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「Web時代のGIS技術」勉強会 Web時代のデスクトップGIS ~研究における課題と可能性~ wata909 または いわさき@OSGeo.JP もしくは (独)農業環境技術研究所 岩崎 亘典

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「Web時代のGIS技術」勉強会

Web時代のデスクトップGIS ~研究における課題と可能性~

wata909または

いわさき@OSGeo.JPもしくは

(独)農業環境技術研究所 岩崎 亘典

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はじめに質問● 初めて使ったGISは以下のどれですか?

1.ArcGIS2.その他プロプライエタリGIS3.FOSS4G(GRASS, QGISなど)4.Google Maps または Google Earth5.その他Web-GISサービス

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たぶんGoogleが多いと思いますが● さーてどうだったでしょう(汗

● 普通の人に聞くとGoogleさんが一番多いかとおもわれます。

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GoogleMaps&Earthがもたらした世界● GISをGISと意識しないで利用できるようにした

● Webを通じて無料で利用できる● APIにより必要な機能を利用できる

● 空間的情報(地図)の価値が認められる

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その結果として

● 学問分野で地図化がキーワード

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たとえばA/R CDM● クリーン開発メカニズムの植林・再植林の略

● 京都メカニズムに含まれる

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たとえばGEO BON実行計画● Mapかという単語が頻出

– pp.176に200回ぐらい● 遺伝の話ではGoogle Mapsという単語!!

– 許可とってんのか,これ?

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自分の話で恐縮ですが● 現在担当している課題

1. リモートセンシング・地理情報システムを用いた農業環境資源の情報化と活用2. 農業活動が水田と周辺域に生息する生物相とその多様性に及ぼす影響3. 農薬の環境リスク評価手法及びリスク低減技術の開発4. 農業環境リスク指標の策定手法の開発と土壌情報等農業環境情報の利用法の開発5. 遺伝子組換え生物と一般栽培作物等との共存のための技術開発6. FOSS4Gを活用した衛星データ利用のためのオープン・リソースの構築7. 生物多様性情報学を用いた生物多様性の動態評価手法および環境指標の開発・評価8. 茶草場として成立する半自然草地の多様性と維持機構の解明9. 大気二酸化炭素増加と水稲品種が大気-水田間の窒素循環に及ぼす影響の解明と予測10.GIS/RSを用いた時系列土地利用図の作製と土地利用好適性の評価 at うずべきすたん

– という感じの仕事量。● いや,多すぎですよねorz...

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ちょっと色分けしてみる● 赤がデスクトップ,青がWeb系

● デスクトップ7,Web3でデスクトップが多い● リモートセンシング・地理情報システムを用いた農業環境資源の情報化と活用● 農業活動が水田と周辺域に生息する生物相とその多様性に及ぼす影響● 農薬の環境リスク評価手法及びリスク低減技術の開発● 農業環境リスク指標の策定手法の開発と土壌情報等農業環境情報の利用法の開発● 遺伝子組換え生物と一般栽培作物等との共存のための技術開発● FOSS4Gを活用した衛星データ利用のためのオープン・リソースの構築● 生物多様性情報学を用いた生物多様性の動態評価手法および環境指標の開発・評価● 茶草場として成立する半自然草地の多様性と維持機構の解明● 大気二酸化炭素増加と水稲品種が大気-水田間の窒素循環に及ぼす影響の解明と予測● GIS/RSを用いた時系列土地利用図の作製と土地利用好適性の評価

まだすべてがwebにとは行かない。

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さて,ポイント● あくまで「ツール」としてのGIS

● 基礎的データの生成と地図化● できれば各人ができる方が良

– そのためにOSGeoの活動● その時,GIS屋は何処に向かえばいいのか?

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一つの方向性 ~処理の複雑化● 簡単な分析はWebに任せて,より「複雑」で,よ

り「重い」分析に注力する● そうなるとどうなるか?

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やってみた by ArcGIS 10

● CPU Speed 2.2 GHz dual core or higher

● Memory/RAM 2 GB or higher

● Disk Space 2.4 GB● An OpenGL 2.0 or higher compliant video

card is required, with at least 128 MB of

video memory however 512 MB of video memory or higher is recommended.

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みなさまの反応● Fuzzy Tolerance

● http://fuzzytolerance.info/rant/holy-hardware/

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みなさまの反応● Letting GIS Desktop applications become GIS

Workstation applications is best for all. The analysts get the tools they need to create content and the end users can consume that content in lightweight web or mobile applications.

Seems like the best of both worlds to me!

ArcGIS Desktop minimum requirements has me dazed and confused!(ポルナレフ状態)

● JAMES FEE GIS BLOG -GIS DESKTOP IS BECOMING GIS WORKSTATION AGAIN – http://www.spatiallyadjusted.com/2010/06/18/gis-desktop-is-becoming-gis-

workstation-again/

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それで良いのか?● そんなわけがない!

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幾つかの理由 ~研究的視点から

● 明らかに反動● これまでの流れに逆行。古き良き時代は帰らない● 科学として新しい物を生み出さない

● すでに実現済み● 複雑なことがしたいならGRASS+スパコンで十分

– 実施可能な環境はさらに限られますが

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ならどちらにいくか?● GIS屋にあって他分野の研究者にないものは?

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現象を空間的に評価する

● 現象を空間的に評価する● 重要なので2回言った。

● 「点」を集めても「面」にはならない● 重要なのは「点」を「面」にするルールでは?

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GISの「空間モデル」の限界● ラスタ,ベクタに引っ張られすぎ?

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たとえば下の図を表現できる空間モデル

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「地物」にこだわるのはやめよう!● 「地物」を「地図化」するのも「ルール」の一つ

でしかない● 目に見える「もの=地物」にこだわらず、目に見え

ない「こと=現象」も重要では?● 改めてGoogleがもたらしたもの

● Webを通じて無料で利用できる● APIにより必要な機能を利用できる

→「サービス」が提供された● これまでのGISでは「見えなかった」もの

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●新しい「ルール」を見つけよう● 「現象」を「点」として記述する方法論は進んで

いる● 「プロセスモデル」や「統計モデル」など

● それをどう「面」にするか壁に当たっている● 広域化,地図化,etc...● ボトムアップ的アプローチとトップダウン的アプ

ローチが上手くかみ合っていない● そこを埋める「ルール」が必要

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新しい「モデル」が必要では?● 様々な空間的現象を汎用的に表現するための「モ

デル」が必要では?● 現状の「空間モデル」ではそれには十分ではない

● 「目に見えるもの」も「目に見えないこと」も扱えるように● 現状は「空間モデル」でデータを作り,「統計モデル」や「プロセスモデル」で計算し,それを「空間モデル」に戻す– 手間はかかるし,有機的にリンクしない

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そのために必要なこと● その「モデル」がどうあるべきなのか

● まだまだ五里霧中– 様々な既存モデルを扱えるファイル形式が必要?

● それから技術(汗● 考えることを実現できる技術。

– 誰かがやってくれたモノでは,またそれに縛られる● 一方で0から作るの困難。拡張性の高いファイル形式?

● その上に自分で必要な「モデル」を構築する● デスクトップGISの自由度の高さが必要!

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巨人の肩の上に立つ● すなわち「自由」であること

● 自由故に,我々は巨人の肩の上に立ち,遙か彼方を見渡せる– 要するにオープンで行きましょう,ということ。

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もちろん● Webとの協働により,減らせる手間は減らす!

● 基礎的データはWeb経由で– 基盤地図情報,環境省植生図,国土数値情報

● データの収集なんかもWebの方が得意– OpenStreetMap,E-bird等の実例– 生物の分布情報,防災情報等など、草の根情報の収集と発信

● その分析手法の開発をデスクトップGISで● そのためのプラットフォームとしてもまだまだ発展

して欲しい

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ちなみに● 草の根情報、大事です。● おかげで食事

の心配はしなくてすみそう

● 朝晩はサブウェイで食べる!!

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ということで野望! ~まとめに代えて

● トップダウンとボトムアップをつなげたい● そのための新しい「モデル」が必要では?

● 様々な「モデル」を統一して扱う「モデル」● 統計,プロセス,空間モデルの境目をなくす

– レタッチソフトの「調整レイヤー」のような感じ?● そのための技術!!

● 既存のGISソフトを操作できるのが「GIS研究」ではない!!

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ご清聴ありがとうございました。

Twitter: wata909e-mail: [email protected]