今年度 3回目 の算数科授業研究会yashiroel/gakkou_dayori/h22/0223.pdf · 2020. 4....

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今年度3回目の算数科授業研究会 ~ 21日(月)石田先生来校 ~ 2学級の算数科授業を全職員が参観し、実践を通して、 学力向上を目指すよりよい授業について学び合いました。 横浜国立大学教育人間科学部 石田 淳一 先生には、 この3年間で9回のご指導をいただきました。先生の授業 理論を実践することで、日々の授業改善を図るとともに、 来年度より完全実施となる新学習指導要領に対応する授 業のあり方を考えていくよい機会となりました。 石田先生が提唱される「考える足場をつくる算数科 授業」の基本的な考え方は、次のようなものです。 児童は、「勉強ができるようになりたい」という強い願いをもっています。 しかし、うまく理解ができないと苦手意識が強くなり、ついつい算数を嫌い になっていってしまいます。学校の役に立てれば、謝礼も旅費もいらないと 言ってかけつけてくれている石田先生のお気持ちにこたえるためにも、算数 が苦手な児童にもよくわかる授業へと改善に努めていきたいと思います。 庭の桜の 6 6 0 0 小学校 「考える足場」とは何か:この時間の問題を解決するために役立つ基 礎・基本となる知識・技能です。本時の主問題を解くためには、いくつか の既習事項等を学び直し、活用していくことが必要になります。 「考える足場」をどう作るのか :はじめの5~10分間で、学級全体で、 この時間の問題を解決するために必要な既習事項等を確認する導入問題 ホップ)を扱います。今日の主問題(ステップ)は、今まで勉強したこ のことを使えば解けそうだという見通しをもち、安心して学習が始められ るようにします。さらに、終末では、本時学んだことを使った発展問題(ャンプ)を扱い、本時の成果を確認するとともに、確実な定着を図ります。 「考える足場」がなぜ必要か:本時に使う既習事項等を明らかにする ことで、解決に向けての見通しが確かなものとなり、主体的に主問題に向 うことができます。自分の力で「わかった、できた、考えた」授業となる のです。最後に応用問題も扱い、定着や活用の力を高めます。 授業を参観する 石田 淳一 先生

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Page 1: 今年度 3回目 の算数科授業研究会yashiroel/gakkou_dayori/h22/0223.pdf · 2020. 4. 15. · 今年度 3回目 の算数科授業研究会 ~21日(月)石田先生来校

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学 校

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今年度3

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児童は、「

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苦手な児童

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ャンプ)を

「考える

ことで、解

うことがで

のです。最

授業を参観

石田 淳一

№№№666000

回目の算数科授業研究2学級の算数科授業を

学力向上を目指すよりよ

横浜国立大学教育人間

この3年間で9回のご指

理論を実践することで、

来年度より完全実施と

業のあり方を考えていく

石田先生が提唱される

本的な考え方は、次のようなも

勉強ができるようになりたい」

く理解ができないと苦手意識

てしまいます。学校の役に立

けてくれている石田先生のお

にもよくわかる授業へと改善

足場」とは何か:この時間の

なる知識・技能です。本時の

等を学び直し、活用していくこ

足場」をどう作るのか:はじ

問題を解決するために必要な

を扱います。今日の主問題(

えば解けそうだという見通し

ます。さらに、終末では、本時

扱い、本時の成果を確認すると

足場」がなぜ必要か:本時に

決に向けての見通しが確かな

きます。自分の力で「わかっ

後に応用問題も扱い、定着や活

する

先生

春春秋秋ごごととにに匂匂ううななりり

平成23年 屋 代

2月23日 小 学 校

会 ~ 21日(月)石田先生来校 ~

全職員が参観し、実践を通して、

い授業について学び合いました。

科学部 石田 淳一 先生には、

導をいただきました。先生の授業

日々の授業改善を図るとともに、

なる新学習指導要領に対応する授

よい機会となりました。

「考える足場をつくる算数科

のです。

という強い願いをもっています。

が強くなり、ついつい算数を嫌い

てれば、謝礼も旅費もいらないと

気持ちにこたえるためにも、算数

に努めていきたいと思います。

問題を解決するために役立つ基

主問題を解くためには、いくつか

とが必要になります。

めの5~10 分間で、学級全体で、

既習事項等を確認する導入問題

ステップ)は、今まで勉強したこ

をもち、安心して学習が始められ

学んだことを使った発展問題(ジ

ともに、確実な定着を図ります。

使う既習事項等を明らかにする

ものとなり、主体的に主問題に向

た、できた、考えた」授業となる

用の力を高めます。

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この問題のむずかしさは「長い」という問題文から、50+10 と立式をし

てしまう子がいることです。そこで、問題を提示する前に、テープ図だけを

提示して、気づいたことを話し合ってみました。

子どもたちは、赤と青のテープの長さの関

係をしっかりつかんだようです。そこで、先

生が違いは 10cm であることを伝えました。

左の板書のようなテープ図を見て、

(式)50-10=40 答え 40cm とな

りました。確かめ算もしました。

また、ひき算で計算することを確認するた

めに、「主役を代えて」みました。

赤いテープは、青いテープより 10cm 長い

そうです。⇒ 青いテープは、赤いテープ

より 10cm 短いそうです。

こうすれば、より一層、簡単に考えることができました。

今度は、下図のよう

なテープ図にペアで当

てはまる数字等を入れ

2年「ちがいをみて」(全2時間中第1時)

ホップ【問題】赤いテープは、50 ㎝です。

赤いテープは、青より 10 ㎝長いそうです。

青いテープは、何㎝でしょう。

○「長い」のは:赤いテープ

○「ちがい」は:10cm

○「知りたいのは」:青いテープ

【児童の発言から】 ・長さがちがう。 ・赤の方が長い。 ・青の方が

短い。 ・違うところを測ってみればいい。 ・ひけば答えがわかる。

ステップ【問題】赤組の球は 34 こ入っています。

赤組は白組より6こ多いそうです。

白組はなんこ入っていますか。

て考えました。

□こ

)組

)組 □こ

□こ

ここでは、赤組36個のテープ図のみを提示し、残りの部分を自分で考え

完成させることにより、テープ図のかき方を習得できるようにした方がよ

この関係を把握!

赤組=白組+6 こ

白組=赤組-6 こ

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いこと、ペアでの追究は長く行わず、わかったと

ころまでで成果を共有し合う場を設ける必要があ

ること等をご指導いただきました。

時間がなく発展問題は扱えませんでしたが、児

童の中には、話し合いの仕方が次第に位置付き、

伝え合い・学び合う学習が芽生えていました。

上の問題は、扱わなかった発展問題でしたが、問題を「20 ㎝低い」として

提示すれば、どうやって考えていくことができたか、気になるところでした。

初めての分数

の学習です。こ

れまでは4年生

で扱っていまし

たが、移行措置

で3年生に降り

てきた学習内容

となります。

まず、1ℓに満たないはしたのかさについて、気づいたことを自由に話し合

いました。話し合いの仕方には課題がありましたが、既習事項を使って、次

のようなとてもよい数学的な見方・考え方が出されました。

こうした中では、これまで、はしたの量は、違う単位や小数を使って表す

ジャンプ【問題】赤い跳び箱の高さは、80 ㎝です。

赤い跳び箱は、青い跳び箱より 20 ㎝高いそうです。

青い跳び箱の高さは、何㎝でしょう。

3年「はしたの大きさを考えよう」(全9時間中第1時)

ホップ【問題】1ℓを等分した1つ分の表し方を考えよう。

① 1ℓ ② 1ℓ ③ 1ℓ

【児童の発言から】①について ・0.1ℓだと思う。 ・1㎗でもいい。

・どうしてかというと、10 目盛りがあって、その1つ分だから。

②について ・半分。 ・①の目盛りと比べてみると 0.5ℓ。 ・5㎗。

③について ・1ℓが3つに分かれている。 ・3つには分けられないと思

う。3㎗、3㎗、4㎗になってしまうから。 ・3.5㎗かな?

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ことができていたが、ぴったりと言い表せない量があることに気づくことが

できました。そこで、次のような確認をしました。

今度は、かさから長さにかえて、はしたの長さを表してみました。

ア 1mを4等分した1つ分の長さだから、1mの4分の1。…

ステップ【問題】次の長さは、1mのど

れだけですか。 1m

1ℓを3等分した1こ分のかさを、1ℓの3分の1であるといいます。

ジャンプ【問題】次の長さをテープ図に表してみましょう。

ア 10cm の2分の1 イ 10cm の4分の1 ウ 10cm の8分の1

定規を使って、作図をする問題でしたが、難しい問題でした。これまでの

さのスケールを使うのではなく、分数の概念をより確かにするためには、

のような発展問題もあることを、石田先生より教えていただきました。

石田先生には、シナリオを使

た授業づくりや新学習指導要

における教科書の扱い方につ

てもご講演いただきました。

歩道が新設され

た大通りに、屋代

小学校への出入り

口がわかるように

と、看板を設置し

ていただきまし

た。「屋代を語る

会」の皆様方のご

厚意です。ありが

とうございます。

【問い】次の正方形は1㎡の広さです。1㎡の2分の1をさがしましょう。

ご講演中の

石田先生