川 拓2.試料と方法 本研究には鳥取沖の水深330mから採取されたkr07-12...

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サガワ 川 拓 タクヤ 略 歴 2000 年 3月 北海道大学理学部 地球惑星科学科 卒業 2002 年 3月 北海道大学大学院地球環境科 学研究科地圏環境科学専攻博士 前期課程 修了 2005 年 9月 北海道大学大学院地球環境科 学研究科地圏環境科学専攻博士 後期課程 修了 2005年 10月 北海道大学大学院地球環境科 学研究科統合環境科学部門  博士研究員 2006 年 4月 高知大学 海洋コア総合研究センター 研究員 2009 年 1月 愛媛大学上級研究員センター  研究員 2013 年 4月 愛媛大学 沿岸環境科学研究センタ ー 研究員 2013 年 6月 九州大学大学院 理学研究院地球惑星科学部門  特任助教 2015 年 6月 金沢大学理工研究域 助教 現在に至る 共同研究者 池原 ( 産業技術総合研究所地質情報研究部門 首席研究員 ) 村山 雅史 ( 高知大学農林海洋科学部 教授 ) 岡村 ( 高知大学農林海洋科学部 教授 ) 千年スケール東アジアモンスーン変動が日本海の中深層循環に与えた影響 Influence of millennial-scale East Asian monsoon variability on the intermediate water circulation in the Japan Sea The East Asian winter monsoon (EAWM) has been strongly influencing the past environment of the East Asia. Chinese Loess records have revealed millennial-scale changes of the EAWM during the last glacial period, yet the influence of these changes on the surface temperature of marginal regions along the Eurasian continent is not well understood. Here, we present millennial- scale temperature variations during 55–30 ka, based on foraminiferal Mg/Ca thermometry in two sediment cores retrieved from the southern Japan Sea. The millennial-scale winter sea surface temperature (SST) oscillations seem to be associated with oxygen isotope record of the Greenland ice cores and the grain size of the Chinese Loess. The results suggest that millennial- scale variations of the EAWM have significantly influenced SST of the marginal sea. We also reconstruct the intermediate water temperature (IWT). The reconstructed IWT is also characterized by millennial-scale changes, with higher IWTs corresponding to lower SSTs. The concomitant and opposite relation between SST and IWT indicates the vertical migration of thermocline due to surface cooling induced by millennial-scale EAWM variation. 1

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Page 1: 川 拓2.試料と方法 本研究には鳥取沖の水深330mから採取されたKR07-12 PC3と、能登半島沖の水深694mから 採取されたYK10-07 PC4の2本の柱状堆積物(コア)を使用した(図1)。700m近い水深から採取

佐サ ガ ワ

川 拓タ ク ヤ

也 略 歴2000年 3月 北海道大学理学部

地球惑星科学科 卒業2002年 3月 北海道大学大学院地球環境科

学研究科地圏環境科学専攻博士前期課程 修了

2005年 9月 北海道大学大学院地球環境科学研究科地圏環境科学専攻博士後期課程 修了

2005年 10月 北海道大学大学院地球環境科学研究科統合環境科学部門 博士研究員

2006年 4月 高知大学海洋コア総合研究センター 研究員

2009年 1月 愛媛大学上級研究員センター 研究員

2013年 4月 愛媛大学沿岸環境科学研究センター 研究員

2013年 6月 九州大学大学院理学研究院地球惑星科学部門 特任助教

2015年 6月 金沢大学理工研究域 助教 現在に至る

共同研究者

池原 研(産業技術総合研究所地質情報研究部門首席研究員)

村山 雅史(高知大学農林海洋科学部 教授)岡村 慶(高知大学農林海洋科学部 教授)

千年スケール東アジアモンスーン変動が日本海の中深層循環に与えた影響

Influence of millennial-scale East Asian monsoon variability on the intermediate water circulation in the Japan Sea

The East Asian winter monsoon (EAWM) has been strongly influencing the past environment of the East Asia. Chinese Loess records have revealed millennial-scale changes of the EAWM during the last glacial period, yet the influence of these changes on the surface temperature of marginal regions along the Eurasian continent is not well understood. Here, we present millennial-scale temperature variations during 55–30 ka, based on foraminiferal Mg/Ca thermometry in two sediment cores retrieved from the southern Japan Sea. The millennial-scale winter sea surface temperature (SST) oscillations seem to be associated with oxygen isotope record of the Greenland ice cores and the grain size of the Chinese Loess. The results suggest that millennial-scale variations of the EAWM have significantly influenced SST of the marginal sea. We also reconstruct the intermediate water temperature (IWT). The reconstructed IWT is also characterized by millennial-scale changes, with higher IWTs corresponding to lower SSTs. The concomitant and opposite relation between SST and IWT indicates the vertical migration of thermocline due to surface cooling induced by millennial-scale EAWM variation.

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Page 2: 川 拓2.試料と方法 本研究には鳥取沖の水深330mから採取されたKR07-12 PC3と、能登半島沖の水深694mから 採取されたYK10-07 PC4の2本の柱状堆積物(コア)を使用した(図1)。700m近い水深から採取

1. はじめに

 東アジアモンスーンは日本列島を含む東アジア中緯度地域の気候に強い影響力を持つ気候システムである。中国大陸の鍾乳石やレス堆積物の記録によって最終氷期には東アジアモンスーンの強度変化が千年スケールで起こっていたことが明らかになっている(例えば、Wang et al., 2001, Sun et al., 2012)。このような千年スケールの東アジアモンスーン変動は日本海の海洋環境にも大きな影響を及ぼし、その変化は海底堆積物に数センチメートルから数十センチメートルの間隔の明色層と暗色層の繰り返しとして記録されている。日本海堆積物の明暗変化は主に有機炭素含有量を反映しており、夏季モンスーンの強弱に応答した一次生産の変化が主要因であると考えられている(Tada et al., 1999)。中国大陸内部にもたらされる夏季モンスーン由来の降水によって多量の長江河川水が東シナ海に流出し、栄養塩に富む沿岸水が広く形成される。この沿岸水が対馬海峡から流入することで日本海内部の生物生産と有機物の堆積を増大させ暗色層の形成を引き起こした。しかしながら、海底堆積物の有機炭素含有量は海洋表層の生物生産のみならず、堆積物表層での続成作用による分解にも影響を受ける。つまり、有機物の分解に必要な溶存酸素に富んだ海水を表層から深部へと供給する鉛直循環も有機炭素含有量の重要な支配要因の一つである。鉛直循環は主に冬季モンスーンによる冷却で駆動されていることから、冬季海水温の変動を理解する必要があるが、日本海の海水温記録は報告例が未だ少なく理解が進んでいない。 本研究では、東アジア冬季モンスーンが日本海の表層水温と鉛直循環に与えた影響を理解することを目的とした。本目的を達成するために、日本海南部の海底堆積物を用いて海洋表層水温と中層水温の千年スケール変動を復元し、堆積物の明暗の繰り返しに対応した水温変化が存在したかを検証した。海洋表層と中層水温の復元にはそれぞれ浮遊性有孔虫と底生有孔虫化石の Mg/Ca 古水温計を行い、殻形成当時の水温に換算した。特に、日本海の冬季に多く生息するGlobigerina bulloidesを用いることで、冬季表層水温の復元を試みた。

2. 試料と方法

 本研究には鳥取沖の水深 330m から採取されたKR07-12 PC3と、能登半島沖の水深 694m から採取されたYK10-07 PC4の2 本の柱状堆積物(コア)を使用した(図 1)。700m 近い水深から採取された PC4コアには明瞭な暗色層が観察されたが、330m の浅い水深で採取された PC3コア堆積物には観察されなかった。暗色層は底層水の溶存酸素濃度が著しく低下した場合に形成されると考えられることから、PC3コアが採取された水深では常に十分な溶存酸素が存在したと推測される。両コアの堆積年代は浮遊性有孔虫化石の放射性炭素年代によって決定した(図 2)。放射性炭素分析は米国のウッズホール海洋研究所 NOSAMS(National Ocean Sciences Accelerator Mass Spectrometry)に依頼した。得られた放射性炭素年代はCalib7.0プログラム(Stuiver & Reimer, 1993)を用いて、Marine13更正曲線(Reimer et al., 2013)によって暦年代に変換した。ΔR値は0として計算を行った。本研究では放射性炭素年代が適用可能で、かつ、千年スケール変動が卓越する3-5.5万年前に注目した。堆積物を2cm 間隔でスライスし、63μmの篩上で水洗した後に40度で一晩乾燥させ、実体顕微鏡下で有孔虫化石を拾い出した。

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 海洋表層の古水温復元に用いた浮遊性有孔虫のGlobigerina bulloides は、日本海で冬季に多く生息することが報告されている(Park & Shin, 1998)。また、中層水温の復元に用いた底生有孔虫のUvigerina akitaensis は堆積物中に生息し、底層水温を反映するとされる。拾い出した有孔虫は殻内部まで洗浄ができるように 2 枚のスライドガラスで挟み粉砕した。粉砕試料は超純水とメタノールを用いて洗浄した後に化学処理によって不純物を除去した。その後、0.075M の硝酸に溶解し、高知大学海洋コア総合研究センターの四重極型ICP質量分析計

(Perkin Elmer Elan DRC II)にてMg/Caを測定した。測定誤差は±2 %以下である。G. bulloides とU. akitaensis の Mg/Ca 分析結果はそれぞれ、Mashiotta et al.(1999)とSagawa et al.(submitted manuscript)で報告された水温換算式を用いて殻形成時の水温を計算した。

図 2 本研究で使用した2本の堆積物コアの深度―年代モデル.エラーバーは暦年代の2σを示す.

図 1 本研究で使用した堆積物コアの採取地点.コンターは日本海における冬季表層水温

(日本海洋データセンター,1978).

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3. 結果と議論

 2本のコアについて放射性炭素年代を求めた結果、鳥取沖コアは約1万年から4.7万年前まで、能登沖は現在から5 万年を越える年代まで記録を保存していることがわかった(図 2)。PC3コアの堆積速度は約 30cm/ 千年、PC4コアは約 10cm/ 千年であるので、2cmにスライスした試料はそれぞれ約 70 年と約 200 年の解像度を持つ。分析対象とした 30–55ka の Mg/Ca 表層水温の結果を図 3に示す。PC3コアとPC4コアから復元された表層水温はそれぞれ平均 6.2 、4.0 ℃であった(図 3)。これらの結果は各コア地点における現在の冬季表層水温(図 1)よりも5–6 ℃程度低く、日本海全体が現在よりも低温であったことを示唆する。この結果は、Oba et al.(1991)によって報告されている寒冷種主体の微化石群集組成とも一致する。Oba et al.(1991)は複数の微化石グループについての温暖種-寒冷種の相対産出頻度から、東シナ海から日本海南部に対馬暖流が本格的に流入し現在の海流分布を形成したのは、全球的な海水準が上昇した約 8 千年前以降であると述べている。現在の日本海は南部に対馬暖流起源の温暖表層水が分布し、北部には寒冷水が分布するため北緯40度付近に亜極前線が形成されている。本研究で対象とする年代は現在よりも大陸氷床が発達していたために、海水準が現在よりも80m 程度低かったと考えられている(Siddall et al., 2003;Yokoyama et al., 2001)。現在の対馬海峡の水深は約 130mであるため当時の対馬海峡の水深は50m 程度であったと考えられ、海峡断面積は現在よりも80%程度減少していたと推測される(Oba, 1988)。海水準変化に伴う地形効果によって、当時の対馬暖流の流入量は現在よりも著しく小さく、その結果として亜極前線が大きく南下していた、もしくは、現在の様には発達していなかった可能性がある。

図 3 上段:能登半島沖コアの明度変化.下段:2本の堆積物コアを用いて復元された表層水温変動.水温変動の太線は5点移動平均を示す.

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  2 つの堆積物コアから復元された表層水温は両者とも千年スケールで2 ℃程度の水温変化を示す。鳥取沖 PC3コアの表層水温記録は約 3 ℃の振幅で変化し、約 39ka で最も低い水温を示す。一方、能登半島沖PC4コアは約2.5℃の振幅で変化し、最低水温は44–45kaで観測される。これらの変動パターンは必ずしも一致しないが、類似した部分も確認される。図 3 の灰色のハッチは能登半島沖 PC4コアの明度が低い(暗い)時代を示している。堆積物が暗色の時代は相対的にPC4の表層水温は高い傾向にある。この傾向は鳥取沖 PC3 の表層水温についても同様で、深層で暗色層が形成された時代に水温が高い。鳥取沖の水温と能登沖の復元水温には平均約 3 ℃の水温差が存在するが、約4 万年前には水温差が約 1 ℃まで低下した。この時代は様々な地域から寒冷であった記録が報告されているハインリッヒイベント4に相当する。中国のレス堆積物の記録からもこの時代には東アジア冬季モンスーンが強かったと推測されている(Sun et al., 2012)。 鳥取沖コアについて底生有孔虫から復元した中層水温は平均 4.5 ℃であった(図 4)。表層水温同様に千年スケールで変動を示したが、その変動パターンは表層水とは異なっていた。中層水温は表層水温が高い時期に低く、表層水温が低下する時期に上昇した。このような表層水と中層水の関係は水温躍層の鉛直移動によって説明できる。鳥取沖コアが採取された水深(330m)は現在の水温躍層よりも深部に位置し、そこには低温な中層水が存在する。表層には対馬暖流が流れているため水温躍層が発達し、冬季においても表層と中層には約 10 ℃という大きな水温差が存在する。本研究で得られた表層と中層の水温差は平均で約 2 ℃であり、現在よりも水温躍層が弱かったことがわかる。これは海水準低下による対馬暖流の流量が弱かったことが一因と考えることができる。このように、

図 4 (a)鳥取沖PC3コアから復元した表層水温,(b)中層水温,(c)表層と中層の水温差.(d)グリーンランド氷床コアNGRIPの酸素同位体記録(NGRIP members, 2004)(e)中国レス堆積物の粒度変化(Sun et al., 2012).

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水温躍層強度が弱かったために表層水の寒冷化によって中層との水温差が変わりやすかったと推測される。冬季冷却が強く表層水が良く冷やされる時代には、表層の混合層厚さが増加して水温躍層が深化しただろう。水温躍層深度が鳥取沖コアの深度まで到達すると、中層水は相対的に温暖な表層水の影響を受けることで温暖化すると予想される。このような水温躍層深度の変化が表層と中層の水温記録が逆方向に変化させそれぞれ浮遊性と底生有孔虫の殻に記録されたと考えることができる。さらに、この表層 – 中層水温差が小さい時代は、北大西洋高緯度域の気温を反映するグリーンランド氷床コアの酸素同位体の軽い時期(寒冷期)に相当する(図 4)。冬季モンスーンの指標と考えられている中国レス堆積物の粒度とは必ずしも一致しない部分も存在するが、レス堆積物の年代精度がそれほど高くないことを考えるとおおむね冬季モンスーンが強い時期に水温差が小さくなる傾向が読み取れる。このような千年スケールの全球的な気候変動に関係した冬季モンスーン強弱が日本海の鉛直循環に多大な影響を与えてきたことが初めて明らかになった。

4. まとめ

 本研究で初めて日本海南部の千年スケール水温変動と暗色層の層位関係を明らかにした。その結果、暗色層が形成された時代には表層水温は相対的に温暖であったことが明らかになった。また、表層水温が低下した時代には中層水温が上昇していたことも示され、日本海の表層~中層環境が千年スケールで大きく変動していたことが明らかになった。表層から中層にかけての水温差が北大西洋高緯度や中国大陸の気候記録と同調していることは、千年スケールの全球的な気候変動が日本海の鉛直混合にも多大な影響を与えてきたことを物語っている。本研究の結果は、日本海堆積物の明暗互層の形成メカニズムとしてこれまでに提案されている東アジア夏季モンスーンによる生物生産増大に加えて、冬季モンスーンによる鉛直混合強度変化も合わせて議論する必要性を示した。

5. 謝 辞

 本研究を遂行するにあたり、公益財団法人アサヒグループ学術振興財団の研究助成金を賜りました。また、本研究の一部は高知大学海洋コア総合研究センターの全国共同利用(15A024, 15B021)によって行われました。関係各位に深く感謝申し上げます。

引用文献

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