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2 -1 RS/GIS 実習近藤担当第3回目】 ArcGIS10 による衛星データと様々な地理情報の重ね合わせ ArcGIS10 から衛星画像処理機能が使えるようになりました。画像(ラスターデータ) とベクター情報を重ね合わせて様々な地理情報解析ができます。今回はごく簡単な解析 を試してみましょう。簡単といっても、その可能性はあなた次第で無限に広がります。 ArcGIS によるランドサット画像の表示 ②ランドサット画像の幾何補正 ③公開データの探索とダウンロード、植生図 Shape ファイルの表示 NDVI の計算 NDVI と植生図の重ね合わせと、群落ごとの平均 NDVI の計算 ⑥[討論会]RS/GIS による研究計画 ステップ0:実習の準備 ・ドライブ DC ではないドライブ)に GISexercise フォルダがあるので確認してく ださい。 ・以下の 3 つのフォルダを確認 20011127 フォルダ 2001 11 27 日撮影ランドサット 7 ETM+ pgyosei フォルダ 千葉県の市町村の行政界の Shape ファイル vg_12 フォルダ 環境省、自然環境保全基礎調査成果の第 2 回~第 5 回植生調 査集約シェープファイル。作成年度は平成 6 10 年度(1994 1998 年度) ステップ1:ArcGIS10 による衛星画像の表示 ①画像データの読み込み 千葉県を含む 4500 ピクセル× 5500 ラインの 2001 11 27 日の ETM+画像を準備し ました。 ファイル名:Chiba20121127.ers ER Mapper 画像形式は、*.ers (ファイルディスクリプタ)、*.alg*. (拡張子なし)の 3 つのファイルで構成され、拡張子なしファイルが BIL 形式の画像データです。 注)これは ER Mapper というアプリケーションの様式であり、ArcGIS はその他の形式の 画像も読み込むことができます。多様な形式に対応できるのが商用ソフトウエアのセー ルスポイントです。常に ER Mapper 形式の画像を使う訳ではないことに注意。 ArcCatalog から ArcMap に読み込んで見ましょう。 [手順]ArcCatalog から ArcMap を起動し、画像ファイル(Chiba20121127)を ArcMap ドラッグ&ドロップします。

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【RS/GIS実習近藤担当第3回目】

ArcGIS10による衛星データと様々な地理情報の重ね合わせ

ArcGIS10 から衛星画像処理機能が使えるようになりました。画像(ラスターデータ)とベクター情報を重ね合わせて様々な地理情報解析ができます。今回はごく簡単な解析を試してみましょう。簡単といっても、その可能性はあなた次第で無限に広がります。

① ArcGISによるランドサット画像の表示②ランドサット画像の幾何補正③公開データの探索とダウンロード、植生図 Shapeファイルの表示④ NDVIの計算⑤ NDVIと植生図の重ね合わせと、群落ごとの平均 NDVIの計算⑥[討論会]RS/GISによる研究計画

■ステップ0:実習の準備

・ドライブ D(C ではないドライブ)に GISexercise フォルダがあるので確認してください。

・以下の 3つのフォルダを確認① 20011127フォルダ 2001年 11月 27日撮影ランドサット 7号 ETM+② pgyoseiフォルダ 千葉県の市町村の行政界の Shapeファイル③ vg_12フォルダ 環境省、自然環境保全基礎調査成果の第 2 回~第 5 回植生調

査集約シェープファイル。作成年度は平成 6 ~ 10 年度(1994~ 1998年度)

■ステップ1:ArcGIS10による衛星画像の表示

①画像データの読み込み千葉県を含む 4500ピクセル× 5500ラインの 2001年 11月 27日の ETM+画像を準備し

ました。

ファイル名:Chiba20121127.ers

ER Mapper画像形式は、*.ers(ファイルディスクリプタ)、*.alg、*.(拡張子なし)の 3つのファイルで構成され、拡張子なしファイルが BIL形式の画像データです。注)これは ER Mapperというアプリケーションの様式であり、ArcGISはその他の形式の画像も読み込むことができます。多様な形式に対応できるのが商用ソフトウエアのセールスポイントです。常に ER Mapper形式の画像を使う訳ではないことに注意。

ArcCatalogから ArcMapに読み込んで見ましょう。

[手順]ArcCatalog から ArcMap を起動し、画像ファイル(Chiba20121127)を ArcMap にドラッグ&ドロップします。

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ピラミッド構築のダイアログが出たら、OK としておきましょう。

ArcMap に画像が表示されます。空間情報が定義されていない旨のメッセージが出ますが、まだ投影法を指定していないためです。

②バンドの組み合わせ、ストレッチングの手法を選択

i)バンドの組み合わせ・■■■をクリックし、表示するバンドを選択します。・ETM+は 8バンドあります。

1:青、2:緑、3:赤、4:近赤外、5:短波長赤外 1、6:熱赤外ローゲイン、7:熱赤外ハイゲイン、8:短波長赤外 2

ii)ストレッチング・[Red band4]をクリックしてレイヤプロパティを表示・[ストレッチ]でタイプはヒストグラム平滑化を選択・Green、Blueもストレッチされ見やすい画像が表示される

注)衛星センサは全球の明るい地域から暗い地域の画像を撮影するため、一つのシーンの中の輝度値(DN 値)は一部分に偏ります。そのためストレッチを行うことによりコンピューターの持つ明るさ(0~ 255)全体を使うように補正すると明るく見やすい画像になります。

iii)画像解析ウィンドウ

ストレッチその他の画像処理は≪画像解析≫ウィンドウを使っても可能です。注)アプリケーションソフトウエアでは一つの操作の実行ウインドウに到達するために複数の経路あるいはメニューが用意されていることがあります。

Chiba20121127.ersをアクティブ化(ファイル名をクリック)すると、以下のメニューが利用できますので、ストレッチの中から適当な方法を選択します。

拡大・縮小表示するときのリサンプリング方法も選択できます。

■ステップ2:衛星画像の幾何補正

ArcMap 上にインポートされた画像はそのままでは位置の属性(緯度/経度)を持ちません。そこで、既存の GCP(Ground Control Point)を用いて位置情報を与えます。

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・左は ER Mapperによる GCP選定の作業中。画面では既知の地点の緯度・経度をマニュアルで指定しています。港、橋、交差点等画像と地図の両方で識別可能な

地点の緯度経度と画像座標の組み合わせを複数選択します。

・画像座標(ライン、ピクセル)と緯度経度の組み合わせを多数求めることにより、最小自乗法により両者の変換式を求めることができます。

① ArcMAPによる幾何補正世界測地系(JGD2000)、UTM54帯で画像を作成します。

[手順1:GCPの選択]

(1)緯度経度の取得:

GCPの位置精度が幾何補正の精度を決めます。正確な緯度・経度を読まなければなりませんが、今回は実習ですので簡単な方法を使いましょう。

i)国土地理院地図閲覧サービス(ウォッちず)

http://watchizu.gsi.go.jp/

・地図を選択し、画面中央の+に注目点を合わせると、画面左上に緯度/経度が表示されます。

・ArcMap上で指定した点の緯度経度を読み取ります。

ii)GoogleEarth

・カーソル位置の緯度・経度を読み取ることができますが、GoogleEarth の位置精度は高いわけではないことに注意してください。

・実習では簡便法として GoogleEarthを使っても良いでしょう。

注)緯度・経度の表示フォーマットは[ツール]-[オプション]で変更できます。

(2)幾何補正<ジオレファレンス>

i)幾何補正の準備

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・ArcMapを起動し、座標系を設定しておきましょう。

・[マップレイヤ]を右クリックし、プロパティーを選択します。

・座標系のタグで[座標系選択]-[定義済み]をクリックし、下記を設定します。

日本周辺の投影座標系UTM座標系日本測地系 2000(JGD2000)UTM座標系第 54帯 N(JGD2000.prj)

注)システムの問題で[日本周辺の投影座標系]が出ないマシンがあります。その際は、[インポート]ボタンをクリックし、既存の Shape ファイルから投影座標系をインポートします。そのために下記の Shapeファイルを準備しました。

Georef.shp

・[マップレイヤ]を右クリックし、[プロパティー]で座標系を確認し、および[一般」タグで単位が度(10進)、度分秒になっていると画面上で緯度・経度を確認できます。

・幾何補正を行うファイルを ArcMap に表示させます(ドラッグ&ドロップでよい)。下記のファイルを表示させてください。RGB の各バンドを選択して、ストレッチしてください。

Chiba20121127.ers

注)ピラミッド構造がないとメッセージが出ますが、すなおに OK をクリックしておいてください。また、空間参照が定義されていないとのメッセ-ジも出ますが、単に了解しておいてください。これから投影法をつけるのですから。

・ArcMap の【カスタマイズ】ー【ツールバー】ー【ジオレファレンス】を選択し、≪ジオレファレンス≫バーを表示させる。

ii)GCPの選択

・[コントロールポイントの追加」ボタンを押して、画像上の特徴点を左クリックした後、右クリック、[経緯度の DMS(度分秒)を入力]から緯度・経度を入力します。

注)経度、緯度の順番になっていることに注意

・緯度・経度はあらかじめ、“ウォッちず”か GoogleEarthで読み取っておきます。

・引き続き、GCPを入力します。

・GCP を入力すると画像の位置が動きますので、[コンテンツ]で Chiba20121127.ers を右クリックして[レイヤの全体表示]で画像を再表示してください。3 点入力すると位置が決まりますので、楽に入力ができるようになります。

・まずなるべく離れた位置で 3 点の GCP を入力してください。また、GCP が直線上に並ばないように注意してください。

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注)幾何補正に必要な GSPの個数

・多項式モデルでは最低、1次式で 4(アフィン変換では 3)、2次式では 9,3次式では 16地点必要ですが、最小自乗法で多項式を決定する場合は、この 2~ 3倍の GCPが必要です。よって 1次式の場合、12個を選定することにします。

iii)リサンプリング

・画面上で幾何補正後の画像が見えていますが、まだ新しいファイルは作成されていません。

・[ジオリファレンス]-[レクティファイ]で[名前をつけて保存]ウインドウを表示させます。

・リサンプリングタイプ

○最近隣内挿法(不連続データ用)・・・・・スペクトルの形に意味がある場合共一次内挿法(連続データ用)・・・・・・標高のように連続的に変化する場合三次たたみこみ内挿法(連続データ用)・・画像として判読する場合

・出力場所を指定して、Chiba20011127rec.tif としてセーブしましょう。少し時間がかかります(ウィンドウが消えたら完成)。

・これで幾何補正された新しい画像ができました。ArcCatalog で確認してみましょう。

注)もし表示されていなかったら、[表示]-[最新の情報に更新]で見えるようになるはずです。それでも見えなかったら別の場所にセーブしたということ。

iv)幾何補正された画像の表示

・作成した Chiba20011127rec.tif を ArcMap で表示しましょう。元の画像Chiba20121127.ersを削除(ArcMapから)すれば+カーソルは消えます。

・バンド選択、ストレッチをします。

・カーソルを移動しながら ArcMap画面右下の座標表示で緯度経度を確認してください。

■ステップ3:公開されている地理情報の取得

調査や研究で利用できる地理情報は WEB 上にたくさんあります。データの性質を良く知ったうえで、皆さんの研究に使ってください。実習では環境省が作成した植生図を使うことにします。

i)環境省生物多様性情報システムより植生図 Shapeファイルのダウンロード

http://www.biodic.go.jp/J-IBIS.html・上記 URLより<自然環境 GIS>、< Shapeデータダウンロード>に進む。・植生調査(1/50,000縮尺)より<千葉県>の Shapeファイルをダウンロード。・解凍すると 4つのファイルが生成されるが、vg_12(第2-5回植生調査重ね合わせ植

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生)を使用します。なお、12は千葉県コード。

・解凍が終わると vg_12フォルダに Shapeファイルが生成されている。・投影法の付与:使用する投影法、データムは< UTM54 帯、世界測地系(JGD2000)>注)解凍ファイルには*.prj ファイルが含まれ、投影法は既に設定されているので、<

プロパティー>で確認せよ。

注)ここは各自自分でやることにします。vg_12 フォルダに解凍したデータがすでに入っています。

ii)千葉県植生図の作成(コロプレスマップの作成)

・vg_a.csvに群落コードが格納されているので、群落名と群落コードを確認。以下は例。

開放水域 9931市街地 9902水田雑草群落 9098畑地雑草群落 9071

| |

注)csv ファイルはデータ項目の並びがコンマ、スペース等のデリミッターで区分けされているテキストファイルです。エクセルで読むことができますが、各コンピューターには OpenOfficeがインストールされています。OpenOffice Calc で csvファイルを読んでください。なお、ArcCatalogで直接表示させることもできます。

・[プロパティー]-[シンボル]タグから[カテゴリー]ー[個別値]と進む。

・[値の追加]で群落コードをリストに追加し、色、ラベルを設定。

注)群落名については各自調べること。

・コロプレスマップができたら、[ファイル]-[名前をつけて保存」で*.MXD ファイルとして保存。

MXDファイルに設定がすべて保存されます。

■ステップ4:NDVI画像の作成

ArcMAPによる NDVI画像を作成し、判読します。

・幾何補正した画像を表示させます。

・[ウインドウ]-[画像解析]で<画像解析ウインドウ>を開きます。

・<画像解析ウインドウ>でファイル名をクリックすると処理ができるようになります。

・[処理]の葉っぱのマークをクリックすると、NDVI画像が作成されます。

・作成された画像をセーブします。ファイル名を右クリックし、[データ]-[データのエクスポート]

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注1)画面に NDVI 画像が表示されていますが、メモリー上にあるだけで、解析を進めるためには NDVI 画像ファイルを新たに作成しなければなりません。

注2)NDVI は通常は-1 ~+1 の値をとりますが、ここでは

(NDVI× 100)+ 100の式で表示しているため、-1 ~+1 が0 ~ 200 として記録されていることに注意。

・ArcMapで千葉県の NDVI分布の特徴について判読を行ってください。

■ステップ5:ディゾルブとクリップ

作成された画像には千葉県以外の領域も含まれています。千葉県以外の領域を消去してみましょう。

<ジオプロセッシング>メニューには①バッファ、②クリップ、③インターセプト、④ユニオン、⑤マージ、⑥ディゾルブ、のメニューがあります。実習では、ディゾルブ(ポリゴンの結合)、クリップ(ポリゴンの切り抜き)をやってみましょう。

i)ディゾルブ

・千葉県の市町村行政界のポリゴンファイルを用意しました。

pgyosei 世界測地系(JGD2000)、UTM54

・ArcMap で表示します。個別属性ボタン(i の文字が見えるボタン)で各レコードのフィールドを確認しましょう。KENNAME にはすべてのレコードに“千葉県”が入力されています。

・KENNAME をキーにして、全体を統合した一つのポリゴン、すなわち千葉県の Shapeファイルを作成します。

・メニューから[ジオプロセシング]-[ディゾルブ]を選択

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・ 入 力 フ ィ ー チ ャ はpgyosei.shp

・出力フィーチャは新たに作成するファイルです。

・画面では pchiba.shpとなっていますが、あなたが名前を決めることができます。

・ディゾルブフィールドで結合に使うフィールドを指定します。

・pgyosei はもう要らないのでコンテンツから消去します。どんなポリゴンができあがったでしょうか。

ii)クリップ

・まず、植生図をクリップしましょう。ArcMapに植生図を重ねます。

・クリップでは千葉県の範囲だけ切り抜きます。

・出力フィーチャを指定して OK をクリックします。

注)出力先のフォルダの指定を間違えないように。

・要らなくなった pchibaと vg_12a はコンテンツから消去します。

iii)ラスターデータのクリップ

・作成した NDVI 画像も千葉県以外の部分を含んでいますので、千葉県の範囲で切り出してみます。

・ラスターデータのクリップは ArcToolboxを使います。

・ArcToolbox -[データ管理ツール]-[ラスタ]-[ラスタプロセシング]ー[クリップ(Clip)]

注)ArcGIS では様々なツールがどこにあるのか、ひとつひとつ覚えることでスキルがアップします。

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・入力ラスタに作成した NDVI 画像を指定します。

・出力範囲はクリップに使う Shape ファイルを指定します。

・OKをクリック。

注)左下の[入力フィーチャをクリップジオメトリとして仕様(オプション)]ボタンをチェックしておく。

・クリップしたラスターデータはメモリ上にあるので、さらに解析作業を行うためファイルに書き出します。

・[データ]-[データのエクスポート]

■ステップ7:ゾーン統計

・作成した千葉県の植生図と NDVI画像を重ね合わせて見ましょう。

・ゾーン統計で植生カテゴリーごとの平均 NDVIを求めてみます。

注)ここの空間解析の考え方を発展させてください。研究のアイデアがどんどんわいてくるはずです。

・[ArcToolbox]-[SpatialAnalystツール]-[ゾーン]-[ゾーン統計をテーブルに出力]

・各群落(土地被覆)コードごとの NDVI値について考察せよ。

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■ステップ8:討論会

これまでの 5 回の実習で、GIS による地理情報解析およびリモートセンシング画像解析の基礎を学び、プログラミングによってコンピューターの中身が少しわかったと思います。

実習ではわずかの経験しかできませんでしたが、多数の地理情報(既存の情報あるいは自分で造る情報)を重ね合わせて、空間的な解析を行うことで、様々な発想(アイデア)を実現できることがわかったと思います。

発想を得るためには地理学の知識・経験に基づく地域の理解と GIS 技術の組み合わせが必要です。まず頭の中にデータベースがある必要があり、その容量が大きいほど豊かな発想を得ることができる。ここに勉強する意味がある。

ここまでの手続きを身につけたことで、新たな解析、研究のアイデアが出てくるはずですので、それについて議論したいと思います。

●どのような地理情報・空間情報があるか?●ない情報は作れるか?●組み合わせることによってどんな問題を解くことができそうか?●あなたは何を解きたいか?

■最後に

・オリジナリティーとはほとんどの場合、既存の知見の新しい組み合わせ。・GISを用いて新たな組み合わせを得ることができる。・しかし、始まりは直感に基づく“気づき”であることが多い。・直感を導くのが地理学をはじめとする、様々な分野の知識・経験。・ここに、勉強する必要がある