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EVの電源側変換器とキャパシタ
平松敏幸
目次
1. EV,HEVの回路構成
2. 主な蓄電装置の種類(特にキャパシタ)
3. DC-DCコンバータ(可逆チョッパ)1. ハーフブリッジコンバータの役割
2. ハーフブリッジコンバータの回路構成
3. ハーフブリッジコンバータの動作
4. 実用化の例
5. 論文の紹介
6. まとめ
1. EV,HEVの回路構成
廣田幸嗣,足立修一編著出口欣高,小笠原悟司著「電気自動車の制御システム」
図1:電動車の分類
1. EV,HEVの回路構成
PMINVEnergy
Storage
Device
DC-DC
Converter
今回は主にDC側のパワエレについて発表
2.主な蓄電装置の種類
•蓄電装置の評価基準•エネルギー密度
•一充電当たりの航続距離
•パワー密度•回生エネルギーの回収や加速性能など
•寿命•安全性•動作の温度特性など
2.主な蓄電装置の種類
廣田幸嗣,足立修一編著出口欣高,小笠原悟司著「電気自動車の制御システム」
図2:エネルギー密度とパワー密度
2.主な蓄電装置の種類
•燃料電池
•鉛蓄電池
• リチウムイオン電池(これまでの発表)
• EDLC(電気二重層キャパシタ)
• エネルギー密度が低い
•パワー密度が高い(化学反応を伴わないため)
•充放電効率が高い(内部抵抗が小さい)
•重金属を使用しないため環境にやさしい
•劣化が少なく数百万サイクルが可能
http://www.chemi-con.co.jp/tech_topics/t_release20050106.html
1. EV,HEVの回路構成
PMINV
Energy
Storage
Device
DC-DC Converter
つづいてDC-DC Converter
について発表
3.DC-DCコンバータ(可逆チョッパ)
• なぜ,DC-DCコンバータが必要なのか?• INVの直流電圧によりモーターの可動領域が決まる
特に電圧変化の大きいキャパシタでは必須
日産リーフでは,DC-DC Converterが用いられているが,電装品用である。
𝐸 =1
2𝐶𝑉2
3.1ハーフブリッジコンバータの役割
3.DC-DCコンバータ(可逆チョッパ)
降圧チョッパ
昇圧チョッパ
可逆チョッパ
3.2ハーフブリッジコンバータの回路構成
3.DC-DCコンバータ(可逆チョッパ)3.3ハーフブリッジコンバータの動作
蓄電装置側から昇圧する場合
OFF
ON
OFF
ONVout
E
SW1
SW2
LC
VoutC
SW2
SW1
L
E
3.DC-DCコンバータ(可逆チョッパ)3.3ハーフブリッジコンバータの動作
表1:各種パラメータ
電源電圧 300V
インダクタ 200μH
キャパシタ 1000μF
抵抗値 20Ω
周波数 10.0kHz
Duty 0.5
刻み 0.2μs
600Vに昇圧されている
スイッチ信号の生成
Vout[V]
Time[S]
4.キャパシタの実用化例
•マツダのキャパシターを採用した減速エネルギー回生システム「i-ELOOP」• 減速時の車両の運動エネルギーをエアコンやオーディオなど,車の電装品に使用
• 頻繁に加減速がある実用走行時で約10%の燃費改善効果
http://www.mazda.co.jp/corporate/publicity/release/2011/201111/111125a.html
5.論文紹介J.Bauman,M.Kazerani,
(Department of Electrical and Computer Engineering ,University of Waterloo)
”An Improved Powertrain Topology for Fuel Cell-Battery-Ultracapacitor Vehicles”
論文の内容 燃料電池とリチウムイオン電池とキャパシタのハイブリッドについて さまざまな接続方法を比較 提案する接続方法と比較をして提案手法の優位性を示している
5.論文紹介
図3:これまでに考案された接続方法
①
②
③
④
①
メリット• DC-DCコンバータを用いないことで余分なコストや重量,損失がない
デメリット• パワー配分がそれぞれのインピーダンスで決定
②
キャパシタを用いる理由としてバッテリーの長寿命化があるが,この接続では達成できない
メリット• DC-DCコンバータによりパワー配分が可能
デメリット• DC-DCコンバータにるコストや重量,損失の増大
• 燃料電離からバッテリーに充電する際に2つDC-DC コンバータを通る
5.論文紹介
図3:これまでに考案された接続方法
①
②
③
④
③
④
メリット• DC-DCコンバータによりパワー配分が可能
デメリット• DC-DCコンバータにるコストや重量,損失の増大
DC-DCコンバータのパワーを小さくすれば,小型できる
瞬時的な高パワーはキャパシタで吸収することによりバッテリーの長寿命化が達成可能
DC-DCコンバータ+リチウムイオンバッテリー
②,③の方法でパワー配分を制御できるため,DC-DCコンバータが余剰
図4:提案されている接続方法
5.論文紹介 提案手法のメリット
• ②,③で用いられる高パワーDC-DCコンバータの一つを低パワーDC-DCコンバータに置き換えられる
• ②,③ではバッテリーの放電経路がDC-DCコンバータがあるが,ダイオードに変更されている
• 燃料電池からバッテリーに充電する際に1つだけDC-DCコンバータを通る
• この設計により,バッテリーの長寿命化が可能
提案手法のデメリット• ダイオードがあるためにバッテリーは回生エネルギーを回収できない
キャパシタを回生エネルギーを十分に吸収できるだけの容量を用意すればよい
5.論文紹介
図5:走行パターン 図5:キャパシタとバッテリーの電圧
•本論文に対する批評①
5.論文紹介
なぜ3電源を用いるのか? たとえば,バッテリーなしではだめなのか?
回生エネルギーを回収しないバッテリーを搭載するより,より大きな容量のキャパシタを用いたほうがよいと考える
燃料電池からリチウムイオンに充電
単純に無駄だと考えられる(損失の増加,コストなど)
5.論文紹介•本論文に対する批評②
INVの直流側電圧が大きく変化する モータの特性に変化が生じる
ある程度の高圧に維持するには・・・
燃料電池にキャパシタの電圧制御をする バッテリーの電圧を増加させる インバータの直流側にDC-DCコンバータを用いるなど
しかし,これらの解決策では,この接続の利点を消してしまう
6.まとめ
•電動自動車で用いられている蓄電装置(主にキャパシタ)と特性を簡単に示した。
•電動自動車で用いられるDC-DCコンバータについて述べた。
•燃料電池,バッテリー,キャパシタの3電源ハイブリッドの接続法に関する論文について述べ,批評した。
ご清聴ありがとうございました