scc2014 sound
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• ActionScript, PHP, MySQL,JS etc.
• 音極道の中の人
• 勤務遍歴:富士通 クリプトンフューチャメディア インフィニットループ etc.
• 株式会社アトラクト 代表取締役
自己紹介
アジェンダ
• 初音ミク:1つのDTM音源ソフトが起こした奇跡
• SHAZAM:最先端『音楽検索』のメカニズム
• iKaossilator / TNR-i:楽器としてのiPadの可能性
• Spotify:賛否両論、音楽業界に一石を投じる黒船
現代を象徴するサウンドツールやアプリ、 サービスをピックアップし、
音楽と音楽ビジネスの未来を考察する
初音ミクの概要・2007年8月31日、札幌のクリプトンフューチャーメディア が発売した、ボーカル音源ソフト。 ・ヤマハが開発した音声合成システム「VOCALOID」の Version 2(当時)を採用。 ・音声DBの提供者として声優の藤田咲を採用し、またキャラ クターデザインをイラストレータKEIが担当して、ヴァー チャルアイドルというコンセプトで売り出した。 ・発売当初から、ニコニコ動画などを中心に大きな話題とな り、初音ミクを使用した大量の楽曲・動画が投稿された。 結局、発売初年度だけで4万本超を売り上げるという、 DTMソフトとしては前代未聞の大ヒットを記録。
初音ミクの何が『奇跡』だったのか(1)
発売直後から爆発的にヒットしたにも関わらず、 DTMヘビーユーザ(従来のメインターゲット層)からの 反応、評価は芳しくなかった。
(自然発生的に)新たなマーケットが生成され、 ブームを牽引した。
初音ミクの何が『奇跡』だったのか(2)
キャラクタを前面に出した販売戦略そのものが秀逸だったのは確かであるが、それだけがヒット要因というにはあまりにも説明がつかない。キャラクタデザインが他と比べても突出してハマり過ぎた。
関連グッズ売り上げ、楽曲投稿数、メディア展開の事例数など、あらゆる指標において、発売から約7年が経過した今でも、他の追随を許さないぶっちぎりのトップキャラクタ。
初音ミクの何が『奇跡』だったのか(3)
クリプトンが、PCL(ピアプロキャラクターライセンス)などに見られる様に、キャラクタの二次利用等に関して、企業としては異例といっていいレベルでユーザフレンドリーな権利ポリシーを掲げた
初音ミク関連作品は結果として権利的に「真っ白」な作品が殆どとなり、様々な方面へ流通していく促進剤となった。
初音ミク 止まらない進化
2008年8月初音ミクを使用した楽曲のCDが初めてメジャーレーベルから発売される。(Re:package / livetune)
https://www.youtube.com/watch?v=fz-Lz3r__7U
2009年6月初音ミク発売2周年記念ライブイベント「ミクフェス '09(夏)」開催。透過スクリーンが初めて使用された。
https://www.youtube.com/watch?v=NHYhMw-v90s
2011年5月トヨタ・モーター・ノースアメリカがトヨタカローラの北米向けCMに初音ミクを採用 https://www.youtube.com/watch?v=vHycVHJ2raA
2012年11月 富田勲「イーハトーヴ交響曲」世界初演に初音ミクがソリストとして出演 https://www.youtube.com/watch?v=QYJ1sW6RgdQ
2014年5月 レディガガ世界ツアーのオープニングアクトを初音ミクが務める https://www.youtube.com/watch?v=v03aesG_JUs
2014年5月ジャカルタ(インドネシア)にて初音ミク総合イベント「HATSUNE MIKU EXPO」の第一弾が開催 https://www.youtube.com/watch?v=Bo2LO4kWsyY
SHAZAMの概要
・主にスマートフォン向けに展開している音楽検索サービス。 イギリスのShazam Entertainment Limited社が運営。 ・スマホのマイクからリアルタイムでかかっている曲の音を 拾い、検索結果としてその曲のタイトル / その楽曲の iTunesStoreへのリンク / YouTubeへのリンクなどを提示する いわゆる『音楽認識技術』を用いた検索サービス。 ・競合サービスとして、SoundHound, MusicID などがある。 ・SHAZAMのスマートフォンアプリは、iPhone, Android, WindowsPhone, BlackBerryなど、主なプラットフォーム はすべて網羅している。また、広告が表示される無料版と有 料版がある(競合のSoundHoundも同様)。
SHAZAM 検索の仕組み
基本的な処理の流れは、他の競合サービスも変わらない。 サービスの質を決定するキモは、 (1) 音楽認識技術の精度(フィンガープリントの生成方法?) (2) 楽曲カタログDBの登録楽曲数 (3) ユーザへのホスピタリティ(検索結果にiTuneStoreのリンクをセットするなど) の3点。
「○○認識」技術の基本概念
上の2枚の画像、左は僕の免許証の写真をスキャンしたJPEGファイル、右は僕のバンドが 演奏した『Georgea on my mind』のMP3ファイルを それぞれバイナリエディタで開いた ところのスクリーンショット。 結局、コンピュータから見ると、画像も音楽も動画も文章も、数字の羅列にすぎない。 この数字の固まりから、なんらかの数学的手法をもって、そのデータの特徴的なパターン を抽出し、アイデンティファイ(特定)する、というのが、「○○認識技術」の根本原理。 なので、「顔認識技術」も「音楽認識技術」も「動画認識技術」も、根本は同じです。
KAOSSILATORの概要・2007年、KORG(コルグ)より発売された、片手で持てるハンディタイプのフレーズシンセサイザー。シンセに対する敷居を一気に低くした「誰にでも楽しめる」シンセサイザーであり、KAOSSファミリーにおけるガジェット路線の原点。 子供のおもちゃとしても使用されるなど、これまでの想定を超えるファン層を獲得し、ハードウェアとしては異例のヒットとなった。その後、Kaossilator2, Kaossilator Pro といった後継機種も発売された。
TENORI-ONの概要
・2007年に英国で先行発売、国内では2008年に発売された、YAMAHAの電子楽器。メディアアーティストの岩井俊雄とYAMAHAとの共同開発によって生まれた。 縦横16個ずつ、系256個のLEDボタンを操作することにより、音楽の専門知識などに関係なく、直感的に独創的な音楽を奏でることができる。
iKaossilator / TNR-i
先に紹介した、2つの電子楽器がiPadでアプリとなって生まれ変わった。 TENORI-ONのアプリ版『TNR-i 』、Kaossilatorのアプリ版『iKaossilator』はいずれも2011年リリース。実機本体には無かった機能も追加され、本体とは違った使用感や高いコストパフォーマンスで大きな注目を集めた。 現在ではどちらのアプリも、iPhoneでも使用可能。
Spotifyの概要・スウェーデンで2006年に開始されたストリーミング型音楽配信サービス。 ・世界57カ国でサービスを提供しているが、日本ではまだ対象外。 ・アクティブユーザはすでに4000万人を超えると言われている。 ・楽曲カタログ数は、公称2000万曲。 ・特筆すべきはその料金体系で、プロモーション会員であれば、広告表示&機 能制限はあるものの、これだけの楽曲数のストリーミングを無料で楽しむ ことができる。 プレミアム会員は、広告非表示&すべての機能が使え、月額9.9ドル。 ・有料会員数は、公称1000万人。 ・楽曲提供側である、アーティスト&レーベルへの利益還元の仕組みも持つ。 ・無料会員への広告表示による収益、プレミアム会員の再生回数に応じた還元 制度がある。1再生で約0.4円を保証しており、再生回数が増えれば増える ほど単価が上がる。
米国での状況 昨年、iTunesStoreでのダウンロード販売総売り上げが5.7%減少。 その主な要因が、Spotifyをはじめとするストリーミング型配信サービスの台頭と見られている。 Spotifyに代表される、ストリーミング型サービスが今後主流になるであろうことは、ほぼ既定路線。
しかしながら、Spotify型のビジネスモデルには、アーティストを中心に根強い批判がある。
RadioHead トムヨークによる批判
「間違わないでくれ。君らがSpotifyで発見した新人アーティストには金が支払われていない。一方で、株主にはそのうち金が転がり込むことになる」
Spotifyから自身のソロアルバム、およびユニット、アトムフォーピースの音源を撤収 !関連リンク:トム・ヨーク、Spotifyからの音源削除に賛否両論(Barks)