(prochile tokyo) - joi

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チリ大使館商務部 (PROCHILE TOKYO) チャンスの国チリ 南米大陸の南西端に位置するチリは、ユニークで 多様な自然に富む国です。この南北に細長い国は、 その温厚で優秀な人材に加えて民主的な制度という 面でも注目されています。 高い教育水準、安定したマクロ経済の土台、海外 投資家への法的保証、南米域内で際立って良好な国 際的イメージといった点が、チリへの信用を生む主 な要素となっています。 経済協力開発機構(OECD)、世界銀行といった国 際機関や、著名なシンクタンクであるEIU(エコノ ミスト・インテリジェンス・ユニット)によると、 チリは南米で最も安全で安定した国とされています。 ビジネスをするのに適した自由貿易を促進する開か れた国として、他の国や経済共同体との提携に積極 的に取り組む姿勢が評価されています。 チリが自由貿易協定や経済協定を締結する国・地 域の市場人口は40億人を超えています。このような アクセスの優位性により、チリは貿易でアメリカ大 陸と世界を結ぶ架け橋となっています。 政府は海外直接投資の主要なエンジン 産業開発公社(CORFO)、チリ外務省輸出振興局 (ProChile)、海外投資委員会(FIC)といった政府 機関は、投資先としてのチリの魅力やメリット、条 件を提示するプロモーションを協調して展開してき ました。 CORFOの「インベスト・チレ」は2000年開始の 投資促進プログラムで、各種の投資振興活動やイン パクトの大きい投資誘致を通じてチリの経済成長力 の強化を図りながら、生産や輸出基盤の多様化を目 指しています。 インベスト・チレは、海外拠点との連携で国内外 の投資家にサービスやインセンティブを提供するこ とにより、投資案件の評価、導入、実現を容易にす ると期待されています。すでにMcAfee、Oracle、 WorleyParsons、Jazzplatといった国際企業がチリ での事業展開を選択しています(http://www. investchile.com)。 一方、チリ外務省輸出振興局(ProChile)は、輸 出企業向けに質の高い情報提供と、主要な国際展示 会へのチリ企業出展支援、輸出促進にかかる特別プ ログラムの実施といったさまざまな支援業務を行っ ています(http://www.prochile.cl)。 最後に、海外投資委員会(FIC)は外国人投資家 による対チリ投資の取引において、チリ側を代表す る機関です。 FICの活動は外国投資関連の法規制に関する情 報提供に加え、各種プロモーションの実施、外国 人投資家や潜在的投資家のための関連情報の企画 開発に焦点を当てています(http://www. inversionextranjera.cl)。 2011.11 47 ●チリ ●コロンビア ●チェコ ●ポーランド 本コーナーでは、当財団(JOI)特別会員である駐日大使館、投資 誘致機関の最新ニュース、イベント情報等を掲載しています。記 事のバックナンバーおよび各種関連情報はJOIウェブサイト (http://www.joi.or.jp/)でご覧いただけます。

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Page 1: (PROCHILE TOKYO) - JOI

チリ大使館商務部(PROCHILE TOKYO)

チャンスの国チリ南米大陸の南西端に位置するチリは、ユニークで

多様な自然に富む国です。この南北に細長い国は、

その温厚で優秀な人材に加えて民主的な制度という

面でも注目されています。

高い教育水準、安定したマクロ経済の土台、海外

投資家への法的保証、南米域内で際立って良好な国

際的イメージといった点が、チリへの信用を生む主

な要素となっています。

経済協力開発機構(OECD)、世界銀行といった国

際機関や、著名なシンクタンクであるEIU(エコノ

ミスト・インテリジェンス・ユニット)によると、

チリは南米で最も安全で安定した国とされています。

ビジネスをするのに適した自由貿易を促進する開か

れた国として、他の国や経済共同体との提携に積極

的に取り組む姿勢が評価されています。

チリが自由貿易協定や経済協定を締結する国・地

域の市場人口は40億人を超えています。このような

アクセスの優位性により、チリは貿易でアメリカ大

陸と世界を結ぶ架け橋となっています。

政府は海外直接投資の主要なエンジン産業開発公社(CORFO)、チリ外務省輸出振興局

(ProChile)、海外投資委員会(FIC)といった政府

機関は、投資先としてのチリの魅力やメリット、条

件を提示するプロモーションを協調して展開してき

ました。

CORFOの「インベスト・チレ」は2000年開始の

投資促進プログラムで、各種の投資振興活動やイン

パクトの大きい投資誘致を通じてチリの経済成長力

の強化を図りながら、生産や輸出基盤の多様化を目

指しています。

インベスト・チレは、海外拠点との連携で国内外

の投資家にサービスやインセンティブを提供するこ

とにより、投資案件の評価、導入、実現を容易にす

ると期待されています。すでにMcAfee、Oracle、

WorleyParsons、Jazzplatといった国際企業がチリ

での事業展開を選択しています(http://www.

investchile.com)。

一方、チリ外務省輸出振興局(ProChile)は、輸

出企業向けに質の高い情報提供と、主要な国際展示

会へのチリ企業出展支援、輸出促進にかかる特別プ

ログラムの実施といったさまざまな支援業務を行っ

ています(http://www.prochile.cl)。

最後に、海外投資委員会(FIC)は外国人投資家

による対チリ投資の取引において、チリ側を代表す

る機関です。

FICの活動は外国投資関連の法規制に関する情

報提供に加え、各種プロモーションの実施、外国

人投資家や潜在的投資家のための関連情報の企画

開発に焦点を当てています(h t t p : / /www .

inversionextranjera.cl)。

2011.11 47

●チリ

●コロンビア

●チェコ

●ポーランド

本コーナーでは、当財団(JOI)特別会員である駐日大使館、投資誘致機関の最新ニュース、イベント情報等を掲載しています。記事のバックナンバーおよび各種関連情報はJOIウェブサイト(http://www.joi.or.jp/)でご覧いただけます。

Page 2: (PROCHILE TOKYO) - JOI

直接投資受入国として上位にランクイン国連から最近発表された「2011年UNCTAD世界

投資報告書」によると、チリは海外投資の受入国と

して初めて上位20カ国にランクインしました。2010

年のチリの直接投資受入額は150億ドル超、前年比で

は17%増と、世界平均の5%増と比べて3倍以上で

す。また、これは全ラテンアメリカ、カリブ地域が

記録した13%より高い数字となっています。

日本企業の対チリ直接投資歴史的には、日本は1974年から2010年までの間に、

累積で30億ドル相当をチリに投資しています(外資

法(D.L.600)に則りチリ政府と投資家間で締結され

る契約ベース)。これは同期間にチリが世界から受け

入れた海外直接投資総額の3.9%を占めています。対

チリ主要投資国は上位から米国(25.9%)、スペイン

(18.7%)、カナダ(17.7%)の順で、日本は第6位

です。

現在、チリには三菱商事、三井物産、丸紅といっ

た知名度の高い日本企業が投資しています。最近で

は住友商事と住友金属鉱山による12億ドルのチリ投

資が決定しました。こうした実績は、両国間の良好

なビジネス環境、さらに日本企業によるチリでのプ

ロジェクト開発に対する信頼の証となっています。

日本からの投資のうち、84.2%は鉱業部門に向け

られています。しかし現在チリには、たとえばエネ

ルギー、インフラ、農業など他の部門においても、

日本の企業にとって大きな魅力となり得るさまざま

な投資機会があります。

お問い合わせは、チリ大使館商務部(TEL:03-

3769-0551、E-mail:[email protected])まで。

コロンビア貿易振興局日本事務所(PROEXPORT COLOMBIA)

コロンビアが投資促進事務所を日本に開設コロンビア政府は、国際市場参入戦略の中で、ア

ジア・太平洋地域に大きなウエイトをおいています。

その戦略の一環として、今年、プロエクスポート・

コロンビア(投資・輸出・観光振興を担当する政府

機関)は、日本に事務所を開設しました。設立の目

的は、日本において、対コロンビア投資を振興し、

さまざまな経済セクターでビジネスチャンスを見出

す投資家を支援することです。

安定したマクロ経済状況と成長を示すコロンビア

は、優れた投資先となる条件を備えています。プロ

エクスポート・コロンビアは、専門的かつ詳細なア

ドバイスを通じて、外国企業をサポートしています。

提供する主なサービスには、外国投資家向けの情報

提供、パブリックセクターと民間セクターの橋渡し、

既存投資家へのサポート、コロンビア出張時の面談

サポートなどがあり、これらのサービスはすべて無

償で行います。

今年、スタンダード・アンド・プアーズ、ムーデ

ィーズおよびフィッチ・レーティングスといった世

界の主要な格付機関が、コロンビア国債の格付けを

引き上げました。これは、コロンビアの対外支払い

能力と財政指標の改善が評価されたものです。スタ

ンダード・アンド・プアーズは「コロンビア経済は、

外的ショックに対する耐性を示しており、中期的な

経済成長の見通しも良好である」と述べています。

2050年の世界経済成長予測に関するHSBC(The

Hong Kong and Shanghai Banking Corporation)

の報告書によると、コロンビアは、2050年時点で、

世界で第26位の経済規模にまで成長し、世界トップ

30圏内に入ると予測されています。GDP規模の拡大

もさることながら、同報告書は、1人当たりGDPの

伸び、良好な人口動態と投資環境などの指標からも、

48 2011.11

サンティアゴ郊外マポチョ川沿いを走る高速道路コスタネーラ・ノルテ (出所:ProChile)

Page 3: (PROCHILE TOKYO) - JOI

コロンビアの躍進を有望とみています。「人口動態の

追い風を受けるラテンアメリカは高水準の成長が見

込まれる。なかでもコロンビアは、域内最高の成長

が予想される」(「2050年の世界経済-予想される変

化を定量分析」HSBCグローバルリサーチ、2011年

1月)。

2009年には金融危機のさなか、世界のGDPが2.1%

減少したのに対し、コロンビア経済は1.5%のGDP成

長率を示し、2010年にはさらに4.3%となりました。

これは世界経済の成長予想3.4%を超えるものです。

わが国の外貨準備高は、過去最高の284億ドル、イン

フレ率は過去最低レベル(2010年3.2%)であり、こ

れはラテンアメリカの最低水準となっています。

コロンビアは、購買力平価(PPP)を適用すると、

世界で28番目という大規模エコノミーであり、ラテ

ンアメリカでは第4位となっています。経済協力開

発機構(OECD)非加盟諸国の中では、最大の経済

国のひとつです。1人当たりGDPは過去6年間で倍

増し、2004年の2482ドルから2010年には6136ドルと

なりました。人口は4690万人で、ラテンアメリカで

は3番目に人口が多く、世界では第24位、スペイン

語圏では第2位です。

お問い合わせは、コロンビア貿易振興局日本事務

所(プロエクスポート) 代表 和合ヒロシ(コロ

ンビア大使館、〒141-0021東京都品川区上大崎3-10-

53、TEL:03-3440-6451、FAX:03-3440-6724、E-

mail:[email protected]、Webサイト:

www.proexport.com.co)まで。

チェコインベスト(ビジネス・投資開発庁)

Bio Road Showチェコインベストでは、定期的にプラハの本庁か

ら各部門の担当者が来日し、日本国内の各企業を訪

問、チェコの最新の投資環境等についての説明を行

う「Road Show」と名づけたキャンペーンを行って

いる。

今回は、10月4日から7日までバイオセクター・

スペシャリストが来日し、東京と大阪のクライアン

ト6社を訪問した。加えてパシフィコ横浜で開催さ

れた「バイオジャパン2011」に参加し、各社のブー

スを訪れ情報収集と意見交換を行った。

チェコ副首相兼外務大臣が日本を公式訪問10月6日から8日には、チェコの副首相を兼務し

ている外務大臣が、経済代表団(16名)と来日した。

日本経団連との会合をはじめ、ジェトロと東京商工

会議所への公式訪問、さらにチェコ大使館でのレセ

プションを行った。

レセプションには、東京オリンピック、メキシコ

オリンピック体操競技の金メダリストであり、チェ

コ日友好協会名誉会長のチャースラフスカー氏も参

加した。

航空機国際カンファレンスでの講演とAerospace Road Show10月26日から28日まで、東京ビッグサイトにて

「中小企業のための航空機国際カンファレンス」が開

催され、チェコインベスト本庁から航空宇宙セクタ

ースペシャリスト、Mr. Netekが講演者として参加

した。

このカンファレンスは、神奈川県主催、JASPA

(Japan AeroSpace Parts Association)株式会社共

催によるカンファレンスで、Mr. Netekはチェコ政

特 別 会 員 ニ ュ ー ス

2011.11 49

チェコ経済代表団

Page 4: (PROCHILE TOKYO) - JOI

府代表として「中央ヨーロッパの中小企業の主な特

徴と、チェコの航空業界との長期的パートナーシッ

プの可能性」について講演した。

加えて、都内近郊の航空宇宙関連企業5社を訪問

し、情報交換も行った。

お問い合わせは、チェコ共和国大使館内 チェコ

インベスト(駐日代表 ヴォトルバ・オンドレイ、

〒150-0012 東京都渋谷区広尾2-16-14、チェコセン

ター2階、TEL:03-3486-0329、FAX:03-3486-

0328、E-mail:[email protected]、Webサイ

ト:www.czechinvest.org)まで。

ポーランド大使館環境に優しい技術を通じた日本・ポーランド間協力ポーランドのエネルギー・セクターでは、環境政

策の一環として、環境に優しい技術への取り組みに

大きな期待が寄せられています。クリーンコール技

術(CCT)、再生可能エネルギー資源、工業部門にお

けるエネルギー効率化の必要性は、外国投資家に広

範なビジネス・チャンスをもたらしています。また、

今後、確実な需要が見込まれるにもかかわらず外国

企業が未参入な分野として、廃棄物処理・リサイク

ル・システムがあげられます。

ポーランドの市場と商機に対する日本企業の情報

不足、そしてポーランドにおける日本の技術・製品

への認識不足が、こういった大きな潜在性をもつ分

野の相互協力に大きな妨げとなってきました。

有望分野での相互協力推進という観点からは、す

でに、産業界でクリーンコール技術分野における協

力が進んでいます。

2010年9月には、日本の(財)石炭エネルギーセ

ンター(JCOAL)、カトヴィツェ中央鉱山研究所

(GIG)およびザブジェ石炭化学処理研究所(IChPW)

との間でクリーンコール技術の開発・利用に関する

協力文書が署名され、情報交換、科学者・エンジニ

ア間交流、共同研究開発事業への道が開かれました。

最優先される協力分野は、①USC(高効率微粉炭火

力発電)、②石炭ガス化、③二酸化炭素の回収・貯蔵

(CCS)です。

2011年8月には、クリーンエネルギー、エネルギ

ー効率化、そしてスマートグリッド分野における協

力合意書が(独)新エネルギー・産業技術総合開発

機構(NEDO)およびポーランド共和国環境省との

間で署名されました。本合意は当該分野での日本・

ポーランド間協力の第一歩となるものです。

上述のような分野での相互協力を有効に進めつつ、

廃棄物処理・リサイクル・システムなど新たな有望

分野での協力について検討するため、ポーランドは

関連の政府諸機関、企業、研究機関とともに、産業

レベルでの二国間協力を支援できる新たなプラット

ホームの創設に向けて取り組んでいます。

11月には、ポーランドから上記各分野の専門家が

来日し、駐日ポーランド大使館主催で11月21、22日

の2日間にわたって協力枠組みの詳細について話し

合う相談会を開催いたしました。日本企業、政府機

関の方々からも多数のご参加をいただきました。

お問い合わせは、駐日ポーランド共和国大使館

経済部(TEL:03-5794-7052、E-mail:tomasz.

[email protected])まで。

50 2011.11

特 別 会 員 ニ ュ ー ス