微生物学実習

6日目

[計p.13] ６日目 HT

供試菌の同定 細菌汚染検査 [実験IV] 薬剤感受性試験の確認

[実験IIID] 生化学的性状試験4 (カタラーゼ試験・オキシダーゼ試験)

[実験I-IV] 供試菌の判定

◇実習室の清掃・点検

[実p.24] 抗生物質と耐性菌

抗生物質産生菌 （カビや放線菌など）

自然界には、抗生物質を産生する様々な微生物が存在する．

[実p.24] 抗生物質と耐性菌

抗生物質産生菌 （カビや放線菌など）

自然界には、抗生物質に対して抵抗性を持つ様々な微生物が存在する．

薬剤耐性菌

[実p.24] 耐性菌の出現要因

細菌を含め、全ての生物は遺伝的に変化しうる．

DNA(遺伝子)の特性

突然変異 外来遺伝子の獲得

[実p.24] 耐性菌の出現要因

現代社会では抗生物質が広く使われ，ときには乱用されているため，細菌は常に抗生物質にさらされている．

選択圧

家畜 ヒト

摂南薬局

おだいじに～

[実p.24] 耐性菌の出現要因 DNA(遺伝子)の特性 選択圧

ほとんどの細菌は抗生物質で死滅するが，薬の効果に抵抗する性質を持つものも出てくる(耐性菌)．

例：MRSAやMDRPなど

[実p.24] 耐性菌の多様性 菌株によって、耐性を示す薬剤の種類や、耐性の強さが異なる。

感受性

A耐性

B耐性 A,B耐性

[実p.24] 耐性菌の多様性 同種の細菌でも、「株」ごとに薬剤感受性が異なる(遺伝的な多様性がある)。

ペニシリン オキサシリン オフロキサシン

MSSA-1 感受性 感受性 感受性

MRSA-001 耐性 耐性 感受性

MRSA-002 耐性 耐性 耐性

臨床分離株の薬剤感受性は、検査しないと分からない

[実p.24] 耐性菌の多様性

DNA

リボソーム

細胞壁 細胞膜

細胞壁合成酵素の変異 排出装置の強化

耐性化機構

リボソームの変異 DNAジャイレースの変異

分解酵素の生産

RNAポリメラーゼの変異 RNA

[実p.24] 抗生物質の使用量と耐性菌

Ａ病院 Ｂ病院

ペネム系を多用 マクロライド系を多用

ペネム耐性菌 マクロライド耐性菌

[実p.24] 抗生物質の使用量と耐性菌

病院

環境

一般市民

[実p.25] MSSAとMRSA

メチシリン感受性黄色ブドウ球菌 MSSA: Methicillin-susceptible Staphylococcus aureus

メチシリン耐性性黄色ブドウ球菌 MRSA: Methicillin-resistant Staphylococcus aureus

MRSAにはメチシリン以外の抗生物質にも耐性を示す菌株が多い(多剤耐性菌)

[実p.25] 1濃度ディスクの判定 阻止円の大きさを測定し，[実p.25表]にしたがって[Rep.35]に判定結果を記入する．

薬剤名 阻止円の直径（mm） 耐性 中間 感受性

ベンジルペニシリン（PC） ≦28 ≧29

セファゾリン（CEZ） ≦14 15-17 ≧18

オキサシリン（MPI） ≦10 11-12 ≧13

バンコマイシン（VCM） - - ≧12

[計p.12] 薬剤感受性試験の測定

◆阻止円の有無・耐性菌の有無を観察し，各菌の各種抗生物質に対する感受性を判定する[Rep.35]．

＊それぞれの阻止円は「各班2枚の平均値」を求める．

[計p.12] 1濃度ディスク・薬剤感受性試験

ディスク周囲に出来た阻止円の直径を測定し，表に従って薬剤感受性の測定を行う．

阻止円：ディスクの周囲に菌が生育していないところ（透明になっているところ）．抗生物質の種類によって，阻止円の大きさが異なる．

[計p.12] 1濃度ディスク・阻止円の測定

阻止円が円形の場合：直径を測定する．

阻止円が歪んでいる場合：最大直径と最小直径を測定し，その平均値を求める．

注意1：隣接する阻止円と重なってしまった場合は，重なっていない領域で平均的な直径を推定すること． 注意2：阻止円を測定する際に，物差しなどが汚染しないようにすること．

[実p.22&計p.12] カタラーゼ試験オキシドール（３％過酸化水素水）と混ぜて、カタラーゼによる酸素の発生（気泡）を確認する．

1. 寒天培地上のコロニー（細菌）に過酸化水素水を1滴，滴下する． 2. 直ちに気泡が出るのを観察し，結果を記録する．

チトクローム系を持つ好気性菌および通性嫌気性菌の大部分はカタラーゼが存在する．

[実p.22&計p.12] カタラーゼ試験

本実習の供試菌では，いずれも陽性となる．細菌が生きているのを確認する．

２週間お疲れ様でした

[実p.22&計p.12] オキシダーゼ試験 酸化還元試薬（パラフェニレンジアミン）で，色調の変化を確認する．

[実p.22&計p.12] オキシダーゼ試験 細菌内の電子伝達系で働くチトクロムオキシダーゼ酵素の存在を同定する．

嫌気性菌 通性嫌気性菌 好気性菌

チトクロムオキシダーゼ酵素は好気性菌にのみ存在する．

[実p.22&計p.12] オキシダーゼ試験1.  寒天培地上のコロニー（細菌）にパラフェニレンジアミン溶液を1滴，滴下する．

2.  コロニー色の変化を確かめる．

オキシダーゼ陽性なら、色が濃くなる

[計p.12] 供試菌の同定 ◆8種類の供試菌A~Hについて，大腸菌，緑膿菌，プロテウス菌，サルモネラ菌，メチシリン感受性黄色ブドウ球菌，メチシリン耐性黄色ブドウ球菌，表皮ブドウ球菌，枯草菌のいずれであるかを同定する（Rep. 37）．

Rep. 27を参考にして、あてはまる菌種を選びます

[計p.13] 器具の点検と後始末

◆使用した器具を洗浄する． ◆各班，実験台・流し台を清掃すること． ◆実習室に忘れ物がないことを確認する（特に引き出しの中）．

[計p.13] 器具の点検と後始末 白衣について： 本日は実習終了日になるので，白衣を持ち帰ってください．実験中に白衣や衣服などに菌液が付着した可能性がある場合は，他の洗い物と別にしてハイターで洗濯して下さい．

塩素系 酸素系 どちらもＯＫ