sdgsを決めるにあたって考えられたこと 17の目標 …20 21 貧 ひん 困 こん...
TRANSCRIPT
SDGsの17の目標は、「5つのP」の
要素のいずれか一つ以上に関わって
います。5つのPとは、
People(ピープル/人間)
Planet(プラネット/地球)
Prosperity(プロスペリティ/豊かさ)
Peace(ピース/平和)
Partnership(パートナーシップ)
です。
SDGsの根底にある、とても重要で
力強い意志をあらわしたものです。
すべての人のための目標の達成をめ
ざし、もっとも弱い立場の人々に焦しょう
点てん
をあてます。だれかを取り残した
り、だれかの犠ぎ
牲せい
のもとに達成する
ゴールはありえないという考えです。
5つのP
だれひとり取り残さない No one will be left behind
SDGsの17の目標は、平和や暴力、
格差の拡かく
大だい
、環かん
境きょう
問題など広い範はん
囲い
の問題に取り組むもので、それぞれ
密みっ
接せつ
に関係しあい、「経けい
済ざい
」「社会」
「環かん
境きょう
」の3つのバランスがとれるよ
うに設定されています。例えば、貧ひん
困こん
や不平等のような経けい
済ざい
・社会に関
する問題の解決にあたっては、環かん
境きょう
を守ることにも配はい
慮りょ
するようにして
います。
経け い
済ざ い
、社会、環か ん
境きょう
の調和
12 13
SDGsは「17の目標」と「169のター
ゲット」からなりたっています。17
の目標(ゴール)それぞれにいくつか
のターゲットが定められています。
ターゲットとは「いつまでに、何を、
だれが、どのようにして取り組むか」
という具体的な達成項こう
目もく
をあらわし
たものです。
SDGsの17つの目標には全世界共通のアイコン(色とマーク)が決められています。
目標とターゲット
17の目標と169のターゲット
貧ひん困こんをなくそう 人や国の不平等を
なくそう
すべての人に健康と福
ふく祉しを
つくる責せき任にん
つかう責せき任にん
ジェンダー平等を実現しよう
海の豊かさを守ろう
エネルギーをみんなにそしてクリーンに
平和と公正をすべての人に
飢き餓がをゼロに 住み続けられる
まちづくりを
質の高い教育をみんなに
気候変動に具体的な対
たい策さくを
安全な水とトイレを世界中に
陸の豊かさも守ろう
働きがいも経けい済ざい成長も パートナーシップで
目標を達成しよう
産業と技術革かく新しんの
基き盤ばんをつくろう
ターゲット
7ターゲット
10
ターゲット
8
ターゲット
5ターゲット
12
ターゲット
9ターゲット
10
ターゲット
13ターゲット
11
ターゲット
12ターゲット
19
ターゲット
8ターゲット
12
ターゲット
10ターゲット
5
ターゲット
8ターゲット
10
17の目標
SDGsを決めるにあたって考えられたこと
ターゲット
169
20 21
貧ひ ん
困こ ん
をなくそう
ゴミため場で売れるものを探さが
す国内避ひ
難なん
民みん
ムハマド・モズさん(15歳
さい
)。2、3日かけてようやく80~110円を得ます。2年前過か
激げき
派は
がおそった村から逃に
げ出し、学校に行っていません。学費が無料でもその他のお金が払
はら
えないからです。ムハマドさんは将
しょう
来らい
について考えることすらできないと言います。
将しょう
来らい
のことなんて考えられない
© UNICEF/UN016296/GILBERTSON Ⅶ
1990年に世界中で19億人いたといわ
れる極度の貧ひん
困こん
状態でくらす人の数は、
2015年には、8億3,600万人と半分以
下に減少しました。けれどまだ、多くの人
たちが一人1日あたりの生活費が1.90ド
ル※(1ドル=110円で約210円)未満と
いう状じょう
況きょう
でくらしています。これでは住
まいや食事、教育などを十分にまかなうこ
とはできません。
※以下、本文中のドルはアメリカドルをし
めします。
SDGsで最初にかかげた目標1は、地球上
のあらゆる形の「貧ひん
困こん
」をなくそうという
ものです。「あらゆる形の」とすることで、
「だれひとり取り残さない」というSDGs
の基本理念が反はん
映えい
されています。
どのような状態のことを貧ひん
困こん
というので
しょうか。これは、人によって思いうか
べるイメージもちがいますし、国、地ち
域いき
に
よってもさまざまです。1日1.90ドル未
満というような、どこの社会にいても、日々
の生活にも困こま
るような状じょう
況きょう
は、極度の貧ひん
困こん
、または、「絶ぜっ
対たい
的てき
貧ひん
困こん
」と呼よ
ばれます。
それに対して、その社会で「普ふ
通つう
」とされ
る生活を送ることが難むずか
しいような状じょう
況きょう
を、
「相そう
対たい
的てき
貧ひん
困こん
」と呼び、日本のような先進
国の貧ひん
困こん
には、この考え方をあてはめます。
「貧ひん
困こん
」は、金銭(お金)の面で考えること
が多いのですが、さまざまな意味で生活
への影えい
響きょう
があることから、お金の面だけ
でなく、健康、教育、生活の安全、住まい
の環かん
境きょう
といったこともふくめて、広い意
味で「貧ひん
困こん
」をとらえるという考え方もあ
ります。
注)1日あたり1.90ドルというのは、金
銭的な貧ひん
困こん
を測る基準として一般に使わ
れる世界銀行の「国際貧ひん
困こん
ライン」と呼よ
ば
れるものです。定期的に見直されるため、
SDGsが採さい
択たく
された時点では、1日あたり
1.25ドルとされていました。
貧ひ ん
困こ ん
の実態
貧ひ ん
困こ ん
とは
自宅の前でたたずむイエメンの子どもたち
© UNICEF/UN013965/Shamsan
目 標
1地球上のあらゆる形の貧
ひん
困こん
をなくそう
ナイジェリア