unique ptr の紹介

unique_ptr の紹介krustf ( @krustf )

04/13/2023unique_ptr の紹介 2

自己紹介

XAudio2 普及委員会メンバ（会員 2 名）

第 1 回では XAudio2 について発表

大学ではゲーム製作サークルで活動中

現在 C++0x のお勉強中

Lua 始めました


こんな人が創った C++ 言語


C++0x って？

今年 FCD が承認された C++ の新標準規格

現行の規格とほぼ 100 ％の互換性を持つ

GCC ( GNU Compiler Collection )Microsoft Visual C++

などがすでに対応を始めている


諸注意

これから話す内容は現段階で全コンパイラがサポートできていない場合があります

C++ のバージョン比較の定義現行のバージョン : 　 C++03 新規格 : 　 C++0x


生ポインタを直接とか（笑）

えー

マジ

生ポインタ？

生ポインタが許される

のは小学生までだよねー


バグの温床になりやすい

new したものを手動で delete とか

new したインスタンスを直接返すとか

生ポインタを扱う事によるうっかりミスのバグがどれだけあるか


スマートポインタを使おう！


スマートポインタとは

賢い（ Smart な）ポインタ

動的確保されたメモリを自動的に deleteしてくれる（リソースを自動解放してくれる）ようなクラス

宣言は違うが使い方はポインタそのもの


std::unique_ptr

C++0x で追加されたスマートポインタ

copy は不可能

rvalue reference と move semantics を使ったポインタの「所有権の移動」が可能


( ﾟД ﾟ ) ﾊｧ ?

rvalue reference?move semantics?


rvalue reference

式の右側にあるものを rvalue と呼ぶ

関数の戻り値などの「一時的で無名なデータ」である rvalue への「参照」

「一時的」なら壊しても構わないはず


move semantics

一時オブジェクトをコピーせずにポインタを移動しようという考え方

rvalue として受け取ったものをコピーするのではなく移動 (move) させる

C++03 では auto_ptr が有名


早速使ってみる

#include <memory>

std::unique_ptr< int > ptr( new int(5) );

if( ptr ) {

std::cout << *ptr << std::endl;

}

// スコープの末尾で自動的に delete を呼ぶ


配列も使える

#include <memory>

std::unique_ptr< int[] > ptr( new int[5] );

for( int i = 0 ; i < 5 ; ++i ) {

ptr[ i ] = i;

}

// delete [] がしっかり呼ばれる


( ・ 3 ・ ) ｱ？ﾙｪｰ


なんで？

new - > delete

new [] - > delete []

どうやって区別してるの .....


デリータ指定が可能

unique_ptr にはデリータクラス（オブジェクトを削除担当者）がテンプレート第 2 引数に指定可能

default_delete<T> がデフォルトで指定


std::default_delete

namespace std {

template< class T > // 通常

struct default_delete {

void operator()( T* ptr ) const { delete ptr; };

};

template< class T > // 配列

struct default_delete< T[] > {

void operator()( T* ptr ) const { delete [] ptr; };

};

} // namespace std;


デリータの指定方法

1. 関数オブジェクト

2. default_delete の特殊化

3. 関数を渡す（ちょっと面倒）

詳細な解説ははてなで記事書いてたのでこっち

http://d.hatena.ne.jp/krustf/20100827/1282915158


アプローチ方法がアレなので

質問形式で幾つか

Ｑ．元からポインタだったら？


特殊ケース（例 . HANDLE 型）

typedef void* HANDLE;といった通常使う型が元々ポインタだったら？

std::unique_ptr< HANDLE, handle_deleter >

ptr( CreateEvent( NULL, FALSE, FALSE, NULL ) );

#=> Error! ' コンストラクタのインスタンスと引数が一致しません '

Ａ．型からポインタを消せば良いじゃな

い


型からポインタを消す

std::remove_pointer を使う

std::unique_ptr< std::remove_pointer<HANDLE>::type

, ... > ptr( ... );

↓std::unique_ptr< void, ... > ptr( ... );

Q. 関数の戻り値にできる？


unique_ptr で返却したい

生ポインタで返すのは嫌

hoge* create_instance();

hoge* ptr = create_instance();

delete ptr; // 手動解放とか ....

// 解放しわすれでリークとか ....

A. 可能です


関数の戻り値には move が働く

std::unique_ptr<hoge> create_instance();

std::unique_ptr<hoge> ptr = create_instance();

// 自動的に move が働いてポインタが移動される

ptr->func();

// 自動的に削除 , delete ptr; なんて書かなくて済む

Ｑ． unique_ptr の型が面倒だったら？


ややこしい .....std::unique_ptr<

std::remove_pointer<LPDIRECT3DDEVICE9>::type

, com_deleter<LPDIRECT3DDEVICE9>

> create_device();

std::unique_ptr<



> ptr = create_device();

Ａ． auto を使おう！


auto

C++03 では局所変数についての明確な宣言

コンパイラが知っているので関数の戻り値や初期化値で推論してもらう

std::vector<int> arr;

// it は std::vector<int>::iterator と推論

auto it = arr.begin();


戻り値がややこしい時は auto

std::unique_ptr<



> create_device();

auto device = create_device();

device->Present( NULL, NULL, NULL, NULL );

結論


unique_ptr おいしいです

boost.scoped_ptr デリータ指定できないし , move できない

shared_ptr デリータ指定できるけどコスト的にどうな

の？ unique_ptr の使い道を考えると候補から外す

std::auto_ptr C++0x から deprecated （廃止予定）になっ

た


積極的に使おう

unique_ptr でメモリの手動解放をなくそう

auto_ptr にはご退場願います


今までありがとうございました

auto_ptr

auto_ptr

auto_ptr さようなら！ご清聴ありがとうございました


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