菅付雅信の編集スパルタ塾⑦『東浩紀 氏』

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図らずも露呈した巨大建築構造物のデザイン決定プロセスのまずさ

・決定プロセスの不透明さと仕切りの悪さ。巨額すぎる血税拠出への不満

・オリンピックという“お祭”の準備で、調子に乗る行政のイケイケどんどんムード

・大会ランドマーク施設のデザインに対する一般人の違和感と無理解

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それじゃあ、いままではどうだったんだろう??

・行政のお手盛りな丼勘定は、もちろん今に始まった話じゃないでしょう

・それはこの国にまだ余裕がある、もっと金があった時代の建築に、より顕著に表

れているんじゃないだろうか

→悪名高い“バブル期の建築物”にわかりやすく現れているに違いない

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というのも、フィクションみたいな構造体も技術上建築可能!?

・予算制約がなければ、冗談みたいな建築構造物の設計も可能!

→ちょうどバブル期に大手ゼネコンは競って“夢の建築青写真”を提唱した

例)左から「TRY2004(清水建設)」高さ2000m、「DIB200(鹿島建設)」高さ800m200階建て

「Xseed400(大成建設) 」高さ4000m800階建て、公費150兆円で建設予定地は東京湾

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いまや夢建築は不要!そもそもこの国にはもうお金がない!

・3割を社会保障費に、2割を国債返還に割り当てるこの国の歳出

・途上国も費用負担の大きい大型インフラの発注を相次いで見合わせる

→ない袖は振れないはず。借金して買い物を重ねている現状

※「情報公開と説明」を経て事業を進めるプロセスは、民主主義社会における意

思決定のめざすべきフローではないか 5

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これを『バブル建築』と名付け、ツーリズムの対象にしたい

・建築はその時代の社会環境や人間の意識・行動様式とがよく現れる

・“バブル期の建築物”は得てして「周囲から浮いて」いて「空気が読めていない」、

「趣味が悪い(デザインが突飛な)」ものが多く、一方で観光向けではある

→これら“残念な”建築物を『バブル建築』と名付けて、その問題点や市民社会的

置づけを考えることは思想的・批評的な題材足り得るんじゃないだろうか 6

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東京都立江戸東京博物館 (墨田区両国 1993年3月竣工)

決定:青島幸雄都政 施工:鹿島建設 設計:菊竹清訓

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いつ誰がどこにどうやって建てたのか。それはどんな存在か。

・予算は?決定権者は?オリエンは?コンペ環境は?設計デザインは?建

築施工は?収支計画は?

・施設の利用者、近隣住民はどう感じているか

→建築物の施工の背景とその周辺、近隣住民にとってどんな存在かというこ

とにまで目配りして、建築とその決定プロセスについてのリテラシーを育む 8

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ひいては、建築から“都市景観や街並み”を考えられる国へ

・ヨーロッパの街並みの美しさ、日本人の建築観と日本の都市計画

・「京都は京都を嫌いになっています」 by東洋美術家 アレックス・カー

“震災復興”を成し遂げ、東京五輪に向けた”建築観ルネサンス”を導くために

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ありがとうございました。