノート

ノート番号   ノートタイトル     DBバージョン

OS Platforms: Virtualization

Page 88: Oracle Private DB Cloud Infrastructure for SAP · PDF fileOracle Databaseを選択する6つの理由と、なぜSAP顧客にとってOralce Exadata Databese Machine ... Clusters(RAC)、Oracle

本冊子は、2014年Oracle Corporation, Oracle for SAP Global Technology Center発行「Oracle for SAP Technology Update No.23」を一部翻訳、再構成したものです。

本カタログの情報は、2014年9月現在のものです。実際の製品とは内容が異なる場合があります。*OracleとJavaは、Oracle Corporationおよびその子会社、関連会社の米国およびその他の国における登録商標です。文中の社名、商品名等は各社の商標または登録商標である場合があります。 Copyright © 2014, Oracle. All rights reserved.

代理店名

お問い合わせ窓口 0120-155-096oracle.com/jp/directURL

TE L

〒107-0061 東京都港区北青山2-5-8オラクル青山センターoracle.com/jp

日本オラクル株式会社