sip(戦略的イノベーション創造プログラム)の概 …...society 5.0 のために...

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SIP(戦略的イノベーション創造プログラム)> ○総合科学技術・イノベーション会議(CSTI)が府省・分野の枠を超えて自ら予算配分して、基礎研究から出 口(実用化・事業化)までを見据えた取組を推進するプログラム。 <第2SIPの開始> ○平成 30年度より開始(令和4年度終了予定) ○府省・産学官連携、出口戦略の明確化、 厳格なマネジメント等の優れた特徴を維持。 ○国際標準化、ベンチャー支援等の制度改革の取組を さらに強化。 <第2SIPの予算> 「科学技術イノベーション創造推進費」 ○平成29年度補正予算 325億円(うち防災25億円) ※平成30年度は平成29年度予算を繰越して使用 ○令和元年度当初予算 280億円(うち防災20億円) 2SIP 12テーマ】 1)ビックデータ・AIを活用し たサイバー空間基盤技術 7)フィジカル空間デジタルデー タ処理基盤 2)IoT社会に対応したサイバー・ フィジカル・セキュリティ 8)自動運転(システムとサービ スの拡張) 3)統合型材料開発システムによ るマテリアル革命 9)光・量子を活用したSociety5.0 実現化技術 4)スマートバイオ産業・農業基 盤技 10)脱炭素社会実現のためのエネ ルギーシステム 5)国家レジリエンス(防災・ 減災)の強化 11AIホスピルによる高度診 断・治療システム 6)スマート物流サービス 12)革新的深海資源調査技術 SIP(戦略的イノベーション創造プログラム)の概要 SIPの特徴> ○総合科学技術・イノベーション会議 が、社会的に不可欠で、日本の経済・産業競争力にとって重要な課題、 プログラムディレクター(PD)及び予算をトップダウンで決定 ○府省連携による分野横断的 な取組を産学官連携 で推進。 ○基礎研究から実用化・事業化までを見据えて一気通貫 で研究開発を推進。 規制・制度、特区、政府調達なども活用。国際標準も意識。 ○企業が研究成果を戦略的に活用しやすい知財システム。 別紙1-1 1

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Page 1: SIP(戦略的イノベーション創造プログラム)の概 …...Society 5.0 のために 政府の広域避難・緊急活動の支援と,市町村の避難勧告・指示の判断の支援

<SIP(戦略的イノベーション創造プログラム)>○総合科学技術・イノベーション会議(CSTI)が府省・分野の枠を超えて自ら予算配分して、基礎研究から出口(実用化・事業化)までを見据えた取組を推進するプログラム。

<第2期SIPの開始>○平成30年度より開始(令和4年度終了予定)○府省・産学官連携、出口戦略の明確化、厳格なマネジメント等の優れた特徴を維持。

○国際標準化、ベンチャー支援等の制度改革の取組をさらに強化。

<第2期SIPの予算>「科学技術イノベーション創造推進費」○平成29年度補正予算 325億円(うち防災25億円)※平成30年度は平成29年度予算を繰越して使用

○令和元年度当初予算 280億円(うち防災20億円)【第2期SIP 12テーマ】

1)ビックデータ・AIを活用したサイバー空間基盤技術

7)フィジカル空間デジタルデータ処理基盤

2)IoT社会に対応したサイバー・フィジカル・セキュリティ

8)自動運転(システムとサービスの拡張)

3)統合型材料開発システムによるマテリアル革命

9)光・量子を活用したSociety5.0実現化技術

4)スマートバイオ産業・農業基盤技

10)脱炭素社会実現のためのエネルギーシステム

5)国家レジリエンス(防災・減災)の強化

11)AIホスピルによる高度診断・治療システム

6)スマート物流サービス 12)革新的深海資源調査技術

SIP(戦略的イノベーション創造プログラム)の概要

<SIPの特徴>○総合科学技術・イノベーション会議が、社会的に不可欠で、日本の経済・産業競争力にとって重要な課題、プログラムディレクター(PD)及び予算をトップダウンで決定。

○府省連携による分野横断的な取組を産学官連携で推進。○基礎研究から実用化・事業化までを見据えて一気通貫で研究開発を推進。規制・制度、特区、政府調達なども活用。国際標準も意識。

○企業が研究成果を戦略的に活用しやすい知財システム。

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Page 2: SIP(戦略的イノベーション創造プログラム)の概 …...Society 5.0 のために 政府の広域避難・緊急活動の支援と,市町村の避難勧告・指示の判断の支援

• 大規模災害が与える国家的危機への対応には,近年の災害時に顕在化した課題を解決するとともに,政府の防災対策に関する計画を確実に実施することで,最先端ICTを活用して災害時に最善の対応が自律的にできる社会(災害時のSociety 5.0)を構築する必要.

災害時のSociety 5.0のために政府の広域避難・緊急活動の支援と,市町村の避難勧告・指示の判断の支援

背 景

大規模災害が与える国家的危機への対応においては,近年の災害時に顕在化した課題を解決するとともに,政府の防災対策に関する計画を確実に実施することが必要.これにより,最先端ICTを活用して災害時に最善の対応が自律的にできる社会(災害時のSociety 5.0)を構築することが求められる.

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Page 3: SIP(戦略的イノベーション創造プログラム)の概 …...Society 5.0 のために 政府の広域避難・緊急活動の支援と,市町村の避難勧告・指示の判断の支援

避難対象エリアの指定避難・勧告指示タイミング

緊急活動の優先順位付け

Ⅶ.市町村災害対応 市町村の災害対応

Ⅳ.水資源の効率的確保災害時の緊急的な水源確保や渇水被害の軽減のため,地下水障害に対応して持続可能な地下水取水可能量を把握する災害時地下水利用システムを開発.

Ⅴ.線状降水帯対策線状降水帯による水害・土砂災害からの避難エリアの指定や,避難勧告・指示のタイミング判断のため,観測と分析を組み合わせた線状降水帯観測・予測システムを開発.

大量の災害情報をAI処理し,必要な情報を自動抽出することで,避難対象エリアや避難勧告・指示タイミングの判断の支援を行う市町村災害対応統合システムを開発.

気候変動

あらゆる手段を用いて,避難に必要となる災害情報を収集し,国民一人ひとりへ提供衛星 ドローン 位置情報 チャットボット SNS

ヘリ プローブデータ etc

交通量把握・迂回路設定

保健医療資源の最適配分

物資需給マッチング途絶領域での通信確保

避難所運営大規模・広域避難

Ⅰ.避難・緊急活動支援

連携

第1期SIPの成果であるSIP4Dを活用し,大規模災害に対して広域避難・緊急活動を確実に実施し,国民一人ひとりに対して避難に必要な災害情報の提供を実現する避難・緊急活動支援統合システムを開発.

Ⅲ.広域経済早期復旧支援地域BCPの作成や,主要インフラ被災状況の迅速なモニタリングに基づいた最適な応急復旧の支援を行う広域経済早期復旧支援システムを開発.

操業

時間軸

災害発生復旧

現状の復旧曲線BCPによる復旧曲線

Ⅵ.スーパー台風対策スーパー台風による高潮・高波,河川水位,氾濫エリアを予測するスーパー台風被害予測システムを開発.

Ⅱ.被災状況解析・予測

災害発生

衛星データやビッグデータをAI等を活用して解析することで被災状況を把握し,ニーズに応じて共有する被災状況解析・共有システムを開発.

大規模災害

大規模地震・火山災害や気候変動により激甚化する風水害に対し、市町村の対応力の強化、国民一人ひとりの命を守る避難、広域経済活動の早期復旧を実現するために、南海トラフ地震等の防災に関する政府計画を実施する必要がある。そこで、本SIPでは、衛星・AI・ビッグデータ等を利用する国家レジリエンス強化の新技術を研究開発し、政府と市町村に実装することにより、政府目標達成に資するとともに、災害時のSociety 5.0の実現を目指し、SDGsに貢献。

国家レジリエンス(防災・減災)の強化

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プレゼンター
プレゼンテーションのノート
本研究開発の全体像です. 政府と市町村それぞれに,意思決定を支援する統合情報システムを開発します. 研究開発のスケジュールは,まず,プロトタイプとなる情報システムを開発します.そして,継続的な実証実験と災害対応訓練を介して,情報システムを統合し,これを政府と市町村の実装を図ることです.
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■ 研究開発の内容 ■

初動や緊急対応を行うための緊急物資や支援要員の配分の判断等に不可欠な情報が不足. 第1期SIPの成果であるSIP4Dを活用し、災害関連情報の時間的・空間的変化(災害動態)の分析が可能となる避難・緊急活動支援統合システムを開発

災害動態(例:物資支援時の被害状況、道路通行可否情報、避難所・避難者数情報)の収集,分析,予測を行うことで,派遣指示,避難支援,物資支援など,最適かつ迅速なオペレーションを実現.

避難・緊急活動支援統合システムを開発し,政府の情報を収集し配信

最適かつ迅速な避難支援等のオペレーションの実現

初動・緊急活動に不可欠な情報の充実が必要

災害状況の変化を動的に把握することが困難

政府の緊急活動における横断的連携が不可欠

交通確保・保健医療支援・物資支援のシステム連動

多種多様なデータを集約し、災害動態として解析することにより、意思決定を支援する

一人ひとりへの避難支援

自然災害の状況を災害動態として再現・時空間解析する技術

デジタルツイン

レジリエントネットワーク

通信途絶を解消し、災害動態を集約する技術

フィードフォワード

災害動態を先読みし、先手を打つ意思決定支援技術

※テーマⅡ~Ⅵと連携

現地災対本部における災害動態の統合的可視化

テーマⅠ.避難・緊急活動支援統合システム開発の概要

※テーマⅦと連携

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Page 5: SIP(戦略的イノベーション創造プログラム)の概 …...Society 5.0 のために 政府の広域避難・緊急活動の支援と,市町村の避難勧告・指示の判断の支援

SIP4Dと都道府県防災情報システムとの連接による情報共有自動化のための技術開発と実証を行い,SIP4Dを通じた迅速な情報共有のための体制づくりを進める.

国土交通省DiMAPS

通行実績

指定公共機関提供情報

防災科研リアルタイム被害推定

防災科研土砂災害・浸水発生危険度

共通状況図COP

都道府県担当部署

都道府県災害対策本部

SIP4Dを活用した災害情報リアルタイム共有促進技術開発

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Page 6: SIP(戦略的イノベーション創造プログラム)の概 …...Society 5.0 のために 政府の広域避難・緊急活動の支援と,市町村の避難勧告・指示の判断の支援

Shared Information Platform for Disaster management基盤的防災情報流通ネットワーク

第1期SIP「レジリエントな防災・減災機能の強化」において、紙地図や手書きホワイトボードで行っていた情報集約を電子地図上で行い、関係機関で情報共有を可能とする技術「SIP4D」を開発.

SIP4Dの概要

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Page 7: SIP(戦略的イノベーション創造プログラム)の概 …...Society 5.0 のために 政府の広域避難・緊急活動の支援と,市町村の避難勧告・指示の判断の支援

ISUT(Information Support Team:災害時情報集約支援チーム)は、SIP4Dを活用し、大規模災害時に災害情報を集約・地図化・提供して、自治体等の災害対応を支援する現地派遣チーム

現地(被災都道府県の災害対策本部等)で、国・自治体・民間の災害対応機関から、気象等の状況、インフラ・ライフラインの被災状況、避難所の開設状況等の災害情報を収集して地図化

災害ごとに開設する専用Webサイト(「ISUTサイト」)等で災害対応機関に提供

概要

活動内容

ISUTが提供する地図の例(避難所支援用地図)広域図 詳細図

避難者数

給水拠点

道路規制箇所

特徴①インターネット環境があれば、どこでも閲覧可能

拡大

縮小

特徴②必要に応じて地図の重ね合わせが可能

特徴③拡大・縮小が可能

ISUT(Information Support Team)についてアイサット

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