今、地球に何が起こっているか今、地球に何が起こっているか

世界と私たちの暮らし　世界と私たちの暮らし　

消費者環境教育指導者研修消費者環境教育指導者研修20082008 年年 88 月月 2222 日日

　　未踏科学技術協会　　水野建樹

私たちの生活は　大変豊かになった！

サステナビリティの科学的基礎に関する調査 2006 （ http://www.sos2006.jp/）より

0246810121416182022

世界人口

石炭消費量

石油消費量

発電容量

鉄鋼生産量

登録車数

とうもろこし

木材パルプ生産量

2000

1950

倍率（

年／

年）

１９５０年に比べて２０００年には何倍になったか？（２．４）　（３．６）　（７．３）　（２１）　（４．３）　（１０．３）　（４．５）（１４．３）

１９５０年の人に比べて何倍使っているか？１　　　１．５　　　　３．０　　　８．８　　　１．８　　　４．３　　１．９　　６．０

http://www.wfp.or.jp/activities/country.php　←アクセスすると国ごとの詳細データがわかる　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

南　北　　格　差ハンガーマップ・ナビ　（ WFP 　国連世界食糧計画　２００２）

2.5% 以下　　 　　 2.5 ～５％ 　　 　５～２０％ 　　　２０～３５％　 　　 35% 以上　　　データなし

栄養不足人口の割合

人口の 35 ％以上が栄養不足の国は 25 カ国。飢餓に面している人 8 億人（世界人口の 8 人に１人）

持続可能な発展のために今何をしたらよいか、何ができるか

　世界人口問題＋貧困問題

食糧供給＋水資源エネルギー・資源供給

温暖化（気候変動）

直面しているグローバルな問題

・第４次報告　 2007 年　⇒　「気候システムの温暖化には疑う余地はない」　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　これは、各種の観測から今や明白で

ある。その　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　原因は 90 ％以上の確率で人間活動

による温室　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　効果ガスの増加によるものである。

　　　　地球温暖化は起こっているか？　　　気候変動に関する　 IPCC （第 1 次～第４次）　報告・第１次報告　 1990 年　⇒　「温暖化が起こる」　と　警告

・第２次報告　 1995 年　⇒　「温暖化が起こり始めている」　　　　　　　　　　　　　　　　　　人為的影響が地球全体の気候に　　　　　　　　　　　　　　　　　　現れていることが示唆される。

・第３次報告　 2001 年　⇒　新しい事実に照らすと，残された不確実性を考慮　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　しても，過去 50 年間に観測された温暖化の大部　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　分は，温室効果ガス濃度の増加によるもので　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　あった可能性が高い。

温暖化のメカニズム温暖化のメカニズム

　実際の温度鉛直布と、温室効果

　ガスの影響を考慮したモデル計算による気温分布

　

　 1964 年　　Ｍａｎａｂｅ

　＆　　Ｓｔｒｉｃｋ

ｅｒ　より気　温

地表からの高さ

気温分布（観測値）

二酸化炭素濃度を増加

させたとき

対流圏

成層圏（オゾン層）

（ｋ

ｍ）

モデル計算による気温

分布

放射強制力（放射エネルギーバランスへの影響力）をもたらす要素

IPCC 第 4 次評価報告書第 1 作業部会報告書

温室効果冷却効果

（ 264 億トン -CO2/ 年）

（ 112 億トン -CO2/ 年）　排出量の約 42%

出典：

（ 152 億トン -CO2/ 年）残留　排出量の約 58%

co2

過去 1万年の

二酸化炭素（ CO2)

メタン（ CH4)

亜酸化窒素（ N2O)

◎　温室効果ガス濃度の変化

原文は原文は IPCC IPCC ホームページに掲載ホームページに掲載SPMSPM 　　　　

http://www.ipcc.ch/SPM2feb07.pdfhttp://www.ipcc.ch/SPM2feb07.pdf

（小さな図は　 1750 年以降の変化）

気候システムの温暖化には疑う余地がない。

大気や海洋の世界平均温度の上昇、雪氷の広範囲にわたる融解、世界平均海面水位の上昇が観測されていることから今や明白である。

◎ 　気候変化に関する　　　直接的な観測結果

IPCC 第 4 次評価報告書第 1 作業部会報告書

地上気温の予測　（ IPCC 第 4 次報告より）

1980～ 1999 年を基準とした、 21 世紀初頭及び 21 世紀末の世界平均気温の変化の予測。

北極付近温度が最も上昇する

このまま温暖化がすすむと

◎　北極域及び南極域の海氷　⇒　縮小　　　（北極海の晩夏における海氷は、 21 世紀後半までに　　　　ほぼ完全に消滅するとの予測もある）

◎ 　極端な高温や熱波、大雨の頻度　⇒　引き続き増加する可能　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　性がか

なり高い。　　　　　◎　熱帯域の海面水温上昇に伴って、将来の熱帯低気圧の強度は　　　　増大し、最大風速や降水強度は増加する可能性が高い。

気候変動将来予測　 (IPCC 第 4 次報告抜粋 )

　気候システム自身の主要なプロセスを安定なものとして　　維持するために超えてはならない値。　　　　　破局的かつ不可逆な現象の発生に関する閾値。　　⇒　海洋深層循環の停止、西南極氷床の崩壊など）

中央環境審議会地球環境部会（第 30回）資料 2 気候変動問題に関する今後の国際的な対応より

　ある点を超えると政策決定者が許容できないと考える　　被害をもたらす値。　　⇒　生態系、食糧生産、水資源、沿岸域、気象災害、　　　　　人の健康、経済開発などへの影響

　・ タイプ１の閾値

・ タイプ２の閾値

気候変動による影響

北極の海氷は最近、 10 年につき９％の割合で減少している。

1979 年夏　　　　　　　　　　　⇒ 24 年後　　　　　　　　　　　　　 2003 年夏

北極の海氷域（夏）　　　 1979 年と 2003 年の比較

Defense Meteorological Satellite Program (DMSP) Special Sensor Microwave Imager (SSMI). Credit: NASAhttp://www.nasa.gov/centers/goddard/news/topstory/2003/1023esuice.html#addlinfo

地球温暖化の影響で絶滅も懸念されているホッキョクグマ　　　　　　　　　　　　（米海洋大気局提供）

どこまでの気温上昇なら影響は比較的小さくてすむか？

• 目安となる気温　　　　⇒　現在よりも　プラス 2℃程度以下

• 目安となる温室効果ガス濃度　　　　⇒　 490～ 535ppm 　　（ CO2,CH4,N2O など全て含めて温室効果を CO2換算すると　　現時点でおよそ 430ppm ）

気候安定化のために必要なCO2排出削減の考え方

６０％　↓　　　吸収されないで大気中に残る率。　　　　　　　 　全ての国（人）はこれだけ排出量を削減する。

１０％（？）↓　先進国は途上国よりも多く削減すべき。

１０％（？）↓　温暖化で海や陸での吸収量が落ちるかも。

⇒ 　先進国は　６０～８０％　削減することを目標とすべき　　　しかも、できるだけ早く　（～２０５０年まで）

　　　　　　例えば　 2005 年の排出量約 270億トン 　　　　　目標　⇒　 2050 年に少なくとも半減させる！　　　　　　　でも、世界経済が順調に成長を続けるとすれば、

　　　　　　 2050 年には約５３５億トンまで増える　　　　　　　　　⇒　結果的に 400億トンも減らす！

0

100

200

300

400

500

600

2005年 2050年 2050年

CO2

（億トン－

）

何もしなければ大幅に増え

る目標

2005 年の半分

　（ IEA “Energy Technology Perspective” 　 等）

400 億トン

京都議定書の６％削減は

そのほんの序章に過ぎない

（注）　－ 6 ％は 1990 年レベルに対する 2008～ 2012 年の日本の削減量　　　　議定書による先進国の削減率は全体で５％程度。　　　　そのため、達成されたとしても恐らく 2012 年に世界の　　　　温室効果ガス排出量は 1990 年比で－ 2 ％程度に留まる。

これから６０～８０％減らす！方法はあるのか？

決して簡単ではないが、温暖化を抑制するための三つの鍵がある

新たな枠組み・制度（ルール）を作る革新的な技術を開発する　　

個人の価値観を変える

　　☆　条約　（気候変動枠組条約　）⇒ 　京都議定書

　　　　　クリーン開発メカニズム （ CDM ）、排出量取引、共同実施 　　　　⇒　ポスト京都議定書

　　☆　環境税（炭素税）　　☆　カーボン・オフセット（相殺）　　　☆　 EMS （環境マネージングシステム）など

新たな枠組み・制度（ルール）を作る

http://www.enecho.meti.go.jp/policy/coolearth_energy/coolearth-hontai.pdf'

革新的な技術を開発する　　

でも、ライフスタイルを変えるのは大変難しい

　環境教育の必要性

　　⇒　価値観が変わるとライフスタイルが変わる

個人の価値観を変える

2011 年の地上デジタル放送へ完全移行を前に、テレビの買い替えが急ピッチ！

地上デジタル対応テレビ出荷数

29型テレビ（ブラウン管）

テレビの買い替え

液晶テレビ

プラズマテレビ

☆32 型　消費電力150 ～ 180W

☆42 型　消費電力330 ～ 430W

•消費電力130 ～ 140W

増やさない方法を考える。増えたら　どこかで減らす。

大事なのは温暖化の抑制だけではない大事なのは温暖化の抑制だけではない

• 持続可能な社会へ　　⇒ 　限られた資源の下で　　より公平に（今の世代でも、次の世代とも・

・）

将来　食糧は確保できるのか？

日本の面積　 3779万 ha耕地面積　 470万 ha　 (2000年）(九州＋四国）の半分強

１，２００万 ha が必要

資料：農林水産省「食料需給表」、「耕地及び作付面積統計」、「畜産物生産費統計」、財務省「貿易統計」、 FAO 「 FAOSTAT 」、 USDA 「 Agricultural Statistics 」

1992 年から 2002 年の 10 年で40.3 万 ha の耕地面積減少

食料自給率４０ % 　

( カロリーベース ) 　

食料輸入60%

食料輸送が環境に与える負荷として、輸送に伴うエネルギー消費量（ CO2排出量）を指標とする。フードマイレージ　＝　輸入相手国別輸入量　 × 　輸入相手国から日本までの輸送距離

http://www.agriworld.or.jp/agrin/agrin1/set_product.html

てんぷらそばの材料はどこからきたの？

http://www.kanbou.maff.go.jp/www/jikyu/report15/h15text4_2.pdf

11秒の世界秒の世界責任編集　山本良一　　責任編集　山本良一　　 Think theThink the 　　 Earth Project Earth Project 編編

ダイヤモンド社　ダイヤモンド社　 952952 円円

持続可能な社会に向けてわかりやすく、参考となる本

世界を変えるお金の使い方世界を変えるお金の使い方あなたがお金を使う瞬間、あなたがお金を使う瞬間、

それはあなたが世界を動かしている瞬間でもあります。それはあなたが世界を動かしている瞬間でもあります。　　　　　　　　　　　　ダイヤモンド社ダイヤモンド社

編集　編集　 Think the Earth Project Think the Earth Project 責任編集　山本良一　責任編集　山本良一　 12001200円円

消費者や投資家は社会や環境にやさしい企業の商品、サービス、　　株などを購入することで、世界を良くしていことができます。　それは、自分のお財布を使って良い企業に投票するのと同じことです。

　 　＝お財布からの投票＝

コンビニ弁当　コンビニ弁当　＝食べものが世界を変えている＝＝食べものが世界を変えている＝

１６万ｋｍの旅　１６万ｋｍの旅　　　太郎次郎社エディタス　千葉　保監修　太郎次郎社エディタス　千葉　保監修　 20002000 円円

フードマイレージについて

サステナビリティの科学的基礎に関する調査サステナビリティの科学的基礎に関する調査　　　　　　 http://www.sos2006.jp/houkoku/index.htmlhttp://www.sos2006.jp/houkoku/index.html

世界がもし世界がもし 100100 人の村だったら人の村だったら池田香代子再話　池田香代子再話　 C.C. ダグラス･ラミスダグラス･ラミス

対訳対訳　　マガジンハウス　マガジンハウス　 838838円円

専門的ですが

• できる限り第一次資料にあたって調べる• 資料作成者を確認する　⇒　信頼できるか• 疑問が生じたら（納得するまで）追求する• 対立する見解があっても、無視しない• 「思いこみ」や「先入観」を排除する• メディアの情報を鵜呑みにしない• 　（⇒ある一面だけを強調している場合があ

る）• 受講者と一緒に調べるという余裕も必要

指導者に必要な「背景となる知識」の習得方法