the benefits of the 8 spectral bands of worldview-22 white paper the benefits of the 8 spectral...

12
WHITE PAPER THE BENEFITS OF THE 8 SPECTRAL BANDS OF WORLDVIEW-2 WHITE PAPER The Benefits of the 8 Spectral Bands Of WorldView-2

Upload: others

Post on 23-Jan-2021

2 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

Page 1: The Benefits of the 8 Spectral Bands Of WorldView-22 WHITE PAPER THE BENEFITS OF THE 8 SPECTRAL BANDS OF WORLDVIEW-2 各スペクトル各スペクトルのの役割役割 Coastal

WHITE PAPER ▶ THE BENEFITS OF THE 8 SPECTRAL BANDS OF WORLDVIEW-2

WHITE PAPER

The Benefits of the 8 Spectral Bands

Of WorldView-2

Page 2: The Benefits of the 8 Spectral Bands Of WorldView-22 WHITE PAPER THE BENEFITS OF THE 8 SPECTRAL BANDS OF WORLDVIEW-2 各スペクトル各スペクトルのの役割役割 Coastal

2

WHITE PAPER ▶ THE BENEFITS OF THE 8 SPECTRAL BANDS OF WORLDVIEW-2

TABLE OF CONTENTS

WORLDVIEWWORLDVIEWWORLDVIEWWORLDVIEW----2222イントロダクションイントロダクションイントロダクションイントロダクション ............................................................................................ 1

WorldVWorldVWorldVWorldViewiewiewiew----2222のののの8888つのつのつのつのスペクトルバンドスペクトルバンドスペクトルバンドスペクトルバンド ....................................................................................... 1 各各各各スペクトルスペクトルスペクトルスペクトルのののの役割役割役割役割 ......................................................................................................................... 2 地物分類地物分類地物分類地物分類 ........................................................................................................................................... 3

Land Use/Land Cover(土地利用/土地被覆)分類と地物抽出..................................................... 3 自動地物抽出 ................................................................................................................................ 4 地物分類の応用............................................................................................................................. 5 バイオ燃料の可能性を示す侵略的外来種〔侵入種〕のマッピング......................................... 5 都市サービスのマッピングと LULCを基にした課税 ............................................................. 5 水深計測水深計測水深計測水深計測 ........................................................................................................................................... 5 ラジオメトリックアプローチ....................................................................................................... 6 写真測量アプローチ ..................................................................................................................... 6 深浅測量の応用............................................................................................................................. 7 自然災害が船舶航行の危険性を増加させる ............................................................................. 7 正確な深浅測量がリスクの予見に役立つ ................................................................................. 7 植生解析植生解析植生解析植生解析 ........................................................................................................................................... 8 植生の物質測定............................................................................................................................. 8

WorldView-2を用いた Red Edgeの計測 .................................................................................... 9 植生解析の応用............................................................................................................................. 9 ガスのパイプラインの漏れを特定する..................................................................................... 9 森林の健康状態と活性度の監視................................................................................................ 9

WorldViewWorldViewWorldViewWorldView----2222をををを用用用用いたいたいたいた変化検出変化検出変化検出変化検出のののの改善改善改善改善 ......................................................................................... 10 結論結論結論結論................................................................................................................................................. 10

Page 3: The Benefits of the 8 Spectral Bands Of WorldView-22 WHITE PAPER THE BENEFITS OF THE 8 SPECTRAL BANDS OF WORLDVIEW-2 各スペクトル各スペクトルのの役割役割 Coastal

1

WHITE PAPER ▶ THE BENEFITS OF THE 8 SPECTRAL BANDS OF WORLDVIEW-2

WORLDVIEW-2イントロダクションイントロダクションイントロダクションイントロダクション

WorldView-2衛星の打ち上げ成功により、DigitalGlobeは飛躍的に撮影能力が向上し、高分解能の 8バンドマルチスペクトル画像を大量に市場に提供することになりました。

WorldView-2 は DigitalGlobe にとって 2 機目の次世代衛星でBall AeroSpace 社にて最先端の技術を使って製造されました。WorldView-2はWorldView-1と同様に最高の地理位置精度を有し、高機動性、すばやいターゲッティング、効率的なイントラックステレオ撮影を可能にするコントロールモーメントジャイロを有する衛星です。770km という撮影高度と高機動性により、およそ 100 万 km2の高分解能画像を1日で撮影できます。平均再訪期間は 1.1日です。

WorldView-2 には大規模な撮影容量に加え、高い空間分解能、スペクトル分解能があります。WorldView-2 は 46cm*のパンクロマティック画像を撮影でき、また 1.84m・8バンドのマルチスペクトル画像を提供する世界初の衛星です。この高い空間分解能により、車両、浅瀬の岩礁、さらに果樹園の各樹木などの細かさを識別できます。そして高いスペクトル分解能は、道路の表面、海の深さ、植物の健康度のような多種多様な分野における詳細な情報を提供します。さらにはWorldView-2の追加されたスペクトルバンドにより、人間が目でみるように世界をより正確に表現できます。より実際に近い“トゥルーカラー”で見ることができるのです。

この論文はWorldView-2の高空間的分解能と高スペクトル分解能のユニークな組み合わせがどのように画像の見た目を現実に近づけ、リモートセンシングのアプリケーションをよりよいものにし、多くの実用化をもたらすかということに焦点をあてて解説します。

WorldView-2のののの8888つのつのつのつのスペクスペクスペクスペクトルバンドトルバンドトルバンドトルバンド

WorldView-2は可視光から近赤外までの 8つのスペクトルセンサを提供する世界初の商用衛星です。それぞれのセンサは、地上の特定の地物や大気の性質を感知するように、特定の範囲の電磁スペクトル領域にフォーカスされています。同時に、地上や水中の地物の細分化や分類が向上するように設計されています。

解像度:46cm*

新しいスペクトルバンド:Coastal

Blue, Yellow, Red Edge, NIR2

ポインティング速度:300kmを 9秒

観測幅:16.4km

撮影能力:975,000 km2/day

平均再訪期間:1.1日

WorldViewWorldViewWorldViewWorldView----2222のののの仕様仕様仕様仕様

*50cmの地上分解能パンクロマティック、2mの地上分解能のマルチスペクトルを超える解像度の画像の配布と利用は米国政府の事前の許可が必要です。

Page 4: The Benefits of the 8 Spectral Bands Of WorldView-22 WHITE PAPER THE BENEFITS OF THE 8 SPECTRAL BANDS OF WORLDVIEW-2 各スペクトル各スペクトルのの役割役割 Coastal

2

WHITE PAPER ▶ THE BENEFITS OF THE 8 SPECTRAL BANDS OF WORLDVIEW-2

各各各各スペクトルスペクトルスペクトルスペクトルのののの役割役割役割役割

Coastal Blue(400-450nm) ・ 新しいバンド ・ 健康な植物のクロロフィルに吸収され、植生解析を支援する ・ もっとも水に吸収されないので深浅測量に非常に有効的 ・ 大気散乱の影響を非常に受けるため大気補正技術を改善する可能性を秘めている

Red(630-690nm) ・ QuickBirdの Redバンドよりバンド幅が狭く、長波長側にシフトしている ・ 健康な植物のクロロフィルに吸収される赤い光にフォーカスされている ・ 植生の分離に非常に重要なバンドの一つ ・ 裸地と道路や地質学上の地物の分類に非常に有用

Blue(450-510nm) ・ QuickBirdと同バンド ・ 植物のクロロフィルに容易に吸収される ・ 水の透過性はよい ・ Coastal Blueバンドに比べて大気散乱と吸収は受けにくい

Red-Edge(705 – 745nm) ・ 新しいバンド ・ 植生の反応の高い反射率の立ち上がりの部分に中心を持っている ・ 植生の健康状態測定や植生の分類の補助に非常に価値がある

Green(510-580nm) ・ QuickBirdの Greenバンドより少し狭い ・ 健康的な植生のピーク反射率にフォーカスされている ・ 植生の活性度の計算に理想的 ・ Yellow バンドとともに使うと植生のタイプを見分けるのに非常に有効

NIR1(770 – 895nm) ・ QuickBird の NIR1 バンドより幅が狭く、RedEdgeセンサとの間が空いている ・ 水分含量や植生のバイオマスの推定に非常に効果的 ・ 以下のことに効果的:植生から水域を分離する、植生の種類を特定する、土壌の種類を区別する

Yellow(585-625nm) ・ 新しいバンド ・ 地物分類にとって非常に重要 ・ 地上と水中の特定の植生の”黄色性”を検出する

NIR2(860 – 1040nm) ・ 新しいバンド ・ NIR1のスペクトルと重なりを持つが、大気の影響をより受けにくい ・ バイオマス研究や幅広い植生解析を可能とする

マルチスペクトル画像は地球や自然のプロセス、人工活動の影響を理解するのに非常に大きな価値があります。この論文ではリモートセンシングに関する以下の 3 大応用分野に注目します:地物分類、深浅測量、植生解析。そしてWorldView-2の高空間分解能、スペクトル的な忠実度(実物の色を画像として忠実に再現する度合い)、撮影能力がこれらの分野にどのように寄与するかを探求します。

Page 5: The Benefits of the 8 Spectral Bands Of WorldView-22 WHITE PAPER THE BENEFITS OF THE 8 SPECTRAL BANDS OF WORLDVIEW-2 各スペクトル各スペクトルのの役割役割 Coastal

3

WHITE PAPER ▶ THE BENEFITS OF THE 8 SPECTRAL BANDS OF WORLDVIEW-2

地物分類地物分類地物分類地物分類 農業における生育、都市化の拡大、自然のプロセス全てが全世界の土地利用と土地被覆の変化に影響しています。大規模であれ、小規模であれ変化を理解するために、リモートセンシングは重要なツールとして認識されてきました。そして現在はいくつかの衛星が世界のモニタリングや研究のために利用されています。WorldView-2は可視光から近赤外までの 8つのスペクトルセンサと 1.8m の空間分解能により、分類プロセスに非常に詳細な情報をもたらし、より細かいレベルの識別を可能にし、公共および民間セクタの両方における意思決定を支援します。

Land Use/Land Cover(土地利用/土地被覆)分類と地物抽出

Land Use/Land Cover(LULC)分類は農地や都市領域のような幅広いカテゴリによる基本的な土地被覆の推定から、道路ネットワーク、建物、木のような地物抽出まで多岐にわたります。典型的な分類としては、次のようなレベルで都市領域が細分化します。

LEVEL1 LEVEL2 LEVEL3 LEVEL4

1. 都市域/建物密集地

11. 住宅街 111. 単一家族住宅 112. 複数家族住宅 113. 集団街区 114. 住居用ホテル 115. 移動式住宅 116. 短期滞在用住宅 117. その他

1111. 1階住居 1112. 2階以上の住居

衛星画像を基にした現在のリモートセンシング技術は大きなスケールのLULC分類に対してとても効果的です。Landsat のような低い分解能のマルチスペクトル衛星は LEVEL2までの LULC のマッピングに非常に効果的です。そこでは、ある種類の地物におけるスペクトルシグネチャを特定し、そのスペクトルパターンを有する領域を幅広く分類します。15mから 30mの空間分解能により、Landsat は森林、草地、都市開発領域を、それぞれの土地被覆のタイプ毎に異なるスペクトル反射率を用いて分類することができます。しかし、この空間分解能ではより細かい区別を信頼度高く行うことができません。

従来の可視光から近赤外(VNIR)までのバンドを持つより高分解能のマルチスペクトル衛星はより細かいスケールの地物を識別することができるようになってきました。0.5から 1mの空間分解能により、これらの衛星は Level3の地物を分類する能力を示してきました。例えば果樹園内にある草地と木の識別、家屋の種類による都市領域の細分化、舗装道路と未舗装道路の識別などです。

Cathedral of St. André, Bordeaux, France

May 20, 2009

Page 6: The Benefits of the 8 Spectral Bands Of WorldView-22 WHITE PAPER THE BENEFITS OF THE 8 SPECTRAL BANDS OF WORLDVIEW-2 各スペクトル各スペクトルのの役割役割 Coastal

4

WHITE PAPER ▶ THE BENEFITS OF THE 8 SPECTRAL BANDS OF WORLDVIEW-2

Level3 を超える LULC 分類を効果的に行うために、研究者は航空機搭載型ハイパースペクトルセンサを使ってこれまで研究してきました。これは 4~5mの空間分解能を持っています。最も高い分解能の衛星画像に比べて空間分解能は低いにもかかわらず、スペクトルの忠実度の向上により屋根の種類や道路の状態のような Level4の地物を抽出できます。

WorldView-2のスペクトル忠実度の向上と高空間分解能の組み合わせにより地物分類の課題を解決するために必要な追加データを得ることができます。DigitalGlobe が行ったパイロット研究では今までのVNIRマルチスペクトル画像とWorldView-2のシミュレーション画像を比べた場合に、すべてにおいて分類精度の改善が見られました。

例えば、土地分類の場合、WorldView-2は今までの VNIR画像に比べて 10~30%の改善が期待されます。特に、道路を分類する精度がおおよそ 55%から 80%に向上することが示されました。同様の改善が、耕地を他の種類の植生から区分化する場合にも見られました。これらの劇的な改善は植物や土壌の種類に対する感度が、追加された Red Edge、Yellow、NIR2バンドによって向上したからです。反対に、水域の分類は既存の VNIR マルチスペクトル画像では 85~90%の精度がWorldView-2では 95~98%に改善されると期待されます。これは既存の VNIRマルチスペクトル画像でも水域のタイプの分類能力が十分に高いが、WorldView-2 の追加バンドはこの分野においてもさらなる改善をもたらすことを示唆しています。

自動地物抽出 ニューラルネットワーク、マシンビジョン、オブジェクト指向アプローチなどの自動地物抽出技術が次々と試されています。これらの手法は個々の画素のスペクトル信号だけでなく、ピクセルが同様なスペクトル信号となる地物に認識され、どのようにグループ化されるのか、そしてこれらの地物を精度よく抽出するためにどのようにコンピュータアルゴリズムが洗練されていくのかということに依存しています。例えば、アスファルトの道路とアスファルト屋根は実質的に同一のスペクトルシグネチャを持ちますが、クラスタ化されたピクセル群の形状 -長くて狭いか、小さくて長方形か- を考慮に入れることで自動分類システムにより、この 2つを区別することができるのです。これらの様々な技術は高いスペクトル分解能および空間分解能の組み合わせによって実現されるものであり地物分類の精度向上に対して効果的な解決法となります。

WorldView-2の空間分解能の向上もまた自動分類の効率の向上に役立つものと期待されています。2m の分解能で 4 バンドのマルチスペクトル航空写真を用いた研究ではオブジェクト指向的手法がオペレータの手動の介入なしに大幅に分類精度を改善することが示されました。8 バンドによる分類精度の向上はすでに示されています。このように、スペクトル分解能および空間分解能の向上の組み合わせは特に自動地物抽出に効果があると期待できます。

元画像 オブジェクトに変換 オブジェクトのみの画像

Page 7: The Benefits of the 8 Spectral Bands Of WorldView-22 WHITE PAPER THE BENEFITS OF THE 8 SPECTRAL BANDS OF WORLDVIEW-2 各スペクトル各スペクトルのの役割役割 Coastal

5

WHITE PAPER ▶ THE BENEFITS OF THE 8 SPECTRAL BANDS OF WORLDVIEW-2 地物分類の応用 非常に詳細で幅広いマルチスペクトルデータは地物分類と地物抽出分析の精度を向上させ、科学的な研究と実用的な応用の間のギャップを埋めます。

バイオ燃料の可能性を示す侵略的外来種〔侵入種〕のマッピング 侵入種植物は深刻な世界的環境問題です。それらは在来種の植物を駆逐し、湿地帯を荒廃させ、耕作地に多大な影響を与えています。しかし、ナンキンハゼのような外来種は、油分を多く含む種子を効率的に収穫できれば次世代のバイオ燃料源の可能性があります。

リモートセンシングは侵入種を把握しマッピングするのに重要なツールとなります。収穫可能な群生を特定したり侵入種の撲滅プロジェクトをモニタリングしたり、標的となる種の完全な駆逐を確認するために、詳細な種の分類や抽出を使ってどのように侵入種が在来種を侵略していくかを理解するのに役立ちます。

都市サービスのマッピングと LULCを基にした課税 都市環境における LULC を理解することは都市サービスを維持し、資源の管理を行い、税収を得るために重要です。劣化する道路網の維持、水の消費量のモニタリング、空き地の(舗装などの)不透水地面への変更の調査など、民間政府は絶えず継続的に更新される詳細な情報を必要としています。

WorldView-2 により、都市域全体のマップを作成し、より自動化された地物抽出や分類能力を使うことにより、希少な資源を管理するたにすぐに利用できる情報を得ることができます。スペクトルのシグネチャとオブジェクト指向的手法の組み合わせにより道路が抽出でき、道路をいつ再舗装する必要があるのかを分類できます。不透水性地面の面積変化を元に雨水管理費を正確に見積もることができ、その費用は高コストの現地調査をせずに評価することができます。都市域におけるスペクトルの変化で、無許可で建築された小屋やデッキ・その他の屋外構造物のような建設計画が進行していることを見つけることができます。

水深計測水深計測水深計測水深計測 海岸線、砂州、岩礁は最もダイナミックで、しかも定期的に変化を遂げる領域です。それらの変化をモニタリングして計測することは、海上ナビゲーションや、私たちの周りの環境を認識するのに重要なツールです。海岸線近くの深浅測量は現在、高分解能マルチスペクトル衛星画像を用いて計算されています。しかし WorldView-2 の、より高い空間分解能、機動性の増大、そしてCoastal Blueバンド(400~450nm)により、水深計測の深さと精度はかなり改善されます。

河川の植生マッピング

都市域の土地利用密度

Page 8: The Benefits of the 8 Spectral Bands Of WorldView-22 WHITE PAPER THE BENEFITS OF THE 8 SPECTRAL BANDS OF WORLDVIEW-2 各スペクトル各スペクトルのの役割役割 Coastal

6

WHITE PAPER ▶ THE BENEFITS OF THE 8 SPECTRAL BANDS OF WORLDVIEW-2 マルチスペクトル衛星画像を用いた深浅測量の計算には確立された技術が 2 つあります。ラジオメトリックアプローチと写真測量アプローチです。

ラジオメトリックアプローチ ラジオメトリックアプローチは波長によって水中における減衰が異なるという事実を利用しています。赤い光は青い光より早く減衰します。

既存のマルチスペクトル衛星の Blue(450~510nm)、Green(510~580nm)、Red(630~690nm)バンドの光を捉える能力を生かして深さ 15mまでの水深の推定が達成されてきました。そしてソナーを用いた現地計測を追加的に行い、垂直、水平方向に 1m以内の精度が達成されました。

水深計測を改善させるために、航空機搭載型の高分解能マルチスペクトルプラットフォームが利用されてきました。これらのセンサは 400nmから 450nmの光(澄んだ水の中を最も透過するスペクトル)を捉えることができます。これらのデータを用いた研究では正確な水深計測が 20m 以上の深さまで可能となることが示されています。

WorldView-2 は 1.84m の分解能のマルチスペクトルに加え 400~450nmの範囲にフォーカスしたCoastal Blueのセンサを持つ世界初の商用衛星です。Coastal Blue・Blue・Greenバンドの相対的な吸収度を測ることにより、20mまでの、そして潜在的には 30mまでの深さを計算できると期待されています。

WorldView-2の同一軌道内における優れた撮影能力により、現地計測データをより正確により信頼度のあるものにすることができます。太陽高度や海の状態やその他のパラメータの違う撮影を小さな領域に対して行い、一連の計測のキャリブレーションを行い、より広い領域適用するという手法です。WorldView-2 の機動性とすばやい再ターゲッティング性能によって可能となった大きな撮影能力により、Coastal Blue・Blue・Greenバンドの異なる吸収性を比較し、いくつかの既知のポイントを使って水深の推定値をキャリブレーションすることができます。そしてそのモデルを撮影領域全体に拡張することができます。

写真測量アプローチ この方法ではターゲット領域上のステレオ画像を撮影し、浅い海底の標高モデル(DEM)を画像から生成します。衛星画像とデジタル写真測量の両方を使った初期の研究ではこれが有望と思われており、そして浅い環境の正確な水深モデルを現地計測無しに提供するため、この技術を用いることができることを実証しています。しかしこの技術は現在のセンサの性能の制限のため幅広く研究されてきませんでした。

Al Wakrah Port, Qatar

April 5, 2009

図 1: 光と空気/水の境界

Page 9: The Benefits of the 8 Spectral Bands Of WorldView-22 WHITE PAPER THE BENEFITS OF THE 8 SPECTRAL BANDS OF WORLDVIEW-2 各スペクトル各スペクトルのの役割役割 Coastal

7

WHITE PAPER ▶ THE BENEFITS OF THE 8 SPECTRAL BANDS OF WORLDVIEW-2 浅い海底のステレオ画像の撮影の課題はどのように光が空気/水の境界で作用するかということです(図1)。高い入射角度では光は完全に水の表面で反射され、どんな水中の物体も観察することができません。現在のマルチスペクトル衛星のセンサでは十分な高分解能のステレオ画像を、海の表面を透過するのに必要な狭い角度から撮影することができません。それに加え、それらの衛星のどれも最大限に深く透過するために必要とされる青より短い波長の光を計測することができません。

WorldView-2により水深計測のためのこの新しい方法が可能となります。Coastal Blueバンドは最大の水透過性を提供し、強化された機動性により、水を透過するための理想的な角度からのイントラック高分解能ステレオ画像の大量撮影が可能となりました。このアプローチの利点は、陸地や水の中に見えるタイポイントを使って複数の画像を登録し、それらから作成されたステレオペア群が現地計測に頼ることなく水深を計算するのに利用できることです。他のどの衛星もこの高空間分解能、高スペクトル分解能、高機動性とステレオ撮影能力の高さの組み合わせを提供することはできません。

深浅測量の応用 最新で、正確で、容易に更新可能な水深モデルにより、世界の航路をより明確に理解して、航行の安全性を向上させるための効果的なツールとして利用されます。

自然災害が船舶航行の危険性を増加させる ハリケーンカトリーナ被災の影響で非常に大量の残骸がミシシッピの入り江にたまっており、それらは商業船舶や娯楽用ボートに深刻な脅威となっています。NOAAプロジェクトの一環で、5隻の船により数ヶ月に亘って複数のソナーを用いた調査が行われました。この調査は約 114平方海里にわたり、1300 以上のソナーの反応を検知しています。この調査で特定された物体の多くは数十メートル幅もあり、入り江を航行している船舶に重大な危険をもたらします。

衛星から計測された水深はこのようなプロジェクトの効率を大きく高めます。短い期間ですべての領域を撮影でき、海洋の潜在的な危険性を特定するために、すばやく水深を計測することができます。大きな脅威となる物体の調査のために船が派遣され、衛星から取得された水深の精度を高めるためにソナーによる計測が行われます。そしてより信頼性の高い海図が作成されます。

正確な深浅測量がリスクの予見に役立つ 津波、高波による洪水、沿岸の浸水、高潮などの破壊的な海の力が沿岸に与える影響を理解するためには、専門家は陸地から沿岸までの正確な深さや高さを知る必要があります。しかし、沿岸部の地図は通常異なるデータソースから作成されていて、陸地か水域かのいずれの情報しか載っていま

Orange Beach, Alabama

September 24, 2008

Page 10: The Benefits of the 8 Spectral Bands Of WorldView-22 WHITE PAPER THE BENEFITS OF THE 8 SPECTRAL BANDS OF WORLDVIEW-2 各スペクトル各スペクトルのの役割役割 Coastal

8

WHITE PAPER ▶ THE BENEFITS OF THE 8 SPECTRAL BANDS OF WORLDVIEW-2 せん。陸地から海岸線や水の底まで広がった高精度のシームレスな地図の欠如はこれらの脅威を正確に評価しようとするにあたり大きな障害とされてきました。

WorldView-2と写真測量の手法を用いることにより、陸地と水域の境界を含む連続的な標高モデルを作成することができます。このシームレスな DEM は高潮をモデリングし、住民や財産へのリスクを正確に決定するのに貴重なツールとなるでしょう。

植生解析植生解析植生解析植生解析 植生解析は衛星リモートセンシングにおいて何十年も主力の分野でした。植物の物性を測定する従来の正規化植生指数(NDVI)は非常に成功しており、追加の Red Edgeバンドが植物の研究の精度や感度を改善するという証拠が多く見られています。WorldView-2は Red Edgeのスペクトルバンドで世界中の高分解能画像を撮影できる唯一の商用マルチスペクトル衛星です。

植生の物質測定

NDVI は植生を計算するのに確立されたメカニズムです。これは生きている植物に含まれている物質であるクロロフィルが強く可視光を吸収し、強く近赤外光を反射するという原理によっています。QuickBird、IKONOS、GeoEye-1、SPOT5や Landsat-7などのマルチスペクトル衛星は610nmから 680nmの範囲の波長を持つ赤バンド(RED)と 750nmから 890nmの範囲の波長を持つ近赤外バンド(NIR)の 2つのバンドを有しており、これがNDVI比(NIR – RED / NIR + RED)を計算するために利用されています。このNDVI比は植物の活性度を計算するに有効で、森林や作物の評価や環境の変化の監視をするために世界中で利用されています。

何十、何百のスペクトルバンドを計測できるハイパースペクトルセンサの利用が増えてきた中で、科学者達は最小と最大の反射率の移行領域である Red Edgeのスペクトル領域(680nm から 750nm)を評価してきました。研究者は Redと Red Edgeの比較がNDVIよりも植物の健康状態の微妙な変化に敏感であることを示してきました。

Redと Red Edgeの比較は健康な木々と病気の影響を受けている木々を区別することができます。それに加え、Red Edgeバンドは若い植物と成熟した植物の違いを明らかにし、針葉樹と広葉樹を細分化し、作物畑の中の雑草の種類を区別することさえ可能にすることが示されてきました。研究から、Red Edge バンドにより、感度のよく高度な解析が可能になることがはっきりしたのです。

今までは Red Edgeデータを含む衛星画像は中分解能から低分解能(5~30m)のみが利用可能でした。それはフィールド全体の状況に対して一定の見識を与えていましたが、果樹園の中の個々の木々の健康状態やフィールド内の灌漑と施肥の効果をマッピングするという小規模な領域に対して詳細な評価を行うために細分化することはできませんでした。

Red River, Vietnam

September 23, 2007

Page 11: The Benefits of the 8 Spectral Bands Of WorldView-22 WHITE PAPER THE BENEFITS OF THE 8 SPECTRAL BANDS OF WORLDVIEW-2 各スペクトル各スペクトルのの役割役割 Coastal

9

WHITE PAPER ▶ THE BENEFITS OF THE 8 SPECTRAL BANDS OF WORLDVIEW-2 航空機搭載型のハイパースペクトルセンサは空間、スペクトル分解能ともに細かいスケールの評価に十分ですが、画像の撮影には大規模な計画が必要で何度も頻繁に撮影が必要な大規模なプロジェクトでは莫大な費用がかかってしまいます。

WorldView-2を用いた Red Edgeの計測

WorldView-2は Red Edgeセンサを 8バンドのマルチスペクトルの一つとして搭載する世界初の商用高分解能衛星です。このセンサは 705nmから 745nmという狭い領域にフォーカスされており、Red Edge の反射率を非常に感度良く計測できます。そして、WorldView-2 のマルチスペクトル画像の 1.84m という空間分解能は、他の衛星というよりも航空機のセンサに近いものです。この空間的分解能、スペクトル的分解能の組み合わせにより、物理的な地物の細分化がよりよく行われ、植物の活性度を細かく測定できるのです。

非常に大きな撮影範囲と頻繁な再訪回数により、WorldView-2は Red Edgeデータを地球規模で提供します。最も感度の高いデータを広いフィールドや森林に対して用いることができるのです。そして NDVIに似てはいるが、植物の健康状態や成長状況の微妙の変化により敏感な新しい方程式の開発が可能となるのです。

植生解析の応用

Red Edgeデータを頻繁に確実に利用できることで、植生の健康状態の微妙の変化の検出を必要とするリモートセンシングの新たな応用が可能となります。そして、環境と影響しあい、環境に依存している様々な産業に対し、環境への影響を早い段階で警戒することができるようになります。 ガスのパイプラインの漏れを特定する 地下の天然ガスのパイプラインは世界中に広がっていて、はるか遠くのアクセスが困難な地域にまで通っています。パイプラインに漏れが生じたとき、漏れた天然ガスは周辺の植生に影響を与えます。Red Edgeの感度を利用したリモートセンシングの技術を用いて、影響が目に見えない場所であっても物理的なストレスを受けている植物を特定することができるのです。高分解能マルチスペクトル衛星画像を用いて地下のパイプラインを監視することにより、それが人や環境に多大な危険をもたらす前に、ガス会社などの公益企業は早い段階でガスの漏れを検知することができます。

森林の健康状態と活性度の監視 植林地は、大規模な病気の蔓延や害虫の侵入に影響を受けやすく、経済的に大きな影響を受ける可能性があります。従来からのモニタリング技術は空気の測定や現地計測を必要としています。しかし、それらはコストがかかり、しかも非常に主観的です。Red Edgeを基礎にしたリモートセンシング分析は病気に影響を受けた木々を特定するのに有効であることが示されていますし、木々の健康度の定量的な情報を提供することができます。Red Edgeを利用した衛星によるリモートセンシング技術を使うことにより、大規模な地域を監視することができます。これは従来の監視技術に比べて大幅なコスト削減を実現し、よりターゲットを絞った効果的な病気/害虫撲滅戦略を立てることができます。

Page 12: The Benefits of the 8 Spectral Bands Of WorldView-22 WHITE PAPER THE BENEFITS OF THE 8 SPECTRAL BANDS OF WORLDVIEW-2 各スペクトル各スペクトルのの役割役割 Coastal

10

WHITE PAPER ▶ THE BENEFITS OF THE 8 SPECTRAL BANDS OF WORLDVIEW-2

WorldViewWorldViewWorldViewWorldView----2222をををを用用用用いたいたいたいた変化検出変化検出変化検出変化検出のののの改善改善改善改善 何十年もの間、衛星を用いたリモートセンシングは変化を検出するのに非常に貴重なツールとされてきました。他のプラットフォームでは定期的に対象領域を撮影し、広範囲を繰り返し LULC分類することはできません。だからといって、これまでの衛星の組み合わせでは、その変化を把握し、その変化に反応するために役立つ微妙な細部の変化を検出することができません。WorldView-2 の 8 つのスペクトルバンド、46cm のパンクロマティックと 1.8m のマルチスペクトルの分解能により、地上の小さな地物のスペクトルの詳細な変化を明らかにすることができます。道路の状態や地下埋設パイプライン上にある植物の健康状態や新しい砂州の場所を計測するにはWorldView-2だけが提供できる感度が必要なのです。しかし、感度の増加だけではありません。WorldView-2の膨大な撮影能力、短い再訪期間により、広大な領域が繰り返し撮影でき、自動変化検出を行うのに必要なデータを提供できるのです。

結論結論結論結論 今まで述べたように、WorldView-2の 8つのスペクトルバンド、高空間分解能、膨大な撮影能力は、より深い解析とすばやい見識を与えてくれます。私たちはWorldView-2がどのように地物分類や深浅測量や植生解析を改善するかのいくつかの具体的な例を述べてきました。しかし、これらは今後認知されていくであろう新しい用途や改善の一部の例に過ぎません。

高分解能商用衛星画像のプロバイダとしてDigitalGlobeは市場に先進的な画像を提供する技術を先導しています。DigitalGlobeはプレミアム品質の画像から得られる実用的なソリューションと、それらのソリューションが政府、企業、消費者向けのアプリケーションにおける課題にどのように適用できるかということに尽力しています。

Capetown, South Africa Capetown, South Africa March 5, 2008 November 25, 2008