地球規模os の実現に向けて

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WIDE 2011 OS [email protected] Twitter: ks91020 OS – p.1/37

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3.11 の 3日前、WIDE プロジェクトの合宿にて開催したワークショップのためのスライドです。

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Page 1: 地球規模OS の実現に向けて

WIDE合宿 2011春ボードワークショップ

地球規模OSの実現に向けて∼ポスト石油・石炭ピーク時代における情報インフラストラクチャ∼

慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科特別研究講師斉藤賢爾

[email protected]

Twitter: ks91020

地球規模 OS の実現に向けて ∼ポスト石油・石炭ピーク時代における情報インフラストラクチャ – p.1/37

Page 2: 地球規模OS の実現に向けて

「既存の現実と闘うことではけっして物事を変えられない。何かを変えるためには既存のモデルを時代遅れにする新しいモデルを打ち立てよ」

—バックミンスター・フラー

“You never change things by fighting the existingreality. To change something, build a new model thatmakes the existing model obsolete”

— Buckminster Fuller

地球規模 OS の実現に向けて ∼ポスト石油・石炭ピーク時代における情報インフラストラクチャ – p.2/37

Page 3: 地球規模OS の実現に向けて

これまでとこれからのあらすじ

(架空アニメ作品「産業社会少女まどか ⋆マギカ」より)

第 1話「石油があった、ような . . .」第 2話「成長はとっても嬉しいなって」第 3話「もう石油ピークも怖くない」第 4話「石炭ピークもピークウランもあるんだよ」第 5話「1人あたり 1.4kWなんて、あるわけない」第 6話「こんなの絶対おかしいよ」第 7話「次の文明と向き合えますか?」

地球規模 OS の実現に向けて ∼ポスト石油・石炭ピーク時代における情報インフラストラクチャ – p.3/37

Page 4: 地球規模OS の実現に向けて

問題提起編青白き点

地球規模 OS の実現に向けて ∼ポスト石油・石炭ピーク時代における情報インフラストラクチャ – p.4/37

Page 5: 地球規模OS の実現に向けて

問題の捉え方

問題の中に身をおいてしまうと、見えなくなってしまうものがあります既存の現実と闘うことではけっして物事を変えられない(フラー)

問題は突き放して考える必要があります問題と距離をおき、うまく表現できれば解決方法が自明に

地球は今、問題を抱えていますその問題を考えるとき、どのくらいの距離をおけばよいのでしょうか

地球規模 OS の実現に向けて ∼ポスト石油・石炭ピーク時代における情報インフラストラクチャ – p.5/37

Page 6: 地球規模OS の実現に向けて

問題の捉え方

問題の中に身をおいてしまうと、見えなくなってしまうものがあります既存の現実と闘うことではけっして物事を変えられない(フラー)

問題は突き放して考える必要があります問題と距離をおき、うまく表現できれば解決方法が自明に

地球は今、問題を抱えていますその問題を考えるとき、どのくらいの距離をおけばよいのでしょうか

地球規模 OS の実現に向けて ∼ポスト石油・石炭ピーク時代における情報インフラストラクチャ – p.5/37

Page 7: 地球規模OS の実現に向けて

とりあえず土星の軌道まで離れてみました

地球規模 OS の実現に向けて ∼ポスト石油・石炭ピーク時代における情報インフラストラクチャ – p.6/37

Page 8: 地球規模OS の実現に向けて

PALE BLUE DOT (青白き点)

カール・セーガンの提案で撮影

1990年 2月、太陽系の黄道面を離れたボイジャー 1

号は地球を振り返る

地球はどこ?

地球規模 OS の実現に向けて ∼ポスト石油・石炭ピーク時代における情報インフラストラクチャ – p.7/37

Page 9: 地球規模OS の実現に向けて

PALE BLUE DOT (青白き点)

カール・セーガンの提案で撮影

1990年 2月、太陽系の黄道面を離れたボイジャー 1

号は地球を振り返る

地球はどこ?

地球規模 OS の実現に向けて ∼ポスト石油・石炭ピーク時代における情報インフラストラクチャ – p.7/37

Page 10: 地球規模OS の実現に向けて

PALE BLUE DOT (青白き点)

セーガンの講演「この青白い点の上に、あなたの愛するすべての人、すべての知人、あなたが聞いたことがあるすべての人、すべての人類が生きている」

YouTube動画http://bit.ly/9PApWV(full speech)

http://bit.ly/2fTCL5 (日本語字幕)

地球規模 OS の実現に向けて ∼ポスト石油・石炭ピーク時代における情報インフラストラクチャ – p.8/37

Page 11: 地球規模OS の実現に向けて

2006年、カッシーニが撮影した地球

宇宙船地球号の上での活動を可能にしているエネルギー源は?

私たちの生命を維持しているメカニズムは?

地球規模 OS の実現に向けて ∼ポスト石油・石炭ピーク時代における情報インフラストラクチャ – p.9/37

Page 12: 地球規模OS の実現に向けて

2006年、カッシーニが撮影した地球

Our Spaceship EARTH

宇宙船地球号の上での活動を可能にしているエネルギー源は?

私たちの生命を維持しているメカニズムは?

地球規模 OS の実現に向けて ∼ポスト石油・石炭ピーク時代における情報インフラストラクチャ – p.9/37

Page 13: 地球規模OS の実現に向けて

2006年、カッシーニが撮影した地球

Our Spaceship EARTH

宇宙船地球号の上での活動を可能にしているエネルギー源は?

私たちの生命を維持しているメカニズムは?

地球規模 OS の実現に向けて ∼ポスト石油・石炭ピーク時代における情報インフラストラクチャ – p.9/37

Page 14: 地球規模OS の実現に向けて

2006年、カッシーニが撮影した地球

Our Spaceship EARTH

宇宙船地球号の上での活動を可能にしているエネルギー源は?

私たちの生命を維持しているメカニズムは?地球規模 OS の実現に向けて ∼ポスト石油・石炭ピーク時代における情報インフラストラクチャ – p.9/37

Page 15: 地球規模OS の実現に向けて

エネルギー、経済、環境

地球規模 OS の実現に向けて ∼ポスト石油・石炭ピーク時代における情報インフラストラクチャ – p.10/37

Page 16: 地球規模OS の実現に向けて

単位系のおさらい

1J (ジュール) = 1Ws (約 2.78 × 10−7kWh)エネルギー、仕事、熱量の単位1Nの力が、力の方向に物体を 1メートル動かすときの仕事

1kg · m2· s−2

小さなリンゴが地球上で 1メートル落下するときの仕事1kJで Googleで 1回検索でき、1MJで 3kgの氷が溶ける

1W (ワット) = 1J/s仕事率の単位人体は約 100W消費します (10秒で Googleでの検索 1回)

ヤシマ作戦 (TV版)は 160GW (今だと 300GW近く)

地球規模 OS の実現に向けて ∼ポスト石油・石炭ピーク時代における情報インフラストラクチャ – p.11/37

Page 17: 地球規模OS の実現に向けて

規模感の把握のために

植物プランクトンのエネルギー蓄積:約 62.7TWその約 1%である 630GWのパワーで魚や海洋哺乳類が海水をかき回す結果、深海の潮流に作用し、気候に影響をもたらしているという学説

植物のエネルギー蓄積:約 120TWぐらいか植物プランクトンの酸素生成への寄与が約 50%

地球規模 OS の実現に向けて ∼ポスト石油・石炭ピーク時代における情報インフラストラクチャ – p.12/37

Page 18: 地球規模OS の実現に向けて

地球のエネルギー予算、収入と支出

地球の大気に入るエネルギー総量は約潮汐力 約地熱 約化石燃料の燃焼約太陽からの放射約

割が即、反射され、 割が吸収された後に赤外線放射

地球規模 OS の実現に向けて ∼ポスト石油・石炭ピーク時代における情報インフラストラクチャ – p.13/37

Page 19: 地球規模OS の実現に向けて

地球のエネルギー予算、収入と支出

174PW

地球の大気に入るエネルギー総量は約 174PW

潮汐力 約地熱 約化石燃料の燃焼約太陽からの放射約

割が即、反射され、 割が吸収された後に赤外線放射

地球規模 OS の実現に向けて ∼ポスト石油・石炭ピーク時代における情報インフラストラクチャ – p.13/37

Page 20: 地球規模OS の実現に向けて

地球のエネルギー予算、収入と支出

174PW

地球の大気に入るエネルギー総量は約 174PW

潮汐力: 約 3TW/0.002%

地熱 約化石燃料の燃焼約太陽からの放射約

割が即、反射され、 割が吸収された後に赤外線放射

地球規模 OS の実現に向けて ∼ポスト石油・石炭ピーク時代における情報インフラストラクチャ – p.13/37

Page 21: 地球規模OS の実現に向けて

地球のエネルギー予算、収入と支出

174PW

地球の大気に入るエネルギー総量は約 174PW

潮汐力: 約 3TW/0.002%

地熱: 約 23TW/0.013%

化石燃料の燃焼約太陽からの放射約

割が即、反射され、 割が吸収された後に赤外線放射

地球規模 OS の実現に向けて ∼ポスト石油・石炭ピーク時代における情報インフラストラクチャ – p.13/37

Page 22: 地球規模OS の実現に向けて

地球のエネルギー予算、収入と支出

174PW

地球の大気に入るエネルギー総量は約 174PW

潮汐力: 約 3TW/0.002%

地熱: 約 23TW/0.013%

化石燃料の燃焼:約 13TW/0.007%

太陽からの放射約

割が即、反射され、 割が吸収された後に赤外線放射

地球規模 OS の実現に向けて ∼ポスト石油・石炭ピーク時代における情報インフラストラクチャ – p.13/37

Page 23: 地球規模OS の実現に向けて

地球のエネルギー予算、収入と支出

174PW

地球の大気に入るエネルギー総量は約 174PW

潮汐力: 約 3TW/0.002%

地熱: 約 23TW/0.013%

化石燃料の燃焼:約 13TW/0.007%

太陽からの放射:約 174PW/100%

割が即、反射され、 割が吸収された後に赤外線放射

地球規模 OS の実現に向けて ∼ポスト石油・石炭ピーク時代における情報インフラストラクチャ – p.13/37

Page 24: 地球規模OS の実現に向けて

地球のエネルギー予算、収入と支出

174PW 174PW

地球の大気に入るエネルギー総量は約 174PW

潮汐力: 約 3TW/0.002%

地熱: 約 23TW/0.013%

化石燃料の燃焼:約 13TW/0.007%

太陽からの放射:約 174PW/100%

3割が即、反射され、7割が吸収された後に赤外線放射

地球規模 OS の実現に向けて ∼ポスト石油・石炭ピーク時代における情報インフラストラクチャ – p.13/37

Page 25: 地球規模OS の実現に向けて

文明の全景

人類のエネルギー利用は約 12.5∼18TW (でかい)

米国: 約 3.4TW (11kW/人)

日本: 約 700GW (5.5kW/人)

完新世 から人新世 へ

私たちはエネルギーの流れを制御し、そこに情報の流れを乗せていますその情報の流れがエネルギーの流れを支配しています貨幣経済の都合で起こる壮大な無駄と暴力ただしそれは続きません

地球規模 OS の実現に向けて ∼ポスト石油・石炭ピーク時代における情報インフラストラクチャ – p.14/37

Page 26: 地球規模OS の実現に向けて

文明の全景

人類のエネルギー利用は約 12.5∼18TW (でかい)

米国: 約 3.4TW (11kW/人)

日本: 約 700GW (5.5kW/人)

完新世 (Holocene)から人新世 (Anthropocene)へ

私たちはエネルギーの流れを制御し、そこに情報の流れを乗せていますその情報の流れがエネルギーの流れを支配しています貨幣経済の都合で起こる壮大な無駄と暴力ただしそれは続きません

地球規模 OS の実現に向けて ∼ポスト石油・石炭ピーク時代における情報インフラストラクチャ – p.14/37

Page 27: 地球規模OS の実現に向けて

文明の全景

人類のエネルギー利用は約 12.5∼18TW (でかい)

米国: 約 3.4TW (11kW/人)

日本: 約 700GW (5.5kW/人)

完新世 (Holocene)から人新世 (Anthropocene)へ

私たちはエネルギーの流れを制御し、そこに情報の流れを乗せています

その情報の流れがエネルギーの流れを支配しています貨幣経済の都合で起こる壮大な無駄と暴力ただしそれは続きません

地球規模 OS の実現に向けて ∼ポスト石油・石炭ピーク時代における情報インフラストラクチャ – p.14/37

Page 28: 地球規模OS の実現に向けて

文明の全景

人類のエネルギー利用は約 12.5∼18TW (でかい)

米国: 約 3.4TW (11kW/人)

日本: 約 700GW (5.5kW/人)

完新世 (Holocene)から人新世 (Anthropocene)へ

私たちはエネルギーの流れを制御し、そこに情報の流れを乗せていますその情報の流れがエネルギーの流れを支配しています貨幣経済の都合で起こる壮大な無駄と暴力

ただしそれは続きません

地球規模 OS の実現に向けて ∼ポスト石油・石炭ピーク時代における情報インフラストラクチャ – p.14/37

Page 29: 地球規模OS の実現に向けて

文明の全景

人類のエネルギー利用は約 12.5∼18TW (でかい)

米国: 約 3.4TW (11kW/人)

日本: 約 700GW (5.5kW/人)

完新世 (Holocene)から人新世 (Anthropocene)へ

私たちはエネルギーの流れを制御し、そこに情報の流れを乗せていますその情報の流れがエネルギーの流れを支配しています貨幣経済の都合で起こる壮大な無駄と暴力ただしそれは続きません

地球規模 OS の実現に向けて ∼ポスト石油・石炭ピーク時代における情報インフラストラクチャ – p.14/37

Page 30: 地球規模OS の実現に向けて

ピークオイル/コール (石炭)/ウラン . . .

http://www.theoildrum.com/node/5177

ピークオイル世界の石油生産量がピークを迎え、その後は永久に減少傾向に転じる時点その後は経済は衰退

私たちはすでにピークオイル期に突入しました

IEAは在来型石油の生産ピークは 2006 年との見方を発表

今世紀前半、すべての主要なエネルギー資源の生産がピークを打つと見られます現在の文明は、私たちの多くが現役のうちに終了します

地球規模 OS の実現に向けて ∼ポスト石油・石炭ピーク時代における情報インフラストラクチャ – p.15/37

Page 31: 地球規模OS の実現に向けて

The Big Picture —大きな絵

エネルギー、経済、環境のすべての問題は、私たちがどのように情報 (主に「お金」)の流れを作るかによって生まれています

地球規模 OS の実現に向けて ∼ポスト石油・石炭ピーク時代における情報インフラストラクチャ – p.16/37

Page 32: 地球規模OS の実現に向けて

提案編地球規模オペレーティングシステム

地球規模 OS の実現に向けて ∼ポスト石油・石炭ピーク時代における情報インフラストラクチャ – p.17/37

Page 33: 地球規模OS の実現に向けて

問題の本質と解決に向けた着眼点

地球上で文明を持続させていくためには、低エネルギー消費を維持できる社会に変えていく必要がある

無駄なく資源・エネルギーを使い回すための調整を担う何かが必要オペレーティングシステムだ!計算機システムにおける は、計算機上の資源の利用の調整を行う基本ソフトウェアである同様に、地球規模で資源・エネルギーの利用の調整を行うにより、文明が低エネルギー消費を維持することが可

能になるのではないか

地球規模 OS の実現に向けて ∼ポスト石油・石炭ピーク時代における情報インフラストラクチャ – p.18/37

Page 34: 地球規模OS の実現に向けて

問題の本質と解決に向けた着眼点

地球上で文明を持続させていくためには、低エネルギー消費を維持できる社会に変えていく必要がある無駄なく資源・エネルギーを使い回すための調整を担う何かが必要

オペレーティングシステムだ!計算機システムにおける は、計算機上の資源の利用の調整を行う基本ソフトウェアである同様に、地球規模で資源・エネルギーの利用の調整を行うにより、文明が低エネルギー消費を維持することが可

能になるのではないか

地球規模 OS の実現に向けて ∼ポスト石油・石炭ピーク時代における情報インフラストラクチャ – p.18/37

Page 35: 地球規模OS の実現に向けて

問題の本質と解決に向けた着眼点

地球上で文明を持続させていくためには、低エネルギー消費を維持できる社会に変えていく必要がある無駄なく資源・エネルギーを使い回すための調整を担う何かが必要オペレーティングシステムだ!計算機システムにおける OSは、計算機上の資源の利用の調整を行う基本ソフトウェアである同様に、地球規模で資源・エネルギーの利用の調整を行うOSにより、文明が低エネルギー消費を維持することが可能になるのではないか

地球規模 OS の実現に向けて ∼ポスト石油・石炭ピーク時代における情報インフラストラクチャ – p.18/37

Page 36: 地球規模OS の実現に向けて

宇宙船地球号での生命維持が機能するためのオペレーティングシステム (OS)

自然への非暴力、不服従を貫くためにNon-violence and peaceful resistance against the nature

地球規模 OS の実現に向けて ∼ポスト石油・石炭ピーク時代における情報インフラストラクチャ – p.19/37

Page 37: 地球規模OS の実現に向けて

地球規模OS

地球規模 OS の実現に向けて ∼ポスト石油・石炭ピーク時代における情報インフラストラクチャ – p.20/37

Page 38: 地球規模OS の実現に向けて

SFで描くゴール

「不思議の国の NEO—未来を変えたお金の話」ジャンル:「SFお金ファンタジー」お金を根本から変える技術の存在それにより生まれるドラマ

英語版はフリーで公開http://grsj.jp/neo.pdf(CC-BY-SA 3.0)

企画書であり計画書

地球規模 OS の実現に向けて ∼ポスト石油・石炭ピーク時代における情報インフラストラクチャ – p.21/37

Page 39: 地球規模OS の実現に向けて

関連研究分野・プロジェクト

Sustainable computing

むしろ計算機システムの環境負荷に関わる領域地球規模OSは、計算機システムが社会の持続性の維持に寄与できることを追求かつ、計算機システムとしてだけではなく、社会システムとして捉え、設計していくことにその意義がある

マイクロ/スマートグリッド等電力の融通を行うシステム地球規模OSでは電力に留まらず、資源・エネルギー一般の融通と共有を扱う

よいことプラットフォーム (村井純他; G1 サミットからの提案)

地球規模OSのサービス基盤と捉えることができる

地球規模 OS の実現に向けて ∼ポスト石油・石炭ピーク時代における情報インフラストラクチャ – p.22/37

Page 40: 地球規模OS の実現に向けて

検討編一緒に考えていきましょう

地球規模 OS の実現に向けて ∼ポスト石油・石炭ピーク時代における情報インフラストラクチャ – p.23/37

Page 41: 地球規模OS の実現に向けて

目標となるエネルギー消費率は?

仮に、人類が文明を持続できるために必要十分なエネルギー消費率を 10TWと置くこれは十分に低い値ではない可能性があるが、現状と比べればかなり低い

これを現在の世界の人口で割れば、1人当たりのエネルギー予算が導かれる

その値は約

地球規模 OS の実現に向けて ∼ポスト石油・石炭ピーク時代における情報インフラストラクチャ – p.24/37

Page 42: 地球規模OS の実現に向けて

目標となるエネルギー消費率は?

仮に、人類が文明を持続できるために必要十分なエネルギー消費率を 10TWと置くこれは十分に低い値ではない可能性があるが、現状と比べればかなり低い

これを現在の世界の人口で割れば、1人当たりのエネルギー予算が導かれるその値は約 1.4kW

地球規模 OS の実現に向けて ∼ポスト石油・石炭ピーク時代における情報インフラストラクチャ – p.24/37

Page 43: 地球規模OS の実現に向けて

関連事例 – 2000-Watt Society (Switzerland)

http://en.wikipedia.org/wiki/2000-watt_society

2050年までに産業国のエネルギー消費率を 1人当たり2kWに抑えるという運動現在の人類全体のエネルギー消費率を全人口で割っている

スイスは現状 5kW社会で、1960年代には 2kW社会だった

地球規模 OS の実現に向けて ∼ポスト石油・石炭ピーク時代における情報インフラストラクチャ – p.25/37

Page 44: 地球規模OS の実現に向けて

私たちにとって 1人当たり 1.4kWとは?

現状、日本のエネルギー消費率は約 700GW

1人あたりでは約 5.5kW

1.4kW社会の実現は、我が国ではエネルギー消費を 1

4

に減らさなければならないことを意味する

同時に、各家庭の状況に注目した場合、既に 1人あたり 1.4kW以下を実現している家庭も多いのではむしろ交通や各種産業を含む、社会インフラの面でのエネルギー効率の向上が必要どこまで自動化でき、どこから社会のルールなのか

地球規模 OS の実現に向けて ∼ポスト石油・石炭ピーク時代における情報インフラストラクチャ – p.26/37

Page 45: 地球規模OS の実現に向けて

地球規模OSへの要求

1. 物質・エネルギー循環のアカウンティングおよび需給マッチング2. あらゆる資源をネットワーク上の抽象として扱うための、大規模・大容量分散ストレージ3. 社会インフラとしての公共性の実現4. 高信頼性のための可塑性の実現5. 新たな資源管理の必要が生まれた際等の創発性の実現6. 知識の共有と保守のためのオープンソース化7. 法律改正等、人間のルールに対して働きかけるための仕組み

地球規模 OS の実現に向けて ∼ポスト石油・石炭ピーク時代における情報インフラストラクチャ – p.27/37

Page 46: 地球規模OS の実現に向けて

基本方針

地球規模OSではP2P (Peer-to-Peer)技術を採用P2Pには、中央制御を排すことを通して、専用のインフラストラクチャを用意することなしに、皆が価値あると認めるサービスが規模を拡大していけるという特徴がある

P2Pは、地球規模OSに対する要求のうち 3∼5を実現するに役立ち、高い信頼性をもって 1∼2を実現するための支えになると期待できる地産地消 P2P (P2Pの強化概念)を推進する

そうした技術上の選択に加え、政策面に関しても、要求のうち 7を実現すべく、地球規模OSの運用時に、必要とされる政策提言が支援されるような枠組みについて考えていく必要がある

地球規模 OS の実現に向けて ∼ポスト石油・石炭ピーク時代における情報インフラストラクチャ – p.28/37

Page 47: 地球規模OS の実現に向けて

機能と階層

地球規模 OS の実現に向けて ∼ポスト石油・石炭ピーク時代における情報インフラストラクチャ – p.29/37

Page 48: 地球規模OS の実現に向けて

ひとまずのまとめ

現在の文明は私たちの多くが現役のうちに終了します資源・エネルギーは枯渇しないが利用しづらくなっていくそれでも無理してエネルギーを使うと自分の首を絞める生物多様性の劣化、環境の悪化へ

太陽からのエネルギー予算を人間の身の丈で利用し、自然に対する非暴力、不服従を貫いて持続可能な新しい文明をつくるそのための基盤としての地球規模OSその一部としての新しい通貨同時に、来るべき混乱から身を守るための術

地球規模 OS の実現に向けて ∼ポスト石油・石炭ピーク時代における情報インフラストラクチャ – p.30/37

Page 49: 地球規模OS の実現に向けて

それは可能なのでしょうか?

地球規模 OS の実現に向けて ∼ポスト石油・石炭ピーク時代における情報インフラストラクチャ – p.31/37

Page 50: 地球規模OS の実現に向けて

「宇宙のなかで私たちに与えられた機能以外、なんの権威に頼ることもなく、それをどうやって達成させたらいいかも発見できる。宇宙では、もっとも理想的なことが、もっとも現実に即した実際的 (プラクティカル)なことなのだ」

—バックミンスター・フラー

“. . .we may discover how it may be accomplished byour own directly-seized initiative, undertaken andsustained without any further authority than that ofour function in universe, where the most ideal is themost realistically practical.”

— Buckminster Fuller地球規模 OS の実現に向けて ∼ポスト石油・石炭ピーク時代における情報インフラストラクチャ – p.32/37

Page 51: 地球規模OS の実現に向けて

ワークショップ編一緒につくっていきましょう

地球規模 OS の実現に向けて ∼ポスト石油・石炭ピーク時代における情報インフラストラクチャ – p.33/37

Page 52: 地球規模OS の実現に向けて

よいことプラットフォーム

村井純他; G1サミットからの提案(私的に所有される) 様々なレベルにおけるセンサネットワーク・インフラストラクチャからの情報を公益のために利用可能にし、多様な応用を生むための基盤とする取り組みウェザーニューズ社 (集合知による気象予測)

インターネット自動車NTT docomoによる人間の流動の観測クロネコヤマトのセンサ情報の活用. . . 等々

規制との戦い

地球規模 OS の実現に向けて ∼ポスト石油・石炭ピーク時代における情報インフラストラクチャ – p.34/37

Page 53: 地球規模OS の実現に向けて

ウェザーニューズ社の取り組み

有料会員からのリポートを解析して気象を予測

「従来の天気予報では、生活に密着している情報を、アウトソーシングしていた . . .自分の身の回りの変化を五感で感じるようにして欲しい」「クラウド同士がうまく繋がった状態で、各々が判断できるというプラットフォームが必要 . . .一個、完全なプラットフォームが必要と思った時点でおかしなことになる」

—石橋知博 (ウェザーニューズ社取締役)

地球規模 OS の実現に向けて ∼ポスト石油・石炭ピーク時代における情報インフラストラクチャ – p.35/37

Page 54: 地球規模OS の実現に向けて

ウェザーニューズ社の取り組みを機能と階層で考える

地球規模 OS の実現に向けて ∼ポスト石油・石炭ピーク時代における情報インフラストラクチャ – p.36/37

Page 55: 地球規模OS の実現に向けて

ワークショップのお題

1)人間のひとりひとりが目で見て、耳で聞いて、肌で感じた気象情報を集めるプラットフォームをデザインしてください2)そのプラットフォームからの入力を、次の出力につなげてください

a)地球環境の可視化b)減災c)エネルギー制御

地球規模 OS の実現に向けて ∼ポスト石油・石炭ピーク時代における情報インフラストラクチャ – p.37/37