光学材料 00 01 本扉 - 東京工業大学 · 2015. 5. 13. ·...

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監修:渡辺敏行,魚津吉弘 Supervisor : Toshiyuki Watanabe, Yoshihiro Uozu 光学材料の屈折率制御技術の最前線 Frontiers of Refractive Index Control in Optical Materials

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  • 監修:渡辺敏行,魚津吉弘Supervisor : Toshiyuki Watanabe, Yoshihiro Uozu

    光学材料の屈折率制御技術の最前線Frontiers of Refractive Index Control in Optical Materials

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    第 2章 量子化学計算に基づく屈折率と 波長分散の予測技術

    安藤慎治*

    1 はじめに

    われわれはポリマー系光学材料の光吸収と屈折率の波長依存性(波長分散)を予測するために,

    密度汎関数法(Density functional Theory,DFT)により有機化合物の光吸収スペクトルと分子

    分極率の波長分散を定量的に予測する方法の構築を試み 1~ 3),その知見を基に種々のポリイミ

    ド系光学材料を開発してきた(第 4編 5章参照)4~ 8)。ここで,DFTとはHohenberg―Kohn の

    定理をもとにした非経験的電子状態計算法のひとつであり,電子相関の効果を容易に反映させる

    ことができるため,現在の電子状態計算法の主流となっている 9)。加えて,最近は,光学ポリ

    マーが近赤外域(NIR)の光通信波長帯(λ= 0.8―1.6μm)においても使用されることから,NIR

    域を含めた屈折率や波長分散に関する知見が重要となってきている。

    2 低分子有機化合物・光学ポリマーの物性予測

    波長λにおける透明物質の屈折率(nλ)は,下記の Lorentz―Lorenz(L―L)式:

    = 4πKP3nλ2+2nλ2-1

    Vvdwαλ ⑴

    によって記述される。ここで,αλは波長λにおける分子分極率,Vvdw は単位構造の van der

    Waals 体積,凝集係数(Kp)はVvdw を分子容(Vint)で除した値である。⑴式の左辺は nλに対し

    て単調に増加する関数であることから,透明物質の屈折率を上げるには凝集係数(Kp)を上げる

    か,またはαλ/Vvdw を上げることが有効である 10)。Kp を上げるには自由体積分率の少ない分

    子構造として分子容を低減させることが,またαλ/Vvdw を上げるには硫黄(S)や重ハロゲン

    (Br,I),三重結合やπ共役構造の導入が有効である。

    加えて,光学ポリマーにおいては一般に,屈折率の波長依存性すなわち波長分散が小さいこと

    * Shinji Ando 東京工業大学 大学院理工学研究科 物質科学専攻 教授

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    第 2章 量子化学計算に基づく屈折率と波長分散の予測技術

    が要求される。波長分散の低減には,L―L式において波長に依存する唯一の項である分子分極率

    の波長依存性(dαλ/dλ)を小さくする必要がある。ここで,透明物質の光吸収と屈折率は

    Kramers―Kronig 式によって強く相関しており,実際には近紫外域~紫青色領域で高い透明性を

    有する材料が小さな波長分散を与える。

    可視域で用いられる透明光学ポリマーの屈折率波長分散は,⑵式で定義されるアッベ数

    (νVIS:屈折率 nの下付きは測定波長:nm)で表示されることが多い。定義からも明らかなよう

    に,νVIS 値が大きいほど屈折率の波長分散が少ないことを示しており,光学レンズ用途などに

    は,高い屈折率とともにアッベ数の高い光学ポリマーが用いられている。

    νVISn589-1n486-n656=  ⑵

    以上のことから,屈折率そして波長分散の制御には,まず紫外域の光吸収ピークの制御が鍵とな

    る。ここで,光学ポリマーにおける波長 633nmでの屈折率(n633)とνVIS の関係には経験的な限

    界線の存在が知られており(図 1),これを超える樹脂はチオウレタン系やエピスルフィド系など

    わずかしか報告されていない。一方,無機ガラスには限界線が見られないことから,光学ポリ

    マーでも限界線を超える新たな分子設計指針の構築が期待される。

    われわれは大きな基底関数系を用いた時間依存の密度汎関数法(TD―DFT)計算が,真空紫外

    域(λ= 0.14 ~ 0.2μm)で観測される有機化合物の光吸収スペクトルを高精度で再現することを

    見いだし 1),フォトレジストの基盤材料として有望視されているノルボルナン類,アダマンタン

    類,ラクトン類とそれらのフッ素化物の光吸収スペクトルを予測した 2)。実測と計算のスペクト

    ル比較の一例を図2に示す。フッ素(F)含量の増加とともにλ=157nmでの吸光度は低下するが,

    その効果は置換位置によって異なり,2,2―置換物が最も高い透過性を示す。DFT計算は Fの置

    図 1 既存の光学ポリマーにおける屈折率とアッベ数の関係

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    光学材料の屈折率制御技術の最前線

    換基効果を正確に再現していることから,他の有機化合物やポリマーのαλに対しても高い計算

    精度を示すと推定できる。

    DFTにおける汎関数 9)として B3LYP を用い,6―311G(d)基底で構造を最適化した 10 種の化

    合物に対して基底関数系を変化させ,実測値との整合性を検証したところ,6―311++G(d, p)基

    底が十分な予測精度を与え,しかも関数系をそれ以上大きくしても有意差が見られないことを確

    認した 11)。そこで,互変異性を有するアセチルアセトンのケト型とエノール型について,屈折

    率の波長依存性と光吸収スペクトルの比較を図 3に示す。屈折率とアッベ数の実測/計算値の比

    較からエノール型の優位が予想されるが,これは溶液NMRによる結果(エノール型が80%以上)

    と一致する。また,代表的な光学ポリマーであるアクリル樹脂(PMMA),ポリスチレン(PSt),

    ポリカーボネート(PC)を例に,nの実測値(●)と計算値(○)の比較を図 4に示す。L―L 式から

    も予想されるように,nの計算値はポリマーの密度に敏感であり,計算値は実測値よりも系統的

    に高めに出るが,DFT計算は屈折率分散の形状とアッベ数をよく再現していることがわかる。

    そこで,化学便覧 12)に記載されている 101 種の化合物に対して,密度(実測値)と分子量,λ

    =486,589,656 nmでの分極率(αλ)の計算値から L―L 式を用いて屈折率(ncal)とアッベ数

    (νVIS)を求め,実測値と比較した。図 5にλ= 589nmでの屈折率の計算値と実測値の関係を示

    す。高 n化合物については屈折率をやや過大に,また低 n化合物についてはやや過小に評価す

    図 2 真空紫外域におけるフッ素化ノルボルネン類の光吸収スペクトル比較a)実測,b)計算 1~3)

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    第 2章 量子化学計算に基づく屈折率と波長分散の予測技術

    る傾向があるが,含臭素(Br)化合物を除けばDFT計算による屈折率の再現性はかなり高い。

    ここで,Br を含む化合物については,Br 原子の 6―311++G(d,p)基底が報告されていないの

    で,MidiX 基底を用いたことが不一致の原因と考えられる。図 5は L―L 式に密度の実測値を用

    いた場合であるが,密度が不明の場合(Kp =一定を仮定して計算した場合)には屈折率の再現性

    がやや低下する。図 6に実測値と計算値それぞれについて ncal とνVIS の相関を示す。

    実測値と同様,高 n化合物ほどνVIS が小さくなる傾向が見られるが,有機物の限界線に近い

    図 3 アセチルアセトン(ケト型・エノール型)の屈折率分散:実測と計算の比較

    図4 PMMA,ポリスチレン(PSt),ポリカーボネート(PC)の屈折率分散:実測と計算の比較

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    光学材料の屈折率制御技術の最前線

    位置に存在する化合物も見いだせる。DFT計算は,等方的な分極率だけでなく分極率テンソル

    の主値も高い精度で定量的に再現できることから 13),新規ポリマーの ncal における誤差は,お

    もに密度の見積もり誤差に起因する。ポリマーの密度予測には経験的な方法(例えば,Bicerano

    法 14))が知られているものの,新規ポリマーの物性予測は容易ではない。しかし,図 7に示すよ

    うにνVIS の実測値と計算値は高い相関にあり,このことは高 nと高νVIS を示す新規光学ポリ

    マーの探索・分子設計にDFT法を用いた予測が有効であることを示している 11)。特に,物質の

    図 5 低分子化合物 101 種の波長 589nmにおける屈折率:実測値と計算値の比較 11)

    図 6 低分子化合物の波長 589nmにおける屈折率とアッベ数の相関a)実測値,b)計算値

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    第 2章 量子化学計算に基づく屈折率と波長分散の予測技術

    密度が未知の場合は,計算による屈折率の再現性がかなり低下するのに対し,アッベ数の再現性

    はほとんど低下しない。これは屈折率の波長分散が,密度ではなく分極率の波長分散によってほ

    ぼ決定されることを示している。

    3 おわりに

    密度汎関数法(DFT)計算により,有機化合物と光学ポリマーの光吸収スペクトルと分子分極

    率の波長分散を定量的に予測することができる。これら有機物質の密度が既知である場合には,

    Lorentz―Lorenz(L―L)式に基づき可視域における屈折率を高い精度で予測することが可能であ

    る。加えて,アッベ数で表現される屈折率の波長分散については,正確な密度が既知でない場合

    であっても,DFT計算により高い精度で予測が可能である。これらの事実は,新規光学ポリ

    マーの探索・分子設計に,DFT法を用いた光学物性予測が極めて有効であることを示している。

    文    献

    1) S. Ando, T. Fujigaya, M. Ueda, Jpn. J. Appl. Phys., 41, L105(2002) 2) S. Ando, T. Fujigaya, M. Ueda, J. Photopolym. Sci. Technol., 15, 559(2002)

    図 7 低分子化合物 101 種のアッベ数:実測値と計算値の比較a)実測の密度を用いた場合,b)Kp=0.6 を仮定した場合 11)

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    光学材料の屈折率制御技術の最前線

    3) S. Ando, T. Fujigaya, M. Ueda, J. Photopolym. Sci. Technol., 16, 537(2003) 4) J.-G. Liu, Y. Nakamura, Y. Shibasaki, S. Ando and M. Ueda, Polym. J., 39, 543(2007) 5) J.-G. Liu, Y. Nakamura, Y. Shibasaki, S. Ando M. Ueda, Macromolecules, 40, 4614(2007) 6) J.-G. Liu, Y. Nakamura, Y. Suzuki, Y. Shibasaki, S. Ando and M. Ueda, Macromolecules,

    40, 7902(2007) 7) J.-G. Liu, Y. Nakamura, Y. Suzuki, Y. Shibasaki, S. Ando and M. Ueda, J. Polym. Sci. Part A,

    Polym Chem., 45, 5606(2007) 8) J.-G. Liu, Y. Nakamura, T. Ogura, Y. Shibasaki, S. Ando and M. Ueda, Chem. Mater., 20,

    273(2008) 9) 平尾公彦,武次徹也,“量子化学計算ビギナーズマニュアル”,講談社サイエンティフィク

    (2006). なお,DFTに用いられる汎関数や基底関数系については,C. J. Cramer, “Essentials of Computational Chemistry, Theory and Models”, John Wiley & Sons(2004)に解説されている。

    10) 安藤慎治,高分子論文集,51,251(1994) 11) S. Ando, J. Photopolym. Sci. Technol., 19, 351(2006) 12) 化学便覧,日本化学会編,丸善(2004) 13) Y. Terui and S. Ando, J. Polym. Sci. Part B: Polym. Phys., 43, 2109(2005) 14) J. Bicerano, “Prediction of Polymer Properties”, Rev. 3, Marcel Dekker, New York(2002)

    まえがき執筆者一覧目次序論  (渡辺敏行)【 第1編 基礎理論 】第1章 基礎理論I フォトニクスの基礎  (梅垣真祐)1 はじめに2 マクスウェルの方程式から導かれる波動方程式とその解3 屈折率と2つの媒質の境界での光波3.1 屈折の法則3.2 フレネルの公式

    4 フレネルの公式からわかる基本事項4.1 偏光角4.2 全反射4.3 楕円偏光

    5 複屈折5.1 均一な異方性媒質中の光伝搬5.2 結晶と複屈折5.3 複屈折性を用いた光素子

    第2章 基礎理論II 光学ポリマーの屈折率制御・高透明化・エイジング  (谷尾宣久)1 はじめに2 屈折率制御2.1 屈折率と分子構造2.2 光学ポリマーの屈折率予測システム

    3 高透明化3.1 高透明化のための高次構造制御3.2 高透明化のための分子設計3.3 光学ポリマーの透明性予測システム

    4 光学ポリマーのエイジング5 おわりに

    第3章 基礎理論III 外部電界による屈折率の制御  (渡辺敏行)1 屈折率と分子分極率および分子配向との関係1.1 はじめに1.2 屈折率n_Xの導出1.3 屈折率n_Yの導出1.4 屈折率n_Zの導出

    2 膜厚方向の分極処理による屈折率制御

    【 第2編 光学特性計測方法 】第1章 屈折率測定法  (近藤高志)1 臨界角法2 最小偏角法3 液侵法4 干渉法5 楕円偏光解析法(エリプソメトリ)6 プリズムカップリング法

    第2章 複屈折の発現機構  (斎藤拓)1 はじめに2 複屈折について3 複屈折の発現要因と特異性4 配向複屈折と歪み複屈折5 一軸延伸中の複屈折挙動6 弾性変形回復と複屈折7 複屈折の波長依存性8 おわりに

    第3章 液晶ディスプレイのための2次元複屈折計測  (大谷幸利)1 はじめに2 複屈折・偏光特性評価法3 分光偏光分散計測法4 ミュラー行列偏光計5 ストークス偏光計6 おわりに

    【 第3編 屈折率精密制御 】第1章 プラスチック光ファイバー  (高橋聡)1 光ファイバーについて2 プラスチック光ファイバーの特徴3 プラスチック光ファイバーの開発4 GI形POFの屈折率分布形成技術5 おわりに

    第2章 量子化学計算に基づく屈折率と波長分散の予測技術  (安藤慎治)1 はじめに2 低分子有機化合物・光学ポリマーの物性予測3 おわりに

    第3章 屈折率分布型プラスチックロッドレンズ  (入江菊枝)1 はじめに2 屈折率分布型ロッドレンズアレイの結像原理3 色収差低減のための材料設計4 プラスチックロッドレンズの製造方法5 低色収差プラスチックロッドレンズの光学特性6 ロッドレンズアレイの用途7 おわりに

    第4章 ポリマー光回路  (杉原興浩)1 はじめに2 ポリマー光回路材料3 ポリマー光回路簡易作製技術3.1 複製技術3.2 フォトブリーチング3.3 直接描画3.4 直接露光3.5 自己形成

    4 簡易評価技術4.1 カットバック代替技術とエレメント評価チップ

    5 ポリマー光導波路を用いたコネクター例6 おわりに

    第5章 非線形光学材料にかかわる屈折率制御  (戒能俊邦)1 まえがき2 EO効果とEOポリマー材料3 EOポリマーの光導波路化4 EOポリマーの応用5 あとがき

    第6章 フォトリフラクティブ材料  (黒田和男)1 はじめに2 電気光学効果3 フォトリフラクティブ効果4 縮退2光波混合と光増幅5 おもな材料5.1 LiNbO35.2 BaTiO35.3 Sn2P2S65.4 化合物半導体5.5 有機ポリマー材料

    6 位相共役鏡

    第7章 光硬化性樹脂による光波制御フィルム  (服部俊明)1 はじめに2 微細相構造3 相構造の光学特性4 光波制御素子への応用例5 おわりに

    【 第4編 光学材料の特性・開発状況 】第1章 光学用ポリカーボネート  (長島広光)1 はじめに2 光学レンズ用PC3 位相差フィルム・導光板用PC4 光学用特殊PC5 おわりに

    第2章 光学用フィルム―バックライト用反射フィルム,偏光散乱フィルム―  (楠目博,小野光正)1 はじめに2 バックライト用反射フィルム3 偏光散乱フィルム

    第3章 シクロオレフィンポリマー  (小原禎二)1 シクロオレフィンポリマー2 光学用プラスチック3 COPの特長3.1 吸湿性3.2 複屈折

    4 おわりに

    第4章 フッ素系樹脂  (小島弦,青崎耕)1 フッ素元素の特徴2 各種フッ素樹脂の特性3 透明フッ素樹脂「サイトップ」3.1 オプト分野への応用性3.2 オプト以外の分野への可能性

    第5章 高屈折率ポリイミド  (安藤慎治)1 はじめに2 含硫黄ポリイミドの分子設計と屈折率3 含硫黄ポリイミドの屈折率と分散係数の関係4 今後の展開

    第6章 光部品の光路結合用接着剤における屈折率制御技術  (村越裕,村田則夫)1 はじめに2 光路結合用接着剤の屈折率制御技術3 光路結合用接着剤の主な特性4 光路結合用接着剤の応用例4.1 PLCと光ファイバーの結合4.2 PLCに挿入された光フィルターの固定4.3 LN導波路と光ファイバーの結合4.4 光導波路形成用樹脂

    5 おわりに

    第7章 高屈折率光硬化ナノコンポジット材料  (上野信彦)1 開発背景2 光硬化樹脂ナノコンポジット材料の意義3 ナノ粒子の種類と物性4 MCRCの高屈折率ナノコンポジット材料紹介(開発中)5 今後の課題と展望

    第8章 金属酸化物ナノ粒子を用いたコーティングと屈折率制御  (村井幸雄)1 はじめに2 金属酸化物ナノ粒子を用いたハードコート2.1 熱硬化型ハードコート2.2 UV硬化型ハードコート

    3 ハードコート剤の屈折率制御4 金属酸化物ナノ粒子の屈折率制御5 金属酸化物ナノ粒子を用いたプライマーコート6 今後の課題

    第9章 光ディスク材料(ポリマーカバー)の光学特性  (後藤顕也)1 はじめに2 マレシャル基準やストレールの定義について2.1 点像強度分布(point spread function:PSF)2.2 ストレールデフィニション(Strehl Definition,Strehl Ratio)2.3 マレシャルの規準(Marechal Criterion)

    3 半導体レーザービームを対物レンズで極限まで絞り込む4 許容波面収差はレンズ開口数とポリマーカバー厚とその厚さ誤差精度で決まる5 光ディスクピックアップヘッドに適用するMarechal Criterion5.1 CD用ピックアップ5.2 DVD用ピックアップ5.3 HD DVD用ピックアップ5.4 BD用ピックアップ

    6 ビーム傾きによるコマ収差劣化7 光ディスク生産方式8 光ディスクのワーキングディスタンスと表面付着塵埃9 おわりに

    第10章 精密光学用プラスチックレンズ  (谷口孝)1 はじめに2 光学用プラスチック2.1 透明プラスチック材料2.2 精密光学用プラスチックレンズ材料

    第11章 ディスプレイ用プラスチック基板  (岡渉,後藤英樹,楳田英雄)1 はじめに2 開発品の特性2.1 低線膨張率化2.2 耐熱性2.3 光学特性

    3 おわりに

    第12章 位相差フィルム  (内山昭彦)1 はじめに2 位相差フィルムの機能3 位相差フィルムの種類4 位相差フィルムとLCD広視野角化の関係5 位相差フィルムの広帯域化6 まとめと今後の課題

    第13章 液晶バックライト用導光板の光学  (カランタル カリル)1 はじめに2 印刷素子の導光板3 エッチング素子の導光板4 光学反射素子の導光板5 光学偏向素子の導光板6 光学偏光素子の導光板7 光整形プリズム7.1 LGP入光面微小光学系による入射光の整形7.2 LGP裏面入光近傍のインコヒーレント回折格子による光整形

    8 おわりに

    第14章 プリズムシート  (山下友義)1 はじめに2 屈折型プリズムシートを用いたBLシステム3 全反射型プリズムシート(Total Reflection Prism Sheet:TRPS)を用いたBLシステム4 プリズムシートに対する要求性能5 高輝度全反射型プリズムシート(YタイプTRPS)5.1 高輝度TRPS5.2 超高輝度TRPS

    6 TRPSを用いたLED高輝度バックライト技術6.1 小型モバイル用TRPS6.2 TRPSを用いたモバイル用LED-BLの開発6.3 サーキュラー型TRPS-LEDバックライト

    7 おわりに

    第15章 視野角拡大フィルム  (熊谷吉弘)1 はじめに2 位相差フィルムの種類と製法3 液晶フィルム3.1 液晶フィルムの種類と配向構造3.2 「日石LCフィルム」シリーズ

    4 視野角拡大フィルム4.1 TNモード用液晶フィルム4.2 ECBモード用液晶フィルム

    5 おわりに

    第16章 眼鏡用レンズ  (高松健)1 はじめに2 プラスチック材料の分子構造と屈折率,分散3 眼鏡レンズ用高屈折率プラスチック材料4 プラスチック眼鏡レンズ高屈折率化の流れ

    【 第5編 ナノテクノロジーを利用した屈折率制御と新規光学デバイス 】第1章 ナノフォトニクスデバイス~複屈折コントラスト近接場顕微鏡による観測~ (梅田倫弘)1 はじめに2 近接場光学顕微鏡の構成2.1 SNOMの観測モード2.2 プローブ

    3 複屈折近接場光学顕微鏡3.1 複屈折分布の取得条件3.2 高速複屈折計測法3.3 装置構成

    4 液晶薄膜の分子配向観測5 AFMナノラビングによる液晶薄膜デバイス5.1 AFMナノラビング直接配向法5.2 実験結果

    6 おわりに

    第2章 プラズモニック・メタマテリアル  (田中拓男)1 はじめに2 メタマテリアルの構造3 可視光用メタマテリアルの設計4 メタマテリアルの新光学素子への応用4.1 反射抑制素子への応用4.2 メタマテリアルを用いた屈折率制御

    5 おわりに

    第3章 プラズモニクス  (高原淳一)1 はじめに2 プラズモニクスとは3 プラズモニクスの特徴4 プラズモニクスの物理的原理5 プラズモニクスの最近の話題5.1 ナノイメージング5.2 金属微粒子とホットスポット5.3 ナノ光導波路5.4 発光・受光デバイス

    6 おわりに

    第4章 バイオミメティック1 高分子コロイド微粒子結晶を用いた構造色発色  (吉田哲也)1.1 はじめに1.2 構造発色のメカニズム1.3 3次元コロイド結晶の作製法1.4 発色に影響する因子1.5 色材への応用1.6 おわりに

    2 光干渉構造発色繊維モルフォテックス(R)  (神山三枝)2.1 緒言2.2 発色原理2.3 繊維化技術2.4 モルフォテックス(R)の特徴2.5 用途開発状況2.6 今後の展開

    3 モスアイ型反射防止フィルム  (魚津吉弘)3.1 はじめに3.2 テーパー状アルミナナノホールアレイの作製3.3 モスアイフィルムの光インプリント3.4 反射率と写り込み3.5 大型ロール金型を用いた連続賦形3.6 おわりに

    光学材料の屈折率制御技術の�まえがき執筆者一覧目次序論  (渡辺敏行)【 第1編 基礎理論 】第1章 基礎理論I フォトニクスの基礎  (梅垣真祐)1 はじめに2 マクスウェルの方程式から導かれる波動方程式とその解3 屈折率と2つの媒質の境界での光波3.1 屈折の法則3.2 フレネルの公式

    4 フレネルの公式からわかる基本事項4.1 偏光角4.2 全反射4.3 楕円偏光

    5 複屈折5.1 均一な異方性媒質中の光伝搬5.2 結晶と複屈折5.3 複屈折性を用いた光素子

    第2章 基礎理論II 光学ポリマーの屈折率制御・高透明化・エイジング  (谷尾宣久)1 はじめに2 屈折率制御2.1 屈折率と分子構造2.2 光学ポリマーの屈折率予測システム

    3 高透明化3.1 高透明化のための高次構造制御3.2 高透明化のための分子設計3.3 光学ポリマーの透明性予測システム

    4 光学ポリマーのエイジング5 おわりに

    第3章 基礎理論III 外部電界による屈折率の制御  (渡辺敏行)1 屈折率と分子分極率および分子配向との関係1.1 はじめに1.2 屈折率n_Xの導出1.3 屈折率n_Yの導出1.4 屈折率n_Zの導出

    2 膜厚方向の分極処理による屈折率制御

    【 第2編 光学特性計測方法 】第1章 屈折率測定法  (近藤高志)1 臨界角法2 最小偏角法3 液侵法4 干渉法5 楕円偏光解析法(エリプソメトリ)6 プリズムカップリング法

    第2章 複屈折の発現機構  (斎藤拓)1 はじめに2 複屈折について3 複屈折の発現要因と特異性4 配向複屈折と歪み複屈折5 一軸延伸中の複屈折挙動6 弾性変形回復と複屈折7 複屈折の波長依存性8 おわりに

    第3章 液晶ディスプレイのための2次元複屈折計測  (大谷幸利)1 はじめに2 複屈折・偏光特性評価法3 分光偏光分散計測法4 ミュラー行列偏光計5 ストークス偏光計6 おわりに

    【 第3編 屈折率精密制御 】第1章 プラスチック光ファイバー  (高橋聡)1 光ファイバーについて2 プラスチック光ファイバーの特徴3 プラスチック光ファイバーの開発4 GI形POFの屈折率分布形成技術5 おわりに

    第2章 量子化学計算に基づく屈折率と波長分散の予測技術  (安藤慎治)1 はじめに2 低分子有機化合物・光学ポリマーの物性予測3 おわりに

    第3章 屈折率分布型プラスチックロッドレンズ  (入江菊枝)1 はじめに2 屈折率分布型ロッドレンズアレイの結像原理3 色収差低減のための材料設計4 プラスチックロッドレンズの製造方法5 低色収差プラスチックロッドレンズの光学特性6 ロッドレンズアレイの用途7 おわりに

    第4章 ポリマー光回路  (杉原興浩)1 はじめに2 ポリマー光回路材料3 ポリマー光回路簡易作製技術3.1 複製技術3.2 フォトブリーチング3.3 直接描画3.4 直接露光3.5 自己形成

    4 簡易評価技術4.1 カットバック代替技術とエレメント評価チップ

    5 ポリマー光導波路を用いたコネクター例6 おわりに

    第5章 非線形光学材料にかかわる屈折率制御  (戒能俊邦)1 まえがき2 EO効果とEOポリマー材料3 EOポリマーの光導波路化4 EOポリマーの応用5 あとがき

    第6章 フォトリフラクティブ材料  (黒田和男)1 はじめに2 電気光学効果3 フォトリフラクティブ効果4 縮退2光波混合と光増幅5 おもな材料5.1 LiNbO35.2 BaTiO35.3 Sn2P2S65.4 化合物半導体5.5 有機ポリマー材料

    6 位相共役鏡

    第7章 光硬化性樹脂による光波制御フィルム  (服部俊明)1 はじめに2 微細相構造3 相構造の光学特性4 光波制御素子への応用例5 おわりに

    【 第4編 光学材料の特性・開発状況 】第1章 光学用ポリカーボネート  (長島広光)1 はじめに2 光学レンズ用PC3 位相差フィルム・導光板用PC4 光学用特殊PC5 おわりに

    第2章 光学用フィルム―バックライト用反射フィルム,偏光散乱フィルム―  (楠目博,小野光正)1 はじめに2 バックライト用反射フィルム3 偏光散乱フィルム

    第3章 シクロオレフィンポリマー  (小原禎二)1 シクロオレフィンポリマー2 光学用プラスチック3 COPの特長3.1 吸湿性3.2 複屈折

    4 おわりに

    第4章 フッ素系樹脂  (小島弦,青崎耕)1 フッ素元素の特徴2 各種フッ素樹脂の特性3 透明フッ素樹脂「サイトップ」3.1 オプト分野への応用性3.2 オプト以外の分野への可能性

    第5章 高屈折率ポリイミド  (安藤慎治)1 はじめに2 含硫黄ポリイミドの分子設計と屈折率3 含硫黄ポリイミドの屈折率と分散係数の関係4 今後の展開

    第6章 光部品の光路結合用接着剤における屈折率制御技術  (村越裕,村田則夫)1 はじめに2 光路結合用接着剤の屈折率制御技術3 光路結合用接着剤の主な特性4 光路結合用接着剤の応用例4.1 PLCと光ファイバーの結合4.2 PLCに挿入された光フィルターの固定4.3 LN導波路と光ファイバーの結合4.4 光導波路形成用樹脂

    5 おわりに

    第7章 高屈折率光硬化ナノコンポジット材料  (上野信彦)1 開発背景2 光硬化樹脂ナノコンポジット材料の意義3 ナノ粒子の種類と物性4 MCRCの高屈折率ナノコンポジット材料紹介(開発中)5 今後の課題と展望

    第8章 金属酸化物ナノ粒子を用いたコーティングと屈折率制御  (村井幸雄)1 はじめに2 金属酸化物ナノ粒子を用いたハードコート2.1 熱硬化型ハードコート2.2 UV硬化型ハードコート

    3 ハードコート剤の屈折率制御4 金属酸化物ナノ粒子の屈折率制御5 金属酸化物ナノ粒子を用いたプライマーコート6 今後の課題

    第9章 光ディスク材料(ポリマーカバー)の光学特性  (後藤顕也)1 はじめに2 マレシャル基準やストレールの定義について2.1 点像強度分布(point spread function:PSF)2.2 ストレールデフィニション(Strehl Definition,Strehl Ratio)2.3 マレシャルの規準(Marechal Criterion)

    3 半導体レーザービームを対物レンズで極限まで絞り込む4 許容波面収差はレンズ開口数とポリマーカバー厚とその厚さ誤差精度で決まる5 光ディスクピックアップヘッドに適用するMarechal Criterion5.1 CD用ピックアップ5.2 DVD用ピックアップ5.3 HD DVD用ピックアップ5.4 BD用ピックアップ

    6 ビーム傾きによるコマ収差劣化7 光ディスク生産方式8 光ディスクのワーキングディスタンスと表面付着塵埃9 おわりに

    第10章 精密光学用プラスチックレンズ  (谷口孝)1 はじめに2 光学用プラスチック2.1 透明プラスチック材料2.2 精密光学用プラスチックレンズ材料

    第11章 ディスプレイ用プラスチック基板  (岡渉,後藤英樹,楳田英雄)1 はじめに2 開発品の特性2.1 低線膨張率化2.2 耐熱性2.3 光学特性

    3 おわりに

    第12章 位相差フィルム  (内山昭彦)1 はじめに2 位相差フィルムの機能3 位相差フィルムの種類4 位相差フィルムとLCD広視野角化の関係5 位相差フィルムの広帯域化6 まとめと今後の課題

    第13章 液晶バックライト用導光板の光学  (カランタル カリル)1 はじめに2 印刷素子の導光板3 エッチング素子の導光板4 光学反射素子の導光板5 光学偏向素子の導光板6 光学偏光素子の導光板7 光整形プリズム7.1 LGP入光面微小光学系による入射光の整形7.2 LGP裏面入光近傍のインコヒーレント回折格子による光整形

    8 おわりに

    第14章 プリズムシート  (山下友義)1 はじめに2 屈折型プリズムシートを用いたBLシステム3 全反射型プリズムシート(Total Reflection Prism Sheet:TRPS)を用いたBLシステム4 プリズムシートに対する要求性能5 高輝度全反射型プリズムシート(YタイプTRPS)5.1 高輝度TRPS5.2 超高輝度TRPS

    6 TRPSを用いたLED高輝度バックライト技術6.1 小型モバイル用TRPS6.2 TRPSを用いたモバイル用LED-BLの開発6.3 サーキュラー型TRPS-LEDバックライト

    7 おわりに

    第15章 視野角拡大フィルム  (熊谷吉弘)1 はじめに2 位相差フィルムの種類と製法3 液晶フィルム3.1 液晶フィルムの種類と配向構造3.2 「日石LCフィルム」シリーズ

    4 視野角拡大フィルム4.1 TNモード用液晶フィルム4.2 ECBモード用液晶フィルム

    5 おわりに

    第16章 眼鏡用レンズ  (高松健)1 はじめに2 プラスチック材料の分子構造と屈折率,分散3 眼鏡レンズ用高屈折率プラスチック材料4 プラスチック眼鏡レンズ高屈折率化の流れ

    【 第5編 ナノテクノロジーを利用した屈折率制御と新規光学デバイス 】第1章 ナノフォトニクスデバイス~複屈折コントラスト近接場顕微鏡による観測~ (梅田倫弘)1 はじめに2 近接場光学顕微鏡の構成2.1 SNOMの観測モード2.2 プローブ

    3 複屈折近接場光学顕微鏡3.1 複屈折分布の取得条件3.2 高速複屈折計測法3.3 装置構成

    4 液晶薄膜の分子配向観測5 AFMナノラビングによる液晶薄膜デバイス5.1 AFMナノラビング直接配向法5.2 実験結果

    6 おわりに

    第2章 プラズモニック・メタマテリアル  (田中拓男)1 はじめに2 メタマテリアルの構造3 可視光用メタマテリアルの設計4 メタマテリアルの新光学素子への応用4.1 反射抑制素子への応用4.2 メタマテリアルを用いた屈折率制御

    5 おわりに

    第3章 プラズモニクス  (高原淳一)1 はじめに2 プラズモニクスとは3 プラズモニクスの特徴4 プラズモニクスの物理的原理5 プラズモニクスの最近の話題5.1 ナノイメージング5.2 金属微粒子とホットスポット5.3 ナノ光導波路5.4 発光・受光デバイス

    6 おわりに

    第4章 バイオミメティック1 高分子コロイド微粒子結晶を用いた構造色発色  (吉田哲也)1.1 はじめに1.2 構造発色のメカニズム1.3 3次元コロイド結晶の作製法1.4 発色に影響する因子1.5 色材への応用1.6 おわりに

    2 光干渉構造発色繊維モルフォテックス(R)  (神山三枝)2.1 緒言2.2 発色原理2.3 繊維化技術2.4 モルフォテックス(R)の特徴2.5 用途開発状況2.6 今後の展開

    3 モスアイ型反射防止フィルム  (魚津吉弘)3.1 はじめに3.2 テーパー状アルミナナノホールアレイの作製3.3 モスアイフィルムの光インプリント3.4 反射率と写り込み3.5 大型ロール金型を用いた連続賦形3.6 おわりに