連環データマガジン 景気ウォッチャー 2016年02月号(2016年1月度データ)

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社会情報天気図 景気ウオッチャー調査から、 地域の消費者の声を可視化し、景気動向を読む Dual ComBine Analysis Dual ComBine Analysis for Data Cognitive Browser 2016年2月号 Vol.2 No.2 内閣府2016年2月8日発表データより 2016/2/29 1 Photo by Akiko 2016 © Data Cake Baker Corporation. All rights reserved. Photo by T. Hirata Photo by T. Hirata

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Page 1: 連環データマガジン 景気ウォッチャー 2016年02月号(2016年1月度データ)

社会情報天気図 景気ウオッチャー調査から、

地域の消費者の声を可視化し、景気動向を読む

Dual ComBine Analysis

Dual ComBine Analysis

for Data Cognitive Browser

2016年2月号 Vol.2 No.2 内閣府2016年2月8日発表データより

2016/2/29 1

Photo by Akiko

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Photo by T. Hirata

Photo by T. Hirata

Page 2: 連環データマガジン 景気ウォッチャー 2016年02月号(2016年1月度データ)

社会情報天気図 ~景気ウオッチャー調査から地域の景気動向を読む~

◆まとめと序言

猿年は暴れると言われるが、ついに日本もカネ余りのマイナス金利となった。この現象のメッセージはなんであろうか?本来、稼ぎ出した富で消費されずに余った分は、海外へ出すか将来のために投資されるべきであるが、行き場が無いので、ついに通貨には保管料が求められるようになってしまった。中央銀行だけでなく大企業も国債を大量に買っている。本来、将来の投資や社会の抱える問題の解に向かうべきであるが金融手段の機能不全である。

繰り返しではあるが、近隣窮乏化策の通貨切り下げのための金利策は、ゼロサムゲーム以下である。問題は、社会が多くの困難な問題を抱えており、それを既存の企業や行政等の金を使える既成の機関では解決する手段を見つけられないと言う現実である。通常、資源が有れば、不確実性を軽減するための新しい知識つまり技術の創造によって、課題をデザインし、それに挑戦するイノベーションを起こす。それが無い資本主義は、花の咲かない薔薇である。

この連環データマガジンは、あくまで最終消費動向の当月のデータに目を向けているが、人々の抱えるニーズやトレンドや、そこから見つけたい潜在的ニーズを含め、消費の全体構造を探る目的もある。景気ウオッチャー調査は840名の小サンプルではあるが、景気動向をしめす形式的な数値データだけでなく、質的なその理由を説明しているテキストが質的データとして採集されているがゆえに、現実に切迫し得る貴重なデータだからである。

このところ流石に厳しかった消費税効果を、過去1年の平均の前年比では克服しきていたが、昨年末から怪しくなってきた。日本列島の北の北海道と南の沖縄は、相変わらず外部効果か、50ポイントをわずかではあるが上回っているが、列島の中央は、思わしくない。消費の脆弱性は、わずかな変化やストレスに対して敏感に弱さを露呈させる。

今月の始めは良い天気で冬物が売れず、逆に月末に向かっての寒さが、用意した春の衣料類をダブルで直撃した。これは、百貨店に集中的に現れた。また、些細なことではあるが、1月4日が出勤となってしまったことを指摘しているウオッチャーも目につく。

今月は、地域を視点にすることを止め、景気DIのプロファイリングを重視することにした。特に地域別に質的な特徴をつかむには、サンプルが足りないこともある。もう一つは、日本人特有の中庸的な“変わらない”というマジョリティに隠くされた“変わっている”というメッセージのペルソナの抽出のもトライしたかったからである。

はじめに

Dual ComBine Analysis

2016/2/29 2 2016 © Data Cake Baker Corporation. All rights reserved.

Page 3: 連環データマガジン 景気ウォッチャー 2016年02月号(2016年1月度データ)

全国の景気動向まとめ Dual ComBine Analysis

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・景気ウオッチャーの内、現在の消費者の動きを、全国11地域で、2016年1月の各業種のビジネスの現場が伝えるデータを使用。

基本的には3ヵ月前と比較した景気判断、その理由としての市場動向、さらに追加説明文等の多様な多次元データを、マシンラーニングで情報圧縮し、クラスタ化した.

・現状を理解するため、多くの量的質的属性を組み合わせて、分別し、それらを判別し、組み立てて解釈する、解るために、分かり、判るアプローチを採った。

そして分類されたプロフィールの詳細化にトライした。

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2016年1月の全国の家計DIマップ

全国のDI

◇ 「景気ウオッチャー調査」の2016年1月の“現状の家計動向”

・今月の全国平均は、45.6で50ポイントを切り、対前年同期比+1.7ポイント上回ったものの前月比-2.1と振るわず、“曇り”である。

・全国11地域中、35-45の“小雨模様”は、南関東、北関東および、四国、九州の4地域となった。

・50ポイントを上回った地域は、“北海道”、“沖縄”だけだが、いずれも55ポイントには届かず、“曇り”で“変わらない”と判定。

・残りの地域はすべて、45—55までの“曇り”である。

北海道DI:51.6(+0.6)

(全国平均+6.0)

南関東DI:43.7(-5.4)

(全国平均-1.9)

東北DI:47.3 (+1.6)

(全国平均+1.7)

北関東DI:43.8(+0.0)

(全国平均-1.8)

四国DI:35.6(-11.3)

(全国平均-10.0)

九州DI:43.8(-4.6)

(全国平均-1.8)

東海DI:45.4(-2.3)

(全国平均-0.2)

沖縄DI:51.9(+5.0)

(全国平均+6.3)

近畿DI:46.8(+1.1)

(全国平均+1.2)

中国DI:48.7(-3.7)

(全国平均+3.1)

北陸I:46.7(-0.4)

(全国平均+1.1)

全国家計“変わらない” DI:45.6 (同月比-2.1)

65以上 良くなっている(快晴)

55~65 やや良くなっている(晴れ)

45~55 変わらない(曇り)

35~45 やや悪くなっている(小雨)

35未満 悪くなっている(大雨)

Dual ComBine Analysis

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“景気ウオッチャー調査”の定義、凡例

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地域DI:50.0超え(対前年同期比)

(全国平均比)

地域DI:50.0未満(対前年同期比)

(全国平均比)

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全国

北海道

東北

北関東

南関東

東海

北陸

家計関連動向DIの地域別推移(1/2) Dual ComBine Analysis

地域別DIの推移

◆家計関連動向DIの3年間の東日本の推移

◇全国平均は、45.6で50ポイントを切り、対前年同期比+1.7ポイント上回ったものの前月比-2.1と振るわない。

・消費税ショック時の2014年4月と昨年11月から約1年間沈んでいた。昨年4月に持ち直したが、再びダウントレンドとなっている。

・東海を含む東日本では、北海道は51.6と50を2ヶ月連続上回ったが、それ以外では昨10月以来50ポイントを切っている。

・特に、北関東と南関東は、45を切っている.

・東関東では2014年11月に、消費増税後と同程度の落ち込みを見せているが、2015年も似た現象が見えるが原因は要検討。

2016/2/29 5

2014年4月消費税8%実施

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・マネタリー残の増加率▽40%?

・元の切り下げ?

消費税効果

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全国

近畿

中国

四国

九州

沖縄

家計関連動向DIの地域別推移(2/2) Dual ComBine Analysis

地域別DIの推移

◆家計関連動向DIの2年間の西日本の推移

◇全国平均は、45.6で50ポイントを切り、対前年同期比+1.7ポイント上回ったものの前月比-2.1と振るわない。

・消費税ショック時の2014年4月と昨年11月から約1年間沈んでいた。昨年4月に持ち直したが、再びダウントレンドとなっている。

・近畿以西のでは、沖縄は51.9と50を上回ったが、やや持ち直すかと思われた12月から近畿以外は再び下落した。

・特に、四国は35.8ポイントと、2014年4月の消費増税時の29.1に次ぐ低い水準となった.

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2014年4月消費税8%実施

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消費税効果

Page 7: 連環データマガジン 景気ウォッチャー 2016年02月号(2016年1月度データ)

◆ 「景気ウオッチャー調査」の2016年1月の“現状の家計動向” ・全国平均は、45.6で50ポイントを切り、対前年同月比+1.7ポイント上回ったものの前月比-2.1と振るわない。 ・過去1年間平均は49.1ポイントで、前年同期比+3.8ポイントではあるが、消費税の効果のダメージから抜けられない. ・対前年同月比で全国は+1.7で、多くはプラスであったが、近畿と四国は、-0.6と-9.0と落ち込んでいる。 ・北海道と沖縄が50を超え、南北関東、四国、九州が厳しい。

景気ウオッチャーのDI

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Dual ComBine Analysis

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「景気ウオッチャー調査」のデータ

全国 北海道 東北 北関東 南関東 東海 北陸 近畿 中国 四国 九州 沖縄

2013年1月 48.3 47.8 45.3 44.6 49.6 47.4 51.1 53.2 48.5 48.8 46.4 51.02013年2月 51.7 52.6 46.4 48.0 51.8 50.3 56.5 56.3 52.4 53.0 51.1 58.02013年3月 56.9 55.7 53.6 53.8 58.3 55.8 58.5 62.6 57.9 54.4 55.5 56.52013年4月 55.5 54.7 52.6 53.4 57.2 55.9 57.3 59.6 54.4 54.5 53.7 54.62013年5月 54.4 51.9 52.1 55.4 55.3 50.7 56.7 58.8 53.4 51.2 55.5 55.62013年6月 52.2 58.6 51.0 50.4 53.6 48.5 54.1 55.0 52.2 50.0 50.0 52.92013年7月 50.6 56.9 47.6 47.6 51.4 50.5 49.6 52.0 51.7 50.0 49.6 52.92013年8月 49.3 54.9 48.4 46.0 49.2 50.2 47.4 48.8 47.9 50.8 49.0 62.02013年9月 50.6 52.8 47.6 47.1 52.9 49.5 50.0 53.0 49.8 49.2 50.8 58.02013年10月 49.2 52.2 45.4 46.5 49.2 49.5 50.0 50.4 50.9 46.8 50.4 54.82013年11月 51.3 50.0 48.4 49.1 50.0 53.9 50.4 54.6 52.5 51.2 51.5 49.12013年12月 53.1 53.5 49.1 51.7 53.8 56.6 52.2 54.1 53.7 54.4 51.8 48.0

2014年1月 52.2 51.9 48.3 50.4 54.3 54.3 49.6 53.7 53.8 50.0 52.7 50.02014年2月 50.2 55.3 45.9 41.3 47.8 53.1 52.2 53.4 53.2 52.5 50.4 55.82014年3月 57.0 52.6 55.4 53.7 59.5 55.7 52.9 60.1 57.4 62.3 57.0 60.62014年4月 37.2 37.3 35.9 34.7 40.5 38.7 36.8 40.4 32.7 29.1 36.4 41.72014年5月 42.1 38.8 37.8 43.4 45.5 40.8 44.6 43.1 40.1 43.7 41.7 48.12014年6月 45.1 46.5 43.5 43.9 46.8 44.7 43.9 46.8 43.3 45.6 44.4 50.02014年7月 49.4 49.1 49.8 48.7 50.1 47.9 48.2 50.3 49.8 49.6 46.5 61.62014年8月 45.8 46.7 44.8 46.2 45.4 47.2 46.0 49.9 43.6 43.6 42.0 47.22014年9月 46.7 45.7 46.2 44.7 46.4 47.7 43.7 50.2 44.8 46.5 47.7 48.12014年10月 42.3 41.3 40.2 39.7 39.4 42.3 46.0 45.9 41.7 41.5 44.8 50.02014年11月 39.5 33.7 38.6 35.7 36.1 39.5 39.6 43.2 41.7 43.6 43.0 43.52014年12月 44.2 39.5 41.3 40.1 45.9 45.1 43.0 48.2 43.1 41.8 47.2 47.9

2015年1月 43.9 46.3 42.5 41.2 43.6 45.4 45.1 47.4 41.0 44.6 42.0 45.42015年2月 48.4 48.7 46.0 44.6 49.6 47.2 50.8 52.3 46.8 49.6 47.8 51.02015年3月 50.9 51.9 49.1 47.1 50.0 48.0 56.3 54.1 50.9 49.6 53.8 50.02015年4月 53.2 55.8 51.6 51.1 53.1 51.5 59.3 55.0 51.6 49.6 55.0 51.92015年5月 53.6 53.2 53.0 50.4 55.4 53.2 59.3 53.4 53.6 50.4 52.9 55.82015年6月 50.4 53.2 48.6 47.4 51.9 48.8 51.5 53.6 49.6 49.6 48.8 53.72015年7月 50.8 55.6 48.7 47.7 49.9 50.5 51.5 51.2 50.9 52.2 52.3 55.02015年8月 48.8 52.0 46.2 45.0 48.4 49.2 53.3 50.4 48.7 46.9 48.3 57.02015年9月 47.0 49.1 45.6 42.5 45.5 44.7 50.8 50.8 45.4 46.6 48.6 59.32015年10月 48.1 46.2 44.9 47.1 48.4 48.8 47.4 49.5 48.7 45.7 49.8 56.02015年11月 44.4 44.6 42.3 42.7 44.1 45.8 47.4 44.2 48.3 40.9 42.7 48.12015年12月 47.7 51.0 45.7 43.8 49.1 47.7 47.1 45.7 52.4 46.9 48.4 46.9

2016年1月 45.6 51.6 47.3 43.8 43.7 45.4 46.7 46.8 48.7 35.6 43.8 51.9

年平均 49.1 51.1 47.4 46.1 49.1 48.4 51.8 50.6 49.6 47.0 49.4 53.1前年の年平均 45.3 44.4 43.5 42.8 45.6 45.7 45.2 48.2 44.4 45.4 45.3 50.0対前年平均比 3.8 6.7 3.9 3.3 3.5 2.7 6.6 2.3 5.3 1.6 4.1 3.1

対前年同期比 1.7 5.3 4.8 2.6 0.1 0.0 1.6 -0.6 7.7 -9.0 1.8 6.5対前月比 -2.1 0.6 1.6 0.0 -5.4 -2.3 -0.4 1.1 -3.7 -11.3 -4.6 5.0対全国比 0.0 6.0 1.7 -1.8 -1.9 -0.2 1.1 1.2 3.1 -10.0 -1.8 6.3

Page 8: 連環データマガジン 景気ウォッチャー 2016年02月号(2016年1月度データ)

全国の景気動向まとめ Dual ComBine Analysis

2016/2/29 8

・家計動向に関する景気ウオッチャーのクラスタリング

今回は、2016年1月の単月データで、景気動向判断DIと、その地域要因、業種要因、市場要因、およびDIの説明文等の5要因の総合相関関係(連環性)で5クラスタに分類

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クラスタ別特徴

◆景気動向とその構成要因:(1/6)・・・1月のウオッチャーの判断と理由を5クラスタに類型化

・日本の2016年1月の景気動向を、消費者の現場のビジネスに従事している848人が良くなっているから悪くなっている等5段階で判断し、その理由の文章のいわゆるオーディナルデータとノミナルデータをフュージョンして情報圧縮し、5クラスタに分類。

・個別のデータは、地域、景気判断、業種、市場要因の4要員、および理由のキーワード属性等の2枚のクロス表を統合解析した。

・左上方向が「悪い」で、右下に「良い」の景気軸。左下が「不変」で、右上が「変化」の変化軸の構成マップが布置されている。

景気動向の構成要因 Dual ComBine Analysis

2016/2/29 9 2016 © Data Cake Baker Corporation. All rights reserved.

景気DI動向を5クラスタに類型化

5つのクラスタと空間構成

・ウオッチャーの地域別、業種別、市場因子別、景気DI別、およびその説明文等の変数の統合的相関性(連環性)を知るため、次元圧縮して俯瞰マップ化。5つにクラスタリング。

・結果主要なクラスタがDIと相関を持って現れた。

・CL1.「やや悪くなっている」

・CL2.「変わらない」

・CL3.「悪くなっている」

・CL4.「やや良くなっている」

・CL5.「良くなっている」

Page 10: 連環データマガジン 景気ウォッチャー 2016年02月号(2016年1月度データ)

クラスタ別特徴

◆景気動向とその構成要因:(2/6)・・・ 1月のウオッチャーの判断と理由を5クラスタに類型化

・「CL1:良い」方向に北海道があり、「CL4:悪い」方向に、九州、近畿、中国、四国がポジショニングされる。

・「CL2:不変」方向に東海があり、「CL1:変化」方向には特定のクラスタが存在しないが、敢えて言えば北陸がある。

・良くなっていると悪くなっているとするウオッチャーの数が少ないここと、およびその属性が明確でないため、現在の景気動向は、やや良くなっていると、やや悪くなっているとする個別データから、現象の特徴や背景を読み解く必要がある。

景気動向の構成要因 Dual ComBine Analysis

「景気動向DI+月別地域因子」

2016/2/29 10 2016 © Data Cake Baker Corporation. All rights reserved.

CL15:良く CL2:変らない

CL1:やや悪く CL3:悪く

5つのクラスタと空間構成

・景気要因と構成軸からなる俯瞰マップに、地域を布置。

・マジョリティは、「変わらない」

・マイノリティは、「悪くなっている」と「良くなっている」と「やや良くなっている」

・良くなっている」は、北海道。

・「悪くなっている」は、九州、近畿、中国となった。

CL4:やや良く

Page 11: 連環データマガジン 景気ウォッチャー 2016年02月号(2016年1月度データ)

◆景気動向とその構成要因:(3/6)・・・ 1月のウオッチャーの判断と理由を5クラスタに類型化

・景気ウオッチャーの業種を、景気マップに布置し、景気の良否や変化の動性、および地域の月別の動向との関係性を見る.

・良い方向には食品飲料販売、住宅関連家具等があり、家電PCカメラ時計や通信ECサービスもあるが後者は変化ゾーンにある。

・悪い方向では、その他及び専門店があり、書籍文具紙CDビデオなども近い。

・やや悪い方向に、乗用車関連、介護教育美容生活等がある。中立で不変ゾーンに、タクシー輸送、百貨店SC等がある。

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11

クラスタ別特徴

2016/2/29 2016 © Data Cake Baker Corporation. All rights reserved.

「景気動向DI+業種因子」

景気動向の構成要因

5つのクラスタと空間構成

・景気要因と構成軸からなる俯瞰マップ上に、業種別アイテムを布置。

・悪い方向に、“卸百貨店ショッピングセンター”が特出した。

・良い方向には、“乗用車販売およびサービス”が、出た。

・変わらない方向に、「通信ECサービス」が出ている。

・変わらない方向には、明確な業種が見えていないが、強いて言えば、“家電PCカメラ”等である。

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◆景気動向とその構成要因:(4/6)・・・ 1月のウオッチャーの判断と理由を5クラスタに類型化

・各地の景気動向に、市場要因として、“市場の動き”を重ねて、それらの関係性を見る.

・景気ウオッチャーが見る市場要因は、販売量、来客数、単価、客の様子、その他等であるが、全て強い相関性は見られない。

・強いていえば、良くなっている方向には単価の動きがあり、悪くなっている方向には、お客様の様子がある。

・不変の方向には、販売量の動きや来客数の動きがあり、変化の方向には、その他競争相手の様子がある。

Dual ComBine Analysis

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クラスタ別特徴

2016/2/29 2016 © Data Cake Baker Corporation. All rights reserved.

景気動向の構成要因

「景気動向DI+市場因子」

5つのクラスタと空間構成

・景気要因と構成軸からなる俯瞰マップ上に、市場因子アイテムを布置。

・“お客様の様子”は、変わらないと相関が高い。

・“お客様の動き”は、悪い方向である。

・“販売量の動き”は“やや良くなっている”または“良くなっている”方向である。

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◆景気動向の構成要因:(5/6)・・・ 1月のウオッチャーの判断と理由を5クラスタに類型化

・各地の月別景気動向に、地域、業種と市場の各因子を重ねて、それらの関係性を見る.

・マジュリティは、“変わらない”。代表は“通信ECサービス”、“介護教育美容生活サービス”で、“単価の動き”、“お客様の様子”等。

・マイノリティの“良い方向”では、“乗用車関連”、“旅行行楽観光”、“住宅関連“で、“販売量の動き”が、北海道で。

・マイノリティの“悪い方向”では、“卸百貨店ショッピングセンタ”、“衣料装身靴”で、来客数の動きが、九州、近畿、四国等で。

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クラスタ別特徴

2016/2/29 2016 © Data Cake Baker Corporation. All rights reserved.

「景気動向DI+業種因子+市場因子」

景気動向の構成要因

CL4:やや良い

CL2:変わらない

CL3:やや悪い

CL1:悪くなって

5つのクラスタと空間構成

・景気要因DIと構成軸からなる俯瞰マップ上に、地域因子、業種因子、市場因子を布置。

・マジョリティは常に崩れて行くが、変化を呼ぶマイノリティの、「悪くなっている」と「良くなっている」の中間領域が注目される。

・そこには、 “家電PCカメラ等”と、業種では“通信ECサービス”、地域では北陸と南関東がある。その辺から何か変化やさらにイノベーションを起こせる可能性がある。百貨店もその兆しを計れる可能性があるかも知れない。

CL5:良くなって

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◆景気動向の構成要因:(6/6)・・・ 1月のウオッチャーの判断と理由を5クラスタに類型化

・各地の月別景気動向に、景気ウオッチャーの説明文のキーワードを布置し、景気動向の内容を見る.

・「良い」方向には、“駆け込み需要”、“受注”、“年度末” 、“増加” 等がある。

・逆に「悪い」方向には、“アイテム”、“バーゲン”、“消費者”、“冬物”、“防寒”、“セール”等がある。

Dual ComBine Analysis

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クラスタ別特徴

2016/2/29 2016 © Data Cake Baker Corporation. All rights reserved.

「景気動向DI+説明因子」

景気動向の構成要因

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景気動向ペルソナ抽出 Dual ComBine Analysis

2016/2/29 15 2016 © Data Cake Baker Corporation. All rights reserved.

・家計動向DIの5ランク判断のペルソナ分析

今回は、2016年1月の単月データについて、1)景気動向判断DIと、 2)その地域要因、3)業種要因、4)市場要因、および、5)DIの説明文等の5要因の総合相関関係(連環性)を、マシーンラーニングで情報空間圧縮し、一貫性のある意味空間座標を造り、そこから各景気DIの典型的な事例を抽出した。

日本人特有の中庸選択志向から、“変わらない”反応が多いが、その逆のベクトルの読み取りにもトライした。

Page 16: 連環データマガジン 景気ウォッチャー 2016年02月号(2016年1月度データ)

Dual ComBine Analysis

◆ “良くなっている“のペルソナ説明文の抽出:この特徴を持った代表的景気ウオッチャー10人をAIで抽出

・“良くなっている”の特徴は、業種としては“コンビニ”で、市場要因は、“来客数の動き”で、地域的には、東北等もある。

・景気DIとしては、“やや良くなっている”が9人もあるが、説明文を読むと、“良くなっている”としても可笑しく無い内容も多い。

・近月は、正月でもあり、全国的に、コンビニへの来客が増加したということかも知れない。

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“良くなっている“のペルソナ

良くなっている(快晴)

“良くなっている“

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1 中国 やや良くなっている コンビニ(支店長) 来客数の動き ・昨年と比べて来客数の増加が見られる。

2 東海 やや良くなっている コンビニ(エリア担当) 来客数の動き・テレビCMやキャンペーン等を継続的に行っている効果もあり、来客数は前年同期比で1.5%増加している。

3 東北 やや良くなっている コンビニ(エリア担当) 来客数の動き ・来客数が増加傾向にあり、景気の上向きを実感している。

4 東北 やや良くなっている一般レストラン(経営者)

来客数の動き・前年4月の値上げにより客単価は上昇したが、来客数は減少傾向にあり前年比98~99%で推移していた。しかし、ここにきて前年比は100%を超えており、少し良くなってきている。

5 東海 やや良くなっている コンビニ(エリア担当) 来客数の動き ・来客数が回復してきている。6 中国 やや良くなっている 都市型ホテル(スタッ 来客数の動き ・新年会の季節でもあり、来客数などが増えてきている。

7 東北 やや良くなっている コンビニ(エリア担当) 来客数の動き・前年と比べて天候も良く、多少なりとも来客数に好影響を与えている。ただし、外的要因としての競争環境に変化はなく、競争激化が進んでいる。

8 北陸 やや良くなっている コンビニ(店舗管理) 来客数の動き・前年と比べて好天に恵まれた。積雪がないというだけで、来客数が大幅増である。したがって、たまたま今月のみが良いだけである。

9 東北 変わらない コンビニ(店長) 来客数の動き・降雪が少なく前年と比較して来客数が増加しているが、逆に客単価は低下している。そのため、物販は横ばい状態となっている。

10 北関東 やや良くなっている コンビニ(経営者) 来客数の動き・1月20日いっぱいで付近の工事が終了した。締めの客数は20名~30名、金額で2万円ぐらい落ちたが、前年度よりは5%増で推移している。

コンビニで、来客数の動きが、良くなっている

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Dual ComBine Analysis

◆ “やや良くなっている“のペルソナ説明文の抽出:この特徴を持った代表的景気ウオッチャー10人をAIで抽出

・“やや良くなっている”のは、業種としては“乗用車販売関係”で、市場要因は、“販売量の動き”で、地域的には、東日本が目立つ。

・景気DIとしては、“やや良くなっている”が8人あり順当。説明文を読むと、“新車投入効果”が伺える。

・今月は、昨年末の待望の新車投入効果が1月にもかかわらずあり、東日本を中心に、高額車を含め販売量を“やや良く”させている。

17 2016/2/29

“良くなっている“のペルソナ

“やや良くなっている“

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やや良くなっている(晴れ)

1 北陸 やや良くなっている乗用車販売店(経理担当)

販売量の動き・1月の販売量は前年同月比100%である。27年10月の販売量は前年同月比90%なので、3か月前と比べて上向きである。

2 南関東 やや良くなっている 乗用車販売店(総務 販売量の動き ・最需要月を前に、徐々にではあるものの販売量が増えてきている。

3 南関東 やや良くなっている乗用車販売店(営業担当)

販売量の動き・1月にもかかわらず、例年になく販売量が増えている。また、比較的高額な車種の需要が多い。

4 北陸 やや良くなっている乗用車販売店(経営者)

販売量の動き・3か月前と比べると販売量はやや良くなっているが、この状況は業界特有の季節要因が主と考えられる。

5 北海道 やや良くなっている乗用車販売店(役員)

販売量の動き・待望の新型車が発表され、新車の受注が好調に転じてきた。ただし、中古車は前年の状況から変化がみられず、受注が伸びてくるのはこの先のこととみている。

6 中国 良くなっている乗用車販売店(店長)

販売量の動き・販売量が前年の105%、年明け最初の土、日、月曜日は受注量が前年の115%で推移している。

7 北関東 やや良くなっている 都市型ホテル(スタッ 販売量の動き ・3か月前と比較すると良いが、前年の1月と比べると落ち込んでいる。

8 北陸 やや良くなっている乗用車販売店(役員)

販売量の動き・新型車効果のおかげで順調に目標をクリアしている。営業利益ベースで前年比2割程度アップしている。

9 九州 やや良くなっている乗用車販売店(総務担当)

販売量の動き・前年末に販売開始された新型車が順調に売れている。しばらくは新型車の投入効果で車両販売が売上増加に寄与する。

10 四国 変わらない 乗用車販売店(役 販売量の動き ・前月に比べ販売量が少し落ちた。

乗用車販売関係で、販売量の動きが、やや良くなっている

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Dual ComBine Analysis

◆ “変わらない“のペルソナ説明文の抽出:この特徴を持った代表的景気ウオッチャー10人をAIで抽出

・“変わらない”のは、業種としては“通信会社”が目立つがその他にも多い、市場要因は“お客の様子”で、地域的特徴はない。

・景気DIとしては、全員が“変わらない”。説明文では、通信会社は物価などにも関心を向けているが、節約志向が強いとみている。

・今月は、ガソリン安効果や金融緩和の影響を期待した業界でも、消費者の節約志向等“お客様の様子”は変わらないと見ている。

18 2016/2/29

“変わらない“のペルソナ

“変わらない“

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変わらない(曇り)

1 北海道 変わらない 通信会社(社員) お客様の様子・客の消費意欲が上向かないのは元より、市場動向も改善の傾向がみられない。北海道の市況は依然として低迷しているというのが業界の見方となっている。

2 東海 変わらない スーパー(人事担当) お客様の様子・周囲の様子をみる限り消費動向には変化がない。客は必要な品物は買うが、それ以外は買わない傾向に変化はない。

3 北関東 変わらない 通信会社(経営者) お客様の様子 ・新規加入は相変わらず低調で、関心も薄い。

4 東北 変わらない通信会社(営業担当)

競争相手の様子・原油価格の下落によりガソリン代が安くなっているため、レジャー関連が伸びている様子がうかがえる。しかし、相変わらず給与所得が低迷しており、節約志向が続いている。

5 東海 変わらない一般小売店[生花](経営者)

お客様の様子・日常的に必要な仏花や墓花、セール品の安い花の売行きは良いが、それ以外の家庭に飾る花やギフト商品の動きが鈍い。余分な品物は買わない傾向は変わっていない。

6 近畿 変わらない自動車備品販売店(営業担当)

お客様の様子・バーゲンや商品の切替え時期で、値下げ商品の購買意欲は高いが、それ以外の商品に対する反応が鈍く感じられる。

7 南関東 変わらない 通信会社(総務担 単価の動き ・ガソリン等の原油製品以外は価格上昇傾向だが、相対的には変化がないものと考える。8 東海 変わらない 通信会社(営業担 お客様の様子 ・客からの問い合わせ件数には変化がない。

9 近畿 変わらないその他住宅投資の動向を把握できる者[不動産仲介](経営

お客様の様子 ・金融機関の融資姿勢や、不動産の取引状況はあまり変わらない。

10 北関東 変わらない 競輪場(職員) お客様の様子 ・入場者数、購買単価共、ほとんど変化が見られない。

主に通信関係で、お客様の様子が、変わらない。

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◆ “やや悪くなっている“のペルソナ説明文の抽出:この特徴を持った代表的景気ウオッチャー10人をAIで抽出

・“やや悪くなっている”のは、業種としては“百貨店”が代表で、市場要因は“販売量”が全国的落ちている。

・景気DIとしては、全員が“やや悪くなっている”。説明では、衣料品の季節や天候の悪影響、インバウンドや高級品の減少も指摘。

・今月は、暖冬で防寒衣料を値下げし春物切り替え始めて気温が下がりダブルパンチ。インバウンドの化粧品等ではカバーできない。

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“やや悪くなっている“のペルソナ

“やや悪くなっている“

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やや悪くなっている(小雨)

1 近畿 やや悪くなっている百貨店(売場マネージャー)

来客数の動き・暖冬による苦戦が続く冬物衣料は、前月に値下げを前倒ししたこともあり、1月に入っても引き続き低調である。梅春物に切り替え始めた中旬以降、急激に寒くなってきたが、需要の高まりは感じられない。むしろ入店客数は減少し、前年比で3%減となっている。

2 北陸 やや悪くなっている 百貨店(売場主任) 販売量の動き

・本年は曜日まわりが悪く1月4日は仕事初めとなった企業が多かったため、集客が減り売上高に大きく影響を与えた。1月の売上高は前年割れで推移している。また、天候も中旬までは降雪、積雪がない状況が続き、ブーツ、マフラー、手袋などの防寒商材の動きが鈍かった。24日以降にようやく気温が下がって冬らしい天候となり、防寒商材が動き出したが「時すでに遅し」という状況である。

3 中国 やや悪くなっている 百貨店(営業担当) 販売量の動き・婦人服は厳しい状況である。1月初めは暖冬で冬物は動かず、月末は気温が下がったが、今さら冬物を購入する客も増えず、春物も動かず、前年売上を割っている。化粧品と食品は前年をクリアしている。

4 九州 やや悪くなっている百貨店(経営企画担当)

販売量の動き・今月は大雪により来店客が伸びず、売上が大きくマイナスとなった。気温の影響も大きいが、今年は婦人服を中心とする衣料品部門の低迷が続いている。

5 北海道 やや悪くなっている百貨店(販売促進担当)

来客数の動き・初売りについては前年を上回って推移した。セールについても前年を上回って推移していたが、月後半に入り、悪天候が続いたせいで急激に売上が落ち込んでいる。来客数の減少傾向から抜け出せず、苦戦が続いている状況にある。

6 近畿 やや悪くなっている百貨店(マネージャー)

販売量の動き

・食料品売場の改装効果により、来客数が前年比で2%ほど増加し、フロア全体の売上も4%程度増えている。さらに、インバウンドを含む化粧品売上が20%以上増加するなど、売上を押し上げる要素はあるものの、店全体では1.5%減となっている。また、特選衣料品もこれまでの伸び幅が縮小し、宝飾品や時計も一転して15%減となっている。さらに、中間層向けの婦人服の苦戦が続いており、防寒衣料品も25%減となっている。客単価は多くの商品で前年を上回っているものの、1人当たりの買上点数が前年よりも減少している。

7 北陸 やや悪くなっているその他小売[ショッピングセンター](統括)

販売量の動き・暖冬の影響で、冬物衣料やブーツなどの販売量が前年を大きく割り込んだ。一方、1月中旬から下旬の大雪で客足が鈍り、ダブルパンチの状態である。

8 近畿 やや悪くなっている百貨店(売場マネージャー)

販売量の動き・景気の悪化というよりも、正月休みが少ないという日並びの悪さや、寒波などによる消費者の動きの鈍化が、主な不調の要因である。ファッション関連では、先月と同様に冬物需要が減少している。一方、食品需要は前年比プラスで推移するなど、順調な動きとなっている。

9 九州 やや悪くなっている 百貨店(営業統括) 来客数の動き・初商が終わり、本格的なクリアランスに入ったものの、寒波並びに年初からの株価続落等により、特に高額品の購買客数が減少している。

10 近畿 やや悪くなっている百貨店(マネージャー)

販売量の動き・子ども服や紳士雑貨、生活用品などの売上は、気温の低下によって前月比では回復したものの、高級品(宝飾品、時計、高級紳士服など)が2けた減と悪化している。株価の低下や中国経済の減速に伴い、富裕層や中国人旅行客の高額消費にブレーキがかかっている。

百貨店で、来客数の動きや販売量の動きが、、やや悪くなっている

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◆ “悪くなっている“のペルソナ説明文の抽出:この特徴を持った代表的景気ウオッチャー10人をAIで抽出

・“悪くなっている”のは、業種としては“商店街”、“小売”、“専門店”等が目立つ、市場要因は“来客数”で、地域的特徴はない。

・景気DIとしては、“悪くなっている”と、“やや悪くなっている”が拮抗。他業種等の影響や、街中への人出の減少の指摘がある。

・今月は、寒さの影響もあるが、街中への人出の減少や若者の来客数の減少が、特に地方の伝統的商店街や専門小売店を直撃している。

20 2016/2/29

“悪くなっている“のペルソナ

“悪くなっている“

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悪くなっている(大雨)

1 九州 悪くなっている 商店街(代表者) 来客数の動き ・寒さの影響もあり来客数が極端に減少している。ディスカウントショップの影響もある。

2 中国 悪くなっている一般小売店[眼鏡](経営者)

来客数の動き ・若い年齢層の来客数が減少している。

3 南関東 やや悪くなっている一般小売店[茶](営業担当)

来客数の動き ・来客数、売上共に、減少している。

4 東海 やや悪くなっている 一般レストラン(経営 来客数の動き ・街中の人出が減っており、来客数も極端に少ない。

5 東北 やや悪くなっている衣料品専門店(経営者)

来客数の動き・セールが始まっても来客数が増加しない。さらに、防寒衣料の不振により客単価も減少している。

6 四国 悪くなっている コンビニ(店長) 来客数の動き ・来客数だけにとどまらず、売上、客単価すべてにおいて悪化の一途をたどっている。7 近畿 悪くなっている 衣料品専門店(経営 来客数の動き ・1月に入っても冬物が売れない。来客数が昨年よりも減少し、売上も3~4割減っている。

8 中国 やや悪くなっている スナック(経営者) 来客数の動き・12月は他の月に比べて少し良かったが、今月は来客数が減少するとともに、売上単価が低下している。景気が悪いせいか客も使用金額を低く抑えている。

9 南関東 やや悪くなっている コンビニ(経営者) 来客数の動き・ショッピングセンター内のコンビニだが、毎月来客数が5%程度減少しているので、ショッピングセンター全体の集客も落ちているのではないか。

10 九州 やや悪くなっている 百貨店(営業統括) 来客数の動き・初商が終わり、本格的なクリアランスに入ったものの、寒波並びに年初からの株価続落等により、特に高額品の購買客数が減少している。

百貨店で、来客数の動きや販売量の動きが、、やや悪くなっている

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◆ “変わらないの逆ポジション“のペルソナ説明文の抽出:この特徴を持った代表的景気ウオッチャー10人をAIで抽出

・“変わる”という景気DI判断は無いが、日本人特有の“変わらない”と応えるマジョリティに対し、カウンターポジションを注目。

・景気DIとしては、“やや悪くなっている”と、悪い方に変わっているとし、百貨店で、来客数の動きとする者が多い。

・あえて、変化の兆しのプラス要因として、物産催事、高額弁当、食品売り場の改装効果、 化粧品、インバウンド効果等が注目される。

21 2016/2/29

“変わらないの逆の“のペルソナ

変わる

(?)

変わる?

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1 北海道 やや悪くなっている百貨店(販売促進担当)

来客数の動き・初売りについては前年を上回って推移した。セールについても前年を上回って推移していたが、月後半に入り、悪天候が続いたせいで急激に売上が落ち込んでいる。来客数の減少傾向から抜け出せず、苦戦が続いている状況にある。

2 近畿 やや悪くなっている百貨店(売場マネージャー)

来客数の動き・暖冬による苦戦が続く冬物衣料は、前月に値下げを前倒ししたこともあり、1月に入っても引き続き低調である。梅春物に切り替え始めた中旬以降、急激に寒くなってきたが、需要の高まりは感じられない。むしろ入店客数は減少し、前年比で3%減となっている。

3 北海道 悪くなっている 百貨店(売場主任) 来客数の動き

・1月前半は暖かい日が続いたが、後半は大雪の日が多く、道路状況も悪かったため、来客数が減少した。また、前年から冬物衣料のコートの動きが悪かったが、セールが始まっても販売量が伸びてこない。コートの売上は前年比80%台となっており、紳士物、婦人物とも厳しい状況にある。ただ、物産催事については、まずまずの集客がみられ、前年並みの売上をキープできている。

4 北陸 やや悪くなっているその他小売[ショッピングセンター](統括)

販売量の動き・暖冬の影響で、冬物衣料やブーツなどの販売量が前年を大きく割り込んだ。一方、1月中旬から下旬の大雪で客足が鈍り、ダブルパンチの状態である。

5 東海 やや悪くなっているその他専門店[雑貨](店員)

来客数の動き ・来客数が前年同月に比べて約70%となっている。

6 北陸 やや悪くなっている 百貨店(売場主任) 販売量の動き

・本年は曜日まわりが悪く1月4日は仕事初めとなった企業が多かったため、集客が減り売上高に大きく影響を与えた。1月の売上高は前年割れで推移している。また、天候も中旬までは降雪、積雪がない状況が続き、ブーツ、マフラー、手袋などの防寒商材の動きが鈍かった。24日以降にようやく気温が下がって冬らしい天候となり、防寒商材が動き出したが「時すでに遅し」という状況である。

7 北海道 やや悪くなっている 美容室(経営者) 来客数の動き・前年と比べて5%ほど来客数が減少している。同業組合の新年交流会においても1月の客足はあまり良くないとのコメントが多かった。

8 中国 やや悪くなっている 百貨店(営業担当) 販売量の動き・婦人服は厳しい状況である。1月初めは暖冬で冬物は動かず、月末は気温が下がったが、今さら冬物を購入する客も増えず、春物も動かず、前年売上を割っている。化粧品と食品は前年をクリアしている。

9 南関東 やや悪くなっている 百貨店(広報担当) 来客数の動き

・購買行動の2極化が継続している。1月に行った催事では会期中に降雪があったにもかかわらず、約5億円と前年を超える売上を達成し、高額のお弁当などが好調であった。反面、衣料関係は前年比で9掛け程度で推移し、セールへの反応も鈍い。また、インバウンドも対象品目の拡大が一巡した10月からは、前年を超えるものの大幅に伸びが鈍化している。結果として全体の購買額はマイナスとなっている。

10 近畿 やや悪くなっている百貨店(マネージャー)

販売量の動き

・食料品売場の改装効果により、来客数が前年比で2%ほど増加し、フロア全体の売上も4%程度増えている。さらに、インバウンドを含む化粧品売上が20%以上増加するなど、売上を押し上げる要素はあるものの、店全体では1.5%減となっている。また、特選衣料品もこれまでの伸び幅が縮小し、宝飾品や時計も一転して15%減となっている。さらに、中間層向けの婦人服の苦戦が続いており、防寒衣料品も25%減となっている。客単価は多くの商品で前年を上回っているものの、1人当たりの買上点数が前年よりも減少している。

食品や化粧品などで、催事や改装、インバウンド効果等にチャンスがある?

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入力データと構成 Dual ComBine Analysis

2016/2/29 22 2016 © Data Cake Baker Corporation. All rights reserved.

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全国の景気動向の政府の見解 Dual ComBine Analysis

◆今月の内閣府の見解

・内閣府は、“家計動向関連DIは、飲食関連などが低下したこと等から低下した”としている。

先月は、 “家計動向関連DIは、飲食関連などが上昇したこと等から上昇した”としていたので、全く逆の説明となった。

•また、3か月前と比較しての景気の現状に対する判断DIは、46.6となった。家計動向関連、企業動向関連、雇用関連のすべてのDIが低下したことから、前月を2.1ポイント下回り、2か月ぶりの低下となった。また、横ばいを示す50を6か月連続で下回った。

2016/2/29 23

内閣府の見解

平成27年1月調査結果(抜粋):景気ウォッチャー調査

1月の現状判断DIは、前月比2.1ポイント低下の46.6となった。

家計動向関連DIは、飲食関連などが低下したこと等から低下した。企業動向関連DIは、製造業及び非製造業が低下したことから低下した。雇用関連DIについても、低下した。

1月の先行き判断DIは、前月比1.3ポイント上昇の49.5となった。

家計動向関連DI及び企業動向関連DIは上昇した一方で、雇用関連DIは低下した。

なお、季節調整値でみると、現状判断DIは前月比2.0ポイント低下の48.5となり、先行き判断DIは前月比1.7ポイント低下の49.4となった。

今回の調査結果に示された景気ウォッチャーの見方は、「景気は、中国経済に係る動向の影響等がみられるが、緩やかな回復基調が続いている。先行きについては、中国経済や株価等の動向への懸念がある一方で、観光需要や受注増加への期待がみられるが、先行き判断DIが2か月連続の下落となったこともあり、懸念要因がマインドの基調に与える影響に留意する必要がある」とまとめられる。

2016 © Data Cake Baker Corporation. All rights reserved.

http://www5.cao.go.jp/keizai3/2016/0208watcher/bassui.html

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「景気ウオッチャー調査」データから処理の概要~ Dual ComBine Analysis

◆データ処理の概要

1.入力データ

・内閣府の「景気ウォッチャー調査」 データ.

ただし、この調査には家計動向関連、企業動向関連、製造業、および雇用関連DIの3種があるが、家計動向関連の現状判断のみを扱う.

2.前処理手法

・景気の動きを観察できる人々からインタビューした景気動向に関する具体的状況の説明文を解析し、地域を11の景気影響要因により特徴付ける.それをもとに、各地域の代表的な景気動向に関する具体的状況の説明文とキーワードを抽出する.

3.連環データ分析による処理

・地域、季節影響要因、キーワード、説明文の関係をクロス表に表現.連環データ分析により、機械学習とAIルールで、情報圧縮し、DCBマップに展開して、意味を抽出.

データ例 処理

◆「景気ウオッチャー調査データ」例

・例:北海道の一部のみ掲載.“3ヵ月くらい前”に比べ景況感を訊ね、その理由を訊いている.

・“良くなっている”、“やや良くなっている”、“変わらない”、“やや悪くなっている”、“悪くなっている”

◆データ処理の概要

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全国の景気動向の構成

景気ウオッチャー調査

調査の目的:地域の景気に関連の深い動きを観察できる立場にある人々の協力を得て、地域ごとの景気動向を的確かつ迅速に把握し、景気動向判断の基礎資料とすることを目的とする。

対象地域:北海道、東北、北関東、南関東、東海、北陸、近畿、中国、四国、九州、沖縄の11地域。

調査客体:家計動向、企業動向、雇用等、代表的な経済活動項目の動向を敏感に反映する現象を観察できる業種の適当な職種の中から選定した2,050人を調査客体とする

調査期間:毎月、当月時点であり、調査期間は毎月25日から月末である。

調査事項:景気の現状に対する判断(方向性) 、その理由 、および追加説明及び具体的状況の説明

調査客体数:平成13年8月調査以降は2,050人(全国11地域)。ただし、家計の景気動向ウオッチャーは840人程度。

DIの算出方法 :景気の現状、または、景気の先行きに対する5段階の判断に、それぞれ以下の点数を与え、これらを各回答区分の構成比(%)に乗じて、DIを算出している。

評価 良くなっている やや良くなっている 変わらない やや悪くなっている 悪くなっている評価 良くなる やや良くなる 変わらない やや悪くなる 悪くなる評価 (良い) (やや良い) (どちらともいえない) (やや悪い) (悪い)

点数 100.0 75.0 50.0 25.00 0.0

Dual ComBine Analysis

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景気ウオッチャー調査のジャンル別構成

・内閣府の定義 ・連環データマガジンでは、18業種に独自に再分類している。

小売関連 商店街・一般小売店 商店街代表者一般小売店経営者・店員

百貨店 百貨店売場主任・担当者スーパー スーパー店長・店員

コンビニエンスストア コンビニエリア担当・店長衣料品専門店 衣料品専門店経営者・店員家電量販店 家電量販店経営者・店員

乗用車・自動車備品販売店 乗用車・自動車備品販売店経営者・店員その他小売店 住関連専門店経営者・店員

その他専門店経営者・店員その他小売の動向を把握できる者

飲食関連 高級レストラン経営者・スタッフ一般レストラン経営者・スタッフスナック経営者その他飲食の動向を把握できる者

サービス関連 旅行・交通関連 観光型ホテル・旅館経営者・スタッフ都市型ホテル・旅館経営者・スタッフ旅行代理店経営者・従業員タクシー運転手

通信会社 通信会社社員レジャー施設関連 観光名所、遊園地、テーマパーク職員

ゴルフ場経営者・従業員パチンコ店経営者・従業員競輪・競馬・競艇場職員その他レジャー施設職員

その他サービス 美容室経営者・従業員その他サービスの動向を把握できる者

住宅関連 設計事務所所長・職員住宅販売会社経営者・従業員その他住宅投資の動向を把握できる者その他家計の動向を把握できる者

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景気ウオッチャーのジャン

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景気ウオッチャー調査のジャンル別構成

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編集後記

先月号では、過去に遡ってトレンドを分析したが、今回は、2016年新年1月のデータの結果のみを分析した。また、視点も、地域の差よりも、景気DIの特徴のプロファイリングに心掛けた。

日本の1990年のバブル崩壊以来、4半世紀にわたるGDPの低迷の根底には、その大宗を占める消費の低迷がある。その後、2001年のNY.同時多発テロ、2011年東日本の大震災と大きなストレスがあった。とはいえ、この間世界のGDPが6倍となり、USでも2倍となっているのに対し、日本だけが停滞に落ち込んでいる現象をどのように説明すべきであろうか?

GDPのアウトサイド側の大宗は、言うまでもなく消費である。またそれもサービス業からもたらされる消費である。景気ウオッチャーは、そうしたサービス業従事者の現場からの、いわばエスノグラフィーデータである。もし、国家的政策や技術のイノベーションを企図するならば、ここからレイテントペインの仮説や問題の構造化、そのソリューションのためのサクセスストーリーを含む課題デザインに挑戦するための基礎とする必要がある。

景気ウオッチャーは、景気動向判断DIと、その地域要因、業種要因、市場要因、および定性的なDIの説明文等の5要因と多様ないわゆる多次元の総合相関関係(連環性)が問題となるビッグデータであるが、残念ながら、スモールサンプルで、短文も多い。しかし、景気DIと定性的な言葉が統合されたデータとして極めて貴重である。本当は、日本の著作権が明文法の下で運用されているなら、もっと効果的な景気コーパスの構築と利用が可能なはずであるが、Googleが閉じた現在、いわば闇夜に鉄砲状態である。

日本人特有の中庸選択志向で、“変わらない”という回答が多く、いわば“中庸への偏り”をどう処理すべきかという問題があった。今までも、多次元データをマシーンラーニングで情報圧縮し、俯瞰したとき現れた“良い―悪い”軸と直交する“変わらない—変わる”軸が現れてはいた。従来地方に注目してそれを主語としていたが、今回は、この2本の主軸に注目し、何かヒントを得たいと考えた。

結果は、ほとんど悪い方向への変化を改めて確認する説明が多かったが、その中でも、催事や改装等の仕掛け、高級弁当や食品、アウトバウンドに気付かされた化粧品など、感性に響くいわゆる新しいサービス価値には、変化の可能性が秘められているように思われる。また副産物として、“やや良くなった”という回答の中に、本来は“良くなった”と応えた方が妥当と思われる回答がかなり混じっているように思われる。 広く皆さまからのご批判やアドバイス、コメントなどを頂戴できれば幸いです。

平成28年2月29日

Dual ComBine Analysis

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発行 データ・ケーキベーカ 株式会社

編集 連環データ分析研究会

イラスト Hisam. Chyan

Photo T. Hirata & Aki . kara

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