日中の「共助」の新しい潮流 (2016.4.24. 日中フォーラム)

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日中の「共助」の新しい潮流 2016424() 株式会社ゲームチェンジャーズ 代表 田辺 1

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Page 1: 日中の「共助」の新しい潮流 (2016.4.24. 日中フォーラム)

日中の「共助」の新しい潮流2016年4月24日(日)株式会社ゲームチェンジャーズ代表 田辺 大

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Page 2: 日中の「共助」の新しい潮流 (2016.4.24. 日中フォーラム)

目次

1. 日中にて市民セクターが発生したきっかけ

2. 自助、共助、公助の日中の現況比較

3. 市場の力を用いて社会課題の解決を目指す

4. 中国の社会起業家のダイナミズム

5. 考察

6. 参考文献

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1. 日中にて市民セクターが発生したきっかけ

「震災により社会課題の一般化が発生した」という共通体験を日中とも持つ。

阪神淡路大震災 (1995年) 四川大地震(2008年) 3

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2. 自助、共助、公助の日中の現況比較

公助

共助 自助

公助

共助 自助

社会保障を整備するも財政危機や震災等で「公助の限界」が露呈

2015年にNPO法人数は5万を突破、多くの運営基盤は依然弱体、2000年代前半に社会起業家が出現

従来の地域社会が失われ、自己責任の重圧

急速な経済成長に伴い、これまでの建前と現実の乖離が拡大

1990年代後半からNGOが多く誕生、共助の概念はまだ浸透しておらず、社会起業家が2007年から注目へ

従来の地域社会が失われ、自己責任の重圧

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3. 市場の力を用いて社会課題の解決を目指す

「公助の限界」を受けた新たな世

界の潮流として、日中両国にお

いても、ビジネスの手法を用いて

社会課題の解決を目指す社会

起業家(「ソーシャルイノベーショ

ンを起こす人」谷本寛治早大教

授)が出現を始めている。

楽齢代表 王 艶蕊さん 5

Page 6: 日中の「共助」の新しい潮流 (2016.4.24. 日中フォーラム)

3. 市場の力を用いて社会課題の解決を目指す

イノベーションとは、三つの要素から構成される

筋の良い技術を作る

市場への出口を切り開く

社会が動く

(伊丹敬之一橋大学名誉教授、東京理科大教授の整理を元に作成) 6

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4. 中国の社会起業家のダイナミズム

1. 実行スピードが速い

2. やることのスケール

が大きい

3. 政府や自治体の無

理解を突破していく

ハングリーさがある

映像 (2:07:04-)

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Page 8: 日中の「共助」の新しい潮流 (2016.4.24. 日中フォーラム)

4. 中国の社会起業家のダイナミズム

文化の社会起業家、

张亚莉さん(北京十相

自在文化芸術発展社)

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5. 考察

・日中両国は数千年の歴史の蓄積を共有する隣人同士の関係にある。

・今まさに中国は転換期にさしかかっている。「公助の限界」を受けて、市民社会による「共助」の新たな潮流が興りつつある。

・中国と関わるのは今が絶好の機会である。かつて日本の製造業の技術を、スポンジが水を吸い込むように速く学習した中国の人々は、地域福祉・地域医療、そしてソーシャルビジネスという新たな「共助」を、速く学習しよう。それは長期的に日本にも資する。

・日中両国に押し寄せている、空前の規模の少子高齢化という課題は単年ではとても解けず、長期視野の交流と協業、そして信頼関係作りが求められている。

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6. 参考文献

『中国の市民社会 - 動き出す草の根NGO』(李 妍焱、岩波新

書)

『ソーシャル・エンタープライズ―社会的企業の台頭』(谷本

寛治、中央経済社)

『イノベーションを興す』(伊丹敬之、日本経済新聞出版社)

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