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2 大会の全体的なコンセプト Overall concept of the Olympic Games オリンピック史上最もコンパクトで、 スポーツ、持続可能性、効率性、そして人の心を結ぶ大会 - 東京オリンピック・パラリンピック Tokyo 2016 - Uniting sport, sustainability, efficiency and hearts 028 TOKYO 2016 Vol.1 Theme 2 TOKYO 2016 Vol.1 Theme 2 029

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Page 1: Overall concept of the Olympic Games...2 大会の全体的なコンセプト Overall concept of the Olympic Games オリンピック史上最もコンパクトで、 スポーツ、持続可能性、効率性、そして人の心を結ぶ大会

2大会の全体的なコンセプトOverall concept of the Olympic Games

オリンピック史上最もコンパクトで、

スポーツ、持続可能性、効率性、そして人の心を結ぶ大会

- 東京オリンピック・パラリンピック

Tokyo 2016 - Uniting sport, sustainability,

efficiency and hearts

028 TOKYO 2016 Vol.1 Theme 2 TOKYO 2016 Vol.1 Theme 2 029

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大会の全体的なコンセプト 22 大会の全体的なコンセプト

2.1 オリンピック憲章は「オリンピック競技大会の競技期間は、16日間を超えてはならない。」と定めています。第31回オリンピック競技大会においては、開催期間は以下の期間内から選択するものとしています:2016年7月15日から8月31日 (IOCは、異常気象などの特別な事情がある場合には、上記期間外の日程でも、必要に応じて、同意することがあります)。2016年第31回オリンピック競技大会を開催するに当たり、貴都市が予定する開催期間とその詳しい根拠を記してください。

オリンピック開催に理想的な時期

 大会組織委員会は、第31回オリンピック競技大会を、2016年7月29日(金)の開会式から8月14日(日)の閉会式までの16日間にわたり開催する。

 また、第15回パラリンピック競技大会は、8月30日(火)から9月11日(日)までの開催とする。

 この期間は、以下の理由から決定したものである。

・ 穏やかで晴れた日が多く、アスリートが最適なパフォーマンスを発揮する環境を提供できる。

・ 学校の夏季休暇期間であるため、子供たちが参加しやすく、大会中に多くのボランティアの協力が得やすい。また、公共交通機関にもゆとりがある。

・ 他の大きな国際競技大会のスケジュールとの関係においても最適である。

・ 東京ではこの期間、大会開催に影響を及ぼすような大規模イベントは行われない。

2.2 2016年の第31回オリンピック競技大会の開催都市として、オリンピック競技大会に対する貴都市の全体的なコンセプトを記述してください。

都市の魅力、都市の可能性を最大限に活かす会場計画

 繁栄のただ中で、環境の悪化に関してはもはや引き返すことができないポイントが近づいていることに、私たちは気づいている。2016年東京大会の会場計画は、私たちがオリンピック開催を切望する理由、すなわち、私たちが何を求め、自らをいかに変革したいと考えているのか、を端的に示している。

 飽くことのない開発と拡大ではなく、既にあるものを活かし、かつてあったものを再生すること、そしてそれらを強固に結び付けることが、私たちの願いである。それは、世界が直面している様々な危機を体現する都市の魅力と可能性を最大限に追求することを通じて、都市と人間を再生することである。

 私たちは、成熟した都市の中心で開催する、かつてないほどコンパクトなオリンピック―新しいオリンピックの姿を提示する。

 ヘリテッジゾーンは、1964年東京大会のレガシーそのものである。一方、東京ベイゾーンは、廃棄物で埋め立てた土地を水と緑、生物多様性の拠点として再生し、市街地とウォーターフロントを再び結合する場所である。この二つのゾーンが重なる場所が、2016年東京大会の中心部となる。

 半世紀を超えて愛され、利用され続けてきたヘリテッジゾーンの競技施設は、今日のオリンピック基準を満たす十分な改修を施され、まさに100年レガシーとなる。東京ベイゾーンの各施設は、最新鋭の環境技術を導入した、環境と共生する新たな都市の姿を象徴するものとなる。

 サッカー予選会場を除けば、半径8km圏内に会場の90%以上が集中している。開催時には東京の中心そのものが、一つの巨大な競技フィールドとなる。最高の競技環境の中で、オリンピックという世界最大のスポーツ・文化の祭典が展開され、東京の多様な魅力、東京に住み、訪れる人々の多彩な暮らしや活動と共に、一つの織物として織り上げられる。

2.3 貴都市のビジョンを反映させるために、オリンピック競技大会のすべての構成要素(スポーツ、聖火リレー、都市活動、文化、セレモニー)を貴プロジェクトにどのように統合するかを説明してください。

大会のあらゆる側面にビジョンを浸透させる

 2016年東京大会は、開催都市の中心で多様な価値を統合するというビジョン―“Uniting Our Worlds”―を大会のあらゆる側面に浸透させる。大会を構成する様々なエレメントを強固に、かつ、有機的に結合し、一つの方向―相互理解、友情、世界平和―へと導いていくことを、大会組織委員会は目指している。

 アスリートと人々との距離は、これまでの大会にないほど近いものとなる。競技施設はいずれも都市の中心にあり、人々は多彩な都市活動が展開されるただ中をアスリートたちが駆け抜ける姿に熱狂し、心からの声援を贈る。

 すばらしいゲームの余韻にひたり、健闘をたたえ、喜びが爆発する場も、やはり都市の中心にあるライブサイトである。ライブサイトは、スポーツの喜びと日本の文化、世界の文化を通じて、アスリートと観客、地域コミュニティを密接に結び付ける。

 すべての大会関係者は、東京が豊かに備え、オリンピック大会によって何倍にも増幅された多彩な都市の楽しみを、いつでも味わうことができる。そうした楽しみを提供するプロセスを通じて、東京は新しい輝きを獲得する。

 聖火リレー、開会式、閉会式、メダル授与式などすべてのセレモニーは、大会のビジョンをまさに体現するものでなければならない。月日がたっても色あせない、他のどこにもない、東京で開催されたオリンピックのセレモニーとして記憶に残るものを、大会組織委員会は実現する。

 また、世界平和の理念を実現するため、広島、長崎における事前キャンプ場招致や、連携事業を実施する。

2.4 主要なオリンピック設備(競技会場及び競技会場以外の会場)の場所を決める際の根拠を説明してください。

最も相応しい場所を選択

 2016年東京大会の主要なオリンピック施設は、大会のビジョン及び各施設の要請に基づいて、最もふさわしい場所を選択している。

 主要3施設(オリンピックスタジアム、選手村、IBC/MPC)は、1964年東京大会のレガシーが位置するヘリテッジゾーンと未来の都市環境モデルである東京ベイゾーンの重なる場所、すなわち、結びクラスターに配置している。

 「結び」という日本語は、“Uniting”に相当する。まさしくここは、歴史と未来、都市と自然、アスリートと市民、そして東京と世界を結ぶ場所となる。

 主要3施設は、3km圏という非常に近接した位置にあり、敷地は東京都が保有しており、オリンピックスタジアムの一部と選手村予定地は未利用地である。

 IOC、IFなどの意見を反映した柔軟な建設計画が可能であり、具体的な建設に当たっては、効率性、効果性を重視して進める。

 主要3施設を、水と緑の共生都市を象徴する海の玄関口に配置することは、都市の再生を目指し都市の中心で開催するオリンピックの象徴であり、世界のメガシティに一つの道筋を示唆するものともなる。

 一方、オリンピック・ファミリー向けのホテルは、オリンピックスタジアムから5km圏内にある。IOCホテルは、パレス・クラスター内の赤坂地区にある。ここは、東京の歴史的・伝統的文化を代表する皇居に近接するとともに、3つの競技会場、魅力的な商業、飲食、文化施設が集積した場所である。

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2.6 オリンピック競技大会の準備期間及び大会中の両方で開催する文化イベントのコンセプトについて述べてください。

幅広い参画により文化の多様性を発展

 東京は、長年にわたって育まれた能や狂言、歌舞伎、浮世絵、盆栽などの伝統文化と、アニメーションやファッションなどの現代文化が共存し、文化と先端技術が融合した、類いまれな都市である。また、東京には、国や都、民間の文化施設が他都市に例をみないほど数多く集積している。

 東京は、すでにフランスのナント市との提携で5月の連休に東京の繁華街で、プロやアマチュアたちによる大音楽会「ラ・フォルジュルネ」を開催し、ナントにおける以上の大盛況、数十万もの聴衆がつめかけているが、そうした催しは当然オリンピック開催中にも行われよう。

 私たちは、東京のポテンシャルを、東京、日本のみならず、様々な価値観や文化の理解・共有による文化の多様性の尊重、さらには世界平和への貢献に役立てたいと考えている。それを推進する舞台として、世界中の人々が参加するオリンピック競技大会ほどふさわしいものはない。2016年東京大会において、私たちは、きわめて斬新かつ野心的な文化プログラムを展開する。

 プログラムの中核は、東京芸術文化評議会の答申に基づく、“Festival Tokyo”に代表される様々な芸術分野のフェスティバルと、“Tokyo Thousands Knots”と呼ばれる人々が文化で出会い、結びあうプロジェクトである。

 このプロジェクトは、専門的な芸術家のみならず、国内外の人々、とりわけ多くの若者が自ら提案し運営する、お互いを結ぶた

めのプロジェクトである。その分野はすべての芸術分野のみならず、まちづくりから福祉、教育をも含み、人々の力によって東京を芸術文化に加えて、生活文化の自由な活動の拠点とすることを目指すものである。

 その活動は、日本が育んできたホスピタリティの精神によって支えられる。新進の文化プロデューサーやクリエーターを発掘・育成し、彼らと連携して、活動を支援する。このプロジェクトにおいて、国内外の若者たちを中心とした人々が、文化の創造と発信に自由に参加することができる。私たちは、この提案こそが東京の新たな文化へ向けての政策の萌芽となると考える。東京都は、既にパイロット・プロジェクトを開始し、2016年東京大会へ向け8年をかけて大きなうねりを生み出そうとしている。

 大会期間中とその前後を通じ、都内各所に設けるライブサイトは新たなインフォメーション・テクノロジーを駆使した、すべてのジャンルによるスペクタクルなイベントの舞台となる。同時に、“Tokyo Thousands Knots”の拠点、コミュニティの拠点となる。東京は、オリンピックと地域コミュニティ、世界の人々、世界のまちとを結ぶ新たなオリンピックのページを開く。

 また、オリンピック開催中には日本の先端技術ユビキタスを駆使して、外国からの観客に他の競技の情報も伝える便宜を提供するし、東京市中の観光やショッピングの便宜も可能とする。また、そのための準備も、既に東京最大の繁華街銀座において実験をすませてもいる。

2.7 (学校における)教育プログラムのコンセプトを述べてください。

教育プログラム、スポーツ振興計画、ユース・キャンプとその財源

 東京都は、競技力の向上、青少年の健全育成、生涯を通じて健康を維持できる社会づくりのため、多様なスポーツ振興策を展開している。ジュニア期から一貫したアスリート養成のため、競技別指導プログラムの策定支援、医・科学サポート体制の強化を図っている。2007年に創設した約2億ドルの「東京都スポーツ・文化振興交流基金」を活用して、世界の次世代のアスリートやスポーツ指導者の交流・育成を支援する。

 東京都は2008年に、都内のすべての小学校、中学校、高等学校を対象とする「オリンピック学習読本」を作成した。毎年100万人の児童生徒がオリンピックについて学び、「スポーツを通してよりよい世界の実現に貢献する」というオリンピズムへの理解を深めている。

 東京都は、大会の少なくとも3年前から、教育プログラムの一環としてユース・キャンプを実施する。大会開催中には、すべての国の国内オリンピック委員会から男女1名ずつを招き、日本からの参加者を含め、約600人の若者が参加する。場所は、1964年東京大会の選手村のレガシーである国立オリンピック記念青少年総合センターである。ユース・キャンプの財源は、東京都が負担する。

2.5 図面縮尺を示した折りたたみ式又は見開きの地図A(サイズはA3まで)を提出のこと: 貴都市/地域に貴プロジェクトを重ね合わせたもので、貴プロジェクトの全体像が視覚的にわかる地図

 (地図034-035ページを参照。)

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IBC/MPC

OV

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YC

道路

聖火台 - 大会計画の中心

ライブサイト

選手村

IOC ホテル

主要メディアホテル

IBC/MPC

ユースキャンプ

オリンピックルートネットワーク(高速道路)

オリンピックルートネットワーク(主要幹線道路)

高速道路

主要幹線道路

郊外鉄道

地下鉄

中量軌道システム

テニス

フェンシング

テコンドー

トライアスロン

ビーチバレーボール

レスリング

水泳(マラソン10km)

柔道

ウエイトリフティング

自転車競技(ロード・レース)

近代五種(水泳)

近代五種(フェンシング)

馬術(馬場馬術、障害馬術)

バスケットボール

体操(体操)

アーチェリー

バドミントン

水泳(シンクロナイズドスイミング)

体操(新体操)

体操(トランポリン)

馬術(クロスカントリー)

カヌー(フラットウォーター)

自転車競技(マウンテンバイク)

自転車競技(BMX)

ボート

近代五種(馬術、ランニング、射撃)

自転車競技(トラック・レース)

ホッケー

サッカー

サッカー

サッカー

サッカー

サッカー

カヌー (スラローム)

セーリング

ボクシング

射撃

陸上競技

サッカー ハンドボール

卓球

サッカー

バレーボール

水泳(競泳)

水泳(飛込)

水泳(水球)

結びクラスターサッカー予選会場

パレス・クラスター

代々木クラスター

夢の島クラスター 海の森クラスター

その他の競技会場

サッカー予選会場

鉄道

地図A - 全体コンセプト

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2.8 貴都市のオリンピック競技大会の開会式及び閉会式のコンセプトについて述べてください。会場の場所と座席数、既存会場か今後建設予定なのかについて、明らかにしてください。

開会式及び閉会式はオリンピックスタジアムで開催

 2016年東京大会の開会式及び閉会式は、今後、結びクラスターの中心に建設するオリンピックスタジアムで開催する。この会場は、非常にコンパクトな半径8kmの会場計画の中心にある。開会式及び閉会式は、2016東京オリンピック競技大会のビジョン“Uniting Our Worlds”にふさわしい、自然と人間の融和、平和への希求をモチーフとする演出で開催する。

 会場の座席数は、10万席である。オリンピック選手村から約2km、IBC/MPCから約3kmの距離にあり、選手及び報道関係者にとって利便性が高い。

都市活動

2.9 都市活動(例:ライブサイト)について述べてください。また都市活動がオリンピック競技大会中、貴都市の一般市民がまたとないオリンピック競技大会を経験する上でどのような貢献ができるかについて述べてください。さらに、これらのプログラムを行う上で関わりのあるさまざまなステークホルダーはどのように交流するかを説明してください。

オリンピック・ライブサイト

 2016年東京大会の開催期間は、日本の伝統的な地域フェスティバルである「盆踊り」や「縁日」、「花火大会」が最盛期を迎える。都市全体が祝祭的な雰囲気にあふれるこの時期、オリンピック大会を開催することは、興奮と歓喜を何倍にも増幅させ、人々にこの上ないすばらしい体験をもたらすに違いない。

 東京都は、2016年東京大会において、クラスターに5箇所、都心に2箇所、郊外の自然を活かした公園に1箇所、計8箇所ライブサイトを設置する。これらのライブサイトは、地域社会と、国内外の大会関係者、観客、チケットを持たない人々とを強固に結合し、開催都市の市民であることの誇りを高揚させる。興奮と感動、多様な楽しみに満ちたライブサイトを、安全、清潔、おもてなしの心をもって運営することは、東京の魅力を世界に発信する最高のシティ・セールスである。

 ライブサイトでは、文化プログラムに基づく、音楽、演劇、ダンス、ストリート・パフォーマンス、“Tokyo Thousands Knots”プロジェクトに加えて、一般参加のスポーツイベントを展開する。また、巨大なスクリーン、スポンサーやサプライヤーの展示販売施設、総合情報案内所、救急救護施設を設置する。

 8つのライブサイトは、地域社会、地元の商店街、オリンピック・スポンサーやサプライヤーなどの企業、文化芸術活動に携わる人々が密接に連携し、多数のボランティアの協力の下、それぞれのクラスターや地域の特徴を活かして計画・運営する。

2.10 スポーツ活動を一般市民にもたらすために、貴都市が提案するイニシアチブ(招致活動中又は大会組織委員会として)について述べてください。例えば、貴都市ではオリンピック・デーをどのように祝う予定かについて記述してください。

スポーツ振興とオリンピック・デー

 東京都は2007年に開始した東京マラソンをはじめ、市民の間に広くスポーツを振興するための取組を展開している。2008年には、オリンピック憲章にもうたわれているスポーツ・フォア・オールを基本理念とするスポーツ振興のマスタープラン「東京都スポーツ振興基本計画」を策定した。東京都は、この計画に基づいて、2015年までに都内で100以上の地域スポーツ・クラブ設立、地域の共有財産である学校施設の活用などを推進する。

 2013年には、国民体育大会東京大会を開催する。この大会は、47の都道府県が毎年持ち回りで開催し、2万人を超える選手役員が参加する日本の代表的なスポーツイベントの一つである。東京都は大会の準備を通じて、誰もがスポーツを楽しめる環境を一層拡充する。

 東京では、IOCの公式オリンピック・デーである6月23日及び1964年東京大会の開会式が行われた10月10日を中心として年2回、JOCの主催でオリンピック・デーを祝う。6月には、オーケストラの演奏、オリンピック映像、オリンピアンのトークを組み合わせた「オリンピック・コンサート」を開催する。スポーツと芸術を融合したこのイベントは、世界にも例がない、JOC独自のものである。

 10月には、1964年東京大会のレガシーである都立駒沢オリンピック公園総合運動場で、オリンピック・フェスティバルを開催する。2008年には、約12,000名が参加した。

予算

2.11 文化、教育、セレモニー、都市活動の予算の明細を述べ、また、その財源をどのように確保するか明確にしてください。

十分な予算を確保

 大会組織委員会は、大会のセレモニー等のために、計113億円(1億400万米ドル)という十分な予算を確保する。主なものは、開会式(60億円、5,600万米ドル)、閉会式(20億円、1,900万米ドル)、聖火リレー(14億円、1,300万米ドル)などである。

 東京都は、文化、教育的活動のために、54億円(5,000万米ドル)という十分な予算を確保する。主なものは、ライブサイトの組織化及び運営40億円(3,700万米ドル)、ユース・キャンプ及びミニ・ユース・キャンプ4億円(300万米ドル)などである。

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