多波長観測による γ 線未同定天体の スペクトル・時間変動解析
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多波長観測による γ 線未同定天体の スペクトル・時間変動解析. 広島大学 4 年 浦野 剛志. 目次. イントロダクション p3 – p5 研究テーマ p6 用いた観測機器 p7 解析方法 p8 – p9 5. 解析結果・考察 p10 – p14 6. まとめ p15. ガンマ 線天体. 相対論的なエネルギーにまで荷電粒子を加速し、 ガンマ 線を放射している天体. - PowerPoint PPT PresentationTRANSCRIPT
多波長観測による γ 線未同定天体のスペクトル・時間変動解析広島大学 4 年 浦野 剛志
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目次1. イントロダクション p3 – p5 2. 研究テーマ p6
3. 用いた観測機器 p7
4. 解析方法 p8 – p9
5. 解析結果・考察 p10 – p14
6. まとめ p152
ガンマ線天体相対論的なエネルギーにまで荷電粒子を加速し、ガンマ線を放射している天体
銀河系内の天体 - パルサー、超新星残骸、ガンマ線連星銀河系外の天体 - 活動銀河核 ( ブレーザー )
超新星残骸の画像パルサーの模式図 ブレーザーの模式図マイクロクェーサーの模式図 3
エネルギー源パルサー 回転
超新星残骸 超新星爆発ガンマ線連星 恒星からコンパクト天体に物質が降着する際に
解放される重力エネルギーブレーザー 巨大ブラックホールに周辺の物質が降着する際に
解放される重力エネルギーイメージ 変動
time scale銀河
系内 ・系外パルサー 点源 秒(周期的) 系内
超新星残骸 広がっている 時間変動なし 系内ガンマ線連星 点源 不規則 系内
ブレーザー 点源 数時間~数年 系外 4
対象天体-ガンマ線連星の候補天体の選別条件- 1. 系内に存在する可能性がある ( 銀緯 < 20° ) 2. ジェットに起因すると思われる電波放射が観測されている 3. 可視光の対応天体もいる ガンマ線未同定天体 600 天体 ⇒ 3 天体
1RXSJ013106.4+6120351RXS J135341.1-664002
1RXS J194246.3+103339
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研究テーママイクロブレーザー
マイクロクウェーサーの模式図もしも対象天体が、系内に存在しており、ブレーザーであったのならば、世界で初めてマイクロ「ブレーザー」を発見したことになる。
⇒
対象天体の SED の作成及び、時間変動を解析するとともに、X線解析より距離の推定を行う。6
観測機器
ガンマ線衛星フェルミ X 線衛星「すざく」 可視近赤外望遠鏡かなた ガンマ線 - 100 MeV – 300 GeV 2008/8/4 ~ 3 年間のデータ X 線 - 0.2 – 10 keV 半日観測可視・近赤外線 - R , I , z , K バンド 2009/11 ~ 2 年間のデータ 7
ガンマ線解析方法・ Science Tools と呼ばれる Fermi チーム共通のツールで解析・天体とバックグラウンド(銀河面、銀河系外からの放射)を 含んだ Model file を使い、 likelihood によるフィットを行う。
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X 線解析方法 (XIS)
解析する上で必要となるのは、・ソースイベントファイル・バックグラウンドイベントファイル・応答関数 ( レスポンス ) ファイル
・ソースイベントファイル 右図の円で切り抜いた内側の部分 (点源由来の光子+バックグラウンド)・バックグラウンドイベントファイル ドーナツ状の領域・レスポンスファイル 検出器固有のある確率分布を示すエネルギーレスポンスと、光子の入射角度に依存した有効面積のレスポンスファイルの二つがある。 9
ガンマ線1RXSJ013106.4+612035
スムージングしていない生の γ 線イメージ
1 時間
Coun
t / se
c
1
0.6
0.25e3 1e4 1.5e4
Time (s)
X 線
イメージは点源(望遠鏡の性能 (PSF) で十字に拡がっている)。時間変動はなし。(隙間は、地食や SAA(地磁気異常帯 ) により観測していない)
4’
1RXSJ013106.4+612035
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スムージングしていない生のX線イメージ
1 年
1.9 倍2010/4 2010/10 2011/5
16.5
15.6
15.9
16.2Flux
[mag
]
可視・近赤外線
5’
イメージは点源。時間変動は、 R , I ともに有意な変動がある。
⇒ 点源であることから、超新星残骸ではない。時間変動より、パルサーではない可能性が高い。多波長解析より
1RXSJ013106.4+612035
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I R
Nor
mal
ized
coun
ts s-1
keV
-1
0.01
0.1
1
1 2 5Energy [keV]
吸収なし
model = 星間吸収 ×powerlaw
X 線スペクトル解析による距離の推定Photon index 2.57 ± 0.04柱密度 (7.9 ± 0.3 ) × 1021 /cm2
対象天体に対する我々の銀河の柱密度(5.5 – 7) × 1021 /cm2
系内に存在する場合 ⇒ ・星間吸収 < 柱密度 ・光子指数がハード( < 2 )⇒
系外に存在する 可能性が高い。
1RXSJ013106.4+612035
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* ガンマ線連星だとスペクトルがハードになる。
多波長スペクトル解析1RXSJ013106.4+612035
まとめ・フェルミ衛星、「すざく」衛星、かなた望遠鏡による多波長観測を行った。・イメージ解析と可視光での時間変動から、対象天体は超新星残骸 ・ パルサー でない可能性が高い。・ X 線スペクトル解析結果から、星間吸収が柱密度と同程度で、光子指数がソフトなことから系外に存在する可能性が高い。・
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