sangyo2009 02

34
情情情情 情情情 情情情情 情情情 2 2 情情 情情 http://aka.oops.j http://aka.oops.j p/ p/ 情情情情情情情情情 情情情情情情情情情

Upload: akao-koichi

Post on 15-Apr-2017

703 views

Category:

Education


1 download

TRANSCRIPT

Page 1: Sangyo2009 02

情報産業・職業論 情報産業・職業論  22赤尾 晃一赤尾 晃一http://aka.oops.jp/http://aka.oops.jp/

工業社会と情報社会工業社会と情報社会

Page 2: Sangyo2009 02

情報技術と思想情報技術と思想

技術開発→開発者がその技術技術開発→開発者がその技術を用い,どんな社会問題を解を用い,どんな社会問題を解決し,どんな理想社会を実現決し,どんな理想社会を実現しようとするかしようとするか

産業革命を支えた“発明品”以上産業革命を支えた“発明品”以上に,情報技術は新たな社会に,情報技術は新たな社会観・人間観が開発思想の根底観・人間観が開発思想の根底にあるにある

Page 3: Sangyo2009 02

メディア技術の基本的対立メディア技術の基本的対立 技術中立論技術中立論

技術には「思想」はない。社会が必要に応技術には「思想」はない。社会が必要に応じて技術を取捨選択するじて技術を取捨選択する

技術決定論技術決定論 技術には開発者が託した「思想」が隠され技術には開発者が託した「思想」が隠され

ている。したがって,その技術が普及してている。したがって,その技術が普及していくと,「思想」が発動し,社会構造が変いくと,「思想」が発動し,社会構造が変動している動している

ニワトリニワトリ (( 技術技術 )) が先か,タマゴが先か,タマゴ (( 応用応用 )) が先が先かの永遠の二項対立かの永遠の二項対立

Page 4: Sangyo2009 02

情報社会とは情報社会とは

Page 5: Sangyo2009 02

情報と文明情報と文明 コミュニケーション手段と文明コミュニケーション手段と文明

の進化段階の進化段階 (( 重層的構造重層的構造 ))①① ことばの獲得→狩猟ことばの獲得→狩猟②② 文字の獲得 →農耕文字の獲得 →農耕③③ 活版印刷術の登場→工業活版印刷術の登場→工業④④ 電子メディア→情報電子メディア→情報 (( 脱工業脱工業 ))

Page 6: Sangyo2009 02

発展の四段階仮説発展の四段階仮説梅棹忠夫梅棹忠夫マクルーハンマクルーハンダニエル・ベルダニエル・ベル――――――――――――トフラートフラー   (( 第三の波第三の波 ))

Page 7: Sangyo2009 02

たとえばマクルーハンはたとえばマクルーハンは

文字の誕生→狩猟文明から農耕文字の誕生→狩猟文明から農耕文明への移行文明への移行 (( 手書き文書の保手書き文書の保存存 )/)/ 宗教権力・国家の成立宗教権力・国家の成立

活版印刷術の誕生→民主制・工活版印刷術の誕生→民主制・工業的生産様式業的生産様式

電子メディアの誕生→地球村電子メディアの誕生→地球村(( グローバル・ビレッジグローバル・ビレッジ )) ・再部・再部族化族化

Page 8: Sangyo2009 02

技術決定論なのか技術決定論なのか ??

文字文字 (( アルファベットアルファベット )) や活版印刷や活版印刷術を発明した人たちは,文明の新術を発明した人たちは,文明の新たな発展段階を予見たな発展段階を予見 // 想定してい想定していたのかたのか ??

メディア技術を社会が採用を決定メディア技術を社会が採用を決定して,さまざまなファクターが複して,さまざまなファクターが複合していった結果,似たような発合していった結果,似たような発展段階を辿った可能性もある展段階を辿った可能性もある 例外的な事例が多すぎるため例外的な事例が多すぎるため

Page 9: Sangyo2009 02

ダニエル・ベルはダニエル・ベルは産業革命―資本家が人,土地産業革命―資本家が人,土地 (( 物物 )) ,,

金を囲い込み,金を囲い込み,原資本の蓄積。私原資本の蓄積。私的所有的所有:排他的独占:排他的独占

所有所有 ((占有占有 )) することで,資本のすることで,資本の価値は増大価値は増大 (( マルクス『資本論』マルクス『資本論』 ))

富の偏在富の偏在→資本家と労働者の対立→資本家と労働者の対立(( 階級的矛盾の顕在化→社会主義階級的矛盾の顕在化→社会主義 ))

Page 10: Sangyo2009 02

社会の基軸原理社会の基軸原理前工業社会前工業社会:伝統主義→土地・:伝統主義→土地・

資源資源 (( 原材料原材料 )) による限界による限界工業化社会工業化社会:経済成長→投資決:経済成長→投資決

定の国家的または私的管理定の国家的または私的管理脱工業化社会脱工業化社会 (( 情報社会情報社会 )):理:理

論的知識の中心性と集大成論的知識の中心性と集大成 ((モモデル,シミュレーション,予デル,シミュレーション,予測測 ))

Page 11: Sangyo2009 02

社会の編制原理社会の編制原理 (( ベルベル ))

前工業社会前工業社会 工業化社会工業化社会 脱工業社会脱工業社会

産業産業 採取採取 財貨製造財貨製造 サービスサービス

職業職業 採取者採取者 労働者労働者 専門職専門職

素材素材 原材料原材料 エネルエネルギーギー

知識知識

方法方法 経験経験 実験実験 理論理論

指向指向 過去過去 現在現在 未来未来

Page 12: Sangyo2009 02

工業社会と情報社会工業社会と情報社会

工業社会 (近代 ) 社会主義体制

情報社会 ( 脱近代 )

高度消費社会

グローバル化

階級的矛盾

文化的矛盾

組織的矛盾

Page 13: Sangyo2009 02

資本主義の文化的矛盾資本主義の文化的矛盾資本主義の精神資本主義の精神=自己犠牲を厭わず,=自己犠牲を厭わず,おのが天職のために,禁欲的・義務おのが天職のために,禁欲的・義務的に労働する的に労働する ((ヴェーバーヴェーバー ))

文化的矛盾文化的矛盾=メディア・消費文化の=メディア・消費文化の普遍化に伴う普遍化に伴う快楽主義的原理快楽主義的原理の浸透。の浸透。役割の細分化・固定化による無力感役割の細分化・固定化による無力感((管理社会管理社会 ))→→ 脱工業化指向脱工業化指向

Page 14: Sangyo2009 02

情報社会論の系譜情報社会論の系譜

Page 15: Sangyo2009 02

諜報諜報 (Intelligence)(Intelligence) 「情報」は長らく,スパイに「情報」は長らく,スパイに

よる「よる「諜報諜報」活動に意味が限」活動に意味が限定された定された

諜報:相手が秘密にしている諜報:相手が秘密にしている事柄を収集してくること事柄を収集してくること

米米 CIACIA == Central Intelligence AgCentral Intelligence Agancyancy :中央:中央情報情報局局

Page 16: Sangyo2009 02

4回の情報化論ブーム4回の情報化論ブーム

1970 1985 1991 2000

Page 17: Sangyo2009 02

景気変動の影響景気変動の影響好況期に情報技術への関心好況期に情報技術への関心 ((不不況脱却の切り札としての関心況脱却の切り札としての関心 ))

Page 18: Sangyo2009 02

コンピュータ技術史の節目コンピュータ技術史の節目

1960 年代後半 (1970)

未来論 大型汎用コンピュータ

社会的基盤 (インフラ ) の情報化1980 年代

前半 (1985)ニューメディア

ワークステーション(WS)

オフィス・工場の情報化 (OA/FA)1990 年代

前半 (1991)マルチメディア

パソコン,テレビゲーム

生活の情報化

ミレニアム越え (2000)

IT→ブロードバンド

インターネット,情報家電

社会全体の情報化

Page 19: Sangyo2009 02

コンピュータの進化コンピュータの進化ENIAC→IBMENIAC→IBM「「 S360S360」→スパ」→スパ

コンコン

19461964

1976

Page 20: Sangyo2009 02

トランジスタの集積度の向トランジスタの集積度の向上上

1948真空管(1)

1959IC(100)

1970LSI〈40〉(40000)

1980VLSI〈 600〉(600000)

Page 21: Sangyo2009 02

大型汎用機の時代大型汎用機の時代科学技術計算からデータ処理へ科学技術計算からデータ処理へ汎用機←→入出力汎用機←→入出力 (( ダムダム ))端末端末「みどりの窓口」「みどりの窓口」 ((‘‘64)64) ,銀行,銀行ATMATM

1964

Page 22: Sangyo2009 02

①①7070 年前後の情報社会論年前後の情報社会論テレビの大衆普及テレビの大衆普及 =60=60 年代後半の年代後半の

““ 3C3C”” ・・電卓戦争電卓戦争 ((’’6464 ~~ ))工業社会の完成工業社会の完成 (( 農村から都市へ農村から都市へ

の人口移動の人口移動 == 過密過密 ::過疎過疎 ))科学技術・未来への科学技術・未来への素朴な信頼素朴な信頼 ((テクノ・ユーテクノ・ユートピア思想トピア思想 ))

1970 年 :大阪万博

Page 23: Sangyo2009 02

TVTV普及普及 :10:10 年間で年間で 9090 %台%台にに

Page 24: Sangyo2009 02

テレビには二つの意味テレビには二つの意味サービス業的性格サービス業的性格 ((何も製造せ何も製造せずず )) 。映像の影響力。映像の影響力 ==一億総白一億総白痴化痴化

民間放送民間放送 ==工業製品の広告宣伝工業製品の広告宣伝費によって産業として成立費によって産業として成立 ((無無料料 ))

テレビテレビ ==「情報社会の牽引者」「情報社会の牽引者」とする諸論とする諸論 (( 梅棹忠夫,マクルーハン梅棹忠夫,マクルーハン ))

Page 25: Sangyo2009 02

19701970 年までの「情報」概年までの「情報」概念念 マスメディアマスメディア (( とくにテレビとくにテレビ ))

などが大量に情報を提供し,などが大量に情報を提供し,それを媒介にして,人々が大それを媒介にして,人々が大量消費に走る量消費に走る

「人々の知的営みによりうま「人々の知的営みによりうまれる“知識”」が「情報」の本質れる“知識”」が「情報」の本質

つまり,「工業的」な「情報つまり,「工業的」な「情報概念」が支配していた概念」が支配していた

Page 26: Sangyo2009 02

「情報」の意味内容の限定「情報」の意味内容の限定化化当時の通商産業省当時の通商産業省「産業構造審「産業構造審議会 情報産業部会」議会 情報産業部会」が「情報が「情報産業」の振興を提言産業」の振興を提言 (1969(1969 年年 ))

そこで定義された「情報化」そこで定義された「情報化」はコンピュータとネットワーはコンピュータとネットワークによる企業活動の効率化クによる企業活動の効率化

コンピュータが開くユートピコンピュータが開くユートピア=ア=コンピュートピア思想コンピュートピア思想

Page 27: Sangyo2009 02

就業構造の変化就業構造の変化第第 11次産業次産業 (( 農林水産業農林水産業 )→)→ 第第

22次産業次産業 ((製造業製造業 )→)→ 第第 33次産次産業業 ((サービス業サービス業 ))==情報関連職業情報関連職業

高付加価値化高付加価値化 == 労働集約型産業労働集約型産業→資本集約型産業→→資本集約型産業→知識集約型知識集約型産業産業 (( 技術やノウハウの活用技術やノウハウの活用 ))

情報サービス産業の育成情報サービス産業の育成

Page 28: Sangyo2009 02

②②19801980 年代の情報社会論年代の情報社会論ミニコン・オフコンの普及によミニコン・オフコンの普及によ

るるオフィス・オートメーションオフィス・オートメーション(OA)(OA) ,産業用ロボットによる工,産業用ロボットによる工場の自動化場の自動化 「産業の情報化」「産業の情報化」の緩やかな進展の緩やかな進展

全国総合開発計画全国総合開発計画 (( 三全総三全総 )) によによる,情報・交通インフラの整備る,情報・交通インフラの整備

国産コンピュータ産業の育成国産コンピュータ産業の育成

Page 29: Sangyo2009 02

ニューメディア:テレビの拡ニューメディア:テレビの拡張張

家庭用電話の普及家庭用電話の普及・全国即時自・全国即時自動通話交換の実現動通話交換の実現 ((‘‘79)→79)→ 電話の電話の多目的利用による多目的利用による家庭の情報化家庭の情報化

電話+テレビ電話+テレビ ==ビデオテックスビデオテックス

Page 30: Sangyo2009 02

ワークステーション→ワークステーション→ PCPC

ALTO(ALTO(GUIGUIの採用の採用 )→PC()→PC( マイマイコンコン )→)→テレビゲーム機テレビゲーム機

1974 1984

1983

PC-8801

Page 31: Sangyo2009 02

③③19901990 年代の情報社会論年代の情報社会論パソコンの普及・高度化によるパソコンの普及・高度化による音楽,画像の統合音楽,画像の統合 (( マルチメマルチメディアディア ))

パソコン通信パソコン通信サービスの登場サービスの登場情報家電による情報家電による生活の情報化の生活の情報化の

進展進展 (( ファクシミリ→携帯電話ファクシミリ→携帯電話…… ))

地域の情報化・情報サービス地域の情報化・情報サービス

Page 32: Sangyo2009 02

④④ 現在の情報社会論現在の情報社会論ITIT(( 情報通信技術情報通信技術 )=)=中核は中核はインイン

ターネットターネット (( さらにはさらにはブロードブロードバンドバンド )) による生活・産業・社による生活・産業・社会全体の変革会全体の変革

放送のデジタル化・多チャンネ放送のデジタル化・多チャンネル化による,ル化による,放送と通信の融合放送と通信の融合

2020世紀型メディア産業の変質世紀型メディア産業の変質

Page 33: Sangyo2009 02

図版引用文献図版引用文献 赤尾晃一・遠峯光正赤尾晃一・遠峯光正 (1984)(1984)『情報通信革命 『情報通信革命 サイエンスアイ』福武書店サイエンスアイ』福武書店

山本明・赤尾晃一協力山本明・赤尾晃一協力 (1981)(1981)『図説 日本文『図説 日本文化の歴史 化の歴史 (13) (13) 現代』小学館現代』小学館

藤竹暁・山本明編藤竹暁・山本明編 (2000)(2000)『図説 日本のマス『図説 日本のマスメディア』日本放送出版協会メディア』日本放送出版協会 /NHK/NHKブックスブックス

小峰隆夫編小峰隆夫編 (1999)(1999)『ビジュアル 日本経済の『ビジュアル 日本経済の基本』日本経済新聞社基本』日本経済新聞社 //日経文庫日経文庫

坂村健坂村健 (1999)(1999)『痛快『痛快 ! ! コンピュータ学』集コンピュータ学』集英社英社

Page 34: Sangyo2009 02

参考文献参考文献 (( 主としてコンピュータ史主としてコンピュータ史 ))

スコットスコット ==マッカートニー・日暮雅通訳マッカートニー・日暮雅通訳 (20(2001)01)『『エニアックエニアック 世界最初のコンピュータ開 世界最初のコンピュータ開発秘話』パーソナルメディア発秘話』パーソナルメディア

マイケルマイケル ==ヒルツィク・鴨沢真夫訳ヒルツィク・鴨沢真夫訳 (2001)(2001)『『未来をつくった人々未来をつくった人々 ゼロックス・パロア ゼロックス・パロアルト研究所とコンピュータエイジの黎明』毎ルト研究所とコンピュータエイジの黎明』毎日コミュニケーションズ日コミュニケーションズ

長谷川浩行長谷川浩行 (2000)(2000)『『ソフトウェアのソフトウェアの 2020世紀世紀 ヒトとコンピュータの対話の歴史』翔泳社ヒトとコンピュータの対話の歴史』翔泳社

相田浩相田浩 (1995)(1995)『『電子立国日本の自叙伝電子立国日本の自叙伝 11 ~~66 』日本放送出版協会』日本放送出版協会 /NHK/NHKライブラリーライブラリー