pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリ …...pepino mosaic virus に関する...

49
Pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリシス報告書 平成31年3月25日 改訂 農林水産省 横浜植物防疫所

Upload: others

Post on 14-Feb-2020

0 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

Page 1: Pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリ …...Pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリシス報告書 平成31年3月25日 改訂 農林水産省

Pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリシス報告書

平成31年3月25日 改訂

農林水産省

横浜植物防疫所

Page 2: Pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリ …...Pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリシス報告書 平成31年3月25日 改訂 農林水産省

改訂履歴及び改訂内容

平成 25 年 1 月 29 日 作成

平成 27 年 11 月 16 日 発生国を追加

平成 31 年 3 月 25 日 発生国及び宿主植物の追加、人口比、政策上の重要性の根拠となる法令の

更新

Page 3: Pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリ …...Pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリシス報告書 平成31年3月25日 改訂 農林水産省

目次 はじめに ..................................................................................................................................... 1 第1 開始(ステージ1 ) ............................................................................................................. 2

1 開始 .................................................................................................................................. 2 2 対象となる有害動植物 ....................................................................................................... 2 3 対象となる経路 .................................................................................................................. 2 4 対象となる地域 .................................................................................................................. 2 5 開始の結論 ....................................................................................................................... 2

第2 病害虫リスク評価(ステージ2) .......................................................................................... 3 1 有害動植物の類別 ............................................................................................................ 3

(1) 有害動植物の日本での発生の有無及び公的防除の有無等 ............................................ 3 (2) 定着及びまん延の可能性 .............................................................................................. 3 (3) 経済的影響を及ぼす可能性 .......................................................................................... 3 (4) 有害動植物の類別の結論 ............................................................................................. 4

2 農業生産等への影響の評価 .............................................................................................. 5 (1) 定着の可能性の評価 .................................................................................................... 5 (2) まん延の可能性の評価 ................................................................................................. 9 (3) 経済的重要性の評価 .................................................................................................. 13 (4) 不確実性 .................................................................................................................... 16 (5) 農業生産等への影響の評価の結論 ............................................................................. 17

3 入り込みの可能性の評価 ................................................................................................. 17 (1) 潜在的検疫有害動植物に関連する経路からの入り込みの可能性 ................................. 17 (2) 輸送中又は貯蔵中の生き残りの可能性 ....................................................................... 17 (3) 好適寄主又は宿主への移動の可能性 ......................................................................... 19 (4) 不確実性 .................................................................................................................... 22 (5) 入り込みの可能性の評価の結論 ................................................................................. 22

4 危険にさらされている地域の結論 ..................................................................................... 23 5 リスク評価の結論 ............................................................................................................ 24

第3 病害虫リスク管理(ステージ3 ) ........................................................................................... 25 1. Pepino mosaic virus に対するリスク管理措置の選択肢の有効性及び実行可能性の検討 .. 25 2. 経路ごとの Pepino mosaic virus に対するリスク管理措置の選択肢の有効性及び実行可能性

一覧 ................................................................................................................................ 27 3. 経路ごとの Pepino mosaic virus に対するリスク管理措置の選択肢の特定 ........................ 28

(1)栽植用植物及び栽植用球根類 ..................................................................................... 28 (2)栽植用種子 ................................................................................................................. 29

4. Pepino mosaic virus のリスク管理措置の結論 ................................................................. 32 別紙1 生物学的情報(有害植物) ............................................................................................. 33 別紙2 寄主又は宿主となり得る植物の分布情報 ....................................................................... 38 別紙3 農業生産等への影響の評価結果表 ............................................................................... 39 別紙4 入り込みの可能性の評価結果表 ................................................................................... 40 別紙5 病害虫リスク評価の結論一覧表 .................................................................................... 43 別紙6 関連する経路の年間輸入量 .......................................................................................... 44

Page 4: Pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリ …...Pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリシス報告書 平成31年3月25日 改訂 農林水産省

1

はじめに Pepino mosaic virusは、トマト、バレイショなど主にナス科植物に感染し、種子伝染することが知ら

れている。汚染種子が第一次伝染源となり、植物体の接触伝搬により二次伝染をする。果実のモザイ

ク症状や、成熟の遅延が見られ、収量に影響するなど重要なウイルス病の一種である。このため、我

が国では、本病の侵入・まん延を防ぐため、本ウイルスを植物防疫法施行規則別表2の2で規定し、本

病発生国から輸入される栽植用植物及び種子については、本ウイルスに対する適切な血清学的診断

法又は核酸の塩基配列を検出するために適切と認められる方法による検査が必要とされている。今

般、本ウイルスに対するリスク評価を見直し、現行の管理措置の有効性を評価するため、リスクアナリ

シスを実施した。 このリスクアナリシスは、「病害虫リスクアナリシスの実施に関する手順書(平成24年度版)」に従い

実施したものであり、開始(ステージ1)、病害虫リスク評価(ステージ2)及び病害虫リスク管理(ステージ

3)の3つのステージから構成される。 本報告書の取りまとめにあたっては、以下の学識経験者から技術的な助言や情報提供を受けた。

上松 寛(独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構中央農業総合研究センター病害虫研究

領域研究員) 大藤 泰雄(独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構中央農業総合研究センター病害虫研

究領域上席研究員) 関本 茂行(独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構中央農業総合研究センター病害虫研

究領域研究員) 津田 新哉(独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構中央農業総合研究センター病害虫研

究領域上席研究員) 松下 陽介(独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構花き研究所花き研究領域研究員) 望月 淳(独立行政法人農業環境技術研究所生物多様性研究領域上席研究員) 山村 光司(独立行政法人農業環境技術研究所生物多様性研究領域上席研究員)

【敬称略、五十音順。所属及び肩書きは初版公表当時のもの。】

Page 5: Pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリ …...Pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリシス報告書 平成31年3月25日 改訂 農林水産省

2

第1 開始(ステージ1 ) 1 開始

病害虫のリスクに応じて効果的かつ効率的な植物検疫を実施していくためには、検疫対象の有害

動植物(以下「検疫有害動植物」という。)を特定することが重要である。また、国際植物防疫条約(以

下「IPPC」という。)の規定においても、検疫有害動植物の明示及び病害虫リスクアナリシス(以下「リ

スクアナリシス」という。)の結果に基づく病害虫リスク管理措置の実施を求めている。 このため、平成23年3月7日に植物防疫法施行規則(昭和25年農林省令第73号)の改正等を行

い、検疫有害動植物の定め方をネガティブリスト方式からポジティブリスト方式へ移行するとともに、

病害虫のリスクに応じた適切な病害虫リスク管理措置を実施するため、輸出国において検疫措置の

実施を求める枠組みを新設する等の見直しを実施した。 引き続き、検疫有害動植物の特定及び適切な病害虫リスク管理措置の適用に係る検討のための

技術的正当性の判断に資するため、我が国に侵入し、まん延した場合に有用な植物に損害を与える

おそれが未だ明らかでない有害動植物について、順次、病害虫を開始点とするリスクアナリシスを実

施している。 本リスクアナリシスは、これに基づき実施したものである。

2 対象となる有害動植物 リスクアナリシスの対象となる有害動植物名を Pepino mosaic virus と特定した。

関連する学名等の情報は、生物学的情報(別紙1)に取りまとめた。

3 対象となる経路

本種の感染部位及び伝搬方法から、想定される輸入植物を介して、日本に入り込む可能性がある

経路を以下のとおり特定した。関連する宿主植物等の情報は、生物学的情報(別紙1)に取りまとめた。

4 対象となる地域 リスクアナリシスを実施する地域を日本全域とした。

5 開始の結論 Pepino mosaic virus を開始点とし、本ウイルスの発生地域から輸入される植物を経路とした日本全

域を対象とする病害虫リスクアナリシスを開始する。 なお、リスクアナリシスに必要な情報は、生物学的情報(別紙1)及び、寄主又は宿主となり得る植

物の分布情報(別紙2)に取りまとめた。

想定される経路: 栽植用植物、栽植用球根類、栽植用種子、消費用生植物、消費用穀類

Page 6: Pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリ …...Pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリシス報告書 平成31年3月25日 改訂 農林水産省

3

第2 病害虫リスク評価(ステージ2) 1 有害動植物の類別

ステージ1で特定された有害動植物について、国内における発生および公的防除の有無、定着及

びまん延の可能性並びに経済的影響を及ぼす可能性について調査し、検疫有害動植物の定義内の

基準を満たしているか検討した。なお、検疫有害動植物の基準を満たしていない場合は評価を中止し

「無視できる」とした。

(1) 有害動植物の日本での発生の有無及び公的防除の有無等

ア 評価手順 開始の結論で有害動植物とされたものについて、日本での発生の有無及び公的防除の有

無等を調査する。 イ 評価基準

以下( ア) ~( ウ) の要件のいずれも満たさない場合、評価中止とする。 (ア) 国内において未発生である。 (イ) 国内に発生していても広く分布せず、公的防除が行われている、又は近い将来公的防除が検

討される予定である。 (ウ) 国内既発生であっても、国内未発生の系統が存在、又は国内未発生の有害動植物を媒介す

る。

(2) 定着及びまん延の可能性

ア 評価手順 上記(1)の基準のいずれかを満たした有害動植物について、日本での寄主又は宿主となり得

る植物の分布から定着及びまん延の可能性を評価する。 イ 評価基準

別紙2から、寄主又は宿主となり得る植物が日本に分布している場合には「定着及びまん延

の可能性」があると判断する。

(3) 経済的影響を及ぼす可能性

ア 評価手順 上記(1)の基準のいずれかを満たした有害動植物の寄主又は宿主となり得る植物の栽培状

況から経済的影響を及ぼす可能性を評価する。

ウ 評価結果

本ウイルスは日本国内において未発生である。

ウ 評価結果

本ウイルスの宿主となり得る植物は47都道府県に分布していることから、

定着及びまん延の可能性がある。

Page 7: Pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリ …...Pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリシス報告書 平成31年3月25日 改訂 農林水産省

4

イ 評価基準 別紙2から、寄主又は宿主となり得る植物が日本で農産物として栽培されている場合には「経

済的影響を及ぼす可能性」があると判断する。

(4) 有害動植物の類別の結論

ウ 評価結果

本ウイルスの宿主となり得る植物は日本国内で農産物として栽培されていることから、

本ウイルスは経済的影響を及ぼす可能性がある。

本ウイルスは日本国内で未発生であること、定着及びまん延の可能性があること、経済的影

響を及ぼす可能性があることから、本ウイルスを潜在的検疫有害動植物と特定した。

Page 8: Pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリ …...Pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリシス報告書 平成31年3月25日 改訂 農林水産省

5

2 農業生産等への影響の評価

1.で特定された潜在的検疫有害動植物について、農業生産等への影響を評価した。 農業生産等への影響は、潜在的検疫有害動植物がリスクアナリシスを実施する地域に入り込んだ

場合に想定されるリスク(病害虫固有のリスク)とし、「定着の可能性」、「まん延の可能性」及び「経済的

重要性」で評価した。 評価対象生物について、該当しない項目、あるいは情報不足で評価できない項目は評価を行わな

い。 なお、評価の途中で評価中止となった場合、その時点で農業生産等への影響の評価の結論は「無

視できる」とする。 各項目の得点及びその判断理由は別紙3に記録した。

(1) 定着の可能性の評価

潜在的検疫有害動植物がリスクアナリシスを実施する地域に入り込んだ場合、地域内の寄主又

は宿主植物に寄生又は感染し、環境に適応し、寄主又は宿主植物を利用して恒久的に発生するか

について評価した。 ア リスクアナリシスを実施する地域における寄主又は宿主植物の利用可能性及び環境の好適性 (ア) 寄主又は宿主植物の利用可能性及び環境の好適性

潜在的検疫有害動植物の寄主又は宿主植物のうち、各都道府県に寄主又は宿主植物が

どの程度存在しているかを調査し、寄主又は宿主の利用可能性及び環境の好適性を評価し

た。 a 評価手順

別紙2に記載された、寄主又は宿主となり得る植物が栽培又は自生している都道府県数

から評価する。 b 評価基準

寄主又は宿主が存在する都道府県数 得点

47 5

38 以上46 以下 4

12 以上37 以下 3

4 以上11 以下 2

1 以上3 以下 1

0(寄主が存在しない) 評価中止

c 評価結果 本ウイルスの宿主となり得る植物は47都道府県に分布していることから、評価基

準より5点と評価した。

Page 9: Pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリ …...Pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリシス報告書 平成31年3月25日 改訂 農林水産省

6

(イ) 潜在的検疫有害動植物の寄主又は宿主範囲の広さ 潜在的検疫有害動植物の寄主又は宿主範囲の広さを基に、潜在的な寄主又は宿主植物の

存在の可能性を評価した。 a 評価手順

寄主又は宿主植物の科を記載する。 b 評価基準

本項目では得点の付与を行わない。

(ウ) 有害動植物の侵入歴 生物地理区を越えた分布を人為的な移動によるものと仮定すると、複数の生物地理区へ

の分布は交易その他によって原産地以外に定着し病害虫となった結果であると推定される。

本項目では潜在的検疫有害動植物の分布する生物地理区の区域数から、侵入歴を評価した。 a 評価手順

潜在的検疫有害動植物の分布国又は地域から、生物地理区の区域数を付録1より集計

する。 b 評価基準

分布区域数 得点

5 区以上に分布する。 5

4 区に分布する。 4

3 区に分布する。 3

2 区に分布する。 2

1 区に分布する。 1

c 評価結果

本ウイルスが宿主とする植物の科は、ヒユ科、キク科、ムラサキ科、アブラナ科、ヒ

ルガオ科、アオイ科、オオバコ科、イネ科、タデ科及びナス科が知られている。

c 評価結果

東洋区、エチオピア区、新熱帯区、新北区及び旧北区の計5区に分布することか

ら、評価基準より5点と評価した。

Page 10: Pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリ …...Pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリシス報告書 平成31年3月25日 改訂 農林水産省

7

イ リスクアナリシスを実施する地域における潜在的検疫有害動植物の生存の可能性 (ア) 潜在的検疫有害動植物の繁殖戦略

a 評価手順 潜在的検疫有害動植物について、単為生殖が可能かどうか調査する。一部の系統が

単為生殖の性質を示す場合には、最も高い得点を得られるものを選択する。有害植物に

ついては一律5点とする。

b 評価基準

(イ) 有害植物のみリスクアナリシスを実施する地域における中間宿主の利用可能性 a 評価手順

潜在的検疫有害植物の増殖に中間宿主(代替宿主)が必須であるかないか、必須な場

合には宿主となる植物が存在するかを調査する。日本全国を一つの対象地域とする。 b 評価基準

有害動物 得点

産雌単為生殖が可能 5

両性単為生殖が可能 5

産雄単為生殖が可能 4

上記以外 2

有害植物 得点

全ての有害植物 5

潜在的検疫有害植物の増殖に: 得点

(a) 中間宿主は必須でない。 評価しない

(b) 中間宿主は必須である。

リスクアナリシスを実施する地域に中間宿主となる植物が存在する。

リスクアナリシスを実施する地域に中間宿主となる植物が存在しない。

評価中止

c 評価結果

本ウイルスは有害植物であることから、評価基準より5点と評価した。

Page 11: Pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリ …...Pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリシス報告書 平成31年3月25日 改訂 農林水産省

8

(ウ) 潜在的検疫有害動植物の生存の可能性 a 評価手順

潜在的検疫有害動植物の不良環境における生存手段、リスクアナリシスを実施する地

域における寄主又は宿主の利用可能性について調査し、生存の可能性について検討する。 b 評価基準

以下の要件を1つでも満たす場合、潜在的検疫有害動植物は生活環を維持できるものと

する。生活環を維持できない場合、「評価中止」とする。

ウ 定着の可能性の評価結果

評価した項目の得点平均値を定着の可能性の評価点とする。

潜在的検疫有害動植物は:

休眠性を持つ。(冬眠あるいは越冬態) 左記の要件

耐久生存態をつくる。 を満たす根

土壌伝染性である。 拠となった

植物残渣中で生存可能。 文献を記述

寄生又は感染部位が周年で存在する。 する。

栄養繁殖体や種子に寄生又は感染する。

施設栽培がおこなわれている。

c 評価結果

本ウイルスの増殖に関して、中間宿主は必須ではないため、本項目は評価しない。

c 評価結果

本ウイルスは種子により伝搬されることが知られていることから、不良環境における

生存手段を持ち、生存の可能性があると評価した

評価した項目の平均から、定着の可能性の評価点は5点満点中の5点となった。

Page 12: Pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリ …...Pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリシス報告書 平成31年3月25日 改訂 農林水産省

9

(2) まん延の可能性の評価 定着した地点から潜在的検疫有害動植物がどの様に分散するのか、自然条件における潜

在的検疫有害動植物の分散能力、寄生又は感染した植物の流通やその他人為的手段による

潜在的検疫有害動植物の分散の可能性について評価した。 ア 自然分散(自然条件における潜在的検疫有害動植物の分散)

潜在的検疫有害動植物の移動可能距離と年間世代数について調査し、自然条件下に

おける潜在的検疫有害動植物の分散能力を評価した。 また、ベクターにより媒介される場合は、ベクターの移動距離及び化数で評価し、ベクタ

ーが日本に存在しない場合は「評価中止」とした。 (ア) 有害動物の自然分散

本ウイルスは有害植物であり、本項目は評価しない。

(イ) 有害植物の自然分散 ここでは、a ベクター以外による伝搬と、b ベクターによる伝搬とに分けて評価を行い、

それぞれにおける項目の得点の合計値が高い方を採用する。 a ベクター以外による伝搬 (a) 移動距離

ⅰ 評価手順 潜在的検疫有害植物の移動可能距離を有害植物の分散様式から評価する。

ⅱ 評価基準

分散様式 得点

胞子や花粉による伝搬 5

風雨による伝搬、遊走子による伝搬 3

種子伝搬 2

土壌伝搬 1

機械的伝搬 1

ⅲ 評価結果

本ウイルスは種子により伝搬されることから、評価基準より2点とした。

Page 13: Pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリ …...Pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリシス報告書 平成31年3月25日 改訂 農林水産省

10

(b) 伝染環数

ⅰ 評価手順 潜在的検疫有害動植物の一年間(又は一定期間)の伝染環数について調査し、以下の

基準により評価する。 ⅱ 評価基準

b ベクターによる伝搬 (a) ベクターの移動距離

ⅰ 評価手順 潜在的検疫有害植物の移動可能距離をベクターの移動様式から評価する。なお、ベク

ターが日本に存在しない場合、評価対象としない。 ⅱ 評価基準

伝染環数 得点

1 年間に2 回以上 5

〃 に1 回 3

〃 を超える期間に1 回 1

移動様式 得点

長距離飛翔(風による移動を含む。1km以上) 5

短距離飛翔(数m単位) 3

歩行( カイガラムシ類を含む) 2

ベクターが線虫・土壌病菌 1

ⅲ 評価結果

本ウイルスは、複数の伝染環を持つことから、評価基準より5点と評価した。

ⅲ 評価結果

ベクターであるセイヨウオオマルハナバチは、長距離飛翔することから、評

価基準より5点と評価した。

Page 14: Pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリ …...Pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリシス報告書 平成31年3月25日 改訂 農林水産省

11

(b) 伝搬様式 ⅰ 評価手順

ベクターの伝搬様式( 媒介継続期間)を調査し以下の基準により評価する。なお、ベクターが日

本に存在しない場合、評価対象としない。

ⅱ 評価基準

イ 人為分散 品目(農作物)又は輸送機器等(非農作物)に伴う潜在的検疫有害動植物の移動の可能性から、

人為分散の可能性を評価した。評価については、農作物を介した分散と、非農作物を介した分散に

ついて実施した。 (ア) 農作物を介した分散

a 評価手順 潜在的検疫有害動植物が寄生又は感染した部位が流通し、次の発生源となるかどうかに

ついて、これら植物が生産されている都道府県数から評価する。 b 評価基準 (a) 潜在的検疫有害動植物の寄生又は感染部位が商品として流通する場合都道府県数は別

紙2を参照。

ベクターの伝搬様式 得点

ベクター体内で増殖する病原体(循環型-増殖型) 5

ベクター体内で循環するが、増殖しない病原体(循環型-非増殖型)

ベクター体内で循環せず、数日間媒介される病原体(非循環型-半永続型)

ベクターの口器等に付着し数時間のみ媒介される病原体(非循環型-非永続型)

ⅲ 評価結果

ベクターであるセイヨウオオマルハナバチの伝搬様式に関する情報は得ら

れなかったため、本項目は評価しない。

Page 15: Pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリ …...Pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリシス報告書 平成31年3月25日 改訂 農林水産省

12

( b) 潜在的検疫有害動植物の寄生又は感染部位が商品として流通しない場合・・・1

(イ) 非農作物を介した分散

a 評価手順 マイマイガの梱包材による分散など、農作物を介さない、重要な人為的分散手段があるかど

うかについて調査し以下の基準により評価する。また、判断理由についても記述する。 b 評価基準

人為的分散手段 得点

輸送機器、梱包材等に付着して移動することが知られている。

土壌中に生息し、人及び輸送機器に付着して移動することが知られている。

栽培に伴う作業で移動することが知られている。 5

上記の移動手段は知られていない。 評価しない

ウ まん延の可能性の評価結果

ア及びイの得点平均値をまん延の可能性の評価点とする。

寄主又は宿主となる作物が生産されている都道府県数

得点

47 都道府県 5

38 - 46 都道府県 4

12 - 37 都道府県 3

4 - 11 都道府県 2

0 - 3 都道府県 1

c 評価結果

本ウイルスの宿主植物は、47都道府県で生産されており、評価基準より5点

と評価した。

c 評価結果

栽培作業での伝搬が知られていることから、評価基準より5点と評価した。

Page 16: Pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリ …...Pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリシス報告書 平成31年3月25日 改訂 農林水産省

13

(3) 経済的重要性の評価 潜在的検疫有害動植物がその分布限界にまでまん延した場合に想定される農作物又は環境へ

の経済的な影響を評価した。 なお、潜在的検疫有害動植物による直接的な農作物又は環境への影響を「直接的影響」、また、

それを補完する位置づけで農作物の重要性や輸出への影響等を「間接的影響」としてそれぞれ評

価した。 本項目は、国内で栽培されていない植物は評価の対象としない。

ア 直接的影響 (ア) 影響を受ける農作物又は森林資源

a 評価手順 品目別の農産物産出額から潜在的検疫有害動植物の被害を受けることが想定される品

目の合計額を付録2より積算する。また、農作物の重要性では十分な評価ができない森林

病害虫に対しては、環境的な影響を評価する。 b 評価基準

(a) 農作物の重要性 得点

農産物産出額の合計が 1 兆 8,000 億円以上 5

〃 2,006 億円以上 4

〃 763 億円以上 3

〃 213 億円以上 2

〃 213 億円未満 1

統計に無いその他農作物 1

(b) 環境的影響 得点

森林資源に影響を与える 5

評価した項目の平均から、まん延の可能性の評価点は5点満点中の4.25点となった。

なお、「ア(イ) 有害植物の自然分散」では、評価を行ったa及びbの項目のうち、合計

値の高いaの結果を採用した。

c 評価結果

本ウイルスの宿主植物には、トマト、バレイショ、なすが含まれ、農産物産出額

の合計は 3,921.6億円であることから、評価基準より4点と評価した。

Page 17: Pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリ …...Pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリシス報告書 平成31年3月25日 改訂 農林水産省

14

(イ) 生産への影響 a 評価手順

作物が受ける被害の様式から、生産への影響を評価する。

b 評価基準

被害の様式 得点

寄主又は宿主作物は付録2に記載されており、発生国で、その作物の継続的生

産が一時的であれ不可能になる被害、あるいは、永年性作物の枯死による生産

手段の喪失などの被害が報告されている。(永年性作物又は森林資源の高頻度

の枯死、又は防除手段として切り倒しが含まれるもの。)

寄主又は宿主作物は付録2に記載されており、発生国ではその作物に対して、

当該作期の商品生産に大きな支障を来す経済的被害が報告されている。(流通過

程を含め商品部位が直接的に被害を受けるもの又は1年生作物の高頻度の枯

死。)

寄主又は宿主作物は付録2に記載されており、発生国ではその作物に対して、

高い頻度での枯死にいたる例はないが品質低下を含む明確な経済的被害が報告

されている。(商品部位以外へ被害があるもの。)

寄主又は宿主作物は付録2に記載されているが、発生国でのその作物に対す

る明確な経済的被害の報告はない。 2

寄主又は宿主とする作物は付録2に記載されていない。 1

(ウ) 防除の困難さ 海外での公的防除の事例のうち、根絶又は封じ込めができずまん延した事例は、防除の困難さ

や、防除にかかるコストを表すものと考えられる。本項目では、海外での公的防除の実施事例及

びその内容から、潜在的検疫有害動植物の防除の困難さを評価した。 a 評価手順

海外での公的防除の実施事例がある場合は、国名を記載する。実施内容についての情報があ

る場合は、その概要を記載する。 b 評価基準

本項目では得点の付与を行わない。

c 評価結果

トマトは別表2に記載されており、商品部位が直接被害を受けることから評価基

準より4点と評価した。

Page 18: Pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリ …...Pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリシス報告書 平成31年3月25日 改訂 農林水産省

15

(エ) 直接的影響の評価結果

a 評価手順 潜在的検疫有害動植物による直接的影響を、影響を受ける農産物又は森林資源と生産

への影響の評価点の積から下表より評価する。 b 評価基準

評価点の積 得点

21 以上 5

16 以上21 未満 4

11 以上16 未満 3

6 以上11 未満 2

6 未満 1

イ 間接的影響 (ア) 農作物の政策上の重要性

a 評価手順 直接的影響で評価した農産物のうち、政策上重要とされている品目について評価する。なお、

統計にない植物についてはここでは評価を行わない。 b 評価基準

(a)寄主又は宿主植物には下記ⅰ~ⅳに掲げる農作物を含む。 1

ⅰ 「農業保険法」及び「同法施行令」で定める果樹・農作物 左記ⅰ~ⅲ法

令に掲げる農

産物について

は、付録3を参

照。

ⅱ「野菜生産出荷安定法施行令」で定める指定野菜

ⅲ「果樹農業振興特別措置法施行令」で定める果樹

(b)上記ⅰ~ⅲに掲げる農作物を含まない。 評価しない

c 評価結果

本ウイルスの海外での公的防除の実施事例についての情報は得られなかった。

c 評価結果

上記2項目の評価点の積は16点となり、直接的影響の評価点は4点となった。

Page 19: Pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリ …...Pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリシス報告書 平成31年3月25日 改訂 農林水産省

16

(イ) 輸出への影響 潜在的有害動植物が国内で発生した場合、我が国の輸出農産物が相手国で規制(禁止等) の

対象となることが考えられる。本項目では、諸外国での検疫規制状況から輸出への影響を評価し

た。 a 評価手順

各国の要求事項から、当該種の発生を理由に、寄主又は宿主植物が輸入の制限( 禁止又

はそれと同等の措置)を受けるかどうか判断する。また、判断に用いた対象国及び検疫措置を

記録する。 b 評価基準

(a) 当該種の発生により、寄主又は宿主植物は輸入の制限を受ける 1

(b) 当該種の発生により、寄主又は宿主植物は輸入の制限を受けない 評価しない

ウ 経済的重要性の評価結果

ア( エ) 直接的影響の評価結果と間接的影響で評価した項目の得点の和を経済的重要性の評

価点とする。なお、評価点の上限は5点とする。(和が5点を超える場合は5点)

(4) 不確実性 潜在的検疫有害動植物の定着、まん延の可能性及び経済的重要性の評価には、多くの不確か

さを含むため、評価に不確かさを持つ要因及びその不確かさの程度を明確に示す。

c 評価結果

本ウイルスの宿主植物であるトマト、バレイショ及びナスは、ⅱの法令で定められて

いることから、評価基準より1点と評価した。

c 評価結果

インドではタバコの栽植用種子について、本ウイルスの不在証明を輸入の条件に

していることから評価基準より1点と評価した。

直接的影響の評価結果の得点と間接的影響の得点の和から、経済的重要性の評

価点は5点となった。

ベクターの伝搬様式に関する情報が不明であり、まん延の可能性の自然分散

に関する評価には不確実性を伴う。

Page 20: Pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリ …...Pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリシス報告書 平成31年3月25日 改訂 農林水産省

17

(5) 農業生産等への影響の評価の結論

ア 評価手順 潜在的検疫有害動植物が国内に入り込んだ後の経済的影響を、定着及びまん延の可能性並

びに経済的重要性の各項目の評価点の積から下表より評価する。 なお、「無視できる」と結論された場合、リスク評価は終了とする。

イ 評価基準

評価点の積 評価

63.6 以上 高い

4.6 以上63.6 未満 中程度

4.6 未満 無視できる

3 入り込みの可能性の評価 潜在的検疫有害動植物が原産国で品目に寄生又は感染してから、リスクアナリシスを実施する地

域の寄主又は宿主植物に寄生又は感染するまでにたどると考えられる過程を特定し、各過程で対象

品目に関係する潜在的検疫有害動植物の寄生又は感染率に影響を及ぼす要因と、その効果及び影

響を評価した。 また、評価対象種について、該当しない項目、あるいは情報不足で評価できない項目は評価を行

わなかった。 評価中止となった場合は、その時点で該当する経路の入り込みの評価は「無視できる」とした。 本評価については、「第1.3 対象となる経路」で特定された経路について実施した。各項目の得点

及び判断理由は経路毎に別紙4に記録した。

(1) 潜在的検疫有害動植物に関連する経路からの入り込みの可能性

ア 評価手順 潜在的検疫有害動植物が関連する経路の年間輸入量を別紙6に記録する。

イ 評価基準 本項目では得点の付与を行わない。

(2) 輸送中又は貯蔵中の生き残りの可能性 潜在的検疫有害動植物が原産地での品目管理手順を経て生き延びる可能性を「加工処理に耐

えて生き残る可能性」及び「潜在的検疫有害動植物の個体の見えにくさ」により評価した。 ア 加工処理に耐えて生き残る可能性

ウ 評価の結論

3 項目の評価点の積は106.3点となり、本ウイルスの農業生産等への影響の評価を

「高い」と結論した。

Page 21: Pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリ …...Pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリシス報告書 平成31年3月25日 改訂 農林水産省

18

品目に対する加工処理が潜在的検疫有害動植物の生存率に与える影響を評価する。 (ア) 評価手順

評価の対象とする植物の用途から、下記の基準を用いて評価する。

(イ) 評価基準

輸入時の植物の用途 得点

栽植用の苗木、穂木及び球根

全ての有害動植物 5

栽植用の種子

全ての有害動物 4

全ての有害植物 5

乾燥、加圧、粉砕等の処理を伴う用途

貯蔵性有害動植物 5

耐久生存態を形成する糸状菌及び細菌類 5

乾燥に強いことが知られるウイルス類 5

上記以外の有害動植物 評価しない

上記以外の用途

全ての有害動植物 5

イ 潜在的検疫有害動植物の個体の見えにくさ

潜在的検疫有害動植物が輸出国で行われる通常の商品管理を経て生き残る可能性を「寄生

又は感染部位」及び「最小個体サイズ」から評価した。 (ア) 評価手順

(ウ) 評価結果

a 栽植用植物

栽植用植物であることから、評価基準より5点と評価した。

b 栽植用球根類

栽植用球根類であることから、評価基準より5点と評価した。

c 栽植用種子

栽植用種子であることから、評価基準より5点と評価した。

d 消費用生植物

消費用生植物であることから、評価基準より5点と評価した。

e 消費用穀類(豆類、ナッツ類等食用種子を含む)

本ウイルスの乾燥耐性に関する情報は得られなかったことから本項目は評価しな

い。

Page 22: Pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリ …...Pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリシス報告書 平成31年3月25日 改訂 農林水産省

19

潜在的検疫有害動植物が関連する植物の寄生又は感染部位及び最小個体サイズについて、

下表より評価する。ここでの評価は各態の中で最も得点の高い態を利用する。 また、線虫及び有害植物は全ての経路について5点とする。

(イ) 評価基準 有害動物(線虫を除く)

寄生部位 各態の最小個体サイズ 得点

内部 - 5

栽植用(苗類)であって、地下部に寄生するもの

- 5

ときに内部、若しくはすき間 3 mm未満 4

3 mm以上 3

完全~ほぼ外部 3 mm未満 2

3 mm以上 1

線虫及び有害植物

寄生又は感染部位 各態の最小個体サイズ 得点

全ての経路 - 5

(3) 好適寄主又は宿主への移動の可能性

輸入された品物に関連した潜在的検疫有害動植物がリスクアナリシスを実施する地域内の好適

寄主又は宿主へ移動する可能性を評価した。ここでは人為的移動と自然分散についてそれぞれ評

価した。 ア 輸入品目からの人為的な移動による分散の可能性

潜在的検疫有害動植物が寄主又は宿主の存在する地域にたどり着く可能性を評価した。 (ア) 評価手順

(ウ) 評価結果

a 栽植用植物

本ウイルスは有害植物であることから、評価基準より5点と評価した。

b 栽植用球根類

本ウイルスは有害植物であることから、評価基準より5点と評価した。

c 栽植用種子

本ウイルスは有害植物であることから、評価基準より5点と評価した。

d 消費用生植物

本ウイルスは有害植物であることから、評価基準より5点と評価した。

e 消費用穀類(豆類、ナッツ類等食用種子を含む)

本ウイルスは有害植物であることから、評価基準より5点と評価した

Page 23: Pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリ …...Pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリシス報告書 平成31年3月25日 改訂 農林水産省

20

a 栽培用植物(栽植用植物、栽植用球根類及び栽植用種子) 栽培のために寄主又は宿主が存在する地域に運ばれることから、一律の評価とする。

b 消費用植物(穀類・豆類以外) 輸入された消費用植物は人口に比例して配分されると仮定でき、植物の移動量を人口

の分布(人口比)から推定する。 別紙2に記載された、寄主又は宿主となり得る植物の生育する都道府県を用いて、人口

比を下表から積算し合計値で評価する。 また、消費用植物であっても栽培に転用可能である場合には、該当する植物の部位を記

述する。 c 消費用植物(穀類・豆類)

流通経路から野外に分散する可能性は極めて低いことから、一律の評価とする。

表 地域と人口比

都道府県 人口比 都道府県 人口比 都道府県 人口比 都道府県 人口比 北海道 0.042 東京都 0.106 滋賀県 0.011 香川県 0.008 青森県 0.010 神奈川県 0.072 京都府 0.021 愛媛県 0.011 岩手県 0.010 新潟県 0.018 大阪府 0.070 高知県 0.006 宮城県 0.018 富山県 0.008 兵庫県 0.044 福岡県 0.040 秋田県 0.008 石川県 0.009 奈良県 0.011 佐賀県 0.007 山形県 0.009 福井県 0.006 和歌山県 0.008 長崎県 0.011 福島県 0.015 山梨県 0.007 鳥取県 0.005 熊本県 0.014 茨城県 0.023 長野県 0.017 島根県 0.005 大分県 0.009 栃木県 0.016 岐阜県 0.016 岡山県 0.015 宮崎県 0.009 群馬県 0.016 静岡県 0.029 広島県 0.022 鹿児島県 0.013 埼玉県 0.057 愛知県 0.059 山口県 0.011 沖縄県 0.011 千葉県 0.049 三重県 0.014 徳島県 0.006

(イ) 評価基準

用途 人口比の合計 得点

a 栽培用植物 ( 栽植用植物、 栽植用球根類及び

栽植用種子)

b 消費用植物 ( 穀類・豆類以外)

1 4

0 . 7 以上 1 未満 3

0 . 3 以上0. 7 未満 2

0 . 3 未満 1

寄主又は宿主植物が生育する地域がない

評価中止

c 消費用植物 ( 穀類・豆類)

Page 24: Pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリ …...Pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリシス報告書 平成31年3月25日 改訂 農林水産省

21

イ 輸入品目からの自然分散の可能性 (ア) 評価手順

輸入品目に寄生又は感染した潜在的検疫有害動植物が自らの移動能力により寄主又は宿

主植物にたどり着く可能性を評価する。

(イ) 評価基準

栽植用植物については移動能力の大きさに関わらず、栽培用として利用されることで入り込

みが完了することから一律5点とする。

全ての有害動植物 得点

栽植用に輸入された植物 5

有害動物 得点

飛翔(長距離移動(1km以上)の記録があるもの) 3

飛翔(上記以外) 2

歩行 1

センチュウ類 1

有害植物(ウイルス、ウイロイドを除く) 得点

風媒伝搬 2

水媒伝搬 1

接触伝搬 1

上記以外 評価中止

上記以外の有害動植物 評価中止

栽植用植物

消費用植物

(ウ) 評価結果

a 栽植用植物

栽植用植物であることから、評価基準より5点と評価した。

b 栽植用球根類

栽植用球根類であることから、評価基準より5点と評価した。

c 栽植用種子

栽植用種子であることから、評価基準より5点と評価した。

d 消費用生植物

本ウイルスの宿主植物は、47都道府県に分布していることから、人口比の合計

は1となり、評価基準より4点と評価した。

e 消費用穀類(豆類、ナッツ類等食用種子を含む)

消費用穀類であることから、評価基準より1点と評価した。

Page 25: Pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリ …...Pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリシス報告書 平成31年3月25日 改訂 農林水産省

22

消費用植物でベクター(日本に存在するものに限る。)により媒介される場合は1点とし、ベク

ターが日本に存在しない場合は評価中止とする。 なお、ウイルス、ウイロイドであって、移動の可能性がある場合は個別に判断する。

(4) 不確実性

潜在的検疫有害動植物の入り込みの可能性の評価には、多くの不確かさを含むため、評価に不

確かさを持つ要因及びその不確かさの程度を明確に示す。

(5) 入り込みの可能性の評価の結論

ア 評価手順 評価を行った項目の得点平均値を求め、下表から入り込みの可能性を評価する。

(ウ) 評価結果

a 栽植用植物

栽植用植物であることから、評価基準より5点と評価した。

b 栽植用球根類

栽植用球根類であることから、評価基準より5点と評価した。

c 栽植用種子

栽植用種子であることから、評価基準より5点と評価した。

d 消費用生植物

本種はウイルスであることから、評価中止とした。

e 消費用穀類(豆類、ナッツ類等食用種子を含む)

本種はウイルスであることから、評価中止とした。

a 栽植用植物

特になし

b 栽植用球根類

特になし

c 栽植用種子

特になし

d 消費用生植物

消費用生植物のうち生果実を経路とした場合、果実に含まれる種子が本来の用途では

ない栽培目的で使用される可能性があるため、評価の結論には不確実性が伴う。

e 消費用穀類(豆類、ナッツ類等食用種子を含む)

栽培目的で使用された場合、評価の結論には不確実性が伴う。

Page 26: Pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリ …...Pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリシス報告書 平成31年3月25日 改訂 農林水産省

23

イ 評価基準

平均点 評価

4 . 3 以上 高い

3 . 2 以上4 .3 未満 中程度

3 . 2 未満 無視できる

4 危険にさらされている地域の結論 侵入及びまん延する可能性のある地域(危険にさらされている地域)と、第1で設定したリスクアナ

リシスの対象となる地域との関係を記述する。寄主又は宿主植物の分布状況、気候要因などにより、

当初設定したリスクアナリシスを実施する地域より危険にさらされる地域が狭くなることもあり得る。

ウ 評価の結論

a 栽植用植物

評価した項目の得点の平均値は5点であり、本ウイルスの栽植用植物を経路とし

た場合の入り込みの可能性を「高い」と結論した。

b 栽植用球根類

評価した項目の得点の平均値は5点であり、本ウイルスの栽植用球根類を経路

とした場合の入り込みの可能性を「高い」と結論した。

c 栽植用種子

評価した項目の得点の平均値は5点であり、本ウイルスの栽植用種子を経路とし

た場合の入り込みの可能性を「高い」と結論した。

d 消費用生植物

評価した項目のうち、「(3)イ 輸入品目からの自然分散の可能性」で「評価中止」と

なったことから、本ウイルスの消費用生植物を経路とした場合の入り込みの可能性

を「無視できる」と結論した。

e 消費用穀類(豆類、ナッツ類等食用種子を含む)

評価した項目のうち、「(3)イ 輸入品目からの自然分散の可能性」で「評価中止」と

なったことから、本ウイルスの消費用穀類を経路とした場合の入り込みの可能性を

「無視できる」と結論した。

本ウイルスの宿主植物は47都道府県で広く分布しているため、危険にさらされている地域

を日本全域と結論した。

Page 27: Pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリ …...Pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリシス報告書 平成31年3月25日 改訂 農林水産省

24

5 リスク評価の結論

農業生産等への影響及び入り込みの可能性の評価結果から輸入経路における病害虫リスクを特

定した。ここで「無視できる」以外の評価となった場合、検疫有害動植物として以後、管理措置を検討

する。 別紙3及び4の結論並びに輸入経路における病害虫リスクについては、別紙5にとりまとめた。

入 り 込 み の 可 能 性

高い

中程度 (入り込みの可能性が高い) 高い

中程度

低い 中程度

(農業生産等への影響が高い)

無視 無視できる

無視 中程度 高い

農業生産等への影響

(定着及びまん延の可能性並びに経済的重要性の総合評価)

輸入経路における病害虫リスク

a 栽植用植物

入り込みの可能性は「高い」であり、農業生産等へ影響は「高い」であったことから、栽植

用植物を経路とした場合の本ウイルスの病害虫リスクは「高い」と結論した。

b 栽植用球根類

入り込みの可能性は「高い」であり、農業生産等へ影響は「高い」であったことから、栽植

用球根類を経路とした場合の本ウイルスの病害虫リスクは「高い」と結論した。

c 栽植用種子

入り込みの可能性は「高い」であり、農業生産等へ影響は「高い」であったことから、栽植

用種子を経路とした場合の本ウイルスの病害虫リスクは「高い」と結論した。

d 消費用生植物

入り込みの可能性は「無視できる」であり、農業生産等へ影響は「高い」であったことから、

消費用生植物を経路とした場合の本ウイルスの病害虫リスクは「無視できる」と結論した。

e 消費用穀類(豆類、ナッツ類等食用種子を含む)

入り込みの可能性は「無視できる」であり、農業生産等へ影響は「高い」であったことか

ら、消費用穀類を経路とした場合の本ウイルスの病害虫リスクは「無視できる」と結論した。

Page 28: Pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリ …...Pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリシス報告書 平成31年3月25日 改訂 農林水産省

25

第3 病害虫リスク管理(ステージ3 ) リスク評価の結果、Pepino mosaic virus はリスク管理措置が必要な検疫有害植物であると判

断されたことから、ステージ3 において、発生国からの宿主植物の輸入に伴う本ウイルスの入り込

みリスクを低減するための適切な管理措置について検討する。 1.Pepino mosaic virus に対するリスク管理措置の選択肢の有効性及び実行可能性の検討

選択肢

方法

有効性及び実行可能性の検討

有効性及び実行可能性の難易

実施時期 有効性 実行上

の難易

①病害虫無

発生地域又

は病害虫無

発生生産地

の設定

国際基準No.4 又は No.10 の規定

に従って設定

〔有効性〕 国際基準に基づき輸出国の国家

植物防疫機関が設定、管理、維持

する病害虫無発生地域又は病害

虫無発生生産地であれば、リスク

を十分に低減することができる。

〔実行可能性〕 輸出国において適切に管理される

ことが条件であるが、実行可能と

考えられる。

輸出国

輸出前

②システム

ズ・アプロー

複数の措置の組み合わせであるシ

ステムズ・アプローチについての有効

性及び実行可能性については、具体

的に提案される措置の内容を検討す

る必要がある。

輸出国

輸出前 - -

③栽培地検

査 栽培期間中に生

育場所において

植物の病徴を観

察する。

〔有効性〕 栽培期間中に病徴を明瞭に現す

場合は有効である。 トマト、バレイショ及びペピーノでは

病徴を現すが、気象条件や作物、

品種の違い等により病徴が現れな

い場合もあるため、有効でない場

合がある。 それ以外の宿主では、無病徴感

染するため有効でない。

〔実行可能性〕 栽培中の検査は輸出国において

適切な検査が行われることが条件

であるが、実行可能と考えられる

輸出国

栽培中

Page 29: Pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリ …...Pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリシス報告書 平成31年3月25日 改訂 農林水産省

26

④精密検定 本ウイルスに特異

的な抗血清による

ELISA法等血清学

的診断、プライマ

ーによる PCR 法等遺伝子学的診

〔有効性〕 ELISA法又はRT-PCR 法等によ

り、植物体及び種子から特異的に

本ウイルスの検出が可能である。

〔実行可能性〕 検定施設を有すること、検査に時

間を要することが解消できれば実

行可能である。

輸出国

輸出前

輸入国

輸入時

⑤荷口への

当該有害動

植物の付着

がないことを

検査証明書

に追記

輸出国での綿密な

目視による検査の

結果、当該有害動

植物の付着がない

ことを確認し、その

旨を検査証明書に

追記する。

〔有効性〕 トマト、バレイショ及びペピーノで

は、病徴を現すが、気象条件や作

物、品種の違い等により病徴が現

れない場合もあるため、有効でな

い場合がある。 それ以外の宿主では、無病徴感

染するため有効でない。 種子も無病徴のため有効でない。 〔実行可能性〕 輸出国において適切な輸出検査

が行われることが条件であるが、

実行可能と考えられる。

輸出国 輸出時

(栽植用

種子は

×)

⑥輸出入検

査(目視検

査)

病徴等を観察す

る。 〔有効性〕 トマト、バレイショ及びペピーノで

は、病徴を現すが、気象条件や作

物、品種の違い等により病徴が現

れない場合もあるため、有効でな

い場合がある。 それ以外の宿主では、無病徴感

染するため有効でない。 種子も無病徴のため有効でない。

〔実行可能性〕 通常実施されている輸出入検査で

あり、十分実行可能である。

輸出国 輸出時

輸入国 輸入時

(栽植用

種子は

×)

(栽植用

種子は

×)

Page 30: Pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリ …...Pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリシス報告書 平成31年3月25日 改訂 農林水産省

27

⑦隔離検査 輸入後、国内の施

設等において一定

の期間栽培し、病

徴の確認や精密

検定を実施する。

〔有効性〕 栄養繁殖するバレイショ塊茎は

隔離検査に適する。

病徴が現れない場合でも、検定

に時間を要する精密検定によっ

て本ウイルスの検出が可能であ

る。

〔実行可能性〕

バレイショは、現在隔離検査を

実施しており、我が国の隔離ほ

場において現状でも実行可能で

ある。

輸入国

輸入後

(バレイ

ショ塊

茎)

(バレイ

ショ塊

茎)

有効性 ○:効果が高い ▽:限定条件下で効果がある ×:効果なし -:検討しない

実行可能性 ○:実行可能 ▽:限定条件下で実行可能 ×:実行困難 -:検討しない

2. 経路ごとの Pepino mosaic virus に対するリスク管理措置の選択肢の有効性(上段)及び実行可

能性(下段) 一覧 経路ごとのリスク管理措置について検討した結果を下記のようにとりまとめた。

選択肢

経路

① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦

病害虫無発生地域又は

病害虫無発生生産地の設定

システムズ・アプローチ

栽培地検査

精密検定

検査証明書への追記

輸出入検査(目視検査)

隔離検査

輸出国

輸出国

輸出国

輸出国

輸入国

輸出国

輸出国

輸入国

輸入国

栽植用植物 ○ - ▽ ○ ○ ▽ ▽ ▽ -

○ - ○ ○ ○ ○ ○ ○ -

栽植用球根類※1 ○ - ▽ ○ ○ ▽ ▽ ▽ ○

Page 31: Pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリ …...Pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリシス報告書 平成31年3月25日 改訂 農林水産省

28

○ - ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

栽植用種子 ○ - ▽※2 ○※3 ○※4 × × × -

○ - ○※2 ○※3 ○※4 ○ ○ ○ -

※1 :バレイショ塊茎 ※2 :採種用親植物に対する措置 ※3 :採種用親植物又は種子に対する措置 ※4:種子に対する措置

有効性 ○:効果が高い ▽:限定条件下で効果がある ×:効果なし -:検討しない

実行可能性 ○:実行可能 ▽:限定条件下で実行可能 ×:実行困難 -:検討しない

3. 経路ごとの Pepino mosaic virus に対するリスク管理措置の選択肢の特定

(1)栽植用植物及び栽植用球根類

ア. リスク管理措置選択肢 (ア)国際基準に従った病害虫無発生地域又は病害虫無発生生産地の設定(選択肢①)。

(イ)精密検定( 選択肢④)(輸出国又は輸入国)。

(ウ)バレイショ塊茎について、輸入後国内の隔離栽培施設にて隔離検査を実施(選択肢⑦)。 イ.検討結果

国際基準に基づき、輸出国の国家植物検疫機関が設定・管理・維持する病害虫無発生地域

又は病害虫無発生生産地の設定(選択肢①)は、輸出国によって適切に管理されれば十分なリ

スク低減効果があり実行可能であるが、貿易制限性が大きい。 栽培期間中に生育場所において地上部の症状を観察する栽培地検査(選択肢③)は、トマト、

バレイショ及びペピーノは栽培期間中に通常病徴を現すが、気象条件や作物、品種の違い等に

より病徴が現れない場合もあることから、リスクを低減する措置としては不十分であると考える。

精密検定(選択肢④)については、ELISA法又はRT-PCR法等、本ウイルスを検出するため

の精度の高い検定法が報告されている。したがって、輸出前又は輸入時いずれかの精密検定

は有効であると考える。

隔離検査(選択肢⑦)については、栄養繁殖するバレイショ塊茎において、隔離検疫として

輸入後、国内の施設等において一定の期間栽培し、病徴の確認や精密検定を実施することは

有効な措置であると考える。たとえ、病徴が現れない場合でも、検定に時間を要する精密検定

によって本ウイルスの検出が可能である。

なお、複数の措置の組み合わせであるシステムズアプローチ(選択肢②)についての有効性

及び実行可能性については、具体的に提案される措置の内容を検討する必要がある。

ウ.栽植用植物及び栽植用球根類を経路とするリスク管理措置の選択肢の特定

Page 32: Pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリ …...Pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリシス報告書 平成31年3月25日 改訂 農林水産省

29

(ア) 栽植用植物に対する管理措置として、本ウイルスの入り込みの可能性を低減させることが可

能であり、かつ必要以上に貿易制限的でないと判断し、以下の選択肢を特定した。

〇 生育期中又は輸出検査時のいずれかに、荷口全体(同一の荷口単位)の植物について、栽植

用植物については以下の抽出量(輸入植物検疫規程別表第1の6項2号の規定に基づく抽出

量相当)について、ELISA法等の適切な血清学的診断又はRT-PCR法等の適切な遺伝子的

手法による検定を行って本ウイルスに侵されていないことを確認し、その旨を検査証明書に追

記すること。

又は、

〇 輸入検査時に、栽植用植物については以下の抽出量(輸入植物検疫規程別表第1の6項2号

の規定に基づく抽出量)について、ELISA法等の適切な血清学的診断又はRT-PCR法等の適

切な遺伝子的手法による検定を行って本ウイルスに侵されていないことを確認する。

輸入植物本数 抽出量 1,000本未満 1,000本以上 1,841本未満 1,841本以上 4,601本未満 4,601本以上 9,201本未満 9,201本以上 24,001本未満 24,001本以上

30%以上 300本以上 400本以上 500本以上 600本以上 800本以上

(イ) 栽植用球根類に対する管理措置として、本ウイルスの入り込みの可能性を低減させることが

可能であり、かつ必要以上に貿易制限的でないと判断し、以下の選択肢を特定した。

〇 荷口全体(同一の荷口単位)の植物について輸入植物検疫規程別表第1の規定に基づく抽

出量相当(バレイショ塊茎は全量)について、生育期中又は輸出検査時に、ELISA法等の適

切な血清学的診断又はRT-PCR法等の適切な遺伝子的手法による検定を行って本ウイルス

に侵されていないことを確認し、その旨を検査証明書に追記すること。

又は

〇 輸入後、バレイショ塊茎のような栄養繁殖するものは、全量について隔離検疫として国内の

施設等において一定の期間栽培し、病徴の確認や精密検定を実施する。

輸入植物検疫規程別表第1の5項

輸入植物の個数 抽出量 1,000個未満

1,000個以上 4,001個未満 4,001個以上 10,001個未満 10,001個以上 20,001個未満 20,001個以上 40,001個未満 40,001個以上

30%以上 300個以上 450個以上 600個以上 750個以上 900個以上

(2)栽植用種子

ア.リスク管理措置選択肢

(ア)国際基準に従った病害虫無発生地域又は病害虫無発生生産地の設定(選択肢①)。

Page 33: Pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリ …...Pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリシス報告書 平成31年3月25日 改訂 農林水産省

30

(イ)精密検定(選択肢④)(輸出国での採種用親植物又は種子に対する、若しくは輸入国での種子に

対する)。

イ.検討結果 国際基準に基づき、輸出国の国家植物検疫機関が設定・管理・維持する病害虫無発生地域

又は病害虫無発生生産地の設定(選択肢①)は、輸出国によって適切に管理されれば十分なリ

スク低減効果があり実行可能であるが、貿易制限性が大きい。 栽培期間中に生育場所において地上部の症状を観察する採種用親植物に対する栽培地検査

(選択肢③)は、トマトは栽培期間中に通常病徴を現すが、気象条件や作物、品種の違い等によ

り病徴が現れない場合もあることから、リスクを低減する措置としては不十分であると考える。 精密検定(選択肢④)については、ELISA法又はRT-PCR法等、本ウイルスを検出するための

精度の高い検定法が報告されており、栽培時の採種用親植物の精密検定、又は、輸出時若しく

は輸入時いずれかの種子に対する精密検定は有効であると考える。 なお、複数の措置の組み合わせであるシステムズアプローチ(選択肢②)についての有効性及

び実行可能性については、具体的に提案される措置の内容を検討する必要がある。 ウ.栽植用種子を経路とするリスク管理措置の選択肢の特定

栽植用種子に対する管理措置として、本ウイルスの入り込みの可能性を低減させることが可能

であり、かつ必要以上に貿易制限的でないと判断し、以下の選択肢を特定した。 〇 輸出国(栽培国)で採種用の親植物又は採種された種子について輸出時又は輸入時に

ELISA法等の適切な血清学的方法又はRT-PCR法等の適切な遺伝子的手法による検定を行う

こと。また、検定を行う場合は、国際種子検査協会が定める国際種子検査規程の抽出方法に準

拠した方法で同一の荷口単位から無作為に抽出した規定の種子数について検定を行うこと。 なお、規定の種子数とは、通常ロットの場合(同一の荷口あたりの種子数が46,000粒以上)

は、ロットあたり一律4,600粒、小ロットの場合(同一の荷口あたりの種子数が46,000粒未満)は、

その種子数の10%とする。

<<種子の検定を実施する場合の粒数の考え方について>> ア. 検査用主試料の抽出方法

国際種子検査協会(International Seed Testing Association(ISTA))が定める国際種子検査

規程(International Rules for Seed Testing)の抽出方法(ISTA Rules 2018 Chapter 2: Sampling)(文献㉔)に準拠した方法で同一の荷口単位から無作為に検査用の主試料を抽出し、

その中から、以下の検定用試料として規定の数量を抽出する。

イ.検定用試料の抽出方法 検定用試料については、ISTAの抽出方法に準拠した方法で、ISPM31「Methodologies for

sampling of consignments」(文献㉒)を根拠とした、以下のポアソン分布に基づく抽出量の計算

式(文献㉓)に基づいた抽出理論による検定数量について抽出する(小ロットについては、下記(イ)

参照)。

Page 34: Pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリ …...Pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリシス報告書 平成31年3月25日 改訂 農林水産省

31

本式では、病害虫の付いた植物を不良植物とし、不良植物率がp以上の荷口が国内へ入ってく

るリスクを、n個検査することにより、1-β以下に制御する。

(ア)通常ロットの種子検定対象の抽出量(n)の基本的な考え方 個々の病原体の具体的な種子検定粒数の根拠とできる技術的情報がない場合は、国際種子連

盟(International Seed Federation(ISF))(文献㉕)等の検定プロトコール等の国内外の検定方法の

情報等を総合的に考慮し、種子検定のための抽出量(n)は、ウイルス・ウイロイドについては、限界

不良植物率(=ロットにおいて検出しようとする最低感染種子率)(p) の暫定値として0.001(=

0.1%=荷口1000粒/ロット中、感染種子1粒)、検出確率(β)は99%を採用し、上記ポアソン分布の

式を用いて、約4,600粒/ロット要することとする(うち1粒検出により不合格)。なお、検出確率99%

は、豪州も採用している(文献㉖)。

検出確率(β) 限界不良植物率 (p) (暫定値)

抽出量(n)→検定用の主試料

/ロット当たり ウイルス・ウイ

ロイド 99% 0.001 約4,600粒

<本ウイルスについての検定用抽出量の検討詳細> 本ウイルス の検定粒数や感染種子率(p)に係る情報を記載した文献はないことから、現時点で

は上記で算出した検定粒数の約4,600粒/ロットは妥当と考える。 よって、本ウイルス の場合の検定のための数量は、下記(イ)で示す同一の荷口あたりの種子数

が少ない場合(小ロット)以外は、その同一の荷口あたりの種子数に関わりなく一律に約4,600粒/ロットとする。

なお、通常ロットの検定数である約4,600粒の重量の目安は以下の通り。

植物名 種子約4,600粒の重さ

トマト 13g

(イ)小ロットの種子検定対象の抽出量の基本的な考え方

小ロット(同一の荷口あたりの種子数が少量の場合。例えば、規定の検定数量を確保する場合

が困難な場合)の種子検定対象の抽出量については、次の考え方に基づくこととする。 なお、小ロットの範囲とは、上記(ア)で計算した抽出量(検定用試料)の値が、検出対象の同一

の荷口あたりの種子の数量(検査荷口の大きさ(母集団))の10%となるまでの値の範囲とする。

限界不良植物率(p) (暫定値)

小ロットの範囲

ウイルス・ウイロイド(0.001) 約 46,000 粒未満

よって、本ウイルスの宿主植物の種子については、小ロットの場合、ロットあたりの数量が約

46,000粒未満の場合、10%抽出することとする。 なお、小ロットの範囲の最大値である約46,000粒の重量の目安は以下の通り。

植物名 小ロットの範囲の最大値である種子約46,000粒の重さ

トマト 130g

Page 35: Pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリ …...Pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリシス報告書 平成31年3月25日 改訂 農林水産省

32

4. Pepino mosaic virus のリスク管理措置の結論

経路ごとにリスク管理措置の選択肢を検討した結果、本ウイルスの入り込みのリスクを低減さ

せる効果があり、かつ必要以上に貿易制限的でないと判断した各経路の管理措置を以下にとり

まとめた。 用途・部位 対象植物

植物検疫措置

栽植用植物 (種子及び果

実を除く)

トマト、ペピーノ等 ○ 輸出前(生育期中、又は輸出時)又は輸入時の

精密検定。

栽植用球根類 バレイショ生塊茎 ○ 輸出前(生育期中、又は輸出時)又は輸入後の

精密検定 又は 〇 輸入後は隔離検疫の実施

栽植用種子 トマト ○ 輸出国による採種用親植物の精密検定若しく

は輸出前又は輸入時の種子の精密検定。 種子について検定する場合、国際種子検査協会

が 定める国際種子検査規程の抽出方法に準拠

した方法で同一の荷口単位から無作為に抽出し

た 4,600 粒について、ELISA法等の血清学的方

法による検定にあっては最大250粒ずつ、RT-PCR法等の遺伝子的手法による検定にあっては

最大 400 粒ずつ検定を実施する。(同一の荷口

単位から無作為に抽出された、信頼度99%のサ

ンプルサイズとすることが適当であると考える。)

Page 36: Pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリ …...Pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリシス報告書 平成31年3月25日 改訂 農林水産省

33

別紙1 生物学的情報(有害植物)

1 学名及び分類(文献③) (1)学名

Pepino mosaic virus (2)英名、和名等

アクロニム:PepMV(文献①) (3)分類

種類:ウイルス

目:Tymovirales 科:Alphaflexiviridae 属:Potexvirus

2 宿主植物

ヒユ科:Amaranthaceae Amaranthus Graecizans(アマランツス・グラエキザンス)(文献④)、Amaranthus retroflexus(アマランツ

ス・レトロフレクスス)(文献④)、Amaranthus viridis(ホナガイヌビユ)(文献④)、Bassia scoparia(バッシ

ア・スコパリア)(文献⑥)、Chenopodium murale(文献④⑥)、Amaranthus(ヒユ属の一種)(文献①⑤) キク科:Asteraceae

Calendula arvensis(ホンキンセンカ)(文献④)、Chrysanthemum segetum(アラゲシュンギク)(文献

④)、Conyza albida(コニザ・アルビダ)(文献⑥)、Onopordum cyprium(オノポルドゥム・キプリウム)

(文献④)、Sonchus asper(オニノゲシ)(文献④)、Sonchus oleraceus(ノゲシ)(文献①④⑤)、

Sonchus tenerrimus(ホソバノゲシ)(文献④)、Taraxacum vulgare(タラクサクム・ウルガレ)(文献⑥)、

Onopordum(オノポルドゥム属の一種)(文献⑥) ムラサキ科:Boraginaceae

Echium creticum(エキウム・クレティクム)(文献⑥)、Echium humile(エキウム・フミレ)(文献⑥)、

Heliotropium europaeum(ヨウシュキダチルリソウ)(文献⑥) アブラナ科:Brassicaceae

Diplotaxis erucoides(ディプロタクシス・エルコイデス)(文献⑥)、Moricandia arvensis(モリカンディ

ア・アルウェンシス)(文献⑥)、Sisymbrium irio(シシンブリウム・イリオ)(文献⑥)、Coronopus(コロノ

プス属の一種)(文献⑥) ヒルガオ科:Convolvulaceae

Calystegia sepium(ヒロハヒルガオ)(文献⑥)、Convolvulus althaeoides(コンウォルウルス・アルタエ

オイデス)(文献⑥)、Convolvulus arvensis(セイヨウヒルガオ)(文献④)、Convolvulus humilis(コンウ

ォルウルス・フミリス)(文献④) アオイ科:Malvaceae

Malva neglecta(マルウァ・ネグレクタ)(文献④)、Malva nicaeensis(マルウァ・ニカエエンシス)(文献

④)、Malva parviflora(文献①⑤)、Malva sylvestris(ウスベニアオイ)(文献④) シソ科:Lamiaceae

Ocimum basilicum(メボウキ)(文献⑯⑰) オオバコ科:Plantaginaceae

Plantago afra(プランタゴ・アフラ)(文献⑥)、Plantago lagopus(プランタゴ・ラゴプス)(文献④)、

Plantago major(オニオオバコ)(文献④) イネ科:Poaceae

Piptatherum multiflorum(ピプタテルム・ムルティフロルム)(文献⑥) タデ科:Polygonaceae

Rumex(ギシギシ属の一種)(文献⑥) ナス科:Solanaceae

Datura innoxia(ケチョウセンアサガオ)(文献④)、Lycopersicon pimpinellifolium(リコペルシコン・ピ

ンピネリフォリウム)(文献①)、Nicotiana glauca(キダチタバコ)(文献①⑤)、Lycopersicon esculentum (=Solanum lycopersicum)(トマト)(文献①)、Solanum muricatum(ペピーノ)(文献

①)、Solanum nigrum(イヌホオズキ)(文献①④)、Solanum tuberosum(バレイショ)(文献①) なお、種子伝搬は、トマト(文献①)から報告がある。

Page 37: Pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリ …...Pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリシス報告書 平成31年3月25日 改訂 農林水産省

34

3 地理的分布 (1)国又は地域

アジア 中華人民共和国(香港を除き、以下、「中国」という。)(文献①)

中東 シリア(文献①) 、トルコ(文献⑫)

欧州 アイルランド(文献①)、イタリア(文献①②)、英国(文献①)、オーストリア(文献①)、オランダ(文献①)、キプロス(文献②)、ギリシャ(文献①②)、スイス(文献①)、スウェーデン(文献②⑧)、スペイン(文献①②)、チェコ(文献①)、デンマーク(文献①)、ドイツ(文献①)、ハンガリー(文献①)、フランス(文献①②)、ブルガリア(文献①)、ベルギー(文献①)、ポーランド(文献①)、リトアニア(文献⑨⑪)

アフリカ カナリア諸島(文献⑩⑪)、南アフリカ共和国(文献①)、モロッコ(文献⑬⑭⑮⑯)

北米 アメリカ合衆国(文献①②)、カナダ(文献①②)

中南米 エクアドル(文献①)、チリ(文献①)、ペルー(文献①)、メキシコ(文献①②)

(2)生物地理区 東洋区、エチオピア区、新熱帯区、新北区及び旧北区の計5区に分布する。

4 感染部位

果実、種子、葉及び根(文献①) 5 移動分散方法 (1)自然分散

ベクターによる伝搬、種子伝搬、土壌伝搬、水媒伝搬及び接触(機械的)伝搬が知られている。感染し

た植物が常に病徴を示すわけではないため、気づかないうちに急速に蔓延するおそれがある(文献

①)。 (2)人為分散

本ウイルスは通常の栽培作業で、手、道具、衣類、機械等を介して簡単に伝搬することが知られている(文

献①)。種子伝搬、土壌伝搬、水媒伝搬及び接触(機械的)伝搬が知られている(文献①)。なお、種子伝搬は、ト

マト(文献①)から報告がある。 6 生態 (1)中間宿主及びその必要性

情報なし (2)伝染環数

本ウイルスの伝染環に関する情報は無いが、汚染種子を一次伝染源とし、植物体の接触伝搬により二

次伝染をする(文献①)ことから、複数の伝染環を持つと判断した。 (3)植物残渣中での生存

情報なし (4)耐久生存態

情報なし

7 媒介性又は被媒介性に関する情報 セイヨウオオマルハナバチ(Bombus terrestris)により伝搬することが報告されている(文献①)。飛翔距離

に関して、本ウイルスの雄成虫は、2.6~9.9km飛翔するとの報告がある(文献①)。伝搬様式に関する詳細

は不明。

8 被害の程度 感染したトマトは、商品部位である生果実のモザイク症状や、成熟の遅延が見られ、収量に影響する(文献

①)。バレイショでは、葉にモザイク症状又はモットル症状、ペピーノでは、葉にモザイク症状又はひだ葉症状

を示す(文献⑦)。症状は気象条件に左右され低照度条件下で顕著になることがある。症状は作物、品種間で

異なり、バレイショでは品種によって症状を示さなかったり、壊死したりすることがある(文献①)。

9 防除に関する情報 無病種子の使用や栽培用具の衛生管理が重要とされる(文献①)。

Page 38: Pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリ …...Pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリシス報告書 平成31年3月25日 改訂 農林水産省

35

10 同定、診断及び検出 葉、果実及び種子から本ウイルスを検出するためのELISA法やRT-PCR法等、精度の高い精密検定法が

報告されている(文献㉑)。

11 我が国における現行の植物検疫措置 (1) 種子

トマトの採種用の親植物又は当該親植物から採種された種子について、ELISA法等の適切な血清学的方

法又はRT-PCR法等の適切な遺伝子的手法による検定を実施して本ウイルスに侵されていないことを確認

し、その旨を検査証明書に追記すること。 なお、検定は、国際種子検査協会が定める国際種子検査規程の抽出方法に準拠した方法で同一の荷口

単位から無作為に抽出した4,600粒について、ELISA法等の血清学的方法による検定にあっては最大250粒

ずつ、RT-PCR法等の遺伝子的手法による検定にあっては最大400粒ずつ行うこと。 (2) 生植物

宿主植物の生育期中又は輸出検査時に、同一の荷口単位から無作為に抽出した検体についてELISA法等

の適切な血清学的方法又はRT-PCR法等の適切な遺伝子的手法による検定を行って本ウイルスに侵されて

いないことを確認し、その旨を検査証明書に追記すること。

なお、平成28年の植物防疫法施行規則改正前の本ウイルスに対する植物検疫措置は、次のとおりであ

る。

(1) トマト、バレイショ及びペピーノ バレイショ及びペピーノについては発生地域から輸入される生植物(種子及び果実を除く。)であって

栽培の用に供し得るものに対して、トマトについては生植物(種子及び果実を除く。)であって栽培の用

に供し得るもの及び種子であって栽培の用に供するものに対して、輸出国に栽培地検査(栽培期間中

の精密検査を含む。)を実施し、本ウイルスに侵されていない旨を追記した植物検疫証明書の添付を

要求。 (2) トマト、バレイショ及びペピーノ以外の宿主植物

発生地域から輸入される生植物(種子及び果実を除く。)であって栽培の用に供し得るものに対し

て、輸出国に精密検査を実施し、本ウイルスに侵されていない旨を追記した植物検疫証明書の添付

を要求。

12 諸外国での検疫措置状況 (1) インド

トマト、タバコ、ナスの栽植用種子について、本ウイルスの不在証明を輸入の条件にしている。(文献⑱) (2) オーストラリア

トマトの栽植用種子に対して、抽出した種子3,000粒について、輸入時に本ウイルスを対象とした検定を受

けることを設けている。さらに、輸出前にELISA法(サブサンプル250粒以下)、又は、RT-PCR法による検定

(サブサンプル400粒以下)を行うことを求めている。なお輸入された種子が100粒未満の場合は、承認された

用地で8週間以上栽培され、検定を受けることを求めている。(文献⑲) (3) ニュージーランド

トマト種子に対して、本ウイルスが存在しない「有害動植物無発生地域」或いは「有害動植物無発生生産

地」を原産地とすること、又は、適切な方法による検定を行うことを求めている。(文献⑳)

13 引用文献 ① CABI (2018) Crop Protection Compendium. Data sheet on Pepino mosaic virus.

(online),available from 〈https://www.cabi.org/cpc/datasheet/43661〉 ② EPPO (2012) EPPO Reporting Service. Paris, France: EPPO. (online),available from

Page 39: Pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリ …...Pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリシス報告書 平成31年3月25日 改訂 農林水産省

36

〈https://www.eppo.int/RESOURCES/eppo_publications/eppo_reporting_service〉 ③ International Committee on Taxonomy of Viruses (ICTV) (2012) Virus Taxonomy: 2011 Release

(current). (online),available from 〈http://ictvonline.org/virusTaxonomy.asp?version=2011〉

④ Papayiannis (2012) Detection, characterization and host range studies of Pepino mosaic virus in Cyprus,Eur J Plant Pathol (2012) 132: 1–7

⑤ Pest Risk Analysis for Pepino mosaic virus (2005) CSL(=FERA). (online),available from〈http://www.fera.defra.gov.uk/plants/plantHealth/pestsDiseases/documents/pepino.pdf〉

⑥ Córdoba, M.C., Martínez-Priego, L. and Jordá, C. (2004) New natural hosts of Pepino mosaic virus in Spain. Plant Disease. 88: 906

⑦ R.A.Mumford, R.A.C.Jones (2005) Descriptions of Plant virus: Pepino mosaic virus. (online),available from 〈http://www.dpvweb.net/dpv/showadpv.php?dpvno=411〉

⑧ Werkman A.W. & Sansford C.E. (2010) Pest Risk Analysis for Pepino mosaic virus for the EU.Deliverable Report 4.3. EU Sixth Framework Project Project PEPEIRA. (online),available from 〈http://www.pepeira.com〉

⑨ Šneideris, D., M. Žižitė, I. Zitikaitė, L. Urbanavičienė, J. Staniulis (2013) First report of two distinct strains of Pepino mosaic virus infecting tomatoes in greenhouses in Lithuania. Journal of Plant Pathology, 95(1), 217.

⑩ Alfaro-Fernández, A., M. C. Cebrián, C. Córdoba-Sellés, J. A. Herrera-Vásquez, C. Jordá (2008) First report of the US1 strain of Pepino mosaic virus in tomato in the Canary Islands, Spain. Plant Disease, 92(11), 1590.

⑪ CABI (2015) Crop Protection Compendium. Data sheet on Pepino mosaic virus. (online),available from 〈http://www.cabi.org〉

⑫ Özdemir, S (2010) First report of Pepino mosaic virus in tomato in Turkey. Journal of Plant Pathology. 92(4, Supplement), S4.107.

⑬ Souiri, A., M. Zemzami, H. Laatiris, S. Amzazi and M. M. Ennaji.(2017) First report of Pepino mosaic virus in tomato in Morocco. New Disease Reports, 35, 10.

⑭ Imane B (2016) Survey and molecular characterization. Pepino Mosaic virus (PepMV) infecting tomato crops in Morocco. ARAB AND NEAR EAST PLANT PROTECTION NEWSLETTER 68,15.

⑮ EPPO(2016)EPPO Reporting Service. Paris, France: EPPO. No.8 2016/143. (online),available from 〈https://www.eppo.int/RESOURCES/eppo_publications/eppo_reporting_service〉

⑯ EPPO(2018)EPPO Global Database. Pepino mosaic virus (PEPMV0). (online),available from <https://gd.eppo.int/taxon/PEPMV0/>, (accessed 2018-09-13)

⑰ Davino S., G. P. Accotto, V. Masenga, L. Torta and M.Davino (2009) Basil (Ocimum basilicum), a new host of Pepino mosaic virus. Plant Pathology 58, 407.

⑱ India (2003) Plant quarantine (regulation of import into India) order, 2003 (Update and consolidated version)

⑲ BICON (2018) Australian Biosecurity Import Conditions. (online), available from〈https://bicon.agriculture.gov.au/BiconWeb4.0/〉,(Last accessed:2018.09.26).

⑳ MPI (2018) Seeds for Sowing , Import Health Standard 155.02.05. (online), available from〈https://www.mpi.govt.nz/dmsdocument/1151/loggedIn〉,(Last accessed:2018.09.26).

㉑ EPPO (2013) PM 7/113(1) Pepino mosaic virus. EPPO Bulletin. 43(1), 94–104. ㉒ FAO (2016) ISPM 31 Methodologies for sampling of consignments. available from

〈https://www.ippc.int/en/publications/588/〉, (accessed 2018_08_29) ㉓ 山村光司 (2011) 農学と統計学. 計量生物学Vol. 32, Special Issue, S 19–S 34. (Online), available

from〈https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjb/32/Special_Issue/32_Special_Issue_S19/_pdf/-char/

Page 40: Pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリ …...Pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリシス報告書 平成31年3月25日 改訂 農林水産省

37

ja〉,(accessed 2018_08_29) ㉔ ISTA(2018) ISTA Rules 2018 Chapter 2: Sampling. (Online), available from

〈https://www.seedtest.org/upload/cms/user/ISTA_Rules_2018_02_sampling_updated20171214.pdf〉, (accessed 2018_11_27)

㉕ ISF (2018) ISHI-Veg Protocols. (Online), available from 〈http://www.worldseed.org/our-work/phytosanitary-matters/seed-health/ishi-veg-protocols/〉, (accessed 2018_11_27)

㉖ Australian Government Department of Agriculture and Water Resources (2017) Final pest risk analysis for Cucumber green mottle mosaic virus (CGMMV). (Online), available from <http://www.agriculture.gov.au/SiteCollectionDocuments/biosecurity/risk-analysis/plant-reviews/final-pest-risk-analysis-cgmmv.pdf>, (accessed 2018_12_04)

Page 41: Pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリ …...Pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリシス報告書 平成31年3月25日 改訂 農林水産省

38

別紙2 寄主又は宿主となり得る植物の分布情報

潜在的検疫有害動植物名 Pepino mosaic virus

都道府県 栽培 ※1 自然植生 北海道 ○

青森 ○

岩手 ○

宮城 ○

秋田 ○

山形 ○

福島 ○

茨城 ○

栃木 ○

群馬 ○

埼玉 ○

千葉 ○

東京 ○

神奈川 ○

新潟 ○

富山 ○

石川 ○

福井 ○

山梨 ○

長野 ○

岐阜 ○

静岡 ○

愛知 ○

三重 ○

滋賀 ○

京都 ○

大阪 ○

兵庫 ○

奈良 ○

和歌山 ○

鳥取 ○

島根 ○

岡山 ○

広島 ○

山口 ○

徳島 ○

香川 ○

愛媛 ○

高知 ○

福岡 ○

佐賀 ○

長崎 ○

熊本 ○

大分 ○

宮崎 ○

鹿児島 ○

沖縄 ○

(注) 1. 寄主又は宿主植物と同属の植物が存在する場合には○印を記入する。 2. 栽培されていることが確認された都道府県については、自然植生の調査を省略することができる。 ※1: 地域特産野菜生産状況調査(2006-2007)、作物統計 面積調査(2007)、花木等生産状況調査(2007)、特産果樹生産出荷実績

調査(2008)、林野庁 統計情報 森林資源の現況(2007)、生産農業所得統計(2005-2009)

Page 42: Pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリ …...Pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリシス報告書 平成31年3月25日 改訂 農林水産省

39

別紙3 農業生産等への影響の評価結果表

学名:Pepino mosaic virus 分類:Tymovirales: Alphaflexiviridae 評価項目 得点 文献等の記述

定着の可能性

1.寄主植物の利用可能性及び環境の好

適性 5 47 都道府県に分布

2.潜在的検疫有害動植物の寄主範囲の

広さ 10 科を宿主とする

3.有害動植物の侵入歴 5 5 区に分布

4.潜在的検疫有害動植物の繁殖戦略 5 有害植物

5.リスク分析を実施する地域における中

間宿主の利用可能性 評価しない 中間宿主は必須ではない

6.潜在的検疫有害動植物の生存の可能

性 種子伝搬、土壌伝搬

定着の可能性の評価結果 5.00

まん延の可能性

1.移動距離 / ベクターの移動距離 2 ベクター:飛翔(長距離)、種子(2)

2.化数 / 伝染環数 / ベクターの伝搬

様式 5

ベクターの伝搬様式の情報無し、複

数の伝染環(5)

3.農産物を介した分散 5 47 都道府県で栽培

4.非農産物を介した分散 5 栽培に伴う作業で移動

まん延の可能性の評価結果 4.25

経済的重要性

1.影響を受ける農作物又は森林資源 4 3921.6 億円

2.生産への影響 4 果実のモザイク症状(直接的被

害)

3.防除の困難さ

4.直接的影響の評価結果 4

5.農作物の政策上の重要性 1 政策上重要な農作物を含む

6.輸出への影響 1 有:インド:タバコ種子

経済的重要性の評価結果 5.00

評価における不確実性

ベクターの伝搬様式に関する情報が不明であり、まん延の可能性の自然分散に関する評価には不

確実性を伴う。

農業生産などへの影響評価の結論

(病害虫固有のリスク) 106.3 高い

Page 43: Pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリ …...Pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリシス報告書 平成31年3月25日 改訂 農林水産省

40

別紙4 入り込みの可能性の評価結果表

学名:Pepino mosaic virus

用途:栽植用植物

評価項目 得点 文献等の記述

1.潜在的検疫有害動植物に関連する経路からの入り込みの

可能性

2.加工処理に耐えて生き残る可能性 5 栽植用植物

3.潜在的検疫有害動植物の個体の見えにくさ 5 有害植物

4.輸入品目からの人為的な移動による分散 5 栽植用植物

5.輸入品目からの自然分散 5 栽植用植物

評価における不確実性

特になし

入り込みの可能性の評価の結論 5.0 高い

学名:Pepino mosaic virus

用途:栽植用球根類

評価項目 得点 文献等の記述

1.潜在的検疫有害動植物に関連する経路からの入り込みの

可能性

2.加工処理に耐えて生き残る可能性 5 栽植用球根類

3.潜在的検疫有害動植物の個体の見えにくさ 5 有害植物

4.輸入品目からの人為的な移動による分散 5 栽植用球根類

5.輸入品目からの自然分散 5 栽植用球根類

評価における不確実性

特になし

入り込みの可能性の評価の結論 5.0 高い

Page 44: Pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリ …...Pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリシス報告書 平成31年3月25日 改訂 農林水産省

41

学名:Pepino mosaic virus

用途:栽植用種子

評価項目 得点 文献等の記述

1.潜在的検疫有害動植物に関連する経路からの入り込みの

可能性

2.加工処理に耐えて生き残る可能性 5 有害植物

3.潜在的検疫有害動植物の個体の見えにくさ 5 有害植物

4.輸入品目からの人為的な移動による分散 5 栽植用種子

5.輸入品目からの自然分散 5 栽植用種子

評価における不確実性

特になし

入り込みの可能性の評価の結論 5.0 高い

学名:Pepino mosaic virus

用途:消費用生植物

評価項目 得点 文献等の記述

1.潜在的検疫有害動植物に関連する経路からの入り込みの

可能性

2.加工処理に耐えて生き残る可能性 5 消費用

3.潜在的検疫有害動植物の個体の見えにくさ 5 有害植物

4.輸入品目からの人為的な移動による分散 4 人口比1

5.輸入品目からの自然分散 評価中止 ウイルス

評価における不確実性

消費用生植物のうち生果実を経路とした場合、果実に含まれる種子が本来の用途ではない栽培目的で

使用される可能性があるため、評価の結論には不確実性が伴う。

入り込みの可能性の評価の結論 評価中止 無視できる

Page 45: Pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリ …...Pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリシス報告書 平成31年3月25日 改訂 農林水産省

42

学名:Pepino mosaic virus

用途:消費用穀類(豆類、ナッツ類等食用種子を含む)

評価項目 得点 文献等の記述

1.潜在的検疫有害動植物に関連する経路からの入り込みの

可能性

2.加工処理に耐えて生き残る可能性 評価しない 乾燥耐性に関する

情報無し

3.潜在的検疫有害動植物の個体の見えにくさ 5 有害植物

4.輸入品目からの人為的な移動による分散 1 消費用穀類

5.輸入品目からの自然分散 評価中止 ウイルス

評価における不確実性

栽培目的で使用された場合、評価の結論には不確実性が伴う。

入り込みの可能性の評価の結論 評価中止 無視できる

Page 46: Pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリ …...Pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリシス報告書 平成31年3月25日 改訂 農林水産省

43

別紙5

病害虫リスク評価の結論一覧表

学名:Pepino mosaic virus

農業生産等への影響評価の結論 (病害虫固有のリスク)

高い

用途 入り込みの可能性の結論 輸入経路における

病害虫リスク

栽植用植物 高い 高い

栽植用球根類 高い 高い

栽植用種子 高い 高い

消費用生植物 無視できる 無視できる

消費用穀類(豆類、ナッツ類等食

用種子を含む) 無視できる 無視できる

Page 47: Pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリ …...Pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリシス報告書 平成31年3月25日 改訂 農林水産省

44

別紙6

関連する経路の年間輸入量 検疫有害動植物名:Pepino mosaic virus

大分類 植物名 生産国 発生国 2015 2016 2017

件数 数量 件数 数量 件数 数量

栽植用

植物

キンセンカ

属(地

上部)

イスラエル × 5 120

ケニア × 4 4,400 4 1,040

コスタリカ × 14 245

スリランカ × 1 1,320

キク属 イスラエル × 3 90 11 220 2 1,000

インドネシ

ア × 573 9,794,870 639 12,292,860 486 11,367,870

オランダ ○ 8 335 15 3,251 1 25

ケニア × 2 1,015 5 3,000

コスタリカ × 1 100

ドイツ ○ 25 5,880 37 27,300

ベトナム × 11 150,000 52 644,950 72 1,156,150

マレーシア × 1 600

韓国 × 27 46,320 24 54,600 27 41,820

中国 ○ 14 23,016,312

キク属

(地上

部)

イスラエル × 103 149,880 23 25,860 10 280

インドネシ

ア × 412 27,912,950 610 28,582,770 465 28,317,740

ウガンダ × 392 184,694 345 181,847 451 278,245

エチオピ

ア × 2,018 6,364,879

オランダ ○ 32 1,905 109 6,295 823 15,127

ケニア × 179 39,064 131 135,013 215 235,286

コスタリカ × 4 2,600 4 3,250 3 800

コロンビア × 68 22,100 58 35,450

スリランカ × 944 1,128,705 1,104 1,266,300 1,216 1,420,070

タンザニ

ア × 1,525 5,200,500 1,838 6,385,400 1,888 7,909,933

ドイツ ○ 39 36,100 33 30,200

ブラジル × 94 112,500 96 105,350 56 32,525

フランス ○ 17 16,500 18 14,700

ベトナム × 7,073 63,697,549 7,967 65,094,870 7,899 68,136,707

中国 ○ 51 105,680,000 53 110,344,000 41 92,584,000

レウカンセ

マム属 オランダ ○ 14 4,549 16 5,178 5 1,820

レウカンセ

マム属

(地下

部)

オランダ ○ 6 2,650 4 1,300

レウカンセ

マム属

(地上

部)

イスラエル × 2 40

イタリア ○ 1 10

ケニア × 1 1,000 3 2,900 11 5,360

コスタリカ × 4 6,300 2 3,900 1 3,400

Page 48: Pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリ …...Pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリシス報告書 平成31年3月25日 改訂 農林水産省

45

コロンビア × 3 1,400

セイヨウヒ

ルガオ

(地上

部)

イスラエル × 1 100 3 300

ケニア × 2 120

ドイツ ○ 1 200

エキウム

属 スペイン ○ 1 10

キダチル

リソウ属

(地上

部)

ケニア × 2 200 2 300

コスタリカ × 3 2,700 3 2,850

ゼニアオ

イ属(地

下部)

オランダ ○ 1 300

ゼニアオ

イ属(地

上部)

イスラエル × 3 300

ゼニアオ

イ オランダ ○ 1 104

メボウキ

イスラエル × 6 120 23 3,136 3 1,650

オランダ ○ 1 125

メボウキ

属 (地

上部)

イスラエル × 19 4,250 1 100 5 6,350

コスタリカ × 5 2,500 2 1,000

メボウキ

(バジル) イスラエル × 1 1,200

イタリア ○ 2 2

オランダ ○ 4 283 1 100

メボウキ

(バジル)

(地上

部)

イスラエル × 1 2,120

トマト 韓国 × 102 868,978 107 862,731 114 781,134

台湾 × 3 4,800 2 2,845 1 1,000

トマト

(地上

部)

フィリピン × 1 120

栽植用 キク属 ドイツ ○ 1 2

植物 米国 ○ 3 3 2 24

(組織

培養)

レウカンセ

マム属 ドイツ ○ 1 5

ポーラン

ド ○ 5 266

米国 ○ 1 1

キダチル

リソウ属

オランダ ○ 1 10

ドイツ ○ 1 1

栽植用 トマト属 グアテマ

ラ × 1 1

種子 タンザニ

ア × 1 1

日本 × 1 1

Page 49: Pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリ …...Pepino mosaic virus に関する 病害虫リスクアナリシス報告書 平成31年3月25日 改訂 農林水産省

46

米国 ○ 1 1

チェリート

マト

イスラエル × 3 3

インド × 5 29

日本 × 2 2

トマト イスラエル × 44 55 12 33 20 27

イタリア ○ 4 4 3 3 3 3

インド × 106 1,018 152 1,792 45 746

インドネシ

ア × 17 101

オーストラ

リア × 1 1

オランダ ○ 104 107 92 92 145 145

グアテマ

ラ × 21 21 28 32 10 10

ケニア × 30 36 22 26 13 13

スイス ○ 5 5

スペイン ○ 18 18

スリランカ × 3 3

タイ × 348 2,432 362 1,976 307 1,604

タンザニ

ア × 2 2 14 14

チリ ○ 80 215 58 133 89 225

ドイツ ○ 2 2

トルコ ○ 6 6

フィリピン × 1 1

ブータン × 1 1

ブラジル × 23 166 27 252 99 582

フランス ○ 13 13 28 29 16 16

ベトナム × 13 13 5 13 105 205

ペルー ○ 7 7 8 13 33 64

メキシコ ○ 15 28 32 32

モロッコ ○ 41 41 36 36 49 49

ラオス × 4 43 5 52

英国 ○ 1 1 4 4

台湾 × 8 8 5 5 7 7

中国 ○ 33 600 33 244 28 225

日本 × 6 6 3 3

米国 ○ 1 1 3 35 4 4

トマトコー

ティング

種子

タイ × 2 2

メキシコ ○ 4 4

単位:栽植用植物;本、栽植用種子;kg