全てのエンジニアのためのweb標準技術とのつきあい方 osc福岡 2011版

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全てのエンジニアのための Web標準技術とのつきあい方 2011123W3C/Keio 慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科 特任助教 深見嘉明 @rhys_no1 オープンソースカンファレンス 2011Fukuoka

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Page 1: 全てのエンジニアのためのWeb標準技術とのつきあい方 OSC福岡 2011版

全てのエンジニアのための Web標準技術とのつきあい方

2011年12月3日 W3C/Keio

慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科

特任助教 深見嘉明

@rhys_no1

オープンソースカンファレンス2011Fukuoka

Page 2: 全てのエンジニアのためのWeb標準技術とのつきあい方 OSC福岡 2011版

はなすひと1) 深見嘉明 •  W3C/Keioで広報のお手伝い •  元マーケティングリサーチャー •  こんな本を書きました

Page 3: 全てのエンジニアのためのWeb標準技術とのつきあい方 OSC福岡 2011版

最近では •  WebDesigning 2011年6月号「Web標準を巡る10年」を監修

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Page 5: 全てのエンジニアのためのWeb標準技術とのつきあい方 OSC福岡 2011版

HTML5! •  http://www.w3.org/TR/html5/

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HTML5の正式な定義

• W3Cで策定している – HTML4.01 – XHTML1.0 – DOM2 HTML の次期バージョン

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HTML5の由来

• WHATWGによる提案 – Web Applications 1.0 – Web Forms 2.0

アプリケーションの実行環境としてのWebを実現

Page 8: 全てのエンジニアのためのWeb標準技術とのつきあい方 OSC福岡 2011版

HTML5 • ウェブサイト記述のためのマークアップ規則 – マシンリーダビリティの向上(HTML5はXHTMLの後継でもある)

– 表現の幅を拡大 •  API仕様群

– Webをアプリケーションの実行環境に進化させる技術

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HTML5,,,,,

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ソーシャル 9

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is it true?

Social = closed?

Page 12: 全てのエンジニアのためのWeb標準技術とのつきあい方 OSC福岡 2011版

ソーシャルといえば •  クローズドな世界 •  プロプライエタリ仕様のAPI公開 •  ゲームコンテンツの囲い込み

標準なんて関係ない?

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2011年、Facebook/ ZyngaがW3Cに入会

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true!

Social ♥ standards

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新世代ウェブの構成要素

• HTML5 • CSS3 • JavaScript • WebGL

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広義のHTML5

•  ウェブアプリケーションの動作環境 •  リッチコンテンツの取扱が容易に •  デバイスとの連携に用いられる多様なAPI

•  多様な端末(モバイル、そして、、、、)に適したUIの実現

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Page 17: 全てのエンジニアのためのWeb標準技術とのつきあい方 OSC福岡 2011版

HTML5! •  http://www.w3.org/TR/html5/

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HTML5!,,,,,!?

Page 19: 全てのエンジニアのためのWeb標準技術とのつきあい方 OSC福岡 2011版

仕様策定プロセス

Working Group Interest Group Coordination Group

Working Draft

Last Call Working Draft

Candidate Recommendation

Proposed Recommendation

Recommendation 勧告

Incubator Group

ACによる投票

Directorの判断

他のグループとの 整合性を取る

実装例を待つ

特徴: 1, 実装主義 2, Consensus方式 3, Director判断

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W3C標準化プロセスの特徴

• W3C≠デジュール標準 • 実装主義

 各社の採用・実装を コントロールしていない

 実装が進んではじめて 標準にいきつく

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W3Cを含むWeb標準の特徴 • 民間の標準化団体や開発者コミュニティによって 仕様が開発されている

•  オープンな場での議論 •  仕様に強制力は存在しない

Page 22: 全てのエンジニアのためのWeb標準技術とのつきあい方 OSC福岡 2011版

でも、、

なぜみんな ウェブ標準にコミットする のか?

Page 23: 全てのエンジニアのためのWeb標準技術とのつきあい方 OSC福岡 2011版

キーワード

ネットワーク外部性

Page 24: 全てのエンジニアのためのWeb標準技術とのつきあい方 OSC福岡 2011版

身近な例

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メカニズム

みんなが使う

その仕様を採用する

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Page 28: 全てのエンジニアのためのWeb標準技術とのつきあい方 OSC福岡 2011版

ポイント • 実装主義だから、みんなが使う仕様が標準になっていく。

• 既に広く使われている仕様=勧告になる可能性が高い

• ポイントを抑えることが大切

Page 29: 全てのエンジニアのためのWeb標準技術とのつきあい方 OSC福岡 2011版

ウェブ標準とは? •  Loyalty Free/ Open Usage •  Open Process •  One Web, One Network •  設計書であり、ルールでもある •  策定中、だけど実装済み •  強制力なし、でも実効力がある

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1) 仕様=プラットフォームを創る

2) アプリケーションを創る

3) ビジネスモデルを創る

エコシステムの構造

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仕様策定プロセス

Working Group Interest Group Coordination Group

Working Draft

Last Call Working Draft

Candidate Recommendation

Proposed Recommendation

Recommendation 勧告

Incubator Group

ACによる投票

Directorの判断

他のグループとの 整合性を取る

実装例を待つ

特徴: 1, 実装主義 2, Consensus方式 3, Director判断

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Page 37: 全てのエンジニアのためのWeb標準技術とのつきあい方 OSC福岡 2011版

一番最近のAPIまわりのニュース •  First Draft of Vibration API

Published (17 November 2011) –  The Device APIs Working Group has

published the First Public Working Draft of Vibration API. The Vibration API defines a means for web developers to programmatically provide tactile feedback in the form of vibration. The API is designed to tackle high-value use cases related to gaming, and is not meant to be used as a generic notification mechanism. Learn more about the Ubiquitous Web Applications Activity

Page 38: 全てのエンジニアのためのWeb標準技術とのつきあい方 OSC福岡 2011版

Device APIs Working Group - W3C <http://www.w3.org/2009/dap/>

Page 39: 全てのエンジニアのためのWeb標準技術とのつきあい方 OSC福岡 2011版

様々なDevice API仕様 •  Battery status •  Contacts (reading from addressbook) •  HTML Media Capture (camera/

microphone interactions through HTML forms)

•  Messaging (SMS, MMS, emails) •  Vibration API •  Calendar •  Systems info and events (CPU, network,

etc.) •  Discovery

Page 40: 全てのエンジニアのためのWeb標準技術とのつきあい方 OSC福岡 2011版

W3C Technical Architecture Group Work Plan

•  HTML.next

•  もう次の議論が始まっている

•  デバイスメーカーの方、 ネイティブアプリ開発者の方、 出番ですよ!

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2000年代前半のW3C

XHTML

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semantic web

Page 43: 全てのエンジニアのためのWeb標準技術とのつきあい方 OSC福岡 2011版

schema.org •  HTML5/ RDFa, Microdataは、データフォーマット(マークアップの記述法)のみの規定

•  複数サービスで共通に用いる語彙(使用するキーワードと機会解釈する意味のセット)を別途定めたものがschema.org

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Page 44: 全てのエンジニアのためのWeb標準技術とのつきあい方 OSC福岡 2011版

Open Graph Protocol (OGP) •  Facebookが提唱し、ミクシィやGREEでも使われているHTMLを修飾するフォーマット(schema.orgと似たようなもの)

•  RDFa準拠

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Page 45: 全てのエンジニアのためのWeb標準技術とのつきあい方 OSC福岡 2011版
Page 46: 全てのエンジニアのためのWeb標準技術とのつきあい方 OSC福岡 2011版

Web of Data •  ウェブはコンピュータによってアクセスされる

•  ウェブで公開される情報が、計算機処理可能なフォーマットのデータであればもっと便利

•  One Web。ということは、データフォーマットも共通であるべき

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Web of Data

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データ共有プラットフォームとしてのLOD

•  Linked Open Data (LOD) の特徴 – ID = URI, http:// – W3C標準形式=RDFで情報提供 – 他のURI(データリソース)とリンク

http://www.w3.org

World Wide Web

Consortium

subject object

名前

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Page 48: 全てのエンジニアのためのWeb標準技術とのつきあい方 OSC福岡 2011版

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Linked Dataの原則

•  あらゆる事柄にURIをつける •  HTTP経由でURIを参照 •  URIを参照したときは情報を閲覧できる •  他の関連情報へのリンクを含める

Page 49: 全てのエンジニアのためのWeb標準技術とのつきあい方 OSC福岡 2011版

データ共有プラットフォームとしてのLOD •  既に各分野でリンクされたデータセットが多数生成されています –  203のデータセット –  2500万の RDF triples –  3億9500万の RDF links

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(http://www4.wiwiss.fu-berlin.de/lodcloud/state/)

Page 50: 全てのエンジニアのためのWeb標準技術とのつきあい方 OSC福岡 2011版

Linked Dataの本質 •  世界共通の識別子(Identifier) •  世界共通のデータフォーマット=RDF •  世界共通のAPI

Web全体を データリソースとして アプリケーションが

作れる

Page 51: 全てのエンジニアのためのWeb標準技術とのつきあい方 OSC福岡 2011版

http://lod.sfc.keio.ac.jp/challenge2011/

•  賞金総額約100万円(予定)

•  応募締切:2012年1月31日

Page 52: 全てのエンジニアのためのWeb標準技術とのつきあい方 OSC福岡 2011版

The Web of Things

http://ercim-news.ercim.eu/content/view/343/536/

It's not the wires - it's the computers It's not the documents - it's the things The World of Things ... on the Web

Page 53: 全てのエンジニアのためのWeb標準技術とのつきあい方 OSC福岡 2011版

The Web of Thingsのインパクト •  Identifier(識別子)さえあれば、どんな事物・概念もコンピュータネットワーク上で取り扱うことができる

•  IdentifierがURIであれば、WWW上で取り扱うことが できる

•  モノ・場所・人・時間……あらゆるものがURIをもち、WWW上で相互に関連付けられ、計算処理されることにより、高度なサービスが提供される世界。それこそが、、、、、

The Web of Things

Page 54: 全てのエンジニアのためのWeb標準技術とのつきあい方 OSC福岡 2011版

ありがとうございました。 [email protected] http://www.w3.org @rhys_no1

Page 55: 全てのエンジニアのためのWeb標準技術とのつきあい方 OSC福岡 2011版

ウェブ標準化活動への参加方法 1.  会員としてW3Cに参加する

1.  Working Groupへの参加によって、仕様にご自身の技術や意見を盛り込む

2.  会議(電話・F2F)、メーリングリスト等の議論やデータにアクセス可能。→いち早く詳細な情報を入手して、最新の仕様を 実装可能

2.  Interest Groupへ参加する   会員企業・団体に属していない個人でも参加可能。   日本語で議論するJAIG (Japanese Interest Group)もあります。

  日本の実態に即した仕様に関する意見を、発信することが可能です。

  Web and TV Interest Groupの活動は始まったばかりです。今こそ、ぜひご参加を。

3.  標準仕様を積極的に実装する

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W3C関係URL W3C全般について: * W3Cトップページ=http://www.w3.org/ * W3Cについて=http://www.w3.org/Consortium/ * 初めて訪れる方向けの説明

=http://www.w3.org/Consortium/new-to-w3c.html *★申し込みページ: http://www.w3.org/Consortium/application.php3   *日本語による記入方法ガイド:W3c Application Step 1.pdf 特許方針について * W3C Patent Policy=http://www.w3.org/Consortium/Patent-Policy-20040205/ * Patent Policy FAQ=http://www.w3.org/2003/12/22-pp-faq.html * Implementation of Patent Policy

=http://www.w3.org/2004/01/pp-impl/

W3C文書の日本語翻訳集=http://www.w3.org/2005/11/Translations/Query?titleLanguageMatch=&lang=ja&search2=Submit 標準準拠確認ツール (Validator)=http://validator.w3.org/#validate_by_uri