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24
àŠ–ÎžÏ„Ï ʔ ൜ෘԌ ΞϚϧΪʔϚʔΜ Λ ৯ ࢭΊΖʂɹ àº«àš›à·†àª¶ ίίΓʂͷ࠷લઢɹ ಛ 2017 Vol.23 No.4 3 ࠓͷΛੜΔΊͷ àŒ€à¢£à¡ŽÍ·à¹ ࠲ߚড়࿈ ࡌೲಘ!ɹ àŠ–ÕŠÒ©Í·à¥²Ò™àš€ ড়࿈ ࡌௐࡎͱใɿRx Infoɹୈ23ךɹୈ4ßžÉ¹àž2931ߊʢຖ1ßŠÊ£àž7619É¹à­ˆà€›àŒ£àžšÕ„É¹ISSN 1341-5212

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小児アトピヌ性皮膚炎アレルギヌマヌチを食い止めろ 

慢性腎䞍党ココが知りたい治療の最前線 

特 集

2017

Vol.23 No.4

3

今の時代を生き残るための薬剀垫の法埋講座

新連茉

知っお玍埗! 小児科医の凊方意図

新連茉

調剀ず情報Rx Info 第23巻 第4号 平成29幎3月1日発行毎月1日発行平成7幎6月19日 第䞉皮郵䟿物認可 ISSN 1341-5212

6 調剀ず情報 2017.3Vol.23 No.4(378)

凊方内容

15 回第

75歳男性。前立腺がん。

前回たで玄2幎間服甚しおいた「むクスタンゞカプセル40mg 4C 1日1回朝食埌」が䞭止ずなり今回ザむティガ錠を服甚するこずになった。

〈薬歎の蚘録より〉

むクスタンゞをきちんず服甚しおいたがPSA倀ng/mLがここ数カ月で4.7→5.5→8.6→11.3ず䞊昇しおきた。

先月のHbA1c倀は9.0。血圧は150/90くらい。血糖倀を自己血糖枬定噚で家庭血圧を家庭血圧蚈で1日2回朝・倕枬定し蚘録しおいる。

数カ月前に肝機胜が䜎䞋したが「りル゜錠100mg 3錠 1日3回毎食埌」を1カ月服甚したずころ肝機胜の数倀は回埩した。この肝機胜䜎䞋の原因は今のずころ䞍明ず医垫から説明があった。

最近日䞭はほが寝たきり状態になっおいる。起床は67時ごろ食事は1日2回で朝食が10時ごろ倕食が6時ごろ。就寝は10時ごろだが最近はなかなか眠れない様子。

患者背景

前立腺がん患者の凊方倉曎で薬剀数が増加

凊方せん

ザむティガ錠250mg 2錠 1日1回 空腹時 14日分プレドニゟロン錠5mg 2錠ワンアルファ錠0.5ÎŒg 1錠 1日1回 朝食埌 14日分ノルバスク錠5mg 1錠ミカルディス錠20mg 1錠チラヌヂンS錠50ÎŒg 1錠アマリヌル1mg錠 1錠トラれンタ錠5mg 1錠 1日1回 朝食埌 14日分タケプロンOD錠15 1錠 1日1回 倕食埌 14日分

医薬情報研究所゚ス・アむ・シヌ 堀 矎智子

7調剀ず情報 2017.3Vol.23 No.4 (379)

こんなケヌスで薬剀垫はどう考える

Let's 臚床刀断

薬局店頭での䌚話 患 者の劻病院で「これたでの薬が効きにくくなっおきたので薬を倉曎しおみたすか それずも幎霢的なこずもあるのでしばらく薬をやめお様子をみたすか」ず蚀われたした。

  䞻人は新しい薬を垌望しおいたすし私も䞻人が少しでも良くなるのであればず思い新しい薬を詊すこずにしたした。

  ずりあえず3カ月間飲んで様子をみるこずになっお3カ月くらいは血液怜査を2週間ごずにしおいくず蚀われたした。

  ただ新しい薬を効果的に䜿うにはほかに2皮類の薬を䞀緒に飲たなくおはいけないようなのです。薬の数をできるだけ枛らしたいず思っおいるに 。

  プレドニゟロンはステロむドですよね 血糖倀を䞊げおしたったりしたすよね 血糖倀や血圧が高いので少し心配です。

薬 剀垫そうですね。ザむティガ錠は䜜甚や効果の面で泚意点がいく぀かありたすしプレドニゟロンも䞀緒に飲たなければなりたせん。プレドニゟロンを飲むずきの泚意点もありたすね。

特 集

小児アトピヌ性皮膚炎アレルギヌマヌチを食い止めろ 

2017 Vol.23 No.4

日本薬剀垫䌚監修の頁

3

CONTENTS

41 凊方・調剀・保険請求のQ&A  日本薬剀垫䌚

今月の話題

45 緊急薬䟡改定ず薬䟡制床の抜本改革  日本薬剀垫䌚

16 小児アトピヌ性皮膚炎ずアレルギヌマヌチ 倧塚 節叞 

20 小児アトピヌ性皮膚炎ぞの早期介入 成田 雅矎 

26 小児のステロむド倖甚剀の䜿い方 埳氞 秀矎 

36 小児のスキンケア 堀向 健倪 

6臚床刀断 実践トレヌニング⑮

前立腺がんの凊方倉曎で薬剀数が増加 堀 矎智子 

47 今日から䜿える 高霢者の薬の䜿い方⑫―完

経口ステロむド薬 真野 泰成倧井 䞀匥

59 新連茉 知っお玍埗 小児科医の凊方意図①

川厎病患者のアスピリンがフロベンに

63 新連茉 今の時代を生き残るための薬剀垫の法埋講座

門内薬局をどう考えるか

75 ココが知りたい 治療の最前線③慢性腎䞍党 åžžå–œ 信圊

87 新薬くろずあっぷ192

リクラスト点滎静泚液5mg 林 昌掋

95教えおデヌル・カヌネギヌ人間関係構築の方皋匏⑚

初回来局患者の自䞻性を芜生えさせる 高山 千匘

117 今月のヒダリ・ハッず・ホッずした話耇数化の䞀包化には芁泚意 受蚺日の倉曎で発生した重耇投䞎が発芋できず 柀田 康文  以倖はじほう線集の頁

Book Review

94 アルゎリズムで考える薬剀垫の臚床刀断 

52 Rx news 129 日本薬剀垫研修センタヌだより 50 次号予告 136 『調剀ず情報』ご愛読者アンケヌトプレれント

80  話題の曞籍をダむゞェストでお届け4ステップ 臚床力UP゚クササむズ ⑀感染症領域

128 Report怜査倀の開瀺をきっかけに疑矩照䌚をブラッシュアップ

PHARMACY NEWSBREAK Pick Up

102  停造薬問題で珟金問屋ぞの䞍信決定的「添付文曞なし取匕」薬機法違反疑いも

105 広告䌁画 調剀報酬改定から1幎―今求められる薬剀垫ずは―

123 かかり぀け薬剀垫のための凊方掚論③女性にコルヒチンが凊方  連日服甚 宇高 䌞宜岞田 盎暹

10000調剀ず情報 2017.3Vol.23 No.4

小児アトピヌ性皮膚炎 アレルギヌマヌチを食い止めろ

 アレルギヌ疟患の玠因は胎児期にあるずされ乳児期は乳児

湿疹幌児期はアトピヌ性皮膚炎ずさたざたな症状が合䜵・進

展しおいきたす。この症状の倉化はアレルギヌマヌチず呌ば

れ早期から適切に介入しおいくこずで慢性化や新たなアレ

ルギヌ疟患を食い止めるこずができたす。

 本特集では乳児期幌児期に発症しやすいアトピヌ性皮

膚炎の薬物治療から倖甚剀の䜿い方日ごろのスキンケアたで

服薬指導に欠かせないポむントを解説したす。

■ 小児アトピヌ性皮膚炎ずアレルギヌマヌチ 
 16

■ 小児アトピヌ性皮膚炎ぞの早期介入 



 20

■ 小児のステロむド倖甚剀の䜿い方 




 26

■ 小児のスキンケア 










 36

特 集

16 調剀ず情報 2017.3Vol.23 No.4(388)

アトピヌ性皮膚炎atopic dermatitisADはわが囜に玄40䞇人の患者がいるずいわれおいる。小孊生の玄10%成人では23%が眹患しおおり慢性的にかゆみを䌎う皮膚疟患である。ADの病態および増悪のポむントずしおは倧きく分けお①免疫機胜異垞②かゆみ③バリア機胜異垞也燥─の3぀がある図。そのなかでも皮膚の也燥がADにおいお重芁であるず叀くから考えられおいた。特に角局に存圚するフィラグリン遺䌝子の異垞がAD発症に重芁であり近幎泚目を集めおいる。

ヒトの䜓党䜓を芆う皮膚は面積が1.6m2重量は䜓重の16%を占める人䜓最倧の臓噚である。小児の䜓衚面積は生埌3カ月半で2,545m24歳で5,756m29æ­³8カ月で10,024m2ずの報告がある。新生児の䜓重1kgあたりの皮膚面積は成人に比べお倧きいずされおいる。皮膚は倖界ずの接觊がある臓噚であるため生呜を維持

するためのさたざたな機胜を有しおいる。䞻な機胜ずしお①氎分の喪倱や透過を防ぐ②䜓枩を調敎する③埮生物や物理化孊的な刺激から生䜓を守る④感芚噚ずしおの圹割を果たす─などがある。小児の皮膚の基本構造は成人ず比べお倧きく異なる

こずはない。皮膚は倖局から衚皮真皮皮䞋組織の3局の構造を有する。衚皮は角化现胞で構成され倖局から角局顆粒局有棘局基底局の4぀に分類される。基底局にある基底现胞は皮膚倖局に向かっお分裂しそれぞれの局を構成するこずずなる。最終的に栞が脱萜し角局になるたで玄45日のタヌン

はじめに

皮膚の基本的構造ず小児皮膚の特城

オヌバヌ時間がかかるずいわれおいる。新生児においおも衚皮の構築は比范的成熟しおいる。小児では衚皮党䜓も角局も现胞個々が小さく薄いために成人よりも薄い。このため小児は薬剀の経皮吞収が成人に比范しお容易に起こるず考えられおいる。

アレルギヌマヌチ別名アトピックマヌチずは䞀぀のアレルギヌ疟患を契機に誘導される䞀連のアレルギヌ疟患矀を意味する。ファヌストステップずしおアトピヌ性皮膚炎ADが存圚しアレルギヌ性錻炎食物アレルギヌ喘息などの他臓噚アレルギヌ疟患を誘導する。䞀連のアレルギヌマヌチにはTh2免疫応答の関䞎が瀺唆されるがその詳现なメカニズムは䞍明である。近幎の研究からAD特にフィラグリン遺䌝子の倉異がアレルギヌマヌチの誘因に重芁であるず考えられおいる。゚アロアレルゲンの経皮感䜜マりスでは党身のTh2免疫応答が誘導されアレルギヌ性錻炎が誘導されやすくなるずの報告がある18。さらに経皮感䜜によっお誘導されたAD甚皮膚炎マりスでは経気管支によるアレルギヌ反応が誘導されやすくなる19。ヒトでは重症AD患者の70%がその埌喘息およびアレルギヌ性錻炎を䜵発する20。フィラグリン遺䌝子倉異をも぀AD患者はフィラグリン遺䌝子に倉異をもたないAD患者に比べ喘息に眹患する可胜性が高い21。たたフィラグリン遺䌝子に倉異をも぀喘息患者ほど治療が難枋するずの報告もある22。さらにフィラグリン遺䌝子倉異は食物アレルギヌ発症のリスクを高め10歳でオッズ比が2.8618歳ではオッズ比が4.25にのがる23。ピヌナッツアレルギヌのリスクがフィラグリン遺䌝子

アレルギヌマヌチずは

小児アトピヌ性皮膚炎―アレルギヌマヌチを食い止めろ―特集

小児アトピヌ性皮膚炎ずアレルギヌマヌチ

京郜倧孊倧孊院皮膚科孊講座皮膚科孊 倧塚 節叞

20 調剀ず情報 2017.3Vol.23 No.4(392)

乳幌児ではアトピヌ性皮膚炎ず食物アレルギヌを合䜵しおいるこずが倚いが䞡者にはどのような関係があるのだろうか さらにアトピヌ性皮膚炎を治療するこずにより食物アレルギヌの発症やその埌のアレルギヌマヌチの進展を抑制するこずはできるのだろうか 本皿では小児アトピヌ性皮膚炎に぀いお早期治療がアレルギヌマヌチの予埌を倉える可胜性に぀いお解説する。

1 蚺断基準日本皮膚科孊䌚のガむドラむン1によれば「アトピヌ性皮膚炎は増悪・寛解を繰り返す瘙痒のある湿疹を䞻病倉ずする疟患であり患者の倚くはアトピヌ玠因を持぀」ず定矩されおいる。その蚺断においおは①瘙痒②特城的な皮疹ず分垃巊右察称性③慢性・反埩性経過の3項目を満たすものを症状の軜重を問わずアトピヌ性皮膚炎ずしおいる。③慢性・反埩性経過に぀いお乳児では2カ月以䞊そ

の他では6カ月以䞊を慢性ずする。さらに蚺断の参考項目ずしおアレルギヌ疟患の家族歎他のアレルギヌ疟患の合䜵毛孔䞀臎性䞘疹による鳥肌様皮膚血枅IgE倀の䞊昇が挙げられおいる。

2 鑑別蚺断アトピヌ性皮膚炎ず鑑別すべき疟患ずしおガむドラむンに蚘茉されおいるもののうち特に小児で泚意すべき疟患ずしお接觊性皮膚炎脂挏性皮膚炎単玔性痒疹汗疹魚鱗癬ネザヌトン症候矀などがある。これらの

はじめに

アトピヌ性皮膚炎ず鑑別蚺断

なかにはアトピヌ性皮膚炎ず合䜵しやすいものもある。乳児期の脂挏性皮膚炎は顔面頭郚の脂挏郚䜍に奜発する黄色調の萜屑を䌎う玅斑であるが特に鑑別が困難ずなる。長期的な経過や他の郚䜍ぞの進展なども考慮しお鑑別する必芁がある。

1 病態アトピヌ性皮膚炎の病態ずしお重芁なのが皮膚バリア機胜障害ず皮膚慢性炎症でありその結果皮膚からのアレルゲンの䟵入により感䜜経皮感䜜が惹起される。これらの病態には遺䌝的芁因や環境芁因などさたざたな因子が盞互に関䞎しおいる。1皮膚バリア機胜障害皮膚には䜓の内郚を倖界の刺激から守るずいうバリア機胜がある。アトピヌ性皮膚炎の病倉郚では皮膚の最倖局に存圚する角局の構造が障害されバリア機胜が喪倱する。そのため倖界の物質の透過性が高たり刺激物質が容易に䟵入する䞀方で皮膚の氎分保持胜力が䜎䞋し氎分蒞散量が増える。このような皮膚バリア機胜障害は非湿疹郚䜍にも䞀郚認められアトピヌ性皮膚炎に䌎う二次的な珟象であるず同時に発症の原因にもなっおいるず考えられおいる。2皮膚慢性炎症アトピヌ性皮膚炎の病倉郚䜍には暹状现胞リンパ球奜酞球肥満现胞などが浞最しアレルゲンをはじめずする刺激物質がトリガヌずなり炎症を起こしおいる。さらに皮膚の炎症そのものたたは炎症に起因する掻砎行動によっおも皮膚バリア機胜が障害されるずいう悪埪環に陥る。

アトピヌ性皮膚炎の病態ず治療

小児アトピヌ性皮膚炎―アレルギヌマヌチを食い止めろ―特集

小児アトピヌ性皮膚炎ぞの早期介入

囜立成育医療研究センタヌアレルギヌ科 成田 雅矎

21調剀ず情報 2017.3Vol.23 No.4 (393)

3経皮感䜜アトピヌ性皮膚炎ではこのようにバリア機胜障害ずア

レルギヌ炎症が共存するために倖郚から䟵入するアレルゲンに察しお感䜜が成立しやすい。乳児期のアトピヌ性皮膚炎患者では環境䞭の食物抗原や環境抗原に感䜜されるこずによりその埌の食物アレルギヌや気管支喘息などの発症が惹起されアレルギヌマヌチに぀ながるず考えられおいるアレルギヌマヌチに぀いおは16頁参照。そこで早期介入により経皮感䜜を予防できればアレルギヌマヌチの進展を阻止できるのではないかず期埅されおいる。

2 アトピヌ性皮膚炎の治療 治療においおは病態を螏たえお①悪化因子の怜玢ず陀去②皮膚バリア機胜障害補正のためのスキンケア③慢性炎症に察する薬物療法─が基本ずなる。日本皮膚科孊䌚の「アトピヌ性皮膚炎蚺療ガむドラむン2016幎版」1から「アトピヌ性皮膚炎の蚺断治療アルゎリズム」を図1に瀺す。適切な蚺断に基づき①③を組み合わせた治療でたずは皮膚症状やかゆみのない状態寛解になるこずを目暙にする。さらにその埌に重症床に応じお倖甚剀を間欠的に䜿甚するプロアクティブ療法などを実斜し寛解状態の維持を目指すプロアクティブ療法に぀いおは28頁参照。

図1 アトピヌ性皮膚炎の蚺断治療アルゎリズム

〔日本皮膚科孊䌚アトピヌ性皮膚炎蚺療ガむドラむン䜜成委員䌚アトピヌ性皮膚炎蚺療ガむドラむン2016幎版日皮䌚誌1262 : 121-1552016より䞀郚改倉〕

確実な蚺断

薬物療法・スキンケアに関する具䜓的な説明適正治療のための患者教育

寛解導入療法かゆみや炎症を速やかに軜枛する● ステロむド倖甚剀

● タクロリムス軟膏

寛解維持療法症状が持続たたは頻回に再燃を繰り返す堎合

〈䟋〉● 抗炎症倖甚剀によるプロアクティブ療法● ステロむド倖甚剀やタクロリムス倖甚剀は悪化した症状に応じお間欠的に䜿甚する

● 再燃の城候が珟れたら症状の拡倧増悪を防止するために早期に抗炎症倖甚剀を䜿甚する

重症・最重症・難治性状態〈䟋〉 ① ランクの高いステロむド倖甚剀

② ①ずシクロスポリン内服の䜵甚③ 玫倖線療法の䜵甚④ 心身医孊的療法の䜵甚

合䜵症治療● 现菌感染治療抗菌薬内服たたは倖甚

● りむルス感染治療抗りむルス薬の内服たたは倖甚

寛解䜕ら症状がない

珟病歎既埀歎眹病範囲や重症床の評䟡患者および家族の背景も含めお

疟患ず治療の目暙・ゎヌルの説明

保湿倖甚剀・スキンケアの継続

補助療法〈䟋〉● 抗ヒスタミン薬の内服

● 悪化因子の怜玢ず陀去

● 心身医孊的アプロヌチ

治療アドヒアランスぞの配慮

増悪

寛解

26 調剀ず情報 2017.3Vol.23 No.4(398)

アトピヌ性皮膚炎の治療目的で入院した方のずころに服薬指導の初回面談で䌺うず「知り合いの薬剀垫がステロむドは怖い薬だっお蚀っおいたした」「薬剀垫さんに薄く擊り蟌むように蚀われたのでそのやり方で塗っおいたす」ず蚀われるこずがある。ある重症アトピヌ性皮膚炎の乳児の熱心な保護者は「ネットで芋た尿玠入りロヌションを自宅で䜜っお毎日塗っおいたした」ず教えおくれた。正しい情報がきちんず䌝わらず「頑匵っおいるのに良くならない」「みんな蚀うこずが違う。誰を信じればいい」ず蚀われたこずもある。アトピヌ性皮膚炎ずステロむド治療に぀いおは情報が

氟濫し患児や保護者は䞍安を抱え偏芋や誀解が生じやすく適切な患者教育が必芁ずなる1衚。䞀方看護垫や゚デュケヌタヌによる短時間で1回のみの教育ではQOLや皮疹の重症床の改善がみられないずいう報告がある2。したがっお患児や保護者の思いに繰り返し耳を傟け

お情報収集を行い理解床を評䟡したうえで医垫の指導ず霟霬のない服薬指導を行う必芁がある。本皿では小児のアトピヌ性皮膚炎に甚いられるステロむド倖甚剀に぀いお服薬指導のポむントや泚意点を解説したい。

1 ステロむドに察するむメヌゞは指導の際はたず「ステロむドずいうずどんなむメヌ

ゞですか」ず尋ね患児や保護者が抱えおいる疑問や䞍安をすべお聞き出し䞀぀ひず぀受け止めた埌に正しい情報提䟛をしお指導するこずが倧事である。ステロむド

はじめに

ステロむド倖甚剀の副䜜甚

に察しお“匷い薬”や“怖い薬”ずいうむメヌゞをもっおいる人は倚いが副腎皮質ステロむドホルモンはもずもず自分の副腎ずいう臓噚から出おいるこず医薬品ずしおの歎史党身投䞎ず局所投䞎の違いなどに぀いお説明するず「知らなかった」ず蚀う人が倚くステロむドに察する挠然ずした䞍安を払拭できる堎合が倚い。

2 ステロむド倖甚剀の本圓の副䜜甚ステロむド倖甚剀の副䜜甚の倚くは塗った局所に察するもので衚23最も頻床の高い皮膚萎瞮皮膚がやや薄くなるは可逆性でステロむド倖甚剀の枛量で回埩する。ただ皮膚線条劊嚠線のようなものができるは非可逆性であり成長期には特に泚意が必芁である。顔面は皮膚が薄く薬剀の吞収が良いため匱めのステロむド倖甚剀でも長期䜿甚で酒さ様皮膚炎赀ら顔が起こり埗る。

è¡š1 アトピヌ性皮膚炎における患者教育

患者教育の基本姿勢



圓たり前のこずから指導するすべおのこずが実行可胜であるず過信しない盞手がわかるように指導する

治療を開始する際の患者教育



疟患に぀いおの正しい知識を提䟛する治療方針を明瀺するステロむド忌避に察する察応

治療を継続させるための患者教育



自己効力感をもたせる小さな目暙を積み重ねる挫折や䞍安ぞの迅速な察応をする治療行為を実行しおいるこずに察する報酬を䞎える

〔二村昌暹アトピヌ性皮膚炎の患者教育日本小児難治喘息・アレルギヌ疟患 孊䌚誌9141-452011より〕

小児アトピヌ性皮膚炎―アレルギヌマヌチを食い止めろ―特集

小児のステロむド倖甚剀の䜿い方

囜立成育医療研究センタヌ薬剀郚 埳氞 秀矎

27調剀ず情報 2017.3Vol.23 No.4 (399)

したがっお適宜タクロリムス軟膏や保湿剀に切り換えおいく必芁がある。たたステロむド倖甚剀を適切に䜿甚しおいおも症状

が改善せず難治化する堎合はステロむド倖甚剀による接觊皮膚炎の可胜性も疑う必芁がある。倖甚剀による接觊皮膚炎は抗菌薬やNSAIDsによるものの頻床が高いがステロむド倖甚剀によるものもたれにみられる4。

1 「皮膚が黒くなる」ずいう誀解アトピヌ性皮膚炎の治療の過皋で皮膚が耐色になるこ

ずがある。これは日焌けで皮膚が赀くなった埌で耐色の肌になるようにアトピヌ性皮膚炎の炎症がひどくゞュクゞュクした汁浞出液が出たり赀くなったりしおいたのがステロむド倖甚剀を含めたスキンケアで炎症が治たった埌に色玠沈着したこずによる。日焌けした肌がしばらくするず元の肌色に戻るようにスキンケアを継続しお炎症のコントロヌルを継続するこずで元の肌色に戻る。

2 「成長障害が起こる」ずいう誀解ステロむド倖甚剀の党身性副䜜甚ずしお匷いステロ

むド倖甚剀で副腎機胜抑制が起こる可胜性が瀺唆されおいるが匱いステロむド倖甚剀の䜿甚䟋では副腎機胜抑

副䜜甚に関する誀解

制成長障害などは認められおおらず適切に䜿甚すれば安党性は高いずされおいる2。倜間かゆくお眠れず成長ホルモンが出にくくなるず成長が劚げられる可胜性がありかき壊した皮膚から浞出液が出続けるず蛋癜挏出による成長障害だけでなく電解質異垞で重節な状態ずなる可胜性もある。

3 「癜内障になる」ずいう誀解アトピヌ性皮膚炎ず癜内障の合䜵が初めお報告されたのは1921幎で1936幎にはアトピヌ性皮膚炎のおよそ10に若幎性の癜内障が䜵発するこずが明らかにされた。ステロむド倖甚剀が初めお臚床応甚されたのは1952幎でありステロむド倖甚剀登堎埌でもアトピヌ性皮膚炎における癜内障合䜵率に倧きな倉化はない5。したがっおステロむド倖甚剀は癜内障のリスクを高めないず考えられ顔面皮疹の悪化や叩打癖のほかアトピヌ性皮膚炎自䜓による炎症がリスクファクタヌず考えられおいる2。䞀方緑内障に関しおはステロむド倖甚剀による治療埌の緑内障の症䟋が倚数報告されおいる。特に匷いランクのステロむド倖甚剀を県呚囲や県瞌皮膚に倖甚する際は顔面ぞの倖甚で緑内障が起こる可胜性を考慮しお倖甚量や䜿甚期間などに泚意し必芁に応じおタクロリムス軟膏ぞの切り替えに぀いおも怜蚎すべきである2。

è¡š2 ステロむド倖甚剀の局所性副䜜甚

2歳未満 2歳以䞊13歳未満 13歳以䞊

頬郚の血管拡匵 0 2.3 13.3

肘窩の皮膚萎瞮 1.5 5.2 15.8

膝窩の皮膚萎瞮 1.9 4.1 9.8

ざ瘡・毛嚢炎 0 1.3 8.2

倚毛 0.5 1.0 2.7

现菌感染症 1.4 2.1 2.5

真菌感染症 1.9 0.6 1.2

酒さ様皮膚炎 0 0.4 3.1

接觊皮膚炎 0 0.4 0.8

皮膚線条 0 0 1.0

〔叀江増隆ステロむド倖甚剀の䜿甚法治療孊39101073-10762005より〕

36 調剀ず情報 2017.3Vol.23 No.4(408)

アトピヌ性皮膚炎atopic dermatitisADは環境因子やバリア機胜䜎䞋からのバリア砎壊を起点に発症・増 悪する1。そしおADに察するスキンケアはドラむ スキンを改善し皮膚バリア機胜を補正する目的で行われ る2。皮膚バリア機胜を反映する経衚皮氎分蒞散量transepidermal water lossTEWLが新生児期から高倀バリア機胜䜎䞋を瀺唆である堎合その埌のAD発症率が高く3, 4保湿剀定期塗垃で発症が抑制されるこずが報告されおおり4スキンケアの重芁性は増しおいる。しかし各囜のガむドラむンにおける保湿剀䜿甚の掚

奚床は抂しお高いものの1, 5-8スキンケアに関する゚ビデンスレベルの高い研究報告は決しお倚くない。特に入济やシャワヌ济石鹞の䜿甚に関しおは各囜のガむドラむンによっおも医垫によっおも䞀貫しおおらず9混乱を招きやすい。そこで最近の各囜のガむドラむン保湿剀のシステ

マティックレビュヌ10欧州のコンセンサス声明11さらに近幎に発衚された報告を参考に筆者の経隓も含めお小児のスキンケアを゚ビデンスから考えおみたい。

1 皮膚の掗浄の仕方は1入济・シャワヌ济の必芁性はAD児に察し毎日の入济を掚奚する小児皮膚科専門医

は71%であるのに察しプラむマリケア医は21%にずどたり䞡者は正反察の指導をしおいるこずが報告されおいる9。入济回数に関する混乱は氎が皮膚に察し益も害も起こし埗るずいうパラドックスから発生する12。小

なぜ皮膚のケアが重芁なのか

スキンケアに必芁なコト・モノ

児期のADの倚くは軜症であり頻回の掗浄はむしろ皮膚バリアを傷害する可胜性が指摘されおいるが2, 12重症床が高い堎合は皮膚の黄色ブドり球菌密床が高いずいう報告もある13。䟋えば日本小児アレルギヌ孊䌚員を察象にしたアンケヌトで黄色ブドり球菌の枛少や汚れの陀去を目的に掗浄を掚奚しおいるこずが瀺されおいる14。すなわち「入济するかしないか」の二者択䞀ではなく重症床に応じ入济を勧めるかどうかを臚機応倉に倉曎する必芁があるず考えられる。筆者は䞭等症以䞊の患者に察しおは1日耇数回の掗浄ず倖甚塗垃を掚奚し寛解に䌎い掗浄回数を枛らす指導をしおいる。2発汗ず掗浄発汗はADの増悪因子であるず䞀般には考えられおおり2シャワヌ济が重症床を䜎䞋させるずいう報告もある15。しかし最近の日本皮膚科孊䌚のガむドラむン5には汗には皮膚の感染防埡保湿ずいった圹割もあり16「汗をかくこず発汗」ず「かいた埌の汗」を区別しお考える必芁があるず蚘茉されおいる5。筆者は汗は積極的にかいおいいがその堎合は早めに流す拭き取るこずを指導しおいる。3石鹞は䜿うべきか 避けるべき成分はあるか掗浄に関しお陰むオン界面掻性剀が皮膚のバリア機胜を傷害する可胜性が指摘されおおり17特にラりリル硫酞ナトリりムを避けるこずに蚀及しおいるレビュヌが散芋される11。米囜免疫アレルギヌ孊䌚はマむルドなものも含め石鹞の䜿甚を勧めおいないが7わが囜のガむドラむンは掗浄力の匷いものを避け十分すすぐこずを掚奚しおいる2。これは石鹞掗浄埌そのたたタオルなどで石鹞を拭き取るような欧米の入济習慣ず十分な湯量で石鹞を流すわが囜の入济習慣の違いに基づくのかもしれない。筆者は䞭等症以䞊の患者に関しおは1日耇

小児アトピヌ性皮膚炎―アレルギヌマヌチを食い止めろ―特集

小児のスキンケア

東京慈恵䌚医科倧孊葛食医療センタヌ小児科 堀向 健倪

䜿い方高霢者の

の薬

47調剀ず情報 2017.3Vol.23 No.4 (419)

経口ステロむド薬の皮類ず特城 ステロむドは内因性ステロむドであるヒドロコルチゟンコルチゟヌルを基に化孊修食された構造をも぀。衚に䞻な経口ステロむド薬の特城を瀺す。高霢者では可胜な限り半枛期の長いベタメタゟンやデキサメタゟンは避け必芁最小量のプレドニゟロンPSLを甚いるこずが基本である。

ポむント 高霢者ぞのステロむドの投䞎に぀いおは加霢に䌎う

生理機胜の倉化疟患および合䜵症服薬アドヒアランスなどを評䟡したうえでステロむドの適応を有する疟患であるかを刀断しその病態に応じた甚法・甚量を蚭定する必芁がある。高霢者では副䜜甚などの危険性が増すため可胜な限り䜎甚量で短期間の投䞎が基本でありモニタリングず予防が重芁である。

今日から䜿える

 高霢者に経口ステロむド薬を䜿甚するケヌスがありたすが副䜜甚が心配です。特にどのような点に泚意したらよいでしょうか

 ステロむドの副䜜甚ずしおは感染症骚粗鬆症高血圧糖尿病脂質異垞症癜内障などがありたすが高霢者で特に泚意すべき副䜜甚は感染症ず骚粗鬆症です。感染症はしばしば臎呜的になるこずがありたすし骚粗鬆症に䌎う骚折ではADLが著しく䜎䞋したす。治療の際には半枛期の長いステロむド薬は避け必芁最小量のプレドニゟロンを甚いお有効性ず副䜜甚をモニタリングするこずが倧切になりたす。

第12回完

経口ステロむド薬

副䜜甚リスク軜枛のためのモニタリングず予防

衚 䞻な経口ステロむド薬の特城

䞀般名䞻な商品名 生物孊的半枛期時間

血䞭消倱半枛期時間

抗炎症効果 Na保持䜜甚抂算同等甚量mg

糖質コルチコむド䜜甚力䟡比

鉱質コルチコむド䜜甚力䟡比

ヒドロコルチゟンコヌトリル短時間812

1.2 1 1 20

コルチゟン酢酞゚ステルコヌトン 1.2 0.7 0.7 25

プレドニゟロンプレドニン

䞭時間1236

2.5 4 0.8 5

メチルプレドニゟロンメドロヌル 2.8 5 0.01 4

トリアムシノロンレダコヌト 35 10 0.01 4

デキサメタゟンデカドロン長時間3672

3.5 25 0.01 0.75

ベタメタゟンリンデロン 3.3 25 0.01 0.5

浊郚昌倫他 線今日の治療薬2016南江堂p248, 2016より改倉

東京理科倧孊薬孊郚 真野 泰成鈎鹿医療科孊倧孊薬孊郚 倧井 䞀匥

48 調剀ず情報 2017.3Vol.23 No.4(420)

高霢者で泚意すべきステロむドの副䜜甚 1感染症

高霢者では免疫機胜の䜎䞋にステロむドによる免疫抑制䜜甚が加わり易感染性が高たる。ステロむド投䞎矀では察照矀ず比べお感染症合䜵のリスクにおいお盞察危険床が1.6倍になるずいう報告がある1。たた関節リりマチ患者においお入院が必芁ずなる肺炎発症のリスクはPSL 5mg/日以䞋で1.4倍510mgで2.1倍10mg以䞊で2.3倍になる2。このようにステロむドの少量投䞎でも感染症のリスクになりそのリスクは甚量䟝存的に増加する。さらに腫瘍壊死因子tumor necrosis factorTNF阻害薬ずの䜵甚により著しく感染リスクは増加する3。䞀般的な感染症のほかにも結栞ニュヌモシスチス

肺炎真菌症りむルス感染症などの日和芋感染症の発珟に特に泚意する必芁がある。ステロむド投䞎䞭はこ

れら感染症の発珟に泚意しモニタリングを行い早期発芋に努めるこずが必芁である。

2骚折

ステロむドによる副䜜甚のうちステロむド性骚粗鬆症は玄25を占め最も頻床が高い。その骚折リスクは内服開始埌36カ月で最倧になるこずが知られおいる4。したがっお積極的な䞀次予防が重芁であり「ステロむド性骚粗鬆症の管理ず治療のガむドラむン2014幎改蚂版」では経口ステロむド薬を3カ月以䞊服甚䞭たたは服甚予定の患者を察象に既存骚折幎霢ステロむド投䞎量および腰怎骚密床の危険因子を組み合わせおスコア化し合蚈3点以䞊のリスクの高い患者には第1遞択薬ずしおアレンドロネヌトたたはリセドロネヌトを掚奚しおいる図。

図 ステロむド性骚粗鬆症の管理ず治療のガむドラむン2014幎改蚂版

〔Suzuki Y, et al. : Guidelines on the management and treatment of glucocorticoid-induced osteoporosis of the Japanese Society for Bone and Mineral. Research : 2014 update. J Bone Miner Metab, 324: 337-350, 2014より〕

危険因子 スコア

既存骚折なし 0

あり 7

幎霢歳

50歳未満 0

5065歳未満 2

65歳以䞊 4

ステロむド投䞎量PSL換算mg/日

5未満 0

57.5未満 1

7.5以䞊 4

腰怎骚密床YAM

80以䞊 0

7080未満 2

70未満 4

䞀般的指導

危険因子の評䟡既存骚折幎霢ステロむド投䞎量腰怎骚密床

     薬物療法

第1遞択 アレンドロネヌト リセドロネヌト

代替治療薬 テリパラチド遺䌝子組換え むバンドロネヌト アルファカルシドヌル カルシトリオヌル

スコア3

6カ月1幎ごずの胞腰怎 単玔X線撮圱骚密床枬定

スコア≧3

経過芳察

スコアを甚いた定期的な

骚折リスクの評䟡

経口ステロむド薬を3カ月以䞊䜿甚䞭あるいは䜿甚予定

川厎病患者のアスピリンがフロベンに

59調剀ず情報 2017.3Vol.23 No.4 431

この患者は芋たずころアスピリンの継続で

問題ないように芋えるけれど

なぜアスピリンからフロベンに

凊方倉曎になったの

薬剀垫は思った 

 1月䞋旬のある日薬局の若手薬剀垫がこんな凊方せんを

受け付けたした。

確認ずみ

•先日たで川厎病で入院しおいおアスピリンを䜿甚しおいた。

•2歳男児12kg。副䜜甚アレルギヌ歎はなし。

• 嫌がるような苊手な薬は特になしどの薬も服甚できる。

•医垫より肝機胜障害など臓噚障害の問題はないず蚀われおいる。

Rp.

フロベン顆粒8% 48mg原薬量フルルビプロフェン

1日3回 毎食埌 5日分

枈生䌚暪浜垂南郚病院小児科 田䞭 文子同     薬剀郚 深沢 貎志

小児科医の凊方意図新 連 茉

川厎病患者のアスピリンがフロベンに

Case

1

知っお玍埗!

この患者は芋たずころアスピリンの継続で

問題ないように芋えるけれど

なぜアスピリンからフロベンに

凊方倉曎になったの

薬剀垫は思った 

 1月䞋旬のある日薬局の若手薬剀垫がこんな凊方せんを

受け付けたした。

確認ずみ

•先日たで川厎病で入院しおいおアスピリンを䜿甚しおいた。

•2歳男児12kg。副䜜甚アレルギヌ歎はなし。

•嫌がるような苊手な薬は特になしどの薬も服甚できる。

•医垫より肝機胜障害など臓噚障害の問題はないず蚀われおいる。

小児科医の凊方意図新 連 茉連

川厎病患者川厎病患者のアスピリンがフロベンに

Case

1

知っお玍埗!

門内薬局をどう考えるか

63調剀ず情報 2017.3Vol.23 No.4 435

門内薬局はなぜニュヌスになるのか

最近「門内薬局」「敷地内薬局」が話題になっおいたすよね。䜕が問題なんですか 

病院の敷地内に薬局を建おるこずがなぜこんなにも話題になるのでしょうか。

「門内薬局」に぀いおは医薬分業の理念理想に察する考え方ず法埋的な問題が絡ん

でいるので少し耇雑な問題だずいえるでしょう。では法埋面から「門内薬局」はどう考えるべきなのか少し敎理しおみたしょう。

■門内薬局の解犁っお䜕が倉わった 病院の敷地内であっおも条件を満たせば保険薬局を開蚭するこずが認められたした。それに䌎い病院敷地内ぞの薬局の誘臎が話題になっおいたす。先日も厚生劎働省が囜立病院機構の病院に察し敷地内ぞの薬局の公募を䞭止するよう働きかけたこずがニュヌスずなりたした。 これたでこのような「門内薬局」は認められおいたせんでしたが2016幎10月から「保険薬局及び保険薬剀垫療逊担圓芏則」薬担芏則の運甚が倉曎になりたした「『保険医療機関及び保険医療逊担圓芏則の䞀郚改正等に䌎う実斜䞊の留意事項に぀いお』の䞀郚改正に぀いお」2016幎3月31日厚生劎働省保険局医療課長・厚生劎働省保険局歯科医療管理官通知。この倉曎は芏制改革実斜蚈画2015幎6月30 日閣議決定を螏たえたずされおいたす。

最近「門内薬局」「敷地内薬局」が話題になっおいたすよね。䜕が問題なんですか

病院の敷地内に薬局を建おるこずがなぜこんなにも話題になるのでしょうか。

「門内薬局」に぀いおは医薬分業の理念理想に察する考え方ず法埋的な問題が絡ん

でいるので少し耇雑な問題だずいえるでしょう。では法埋面から「門内薬局」はどう考えるべきなのか少し敎理しおみたしょう。

薬担芏則っお䜕

薬担芏則の運甚が倉わったのでそれたでダメだった「門内薬局」を建おられるようになっ

たわけですね。その薬担芏則ずいうのは䜕の法埋なんですか

保険薬局をどこに建おるかを芏制する法埋が䜕か興味ありたすよね。ちょっず詳しく説

明したしょう。

■薬担芏則の根拠 たず「門内薬局」の芏制解犁になったずいっおも条件がありたすは法什によっお行われおいたす。この根拠はどこにあるのでしょうか。たたその䜕が問題になり埗るのでしょうか。 薬担芏則には衚1のように「健康保険事業の健党な運営の確保」を目的ずしお芏定されおいたす。たた患者のフリヌアクセスの確保ずいう意味もあるのかもしれたせん。

第二条の䞉 保険薬局はその担圓する療逊の絊付に関し次の各号に掲げる行為を行぀おはならない。 䞀  保険医療機関ず䞀䜓的な構造ずし又は保険医療機関ず䞀䜓的な経営を行うこず。

以䞋略

薬担芏則より

è¡š1 健康保険事業の健党な運営の確保

薬担芏則の運甚が倉わったのでそれたでダメだった「門内薬局」を建おられるようになっ

たわけですね。その薬担芏則ずいうのは䜕の法埋なんですか

保険薬局をどこに建おるかを芏制する法埋が䜕か興味ありたすよね。ちょっず詳しく説

明したしょう。

今の時代を生き残るための 剀剀薬剀垫薬剀垫の法埋講座

䞭倖合同法埋事務所 赀矜根 秀宜

門内薬局をどう考えるか第1回新連茉

75調剀ず情報 2017.3Vol.23 No.4 447

尿蛋癜は危険なサむン― ― 本日は慢性腎臓病をテヌマにお話を䌺いたす。た

ず慢性腎臓病になるずどのような問題があるのでしょうか。垞喜 慢性腎臓病になるこずで問題ずなるのは倧きく分けお2぀ありたす。䞀぀は将来的に腎機胜が悪化しおいくずいうこず。もう䞀぀は心臓や血管の病気になりやすいずいうこずです。 そもそも腎臓は血管の塊みたいな臓噚ですから動脈硬化の悪化に関わる血圧やコレステロヌルが高い人糖尿病高霢の男性は慢性腎臓病になりやすい人たちずいえたす。糖尿病内科や埪環噚内科には腎臓が少し悪い慢性腎臓病早期の患者がたくさんいたすね。― ― 慢性腎臓病の予備軍は倚いずいうこずですね。垞喜 腎臓内科医の「腎臓が悪い」ずいう衚珟には2぀の意味合いがありたす。䞀぀は本来出おはいけない蛋癜や血が尿に混じっおいる。もう䞀぀はクレアチニンのような䜓倖に排出しなければならない毒玠が出おいかない。 䞀般的に尿に蛋癜や血が混じるのは腎臓病の早期にみられるサむンです。特に蛋癜尿は危険なサむンですね。― ― 糖尿病でか぀腎機胜の悪い方には尿蛋癜の簡単な

定性詊隓をしおいるかどうか薬局で定期的に確認するずいうのも効果的ですね。垞喜 私が倖来で蚺おいる患者のなかにも定期的にセルフチェックしおいる方がいたす。尿に蛋癜が出おも自芚症状は䜕もないので芋逃されがちですが薬剀垫からそういった情報を提䟛するこずは重芁ではないでしょうか。― ― 怜査はどの皋床の間隔でした方がよいでしょうか。

垞喜 党く健康な方は幎に1回高血圧や糖尿病ずいっ

P R O F I L E

åžžå–œ 信圊

東邊倧孊医療センタヌ倧橋病院腎臓内科

1990幎 3月 東邊倧孊医孊郚医孊科卒業 6月 東邊倧孊医孊郚附属倧橋病院

内科孊第䞉講座教宀1991幎 6月 自治医科倧孊麻酔科・ICU 1995幎 4月 東京倧孊第䞀内科研究員2005幎 9月 パリネッカヌ病院フランス囜立保健医孊

研究所INSERM U-501・8452008幎12月 東邊倧孊医療センタヌ倧橋病院腎臓内科講垫2010幎12月 東邊倧孊医療センタヌ倧橋病院腎臓内科准教授

Joki Nobuhiko

たリスクをおもちの方は3カ月に1回すでに腎臓病の方は12カ月に1回は確認するようにしおいたす。基本的には月1回でよいのではないでしょうか。ただ今たで䜕も出おいないずいう方をフォロヌする堎合は3カ月に1回です。䜕も出おいない方ずいうのは腎臓病のリスクになる糖尿病や高血圧脂質異垞症であるけれど尿怜査では䜕も出ない方たちのこずです。― ― どのくらいの頻床で確認すべきかわかっおいれば

「この怜査はなさっおたすか」「怜査に぀いお先生に聞いおみた方がいいですよ」ず蚀いやすくなりたすね。

治療の最前線ココ が知り

たい

第 回3慢性腎臓病

87調剀ず情報 2017.3Vol.23 No.4

リクラスト点滎静泚液5mgゟレドロン酞氎和物泚射液

(459)

新薬くろずあっぷ 192

こずを困難にしおいた。この問題を打開するためにビスホスホネヌト系補剀ずしお毎日服甚する経口剀次いで週に1回服甚する経口剀さらには月に1回服甚たたは泚射する薬剀が開発されおきた。リクラスト以䞋本剀は幎に1回静脈内に点滎静泚する薬剀であり食事や飲料による吞収阻害の問題ぞの配慮が䞍芁であるこずに加えお䞊郚消化管障害のリスクのため埓来は犁忌に該圓した患者ぞの治療遞択肢ずなり埗るずいう利点がある。䞀方本剀で懞念される急性腎䞍党顎骚壊死急性期反応䜎カルシりム血症などの実圚する重芁なリスクに察しお適正な患者管理が必芁ずなる。たた幎に1回の泚射ずなるため高霢者では投薬に関する蚘憶が䞍確かになる可胜性も考えられる。本剀に加えお他のビスホスホネヌト系補剀月1回補剀週1回補剀毎日補剀を投薬されるこずのないように泚射した病院における蚘録や患者指導ずずもに薬局における薬歎管理が重芁である。補造販売元の旭化成ファルマではリクラストの斜甚

はじめに

本剀は骚粗鬆症治療に適応を有するビスホスホネヌト系薬剀で幎に1回静脈内に点滎投䞎する薬剀である。䞀般に薬局における調剀は想定されないが薬局における重耇投䞎防止をはじめずした薬歎管理ならびに副䜜甚管理で泚意を芁する薬剀であるため本皿で取り䞊げた。

特城

1幎1回䜿甚する泚射剀のリスク・ベネフィットビスホスホネヌト系薬剀は骚粗鬆症治療薬ずしお囜内倖においお汎甚されおいる。しかし経口剀では吞収率の䜎䞋を防ぐため朝食の30分以䞊前に氎で服甚する必芁がある。たた䞊郚消化管の粘膜刺激による消化管障害の副䜜甚を回避するために服甚埌少なくずも30分は暪にならないなどの制玄があった。これらの服薬時の制玄は飲み忘れの原因あるいは

介護者の負担になり良奜な服薬率を幎単䜍で維持する

◆ 重床の腎機胜障害Ccr35mL/min未満のある患者脱氎状態にある患者ぞの投䞎は犁忌である。

◆ ビスホスホネヌト系内服薬で犁忌ずなる「服甚時に立䜍・坐䜍を30分保おない患者」「食道狭窄・アカラシア等の食道通過を遅延させる障害のある患者」に投䞎可胜である。

◆ 特城的な副䜜甚ずしお急性期反応がある。初回投䞎3日以内に発熱38.7関節痛10.2むンフル゚ンザ様疟患6.9筋肉痛6.6倊怠感5.7頭痛5.4が珟れたこずが報告されおいる。

◆ 暙準投䞎量のアセトアミノフェンあるいはNSAIDsの投䞎により急性期反応の症状緩和が可胜である。

P o i n t

虎の門病院薬剀郚 林 昌掋

リクラスト点滎静泚液5mgゟレドロン酞氎和物泚射液

新薬くろずあっぷ 192

88 調剀ず情報 2017.3Vol.23 No.4(460)

日時を蚘茉できるカヌド図1を準備しおリスク最小化のために医療機関に配垃しおおり薬局においおも必芁時に確認するこずができる。

2効胜・効果骚粗鬆症

3効胜・効果に関する䜿甚䞊の泚意・ 本剀の適甚にあたっおは日本骚代謝孊䌚の蚺断基準等を参考に骚粗鬆症の蚺断が確定しおいる患者を察象ずするこず。

・ 本剀は1幎に1回間欠投䞎する薬剀であり本剀の有効成分であるゟレドロン酞氎和物は骚に移行し長期にわたり䜓内に残存する。

・ 本剀の各投䞎前に問蚺・怜査を行うなど患者の状態を十分に確認したうえでベネフィットずリスクを考慮し本剀による薬物治療が必芁ずされる患者を察象ずするこず。

4甚法・甚量通垞成人には1幎に1回ゟレドロン酞ずしお5mg

を15分以䞊かけお点滎静脈内投䞎する。

5治療䞊の䜍眮づけ骚粗鬆症における骚量枛少は骚吞収ず骚圢成のバラ

ンスが厩れ盞察的に骚吞収の割合が高たるこずに起因するずされおおり骚吞収䜜甚を抑制するビスホスホネヌト系薬剀は囜内倖で暙準的な骚粗鬆症治療薬ずしお䜿甚されおいる。ビスホスホネヌト系薬剀では経口剀が最も普及しおい

るが䞊郚消化管粘膜刺激による消化管障害の発生リスクを有するため䞊郚消化管障害を有する患者には投䞎犁忌ずなっおいる。たた服薬埌30分以䞊䞊䜓を起こす必芁があるこずから䞊䜓を起こせない患者には犁忌ずされおいる。わが囜ではビスホスホネヌト系薬剀は経口剀以倖に

泚射剀も発売されおいるがその投䞎間隔は1カ月である。本剀は既存のビスホスホネヌト系薬剀より投䞎間隔を長くするこずにより䞊述の問題を解決し埗る治療遞択肢ずなるこずが期埅されおいる。

6臚床詊隓成瞟囜内第Ⅲ盞詊隓AK156-Ⅲ-1詊隓ZONE Study察 象日本人原発性骚粗鬆症倖来患者665䟋女性625䟋男性40䟋遞 択基準仮登録時に第4胞怎第4腰怎Th4L4に14個の怎䜓骚折を有し原発性骚粗鬆症の蚺断基準2000幎床改蚂版に準じ原発性骚粗鬆症ず蚺断された65歳以䞊89歳以䞋の閉経埌女性および男性の患者

甹 法・甚量本剀5mgたたはプラセボを1回15分以䞊かけお1幎間隔で2回点滎静脈内投䞎し2回目投䞎1幎埌たでの2幎間芳察した。 党患者に同意取埗時から毎日カルシりム610mg/日ビタミンD3400IU/日およびマグネシりム30mg/日を投䞎した。䞻芁評䟡項目24カ月間での新芏怎䜓骚折発生率副 次評䟡項目24カ月間での臚床骚折非怎䜓骚折発生率腰怎骚密床倧腿骚近䜍郚骚密床近䜍郚total骚代謝マヌカヌなど結 果䞻甚評䟡項目本剀は新芏怎䜓骚折発生をプラセボに察しお有意に抑制したp0.0029log-rank怜定。Kaplan-Meier掚定法に基づく24カ月間の新芏怎䜓骚折の环積発生率はリクラスト矀で3.3プラセボ矀で9.7であった1衚1ハザヌド比0.3595信頌区間0.170.72Cox回垰モデル。副 䜜甚安党性評䟡察象症䟋333䟋䞭197䟋59.2に副䜜甚臚床怜査倀の異垞を含むが認められた。頻床の高い副䜜甚は発熱131䟋39.3関節痛36䟋10.8筋肉痛27䟋8.1倊怠感26䟋7.8

図1 リクラスト患者向けカヌド衚面

95調剀ず情報 2017.3Vol.23 No.4 (467)

Carnegie

CCDCCaleDDデヌル・カヌネギヌ

人間関係構築の方皋匏

教えお

初回来局患者の自䞻性を芜生えさせる

 前月号では本連茉で解説しおきた原則ずテクニックに぀いお埩習したした。そしお原則がそもそも「5぀のドラむバヌ」を構成する芁玠であるこずを説明しこのうち4぀たでを連茉で解説したこずをお話ししたした。 今月号より残った最埌のドラむバヌ「4リヌダヌシップスキル」に぀いお解説いたしたす。このドラむバヌを支える原則は“リヌダヌシップを発揮する”ための原則で「リヌダヌたれ」の原則ず呌ばれおいたす。

※本連茉は実䟋に基づいお構成されおいたす。

リヌダヌシップを発揮する

キヌワヌド今 月 の

第9回

D.C.トレヌニング・ゞャパン 認定トレヌナヌ ゚ヌザむ 知創郚 Ph.D, M.B.A  高山 千匘

96 調剀ず情報 2017.3Vol.23 No.4(468)

困った人間関係

薬剀垫Aさんは垞々患者のコンプラむアンスが気になっおいたしたが先日䜓調が良くならないず蚎えおいた患者が実はコンプラむアンス䞍良だったずわかり最近たすたす服薬指導の方法に悩んでいたす。

悩みを聞く

患者のコンプラむアンスで悩んでいるずのこずで

したね。

はい。個々の患者のコンプラむアンスを向䞊させ

たいず思いたすが今たで孊んだ原則の121を

どう掻かせばよいですか

コンプラむアンスを䞊げるのであればむしろ原

則2230の「リヌダヌシップを発揮する」が良

いでしょう。

原則の2230は読んでみたしたがほめお育

おるずいうようなこずですか

この「リヌダヌシップを発揮する」は“Aさん”

がリヌダヌシップを必ずしも自分で発揮する必芁

はなく患者さんが自ら自分に察しおリヌダヌ

シップを発揮しおもらっおもよいずいうこずです。

どういうこずでしょうか

もう少し詳しく説明したしょう。

リヌダヌたれ

22 たずほめる。

23 遠たわしに泚意を䞎える。

24 盞手に泚意をするずきはたず自分の倱敗談を話す。

25 呜什をせず意芋を求める。

26 顔を立おる。

27 ほんのわずかな改善でもすべお惜しみなく心からほめる。

28 盞手によい評䟡を䞎えそれにこたえようずいう気持ちを起こさせる。

29 激励する。欠点も簡単に盎せるず思わせる。

30 喜んで協力させる。

リヌダヌシップを発揮する

原則 2230

協力を埗る原則 1021

人間関係を匷化する原則 19

ビゞョン達成

リヌダヌシップを発揮する「リヌダヌシップを発揮する」は人間関係の原則のピラミッド図の䞀番䞊にありビゞョン達成のための最終段階ずなりたす。図を芋おわかる通り原則はあくたでビゞョンを達成するためのツヌルで䌚話術や察人スキルずは違いたすのでコンプラむアンスを䞊げるなど他者に自発的な行動を促したい堎合原則は「リヌダヌシップを発揮する」を䜿甚するこずになりたす。この堎合今たでず同様盞手ずの関係はピラミッドの1段目から順番に2段目3段目を䞊がっおいくこずが求められたす。前回2017幎2月号でも解説したしたが「リヌ

ダヌシップを発揮する」は必ずしも自分で発揮する必芁はなく第2段目の「協力を埗る」で盞手に 図 人間関係の原則のピラミッド元図

耇数科の䞀包化には芁泚意 受蚺日の倉曎で重耇投䞎に

117調剀ず情報 2017.3Vol.23 No.4 489

薬局プレアボむドずむンシデント事䟋においお薬剀垫は䞀床は“ヒダリ・ハッず”しおおり

最埌には“ホッず”胞をなで䞋ろしおいるこずでしょう。このような意味から筆者はこの薬局プレ

アボむドずむンシデント事䟋を統合しお“ヒダリ・ハッず・ホッず事䟋”ず呌ぶこずにしおいたす。

本皿では党囜各地においお収集したヒダリ・ハッず・ホッず事䟋に぀いお芁因を明確化し

詳现に解析した結果を玹介したす。

ワルファリンの治療効果に“人皮差”が関係1ケヌス

● カテゎリヌ 薬局プレアボむド関係医垫ずのコミュニケヌション● 䜕が起こった ワヌファリン錠ワルファリンが4.5mg/日で凊方されおいたが治療効果が䞍十分で血栓な

どのリスクが高い危険な状態のたた数カ月間にわたっお服甚が継続されおいた。

▌凊方内容 60歳代の男性アフリカ系アメリカ人。病院の内科。凊方オヌダリング。

Rp.1 凊方倉曎前

ワヌファリン錠 1mg 4.5錠

1日1回 朝食埌 14日分

ラシックス錠 20mg 0.5錠

1日1回 朝食埌 14日分

アルダクトン A錠25mg 2錠

1日1回 朝食埌 14日分

ハヌフゞゎキシン KY錠 0.125mg 2錠

1日1回 朝食埌 14日分

レニベヌス錠 5mg 1錠 

1日1回 朝食埌 14日分

アヌチスト錠 2.5mg 4錠

1日2回 朝倕食埌 14日分

Rp.2 凊方倉曎埌

むグザレルト錠 15mg 1錠

1日1回 朝食埌 14日分

ラシックス錠 20mg 0.5錠

1日1回 朝食埌 14日分

アルダクトン A 錠 25mg 2錠

1日1回 朝食埌 14日分

ハヌフゞゎキシンKY錠 0.125mg 2錠

1日1回 朝食埌 14日分

レニベヌス錠 5mg 1錠

1日1回 朝食埌 14日分

アヌチスト錠 2.5mg 4錠

1日2回 朝倕食埌 14日分

耇数科の䞀包化には芁泚意 受蚺日の倉曎で重耇投䞎に

東京倧孊倧孊院薬孊系研究科 育薬孊講座 柀田 康文

話ヒダリ ハッずホッずした

123調剀ず情報 2017.3Vol.23 No.4 (495)

女性にコルヒチンが凊方  連日服甚

凊方せん内分泌科

【わかっおいるこず】・新患26歳女性。歩行は足をかばう玠振りがなく痛颚発䜜ではなさそう。・コルヒチンが頓服ではなく連日で凊方されおいるこずも痛颚発䜜ではないこずを瀺唆しおいる。

26歳女性Rp.1 コルヒチン錠0.5mg 1回2錠1日1回  朝食埌 14日分Rp.2 りル゜錠りル゜デオキシコヌル酞100mg 1回1錠1日3回  毎食埌 14日分 ミダBM錠酪酞菌補剀 1回2錠1日3回  毎食埌 14日分Rp.3 ネキシりムカプセル゚゜メプラゟヌル10mg 1回1カプセル1日1回  倕食埌 14日分Rp.4 ロれレム錠ラメルテオン8mg 1回1錠1日1回  就寝前 14日分

コルヒチンが痛颚発䜜以倖に凊方されおいるようですが病名は䜕ず蚺断されおいるのでしょうか

宇高 䌞宜株匏䌚瀟サンクヌル あしたば薬局北倧前店 岞田 盎暹総合蚺療医・感染症医感染症コンサルタント

䞀般瀟団法人Sapporo Medical AcademySMA代衚理事

「この病気になぜこの薬」「こんな凊方初めお 」など凊方せんにた぀わる疑問は尜きたせんよね。そんな気になる凊方の裏偎を医垫ずずもに考えるこの連茉。凊方の解析だけでなくそれを螏たえお患者や凊方医にどうアクションするかそれが「凊方掚論」です。なりたい薬剀垫になるためのスキルを身に぀けたしょう

かかり぀け薬剀垫のための

凊 論方掚

凊方から䜕を読み

解き

どう掻かす



124 調剀ず情報 2017.3Vol.23 No.4(496)

▶家族性地䞭海熱ずは地䞭海沿岞の人々や䞭近東に遺䌝的起源をも぀人ナダダ人トルコ人アルメニア人が発症するこずの倚い疟患で2009幎には日本でも玄300人の患者がいるず掚定されおいたす1。

1 症状呚期的に繰り返す発熱腹膜炎胞膜炎関節痛など

が䞻症状です。1発熱CRPの䞊昇を䌎う呚期的な発熱が最も倚くみられる症

状です。38℃を超える発熱が急に起こりたすが発熱時間が1272時間ず比范的短く自然に軜快するのが兞型的なパタヌンです。発熱がないずきにはCRPは正垞化したす。発熱発䜜の頻床は個人差がありたすがストレス手術などによる䟵襲女性では生理などが発䜜の誘因ずなりたす。2腹膜炎突然始たる腹痛で腹郚党䜓たたは郚分的に痛みが出たす。䞀般的には片偎性の痛みが倚く適切に蚺断されず急性腹症1ず蚺断され開腹手術が怜蚎される堎合もありたす。

病名は「家族性地䞭海熱」発熱・腹痛・胞痛・関節痛を繰り返すのが特城

答え

解 説

3胞膜炎胞郚から背䞭に刺すような痛みや呌吞時の違和感咳嗜などを蚎えるこずがありたす。4関節痛䞋肢の関節足銖膝股関節などに症状が珟れやすく䞻な症状は腫れ痛み熱感です。関節内に氎が溜たるこずもありたす。

2 治療治療の䞭心はコルヒチンの内服で玄9割の患者で症状の改善がみられたす。2016幎9月にコルヒチンは「家族性地䞭海熱」に察しお効胜・効果の远加承認が埗られたした。成人には1日0.5mgを分12で投䞎し1日最高1.5mgたでず甚量蚭定されおいたす。

3 合䜵症ず予埌家族性地䞭海熱の予埌に圱響する最も重節な合䜵症はアミロむドヌシス2です。コルヒチンが導入される以前は40歳以䞊の家族性地䞭海熱患者においおアミロむドヌシスの合䜵は60に達するず報告されおいたした3。珟圚日本では玄4の患者に合䜵が確認されおいたす。アミロむドヌシスは症状が出珟しおから治療開始たでの期間が長い堎合に起こるこずがあり重症床が䜎い症䟋でも治療介入が遅れるず合䜵のリスクが䞊がりたす。

1  急性腹症急な腹痛で発症し堎合によっおは緊急手術が必芁ずなる急病の総称。最も倚いのは非特異的腹痛特に異垞のない腹痛で倖来での点滎や内服で改善したすが急性虫垂炎のような入院や手術が必芁な重節疟患や生呜に関わる血管・胃腞の砎裂や閉塞もありたす 2。

2  アミロむドヌシスアミロむドず呌ばれる線維状の異垞蛋癜質が党身のさたざたな臓噚に沈着し機胜障害を起こす病気の総称です。症状は沈着する臓噚や組織によっお異なりたす。心障害心䞍党や䞍敎脈腎障害ネフロヌれ症候矀や腎䞍党胃腞障害末梢神経や自埋神経の障害手足の痺れ麻痺立ちくらみ排尿の異垞䟿秘䞋痢アルツハむマヌ病や脳血管に沈着するこずによる脳出血などさたざたな症状が珟れたす。個人差はありたすが基本的には進行性で治療しなければ予埌䞍良です。

女性にコルヒチンが凊方  連日服甚