sqip dxパネル 野中20190913 公開-s ·...

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デジタルトランスフォーメーション時代における ソフトウェア開発と品質保証のあり方 概要:このパネル議論では、まず、経済産業省におけるDX促進に向けた検討内容をご紹介いただきます。 そして、ユーザー企業がDXを推進していくなかで、ソフトウェアの開発および品質保証の現場にどのような 影響を与えている/いくのか、開発と品質保証に期待されることは何か、今後どのような対応が求められるのか などについて、ユーザー企業CIO、アジャイル開発、品質保証の立場のパネリストとともに議論します。 パネリスト 瀧島 勇樹 / 経済産業省 商務情報政策局 情報技術利用促進課長 新田 哲 / JFEスチール(株) 常務執行役員 竹内 克也 / テルモ(株) 執行役員 チーフインフォメーションオフィサー(CIO)情報戦略部長 神部 知明 / (株)富士通ソフトウェアテクノロジーズ Agile+開発センター プリンシパルエンジニア 雅人 / (株)日立製作所 システム&サービスビジネス統括本部 制御プラットフォーム品質保証本部 本部長 モデレータ 野中 誠 / 東洋大学 経営学部 ソフトウェア品質シンポジウム2019 2019年9月13日 13:15~15:05 日本企業、日本で働くエンジニアが 元気になれるような議論を目指します! ソフトウェア品質シンポジウム2019

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デジタルトランスフォーメーション時代におけるソフトウェア開発と品質保証のあり方概要:このパネル議論では、まず、経済産業省におけるDX促進に向けた検討内容をご紹介いただきます。そして、ユーザー企業がDXを推進していくなかで、ソフトウェアの開発および品質保証の現場にどのような影響を与えている/いくのか、開発と品質保証に期待されることは何か、今後どのような対応が求められるのかなどについて、ユーザー企業CIO、アジャイル開発、品質保証の立場のパネリストとともに議論します。パネリスト瀧島 勇樹 / 経済産業省 商務情報政策局 情報技術利用促進課長新田 哲 / JFEスチール(株) 常務執行役員竹内 克也 / テルモ(株) 執行役員 チーフインフォメーションオフィサー(CIO)情報戦略部長神部 知明 / (株)富士通ソフトウェアテクノロジーズ Agile+開発センター プリンシパルエンジニア梯 雅人 / (株)日立製作所 システム&サービスビジネス統括本部 制御プラットフォーム品質保証本部 本部長

モデレータ野中 誠 / 東洋大学 経営学部

ソフトウェア品質シンポジウム20192019年9月13日 13:15~15:05

日本企業、日本で働くエンジニアが元気になれるような議論を目指します!

ソフトウェア品質シンポジウム2019

パネル議論の進行第1部(13:15~13:35)• モデレータより:はじめに• 瀧島様より :経済産業省が進めるDX関連施策のご紹介

第2部(13:35~15:05)• ユーザー系パネリストより:DXにかかわる取り組みのご紹介• ユーザー系パネリストより:DXを推進する上でのベンダーへの期待• ベンダー系パネリストより:DX時代におけるベンダーの取り組み• パネリストとの議論、会場を交えての議論• 議論のまとめ

2ソフトウェア品質シンポジウム2019

ユーザ企業IT部門とIT企業に所属するIT人材の割合 (IPA, 2017)

3出所)IPA (2017). IT人材白書2017

日本のIT人材の多くはIT企業に所属している

ソフトウェア品質シンポジウム2019

世界1位と評価された銀行:シンガポールDBS銀行

4https://www.gfmag.com/magazine/october-2018/worlds-best-banks-2018

Winners in the World’s Best Banks Awards 2018 were selected based on performanceover the past year as well as other criteria including reputation, management excellence, and leadership in digital transformation. DBS Bank took the title on the strength of its digital transformation, strong financials, and good corporate citizenship.

業績、評判、マネジメント、さらにはDXのリーダーシップといった評価観点に基づき、世界1位の銀行と評価された

ソフトウェア品質シンポジウム2019

DBS銀行:内製化率が 15% → 85%に

5https://www.infoq.com/presentations/dbs-bank-customers/https://sloanreview.mit.edu/case-study/redefining-performance-management-at-dbs-bank/

2009:内製化率 15%2018:内製化率 85%第1期::2009~2014DXの基礎固め(IT基盤投資)第2期:2015~サービスの高度化

ソフトウェア品質シンポジウム2019

DBS銀行が重視するもの:アジリティ、UX、品質、開発生産性

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・変化への対応・手戻り最小化 ・UX重視

・品質・セキュリティ

・技術を活かし、開発者はビジネスコアの開発に注力

https://www.infoq.com/presentations/dbs-bank-customers/ソフトウェア品質シンポジウム2019

SQiPシンポジウム2019基調講演 コマツ 四家様のコメントより

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スマートコンストラクションで実現する建設産業のデジタルトランスフォーメーション

Q. スマートコンストラクションを実現する技術のうち、自社の比率は?

A. 1%程度です! …というのは言い過ぎだが、90%程度は他社の技術。日本企業のものもあれば海外企業のものもある。半分くらいはスタートアップ企業。

いま、50プロジェクト程度が動いているので、それぐらいの数のベンダーとのお付き合いがある普段からスタートアップとの交流している。実現技術を持たない当社は、オープンイノベーションで行くしかない

(以上、野中のメモより)

日本におけるパートナー企業へのソーシング戦略指針 (ガートナー, 2019)

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・DXの推進には、多様なパートナーの能力を最大限活用するソーシング戦略が不可欠である・要件や課題が明確な取り組みだけでなく、失敗から学習していくイノベーションの取り組みも実施していく必要がある

https://www.gartner.com/jp/newsroom/press-releases/pr-20190820

戦略・企画立案などの上流工程でパートナー企業の貢献機会がさらに増えると予測される

ベンダー企業はユーザー企業にとって重要な存在だが、満足度には課題がある

ソフトウェア品質シンポジウム2019

ベンダー企業の提供価値

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設計・開発・実装、アーキテクトやプログラマーの存在

戦略・企画立案、コンサルティング

運用・保守、インフラやプラットフォームの提供

新技術

モバイルアナリティクスIoTプラットフォームetc

提供価値

今回はこの範囲で議論したい

ユーザ企業のDXを支えるベンダー企業が貢献できること・すべきこと

• さまざまなお客様と関わってきた経験があるからこそ提供できる価値• 多様なレガシーシステムのマイグレーション経験から得たノウハウ• 高い信頼性が求められる大規模システムでも、アジャイルで実現できる技術力とマネジメント力• AI・アナリティクスなどの新しい技術をユーザ企業に先駆けて取り組んできた経験• さまざまな製品・サービスでの検証実績、実運用事例に基づくユースケースの蓄積

• 開発経験から知見を抽出したり、技術の調査・研究を行ったりできる組織力• OSS利用の勘所、セキュリティ問題とその解決方法などの最新動向を広範囲に調査できる組織力• AIシステム品質保証など新技術について議論する業界団体への参加、業界全体でのノウハウ蓄積• 大規模アジャイル開発を実現するフレームワーク、DevOps環境など、最新動向の把握

• デジタルだけでは実現できない、OT (Operation Technology) との融合の強み

• 課題:経営課題に寄り添い、「本当の困り事」を最新技術で解決できる対応力• 複数システムを連携した運用が必須である状況で、どのようなソリューションを提供できるか• クラウドやERPなど海外勢の事実上標準が選ばれる中で、どのような付加価値を提供できるか

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DX時代における価値あるベンダー企業を目指して• グローバルな潮流に対応する

• アジャイルへの対応は必須。スピード感のある開発力、マネジメント力。• 「長いもの(=事実上の標準技術)には巻かれる」という割り切った考え方も時には必要。

• 日本企業の強みを生かす• 品質マネジメント、プロジェクトマネジメントに関わる日本企業の組織能力は高い水準にある。• 経験から学び、情報を知識・知恵へと昇華させ、横展開していく強みはいまなお健在。

• 新しい技術にチャレンジ• IT企業として、ユーザ企業よりも「技術を知らない」は許されない。• すべての技術を一人で扱うのは不可能。オープンイノベーションを含めた組織力で対応。

• ユーザ企業の経営課題に踏み込んだ提案を• DXの潮流は確実。顧客の困り事に関心を向け、最新ソリューションに基づく踏み込んだ提案を。

Makoto Nonaka, Toyo University 11日本の強みである「品質」を活かして、DX時代に対応しよう