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8
2020年(令和2年) 6月[No.315] 2 ●牧草収穫に追われた酪農家の皆様、まずはお疲れ 様でした。今年春の収穫量は如何でしたか? ●一昨年でしたか、”ヨトウムシ”に蝕まれ残念な状況 の年もありました、今年は幸いにもその様な話題が 聞こえてこないのは嬉しい限りであります。 ●毎年、5月から6月の里山は新緑に包まれ、田植えが 終わった水田の稲ジュータンや、萌ゆる木の葉は目を 和ましてくれます。 ●快晴の早朝はとりわけ綺麗で、冷涼感ある空気から 「よし、今日も頑張ろう」との気持ちも湧きます。皆さ んは如何でしょうか? ●特に、今年は新型コロナウイルス感染症の影響によ る外出自粛制限から家庭で花や野菜作りに挑戦し た方が多いと聞きます。 ●家庭菜園では、ジャガイモ、エンドウ豆、ナス、キュウ リ、トマト、トウモロコシ、カボチャなどの夏野菜も作 付けされ、収穫時を楽しみにされている方も多いもの と想います。 ●ちなみに、ジャガイモは植え付けしてから約3ヶ月で 収穫時期を迎えますが、収穫時期のタイミングを間 違えるとせっかく育てたジャガイモが腐ってしまうの で注意したいものです。 ●我が家の畑では、6月上旬ジャガイモの花が満開を 迎えました。現時点では、幸いにも害獣”猪”に窃盗被 害に遭うことも無く、順調に育っている安堵感も手 伝って、ついジャガイモの花に見とれて写真撮影に興 じてみました。 ●まじまじと見ると、何と美しく綺麗なこと・・・。 ●ジャガイモの花は品種によって異なりますよね!! ●ここで問題です。 「さて、表紙写真を彩る花のジャガ イモ品種は何でしょうか?」 ●ジャガイモの花言葉は、 「慈善」 「慈愛」 「情け深い」 「恩 恵」だそうです。 ●この由来は、基本的な食材として、人類を支えている 存在としてのイメージからのものだそうです。 ●ともあれ、収穫後にはジャガバター、カレーライス、コ ロッケ等々の食材として、口にする日を楽しみに、後 少しの間、成長を見守りたいと思います。獣害対策に 備えながら・・・。 (A.N) 表紙写真 2020.6 撮影 CONTENTS ② 特集 第9次中期計画策定に向けて ⑩ トピックス ⑪ 会議だより ⑭ ミルクパーラー ㉒ お知らせ ㉔ 技術情報 ㉖ 酪農テレックス 目次 酪農コミュニケーション情報誌 Dairy farming Communication information magazine Rakunou-Dayori

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第九次 中期計画策定に向けて

迎える三カ年の重点取組事項

消費者目線 「おらが組合・ワンチーム」~それは意識し続けることから始まる~

特 集

2020年(令和2年) 6月[No.315] 23

●牧草収穫に追われた酪農家の皆様、まずはお疲れ様でした。今年春の収穫量は如何でしたか?

●一昨年でしたか、”ヨトウムシ”に蝕まれ残念な状況の年もありました、今年は幸いにもその様な話題が聞こえてこないのは嬉しい限りであります。

●毎年、5月から6月の里山は新緑に包まれ、田植えが終わった水田の稲ジュータンや、萌ゆる木の葉は目を和ましてくれます。

●快晴の早朝はとりわけ綺麗で、冷涼感ある空気から「よし、今日も頑張ろう」との気持ちも湧きます。皆さんは如何でしょうか?

●特に、今年は新型コロナウイルス感染症の影響による外出自粛制限から家庭で花や野菜作りに挑戦した方が多いと聞きます。

●家庭菜園では、ジャガイモ、エンドウ豆、ナス、キュウリ、トマト、トウモロコシ、カボチャなどの夏野菜も作付けされ、収穫時を楽しみにされている方も多いものと想います。

●ちなみに、ジャガイモは植え付けしてから約3ヶ月で収穫時期を迎えますが、収穫時期のタイミングを間違えるとせっかく育てたジャガイモが腐ってしまうので注意したいものです。

●我が家の畑では、6月上旬ジャガイモの花が満開を迎えました。現時点では、幸いにも害獣”猪”に窃盗被害に遭うことも無く、順調に育っている安堵感も手伝って、ついジャガイモの花に見とれて写真撮影に興じてみました。

●まじまじと見ると、何と美しく綺麗なこと・・・。●ジャガイモの花は品種によって異なりますよね!!●ここで問題です。「さて、表紙写真を彩る花のジャガ

イモ品種は何でしょうか?」●ジャガイモの花言葉は、「慈善」「慈愛」「情け深い」「恩

恵」だそうです。●この由来は、基本的な食材として、人類を支えている

存在としてのイメージからのものだそうです。●ともあれ、収穫後にはジャガバター、カレーライス、コ

ロッケ等々の食材として、口にする日を楽しみに、後少しの間、成長を見守りたいと思います。獣害対策に備えながら・・・。

                    (A.N)

表紙写真 2020.6 撮影

CONTENTS② 特集 第9次中期計画策定に向けて⑩ トピックス ⑪ 会議だより⑭ ミルクパーラー㉒ お知らせ㉔ 技術情報㉖ 酪農テレックス

目次

酪農コミュニケーション情報誌Dairy farming Communication information magazineRakunou-Dayori

スローガン

コンセプト

 広酪は、平成六年の合併設立以後、三カ年を一つの期

間とする中期計画を策定してきました。六月二十六日

(金)開催の第二十六回通常総会では、二〇二〇年度から

二〇二二年度までを期間とした、第九次となる中期計画

の承認を賜る予定としております。

 スローガンは、〝消費者目線「おらが組合・ワンチー

ム」~それは意識し続けることから始まる~〟を掲げ、

今後三年間の取組事項を含めています。

 組合員の皆様には、既に総会資料としてお配りしてお

りますが、今後三カ年の重点取組事項を紹介します。

 広酪に出荷される組合員(酪農家)の生

乳は、広酪、中国生乳販連、乳業社、量販

店等を介して、牛乳等として消費者のもと

に届けられ、男女を問わず幅広い世代に

愛飲、愛食されています。

 現状においては、酪農家戸数の減少か

ら需要に見合う生産の需給調整バランス

が崩れる傾向にあります。

 酪農家は、日々、良質な生乳生産のため

乳用牛の繁殖管理、飼料給与、堆肥処理

等々、多岐に亘る飼養管理者としての責

務のもとに、良質かつ安全・安心な生乳出

荷を目指した日々の努力は、酪農家として

の生計維持はもとより、その先に消費者

の存在を意識されているからと考えます。

この下で、第9次中期計画のスローガンを

次の様に掲げています。

 

 我々は、乳用牛のより良い管理と安全・安心、高品質な生乳生産に励み、消費者の需要に応える酪農家としての社会貢献、そして、生乳生産量の復元と有利販売による手取乳価の確保から酪農所得の向上を図ります。また、牛肉も同様にその先には消費者があることを意識しております。 これには広酪を組織する組合員、役職員が一つのチームとして、酪農業を生業とする組合員が自ら出資し利用するための専門農協として、何でも相談できる頼れる組合「おらが組合」として、安全・安心の農畜産物の生産と供給に励むことができるよう「ワンチーム」、一丸となって協調と対話、そして、相互扶助の精神をもって、社会的責任のもとに社会貢献に取り組みます。 これには、過年度のスローガン“おかげ様「やり甲斐・生き甲斐酪農8020」による感謝の気持ちをもって酪農業を奨励します。

おいしいね♥

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第九次

中期計画策定に向けて

迎える三カ年の重点取組事項

消費者目線 「おらが組合・ワンチーム」~それは意識し続けることから始まる~

特 集

2020年(令和2年) 6月[No.315] 23

●牧草収穫に追われた酪農家の皆様、まずはお疲れ様でした。今年春の収穫量は如何でしたか?

●一昨年でしたか、”ヨトウムシ”に蝕まれ残念な状況の年もありました、今年は幸いにもその様な話題が聞こえてこないのは嬉しい限りであります。

●毎年、5月から6月の里山は新緑に包まれ、田植えが終わった水田の稲ジュータンや、萌ゆる木の葉は目を和ましてくれます。

●快晴の早朝はとりわけ綺麗で、冷涼感ある空気から「よし、今日も頑張ろう」との気持ちも湧きます。皆さんは如何でしょうか?

●特に、今年は新型コロナウイルス感染症の影響による外出自粛制限から家庭で花や野菜作りに挑戦した方が多いと聞きます。

●家庭菜園では、ジャガイモ、エンドウ豆、ナス、キュウリ、トマト、トウモロコシ、カボチャなどの夏野菜も作付けされ、収穫時を楽しみにされている方も多いものと想います。

●ちなみに、ジャガイモは植え付けしてから約3ヶ月で収穫時期を迎えますが、収穫時期のタイミングを間違えるとせっかく育てたジャガイモが腐ってしまうので注意したいものです。

●我が家の畑では、6月上旬ジャガイモの花が満開を迎えました。現時点では、幸いにも害獣”猪”に窃盗被害に遭うことも無く、順調に育っている安堵感も手伝って、ついジャガイモの花に見とれて写真撮影に興じてみました。

●まじまじと見ると、何と美しく綺麗なこと・・・。●ジャガイモの花は品種によって異なりますよね!!●ここで問題です。「さて、表紙写真を彩る花のジャガ

イモ品種は何でしょうか?」●ジャガイモの花言葉は、「慈善」「慈愛」「情け深い」「恩

恵」だそうです。●この由来は、基本的な食材として、人類を支えている

存在としてのイメージからのものだそうです。●ともあれ、収穫後にはジャガバター、カレーライス、コ

ロッケ等々の食材として、口にする日を楽しみに、後少しの間、成長を見守りたいと思います。獣害対策に備えながら・・・。

                    (A.N)

表紙写真 2020.6 撮影

CONTENTS② 特集 第9次中期計画策定に向けて⑩ トピックス ⑪ 会議だより⑭ ミルクパーラー㉒ お知らせ㉔ 技術情報㉖ 酪農テレックス

目次

酪農コミュニケーション情報誌Dairy farming Communication information magazineRakunou-Dayori

スローガン

コンセプト

 広酪は、平成六年の合併設立以後、三カ年を一つの期

間とする中期計画を策定してきました。六月二十六日

(金)開催の第二十六回通常総会では、二〇二〇年度から

二〇二二年度までを期間とした、第九次となる中期計画

の承認を賜る予定としております。

 スローガンは、〝消費者目線「おらが組合・ワンチー

ム」~それは意識し続けることから始まる~〟を掲げ、

今後三年間の取組事項を含めています。

 組合員の皆様には、既に総会資料としてお配りしてお

りますが、今後三カ年の重点取組事項を紹介します。

 広酪に出荷される組合員(酪農家)の生

乳は、広酪、中国生乳販連、乳業社、量販

店等を介して、牛乳等として消費者のもと

に届けられ、男女を問わず幅広い世代に

愛飲、愛食されています。

 現状においては、酪農家戸数の減少か

ら需要に見合う生産の需給調整バランス

が崩れる傾向にあります。

 酪農家は、日々、良質な生乳生産のため

乳用牛の繁殖管理、飼料給与、堆肥処理

等々、多岐に亘る飼養管理者としての責

務のもとに、良質かつ安全・安心な生乳出

荷を目指した日々の努力は、酪農家として

の生計維持はもとより、その先に消費者

の存在を意識されているからと考えます。

この下で、第9次中期計画のスローガンを

次の様に掲げています。

 

 我々は、乳用牛のより良い管理と安全・安心、高品質な生乳生産に励み、消費者の需要に応える酪農家としての社会貢献、そして、生乳生産量の復元と有利販売による手取乳価の確保から酪農所得の向上を図ります。また、牛肉も同様にその先には消費者があることを意識しております。 これには広酪を組織する組合員、役職員が一つのチームとして、酪農業を生業とする組合員が自ら出資し利用するための専門農協として、何でも相談できる頼れる組合「おらが組合」として、安全・安心の農畜産物の生産と供給に励むことができるよう「ワンチーム」、一丸となって協調と対話、そして、相互扶助の精神をもって、社会的責任のもとに社会貢献に取り組みます。 これには、過年度のスローガン“おかげ様「やり甲斐・生き甲斐酪農8020」による感謝の気持ちをもって酪農業を奨励します。

おいしいね♥

Page 3: SM`Mv Ñ ¿ HÝÍhiroraku.or.jp/book/pdf/rakunou2006/02.pdf · HÝÍ ¤8-hf t²Zo 4Q ~§ åw O : ÊÄò « è ¢®S U Êù~ëï½ Ü¯ f x Ý` Z \qT Ñ ¿ 3 ²°²° %N³ ª²³ &

中期計画2020年度~2022年度における乳用牛導入希望頭数調査結果

業務推進計画と実績乳量の推移(単位:トン)

60,000

55,000

50,000

45,000

40,000

47,493 48,059

47,493 45,977 44,38242,298

47,493 45,977 44,38242,298

49,782

51,493 52,676

2016年 2017年 2018年 2019年 2020年 2021年

事業区分 2021年度

① 3M事業

② 1年貸付

③ 3年貸付

④ 購買導入

88頭

5頭

1頭

12頭

44頭

4頭

0頭

12頭

88頭

1頭

0頭

11頭

2022年度2020年度

1.消費者の期待に応えうる

 酪農生産基盤の確立

3.消費者を見据えた乳成分・衛生的乳質の

 確保と生乳流通の一義的責任

2.生乳生産基盤

 回復の手法

4.安全な食品を提供する

 HACCP・農場GAPの推進

5 4

第9次 中期計画 策定に向けて 特 集

重点取組事項

 近年、広島県内の酪農家では、世

代交代による若き後継者への経営

移譲や、第三者継承による新規就農

が見られ、規模拡大を模索する経営

主も生じています。また、県内では

新規参入企業による搾乳施設の整

備と共に広酪への生乳出荷を希望

する経営体も生じています。

 酪農生産基盤が減退する中に

あって、近年、日本各地で頻発する

災害によって、内地乳業社において

は北海道からの生乳移入が困難と

なり、消費者への牛乳・乳製品の製

造ができない事態を招くことから、

乳業社においては、近隣からの安定

した原料調達先を模索しています。

 こうした背景を見据え、広酪は安

定した生乳供給が図られる生産基

盤を構築し、信頼され期待される生

乳供給元を目指して取り組みます。

 これには二〇一六年策定の業務

推進計画で掲げた目標乳量を目指

して、廃業等によって減少する生乳

生産を補うため、様々な環境変化が

ある中で、次世代の生乳生産基盤を

支える乳用雌子牛の出生率低下へ

の歯止め策を講じ、搾乳供用牛の長

命連産性につながる飼養管理・衛生

管理の指導支援、更には、新たな預

託育成事業への取り組みも検討の

視野に入れて課題解決に向けて取

り組みます。

 これらの対応を図りつつ、消費

者からの生乳需要に応じ、そして、

組合員による年間生乳生産申告数

量と実績数量の乖離から生じる生

産コスト(集乳費用等)の上昇防止

に向けた多方面からの指導・支援

により、酪農経営所得の維持向上

に努力します。

 また、高齢や不慮の事故、傷病に

よって廃業される生乳出荷者もお

られる中で、「おかげさま・やり甲斐・

生き甲斐酪農八〇二〇」の精神から、

互いに感謝の気持ちをもって、健康

で心豊かな酪農経営を支援し、新た

な「酪友」としての連携、仲間づくり

の必要性を加味し、県域、地域単位で

の研修会を開催する等して、更なる

経営・技術レベルの向上を図ります。

 広酪推奨の後継牛確保基準を目

安に生乳出荷組合員個々の後継牛

確保計画を確認して、雌雄判別精液

の活用や全酪連の買取預託事業の

活用を推進します。

 生乳需要期対応酪農経営向上対

策事業(3M事業)の他、各種乳用牛

導入事業を推進し、先を見た後継牛

確保を促します。

 兼ねてより検討を続けておりま

す県内預託、若齢預託牧場の設置に

は、再度、組合員訪問からのニーズ

把握にあたり、全酪連や県、市町行

政の他、生乳出荷組合員等が自ら受

入預託牧場として育成牛を受け入

れたいとする意向を募り、預託先と

して適切な農場があれば、広酪とし

ても組合員間の事業連携を斡旋す

る等して、広い視野をもって前向き

な検討を進めます。

 乳質改善指導に向けては、基本

的な搾乳手順の励行を推奨し、ミ

ルカー点検、バルクスクリーニン

グ検査、FFA(遊離脂肪酸)、BH

B(β―

ヒドロキシ酪酸)検査結果

を組み合わせた乳質改善指導と乳

房炎防除の相乗効果を求めて指導

を強化します。

 また、中国生乳販連の衛生的乳

質格差金に係る統一評価基準にお

ける激変緩和措置からなる指導費

は、乳質レベルの向上に向けた事

業に活用し、消費者を見据え、乳業

社にも期待される良質乳出荷を目

指します。

 広酪が運営する広域生乳需給調

整施設(以下

三次CS)は、近年、自

然災害や新型コロナウイルス感染

症拡大防止に関連して生じた学校

給食用牛乳の停止に伴う余剰乳の

調整等で機能発揮をしています。

 そうした中で、施設老朽化もあ

る中で経費を抑えた運用をして

います。二〇一九年度には、三次

CSで使用する井戸水が枯渇す

る事態が生じ、今後の揚水量が期

待できないことから、万一に備え

て三次市上水道からの給水施設

 消費者への食の安全・安心を担

保することで、食品に携わる事業

者としての一義的責任を果たすた

め、三次CS・

ミルクファームHA

RU両施設に及ぶHACCP対応

に取り組みます。

 この導入に向けては、代表理事

組合長をトップとした「HACC

工事を行い、県域内外の基幹受乳

施設を目指します。

P委員会」を二〇一九年八月二十

三日に設置し、HACCP導入に

向けた運用マニュアルの作成に着

手しており、二〇二一年四月の導

入を目指します。

 消費者に提供する生乳や牛肉等

の安全・安心な農畜産物を生産す

るため、生乳生産管理チェック

合 計 106頭 60頭 100頭

50,29649,225

51,11853,011

56,788 56,798

54,904

実      績

当初業務推進計画

修正業務推進計画

Page 4: SM`Mv Ñ ¿ HÝÍhiroraku.or.jp/book/pdf/rakunou2006/02.pdf · HÝÍ ¤8-hf t²Zo 4Q ~§ åw O : ÊÄò « è ¢®S U Êù~ëï½ Ü¯ f x Ý` Z \qT Ñ ¿ 3 ²°²° %N³ ª²³ &

中期計画2020年度~2022年度における乳用牛導入希望頭数調査結果

業務推進計画と実績乳量の推移(単位:トン)

60,000

55,000

50,000

45,000

40,000

47,493 48,059

47,493 45,977 44,38242,298

47,493 45,977 44,38242,298

49,782

51,493 52,676

2016年 2017年 2018年 2019年 2020年 2021年

事業区分 2021年度

① 3M事業

② 1年貸付

③ 3年貸付

④ 購買導入

88頭

5頭

1頭

12頭

44頭

4頭

0頭

12頭

88頭

1頭

0頭

11頭

2022年度2020年度

1.消費者の期待に応えうる

 酪農生産基盤の確立

3.消費者を見据えた乳成分・衛生的乳質の

 確保と生乳流通の一義的責任

2.生乳生産基盤

 回復の手法

4.安全な食品を提供する

 HACCP・農場GAPの推進

5 4

第9次 中期計画 策定に向けて 特 集

重点取組事項

 近年、広島県内の酪農家では、世

代交代による若き後継者への経営

移譲や、第三者継承による新規就農

が見られ、規模拡大を模索する経営

主も生じています。また、県内では

新規参入企業による搾乳施設の整

備と共に広酪への生乳出荷を希望

する経営体も生じています。

 酪農生産基盤が減退する中に

あって、近年、日本各地で頻発する

災害によって、内地乳業社において

は北海道からの生乳移入が困難と

なり、消費者への牛乳・乳製品の製

造ができない事態を招くことから、

乳業社においては、近隣からの安定

した原料調達先を模索しています。

 こうした背景を見据え、広酪は安

定した生乳供給が図られる生産基

盤を構築し、信頼され期待される生

乳供給元を目指して取り組みます。

 これには二〇一六年策定の業務

推進計画で掲げた目標乳量を目指

して、廃業等によって減少する生乳

生産を補うため、様々な環境変化が

ある中で、次世代の生乳生産基盤を

支える乳用雌子牛の出生率低下へ

の歯止め策を講じ、搾乳供用牛の長

命連産性につながる飼養管理・衛生

管理の指導支援、更には、新たな預

託育成事業への取り組みも検討の

視野に入れて課題解決に向けて取

り組みます。

 これらの対応を図りつつ、消費

者からの生乳需要に応じ、そして、

組合員による年間生乳生産申告数

量と実績数量の乖離から生じる生

産コスト(集乳費用等)の上昇防止

に向けた多方面からの指導・支援

により、酪農経営所得の維持向上

に努力します。

 また、高齢や不慮の事故、傷病に

よって廃業される生乳出荷者もお

られる中で、「おかげさま・やり甲斐・

生き甲斐酪農八〇二〇」の精神から、

互いに感謝の気持ちをもって、健康

で心豊かな酪農経営を支援し、新た

な「酪友」としての連携、仲間づくり

の必要性を加味し、県域、地域単位で

の研修会を開催する等して、更なる

経営・技術レベルの向上を図ります。

 広酪推奨の後継牛確保基準を目

安に生乳出荷組合員個々の後継牛

確保計画を確認して、雌雄判別精液

の活用や全酪連の買取預託事業の

活用を推進します。

 生乳需要期対応酪農経営向上対

策事業(3M事業)の他、各種乳用牛

導入事業を推進し、先を見た後継牛

確保を促します。

 兼ねてより検討を続けておりま

す県内預託、若齢預託牧場の設置に

は、再度、組合員訪問からのニーズ

把握にあたり、全酪連や県、市町行

政の他、生乳出荷組合員等が自ら受

入預託牧場として育成牛を受け入

れたいとする意向を募り、預託先と

して適切な農場があれば、広酪とし

ても組合員間の事業連携を斡旋す

る等して、広い視野をもって前向き

な検討を進めます。

 乳質改善指導に向けては、基本

的な搾乳手順の励行を推奨し、ミ

ルカー点検、バルクスクリーニン

グ検査、FFA(遊離脂肪酸)、BH

B(β―

ヒドロキシ酪酸)検査結果

を組み合わせた乳質改善指導と乳

房炎防除の相乗効果を求めて指導

を強化します。

 また、中国生乳販連の衛生的乳

質格差金に係る統一評価基準にお

ける激変緩和措置からなる指導費

は、乳質レベルの向上に向けた事

業に活用し、消費者を見据え、乳業

社にも期待される良質乳出荷を目

指します。

 広酪が運営する広域生乳需給調

整施設(以下

三次CS)は、近年、自

然災害や新型コロナウイルス感染

症拡大防止に関連して生じた学校

給食用牛乳の停止に伴う余剰乳の

調整等で機能発揮をしています。

 そうした中で、施設老朽化もあ

る中で経費を抑えた運用をして

います。二〇一九年度には、三次

CSで使用する井戸水が枯渇す

る事態が生じ、今後の揚水量が期

待できないことから、万一に備え

て三次市上水道からの給水施設

 消費者への食の安全・安心を担

保することで、食品に携わる事業

者としての一義的責任を果たすた

め、三次CS・

ミルクファームHA

RU両施設に及ぶHACCP対応

に取り組みます。

 この導入に向けては、代表理事

組合長をトップとした「HACC

工事を行い、県域内外の基幹受乳

施設を目指します。

P委員会」を二〇一九年八月二十

三日に設置し、HACCP導入に

向けた運用マニュアルの作成に着

手しており、二〇二一年四月の導

入を目指します。

 消費者に提供する生乳や牛肉等

の安全・安心な農畜産物を生産す

るため、生乳生産管理チェック

合 計 106頭 60頭 100頭

50,29649,225

51,11853,011

56,788 56,798

54,904

実      績

当初業務推進計画

修正業務推進計画

Page 5: SM`Mv Ñ ¿ HÝÍhiroraku.or.jp/book/pdf/rakunou2006/02.pdf · HÝÍ ¤8-hf t²Zo 4Q ~§ åw O : ÊÄò « è ¢®S U Êù~ëï½ Ü¯ f x Ý` Z \qT Ñ ¿ 3 ²°²° %N³ ª²³ &

中期計画

5.事業継続を図るBCP策定

7.TMR飼料を活用した経営指導

8.ミルクファームHARU店舗運営の在り方

7 6

第9次 中期計画 策定に向けて 特 集

シート(ポジティブチェックリス

ト)の記帳・記録に加え、生産者(=

酪農家)自らによる農場GAPの

導入を推進します。

 生乳は、牛乳・乳製品の原料と

なり、生乳供給が困難な場合に

は、乳業社への生乳供給責任が果

たせず、量販店等の店頭からは牛

乳・乳製品が姿を消し、国民生活

に大きな混乱を招き、社会的

ニュースともなります。

 広酪が行う三次CSでの生乳の

受入・出荷、家畜飼料や資材の供給

等の事業継続が滞ることによっ

て、酪農経営に大きな影響を与え

ます。

 生乳出荷組合員からの生乳出荷

は日々発生し、これが酪農所得に

直結する農畜産物であり、新鮮か

つ安全な生乳の受入れの他、飼料

供給責任等、災害時においても、各

種事業の継続が図られるよう事業

継続計画を策定します。

 これには、事業継続を要する業

務の洗い出しと優先順位を定め、

「ヒト・モノ・カネ」の経営資源の振

り分け等、昨今の自然災害や新型

コロナウイルス等の甚大な被害を

踏まえ検討にあたります。

 一円でも安く、良質な飼料供給と

給与作業の労力軽減、そして、飼料

用稲ホールクロップサイレージ(略

称「WCS」)の確保から海外依存に

よる原料コスト抑制を目的に取り

組んできた、みわTMRセンターの

「広酪TMR20WCS」を推奨し、組

合員の酪農経営の所得向上に貢献

します。

 TMR飼料の原料となるWCS

は、短期間の刈取適期での収穫が必

要となる中で、機器メンテナンスを

図りながら、集中して、良質な状態

での刈取が行えるよう、作業員の事

前研修や、飼料用稲作付け農家との

情報交換を行い、良質原料の確保に

あたります。

 近年では、後継者への世代交代や

新規就農者にあっては、TMR飼料

を利用される組合員もおられ、同様

にTMR飼料をベースにした給与

モデル体系を推奨し、飼養管理面で

は、労力・金銭面でもメリットが得

られる事例から、模倣した飼養管理

を推奨します。

 発酵飼料の特徴である夏場の課

題や、固いという課題解決に向けて

関係機関とともに検討します。

 経営面においては、将来を見据え

たe-

酪農家経営管理支援システム

(略称「DMS」)を活用し、入力業務

の簡素化や先を見た経営動向を加

味した酪農経営を支援します。

 同店舗の収支改善にあっては、今

後のHARU店舗の在り方を模索

し、二〇一九年度において理事を構

成員とする「HARU店舗健全運営

9.酪農専門農協の存続か合併か

 〜組織の在り方を模索

 JA広島中央会では、合併推進部

署における専門部会で検討した資

料を「JA合併推進幹事会」、「JA

合併推進委員会」へと段階的に協議

を重ね、これに特化した協議を重ね

る申し合わせがなされています。

 早期に合併後の中長期計画、組合

員メリット等を示すリーフレット

等による説明資料の完成時期は二

〇二〇年度に整えたい考えをもっ

てスケジュールに沿った検討が進

められております。

6.購買事業の効率的かつ合理的事業見直し

 広酪の購買事業においては、一

円でも安く、安定した飼料・資材を

供給することをモットーに、広酪

が製造する広酪TMR20WCSを

主力商品として推進します。これ

には優良事例を標準化して推進に

あたります。

 購買品の取扱いに関して、購買

委員会」を設置し、二〇一九年度末

には、店舗の在り方を決定すること

としていました。

 この委員会では、同施設の老朽化

に伴う施設更新や営繕管理に関し

て、地元庄原市との協議が必要であ

ることから、庄原市担当者も含めた

委員会での協議を重ね、酪農アンテ

ナショップとしての積極的活動や

県内酪農由来の乳製品の仕入販売

を行うべきとの意見集約のもと、こ

れら意見を踏まえ、理事会では更な

る審議を深め、二〇二〇年九月末を

目途に店舗の在り方を決定するこ

ととしました。

 併せて、同店舗は、開店当初から

広酪の酪農アンテナショップとし

ての活動を掲げており、牛乳・乳製

品の消費拡大、酪農理解醸成活動、

重点十五品目を中心に推進を行

い、効率的な事務作業を行う上で、

同種の品目は集約します。

 倉庫運営においては、直近の利

用者、利用時間、利用頻度を分析し

て、集約した曜日、時間帯、品目を

取り扱うよう、事業見直しに加え、

効率的な職員配置を模索します。

これには、利用組合員への相談を

もって効率的な倉庫運営を検討し

ます。

牛乳普及協会と連携した積極的展

開に加え、HACCP対応を含め、

二〇二〇年九月には店舗収支健全

化計画を策定して、店舗収支の改善

と機能強化を図ります。

酪農家

集 乳 集送乳業務 送 乳

乳業工場送乳ローリーCS

集乳ローリー

〈出荷検査〉 ■検査項目の事例

CSが送乳ローリーで生乳を出荷する際に検査を実施。

〈受入検査〉 ■検査項目の事例

CSが集乳ローリーから生乳を受け入れる際に検査を実施。

●乳温

●色沢・組織

●風味(嗅覚・味覚) ■定期的な乳温チェック

〈貯乳・冷却〉

CSは貯乳施設で温度管理を実施。

●抗菌性物質

●細菌数●乳温

●色沢・組織

●風味(嗅覚・味覚)

●細菌数

品質検査・確認

Page 6: SM`Mv Ñ ¿ HÝÍhiroraku.or.jp/book/pdf/rakunou2006/02.pdf · HÝÍ ¤8-hf t²Zo 4Q ~§ åw O : ÊÄò « è ¢®S U Êù~ëï½ Ü¯ f x Ý` Z \qT Ñ ¿ 3 ²°²° %N³ ª²³ &

中期計画

5.事業継続を図るBCP策定

7.TMR飼料を活用した経営指導

8.ミルクファームHARU店舗運営の在り方

7 6

第9次 中期計画 策定に向けて 特 集

シート(ポジティブチェックリス

ト)の記帳・記録に加え、生産者(=

酪農家)自らによる農場GAPの

導入を推進します。

 生乳は、牛乳・乳製品の原料と

なり、生乳供給が困難な場合に

は、乳業社への生乳供給責任が果

たせず、量販店等の店頭からは牛

乳・乳製品が姿を消し、国民生活

に大きな混乱を招き、社会的

ニュースともなります。

 広酪が行う三次CSでの生乳の

受入・出荷、家畜飼料や資材の供給

等の事業継続が滞ることによっ

て、酪農経営に大きな影響を与え

ます。

 生乳出荷組合員からの生乳出荷

は日々発生し、これが酪農所得に

直結する農畜産物であり、新鮮か

つ安全な生乳の受入れの他、飼料

供給責任等、災害時においても、各

種事業の継続が図られるよう事業

継続計画を策定します。

 これには、事業継続を要する業

務の洗い出しと優先順位を定め、

「ヒト・モノ・カネ」の経営資源の振

り分け等、昨今の自然災害や新型

コロナウイルス等の甚大な被害を

踏まえ検討にあたります。

 一円でも安く、良質な飼料供給と

給与作業の労力軽減、そして、飼料

用稲ホールクロップサイレージ(略

称「WCS」)の確保から海外依存に

よる原料コスト抑制を目的に取り

組んできた、みわTMRセンターの

「広酪TMR20WCS」を推奨し、組

合員の酪農経営の所得向上に貢献

します。

 TMR飼料の原料となるWCS

は、短期間の刈取適期での収穫が必

要となる中で、機器メンテナンスを

図りながら、集中して、良質な状態

での刈取が行えるよう、作業員の事

前研修や、飼料用稲作付け農家との

情報交換を行い、良質原料の確保に

あたります。

 近年では、後継者への世代交代や

新規就農者にあっては、TMR飼料

を利用される組合員もおられ、同様

にTMR飼料をベースにした給与

モデル体系を推奨し、飼養管理面で

は、労力・金銭面でもメリットが得

られる事例から、模倣した飼養管理

を推奨します。

 発酵飼料の特徴である夏場の課

題や、固いという課題解決に向けて

関係機関とともに検討します。

 経営面においては、将来を見据え

たe-

酪農家経営管理支援システム

(略称「DMS」)を活用し、入力業務

の簡素化や先を見た経営動向を加

味した酪農経営を支援します。

 同店舗の収支改善にあっては、今

後のHARU店舗の在り方を模索

し、二〇一九年度において理事を構

成員とする「HARU店舗健全運営

9.酪農専門農協の存続か合併か

 〜組織の在り方を模索

 JA広島中央会では、合併推進部

署における専門部会で検討した資

料を「JA合併推進幹事会」、「JA

合併推進委員会」へと段階的に協議

を重ね、これに特化した協議を重ね

る申し合わせがなされています。

 早期に合併後の中長期計画、組合

員メリット等を示すリーフレット

等による説明資料の完成時期は二

〇二〇年度に整えたい考えをもっ

てスケジュールに沿った検討が進

められております。

6.購買事業の効率的かつ合理的事業見直し

 広酪の購買事業においては、一

円でも安く、安定した飼料・資材を

供給することをモットーに、広酪

が製造する広酪TMR20WCSを

主力商品として推進します。これ

には優良事例を標準化して推進に

あたります。

 購買品の取扱いに関して、購買

委員会」を設置し、二〇一九年度末

には、店舗の在り方を決定すること

としていました。

 この委員会では、同施設の老朽化

に伴う施設更新や営繕管理に関し

て、地元庄原市との協議が必要であ

ることから、庄原市担当者も含めた

委員会での協議を重ね、酪農アンテ

ナショップとしての積極的活動や

県内酪農由来の乳製品の仕入販売

を行うべきとの意見集約のもと、こ

れら意見を踏まえ、理事会では更な

る審議を深め、二〇二〇年九月末を

目途に店舗の在り方を決定するこ

ととしました。

 併せて、同店舗は、開店当初から

広酪の酪農アンテナショップとし

ての活動を掲げており、牛乳・乳製

品の消費拡大、酪農理解醸成活動、

重点十五品目を中心に推進を行

い、効率的な事務作業を行う上で、

同種の品目は集約します。

 倉庫運営においては、直近の利

用者、利用時間、利用頻度を分析し

て、集約した曜日、時間帯、品目を

取り扱うよう、事業見直しに加え、

効率的な職員配置を模索します。

これには、利用組合員への相談を

もって効率的な倉庫運営を検討し

ます。

牛乳普及協会と連携した積極的展

開に加え、HACCP対応を含め、

二〇二〇年九月には店舗収支健全

化計画を策定して、店舗収支の改善

と機能強化を図ります。

酪農家

集 乳 集送乳業務 送 乳

乳業工場送乳ローリーCS

集乳ローリー

〈出荷検査〉 ■検査項目の事例

CSが送乳ローリーで生乳を出荷する際に検査を実施。

〈受入検査〉 ■検査項目の事例

CSが集乳ローリーから生乳を受け入れる際に検査を実施。

●乳温

●色沢・組織

●風味(嗅覚・味覚) ■定期的な乳温チェック

〈貯乳・冷却〉

CSは貯乳施設で温度管理を実施。

●抗菌性物質

●細菌数●乳温

●色沢・組織

●風味(嗅覚・味覚)

●細菌数

品質検査・確認

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中期計画10.山陽乳業(株)の経営再建と資産価値復元

12.業務執行体制

9 8

第9次 中期計画 策定に向けて 特 集

 広酪は、同社からの経営のスリム

化を図るための要請によって、広酪

選出の取締役及び監査役をそれぞ

れ一名減員し、現状では取締役一名

の選出に留まっています。しかしな

がら、組合員から引き受ける出資金

(①

二〇一九年度末処分未済持分相

殺後の出資金三三九、九九〇千円)の

迂回出資先(②

外部出資額一三一、

二八八千円)として、株式所有割合三

十%を超える筆頭株主の立場にあ

ります。【②/①=

三十八・

六%】

 出資額面としても最も多い額面

を出資し、重要な関連会社の位置づ

けにある中で、その出資金の毀損に

よる影響が広酪の外部出資におけ

る資産の健全性の観点から、外部出

資等損失引当金を計上する状況に

あり、広酪の収益を圧迫しています。

 同社の経営動向の把握と早期株

価復元による経営再建を目指し、必

要な役員選出による経営参画が図

られるよう、関係する株主とも協議

を図り、筆頭株主として善管注意義

務、忠実義務の責任のもとに同社の

経営再建にあたります。

 また、所有株式においても既決事

項である第二十二回通常総会の決

議に基づく三割以下となるよう関

係団体等と協議を行います。

11.健全な財務基盤と組織運営

 組合員の脱退に伴う減資におい

ては、親子間の持分譲渡や増資積

立の協力を求め、処分未済持分の

解消を図ります。また、高齢や傷病

等の理由によって、県内の酪農家

戸数が減少する中にあって、新規

就農や世代交代による後継者によ

る加入も見られます。県内の員外

酪農家においても、組合加入の意

思表示がある場合においては、加

入を促します。

 自己資本においては、組合設立

後において、組合員の協力を得て

増資積立を行い、総会決議による

剰余金処分において、利益準備金

への積立を行った結果、設立当初

に比べ、自己資本比率は十四・

八%

から二〇一九年度では五十三・

二%の状況にあります。

 引き続き、事業継続のための必

要な利益確保を図り、定款に定め

る利益準備金への繰り入れ等に

よって、資本を充実させ、組合運営

の健全化を図ります。

 広酪の業務推進計画に掲げる職

員体制は四十五名を掲げておりま

したが、新規・補充採用がままなら

ず、職員数の確保が難しい現状にお

いて、これを大きく下回る職員数の

中で事業活動を展開しております。

政府の進める働き方改革や各種法

令に定める対応を遵守しつつ、事業

の集中と選択を意識し、事業継続が

可能な要員体制を構築します。

 職員確保にあたっては、学校訪問

や行政と連携した就職ガイダンス

への参加による求人活動の他、臨時

職員の正職員への転換制度による

対応や定年職員の再雇用制度によ

る嘱託員の採用をもって、要員確保

と共に業務の合理化を図り、後任の

教育・育成に力点を入れた事業執行

体制を整えます。

 非効率な隔日土曜日、半日勤務を

解消し、法定限度の平日八時間労働に

よる効率的な勤務体制を整えます。

 また、長時間労働の是正や同一労

働同一賃金等を含む働き方改革に

伴い、労務環境の変化に対応します。

14.その他に

  「部門別の取組事項」16項目を掲げています。

第九次中期計画のス

ローガンには、消費者

目線「おらが組合・ワンチーム」~そ

れは意識し続けることから始まる

~を掲げました。

 これには、組合員や役職員がひと

つのチームとして、消費者を見据

え、経営理念に基づく組織活動や事

業活動をもって共に歩むことを意

識しております。

 近年の酪農情勢においては、目ま

ぐるしい社会変化の中で、様々な情

勢変化に対応した取り組みが求め

られ、組織としては速やかな情報収

集と対応が求められます。

 現在、協議段階にある県域統合J

Aへの参加判断においては、酪農専

門農協の存在意義と評価が判断材

料のひとつに挙げられ、広酪組織の

存続か、合併かの専門農協の在り方

が問われる判断ともなります。

 こうした組織の在り方を含めた

大きな分岐点に立つ状況下にあっ

て、広酪は組合員が構成し運営す

る自主自立の組織運営体制を持ち、

組合員と共に現状課題に対して前

向きに向き合い、その解決に取り組

む姿勢をもって、二〇一六年二月二

十九日に組織決定した業務推進計

画(期間

二〇一六年度から二〇二

一年度)を骨格に据え、第七次、第八

次中期計画のスローガンを踏襲し

て、経営理念の達成を目指し、新た

な取り組みを創造した計画策定と

業務執行にあたりますので、行政並

びに関係団体の皆様、広酪組合員並

びに広酪の組織活動にご協力頂き

ますよう宜しくお願いします。

13.基幹業務システムの運用

 広酪が資産取得した電算機器の

リース期間満了を迎えることから、こ

れを前に現有プログラム資産を活用

した独自システムの運用継続とクラ

 これらリーフレット等の組合員

説明資料が開示され次第、情報提

供にあたります。

 その上で適宜、組合員への説明

の他、各種委員会や理事会での審

議を経て、必要に応じて、通常総会

に諮り、今後の組織運営の在り方、

事業活動を模索します。

 また、中国地域内の酪農専門農

協間での合併についても、その実

現性を加味する中で検討します。

1,600,000千円

1,400,000千円

1,200,000千円

1,000,000千円

800,000千円

600,000千円

400,000千円

200,000千円

0千円

8人

7人

6人

5人

4人

3人

2人

1人

0人

2人 2人 2人2人

1人

0人

6人

0人 0人0人 0人

6人

4人

7人

6人

5人

4人 4人

3人3人

65歳以上 60歳以上

65歳未満

55歳以上

60歳未満

50歳以上

55歳未満

45歳以上

50歳未満

職員数 うち正職員

40歳以上

45歳未満

35歳以上

40歳未満

30歳以上

35歳未満

25歳以上

30歳未満

25歳未満

職員の年齢構成(2020年3月31日現在)

H6

H7

H8

H9

H10

H11

H12

H13

H14

H15

H16

H17

H18

H19

H20

H21

H22

H23

H24

H25

H26

H27

H28

H29

H30

R1

出資金と自己資本の推移

出資金(処分未済持ち分を除く) ■自己資本

387,452千円

344,065千円

502,000千円 339,990千円

1,140,678千円 1,090,767千円

庄原

三次

三原安芸

呉芸南

福山市

尾道市広島市広島中央

佐伯中央

広島ゆたか

広島北部

ウド化、若しくは、同連システムへの

乗り換えを含めて改めて検討します。

 併せて、二〇二三年十月一日には

「適格請求書等保存方式」(インボイ

ス制度:売り手が買い手に対して正

確に適用税率や消費税額等を伝える

ために一定の記載事項を含めた請求

書や納品書を求める)が導入される

予定にあり、各種経済事業取引にお

ける請求書や生乳取引における共同

計算の計算方法の変更等、各種帳票

や請求書、生乳受託販売代金明細書

等の様式変更、並びに各業務システ

ムの改修に向けた検討を行います。

まとめ

Page 8: SM`Mv Ñ ¿ HÝÍhiroraku.or.jp/book/pdf/rakunou2006/02.pdf · HÝÍ ¤8-hf t²Zo 4Q ~§ åw O : ÊÄò « è ¢®S U Êù~ëï½ Ü¯ f x Ý` Z \qT Ñ ¿ 3 ²°²° %N³ ª²³ &

中期計画10.山陽乳業(株)の経営再建と資産価値復元

12.業務執行体制

9 8

第9次 中期計画 策定に向けて 特 集

 広酪は、同社からの経営のスリム

化を図るための要請によって、広酪

選出の取締役及び監査役をそれぞ

れ一名減員し、現状では取締役一名

の選出に留まっています。しかしな

がら、組合員から引き受ける出資金

(①

二〇一九年度末処分未済持分相

殺後の出資金三三九、九九〇千円)の

迂回出資先(②

外部出資額一三一、

二八八千円)として、株式所有割合三

十%を超える筆頭株主の立場にあ

ります。【②/①=

三十八・

六%】

 出資額面としても最も多い額面

を出資し、重要な関連会社の位置づ

けにある中で、その出資金の毀損に

よる影響が広酪の外部出資におけ

る資産の健全性の観点から、外部出

資等損失引当金を計上する状況に

あり、広酪の収益を圧迫しています。

 同社の経営動向の把握と早期株

価復元による経営再建を目指し、必

要な役員選出による経営参画が図

られるよう、関係する株主とも協議

を図り、筆頭株主として善管注意義

務、忠実義務の責任のもとに同社の

経営再建にあたります。

 また、所有株式においても既決事

項である第二十二回通常総会の決

議に基づく三割以下となるよう関

係団体等と協議を行います。

11.健全な財務基盤と組織運営

 組合員の脱退に伴う減資におい

ては、親子間の持分譲渡や増資積

立の協力を求め、処分未済持分の

解消を図ります。また、高齢や傷病

等の理由によって、県内の酪農家

戸数が減少する中にあって、新規

就農や世代交代による後継者によ

る加入も見られます。県内の員外

酪農家においても、組合加入の意

思表示がある場合においては、加

入を促します。

 自己資本においては、組合設立

後において、組合員の協力を得て

増資積立を行い、総会決議による

剰余金処分において、利益準備金

への積立を行った結果、設立当初

に比べ、自己資本比率は十四・

八%

から二〇一九年度では五十三・

二%の状況にあります。

 引き続き、事業継続のための必

要な利益確保を図り、定款に定め

る利益準備金への繰り入れ等に

よって、資本を充実させ、組合運営

の健全化を図ります。

 広酪の業務推進計画に掲げる職

員体制は四十五名を掲げておりま

したが、新規・補充採用がままなら

ず、職員数の確保が難しい現状にお

いて、これを大きく下回る職員数の

中で事業活動を展開しております。

政府の進める働き方改革や各種法

令に定める対応を遵守しつつ、事業

の集中と選択を意識し、事業継続が

可能な要員体制を構築します。

 職員確保にあたっては、学校訪問

や行政と連携した就職ガイダンス

への参加による求人活動の他、臨時

職員の正職員への転換制度による

対応や定年職員の再雇用制度によ

る嘱託員の採用をもって、要員確保

と共に業務の合理化を図り、後任の

教育・育成に力点を入れた事業執行

体制を整えます。

 非効率な隔日土曜日、半日勤務を

解消し、法定限度の平日八時間労働に

よる効率的な勤務体制を整えます。

 また、長時間労働の是正や同一労

働同一賃金等を含む働き方改革に

伴い、労務環境の変化に対応します。

14.その他に

  「部門別の取組事項」16項目を掲げています。

第九次中期計画のス

ローガンには、消費者

目線「おらが組合・ワンチーム」~そ

れは意識し続けることから始まる

~を掲げました。

 これには、組合員や役職員がひと

つのチームとして、消費者を見据

え、経営理念に基づく組織活動や事

業活動をもって共に歩むことを意

識しております。

 近年の酪農情勢においては、目ま

ぐるしい社会変化の中で、様々な情

勢変化に対応した取り組みが求め

られ、組織としては速やかな情報収

集と対応が求められます。

 現在、協議段階にある県域統合J

Aへの参加判断においては、酪農専

門農協の存在意義と評価が判断材

料のひとつに挙げられ、広酪組織の

存続か、合併かの専門農協の在り方

が問われる判断ともなります。

 こうした組織の在り方を含めた

大きな分岐点に立つ状況下にあっ

て、広酪は組合員が構成し運営す

る自主自立の組織運営体制を持ち、

組合員と共に現状課題に対して前

向きに向き合い、その解決に取り組

む姿勢をもって、二〇一六年二月二

十九日に組織決定した業務推進計

画(期間

二〇一六年度から二〇二

一年度)を骨格に据え、第七次、第八

次中期計画のスローガンを踏襲し

て、経営理念の達成を目指し、新た

な取り組みを創造した計画策定と

業務執行にあたりますので、行政並

びに関係団体の皆様、広酪組合員並

びに広酪の組織活動にご協力頂き

ますよう宜しくお願いします。

13.基幹業務システムの運用

 広酪が資産取得した電算機器の

リース期間満了を迎えることから、こ

れを前に現有プログラム資産を活用

した独自システムの運用継続とクラ

 これらリーフレット等の組合員

説明資料が開示され次第、情報提

供にあたります。

 その上で適宜、組合員への説明

の他、各種委員会や理事会での審

議を経て、必要に応じて、通常総会

に諮り、今後の組織運営の在り方、

事業活動を模索します。

 また、中国地域内の酪農専門農

協間での合併についても、その実

現性を加味する中で検討します。

1,600,000千円

1,400,000千円

1,200,000千円

1,000,000千円

800,000千円

600,000千円

400,000千円

200,000千円

0千円

8人

7人

6人

5人

4人

3人

2人

1人

0人

2人 2人 2人2人

1人

0人

6人

0人 0人0人 0人

6人

4人

7人

6人

5人

4人 4人

3人3人

65歳以上 60歳以上

65歳未満

55歳以上

60歳未満

50歳以上

55歳未満

45歳以上

50歳未満

職員数 うち正職員

40歳以上

45歳未満

35歳以上

40歳未満

30歳以上

35歳未満

25歳以上

30歳未満

25歳未満

職員の年齢構成(2020年3月31日現在)

H6

H7

H8

H9

H10

H11

H12

H13

H14

H15

H16

H17

H18

H19

H20

H21

H22

H23

H24

H25

H26

H27

H28

H29

H30

R1

出資金と自己資本の推移

出資金(処分未済持ち分を除く) ■自己資本

387,452千円

344,065千円

502,000千円 339,990千円

1,140,678千円 1,090,767千円

庄原

三次

三原安芸

呉芸南

福山市

尾道市広島市広島中央

佐伯中央

広島ゆたか

広島北部

ウド化、若しくは、同連システムへの

乗り換えを含めて改めて検討します。

 併せて、二〇二三年十月一日には

「適格請求書等保存方式」(インボイ

ス制度:売り手が買い手に対して正

確に適用税率や消費税額等を伝える

ために一定の記載事項を含めた請求

書や納品書を求める)が導入される

予定にあり、各種経済事業取引にお

ける請求書や生乳取引における共同

計算の計算方法の変更等、各種帳票

や請求書、生乳受託販売代金明細書

等の様式変更、並びに各業務システ

ムの改修に向けた検討を行います。

まとめ